JP2000034923A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

エンジンの冷却装置

Info

Publication number
JP2000034923A
JP2000034923A JP10203017A JP20301798A JP2000034923A JP 2000034923 A JP2000034923 A JP 2000034923A JP 10203017 A JP10203017 A JP 10203017A JP 20301798 A JP20301798 A JP 20301798A JP 2000034923 A JP2000034923 A JP 2000034923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
water pump
engine
cooling device
impeller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10203017A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichi Inaba
隆一 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP10203017A priority Critical patent/JP2000034923A/ja
Publication of JP2000034923A publication Critical patent/JP2000034923A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のエンジンが十分に暖まっていな
いときには、エンジン冷却水を移送するウォータポンプ
を自動的に停止させる。 【解決手段】 ウォータポンププーリ9をクランクプー
リで駆動するエンジンにおいて、ウォータポンププーリ
9とウォータポンプ1のインペラ7との間にクラッチ機
構14を設け、このクラッチ機構14をエンジン冷却水
の温度に関連させて結合、遮断する。そのためのアクチ
ュエータとしては、エンジン冷却水の温度によってプラ
ンジャ27を進退させる電磁ソレノイド機構26または
エンジン冷却水の温度によって切り換わり変化するバイ
メタル機構を使用し、これらの動きをプッシュロッド2
5を介してクラッチプレート16に圧接するプレシャピ
ース17に伝える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用水冷式の
エンジンに適用するエンジンの冷却装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車用のエンジンは、現在では水冷式
が主流である。すなわちエンジンのウォータジャケット
とラジエータならびにその間を連絡する冷却水通路の間
に冷却水を閉じ込め、この冷却水をウォータポンプで循
環させることにより、エンジンの発熱を冷却水に熱交換
し、エンジンの温度とくにシリンダヘッドの温度が一定
値以上にならないように温度管理をする。
【0003】このために設けられるエンジンの冷却装置
の従来技術を、ウォータポンプとその駆動機構を示した
図12について説明する。ウォータポンプ1のケース2
は2個の部分ケース3,4の間にシール部材5を介して
結合して構成されている。部分ケース4には冷却水の導
入口6が設けられており、図示しないラジエータのロア
タンクに接続されている。この導入口6から導入した冷
却水はインペラ7で加圧され、インペラ7の外周に位置
する加圧室8に導かれるようになっている。加圧室8に
は図示しない排出口が設けられ、エンジンのウォータジ
ャケットに接続されている。
【0004】部分ケース3の端部にはウォータポンププ
ーリ9が位置しており、その外周の溝9aにベルトが掛
けられて図示しないクランクプーリの回転力を受けるよ
うになっている。ウォータポンププーリ9の中心部には
ベアリングシャフト10の外端が一体に設けられてお
り、その外周に設けられた溝10aに嵌合したボール1
1がアウタレース12の内周に設けられた溝12aに嵌
合している。
【0005】ベアリングシャフト10の内端にはインペ
ラ7が取付けられている。アウタレース12は部分ケー
ス3に嵌合している。これによってウォータポンププー
リ9とベアリングシャフト10およびインペラ7は、ケ
ース2に対して回転する。インペラ7が回転することに
より、導入口6から導入した冷却水はインペラ7で加圧
され、加圧室8に入って図示しない排出口からエンジン
のウォータジャケットに導かれる。なお、部分ケース3
の内部には空間3aが設けられており、この空間3aと
ベアリングシャフト10との間にはメカニカルシール1
3が介装されて冷却水の洩れを防止するようになってい
る。
【0006】上記構造のウォータポンプ1は、エンジン
が作動するとその温度がどのような値であっても冷却水
を移送する。冷機時の始動ではラジエータに設けられた
サーモスタットが、冷却水がラジエータの内部を通らず
にバイパスするように制御するが、ウォータポンプは作
動を続けるので、エンジンの出力の一部はここで消費さ
れることになる。また、冷機時の始動では、シリンダブ
ロックならびにシリンダヘッドを早く暖めて燃料が霧化
しやすいようにし、燃焼を良好にしたいときであって
も、ウォータポンプ1が冷却水を循環させるので、暖機
に時間がかかってしまうことになる問題がある。
【0007】ウォータポンプに関係する先行技術として
は、実開平5−58832号の明細書、実開平5−61
96号の明細書ならびに特開平7−332086号公報
に記載されたものがある。これらのものは、いずれも冷
却水の温度によって循環量を変えるものであり、ウォー
タポンプを停止させるものではないのでウォータポンプ
駆動のためのメカニカルロスが発生するものであり、ま
た冷却水の通過量を制御するものであるため、構造が複
雑となる問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの点に鑑み
てなされたものであり、冷却水の温度が一定値に達しな
いときにはウォータポンプが駆動されないようにして、
冷却水の循環を停止させるようにしたエンジンの冷却装
置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として、請求項1に記載された発明で
は、ウォータポンププーリをクランクプーリで駆動する
エンジンにおいて、前記ウォータポンププーリとウォー
タポンプのインペラとの間にクラッチ機構を設け、該ク
ラッチ機構をエンジン冷却水の温度に係らしめて結合、
遮断するように構成したことを特徴とする。
【0010】また請求項2に記載された発明では、請求
項1に記載されたものにおいて、前記ウォータポンププ
ーリとウォータポンプのインペラとの間に、スプリング
によって結合する方向に付勢されるクラッチ機構を介装
し、該クラッチ機構を電磁ソレノイド機構で結合、遮断
するように構成したことを特徴とする。
【0011】また請求項3に記載された発明では、請求
項1に記載されたものにおいて、前記ウォータポンププ
ーリとウォータポンプのインペラとの間に、スプリング
によって結合する方向に付勢されるクラッチ機構を介装
し、該クラッチ機構をエンジン冷却水の温度により変形
して切り換わるバイメタル機構で結合、遮断するように
構成したことを特徴とする。
【0012】また請求項4に記載された発明では、請求
項1に記載されたものにおいて、前記クラッチ機構を、
ウォータポンププーリと、インペラと一体のベアリング
シャフトとの間に、プレッシャピースとクラッチプレー
トを介装すると共に、プレッシャピースをクラッチプレ
ート側に押圧するスプリングを設けて構成したことを特
徴とする。
【0013】また請求項5に記載された発明では、請求
項1に記載されたものにおいて、前記クラッチ機構を、
インペラと、ウォータポンププーリと一体のベアリング
シャフトとの間に、プレッシャピースとクラッチプレー
トを介装すると共に、プレッシャピースをクラッチプレ
ート側に押圧するスプリングを設けて構成したことを特
徴とする。
【0014】また請求項6に記載された発明では、請求
項2に記載されたものにおいて、前記電磁ソレノイド機
構への通電量を変えることにより、クラッチ機構の制御
を行うようにしたことを特徴とする。
【0015】また請求項7に記載された発明では、請求
項3または4に記載されたものにおいて、前記ウォータ
ポンププーリを支持するベアリングシャフトを中空に形
成し、該中空の部分に前記クラッチ機構と電磁ソレノイ
ド機構あるいはバイメタル機構とを連係させるプッシュ
ロッドを挿通したことを特徴とする。
【0016】また請求項8に記載された発明では、請求
項7に記載されたものにおいて、前記プッシュロッドと
電磁ソレノイド機構あるいはバイメタル機構との間に、
長さ調整用のシムを介装したことを特徴とする。
【0017】また請求項9に記載された発明では、請求
項7に記載されたものにおいて、前記プッシュロッドと
電磁ソレノイド機構あるいはバイメタル機構との間に、
長さ調整用のねじ機構を設けたことを特徴とする。
【0018】そして請求項10に記載された発明では、
請求項1ないし6のいずれかに記載のものにおいて、前
記クラッチ機構を、クラッチ室内にオイルを封じ込んだ
湿式クラッチとしたことを特徴とする。
【0019】本発明によれば、上記構成により、ウォー
タポンププーリがベルトでクランクプーリに駆動されて
も、エンジン冷却水の温度が一定値に達しないうちはク
ラッチ機構が遮断状態を維持するから、エンジンの出力
の一部を無駄に消費することがない。また、冷機状態で
エンジン冷却水が循環しないから、エンジン暖機時間が
短くなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
およびその要部を拡大した図2について説明する。な
お、図12と同一部分には同一の符号を付してその説明
を省略する。本発明のものは、ウォータポンププーリ9
とベアリングシャフト10を直接結合せず、これらを次
に説明するクラッチ機構14を介して結合するようにし
てある。
【0021】クラッチ機構14は、ウォータポンププー
リ9の中央部を大きくしてここにクラッチ室15を形成
し、このクラッチ室15の内部に、一側をウォータポン
ププーリ9の内側壁部9bに接触させた環状のクラッチ
プレート16、一端がこのクラッチプレート16の他側
に接触する断面T字状のプレッシャピース17、プレッ
シャピース17の一端にスラストベアリング18を介し
て押圧力を与える皿バネ19から構成される。なお、皿
バネ19の一端はボルト20でクラッチ室15を閉塞す
るプレート21の内側に接触している。
【0022】本発明の装置は、図12に示した従来のも
のと異なり、ウォータポンププーリ9はベアリングシャ
フト10に直接結合しておらず、ベアリングシャフト1
0の端部に両端をスラストワッシャ22で保持されたブ
ッシュ23を介して回転自在に支持されている。ブッシ
ュ23はウォータポンププーリ9に圧入されている。2
4は抜止め用のサークリップである。プレッシャピース
17の軸部にはスプライン溝17aが刻設されており、
このスプライン溝17aにベアリングシャフト10がス
プライン結合している。したがってプレッシャピース1
7は、ベアリングシャフト10に対して軸方向には動き
得る。
【0023】ベアリングシャフト10の軸心部は孔10
bで中空に形成されており、この孔10bに、プッシュ
ロッド25が摺動自在に貫通している。このプッシュロ
ッド25の先端はプレッシャピース17の中央部に接し
ており、基端は部分ケース4に形成されたボス部4aに
取付けられたソレノイド機構26のプランジャ27にシ
ム28を介して接している。プッシュロッド25の両端
近傍部分にはOリング29が嵌着している。シム28
は、プランジャ27とプレッシャピース17の間の距離
とプッシュロッド25の長さを合わせるものである。
【0024】部分ケース4のボス部4aには、ソレノイ
ド機構26のプランジャ27が位置する部分に段部4b
が形成されており、皿バネ19を保護するためにプラン
ジャ27の動き範囲を決めるストッパの機能を果たすよ
うになっている。
【0025】ソレノイド機構26には、マイクロコンピ
ュータからなる制御装置30で制御される電流が流れ
る。制御装置30にはシリンダヘッドの出口水温を検出
するセンサ31が接続されており、シリンダヘッドのウ
ォータジャケットを流れる冷却水の温度に応じて、ソレ
ノイド機構26に流す電流を変えるようになっている。
ソレノイド機構26は、通電されたときにプランジャ2
7を突出させ、シム28を介してプッシュロッド25を
押すようになっている。
【0026】このように構成されたこの装置の作動を説
明する。エンジンが暖機状態のときには、センサ31が
検出するエンジン冷却水の温度が高いから制御装置30
はソレノイド機構26に通電しない。ソレノイド機構2
6は通電されないときにはプランジャ27を突出させな
いから、プレッシャピース17には皿バネ19の弾発力
がスラストベアリング18を介して作用する。
【0027】これによりプレッシャピース17はクラッ
チプレート16を押圧するので、ウォータポンププーリ
9が受けた回転力がクラッチプレート16、プレッシャ
ピース17、ベアリングシャフト10の順で伝わって、
インペラ7を回転させることになる。インペラ7が回転
すればエンジン冷却水の循環が行われる。
【0028】エンジンが冷機状態で始動するときには、
制御装置30がソレノイド機構26に通電し、プランジ
ャ27を突出させる。プランジャ27が突出すると、シ
ム28を介してプッシュロッド25が図における左方に
移動し、皿バネ19に抗してプレッシャピース17を押
すので、プレッシャピース17はクラッチプレート16
から離脱する。これによってウォータポンププーリ9が
回転しても、クラッチ機構14で動力伝達が遮断されイ
ンペラ7は回転しない。したがってエンジン冷却水は循
環せず、暖機の促進と無駄なエネルギ消費が防止され
る。制御装置30によりソレノイド機構26に流れる電
流値を変えれば、プランジャ27の荷重を任意に変える
ことができることになり、皿バネ19の弾発力とのバラ
ンスが取れて、いわゆる半クラッチ状態を得ることがで
きるから、クラッチ特性を変える制御を行うことができ
る。
【0029】図3に示すものは、上記実施の形態の変形
例である。この場合にはプッシュロッド25のソレノイ
ド機構26側の端部に雄ねじ25aを刻設し、プランジ
ャ27にこの雄ねじ25aに螺合する雌ねじ27aを刻
設して螺合させている。雄ねじ25aにはロックナット
32が螺合しており、プッシュロッド25には工具であ
るピン(図示せず)を挿入するためのピン孔25bが設
けられている。なお、ピンおよびロックナット25を締
め付ける工具が入るように、部分ケース4には適当な大
きさの空間4bが形成されている。
【0030】この構造にすると、ロックナット32を弛
めた状態でピン孔25bにピンを挿入し、プッシュロッ
ド25を回転させて雄ねじ25aと雌ねじ27aの螺合
深さを変えることにより、プランジャ27とプレッシャ
ピース17(図1参照)との間に位置するプッシュロッ
ド25の有効長さを調整することができる。調整後ロッ
クナット32を締め付けて組付けを終了する。この構造
とすれば、図1のもので用いたシム28を使用しないで
済むことになる。
【0031】図4およびその要部を拡大した図5につい
て本発明の実施の形態の他の例を説明する。この実施の
形態では、クラッチ機構14をインペラ7の中央部に設
けたところが特徴となる。プッシュロッド25とプラン
ジャ27との結合構造は、図3のものとまったく同一で
ある。ベアリングシャフト10の端部にはスプライン溝
10cが刻設されており、このスプライン溝10cに、
断面形状の一部をコ字状とし、その端部を外方に広げた
フランジに形成したプレッシャピース17がスプライン
結合している。したがってプレッシャピース17は、ベ
アリングシャフト10に対して軸方向には動き得る。
【0032】インペラ7はベアリングシャフト10に直
接結合しておらず、ベアリングシャフト10の端部に両
端をスラストワッシャ33で保持されたブッシュ34を
介して回転自在に支持されている。ブッシュ34はイン
ペラ7に圧入されている。35は抜止め用のサークリッ
プである。プレッシャピース17のフランジ部17bと
インペラ7の一側面との間には環状のクラッチプレート
16が設けられており、プレッシャピース17に一端を
接触させた皿バネ19の押圧力でプレッシャピース17
のフランジ部17bとインペラ7の一側面に挟まれるよ
うになっている。
【0033】インペラ7にはボルト20でプレート21
が取付けられており、このプレート21の内面にスラス
トメタル等からなる摺動材36を介して設けられたスプ
リングシート37が皿バネ19の他端を保持している。
プレッシャピース17の中央部には孔17cが設けられ
ており、この孔17cに、プッシュロッド25が貫通し
ている。プッシュロッド25の先端はフランジ25aに
形成されており、プレッシャピース17の内壁に貼着さ
れたスラストメタル等からなる摺動材38に対峙してい
る。
【0034】この構造では、皿バネ19の弾発力がプレ
ッシャピース17を図における左方に押すので、クラッ
チプレート16を介してインペラ7に結合することにな
る。前述のようにプレッシャピース17はベアリングシ
ャフト10にスプライン結合をしているので、ベアリン
グシャフト10の回転はプレッシャピース17とクラッ
チプレート16を介してインペラ7に伝わることにな
る。
【0035】図1に示した実施の形態では、クラッチを
切るときプランジャ28がソレノイド機構26から突出
するものであったが、本構造では、クラッチを切るとき
プランジャ28を引くことになる。プランジャ28とと
もにプッシュロッド25が図における左方に引かれれば
プレッシャピース17がクラッチプレート16から離れ
るので、インペラ7への回転力伝達がなくなることにな
る。このように作用するとき、摺動材36は皿バネ19
がつれ回りしないようにしてバネの応答性を良好にし、
摺動材38はプッシュロッド25とプレッシャピース1
7がつれ回りしないように機能する。
【0036】図6について本発明の実施の形態のさらに
他の例を説明する。この実施の形態におけるクラッチ機
構14は図1について説明したものと全く同様である。
この実施の形態が特徴とするところは、ソレノイド機構
に代えて円板状のバイメタル39を用いていることであ
る。その具体的な構造としては、インペラ7の端部でエ
ンジン冷却水(図示せず)に接する位置に板状(たとえ
ば円板形、長形)のバイメタル39を配設してサークリ
ップ40で抜けないように保持している。そしてこのバ
イメタル39の中央部分をシム28を介してプッシュロ
ッド25に当接させてある。
【0037】この構造を常温状態で組み立てるときに
は、プレッシャピース17がプッシュロッド25に突き
上げられた状態(図7に示すようにプッシュロッド25
から荷重Fを受けた状態)で組付ける。このため、皿バ
ネ19による荷重は低減しており、クラッチは切れた状
態となっている。この点、組付時にクラッチが繋がった
状態となる図1の実施の形態と反対である。
【0038】次にエンジン冷却水の温度が上昇すると、
バイメタル39が反り始め、図8に示すようにプッシュ
ロッド25が図における右方に微動する。そして徐々に
プレッシャピース17への荷重Fを低減する。そしてあ
らかじめ設定したある一定温度でF=0となり、クラッ
チは完全に繋がることになる。一定温度は、ポンプ内部
の冷却水の温度とシリンダヘッドの出口における冷却水
の温度の相関関係で決定する。
【0039】この構造では、エンジン冷却水の温度によ
り変形して切り換わるバイメタル39でクラッチの制御
を行うので、荷重Fの変化は緩やかであり、クラッチが
急激に結合、遮断することはなく、必ず半クラッチ状態
を経て結合、遮断する。
【0040】次に、図9についてクラッチ機構14の他
の例を説明する。この構造ではクラッチ室15内にオイ
ル(図示せず)を充填して湿式クラッチとしてある。こ
のためプレッシャピース17に複数個の孔17d(1個
のみ表示)を穿設し、オイルが移動できるようにしてあ
る。これにより、粘度が異なる種々のオイルを適宜選択
して充填することにより、プレッシャピース17の動き
方に変化を持たせ、クラッチの特性を自由に設定するこ
とができることになる。なお、オイルの密閉は、ガスケ
ット41、オイルシール42およびOリング43で行
う。この構造において、クラッチプレート16を複数枚
使用し、湿式多板式に構成すればクラッチの信頼性が向
上する。
【0041】図10およびその要部を拡大した図11に
ついて本発明の実施の形態のさらに他の例を説明する。
この構造はバイメタルを使用したものの変形であり、ベ
アリングシャフト10にスプライン溝10dとその端部
に雄ねじ10eを刻設し、スプライン溝10dにはプレ
ッシャピース17を噛合させるとともに、その外側に板
状のバイメタル39と、複数個の孔44aを設けたプレ
ート44を配設して雄ねじ10eに螺合したナット45
で保持してある。なお、インペラ7はブッシュ46を介
してベアリングシャフト10に回転自在に支持されてい
る。インペラ7の側面にはクラッチプレート16の一側
が貼着され、その他側はプレッシャピース17に臨んで
いる。
【0042】この構造において、バイメタル39はプレ
ート44の複数個の孔44aでエンジン冷却水の温度に
接しているが、この温度が一定値以下でクラッチを切る
状態にするときには、図10に示すようにバイメタル3
9がプレッシャピース17から離れており、このため、
ベアリングシャフト10の回転はこの部分で遮断され
る。次に、エンジン冷却水の温度が上昇するとバイメタ
ル39は図11に示すようにプレッシャピース17を押
すように変形する。これにより、ベアリングシャフト1
0の回転はプレッシャピース17およびクラッチプレー
ト16を介してインペラ7に伝えられる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
たエンジンの冷却装置であるから、ウォータポンププー
リとウォータポンプのインペラとの間にクラッチ機構を
設け、このクラッチ機構のエンジン冷却水の温度に係ら
しめて結合、遮断を行わせる請求項1に記載の発明によ
れば、エンジン冷却水の温度が低いうちはインペラの回
転を停止させることができ、エンジン出力を無駄に消費
しないで済む上に、燃費が向上し、さらに暖機時間を短
くすることが可能となる。
【0044】そして制御温度を、従来のラジエータに設
けられていたサーモスタットの作動温度に合わせ、サー
モスタットの開弁温度でクラッチが結合するようにする
ことで、サーモスタットの機能を兼ねることになる。し
たがって従来は必要であったサーモスタット、サーモケ
ースならびに接続用のホースが不要となる。
【0045】また請求項2に記載された電磁ソレノイド
機構を用いるものでは、請求項6に記載したように、電
磁ソレノイドに流す電流に変化を持たせることにより、
クラッチ特性を自由に変えることが可能となる。一方、
バイメタルで制御するようにした請求項3に記載された
発明によれば、簡単な構造で請求項1に記載の発明の効
果を得ることができる。
【0046】さらに請求項4および5に記載された発明
によれば、クラッチ機構を簡単な構成により、限られた
ウォータポンプケースの中に組み付けることが可能とな
る。
【0047】また請求項7に記載された発明によれば、
ベアリングシャフトを中空に形成してその中空の部分に
プッシュロッドを挿通し、このプッシュロッドで電磁ソ
レノイド機構あるいはバイメタル機構の動きをクラッチ
機構に伝達するようにしたことにより、外径寸法を大き
くすることなく、かつ少ない部品でクラッチ機構の制御
をすることができる。
【0048】そして請求項8および9に記載された発明
によれば、電磁ソレノイド機構あるいはバイメタル機構
とクラッチ機構との間に設けられるプッシュロッドの長
さ調整が容易に行え、作動を確実にすることができる。
【0049】また請求項10に記載された発明によれ
ば、オイルを封じ込んだ湿式のクラッチとしたことによ
り、オイルの粘度を種々変えることによって、クラッチ
の作動特性を任意に変えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す一部断面図である。
【図2】図1のうちの要部を拡大して示した断面図であ
る。
【図3】図1のものの変形例を示す一部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の他の例を示す一部断面図
である。
【図5】図5のうちの要部を拡大して示した断面図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態のさらに他の例を示す一部
断面図である。
【図7】図6のものの作動を説明する説明図である。
【図8】図7とは異なった状態を説明する説明図であ
る。
【図9】クラッチ機構の他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態のさらに他の例を示す一
部断面図である。
【図11】図10のうちの要部を拡大して示した断面図
である。
【図12】ウォータポンプの従来構造を示す一部断面図
である。
【符号の説明】
1 ウォータポンプ 7 インペラ 9 ウォータポンププーリ 10 ベアリングシャフト 14 クラッチ機構 16 クラッチプレート 17 プレッシャピース 19 皿バネ 25 プッシュロッド 25a 雄ねじ 26 電磁ソレノイド機構 27 プランジャ 27a 雌ねじ 28 シム 31 制御装置 39 バイメタル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォータポンププーリをクランクプーリ
    で駆動するエンジンにおいて、前記ウォータポンププー
    リとウォータポンプのインペラとの間にクラッチ機構を
    設け、該クラッチ機構をエンジン冷却水の温度に係らし
    めて結合、遮断するように構成したことを特徴とするエ
    ンジンの冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記ウォータポンププーリとウォータポ
    ンプのインペラとの間に、スプリングによって結合する
    方向に付勢されるクラッチ機構を介装し、該クラッチ機
    構を電磁ソレノイド機構で結合、遮断するように構成し
    たことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの冷却装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ウォータポンププーリとウォータポ
    ンプのインペラとの間に、スプリングによって結合する
    方向に付勢されるクラッチ機構を介装し、該クラッチ機
    構をエンジン冷却水の温度により変形して切り換わるバ
    イメタル機構で結合、遮断するように構成したことを特
    徴とする請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記クラッチ機構を、ウォータポンププ
    ーリと、インペラと一体のベアリングシャフトとの間
    に、プレッシャピースとクラッチプレートを介装すると
    共に、プレッシャピースをクラッチプレート側に押圧す
    るスプリングを設けて構成したことを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンの冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記クラッチ機構を、インペラと、ウォ
    ータポンププーリと一体のベアリングシャフトとの間
    に、プレッシャピースとクラッチプレートを介装すると
    共に、プレッシャピースをクラッチプレート側に押圧す
    るスプリングを設けて構成したことを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンの冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁ソレノイド機構への通電量を変
    えることにより、クラッチ機構の制御を行うようにした
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの冷却装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ウォータポンププーリを支持するベ
    アリングシャフトを中空に形成し、該中空の部分に前記
    クラッチ機構と電磁ソレノイド機構あるいはバイメタル
    機構とを連係させるプッシュロッドを挿通したことを特
    徴とする請求項4または5に記載のエンジンの冷却装
    置。
  8. 【請求項8】 前記プッシュロッドと電磁ソレノイド機
    構あるいはバイメタル機構との間に、長さ調整用のシム
    を介装したことを特徴とする請求項7に記載のエンジン
    の冷却装置。
  9. 【請求項9】 前記プッシュロッドと電磁ソレノイド機
    構あるいはバイメタル機構との間に、長さ調整用のねじ
    機構を設けたことを特徴とする請求項7に記載のエンジ
    ンの冷却装置。
  10. 【請求項10】 前記クラッチ機構を、クラッチ室内に
    オイルを封じ込んだ湿式クラッチとしたことを特徴とす
    る請求項1ないし6のいずれかに記載のエンジンの冷却
    装置。
JP10203017A 1998-07-17 1998-07-17 エンジンの冷却装置 Pending JP2000034923A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10203017A JP2000034923A (ja) 1998-07-17 1998-07-17 エンジンの冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10203017A JP2000034923A (ja) 1998-07-17 1998-07-17 エンジンの冷却装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000034923A true JP2000034923A (ja) 2000-02-02

Family

ID=16466977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10203017A Pending JP2000034923A (ja) 1998-07-17 1998-07-17 エンジンの冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000034923A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006048482A1 (de) * 2006-10-11 2008-04-17 Behr Gmbh & Co. Kg Koppelungsvorrichtung für eine Kühlmittelpumpe, Verfahren zum Koppeln, Pumpe zum Kühlmittelpumpen
GB2471891A (en) * 2009-07-17 2011-01-19 Gm Global Tech Operations Inc Water pump driven by engine crankshaft, comprising electromagnetic clutch between pulley and pump drive shaft
JP2011149396A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Mitsubishi Motors Corp エンジンの制御装置
JP2011202592A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Aisin Seiki Co Ltd 車両用ウォータポンプ
KR101114392B1 (ko) 2009-07-13 2012-02-14 현대자동차주식회사 전자클러치식 워터펌프
KR101137794B1 (ko) 2009-12-16 2012-07-09 (주)테너지 워터 펌프
WO2014026705A1 (en) * 2012-08-13 2014-02-20 Pierburg Pump Technology Gmbh Switchable mechanical coolant pump

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006048482A1 (de) * 2006-10-11 2008-04-17 Behr Gmbh & Co. Kg Koppelungsvorrichtung für eine Kühlmittelpumpe, Verfahren zum Koppeln, Pumpe zum Kühlmittelpumpen
KR101114392B1 (ko) 2009-07-13 2012-02-14 현대자동차주식회사 전자클러치식 워터펌프
GB2471891A (en) * 2009-07-17 2011-01-19 Gm Global Tech Operations Inc Water pump driven by engine crankshaft, comprising electromagnetic clutch between pulley and pump drive shaft
GB2471891B (en) * 2009-07-17 2015-10-28 Gm Global Tech Operations Inc Assembly of a clutch and a water pump
KR101137794B1 (ko) 2009-12-16 2012-07-09 (주)테너지 워터 펌프
JP2011149396A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Mitsubishi Motors Corp エンジンの制御装置
JP2011202592A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Aisin Seiki Co Ltd 車両用ウォータポンプ
WO2014026705A1 (en) * 2012-08-13 2014-02-20 Pierburg Pump Technology Gmbh Switchable mechanical coolant pump

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000034923A (ja) エンジンの冷却装置
US2877751A (en) Thermostatically controlled cooling systems for internal combustion engines
US8528507B2 (en) Water pump of electromagnetic clutch type
GB2391048A (en) An engine coolant pump having a clutch in a pumping chamber
KR100212295B1 (ko) 차량용 냉난방시스템
US20020083905A1 (en) Cooling system for vehicles
US3382852A (en) Thermostatically controlled fan
EP3444461B1 (en) Thermostat for cooling system of an internal combustion engine for vehicles
JP2000289446A (ja) マグネット式ファンクラッチ・ヒーター装置
CN110630729A (zh) 调温阀
JPH07167166A (ja) ウォータポンプ用駆動装置
EP0844445B1 (en) Viscous fluid heat generator
JPS61278626A (ja) 流体クラツチ
EP0826530B1 (en) Heating apparatus for automotive vehicle
KR0128442Y1 (ko) 클러치식 냉각수 펌프
JP2007513287A (ja) 冷却システム
US2993483A (en) Engine cooling fan mechanism
JPH11343985A (ja) エンジンのオイルポンプ
KR950004924Y1 (ko) 자동 변속기 오일 히터
CN219549525U (zh) 一种液力变矩器和油底壳的油温控制系统
JPH04121416A (ja) 内燃機関の冷媒循環ポンプ
EP0811812A2 (en) Viscous heater
JPS6127567B2 (ja)
JP2000282862A (ja) エンジンのウォータポンプ構造
JPH034836Y2 (ja)