JP5350760B2 - 入退室管理システム - Google Patents
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Description
しかしながら、通行の制御に加えてユーザーがゲートを通行したかどうかを検出・記録しようとする場合には、上記エリアの拡大を進めると誤検出を招く可能性が高まる。
このことを入退室管理システムの模式図である図9,図10を用いて説明する。図9,図10に示すように、入退室管理システムは、部屋どうしを仕切る壁202、部屋の出入り口となる電気錠付きの扉204、扉204付近に設置されたタグリーダー(不図示)、タグリーダーが識別情報を問い合わせる質問信号を送信する大エリア206または小エリア208を含む。また、各ユーザーA,Bは図示しないタグを携行している。
このような誤記録を回避するために、質問信号を送信するエリアを小エリア208とすれば、誤記録を防ぐことができるが(図10(a))、エリア208は小さいゆえユーザーAのタグを読み取るのが遅れて、電気錠の解錠も遅れ、扉204を通過しようとするユーザーAを扉204前で待たせてしまうことも考えられる(図10(b))。
また、ゲートは、錠付き扉を有し、前記通行制御手段における前記物理的な制御とは、前記錠付き扉の解錠と施錠との制御を含み、前記通行制御手段による前記錠付き扉の解錠の制御に伴い、前記送信制御手段は第2送受信手段から前記第1送受信手段への前記切り替えを行い、前記通行制御手段による前記錠付き扉の施錠の制御に伴い、前記送信制御手段は第1送受信手段から前記第2送受信手段への前記切り替えを行うとしても構わない。
また、ゲートコントローラは、識別情報毎にゲートの通行を止めるか止めないかを示す通行可否情報を関連付けたテーブルを記憶する第1記憶手段を備え、前記通行制御手段は、前記質問器から前記第2送受信手段が受信した応答信号に含まれる識別情報を取得し、前記第1記憶手段に記憶されたテーブルを参照することにより、取得した識別情報に関する通行を制御し、前記第2送受信手段は、前記通行制御手段が通行を許可すると、さらに、前記第1エリアに向けて前記識別情報よりデータ長の短い識別子を送信し、ゲートコントローラは、前記第2送受信手段が送信した識別子を識別情報と対応付けて記憶する第2記憶手段を備え、前記第1送受信手段が送信する質問信号は、前記識別子を問い合わせる信号であって、前記記録手段は、前記第1送受信手段が受信した応答信号に含まれる識別子を取得し、前記第2記憶手段に記憶されたテーブルを参照することにより、取得した識別子に対応する識別情報に関する通行を記録するとしても構わない。
以下、本実施の形態について、タグを携行するユーザーの通行を認証する入退室管理システムを例に挙げて説明する。
<構成>
図1は、入退室管理システム1のシステム構成を示す図である。
入退室管理システムの概要としては次の通りである。
制御部12は、制御プログラムを実行するCPU、制御プログラムを格納するROMを含んで構成される。
LF送受信部20は、コイル型のLFアンテナ21を用いてLF帯(例えば、134kHz)にて質問信号を送信する。
質問信号は、所定のバイト数のデータ長を持つ信号であり、送信に要する時間は例えば数十ms程度である。また、質問信号は、数百msごとの周期で繰り返し送信され、この質問信号が受信可能な範囲は大エリアと小エリアとの2種類がある。大エリアの範囲は、タグリーダー10(扉6)を中心に半径5〜10m程度の範囲、小エリアの範囲は半径1〜2m程度である。
小エリアは、タグ30の通行の記録に利用されるエリアであり、タグ30を携行するユーザーが扉6を確実に通行すると見込まれる扉6近傍の範囲に設定される。設定の際には、単に扉6の前を通り過ぎるようなユーザーのタグ30からはIDを読み取らないよう範囲を広げすぎないよう注意する必要がある。
この大エリアの範囲は、タグ30を携行するユーザーが扉6をスムーズに通行できるように(扉6の前のユーザーが解錠まで停止して待たなくて済むように)、所定の大きさに設定される。
RF受信部22は、応答信号の受信を行う。
エリア設定受付部26は、大エリア、小エリアそれぞれの送信電力の設定をタグリーダー10の管理者から受け付ける。
タグ30は、制御部32、LEDランプの点滅・点灯により各種表示を行う表示部34、押しボタンなどを含む操作部36、LF送受信部40、RF送信部42、電池部44を備えている。
LF送受信部40は、コイル型のLFアンテナ41を用いてLF帯にて質問信号を受信する。また、ACK信号を受信する。
RF送信部42は、自己のIDを含む応答信号をRFアンテナ43を介してRF帯(例えば、UHF帯の420MHz)にて送信する。
図2は、ゲートコントローラ50の機能ブロック図である。
ゲートコントローラ50は、判定部52、IDリスト54、通行制御部56、検出部58、履歴記録部60、履歴DB62を備える。
判定部52は、質問信号(大エリア)の応答としての、タグリーダー10から転送されてきたIDを、IDリストと参照し、当該IDが通行権限有りかどうか判定(認証)する。権限有りと判定されると(認証成功)、通行制御部56は、扉6に電気錠6aを一定時間解錠する旨の指示を送る。
検出部58は、質問信号(小エリア)の応答としての、タグリーダー10から転送されてきたIDを受け取ると、当該IDが扉6を通行したとして検出する。この検出に応じて履歴記録部60は、当該IDがゲートを通行した時刻として履歴DBに記録する。
<動作>
次に、本入退室管理システムの具体的な動作について説明する。
ゲートコントローラ50においては、上記エリア情報を参照して、転送されたIDが大エリアの質問信号に対する応答信号に含まれるIDであることを確認すると、判定部52は転送されたIDがゲートの通行権限有りかどうか判定する(S14)。権限有りと判定すると、判定部52は、認証成功という判定結果をタグリーダー10へと送信し、通行制御部56は、扉6に解錠指示を送る(S15)。
指示を受けて、LF送受信部20は、それまで周期的に送信していた大エリアの質問信号を停止し、小エリアの質問信号の周期的な送信を開始する(S17)。
そして、小エリア内に入ったタグ30は質問信号を受信すると、RF送信部42により質問信号に対する応答信号を送信する(S18)。
ゲートコントローラ50においては、上記エリア情報を参照して、検出部58は、タグ30が小エリア内に存在することを検出し、履歴記録部60は、この検出をタグ30がゲートを通行したと見なして履歴DBに記録する(S20)。
また、大エリアから小エリアへと質問信号を切り替えた後は、図4(b)に示すように、タグリーダー10は、小エリア108に存在するタグ30からIDを取得する。ゲートの扉6のすぐ傍に存在するユーザーAは、このままゲートを通行することが見込まれ、気が変わるなどして引き返す可能性は低いと考えられる。このようなユーザーAが携行するタグ30のIDを履歴として記録することができる。
(実施の形態2)
小エリアで送る質問信号においては、通行制御とは異なり、通行の検出であるので、相対的に厳密なセキュリティは要求されないと考えられる。そこで、本実施の形態では、タグのIDそのものではなくIDの一部を問い合わせることで、小エリアにおけるタグの検出をより簡易かつ確実にする。
図5において、ステップS11〜S16は図3で説明した通りである。小エリアの質問信号送信の際には、LF送受信部20はIDの一部だけを問い合わせる質問信号を送信する(S21)。この質問信号には、実施の形態1の質問信号の(A)PR(Preamble)、(B)UW(Unique Word)、(C)タグリーダー10を示す質問器のID、(D)CRC値、に加えて(E)IDの一部だけを問い合わせる識別子、が含まれている。
タグリーダー10の制御部12は、RF受信部22が受信したIDの一部をゲートコントローラ50へと転送する(S23)こととなる。
このIDの一部とは、例えば、IDが16進数表記で"1234abcdef "の場合、頭文字の"12"だけを送る。ゲートコントローラ50の検出部58側では、履歴DB62を参照して、頭文字が"12"のIDであって、しかも判定時刻が直近のIDを特定し、履歴記録部60は、特定されたIDに関してゲートを通行した時刻として記録する。
実施の形態2によれば、"1234abcdef"に比べてデータ長の短い"12"だけが、タグ30→タグリーダー10→ゲートコントローラ50へと流れるため、データ長が短い分だけ、検出に要する時間を例えば数ms程度短くすることができる。特に、狭い小エリア108にタグ30が短い時間しか存在していない場合であったとしても、タグ30からのID送信途中でタグ30が小エリア108から外れることで送信が途中で切れるような可能性を低減できる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、大エリアで認証成功したタグに番号を発行することで、小エリアにおけるタグの検出をより簡易かつ確実にする。
ゲートコントローラ50の判定部52は、認証後(S14)、認証に成功すると、認証に用いたID"1234abcdef"に対応する番号"1"を発行する。IDと対応する番号とは番号リスト64としてゲートコントローラ50に暫定的に記憶される。なお、暫定的に記憶された番号リスト64は、大エリア106で認証成功したIDのタグ30がそのまま小エリア108内に進入すると想定される時間であり、例えば、10秒程度である。
タグリーダー10のLF送受信部20は、発行された番号"1"を番号発行信号として送信する。この番号発行信号には、他の関係のない大エリア内のタグが受信しないようにするために、信号の宛先を特定するタグ30のID"1234abcdef"が含まれている。
タグリーダー10は、受信した番号"1"をゲートコントローラ50に転送する。
実施の形態3によれば、ID"1234abcdef"よりデータ長の短い番号"1"をタグ30、タグリーダー10、ゲートコントローラ50間で流れるため、データ長が短い分だけ、検出に要する時間を例えば数ms程度短くすることができる。特に、狭い小エリア108にタグ30が短い時間しか存在していない場合であったとしても、タグリーダー10においてタグ30からのIDよりデータ長の短い番号を即座に取得することができ、データ長の比較的長いIDの送信中に送信が途切れるような事態を防止できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の内容に限定されず、本発明の目的とそれに関連又は付随する目的を達成するための各種形態においても実施可能であり、例えば、以下であっても構わない。
(1)実施の形態1〜3では、1つのLF送受信部20が、送信切り替え部24の制御を受けて、大エリアの質問信号の送信と小エリアの質問信号の送信とを切り替えるとして説明したが、LF送信部を2つ備えて、両方の質問信号を分担して送信するとしても構わない。
送信制御部24は、LF送受信部20aには常時、大エリアの質問信号を周期的に送信させる。送信制御部24は、LF送受信部20bにも、小エリアの質問信号を周期的に送信させるようにしてもよいが、送信の省電力化のために、小エリアの質問信号を、扉6aの電気錠6aが解錠されている間など、タグを携行するユーザーが扉6aを通行する可能性がある間だけ送信させても構わない。
また、特に図示しないが、信号をそれぞれ異なる符号で拡散変調させることによっても両方の質問信号を同時に送信することができる(符号多重送信)。
実施の形態では、小エリアに切り替えると大エリア内のタグのIDを読み取れなかったが、このように、周波数分割多重送信や符号多重送信で大小エリア2つの信号を送信することにより、大小両方のエリアに存在するタグをよりスムーズに認証できる。
(2)実施の形態1〜3では詳しく述べなかったが、タグリーダー10のエリア設定受付部は、大小エリアそれぞれの大きさの設定を、タグリーダー10の管理者から受け付ける。
(3)実施の形態1〜3では詳しく述べなかったが、ゲート通行の円滑化という観点からは、移動するユーザー(タグ30)に関して、小エリアにおいて質問信号を受信するより、先行して大エリアにおいて質問信号を受信できるようにすることが必要である。質問信号を絶えず連続して送信していれば、大エリアを小エリアを包含する大きさに設定さえすれば足りると考えられる。もっとも、電力を節約するためには、特に電力を消費しがちな大エリアの質問信号はできるだけ間隔を空けて送ることが求められる。
大エリア106(平面視半径R)と小エリア108(平面視半径r)は点O(ほぼ扉6が位置する。)を中心とした同心円上のエリアである。大エリア106内の小エリア108とは重複しない領域をドーナツエリア106aとし、タグを携行するユーザーAが秒速v(m/s)で円の半径方向に移動し、LF質問信号の送信周期をT(s)とすると、
周期T<(R-r)/v
を満たすように、周期Tを設定することでドーナツエリア106aにおいて、タグは少なくとも1回は小エリアの質問信号を受信する前に、大エリアの質問信号を受信することができる。
T<6.0/1.5=4(s)
と求めることができる。
(5)実施の形態1〜3では、扉6の施錠/解錠を行うことによりタグ30を携行するユーザーの通行を制御する例について説明したが、ユーザーの通行を止めるか止めないか制御できる手段であればこれに限られない。例えば、扉6に代えて、通行を阻むバー付きゲートを用い、バーの上げ下げによりユーザーの通行を制御するようにしても構わない。
6 扉(ゲート扉)
6a 電気錠
10 タグリーダー(質問器)
20,40 LF送受信部
22 RF受信部
42 RF送信部
24 送信切り替え部
30 タグ(応答器)
50 ゲートコントローラ
106 大エリア
108 小エリア
Claims (5)
- 応答器の識別情報を問い合わせる質問信号を送信する質問器と、質問信号を受信すると自器の識別情報を含む応答信号を送信する応答器と、ゲートコントローラとを備える入退室管理システムであって、
質問器は、
ゲート近傍の第1エリア内で受信可能なように質問信号を送信し、応答信号を受信する第1送受信手段と、
前記第1エリアと比べてゲートより遠い領域を含む第2エリア内で受信可能なように質問信号を送信し、応答信号を受信する第2送受信手段とを有し、
ゲートコントローラは、
質問器の第1送受信手段が受信した応答信号に含まれる識別情報に基づいて、当該応答器のゲートの通行を記録する記録手段と、
質問器の第2送受信手段が受信した応答信号に含まれる識別情報に基づいて、ゲートの通行を止めるか止めないかを物理的に制御する通行制御手段とを有する
ことを特徴とする入退室管理システム。 - 前記質問器は、
まず、前記第2送受信手段に前記質問信号の送信を繰り返させ、これに対する応答信号を受信すると、前記第2送受信手段による前記送信から前記第1送受信手段による送信へと切り替えて前記第1送受信手段に前記質問信号の送信を繰り返させ、これに対する応答信号を受信すると、第1送受信手段による前記送信から第2送受信手段による前記送信へと切り替える送信制御手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。 - ゲートは、錠付き扉を有し、
前記通行制御手段における前記物理的な制御とは、前記錠付き扉の解錠と施錠との制御を含み、
前記通行制御手段による前記錠付き扉の解錠の制御に伴い、前記送信制御手段は第2送受信手段から前記第1送受信手段への前記切り替えを行い、
前記通行制御手段による前記錠付き扉の施錠の制御に伴い、前記送信制御手段は第1送受信手段から前記第2送受信手段への前記切り替えを行う
ことを特徴とする請求項2に記載の入退室管理システム。 - ゲートコントローラは、識別情報毎にゲートの通行を止めるか止めないかを示す通行可否情報を関連付けたテーブルを記憶する第1記憶手段を備え、
前記通行制御手段は、質問器から前記第2送受信手段が受信した応答信号に含まれる識別情報を取得し、前記第1記憶手段に記憶されたテーブルを参照することにより、取得した識別情報に関する通行を制御し、
ゲートコントローラは、前記通行制御手段が通行を許可した場合に、通行を許可した識別情報に係る情報を記憶する第2記憶手段を備え、
前記第1送受信手段が送信する質問信号は、応答器の識別情報よりデータ長の短い情報を問い合わせる信号であって、
前記記録手段は、前記第1送受信手段による送信に対する応答信号に含まれるデータ長の短い情報を取得し、前記第2記憶手段に記憶されたテーブルを参照することにより、取得した識別情報に関する通行を記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。 - ゲートコントローラは、識別情報毎にゲートの通行を止めるか止めないかを示す通行可否情報を関連付けたテーブルを記憶する第1記憶手段を備え、
前記通行制御手段は、前記質問器から前記第2送受信手段が受信した応答信号に含まれる識別情報を取得し、前記第1記憶手段に記憶されたテーブルを参照することにより、取得した識別情報に関する通行を制御し、
前記第2送受信手段は、前記通行制御手段が通行を許可すると、さらに、前記第1エリアに向けて前記識別情報よりデータ長の短い識別子を送信し、
ゲートコントローラは、前記第2送受信手段が送信した識別子を識別情報と対応付けて記憶する第2記憶手段を備え、
前記第1送受信手段が送信する質問信号は、前記識別子を問い合わせる信号であって、
前記記録手段は、前記第1送受信手段が受信した応答信号に含まれる識別子を取得し、前記第2記憶手段に記憶されたテーブルを参照することにより、取得した識別子に対応する識別情報に関する通行を記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。
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