JP2006336500A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エアアシスト−二次空気供給装置を備えた内燃機関において、きめ細かい総合的な最適制御を行い、今後益々厳しくなる排気規制をクリアすること。
【解決手段】 機関始動から機関始動直後は、エアアシストと燃料噴射タイミングの最適化によって、混合気の質と混合気の最適形成を行い、その後、二次空気供給と点火時期のリタードによって触媒を早期に活性化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、燃料噴射式の内燃機関の冷機時の燃焼改善を行うために燃料を微細化して燃料を供給するエアアシストと触媒を早期に活性化するための二次空気供給とを行うエアアシスト−二次空気供給装置を設けた内燃機関の制御装置に関する。
空気ポンプを使用して排気系へ二次空気を導入して排気中の有害成分を減少させるシステムと、吸気系へ噴射される燃料と一緒に補助空気(エアアシスト)を噴射して燃焼改善を図り、排気中の有害成分を減少させるシステムを両立させた排気対策用空気供給装置がある(たとえば、特許文献1)。
この排気対策用空気供給装置では、排気系への二次空気供給システムと燃料噴射弁への補助空気供給システム(エアアシストシステム)とが一台の空気ポンプを共有して一部の構成要素が共通化され、システムを簡単化、消費電力節減、設置空間の縮小化が図られている。
特開平5−44450号公報
今後益々厳しくなる排気規制対応のためには、前述の排気対策用空気供給装置のようなエアアシスト−二次空気供給装置を有する内燃機関において、よりきめ細かい総合的な最適制御を行うことが必要になってくる。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、エアアシスト−二次空気供給装置を備えて、きめ細かい総合的な最適制御を行い、今後益々厳しくなる排気規制をクリアすることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明による内燃機関の制御装置は、燃料噴射手段に噴霧粒径を細かくするために空気を供給するエアアシストと排気管に空気を供給する二次空気供給とを行うエアアシスト−二次空気供給装置を設けた燃料噴射式の内燃機関の制御装置であって、前記燃料噴射手段による燃料噴射のタイミングを可変設定する燃料噴射時期制御手段と、点火時期を可変設定する点火時期制御手段とを有し、エアアシスト時には前記燃料噴射時期制御手段によってエアアシストに対応した燃料噴射タイミングを設定する制御と、二次空気供給時には前記点火時期制御手段によって点火時期をリタードさせる制御の少なくとも、何れか一方を行う。
本発明による内燃機関の制御装置は、好ましくは、エアアシスト時における燃料噴射タイミング制御が、内燃機関の状態に応じて燃料噴射タイミングを吸気行程噴射から排気行程噴射に移行させる制御である。
本発明による内燃機関の制御装置は、好ましくは、二次空気供給時の点火時期のリタード量を、内燃機関の冷却水温、エンジン回転数、排気ガスの温度あるいは触媒の温度のいずれか一つ或いは組み合わせによって決定する。
本発明による内燃機関の制御装置は、好ましくは、一つの空気供給手段(エアポンプ)を用いて、内燃機関の状態に応じて機関始動から所定の範囲まではエアアシストを行い、その後、二次空気供給に切り換える。
本発明による内燃機関の制御装置は、好ましくは、前記内燃機関の状態に応じて機関始動から所定の範囲が、機関始動からの時間、排気ガスの温度、燃料噴射回数、燃料噴射量、点火回数のいずれか、或いは組み合わせにより決まる。
本発明による内燃機関の制御装置は、好ましくは、内燃機関の吸入空気量の検出を、エアアシスト時には、吸気管圧力を検出する圧力センサの信号を用いて行う
本発明の内燃機関の制御装置によれば、機関始動から機関始動直後は、エアアシストと燃料噴射タイミングの最適化が行われ、混合気の質と混合気の最適形成ができることから、燃焼の改善が可能となり、エンジンからの有害成分の排出量を低減できる。また、出てしまった有害成分については二次空気供給と点火時期のリタードによって触媒を早期に活性化し、浄化ができることから排ガス性能の向上を図ることができる。
本発明による内燃機関の制御装置の実施形態を図面に沿って詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用されるエアアシスト−二次空気供給装置付き内燃機関の全体構成を示している。
図1において、内燃機関(エンジン)10は、多気筒、例えば、4気筒からなるの多弁式のものであり、各気筒9毎に点火プラグ12を配置され、吸気弁6、排気弁7と、気筒9内を往復動するピストン8とで燃焼室11を構成している。
各気筒9には吸気弁6及び排気弁7によってそれぞれ開閉される吸気管18及び排気管19が接続されている。吸気管18は二つの吸気ポートを有する分岐した吸気管として構成されている。
吸気管18には、運転状態検出手段の一つであって、吸気流量を計測するエアフローセンサ(吸入空気量センサ)2と、スロットルバルブ3の開度を計測するスロットルセンサ4と、吸気管圧力を検出する圧力センサ35が各々の適宜位置に配置されている。
また、内燃機関10には、エンジン冷却水温を計測する水温センサ14と、エンジン回転数を計測するクランク角センサ13が各々の適宜位置に配置されている。
吸気管18の上流部に設けられたエアクリーナ20から流入された空気は、スロットルバルブ3で流量を調節され、燃料噴射装置である燃料インジェクタ1から所定の角度で吸気通路へ噴射されたガソリンと混合されて各気筒9に供給される。
燃料インジェクタ1は、4気筒の内燃機関10の各気筒9の上流側に一つずつ配設され、マルチポイントインジェクション(MPI)システム化された燃料噴射方式を採用している。
燃料タンク21からの燃料は、燃料ポンプ22によって吸引、加圧された後、プレッシャレギュレータ15を備えた燃料管23を通って燃料インジェクタ1の燃料入口に導かれ、余分な燃料は、燃料タンク21に戻される。なお、燃料タンク21から蒸発する燃料は、キャニスタ36に捕捉され、大気中に放出されるのを抑制される。
気筒9で燃焼した排ガスは、排気管19を通じて触媒コンバータ16に導かれ、浄化された後に排出される。
排気管19には、排ガス中の酸素濃度に比例して広域で、且つリニアな空燃比信号を出力する空燃比センサ17が適宜位置に配置されている。
図2は、内燃機関10に適用されるエアアシスト−二次空気供給装置の一つの実施形態を示している。
このエアアシスト−二次空気供給装置は、空気供給手段として、エアアシストと二次空気供給とで共有する一つの電動式のエアポンプ50を有する。エアポンプ50は、空気入口51より空気を吸引し、空気を加圧(圧縮)して空気配管52へ圧送する。空気配管52には電磁式のエア切換バルブ53が配置されている。
エア切換バルブ53のエアアシスト側出口53Aと二次空気側出口53Bの各々にはチェックバルブ55、56が設けられている。エア切換バルブ53は、チェックバルブ55、56と協働して、エアポンプ50の空気を空気配管57によって燃料インジェクタ1へ送るエアアシスト側空気供給と、同じエアポンプ50の空気を空気配管58によって排気管19へ送る二次空気側空気供給との空気供給先の切り換えを排他的に行う。
エアポンプ50、エア切換バルブ53の動作は、コントロールユニット100によって制御される。
図3は、エアポンプ50の流量−吐出圧力(Q−P)特性を示している。図3では、横軸に空気流量(l/min)、縦軸に吐出圧力P(kPa)、電流I(A)を取っている。
エアアシスト時には、燃料を微細化するために高圧力の確保が重要であり、これに対し二次空気供給時には圧力より空気量の確保のほうが重要である。
そこで、エアアシスト時には、エアポンプ50の吐出圧力PをPasに設定し、空気量(流量Q)はQasとする。
これに対し、二次空気供給時には、エアポンプ50の吐出圧力Pをエアアシスト時よりも低い圧力Psecに設定し、空気量(流量Q)はエアアシスト時より多いQsecとする。
チェックバルブ55と56の開弁圧力は個々に相違し、エアアシスト側のチェックバルブ55の開弁圧力が二次空気側のチェックバルブ56の開弁圧力よりも高く設定されている。
このような構成において、エアアシスト側の空気配管57側に空気を供給する場合には、エア切換バルブ53のバルブ54を上昇移行させて弁ポート53Cを閉じ、空気配管52と二次空気側の空気配管58との連通を遮断する。エアポンプ50の吐出圧力Pが上昇し、所定値(設定圧)Pasに達すると、チェックバルブ55が開き、空気配管52とエアアシスト側の空気配管57とが連通し、エアアシスト側に空気が供給される。
これに対し、二次空気側の空気配管58に空気を供給する場合には、エア切換バルブ53のバルブ54を降下移行させて弁ポート53Cを開く。二次空気供給時のエアポンプ50の吐出圧力Pは、エアアシスト時の設定圧Pasより低い設定圧Psecであり、この設定圧に応じて、エアアシスト側のチェックバルブ56の開弁圧がエアアシスト側のチェックバルブ55の開弁圧より低く設定されていることから、チェックバルブ56だけが開弁してエアポンプ50よりの空気は全て二次空気側の空気配管58へ供給される。
なお、この二つのチェックバルブ55、56は、逆流防止の役目も持たせてある。
上述したエアアシスト−二次空気供給装置の配管構成をブロック図的に描くと、図4に示されているようになる。この配管構成は、図5に示されているように、エアアシスト側の空気配管52a、電磁式のエア開閉弁53a、チェックバルブ55、空気配管57と、二次空気側の空気配管52b、電磁式のエア開閉弁53b、チェックバルブ56、空気配管58とし、エアポンプ50だけエアアシスト側と二次空気側とで共有し、空気供給通路を、エアアシスト側と二次空気側とで完全二重化することもできる。
車両により空気配管の最適な搭載性は異なることから、空気供給通路構成を変更、対応させることが必要である。図4に示されている配管構成と、図5に示されている配管構成とで、このことに対する対応性が向上する。
図6は本装置に採用したエアポンプ50の外観を、図7は本装置に使用したエアアシストノズル30付きの燃料インジェクタ1の外観を示した。エアアシストノズル30は、図8(a)、(b)に示されているように、エアアシストのための空気入口31を有する。エアアシストの空気は、空気空気入口31から燃料噴孔32に入り、燃料噴孔32の燃料を微細化する。つまり、燃料噴孔32より噴射される燃料が空気空気入口31からのエアアシストの空気流によって微細化(霧化)される。
コントロールユニット100は、車体あるいはエンジンルーム内に配置される電子制御式のものである。コントロールユニット100は、図9に示されているように、マルチプロセッサユニット(MPU)151と、書き換え可能な不揮発生メモリ(EP−ROM)152と、ランダムアクセスメモリ(RAM)153と、そして各種センサにより検出されたエンジン運転状態を表わす信号を入力し、各種アクチュエータを駆動する制御信号を出力する入出力回路であるLSI回路部品、すなわちI/OLSI154等により構成されている。
具体的には、I/OLSI154は、圧力センサ35、エアフローセンサ2、クランク角センサ13、スタータスイッチ157、空燃比センサ17、水温センサ29、バッテリ電圧センサ160及びスロットルセンサ26からの出力信号が、必要に応じて上記I/OLSI内蔵のA−D変換器を介して、あるいは外部のA−D変換器を介して入力し、RAM153にストアする。
MPU151は、EP−ROM152に書き込まれているコンピュータプログラムを実行し、RAM153にストアされた各種センサよりの情報を参照して所定の演算を行い、エンジン制御用アクチュエータである燃料インジェクタ1、点火プラグ12(イグニッションコイル)、燃料ポンプ22、エアポンプ50、エア切換バルブ53の動作を制御する。
ここで、有害排出ガス削減の基本的な考え方について説明する。有害排出ガス削減の基本的な考え方は、図10に示されているように、機関始動から機関始動直後の排気低減の為に、燃焼を改善して如何にエンジンから有害排気ガスを出さないようにするか、次に、触媒を早期に活性させて出てしまった有害排気ガスを如何に触媒で浄化するかである。
燃焼の改善は、機関燃焼室内での混合気の質及び形成を如何に最適にするかであり、触媒の早期活性化は、図22に示されているように、触媒温度(排気ガスの温度)を如何に早く高くできるかである。触媒を早期に活性することで、破線から実線までの面積分有害排気ガスを低減できる。
図12は、本実施形態によるエアアシスト−二次空気供給装置の動作タイミングを示している。図12において、横軸は時間、或いはエンジンの状態を示す例えば排気ガスの温度、触媒の温度、エンジンパラメータ示す例えば燃料噴射回数、点火回数などである。
本実施形態では、機関始動直後のエンジンアウト有害排気ガスの低減のためのエアアシスト区間ASと、触媒の早期活性化のための二次空気区間SECの二つの制御区間が設定されている。
先ず、エアアシスト区間ASについて説明する。スタータスイッチ157がオンされると、エアポンプ50が作動し、エア切換バルブ53は燃料インジェクタ1へ空気を送る側に作動する。エアポンプ50よりの空気は、図8に示されている燃料インジェクタ1のエアアシストノズル30の空気入口31から燃料噴孔32に入り、図8(a)にて左方向から流れていく燃料噴孔32の燃料を微細化する。微細化された燃料は燃料噴孔32より吸気ポートへ向けて噴射される。
図13は、この時のアシスト空気量と粒径の関係を示している。図13の横軸はエアアシストは粒径Dを示している。
エアアシストがない場合の粒径Dは約90μmであり、エアアシスト量Qを増やしていくにつれて粒径Dは細かくなり、約40μm程度まで微細化され、微細化が飽和する。したがって、粒径Dはエアアシストによって90μmから40μm程度まで微細化することができる。エアアシスト量Qは、粒径Dを40μm程度まで微細化でき、空気量に対して感度の少ない最小限の値(設定値)Qasに設定した。このときの噴霧の状況を図14に示す。
エアアシスト区間ASは、図12に示されているように、機関始動からの時間としているが、エアアシストの区間ASは、エンジンの状態を示す、例えば、排気ガスの温度、触媒の温度、冷却水温、エンジンパラメータを示す、例えば燃料噴射回数、燃料量、点火回数などでのいずれか、或いは組み合わせによって設定することできる。
エンジン10に与えられる熱量は燃料量で決まるので、燃料噴射回数と一噴射あたりの燃料量から逐次総噴射量を算出し、この総噴射量が所定値に達した時点で、エアアシストを停止することもできる。
なお、エアアシストによる空気は、エアフローセンサ2を通らないことから、エアアシスト区間ASでは、吸入空気量の検出、換言すると、燃料噴射量演算に、圧力センサ35の信号(吸気管圧力)を使用することとしている。
エアアシスト区間ASにおける燃料噴射のタイミングは、図15に示されているように、吸気行程で開始し、吸気弁やシリンダー内壁面あるいはピストン冠面の温度が温まり、燃料が気化される状態になれば、徐々に排気行程の方へ移行さるようしている。
この噴射タイミングを移行させる制御要因は、エンジン10の状態を検出又は推定できるパラメータ、例えば、機関始動からの噴射回数、点火回数、エンジン回転数の積算値或いは冷却水温などである。
上述のエアアシストによって燃料インジェクタ1より噴射される燃料が微粒子(微細化)されることにより、燃焼室11内において最適な混合気が形成される。このことにより、機関始動直後の燃焼が改善される。
したがって、点火時期をリタードさせて排気ガスの温度を早く上昇させることができる。点火時期のリタード量は、冷却水温、エンジン回転数、排気ガスの温度あるいは触媒の温度に応じて決めている。機関始動時の冷却水温で触媒の温度上昇を予測し、触媒の温度上昇が、この予測よりも遅い場合には、エンジン回転数を高くすると共に点火時期のリタードをより多くかけることが効果的である。
次に、二次空気区間SECについて説明する。二次空気区間SECの開始のタイミングと終了のタイミングは、機関始動からの経過時間、排気ガスの温度あるいは触媒の温度などで決めている。
図16は、排気管19、二次空気入口58及び触媒16の関係を示している。二次空気を、二次空気入口58より触媒上流の排気管19内に供給することにより、排気管19内の未燃ガスが燃焼(図のA部)する。これにより、HCが低減すると共に排気ガスの温度が上昇し、この二次空気供給領域より下流にある触媒16が暖められる。したがって、二次空気を供給することによって触媒16が早期に活性化される。
なお、二次空気は、排気ガス温度の高い部位、つまり、できるだけ排気弁の近くに供給することが望ましい。
二次空気区間SECにおける吸入空気量の検出は、圧力センサ35により検出される吸気管圧力、エアフローセンサ2によって検出される吸入空気流量のどちらを使用してもよい。
次に、上述の如き制御を実際に実現するためのコントロールユニット100の具体例を、図17を参照して説明する。
本実施形態におけるコントロールユニット100は、従前の制御手段101(空気量算出手段、燃料量算出手段、点火時期算出手段、補機類制御手段、センサ、アクチュエータ故障診断手段及び通信手段など)に加えて、エアアシスト−二次空気制御部110を追加されている。
エアアシスト−二次空気制御部110は、空気量算出手段102、点火時期リタード手段103、燃料噴射時期制御手段104、エア制御手段105、エアポンプ制御手段106、エア供給切換手段107、エアポンプドライバ108、バルブドライバ109を含む。
エア制御手段105は、エアを供給可否判断、及びエアを燃料インジェクタ1側に供給するのか、排気管19側に供給するのか判断を行う。エア制御手段105は、従来よりの制御手段101と情報のやり取りを行うと共に関係するところへ信号を出力するものである。
エアアシスト時には、その間の吸入空気量を検出するために、圧力センサ35を有するものでは、空気量算出手段102が圧力センサ35によって検出される吸気管圧力より吸入空気量を算出する。但し、もともと圧力センサ35で空気量を検出している、いわゆるスピードデンシティ方式においては不要である。
エア制御手段105からエアポンプ制御手段106へ起動信号、停止信号が送られるとエアポンプドライバ108によってエアポンプ50の起動、停止が行われる。
エア供給切換手段107へ指令信号が送られると、バルブドライバ109によってエア切換バルブ53の切換駆動が行われる。
エア制御手段105が出力する指令信号によって点火時期リタード手段103、燃料噴射時期制御手段104の所定の制御が行われる。
点火時期リタード手段103は、点火時期を可変設定する点火時期制御手段であり、二次空気供給時には点火時期をリタードさせる。二次空気供給時における点火時期のリタード量は、エンジン10の冷却水温、エンジン回転数、排気ガスの温度あるいは触媒の温度のいずれか一つ或いは組み合わせによって最適値に決定される。
燃料噴射時期制御手段104は燃料インジェクタ17による燃料噴射のタイミングを可変設定するものであり、エアアシスト時にはエアアシストに対応した燃料噴射タイミング、つまり、内燃機関の状態に応じて燃料噴射タイミングを吸気行程噴射から排気行程噴射に移行させる燃料噴射タイミングの設定を行う。
なお、エアアシスト−二次空気制御部110の各制御手段を従来よりの制御手段101の外に出してエアサブシステムとして新たなコントロールユニットを設定することもできる。また、従来よりの制御手段101を含めて一つのコントロールユニットに内蔵することもできる。
図18は、本発明を採用した時の触媒温度の測定結果を示している。横軸に機関始動からの時間、縦軸に触媒の温度を示している。本発明では、従来に比べて400℃に達成する時間を25秒前後短縮早くすることが確認できた。
図19は、触媒出口のHCの測定結果を示している。本発明では、従来に比べてHCのピークが低くなり、HC減少も早くすることができることが確認できた。
図20は、米国における排気測定のLA4−CHモードでのHC測定結果を示したもので、本発明では、従来に比べてHCを45%低減できた。また、図21は、同測定モードでのNOxの測定結果を示したもので、本発明では、従来に比べてNOxを60%低減できた。
本発明によるエアアシスト−二次空気供給装置では、一台のエアポンプ50によってエアアシストシステム(AAI)と二次空気システムとが成立するかがポイントであることから、この成立性確認のために基礎実験を行ったのでその結果についての説明を行う。
この基礎実験は、実機で、時間軸でエアアシストを機関始動からどの程度行なう必要があるか、二次空気をどこから行なえばよいかについのテストを行なった。
図22は、エアアシストを機関始動からどの期間に亘って行えばよいかについてテストを行なった結果を示している。横軸は時間軸、縦軸にHC、A/F及びエンジン回転数を示した。
エンジンアウト(エンジンの排気弁から触媒の間で排気ガスをサンプリング)のHCに着目してみると、従来(エアアシストなし)とエアアシスト(AAI)機関始動で略同等となるのが、16秒近傍である。但し、チャートでは排気ガスは遅れがあることから、16秒から4秒をマイナスして12秒程度であることが確認できた。
これは、機関始動から12秒経過すると従来のエアアシストがなくとも吸気管内壁面、吸気弁、燃焼室内壁面及びピストン冠面などが温まり、付着したガソリンが気化されるためにエアアシストありとの差がなくなるものと考えられる。
以上の結果から、エアアシスト手段を作動させる範囲は、従来(エアアシストなし)とエアアシスト(AAI)機関始動で略同等となるところに設定を行えばよいことが分かった。
次に、上記と同様に実機で、二次空気の作動開始時期についてテストを行なった。二次空気の目的は、触媒を早期に活性化することであることから、触媒の温度を如何に早く上昇させるかである。
このテストは、二次空気を、図24に示されているように、全気筒に導入、図25に示されているように、1気筒のみに導入、図26に示されているように、排気マニホールド集合部へ導入することで行なった。結果を図23に示す。
二次空気の作動開始時期は、各方式共に機関始動よいことが確認できた。これは、新規空気を排気管へ導入すると、未燃ガスの燃焼が行われる触媒出口の温度が80℃程度以上(但し、本温度は触媒のレイアウトにより異なる)であるところから行えばよいことが分かった。触媒出口温度は、全気筒導入が一番高く、集合部導入が一番低いことも確認できた。
また、HCの排出レベルは、全気筒導入が一番少なく、集合部導入が一番多いことが分かった。これは、全気筒導入は、排出された未燃ガスへ空気が十分に供給されることから燃焼、温度は高くなり、HCは少なくなったものと考える。
上記二つのテストから、機関始動からの時間軸で、エアアシストと二次空気供給の必要期間が互いにラップしないことが確認できたことから、一つのエアポンプで、エアアシストシステムと二次空気システムが成立することが分かった。
本発明による一実施形態の制御装置が適用されるエアアシスト−二次空気供給装置付き内燃機関の全体構成を示す構成図。 エアアシスト−二次空気供給装置の一つの実施形態の要部を示す概略構成図。 エアポンプのP−Q特性を示すグラフ。 本実施形態によるエアアシスト−二次空気供給装置をブロック図的に示す説明図。 エアアシスト−二次空気供給装置の他の実施形態をブロック図的に示す説明図。 エアアシスト−二次空気供給装置に用いられるエアポンプの外観を示す側面図。 エアアシスト−二次空気供給装置が適用される内燃機関に用いられるエアアシストノズル付きの燃料インジェクタの外観を示す側面図。 (a)エアアシストノズルの部分的断面図、(b)はそれの正面図。 本発明によるエアアシスト−二次空気供給装置付き内燃機関の制御装置の一つの実施形態を示すブロック図。 内燃機関の排気低減の考え方を示すグラフ。 触媒温度の上昇特性を示すグラフ。 本発明によるエアアシスト−二次空気供給装置のエアアシスト区間と二次空気区間とを示すタイミングチャート。 エアアシスト量と燃料の粒径との関係を示すグラフ。 エアアシストノズル付き燃料インジェクタの噴霧を示す図。 エアアシスト時の燃料噴射タイミングを示すタイミングチャート。 二次空気供給状態説明図。 本実施形態のエアアシスト−二次空気供給制御を実際に実現するためのコントロールユニットの具体例を示すブロック図。 本発明を採用した触媒温度の測定結果を示すグラフ。 本発明を採用した排気ガスの測定結果を示すグラフ。 本発明を採用したLA4―CHモードの排気ガス測定結果を示すグラフ図。 本発明を採用したLA4―CHモードの排気ガス測定結果を示すグラフ図。 排気ガスに関する基礎テスト結果を示すグラフ。 触媒の昇温に関する基礎テスト結果を示すグラフ。 二次空気の入れ方(全気筒)を示す説明図。 二次空気の入れ方(一つの気筒)を示す説明図。 二次空気の入れ方(排気マニホールドの集合部)を示す説明図。
符号の説明
1 燃料インジェクタ
2 エアフローセンサ
3 スロットルバルブ
10 エンジン
11 燃焼室
12 点火プラグ
13 クランク角センサ
16 触媒
18 吸気管
19 排気管
22 燃料ポンプ
30 エアアシストノズル
35 圧力センサ
50 エアポンプ
53 エア切換バルブ
55、56 チェックバルブ
100 コントロールユニット
110 エアアシスト−二次空気制御部
102 空気量算出手段
103 点火時期リタード手段
104 燃料噴射時期制御手段
105 エア制御手段
106 エアポンプ制御手段
107 エア供給切換手段
108 エアポンプドライバ
109 バルブドライバ

Claims (6)

  1. 燃料噴射手段に噴霧粒径を細かくするために空気を供給するエアアシストと排気管に空気を供給する二次空気供給とを行うエアアシスト−二次空気供給装置を設けた燃料噴射式の内燃機関の制御装置であって、
    前記燃料噴射手段による燃料噴射のタイミングを可変設定する燃料噴射時期制御手段と、点火時期を可変設定する点火時期制御手段とを有し、
    エアアシスト時には前記燃料噴射時期制御手段によってエアアシストに対応した燃料噴射タイミングを設定する制御と、二次空気供給時には前記点火時期制御手段によって点火時期をリタードさせる制御の少なくとも、何れか一方を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. エアアシスト時における燃料噴射タイミング制御は、内燃機関の状態に応じて燃料噴射タイミングを吸気行程噴射から排気行程噴射に移行させる制御であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 二次空気供給時の点火時期のリタード量を、内燃機関の冷却水温、エンジン回転数、排気ガスの温度あるいは触媒の温度のいずれか一つ或いは組み合わせによって決定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 一つの空気供給手段を用いて、内燃機関の状態に応じて機関始動始動から所定の範囲まではエアアシストを行い、その後、二次空気供給に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記内燃機関の状態に応じて機関始動から所定の範囲が、機関始動からの時間、排気ガスの温度、燃料噴射回数、燃料噴射量、点火回数のいずれか、或いは組み合わせにより決まることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 内燃機関の吸入空気量の検出を、エアアシスト時には、吸気管圧力を検出する圧力センサの信号を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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