図1乃至図10を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1は本発明に係わる成形用金型の実施例1の形態を示す図であり、半中空体を成形する1次成形のための型閉じ状態を示す断面図である。また、本図は図2のX−X1矢視及び図3のX−Y矢視断面図でもある。図2は本発明に係わる成形用金型の実施例1の形態を示す図であり、固定金型と可動金型とを金型分割面から見た平面図である。また、本図は図1及び図4のA/B矢視図でもある。左側が可動金型(図1及び図4のA矢視)を、右側が固定金型(図1及び図4のB矢視)を示す。図3は図2を基準として、図2の状態から、可動金型(左側)を金型分割面から見て反時計回りに120度、固定金型1の中心部と同軸上回りに回転させた状態を示す平面図である。図4は本発明に係わる成形用金型の実施例1の形態を示す図であり、2個の半中空体から中空体製品を成形するための2次成形及び同時に行われる1次成形のための型閉じ状態を示す断面図である。また、本図は図3のX−X1矢視及び図2のX−Y矢視断面図でもある。図5は本発明に係わる成形用金型の実施例1の形態を示す図であり、中空体製品を構成する半中空体及び中空体製品を示す斜視図である。図5(a)は接合前の半中空体を、図5(b)は接合後の中空体製品を示す。図6は本発明に係わる成形用金型の実施例1の形態を示す図であり、中空体製品を構成する半中空体を成形する1次成形工程を示す断面図である。図7は図6で成形された半中空体から中空体製品を成形する2次成形工程と、同時に実施される次の半中空体を成形する1次成形工程とを示す断面図である。図8は図7で成形された中空体製品が型外へ搬送される製品取出工程と、平行して実施される不要部分が公知の手段により除去される工程とを示す断面図である。図9は図7で成形された半中空体から中空体製品を成形する2次成形工程と、同時に実施される次の半中空体を成形する1次成形工程とを示す断面図である。図10は図9で成形された中空体製品が型外へ搬送される製品取出工程と、平行して実施される不要部分が公知の手段により除去される工程とを示す断面図である。
最初に、成形の対象となる中空体製品について説明する。説明を簡単にするため、実施例1においては、図5に示すような、円柱状で円状端面の一方が開口された第1半中空体31と略同様の形状を成す第2半中空体32とのそれぞれの開口された端面側である周縁部33が加熱され溶融されて、型閉じによりそれぞれの周縁部33が突き合わされて融着接合されて成形される、円柱状の中空体製品3を成型対象とする。
次に、成形用金型の構成について説明する。図1及び図2に示すように、固定金型1には半中空体を成形するための第1コア11(雄型)と第2キャビティ12(雌型)と第3キャビティ13(雌型)とがこの順番で、金型分割面から見て120度毎に、固定金型1の中心部回りに時計回りに設けられており、図示しないクランプ手段により固定盤4に取り付けられている。固定金型1にはその中心部に射出ユニット16から射出された溶融樹脂を金型内に導入させるための樹脂流路14と、溶融樹脂を樹脂流路14から第2キャビティ12(雌型)と第3キャビティ13(雌型)とに導入させるための図示しない樹脂遮断開放切替弁を有する共通ランナー15とを備え、キャビティとコアとにより形成される空間に、必要に応じて溶融樹脂が射出充填されるようになっている。
また、固定金型1の第2キャビティ12(雌型)及び第3キャビティ13(雌型)には半中空体の周縁部33を加熱・溶融するための第1加熱手段41が設けられている。この第1加熱手段41は、高出力で加熱特性と温度立ち上がり特性に優れた電気ヒータやセラミックヒータ等の加熱温度制御可能な加熱手段を、加熱効率の観点から加熱体そのものが半中空体の周縁部33の形状を成すように周縁部33の端面から連続する外周側面近傍が加熱されるように設けられることが好ましいが、これらの加熱体を周縁部33の形状を成す部分に内接させるように設けても良い。また、この第1加熱手段41の設置に際して、加熱時の熱が加熱対象部以外に伝わりにくいように、熱伝導率の低い材料や断熱の為の空間部を設ける等による断熱構造が考慮されるべきことは言うまでもない。
更に、固定金型1の第1コア11(雄型)には半中空体の周縁部33を加熱するための第2加熱手段42が設けられている。この第2加熱手段42も、高出力で加熱特性と温度立ち上がり特性に優れた電気ヒータやセラミックヒータ等の加熱温度制御可能な加熱手段を、加熱効率の観点から加熱体そのものが半中空体の周縁部33の形状を成すように周縁部33の端面及びその端面から連続する内周側面近傍が加熱されるように設けられることが好ましいが、これらの加熱体を周縁部33の形状を成す部分に内接させるように設けても良い。また、この第2加熱手段42の設置に際しても、加熱時の熱が加熱対象部以外に伝わりにくいように、熱伝導率の低い材料や断熱の為の空間部を設ける等による断熱構造が考慮されるべきことは言うまでもない。
次に、可動金型2には固定金型1の各コア及びキャビティに対応する、第1キャビティ21(雌型)と第2コア22(雄型)と第4キャビティ23(雌型)とがこの順番で、金型分割面から見て120度毎に、固定金型1の中心部と同軸上回りに反時計回りに設けられており、支持台51と、支持台51に保持された軸受52とを介して図示しないクランプ手段により可動盤5に固定金型1の中心部と同軸上回りに回転可能に取り付けられている。可動金型2の回転軸26は軸受52に保持され、その端部には回転軸26を回転させるための動力伝達機構28が取り付けられ、図示しない駆動機構の駆動力を伝達し可動金型2を回転させる。可動金型2には、射出ユニット16から射出された溶融樹脂を固定金型1の樹脂流路14から第1キャビティ21(雌型)と第4キャビティ23(雌型)とに導入させるための図示しない樹脂遮断開放切替弁を有する共通ランナー25を備え、キャビティとコアとにより形成される空間に、必要に応じて溶融樹脂が射出充填されるようになっている。
また、固定金型1と同様に、可動金型2の第1キャビティ21(雌型)及び第4キャビティ23(雌型)には半中空体の周縁部33を加熱・溶融するための第1加熱手段41が、第2コア22(雄型)には半中空体の周縁部33を加熱するための第2加熱手段42が設けられている。これらの第1加熱手段41及び第2加熱手段42は、固定金型1のキャビティ及びコアに設けられたものと同じである。
ここで、可動金型2の第1キャビティ21(雌型)及び第4キャビティ23(雌型)にはキャビティ内の半中空体を金型の分割面側に押圧する押圧手段43が設けられている。押圧手段43は可動盤5側のキャビティの一部の形状を成すように形成された押圧部を、キャビティ側の金型に内蔵した油圧シリンダやサーボモータ等によりキャビティ内の半中空体を金型の分割面側に押圧する方向に摺動させ、型閉じにより周縁部33が突き合わされた半中空体の一方を他方側に金型内で押圧し、融着接合中の周縁部33の端面に所定の接合圧を加えるように構成されている。
また、押圧手段43は、その押圧部をキャビティ内の半中空体を金型の分割面側に押圧する方向に摺動可能に支持するだけとし、押圧部を駆動させる油圧シリンダやサーボモータ等の駆動源を金型外に設け、押圧部と駆動源を任意に着脱させる構成でも良い。このような構成であれば、回転する可動金型に油圧や電力などのユーティリティーを供給する必要がなく、ユーティリティーの接続や取り回しが簡略化できる。
次に、これら金型を使用した成形装置の構成について説明する。図1に示すように、図示しないクランプ手段により固定金型1が取り付けられた固定盤4がベース部6に固定されている。ベース部6には射出ユニット16がその先端のノズルを固定金型1の樹脂流路14に通ずる充填孔に接続・離間可能に取り付けられている。同じく図示しないクランプ手段により支持台51を介して可動金型2が取り付けられた可動盤5が、図示しない型締機構により固定盤4に対して進退自在に取り付けられている。このように、成形装置の基本構成は公知のものと同じであるため、固定盤4に対して可動盤5の進退動作を案内するタイバー等、本発明に係わる説明に不要と思われる構成については説明及び図示を省略する。
次に、図6乃至図10を参照しながら本発明の実施例1の中空体製品を成形する工程を説明する。必要に応じて図1乃至図5も参照する。
最初に、図2に示す状態で可動盤5を図示しない型締機構により固定盤4側へ型閉じさせ、図6(a)に示すように可動金型2を固定金型1に型閉じさせる。図6(a)は図1と同じく図2のX−X1矢視断面図である。固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、射出ユニット16から溶融樹脂が射出充填される。射出された溶融樹脂は樹脂流路14から共通ランナー25及び15を経由して、可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第1コア11とで形成される空間及び固定金型1の第2キャビティ12と可動金型2の第2コア22とで形成される空間へ充填され、それぞれの空間に充填された溶融樹脂が第1半中空体31及び第2半中空体32として1次成形される。この時、図6(a)に図示されていない固定金型1の第3キャビティ13及び可動金型2の第4キャビティ23は図4(図2のX−Y矢視)上部に示すようにキャビティ同士が組み合わされ中空体製品3の外形形状が形成された空間になっているが、図示しない樹脂遮断開放切替弁により共通ランナー15及び25から溶融樹脂が射出充填されないようになっている。実際の成形工程においては、このキャビティ同士が組み合わされ中空体製品3の外形が形成された空間で、前のサイクルで成形された第1半中空体31及び第2半中空体32のそれぞれの周縁部33が突き合わされて融着接合される2次成形が行われるが詳細は後述する。
図6(a)に戻る。型閉じ前、型閉じ、射出ユニット16による射出充填及び射出充填された溶融樹脂が冷却固化するまでの各工程において、第1キャビティ21及び第2キャビティ12に設けられた第1加熱手段41と、第1コア11及び第2コア22に設けられた第2加熱手段42とにより、第1半中空体31及び第2半中空体32の周縁部33は連続的に加熱され高い温度が維持される。この加熱工程時の加熱温度はテスト成形や連続成形の実証データ等を基に使用される樹脂の種類や冷却固化時間等に応じて第1半中空体31及び第2半中空体32の周縁部33が溶融されず、その形状が維持されるできるだけ高い温度が選択されることが好ましい。また、第1加熱手段41及び第2加熱手段42による周縁部33の加熱工程は、1次成形における型閉じ前、型閉じ、射出ユニット16による射出充填及び射出充填された溶融樹脂が冷却固化するまでの各工程において、周縁部33が加熱される加熱効率と加熱のための消費電力を鑑み、加熱するタイミング、加熱温度、加熱時間等の加熱パターンがテスト成形や連続成形の実証データ等を基に適宜選択・制御されることが好ましい。
このように、固定金型1及び可動金型2の半中空体を成形するためのキャビティに、半中空体の周縁部33の形状を成すように第1加熱手段41を、同じくコアに、半中空体の周縁部33の形状を成すように第2加熱手段42を設けることにより、1次成形工程を含む連続するその前後の工程における加熱工程において、それぞれの半中空体の周縁部33のその端面及びその端面から連続する外周側面、内周側面の両近傍部は連続的に加熱され、高い温度が維持されるので、2次成形時のみ周縁部が加熱され溶融される場合と比べて、2次成形における溶融工程において、それぞれの周縁部が溶融状態に至る時間が短くなるので、成形サイクルタイムを短くすることができる。
1次成形における第1半中空体31及び第2半中空体32の冷却固化時間経過後、図6(b)に示すように可動盤5を図示しない型締機構により固定盤4から離間する方向へ型開きさせ、可動金型2を固定金型1から型開きさせる。この時、第1半中空体31及び第2半中空体32はそれぞれ可動金型2の第1キャビティ21及び固定金型1の第2キャビティ12に残されており、その周縁部33は加熱工程としてそれぞれのキャビティの第1加熱手段41により連続的に加熱されている。また、固定金型1の共通ランナー15及び可動金型2の共通ランナー25に成形された不要部分は、樹脂流路14に成形された不要部分と一体で可動金型2側に残されている。
この状態で共通ランナー15、共通ランナー25及び樹脂流路14に成形された不要部分が金型に内蔵された図示しない不要部分押出手段等の公知の手段により除去される。また、図6(b)に図示されていない固定金型1の第3キャビティ13及び可動金型2の第4キャビティ23については、2次成形で成形された半中空体製品3が可動金型2の第4キャビティ23に残された状態から図示しない製品押出手段により押し出され、図示しない製品取出装置により型外へ搬送されるが詳細は後述する。
ここで、キャビティとコアとで形成されるそれぞれの空間に溶融樹脂を導入させる共通ランナーとそれぞれの空間との接合形態については様々な公知の形態があるが、本実施例1のように共通ランナーに成形された不要部と樹脂流路に成形された不要部とを一体で除去する場合は、図1、図4及び図6乃至図10に示すような、共通ランナーの空間への接続部の断面積を共通ランナー部から滑らかに減少させたトンネルゲート等の、不要部の切断が容易な形態とすることが好ましい。
次に、図6(b)すなわち図2のX−X1矢視断面図に示す状態から、動力伝達機構28により図示しない駆動機構の駆動力を伝達させて可動金型2(左側)を半時計回りに120度、固定金型1の中心部と同軸上回りに回転させて図3に示す状態にさせる。ここで、図2及び図3において固定金型1及び可動金型2を円形状とし、また、可動金型2(左側)の第2コア22外周に四角状の突起部を描いているがこれは可動金型2が固定金型1の中心部と同軸回りに回転されること及び回転前後の可動金型2の相違を分かり易くするためであり、それぞれの金型形状を限定するものではない。また、可動金型2を回転させるための機構は公知の技術が適宜採用されるものとして詳細な説明は省略する。
図3に戻る。図2の状態から可動金型2(左側)を半時計回りに120度、固定金型1の中心部と同軸上回りに回転させて図3に示す状態にさせると、1次成形において成形され可動金型2の第1キャビティ21に残された第1半中空体31が、同じく1次成形において成形され固定金型1の第2キャビティ12に残された第2半中空体32と対向する位置に移動されると共に、可動金型2の第4キャビティ23(何もない状態。詳細は後述)が固定金型1の第1コア11と対向する位置に移動され、図7(a)、すなわち図3のX−X1矢視断面図に示す状態になる。同時に、図7(a)には図示していないが、可動金型2の第2コア22が固定金型1の第3キャビティ13(何もない状態。詳細は後述)と対向する位置に移動される。
1次成形後の図6(b)に示す型開きから、図7(a)に示すこれら可動金型2の第1半中空体31の回転動作及び次に説明する図7(b)に示す型閉じの間も、加熱工程として半中空体それぞれの周縁部33が第1キャビティ21及び第2キャビティ12の第1加熱手段41により連続的に加熱されている。また、省エネルギーを鑑み、何もない状態の可動金型2の第4キャビティ23及び固定金型1の第3キャビティ13の第1加熱手段41と、固定金型1の第1コア11及び可動金型2の第2コアの第2加熱手段42とは、次の1次成形における周縁部33の加熱工程に関して、成形サイクルタイムに遅れを生じさせない温度まで加熱温度を下げても良いが、次の1次成形のためにそれぞれの周縁部33を形成する部位を連続的に適宜加熱しておくことが好ましい。
次に、図7(a)に示す状態から、図7(b)、図7(b’)に示すように可動金型2を固定金型1に型閉じさせる。図7(b)は図4と同じく図3のX−X1矢視断面図であり、図7(b’)は図1上方と同じく図3のX−Y矢視断面図である。固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、固定金型1と可動金型2とのそれぞれのキャビティとコアとが組み合わされた空間において、以下のような3つの工程が同時に進行される。
工程1は、図7(b)上方に示すように可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第2キャビティ12とが組み合わされた空間で、第1半中空体31及び第2半中空体32の周縁部33を融着接合させて半中空体製品3を得る2次成形である。
具体的には、可動金型2の第1キャビティ21及び固定金型1の第2キャビティ12に残されていた第1半中空体31及び第2半中空体32のそれぞれの周縁部33が型閉じにより突き合わされる。そして、加熱工程においてそれぞれの周縁部33をそれまで加熱していた第1加熱手段41の加熱温度が上げられ溶融工程に移行し、突き合わされた周縁部33が加熱・溶融される。また、溶融工程と平行して可動金型2の第1キャビティ21に設けられた押圧手段43のキャビティの形状を成すように形成された押圧部により第1半中空体31が対向する第2半中空体32の方向(矢印43a)に押圧され、融着接合中の周縁部33の端面に所定の接合圧が加えられる押圧工程が実施されることにより、周縁部33が融着接合されて中空体製品3が成形される。
このように、周縁部33の融着接合中に第1半中空体及び第2半中空体を介してその端面に適切な接合圧が加えられる押圧工程が実施されることにより、接合部の形状に拘束されず周縁部33の融着接合をより確実に行うことができる。そのため、その端面に適切な接合圧を加えるための押圧手段43による押圧工程中の押圧力は、製品及び周縁部形状、使用される樹脂、周縁部の加熱溶融温度及び加熱溶融時間、成形サイクルタイム等を鑑み、押圧するタイミング、押圧力、押圧時間等の押圧パターンがテスト成形や連続成形の実証データ等を基に適宜選択・制御されることが好ましい。同様に、第1加熱手段41による周縁部33の溶融工程も、製品及び周縁部形状、使用される樹脂、成形サイクルタイム等を鑑み、加熱するタイミング、加熱温度、加熱時間等の溶融パターンがテスト成形や連続成形の実証データ等を基に適宜選択・制御されることが好ましい。また、融着接合された第1半中空体31及び第2半中空体32の周縁部33は2次成形工程中に冷却固化されなければならないので、第1加熱手段41による周縁部33の溶融工程には、周縁部33の加熱・溶融だけでなく冷却固化も考慮されるべきことは言うまでもない。
工程2は、図7(b)下方に示すように可動金型2の第4キャビティ23と固定金型1の第1コア11とが組み合わされた空間に射出充填して、第1半中空体31’を得る1次成形である。
具体的には、固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、射出ユニット16から溶融樹脂が射出充填される。射出された溶融樹脂は樹脂流路14から共通ランナー25を経由して、可動金型2の第4キャビティ23と固定金型1の第1コア11とで形成される空間へ充填され、充填された溶融樹脂が第1半中空体31’として1次成形される。この時、図7(b)上方に示す可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第2キャビティ12とが組み合わされ中空体製品3の外形形状が形成された空間には、図示しない樹脂遮断開放切替弁により共通ランナー15及び25から溶融樹脂が射出充填されないようになっていることは先に述べたとおりである。
工程3は、図7(b’)に示すように可動金型2の第2コア22と固定金型1の第3キャビティ13とが組み合わされた空間に射出充填して、第2半中空体32’を得る1次成形である。
具体的には、固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、射出ユニット16から溶融樹脂が射出充填される。射出された溶融樹脂は樹脂流路14から共通ランナー15を経由して、可動金型2の第2コア22と固定金型1の第3キャビティ13とで形成される空間へ充填され、充填された溶融樹脂が第2半中空体32’として1次成形される。
以上の3つの工程が終了し、2次成形における中空体製品3の周縁部33(工程1)及び1次成形における第1半中空体31’(工程2)及び第2半中空体32’(工程3)の冷却固化時間経過後、図7(b)、図7(b’)の状態から図8(a)、図8(a’)に示すように可動盤5を図示しない型締機構により固定盤4から離間する方向へ型開きさせ、可動金型2を固定金型1から型開きさせる。図8(a)は図3のX−X1矢視断面図であり、図8(a’)は図3のX−Y矢視断面図である。この時、第1半中空体31’及び第2半中空体32’はそれぞれ可動金型2の第4キャビティ23及び固定金型1の第3キャビティ13に残されており、その周縁部33は加熱工程としてそれぞれのキャビティの第1加熱手段41により連続的に加熱されている。この状態で、工程1で成形され、可動金型2の第1キャビティ21に残された中空体製品3が図示しない製品押出手段により矢印43aの方向へ押し出され、図示しない製品取出装置により型外へ搬送される。これにより、可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第2キャビティ12とが空の状態になり、次の1次成形に使用することができるようになる。また、製品取出工程と平行して、共通ランナー15、共通ランナー25及び樹脂流路14に成形された不要部分が公知の手段により除去される。
ここで、押圧手段43と図示しない製品押出手段はその機能が略同じため、押圧手段43が製品押出手段を兼ねるように構成、制御されれば、専用の押圧手段が不要となり金型の構造が簡略化される。
次に、図8(a)すなわち図3のX−X1矢視断面図に示す状態から、動力伝達機構28により図示しない駆動機構の駆動力を伝達させて可動金型2(左側)を時計回りに120度、固定金型1の中心部と同軸上回りに回転させて図2に示す状態に戻す。
その結果、1次成形において成形され可動金型2の第4キャビティ23に残された第1半中空体31’が、同じく1次成形において成形され固定金型1の第3キャビティ13に残された第2半中空体32’と対向する位置に移動されると共に、前の成形サイクルで中空体製品3が取り出され何もない状態の可動金型2の第1キャビティ21が固定金型1の第1コア11と対向する位置に移動され、図9(a)、すなわち図2のX−Y矢視断面図に示す状態になる。同時に、図9(a)には図示していないが、可動金型2の第2コア22が何もない状態の固定金型1の第2キャビティ12と対向する位置に移動される。
次に、図9(a)に示す状態から、図9(b)、図9(b’)に示すように可動金型2を固定金型1に型閉じさせる。図9(b)は図4と同じく図2のX−Y矢視断面図であり、図9(b’)は図1上方と同じく図2のX−X1矢視断面図である。固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、固定金型1と可動金型2とのそれぞれのキャビティとコアとが組み合わされた空間において、以下のような3つの工程が同時に進行される。
工程1は、図9(b)上方に示すように可動金型2の第4キャビティ23と固定金型1の第3キャビティ13とが組み合わされた空間で、第1半中空体31’と第2半中空体32’との周縁部33’を融着接合させて半中空体製品3’を得る2次成形である。
具体的には、可動金型2の第4キャビティ23及び固定金型1の第3キャビティ13に残されていた第1半中空体31’及び第2半中空体32’のそれぞれの周縁部33’が型閉じにより突き合わされる。そして、加熱工程においてそれぞれの周縁部33’をそれまで加熱していた第1加熱手段41の加熱温度が上げられ溶融工程に移行し、突き合わされた周縁部33が加熱・溶融される。また、溶融工程と平行して可動金型2の第4キャビティ23に設けられた押圧手段43のキャビティの形状を成すように形成された押圧部により第1半中空体31’が対向する第2半中空体32’の方向(矢印43a)に押圧され、融着接合中の周縁部33’の端面に所定の接合圧が加えられる押圧工程が実施されることにより、周縁部33’が融着接合されて中空体製品3’が成形される。
工程2は、図9(b)下方に示すように可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第1コア11とが組み合わされた空間に射出充填して、第1半中空体31”を得る1次成形である。
具体的には、固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、射出ユニット16から溶融樹脂が射出充填される。射出された溶融樹脂は樹脂流路14から共通ランナー25を経由して、可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第1コア11とで形成される空間へ充填され、充填された溶融樹脂が第1半中空体31”として1次成形される。
工程3は、図9(b’)に示すように可動金型2の第2コア22と固定金型1の第2キャビティ12とが組み合わされた空間に射出充填して、第2半中空体32”を得る1次成形である。
具体的には、固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、射出ユニット16から溶融樹脂が射出充填される。射出された溶融樹脂は樹脂流路14から共通ランナー15を経由して、可動金型2の第2コア22と固定金型1の第3キャビティ13とで形成される空間へ充填され、充填された溶融樹脂が第2半中空体32”として1次成形される。
以上の3つの工程が終了し、2次成形における中空体製品3’の周縁部33’(工程1)及び1次成形における第1半中空体31”(工程2)及び第2半中空体32”(工程3)の冷却固化時間経過後、図9(b)、図9(b’)の状態から図10(a)、図10(a’)に示すように可動盤5を図示しない型締機構により固定盤4から離間する方向へ型開きさせ、可動金型2を固定金型1から型開きさせる。図10(a)は図2のX−Y矢視断面図であり、図10(a’)は図2のX−X1矢視断面図である。この時、第1半中空体31”及び第2半中空体32”はそれぞれ可動金型2の第1キャビティ21及び固定金型1の第2キャビティ12に残されており、その周縁部33”は加熱工程としてそれぞれのキャビティの第1加熱手段41により連続的に加熱されている。この状態で、工程1で成形され、可動金型2の第4キャビティ23に残された中空体製品3’が図示しない製品押出手段により矢印43aの方向へ押し出され、図示しない製品取出装置により型外へ搬送される。これにより、可動金型2の第4キャビティ23と固定金型1の第3キャビティ13とが空の状態になり、次の1次成形に使用することができるようになる。また、製品取出工程と平行して、共通ランナー15、共通ランナー25及び樹脂流路14に成形された不要部分が公知の手段により除去される。
以後、図7(a)から図10(a’)の成形工程を繰り返すことにより、固定金型1の第2キャビティ12及び第3キャビティ13に対向した可動金型2の第1キャビティ21及び第4キャビティ23から成形サイクル毎に交互に中空体製品3を連続して成形することができる。
実施例1では、固定金型1の共通ランナー15及び可動金型2の共通ランナー25に成形された不要部分が、樹脂流路14に成形された不要部分と一体で除去される形態としたが、樹脂流路14に成形された不要部分のみが除去され、共通ランナー15及び共通ランナー25に成形された不要部分が中空体製品3と一体で取り出され、後工程で中空体製品3から除去される形態としても良い。また、実施例1のように、中空体製品3が成形される2次成形が金型の中心部より上側のキャビティで実施される形態であれば、製品取出装置による中空体製品3の型外への取出工程と、共通ランナーあるいは樹脂流路に成形された不要部分を公知の手段で型外へ押し出し、成形装置下方へ除去する工程とを平行して実施させることができ、不要部分を除去する工程により成形サイクルタイムが長くなることはない。
次に、本発明の実施例2について、図面を参照しながら説明する。
図11乃至図19を参照しながら本発明の実施例2を説明する。図11は本発明に係わる成形用金型の実施例2の形態を示す図であり、半中空体を成形する1次成形のための型閉じ状態を示す断面図である。また、本図は図12のX−X1矢視及び図13のX−Y矢視断面図でもある。図12は本発明に係わる成形用金型の実施例2の形態を示す図であり、固定金型と可動金型とを金型分割面から見た平面図である。また、本図は図11及び図14のA/B矢視図でもある。左側が可動金型(図11及び図14のA矢視)を、右側が固定金型(図11及び図14のB矢視)を示す。図13は図12を基準として、図12の状態から、可動金型(左側)を金型分割面から見て反時計回りに120度、固定金型1の中心部と同軸上回りに回転させた状態を示す平面図である。図14は本発明に係わる成形用金型の実施例2の形態を示す図であり、2個の半中空体から中空体製品を成形するための2次成形及び同時に行われる1次成形のための型閉じ状態を示す断面図である。また、本図は図13のX−X1矢視及び図12のX−Y矢視断面図でもある。図15は本発明に係わる成形用金型の実施例2の形態を示す図であり、中空体製品を構成する半中空体を成形する1次成形工程を示す断面図である。図16は図15で成形された半中空体から中空体製品を成形する2次成形工程と、同時に実施される次の半中空体を成形する1次成形工程とを示す断面図である。図17は図16で成形された中空体製品が型外へ搬送される製品取出工程を示す断面図である。図18は図16で成形された半中空体から中空体製品を成形する2次成形工程と、同時に実施される次の半中空体を成形する1次成形工程とを示す断面図である。図19は図18で成形された中空体製品が型外へ搬送される製品取出工程を示す断面図である。
実施例2における実施例1との相違点は、溶融樹脂を樹脂流路からそれぞれのキャビティに導入させるための共通ランナーを無くして、樹脂流路をキャビティとコアとで形成される空間に直接接続し、その接続部分に樹脂遮断開放切替弁を設けることにより、樹脂流路や共通ランナーに成形される不要部分の除去を不要とした点である。それ以外の成形対象品、成形用金型及び成形装置の構成は実施例1と同じ為、実施例1との相違点についてのみ説明する。
成形用金型の構成の実施例1との相違点について説明する。図11及び図12に示すように、固定金型1にはその中心部に射出ユニット16から射出された溶融樹脂を金型内に導入させるための樹脂流路14が設けられ、固定金型1内で分岐され、第1コア11(雄型)、第2キャビティ12(雌型)及び第3キャビティ13(雌型)へ接続されている。また、それぞれの接続部には樹脂遮断開放切替弁17が設けられ、固定金型1のコア及びキャビティと、可動金型2のキャビティ及びコアとが組み合わされて形成される空間に対応して必要に応じて溶融樹脂が射出充填されるようになっている。
樹脂流路14は図示しない加熱手段で加熱され、樹脂流路14内の樹脂は常時射出充填可能な溶融状態に保持されている。
次に、図15乃至図19を参照しながら本発明の実施例2の中空体製品を成形する工程を説明する。必要に応じて図11乃至図14も参照する。
最初に、図12に示す状態で、図15(a)に示すように可動金型2を固定金型1に型閉じさせる。図15(a)は図11と同じく図12のX−X1矢視断面図である。固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、射出ユニット16から溶融樹脂が射出充填される。射出された溶融樹脂は前回の射出充填で樹脂流路14内に残され、図示しない加熱機構により常時射出充填可能な溶融状態に保持された溶融樹脂といっしょに押し出され、樹脂遮断開放切替弁17を経由して、可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第1コア11とで形成される空間及び固定金型1の第2キャビティ12と可動金型2の第2コア22とで形成される空間へ充填され、それぞれの空間に充填された溶融樹脂が第1半中空体31及び第2半中空体32として1次成形される。この時、図15(a)に図示されていない固定金型1の第3キャビティ13及び可動金型2の第4キャビティ23は図14(図12のX−Y矢視)上部に示すようにキャビティ同士が組み合わされ中空体製品3の外形形状が形成された空間になっているが、第3キャビティ13の樹脂遮断開放切替弁17により樹脂流路14から溶融樹脂が射出充填されないようになっている。
図15(a)に戻る。型閉じ前、型閉じ、射出ユニット16による射出充填及び射出充填された溶融樹脂が冷却固化するまでの各工程において、第1キャビティ21及び第2キャビティ12に設けられた第1加熱手段41と、第1コア11及び第2コア22に設けられた第2加熱手段42とによる加熱工程により、第1半中空体31及び第2半中空体32の周縁部33は連続的に加熱され高い温度が維持される。
1次成形における第1半中空体31及び第2半中空体32の冷却固化時間経過後、図15(b)に示すように可動金型2を固定金型1から型開きさせる。この時、第1半中空体31及び第2半中空体32はそれぞれ可動金型2の第1キャビティ21及び固定金型1の第2キャビティ12に残されており、その周縁部33は加熱工程としてそれぞれのキャビティの第1加熱手段41により連続的に加熱されている。実施例2では、溶融樹脂が共通ランナーを経由せず、樹脂流路14から樹脂遮断開放切替弁17を経由して、キャビティとコアとが組み合わされて形成される空間に直接射出充填されるため、実施例1のような共通ランナーに成形される不要部分が発生しない。また、射出ユニット16から樹脂遮断開放切替弁17に至る樹脂流路14に残された樹脂は、図示しない加熱機構により常時射出充填可能な溶融状態に保持されるので、実施例1のような不要部分の除去工程は不要である。
次に、図15(b)すなわち図12のX−X1矢視断面図に示す状態から、動力伝達機構28により図示しない駆動機構の駆動力を伝達させて可動金型2(左側)を半時計回りに120度、固定金型1の中心部と同軸上回りに回転させて図13に示す状態にさせる。
図13に戻る。図12の状態から可動金型2(左側)を半時計回りに120度、固定金型1の中心部と同軸上回りに回転させて図13に示す状態にさせると、1次成形において成形され可動金型2の第1キャビティ21に残された第1半中空体31が、同じく1次成形において成形され固定金型1の第2キャビティ12に残された第2半中空体32と対向する位置に移動されると共に、可動金型2の第4キャビティ23(何もない状態。)が固定金型1の第1コア11と対向する位置に移動され、図16(a)、すなわち図13のX−X1矢視断面図に示す状態になる。同時に、図16(a)には図示していないが、可動金型2の第2コア22が固定金型1の第3キャビティ13(何もない状態。)と対向する位置に移動される。ここで、射出ユニット16から樹脂遮断開放切替弁17に至る樹脂流路14に残された溶融樹脂は、次の半中空体の1次成形に用いられるので、今回の半中空体の1次成形と区別するため図中の表記を変更している。
次に、図16(a)に示す状態から、図16(b)、図16(b’)に示すように可動金型2を固定金型1に型閉じさせる。図16(b)は図14と同じく図13のX−X1矢視断面図であり、図16(b’)は図11上方と同じく図13のX−Y矢視断面図である。固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、固定金型1と可動金型2とのそれぞれのキャビティとコアとが組み合わされた空間において、実施例1と同様に以下のような3つの工程が同時に進行される。詳細な説明は実施例1と同じなので省略する。
工程1は、図16(b)上方に示すように可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第2キャビティ12とが組み合わされた空間で、第1半中空体31及び第2半中空体32の周縁部33を融着接合させて半中空体製品3を得る2次成形である。
工程2は、図16(b)下方に示すように可動金型2の第4キャビティ23と固定金型1の第1コア11とが組み合わされた空間に射出充填して、第1半中空体31’を得る1次成形である。
工程3は、図16(b’)に示すように可動金型2の第2コア22と固定金型1の第3キャビティ13とが組み合わされた空間に射出充填して、第2半中空体32’を得る1次成形である。
以上の3つの工程が終了し、2次成形における中空体製品3の周縁部33(工程1)及び1次成形における第1半中空体31’(工程2)及び第2半中空体32’(工程3)の冷却固化時間経過後、図16(b)、図16(b’)の状態から図17(a)、図17(a’)に示すように可動金型2を固定金型1から型開きさせる。図17(a)は図13のX−X1矢視断面図であり、図17(a’)は図13のX−Y矢視断面図である。この時、第1半中空体31’及び第2半中空体32’はそれぞれ可動金型2の第4キャビティ23及び固定金型1の第3キャビティ13に残されており、その周縁部33は加熱工程としてそれぞれのキャビティの第1加熱手段41により連続的に加熱されている。この状態で、工程1で成形され、可動金型2の第1キャビティ21に残された中空体製品3が図示しない製品押出手段により矢印43aの方向へ押し出され、図示しない製品取出装置により型外へ搬送される。これにより、可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第2キャビティ12とが空の状態になり、次の1次成形に使用することができるようになる。また、実施例1のような不要部分の除去工程は不要である。ここで、射出ユニット16から樹脂遮断開放切替弁17に至る樹脂流路14に残された溶融樹脂は、次の半中空体の1次成形に用いられるので、今回の半中空体の1次成形と区別するため図中の表記を変更している。
次に、図17(a)すなわち図13のX−X1矢視断面図に示す状態から、動力伝達機構28により図示しない駆動機構の駆動力を伝達させて可動金型2(左側)を時計回りに120度、固定金型1の中心部と同軸上回りに回転させて図12に示す状態に戻す。
その結果、1次成形において成形され可動金型2の第4キャビティ23に残された第1半中空体31’が、同じく1次成形において成形され固定金型1の第3キャビティ13に残された第2半中空体32’と対向する位置に移動されると共に、前の成形サイクルで中空体製品3が取り出され何もない状態の可動金型2の第1キャビティ21が固定金型1の第1コア11と対向する位置に移動され、図18(a)、すなわち図12のX−Y矢視断面図に示す状態になる。同時に、図18(a)には図示していないが、可動金型2の第2コア22が何もない状態の固定金型1の第2キャビティ12と対向する位置に移動される。
次に、図18(a)に示す状態から、図18(b)、図18(b’)に示すように可動金型2を固定金型1に型閉じさせる。図18(b)は図14と同じく図12のX−Y矢視断面図であり、図18(b’)は図11上方と同じく図12のX−X1矢視断面図である。固定金型1と可動金型2とが型締めされた後、固定金型1と可動金型2とのそれぞれのキャビティとコアとが組み合わされた空間において、実施例1と同様に以下のような3つの工程が同時に進行される。詳細な説明は実施例1と同じなので省略する。
工程1は、図18(b)上方に示すように可動金型2の第4キャビティ23と固定金型1の第3キャビティ13とが組み合わされた空間で、第1半中空体31’及び第2半中空体32’の周縁部33’を融着接合させて半中空体製品3’を得る2次成形である。
工程2は、図18(b)下方に示すように可動金型2の第1キャビティ21と固定金型1の第1コア11とが組み合わされた空間に射出充填して、第1半中空体31”を得る1次成形である。
工程3は、図18(b’)に示すように可動金型2の第2コア22と固定金型1の第2キャビティ12とが組み合わされた空間に射出充填して、第2半中空体32”を得る1次成形である。
以上の3つの工程が終了し、2次成形における中空体製品3’の周縁部33’(工程1)及び1次成形における第1半中空体31”(工程2)及び第2半中空体32”(工程3)の冷却固化時間経過後、図18(b)、図18(b’)の状態から図19(a)、図11(a’)に示すように可動金型2を固定金型1から型開きさせる。図19(a)は図12のX−Y矢視断面図であり、図19(a’)は図12のX−X1矢視断面図である。この時、第1半中空体31”及び第2半中空体32”はそれぞれ可動金型2の第1キャビティ21及び固定金型1の第2キャビティ12に残されており、その周縁部33”は加熱工程としてそれぞれのキャビティの第1加熱手段41により連続的に加熱されている。この状態で、工程1で成形され、可動金型2の第4キャビティ23に残された中空体製品3’が図示しない製品押出手段により矢印43aの方向へ押し出され、図示しない製品取出装置により型外へ搬送される。これにより、可動金型2の第4キャビティ23と固定金型1の第3キャビティ13とが空の状態になり、次の1次成形に使用することができるようになる。また、実施例1のような不要部分の除去工程は不要である。ここで、射出ユニット16から樹脂遮断開放切替弁17に至る樹脂流路14に残された溶融樹脂は、次の半中空体の1次成形に用いられるので、今回の半中空体の1次成形と区別するため図中の表記を変更している。
以後、図16(a)から図19(a’)の成形工程を繰り返すことにより、固定金型1の第2キャビティ12及び第3キャビティ13に対向した可動金型2の第1キャビティ21及び第4キャビティ23から成形サイクル毎に交互に中空体製品3を連続して成形することができる。
実施例2のように、不要部分の除去工程が不要であれば、中空体製品3が成形される2次成形が実施されるキャビティが、金型の中心部より上側になる形態以外にも、製品取出工程等を考慮して、金型の中心部より操作盤のある操作側あるいはその反対の反操作側のいずれかの側を中空体製品3が成形される2次成形が実施されるキャビティとする形態も可能である。
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、実施例1及び実施例2で、中空体製品の成形金型がキャビティ側に設けられた第1加熱手段と、コア側に設けられた第2加熱手段とを有する形態としたが、キャビティ側に設けられた第1加熱手段のみ有する形態も基本的に可能である。しかしながら、実施例1で説明したように、第1加熱手段及び第2加熱手段の両方を有した形態の方が、第1加熱手段のみ有する形態より加熱効率が高く、成形サイクルタイムの短縮や省エネルギーが期待できることは言うまでもない。また、実施例1及び実施例2で、1次成形において成形された半中空体がそれぞれの周縁部を対向する位置に移動される手段として、特許文献1に示された可動金型を金型の中心部回りに回転させる手段を用いて説明したが、可動金型あるいは固定金型のいずれかを垂直方向あるいは水平方向にスライドさせる手段、また、一方の金型を型開閉方向と直交する方向に回転させる手段等、公知の手段を用いても実施可能である。