JP2008163807A - ガソリンエンジンの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガソリンエンジンにおいて、負荷が高い運転状態で予混合圧縮着火を実施しようとすると、新気の吸入量が不足しがちになるため、高負荷運転領域に予混合圧縮着火を適用することが困難であった。
【解決手段】運転領域に応じて、予混合圧縮着火と火花着火との一方を実施するガソリンエンジンにおいて、予混合圧縮着火を実施するに際してピストンが排気上死点近傍に位置する所定期間は排気弁と吸気弁とを閉じるガソリンエンジンの制御方法であって、予混合圧縮着火を実施するに際して少なくとも負荷に応じて排気弁閉時期を設定し、設定された排気弁閉時期から排気上死点までのクランク角度に基づいて設定するクランク角度だけ排気上死点から遅角した開時期クランク角度により吸気弁開時期を設定し、高負荷時にあっては吸気弁開時期を開時期クランク角度より進角させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、予混合圧縮着火(HCCI)と火花着火(SI)とを運転状態に応じて実施するガソリンエンジンの制御方法に関するものである。
従来、この種のガソリンエンジンにおいては、例えば特許文献1に記載されているように、排気弁と吸気弁とのいずれもが閉弁する期間、いわゆる負のオーバーラップ期間を形成して、予混合圧縮着火を実施している。すなわち、予混合圧縮着火を実施するに際して、負のオーバーラップ期間において筒内に既燃ガスが大量に滞留させることにより、シリンダ内の温度つまり筒内温度を高めて圧縮端温度を上昇させるものである。
このために、特許文献1に記載のガソリンエンジンでは、排気弁を閉弁するタイミングからピストンが上死点に達するまでの間のクランク角度と、ピストンが上死点から吸気弁の開弁するタイミングまでの間のクランク角度とがほぼ等しくして、負のオーバーラップ期間を形成している。負のオーバーラップ期間は、負荷が低い程長く、負荷が高くなるにつれて短くなるように制御される。
特開2003−3873号公報
ところが、このような構成のものであると、負荷が高い運転状態で予混合圧縮着火を実施しようとすると、新気の吸入量が不足しがちになるため、高負荷運転領域に予混合圧縮着火を適用することが困難であった。具体的には、上述したように負のオーバーラップ期間は、高負荷であるほど短くなる。これは、排気弁閉弁時期が遅らされ、かつ吸気弁開弁時期が進められるためである。しかしながら、吸気弁を低負荷運転時より早い時期に開弁するものの、負荷に対応するだけの新気の吸入量を確保することが難しく、高負荷運転領域において予混合圧縮着火を適用することが困難になっていた。
そこで本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
すなわち、本発明のガソリンエンジンの制御方法は、運転領域に応じて、予混合圧縮着火と火花着火との一方を実施するガソリンエンジンにおいて、予混合圧縮着火を実施するに際してピストンが排気上死点近傍に位置する所定期間は排気弁と吸気弁とを閉じるガソリンエンジンの制御方法であって、予混合圧縮着火を実施するに際して少なくとも負荷に応じて排気弁閉時期を設定し、設定された排気弁閉時期から排気上死点までのクランク角度に基づいて設定するクランク角度だけ排気上死点から遅角した開時期クランク角度により吸気弁開時期を設定し、高負荷時にあっては吸気弁開時期を開時期クランク角度より進角させることを特徴とする。
このような構成によれば、吸気弁と排気弁とを所定期間閉じている場合に、ピストンが排気上死点の近傍に位置しているので、筒内の圧力は高くなる。この状態において、開時期クランク角度より進角つまり開時期クランク角度に至る前に吸気弁を開弁することにより、筒内と吸気ポートとの間に生じている圧力差が、筒内に滞留している気体つまり既燃ガスを吸気ポートに逆流させる。この場合に、既燃ガスは前記圧力差により生じる圧力波により吸気ポートに押し戻されるものである。そして、この圧力波の反射波により強力な脈動が吸気ポートに生じる。このように吸気ポートに生じる脈動の反射波により筒内に新気を大量に導入することが可能になる。この結果、高負荷に対応する新気の吸入量を確保することが可能になり、予混合圧縮着火による運転領域を高負荷域まで拡大することが可能になる。
この場合に、進角量としては、低負荷時よりも吸気弁開時期の開時期クランク角度からの進角量を多くするものが好ましい。
新気を吸入する効率を高くするためには、低回転数時は吸気弁閉時期を、高回転数時における吸気弁閉時期より進角させるものが好ましい。このように、吸気弁閉時期を進角させることにより、筒内の脈動圧力が高くなる時期に対応させることになり、筒内に吸入された新気が筒内から流出する前に吸気弁を閉じるものである。
同様にして、高負荷時にあっては、吸気弁閉時期を低負荷時における吸気弁閉時期より進角させるものが望ましい。
本発明は、以上説明したような構成であり、排気弁と吸気弁との両方を所定期間閉じた後、吸気弁を、高負荷時にあっては開時期クランク角度より進角させた吸気弁開時期により開くことにより、吸気ポートに生じる脈動の反射波により筒内に新気を大量に導入することができる。これにより、高負荷に対応する新気の吸入量を確保することができ、予混合圧縮着火による運転領域を、従来の技術にあっては火花着火を実施していた高負荷域にまで拡大することができる。したがって、そのような高負荷域で予混合圧縮着火を実施することにより、低負荷域から高負荷域までの広範な領域において燃費をさらに向上させることができ、しかもNOx(窒素酸化物)などの排出量を減らすことができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態のガソリンエンジン100は、可変バルブタイミング機構30を装備しているエンジンで、予混合圧縮着火を実施するために、圧縮比を通常の火花着火のみを実施するエンジンに比べて高くしてある。そしてこのような圧縮比の設定以外は、可変バルブタイミング機構30を備える通常の火花着火式のエンジンと同じである。
具体的には、図1に1気筒の構成を概略的に示したガソリンエンジン100は、自動車用の3気筒のもので、その吸気系1には図示しないアクセルペダルに応動して開閉するスロットルバルブ2が配設され、その下流側にはサージタンク3が設けられ、サージタンク3からの吸入空気は吸気ポート10及び吸気バルブ37を介してシリンダ38内に吸入される。この吸気系1には、スロットルバルブ2を迂回する迂回路であるバイパス通路1aが設けてあり、そのバイパス通路1aにはバイパス通路1aを通過する空気量を制御するための流量制御バルブ1bが設けてある。この流量制御バルブ1bは、主としてエンジンのアイドル回転制御を実行する際に制御される。サージタンク3に連通する吸気系1の吸気マニホルド4のシリンダヘッド側の端部近傍には、さらにインジェクタ5が設けてあり、このインジェクタ5を、電子制御装置6により制御するようにしている。また、排気系20には、燃焼室から排気バルブ36を介して排出された排気ガス中の酸素濃度を測定するためのO2 センサ21が、図示しないマフラに至るまで管路に配設された三元触媒22の上流の位置に取り付けられている。
可変バルブタイミング機構30は、例えば作動オイルにより作動する機械式のもので、電子制御装置6と協働して、排気弁36と吸気弁37とのそれぞれの開閉時期を独立して制御できるものである。すなわち、電子制御装置6が出力する信号により、作動オイルが制御されて作動するものである可変バルブタイミング機構30は、排気弁36及び吸気弁37を全開にする作動中心を進角及び遅角するとともに、排気弁36及び吸気弁37の作動角度を制御するものである。可変バルブタイミング機構30は、火花着火の際には排気弁36と吸気弁37との開成期間が重なり合うように排気弁36と吸気弁37とを制御し、予混合圧縮着火の際には、排気行程から吸気行程に移行する間に、ピストン39が排気上死点近傍に位置する所定期間、排気弁36と吸気弁37とを閉じるように制御する。以下の説明において、前述の所定期間を負のオーバーラップ期間と称する。
可変バルブタイミング機構30とともにガソリンエンジン100の運転を制御する電子制御装置6は、中央演算装置7と、記憶装置8と、入力インターフェース9と、出力インターフェース11とを具備してなるマイクロコンピュータシステムを主体に構成されている。その入力インターフェース9には、サージタンク3内の圧力(吸気管圧力)を検出するための吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号a、エンジン回転数NEを検出するための回転数センサ14から出力される回転数信号b、クランクセンサ41から出力されるクランク角度信号m、タイミングセンサ42から出力される吸気カム信号n、スロットルバルブ2の開閉状態を検出するためのアイドルスイッチ16から出力されるIDL信号d、ガソリンエンジン100の冷却水温を検出するための水温センサ17から出力される水温信号e、上記したO2 センサ21から出力される電圧信号h等が入力される。一方、出力インターフェース11からは、インジェクタ5に対して燃料噴射信号fたる駆動パルスINJが、また火花着火の実施に際してスパークプラグ18に対して点火信号gが出力されるようになっている。
電子制御装置6には、吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号aと回転数センサ14から出力される回転数信号bとを主な情報とし、ガソリンエンジン100の運転状態に応じて決まる各種の補正係数で基本噴射時間すなわち基本噴射量を補正してインジェクタ開成時間である最終噴射時間すなわち燃料噴射量を決定し、その決定された時間によりインジェクタ5を制御して、ガソリンエンジン100の運転状態に応じた燃料噴射量をインジェクタ5から吸気系1に噴射するためのプログラムが内蔵してある。また電子制御装置6には、エンジン回転数及び負荷(吸気管圧力)により規定される運転状態により火花着火と予混合圧縮着火とを切り替えて、予混合圧縮着火における排気弁と吸気弁との開閉時期を制御するプログラムが内蔵してある。
予混合圧縮着火を実施する際の排気弁36と吸気弁37との開閉時期の制御は、少なくとも負荷に応じて排気弁閉時期を設定し、設定された排気弁閉時期から排気上死点までのクランク角度に基づいて設定するクランク角度だけ排気上死点から遅角した開時期クランク角度により吸気弁開時期を設定しておき、高負荷時にあっては吸気弁開時期を開時期クランク角度より進角させて行うものである。図2にその構成を示すこの開閉時期制御プログラムにおいては、基本となる排気弁36を閉じる時期(排気弁閉時期)及び吸気弁37を開く時期(吸気弁開時期)としての、ベースタイミングが設定してある。なお、吸気弁37を閉じる時期すなわち吸気弁閉時期は、基本的には吸気管圧力が高くなる時期にあわせて設定するもので、吸気圧センサ13が出力する吸気圧信号aが最大となる圧力変動ピーク時期と、吸気ポート10の管長と、エンジン回転数とに基づいて設定(算出)するものである。
このベースタイミングは、負荷の変化に対する排気弁閉時期の制御と吸気弁開時期の制御とを基本的に規定するものである。ベースタイミングにおいては、図3に実線で示すように、排気弁閉時期から排気上死点までのクランク角度と、排気上死点から吸気弁開時期までのクランク角度とをほぼ等しくして、排気弁36と吸気弁37との開閉を制御するものである。言い換えれば、排気上死点を中心にしてその前後に所定のクランク角度だけ離れた位置に排気弁閉時期と吸気弁開時期とを設定するものである。このベースタイミングは、負荷の状態に応じてシリンダ38内の温度を適正に上げるための基本となる排気弁閉時期と吸気弁開時期とを設定しているもので、シリンダ38内部に残留させる既燃ガスの量と負荷との関係において設定するものである。具体的には、ベースタイミングは、負荷が低い場合には、シリンダ38内部に残留させる既燃ガスの量が多くなるように排気弁閉時期を設定し、その設定した排気弁閉時期から排気上死点までのクランク角度に合わせて吸気弁開時期を設定し、負のオーバーラップ期間の長さを調整するものである。なお、図3に実線で示すものは、ベースタイミングにおけるある負荷の場合の排気弁閉時期及び吸気弁開時期の排気上死点に対する関係を示すものである。
ガソリンエンジン100は、火花着火を実施することにより始動され、その後、エンジン回転数及び負荷(吸気管圧力)により規定される運転状態になった場合に、予混合圧縮着火を実施する。この場合、ガソリンエンジン100に高負荷がかかる高負荷時以外は、ベースタイミングに基づいて排気弁閉時期を決定するとともに吸気弁開時期を決定するものである。
ガソリンエンジン100の運転が、火花着火から予混合圧縮着火を実施する運転に移行した後、アクセルペダルの操作量に基づいてその時点のガソリンエンジン100の運転状態における負荷を判定する(ステップS1)。負荷判定の結果、高負荷である場合は、吸気弁開時期をベースタイミングにおける吸気弁開時期より進角させる(ステップS2)。この負荷判定にあっては、従来の予混合圧縮着火を実施し得るガソリンエンジンにおいては火花着火を実施していた負荷の領域を、高負荷域として判定するものである。このステップS2における進角量(図3)は、負荷の大きさに対応させて適合により設定するものであり、例えば10°から20°CA(クランク角度)に設定する。そして、吸気弁閉時期を、低負荷時における吸気弁閉時期よりも進角させる(ステップS3)。基本となる吸気弁閉時期は、ガソリンエンジン100の運転状態に応じて必要とする吸入空気量に対応して、吸気弁開時期を基準として設定される。一方、負荷判定の結果、高負荷でない、つまり低負荷あるいは中負荷である場合は、吸気弁開時期をベースタイミングにより設定する(ステップS4)。
このように、吸気弁開時期を進角させることにより、シリンダ38内により多くの新気を供給することができる。すなわち、予混合圧縮着火を実施してガソリンエンジン100を運転している場合、排気行程においてベースタイミングにより排気上死点の手前に設定される排気弁閉時期にて排気弁36を閉じる。排気弁36が閉じられた後、吸気行程が始まっても、吸気弁37がベースタイミングにおける吸気弁開時期より進角された吸気弁開時期に達するまで、吸気弁37は閉じられている。排気弁36と吸気弁37とが閉じられている間にピストン39が上昇し、排気弁36が閉じられたことによりシリンダ38内に滞留した既燃ガスが圧縮される。
圧縮された既燃ガスは、進角させた吸気弁開時期で吸気弁37を開くことにより(図3に点線により示す)、シリンダ38内の圧力により吸気ポート10に逆流する。このようにしてシリンダ38内の圧力により既燃ガスが吸気ポート10に押し戻されると、その反動として、吸気系1に反射して形成される反射波により、強い脈動が吸気系1特には吸気ポート10に発生する。この結果、脈動により吸気系1から新気がシリンダ38内に押し込まれ、脈動を生じていない場合より多量の新気がシリンダ38内に送り込まれる。そして、ピストン39が進角された吸気弁閉時期に達した時点で、吸気弁37を閉じて、圧縮行程に移る。
このように、吸気弁開時期を進角させるとともに吸気弁閉時期を進角させることにより、高負荷時にその高負荷に応じた吸入空気量を確保することができるので、予混合圧縮着火を実施することができる。つまり、予混合圧縮着火を実施することができる運転領域を、従来にあっては火花点火を実施していたような高負荷がガソリンエンジン100にかかっている運転状態にまで拡張することができる。それゆえ、このような高負荷運転領域におけるNOxの排出量を低減することができるとともに、燃費を向上させることができる。
以上の説明では、予混合圧縮着火の実施の際に、高負荷時と判断した場合に吸気弁開時期を進角させることを説明したが、エンジン回転数により吸気弁開時期及び吸気弁閉時期を進角させるものであってよい。具体的には、図4に示すように、吸気弁開時期を、エンジン回転数が低いほど進角量を多くし、エンジン回転数が高くなるにしたがって進角量を少なくして設定するものである。一方、吸気弁閉時期は、図5に示すように、高エンジン回転数になった時点で進角させず、低エンジン回転数でのみ進角させて設定するものである。さらに、排気弁閉時期は、図6に示すように、エンジン回転数が高くなるほど進角させて設定するものである。
吸気弁開時期は、負荷が高く、かつエンジン回転数が低い運転時に最も進角量を大きくして設定される。そして、ほぼ同じ負荷にあっては、エンジン回転数が高いほど進角量を小さくする。つまり高負荷高回転での運転では、進角量を高負荷低回転での運転時より小さく設定し、低負荷高回転での運転時では、低負荷低回転での運転時より進角量を小さく設定する。相対的には、低負荷高回転での運転時に最も進角量を小さく設定するものである。
吸気弁閉時期は、負荷が高く、かつエンジン回転数が低い運転時に最も進角量を大きくし、同じエンジン回転数であれば負荷が小さいほど進角量を低減する。そして、エンジン回転数が高い運転状態では、負荷の如何にかかわらず、進角量を0にする。
さらに、排気弁閉時期は、負荷が高く、かつエンジン回転数が低い運転時に最も小さく進角させて設定される。そして、ほぼ同じ負荷にあっては、エンジン回転数が高いほど進角量を大きくする。つまり高負荷高回転での運転では、進角量を高負荷低回転での運転時より大きく設定し、低負荷高回転での運転時では、進角量を最も大きく設定する。
このように、吸気弁開時期及び吸気弁閉時期を運転状態つまり負荷とエンジン回転数とに応じた進角量により進角させることにより、上述した脈動を強化することができる。つまり、排気弁閉時期から排気上死点までの間に既燃ガスを圧縮する仕事量(圧縮力)が、ピストン39が排気上死点を通過してベースタイミングの吸気弁開時期に達して相殺される前に吸気弁37を開くことにより、差分の仕事量により既燃ガスが吸気ポート10に圧送される。また、吸気弁37をベースタイミングの吸気弁閉時期より進角させることで、高い圧力の脈動が存在する状態で吸気弁37を閉じることになる。この結果、既燃ガスを吸気ポート10に逆流させた反動として生成される反射波及び脈動によりシリンダ38に新気を押し込むので、新気の供給の効率を向上させることができる。
さらに、排気弁閉時期を、運転状態に応じた進角量により進角させることにより、シリンダ38内に残留させる既燃ガス量言い換えれば内部EGR量(排気ガス還流量)を、運転状態に応じて確保することができる。したがって、低負荷から高負荷における運転状態において混合気の温度を上昇させることができ、確実に予混合圧縮着火を実施することができる。
なお、上述の実施形態においては、ベースタイミングとして、排気上死点を中心に設定する排気弁閉時期と吸気弁開時期とに至るクランク角度を同じに設定するものを説明したが、必ずしも同じに設定するものでなくともよい。この場合、排気弁閉時期から排気上死点までのクランク角度を基準として、吸気弁開時期を設定するものであってよい。具体的には、吸気弁開時期は、前記クランク角度より小さい値の開時期クランク角度だけ排気上死点から遅角させて設定されるものである。したがって、吸気弁は上述したベースタイミングによる制御の場合より、わずかに早い時期に開くもので、低負荷時においても、脈動の効果を享受することができる。
可変バルブタイミング機構としては、上述のような機械式のもの以外に、例えば駆動コイル(電磁石)とコイルスプリングのような付勢手段とを組み合わせて、排気弁及び吸気弁をそれぞれ独立して所望の開弁及び閉弁時期に開閉し得る電磁式のものであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の実施形態におけるガソリンエンジンの概略構成を示す構成説明図。 同実施形態の制御手順を示すフローチャート。 同実施形態のベースタイミングにおける排気弁及び吸気弁の作動特性図。 同実施形態の吸気弁開時期の負荷及びエンジン回転数に対する進角量を示す説明図。 同実施形態の吸気弁閉時期の負荷及びエンジン回転数に対する進角量を示す説明図。 同実施形態の排気弁閉時期の負荷及びエンジン回転数に対する進角量を示す説明図。
符号の説明
6…電子制御装置
7…中央演算処理装置
8…記憶装置
9…入力インターフェース
10…吸気ポート
11…出力インターフェース
36…排気弁
37…吸気弁

Claims (4)

  1. 運転領域に応じて、予混合圧縮着火と火花着火との一方を実施するガソリンエンジンにおいて、予混合圧縮着火を実施するに際してピストンが排気上死点近傍に位置する所定期間は排気弁と吸気弁とを閉じるガソリンエンジンの制御方法であって、
    予混合圧縮着火を実施するに際して少なくとも負荷に応じて排気弁閉時期を設定し、
    設定された排気弁閉時期から排気上死点までのクランク角度に基づいて設定するクランク角度だけ排気上死点から遅角した開時期クランク角度により吸気弁開時期を設定し、
    高負荷時にあっては吸気弁開時期を開時期クランク角度より進角させるガソリンエンジンの制御方法。
  2. 高負荷時は、低負荷時よりも吸気弁開時期の開時期クランク角度からの進角量を多くする請求項1記載のガソリンエンジンの制御方法。
  3. 低回転数時は吸気弁閉時期を、高回転数時における吸気弁閉時期より進角させる請求項1又は2記載のガソリンエンジンの制御方法。
  4. 高負荷時は吸気弁閉時期を、低負荷時における吸気弁閉時期より進角させる請求項1、2又は3記載のガソリンエンジンの制御方法。
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