JP5353729B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
もっとも、一般的な排気浄化触媒が浄化性能を発揮するためには、ある程度の温度(いわゆる、活性化温度)まで熱せられる必要がある。このため、特にエンジンが冷態始動した場合には、排気浄化触媒を素早く昇温させることが、排気ガスの浄化という観点からは重要な事項である。
つまり、大気に放出される排気ガスの性能を向上させるべく、触媒の昇温を行なうと、一方で、燃費の悪化を招いてしまうという課題が生じてしまうのである。
また、本発明のエンジンの制御装置は、該ウォータポンプと該エンジンとの間に介装され該ウォータポンプと該エンジンとを機械的に断接するクラッチ機構をさらに備え、該ウォータポンプは、該エンジンの動力によって駆動する機械式ウォータポンプであり、該昇温制御手段は、該冷却水温度が該水温閾値よりも低い場合には該クラッチ機構を切断状態にすることで該ウォータポンプの作動を停止させることも特徴としている。
また、シリンダヘッド2には、吸気ポート5が形成されている。また、この吸気ポート5は、吸気弁14によって開閉されるようになっている。
また、シリンダヘッド2には、排気ポート6が形成されている。また、この排気ポート6は、排気弁24によって開閉されるようになっている。
そして、このエンジン1には、吸気弁14および排気弁24のバルブタイミングを変更可能な可変動弁機構30Aが設けられている。
また、吸気マニホールド15には、吸気流量を制御するスロットルバルブ16が設けられている。
また、吸気マニホールド15には、電磁式の燃料噴射弁21が取り付けられている。この燃料噴射弁21には、燃料パイプ22を介し、図示しない燃料タンクから燃料が供給されるようになっている。
この三元触媒27は、コージライト製の担体に、白金(Pt),ロジウム(Rh)といった貴金属が担持された触媒であって、エンジン1から排出された排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO),炭化水素(HC)および窒素化合物(NOx)を、窒素(N2),二酸化炭素(CO2)および水(H2O)へ化学変化させることで、排気ガスを浄化することが出来るようになっている。
三元触媒27の上流側における排気管26には、排気温度センサ28が設けられている。この排気温度センサ28は、三元触媒27に流入する排気ガスの温度TEXを検出するものである。なお、この排気温度センサ28による検出結果TEXは、後述するECU(Electric Control Unit)40によって読み込まれるようになっている。
電動式ウォータポンプ30は、電気モータ31と、この電気モータ31によって駆動されるインペラ32とを有している。
また、このエンジン1には、冷却水の温度TWを検出する冷却水温センサ12が設けられている。なお、この冷却水温センサ12による検出結果TWは、後述するECU40に読み込まれるようになっている。
このECU40は、いずれも図示しないメモリやCPU(Central Processing Unit)を有する電子制御ユニットである。また、このECU40のメモリには、いずれもソフトウェアとして、エンジン回転数演算部(エンジン回転数演算手段)41,触媒温度推定部(触媒温度検出手段)42,点火制御部(点火制御手段)43,ウォータポンプ制御部(ウォータポンプ制御手段)44および昇温制御部(昇温制御手段)45が記録されている。
触媒温度推定部42は、排気温度センサ28によって検出された排気ガス温度TEXに基づいて、三元触媒27の温度TCCを推定するものである。
点火制御部43は、点火プラグ11による点火時期を制御するものである。
より具体的に、この昇温制御部45は、冷却水温度TWが水温閾値TWth(例えば、60℃程度)よりも低い状態である場合には、ウォータポンプ制御部44を介して、電動式ウォータポンプ30の作動を停止させるようになっている。
さらに、昇温制御部45は、電動式ウォータポンプ30を作動させた際に、触媒温度TCCが触媒温閾値TCCthよりも低いと(TCC<TCCth)、点火制御部43を介して、点火プラグ11の点火時期を遅角させるようになっている。また、このとき、昇温制御部45による点火時期の遅角量は、比較的大きく(例えば、上死点〜上死後5度程度に)設定されている。
本発明の一実施形態に係るエンジンの制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
そして、昇温制御部45は、読み込んだ冷却水温度TWが水温閾値TWthよりも低い(TW<TWth)場合には(ステップS12のYesルート)、ウォータポンプ制御部44を介して、電動式ウォータポンプ30の作動を停止させる(ステップS13)。
また、読み込んだ冷却水温度TWが水温閾値TWth以上(TW≧TWth)の場合(ステップS12のNoルート)、昇温制御部45は、ウォータポンプ制御部44を介して、電動式ウォータポンプ30を作動させる(ステップS16)。
つまり、ステップS15およびステップS18として上述したように、昇温制御部45は、電動式ウォータポンプ30が作動している場合に比べ、電動式ウォータポンプ30が停止している場合の方が、点火制御部43による点火時期の遅角量が小さくなるように、点火制御部43を制御する。
ここで、改めて、図3を用いて、昇温制御部45による、ウォータポンプ制御部44を介した電動式ウォータポンプ30の制御、および、点火制御部43を介した点火プラグ11の点火時期制御が行なわれた場合の作用を説明する。なお、図3中、実線は、本実施形態において、昇温制御部45によるウォータポンプ30および点火プラグ11の制御を示し、一点鎖線は、このような制御を行わなかった場合(即ち、従来技術の一例)を示す。
したがって、本実施形態に係る本発明によれば、エンジン1の燃費性能と三元触媒27の排気ガス浄化性能との双方を高い次元で実現させることが出来る。
また、本実施形態においては、電動式ウォータポンプ30を採用しているので、よりきめ細やかに、冷却水の流通を制御することが出来る。
上述の実施形態においては、エンジン1に可変動弁機構30Aが設けられている場合について説明したが、これに限定するものではない。
また、上述の実施形態においては、電動式ウォータポンプ30を採用した場合について説明したが、これに限定するものではない。例えば、この電動式ウォータポンプ30に代えて、エンジンの動力によって駆動する機械式のウォータポンプを採用してもよい。但し、この場合、機械式ウォータポンプとエンジンのクランクシャフトとの間には、機械式ウォータポンプとクランクシャフトとを機械的に断接するクラッチ機構をさらに備えることが好ましい。また、この場合、昇温制御手段は、冷却水温度が所定の水温閾値よりも低い状態でエンジンが始動した際、クラッチ機構を切断状態にすることで、ウォータポンプの作動を停止させればよい。このように、一般的に広く用いられている機械式ウォータポンプを採用することで、コストの低減や信頼性の向上に寄与することが出来る。
本発明は、自動車産業や動力出力装置の製造産業などにも利用可能である。
11 点火プラグ
12 水温センサ(冷却水温度検出手段)
27 三元触媒(排気浄化触媒)
30 電動式ウォータポンプ(ウォータポンプ)
42 触媒温度推定部(触媒温度検出手段)
45 昇温制御部(昇温制御手段)
TCC 触媒温度
TCCth 触媒温閾値
TW 冷却水温度
TWth 水温閾値
Claims (4)
- 点火プラグを有するエンジン内で冷却水を循環させるウォータポンプと、該エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気浄化触媒とが設けられた車両に用いられる、エンジンの制御装置であって、
該冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
該排気浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
該冷却水温度検出手段によって検出された該冷却水温度と該触媒温度検出手段によって検出された該触媒温度とに基づいて該排気浄化触媒を昇温させる昇温制御手段とを備え、
該昇温制御手段は、
該冷却水温度が水温閾値よりも低い場合には該ウォータポンプを停止させ、さらに、
該ウォータポンプの作動または停止に応じて、該触媒温度が触媒温閾値未満である場合に該点火プラグの点火時期の遅角量を可変とし、
かつ、該点火プラグの点火時期の遅角量を、該ウォータポンプが作動中であるときよりも、該ウォータポンプが停止中であるときの方が、小さくなるように設定
することを特徴とする、エンジンの制御装置。 - 該ウォータポンプは、電動式ウォータポンプであることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの制御装置。
- 該ウォータポンプと該エンジンとの間に介装され該ウォータポンプと該エンジンとを機械的に断接するクラッチ機構をさらに備え、
該ウォータポンプは、
該エンジンの動力によって駆動する機械式ウォータポンプであり、
該昇温制御手段は、
該冷却水温度が該水温閾値よりも低い場合には該クラッチ機構を切断状態にすることで該ウォータポンプの作動を停止させることを特徴とする、請求項1または2記載のエンジンの制御装置。 - 該昇温制御手段は、
該エンジンの始動が開始されてから所定期間作動する
ことを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載のエンジンの制御装置。
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