JP5348533B2 - 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
例えば、トナー担持体上のトナーを感光体等の潜像担持体に直接接触させないで、トナーを潜像担持体上の潜像に供給して現像を行う現像装置がある。そして、この現像装置の一例としては、トナー担持体上のトナーをクラウド化させることによってトナーを潜像担持体上に供給する方式を採用するものがある。この方式に使用されるトナー担持体は、外周面に沿って複数種類の電極が所定のピッチで配置され、その複数種類の電極の外周面側を保護層で覆ったものである。この複数種類の電極に対し、時間的に変化する互いに異なる電圧をそれぞれ印加して、時間的に変化する電界を互いに近接する複数種類の電極間に形成すると、この電界によりトナー担持体上のトナーを互いに近接する複数種類の電極間で飛翔(ホッピング)あるいはフレアさせることができる。これにより、トナー担持体の外周面近傍の空間でトナーがクラウド化した状況となる。
すなわち、上述したようにホッピング電界を形成するための複数種類の電極部材間の絶縁性を十分に確保できるようになった結果、これらの電極部材により大きな電圧を印加して、大きなホッピング電界を形成することができるようになった。しかし、電極部材間に絶縁層を介在させた構成では、これにより形成されるコンデンサの静電容量が大きくなる。これらの電極部材間に印加される電圧によって流れる交流電流は、このコンデンサの静電容量に比例するため、このコンデンサの静電容量が大きいと、出力電流の大きな電源が必要になり、コスト高騰を招くという問題が生じた。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記内周側電極部材が、少なくとも現像領域と対向する位置に配置されるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の現像装置において、上記無端移動方向に対して直交する幅方向における上記内周側電極部材の長さは、現像領域幅以上であって、該幅方向における上記無端移動部材の長さよりも短いことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、現像領域へ送り込まれる上記トナー担持体上のトナーの層厚を規制するトナー規制部材を有しており、上記内周側電極部材が、少なくとも上記トナー規制部材と対向する位置に配置されるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、上記無端移動部材は、無端ベルト状部材であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の現像装置において、上記内周側電極部材は、上記無端ベルト状部材の内周面における無端移動方向一部分に接触しつつ該無端ベルト状部材の無端移動とともに回転するロール状部材であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像装置において、上記ロール状部材は、上記無端ベルト状部材を張架支持する支持部材であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、上記内周側電極部材は、上記無端移動部材の内周面における無端移動方向一部分に板面が対向する板状部材であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、上記トナー担持体の外周面を、トナーとの摩擦によってトナーに対して正規帯電極性の電荷を与える絶縁性材料で形成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、潜像担持体上に形成された潜像に対して現像装置により現像剤を供給することにより該潜像を現像して得られる画像を、最終的に記録材上に転移させて、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記現像装置を複数設け、各現像装置により互いに異なる色のトナーで各色に対応する潜像をそれぞれ現像し、これにより得られる各色画像が互いに重なり合ったカラー画像を形成する構成を有することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体上に形成される潜像を現像剤で現像する現像装置とを、1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
なお、本発明によれば、無端移動部材の内周面に無端移動方向(トナー担持体周方向)において内周側電極部材が対向しない部分が存在することになるので、その部分ではホッピング電界が小さいか又はホッピング電界が形成されない。このような部分ではトナーのホッピングが不十分であるか又はホッピングさせることができない。通常は、トナー担持体全周にわたってトナーをホッピングさせる必要はない。よって、このようにトナーのホッピングが不十分であったりホッピングさせることができない部分がトナー担持体上に存在しても、トナーをホッピングさせる必要がある箇所(例えば、現像領域、トナー供給位置、トナー規制位置等)に対向するように内周側電極部材を配置し、不要な箇所には内周側電極部材を配置しないように構成すれば、実質的な弊害はない。
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
まず、本実施形態1に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態1に係る画像形成装置の主要部を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、複数の現像装置を有し、潜像担持体としてのベルト状の感光体1上に各色のトナー像を重ねて多色画像を形成する画像形成装置である。ベルト状の感光体1は、水平方向よりも鉛直方向にスペースをとる縦長の姿勢で複数のローラに張架しながら、図示しない駆動部により図中時計回り方向に回転駆動される。この感光体1における図中左側の張架面(以下「左側張架面」という。)はほぼ鉛直方向に延在する姿勢になっている。
次いで、感光体1は、シアンのプロセスカートリッジ6Cで、シアンの帯電装置2Cにより一様に帯電された後、図示しない光書込装置によりシアンの画像データで変調された露光ビーム3Cによって露光されることでシアンの静電潜像が形成される。この静電潜像がシアンの現像装置4Cにより現像されて上記マゼンタのトナー像と重なるシアンのトナー像となる。その後、感光体1は図示しない除電器により除電される。
さらに、感光体1は、イエローのプロセスカートリッジ6Yで、イエローの帯電装置2Yにより一様に帯電された後、図示しない光書込装置によりイエローの画像データで変調された露光ビーム3Yによって露光されることでイエローの静電潜像が形成される。この静電潜像がイエローの現像装置4Yにより現像されて上記マゼンタのトナー像及び上記シアンのトナー像と重なるイエローのトナー像となる。その後、感光体1は図示しない除電器により除電される。
最後に感光体1は、ブラックのプロセスカートリッジ6Kで、ブラックの帯電装置2Kにより一様に帯電された後、図示しない光書込装置によりブラックの画像データで変調された露光ビーム3Kによって露光されることでブラックの静電潜像が形成される。この静電潜像がブラックの現像装置4Kにより現像されて、上記マゼンタのトナー像、上記シアンのトナー像及び上記イエローのトナー像と重なるブラックのトナー像となることでフルカラー画像が形成される。
なお、本発明は、一般的なタンデム方式の画像形成装置に適用することはできるし、他の画像形成装置にも適用できる。
なお、現像装置4M,4C,4Y,4Kは、収容されるトナーが異なる以外は、同じ構成、動作であるので、以下添え字M,C,Y,Kを省略して説明を行う。
現像装置4は、トナー担持体としてのトナー担持ローラ41と、トナー担持ローラ41へトナーを供給するトナー供給部材としてのトナー供給ローラ42と、トナーの層厚を規制するトナー規制部材としての規制ブレード43と、入口シール44と、図中時計回り方向に回転駆動される第1搬送スクリュー45と、図中反時計回りに回転駆動される第2搬送スクリュー46とを有している。第2搬送スクリュー46は、その回転駆動によってトナーを図中手前側から図中奥側へと搬送する。図中奥側の端部付近まで搬送されたトナーは、第1搬送スクリュー45側へ進入し、今度は第1搬送スクリュー45の回転駆動によって図中奥側から図中手前側へと搬送される。第1搬送スクリュー45により搬送されている途中のトナーの一部は、トナー供給ローラ42側へと移動し、トナー供給ローラ42の表面に担持される。トナー供給ローラ42の表面に担持されたトナーは、図中反時計回り方向のトナー供給ローラ42の回転駆動に伴って、トナー供給ローラ42の表面とトナー担持ローラ41の外周面との接触位置(以下「トナー供給位置」という。)へと搬送される。
図3は、本実施形態1におけるトナー担持ローラ41の電極配置を説明するためにトナー担持ローラ41を回転軸に対して直交する方向から見たときの模式図である。なお、説明の都合上、表面層56や絶縁層55は図示していない。
図4は、現像領域に対向する部分のトナー担持ローラ41を、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図である。
なお、この固定部41bの形成方法としては、絶縁性基体上に、金属メッキ、蒸着等により内側電極53aを形成する方法や、内側電極53aとなる金属スリーブを微細加工(スリット加工して微細な穴を開けたスリーブ)したものに対して絶縁コートをするなど、様々な工法が考えられる。
本実施形態1では、電極幅及び電極ピッチをいずれも80[μm]に設定している。
トナー担持ローラ41上の内側電極53a及び外側電極54aには、それぞれパルス電源51A,51Bから第1電圧である内側電圧及び第2電圧である外側電圧が印加される。パルス電源51A,51Bが印加する内側電圧及び外側電圧は、矩形波が最も適している。ただし、これに限らず、例えばサイン波で三角波でもよい。また、本実施形態1では、ホッピング用電極を形成するための電極が内側電極53a及び外側電極54aの2相構成であり、各電極53a,54aには互いに位相差πをもった電圧がそれぞれ印加される。
本実施形態1において、各電圧は矩形波であり、内側電極53aと外側電極54aにそれぞれ印加される内側電圧と外側電圧は、互いに位相がπだけズレた同じ大きさ(ピークトゥピーク電圧Vpp)の電圧である。よって、内側電極53aと外側電極54aとの間には、常にVppだけの電位差が生じる。この電位差によって電極間に電界が発生し、この電界のうち表面層56の外側に形成されるホッピング電界によって表面層56上をトナーがホッピングする。本実施形態1において、Vppは100[V]以上2000[V]以下の範囲内であるのが好ましい。Vppが100[V]より小さいと、十分なホッピング電界を表面層56上に形成できず、トナーを安定してホッピングさせるのが困難となる。一方、Vppが2000[V]より大きいと、経時使用により電極間でリークが発生する可能性が高くなる。本実施形態1では、Vppを500[V]に設定している。
また、本実施形態1において、内側電圧と外側電圧の中心値V0は、画像部電位(静電潜像部分の電位)と非画像部電位(地肌部分の電位)との間に設定され、現像条件によって適宜変動する。
この例では、内側電極53aについては、図5に示したものと同様の内側電圧が印加されるが、外側電極54aについては、直流電圧が印加される。この場合、電極間の電位差はVpp/2となる。よって、この例におけるVppの好適な範囲は、200[V]以上4000[V]以下である。この例によれば、内側電極53aと外側電極54aとの位相差を考慮する必要がなく、電源コストが安くなる。
この例では、外側電極54aについては、図5に示したものと同様の内側電圧が印加されるが、内側電極53aについては、直流電圧が印加される。この場合も、電極間の電位差はVpp/2となる。よって、この例におけるVppの好適な範囲は、200[V]以上4000[V]以下である。この例も、内側電極53aと外側電極54aとの位相差を考慮する必要がなく、電源コストが安くなる。
図9は、同給電構成を模式的に示す斜視図である。
本実施形態1における内側電極53a及び外側電極54aへの給電構成において、内側電極53aは、トナー担持ローラ41の固定部41bに設けられているので、パルス電源51Aとの間に摺動接点が存在しない。よって、内側電極53aは、パルス電源51Aに直接的に接続されている。一方、トナー担持ローラ41のスリーブ部41aは、回転駆動するのでパルス電源51Bとの間に摺動接点が存在する。そのため、本実施形態1では次のような給電構成を採用している。
すなわち、本実施形態1のトナー担持ローラ41は、内側電極53aと外側電極54aとの間に絶縁層55や空隙層が介在する構成となっているため、トナー担持ローラ41の全体でコンデンサを成すものとなる。内側電圧や外側電圧によって流れる交流電流はこのコンデンサの静電容量に比例するため、このコンデンサの静電容量が大きいと出力電流の大きな電源が必要になり、コスト高騰を招く。ここで、コンデンサの静電容量Cは、内側電極53aと外側電極54aとの間の対向面積をSとし、これらの間隔をdとし、誘電率をεとすると、C=ε×S/dで表せるので、この対向面積Sを減らすことができれば、トナー担持ローラ41の全体で形成されるコンデンサの静電容量を減らすことができる。本実施形態1における内側電極53aは、図2に示したように、トナー担持ローラ41の周方向において、現像領域、トナー供給ローラ42によりトナー担持ローラ41上にトナーが供給されるトナー供給位置、トナー担持ローラ41上のトナーの層厚が規制ブレード43によって規制されるトナー規制位置の3箇所の対向位置のみに設けられ、トナー担持ローラ41の周方向の一部分に内側電極53aが存在しない箇所がある。よって、図10に示すようにトナー担持ローラの全周にわたって内側電極353aが存在する場合に比べて、上記対向面積Sを小さくすることができる。その結果、コンデンサの静電容量Cが小さくなり、出力電流の小さな電源を用いることが可能となるので、低コストを図ることができる。具体的には、内側電極53aを全周にわたって形成した場合には、静電容量が3[nF]であったところ、本実施形態のように上記3箇所の対向領域のみに内側電極53aを配置した場合には、その静電容量が約1nFとなり、静電容量をおよそ3分の1まで減らすことができた。
次に、本発明を上記実施形態1と同様に電子写真方式の画像形成装置に適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
なお、本実施形態2では、現像装置の構成等を除き、上記実施形態1に係る画像形成装置の構成及び動作とほぼ同様であるため、以下、上記実施形態1との相違部分についてのみ説明する。
現像装置104は、トナー担持体としてのトナー担持ベルト141と、トナー担持ベルト141へトナーを供給するトナー供給部材としてのトナー供給ローラ142と、トナーの層厚を規制するトナー規制部材としての規制ブレード143とを有している。トナー供給ローラ142の表面に担持されたトナーは、図中反時計回り方向のトナー供給ローラ142の回転駆動に伴って、トナー供給ローラ142の表面とトナー担持ベルト141の外周面との接触位置(トナー供給位置)へと搬送される。
図12は、現像領域に対向する部分のトナー担持ベルト141を、その無端移動方向に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図である。
本実施形態2におけるトナー担持ベルト141は、無端移動部材としての無端ベルト状部材であるベルト部141aと、そのベルト部141aを張架支持する2つの支持ローラ141b,141cとから構成されている。2つの支持ローラ141b,141cのうち、感光体1に近接した側の駆動ローラ141bは、内周側電極部材としての内側電極として機能するロール状部材である。一方、ベルト部141aには、内側電極である駆動ローラ141bへ印加される電圧(内側電圧)とは異なる電圧(外側電圧)が印加される外周側電極部材としての櫛歯状の外側電極154aが設けられている。このような構成により、駆動ローラ141bが回転駆動してベルト部141aが無端移動(回転駆動)すると、内側電極である駆動ローラ141bに対してベルト部141a上の外側電極154aが相対的に移動することになる。
また、外側電極154aへの給電構成としては、上記実施形態1と同様のものを用いることができる。すなわち、トナー担持ベルト141のベルト部141aの外周面における幅方向両端部分に表面層156を設けず、外側電極154aを露出させ、この露出面を被給電部とする。この被給電部には、図示しないパルス電源に接続された給電コロが当接している。
すなわち、本実施形態2のトナー担持ベルト141は、内側電極である駆動ローラ141bと外側電極154aとの間に絶縁層155が介在する構成となっているため、トナー担持ベルト141の全体でコンデンサを成すものとなる。そのため、上述したように、このコンデンサの静電容量が大きいと出力電流の大きな電源が必要になり、コスト高騰を招く。本実施形態2のトナー担持ベルト141のように、トナー担持体を無端ベルト状部材を用いて構成すると、図12に示すように、そのコンデンサを形成する部分は、内側電極である駆動ローラ141bの約半周分で済む。よって、図10に示したようにトナー担持ローラの全周にわたって内側電極353aが存在する場合に比べて、コンデンサの対向面積Sを小さくすることができる。その結果、コンデンサの静電容量Cが小さくなり、出力電流の小さな電源を用いることが可能となるので、低コストを図ることができる。
次に、上記実施形態2における現像装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図13は、本変形例1に係る現像装置の概略構成図である。
本変形例1の現像装置は、上記実施形態2の現像装置における内側電極である駆動ローラ141bと従動ローラ141cとを入れ替えたものである。このように入れ替えることで、現像装置の構成をあまり変更せずに、現像装置に対する感光体1の相対位置を変更できる。したがって、上記実施形態2の構成と本変形例1の構成とを選択的に採用することが可能であり、自由度の高いレイアウト設計が可能となる。
次に、上記実施形態2における現像装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図14は、本変形例2に係る現像装置の概略構成図である。
本変形例2の現像装置は、2つの支持ローラ141b,141cとは別のロール状部材(以下「内側電極ローラ」という。)141dをトナー担持ベルト141のベルト部141aにおける支持ローラ141b,141c間に張架された平坦部分の内周面に接触させ、この内側電極ローラ141dを内側電極として用いるものである。支持ローラ141b,141cは、ベルト部141aを適切に支持するために十分な強度が必要であるので、その強度が得られる程度のローラ径を確保する必要がある。これに対し、上記内側電極ローラ141dはベルト部141aを支持するものではないので、支持ローラ141b,141cよりもローラ径を小さくすることができる。その結果、支持ローラを内側電極として用いる上記実施形態2や上記変形例1の場合よりも、トナー担持ベルト141で構成されるコンデンサの静電容量Cが小さくなり、出力電流の小さな電源を用いることが可能となるので、更なる低コストを図ることができる。
次に、上記実施形態2における現像装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図15は、本変形例3に係る現像装置の概略構成図である。
本変形例3の現像装置は、上記変形例2の現像装置における内側電極ローラ141dに代えて、ベルト部141aの内周面に板面が接触する板状部材としての内側電極板141eを設けたものである。内側電極部材が上記実施形態2や上記変形例1、2のようにロール状部材である場合、内側電極部材とベルト部141aとの接触面積Sを変更するためには、ローラ径を変更する必要がある。これに対し、本変形例3のように内側電極部材が板状部材である場合には、その板面の面積を変更する加工を行うだけでよい。したがって、設計の自由度を高めることができる。また、本変形例3のような内側電極板141eのように内側電極部材が板状部材であれば、内側電極部材の厚みを、内側電極部材が上記実施形態2や上記変形例1、2のようにロール状部材である場合よりも薄くできる。その結果、トナー担持ベルト141の寸法を小さくすることが可能である。
次に、上記実施形態2における現像装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
本変形例4の現像装置は、トナー担持ベルト141上にトナーを供給するトナー供給部材が二成分現像剤を利用したものである点が特徴である。
本変形例4の現像装置は、図中時計回り方向に回転駆動される第1搬送スクリュー246を収容する第1収容部と、図中反時計回りに回転駆動される第2搬送スクリュー245を収容する第2収容部とを有しており、両収容部は仕切壁によって仕切られている。そして、これら収容部はそれぞれ、図示しない磁性キャリアとトナーとが混合された混合剤を収容している。
特に、上記実施形態1及び2においては、内側電極が少なくとも現像領域と対向する部分に配置されているので、内側電極と外側電極とにそれぞれ印加される電圧によって形成される大きなホッピング電界により現像領域内のトナーを安定してホッピングさせることができる。
この場合、トナー担持体幅方向における内側電極の長さ(幅)は、現像領域幅以上であって、トナー担持体のスリーブ部41aやベルト部141a,241aの幅よりも短く形成するのが好ましい。これにより、内側電極の幅がトナー担持体のスリーブ部41aやベルト部141a,241aの幅以上である場合に比べて、トナー担持体に形成されるコンデンサの静電容量を小さくでき、より小さい電源を用いることができるようになる。
また、上記実施形態1のように、トナー担持ローラ41の外周面にトナーを供給するトナー供給部材としてのトナー供給ローラ42を設け、内側電極53aを少なくともトナー供給ローラ42との対向部分(トナー供給位置)に配置することで、このトナー供給位置のトナーを、内側電極と外側電極とにそれぞれ印加される電圧によって形成される大きなホッピング電界により安定してホッピングさせることができる。これにより、トナー供給位置でトナー担持ローラ41の外周面上に供給されたトナーをすぐにホッピングさせることができ、トナー担持体外周面上でトナーを安定してホッピング状態にすることができる。また、トナー供給位置でトナー担持ローラ41の外周面上のトナーの回収も行う場合には、トナー担持ローラ41の外周面から回収するトナーがホッピング状態であることから、トナーが静止状態にある場合に比べて、その回収効率が高くなり、また、回収時にトナーへ与えるストレスも低減される。
また、上記実施形態1のように、現像領域へ送り込まれるトナー担持ローラ41上のトナーの層厚を規制するトナー規制部材としての規制ブレード43を設け、内側電極53aを少なくとも規制ブレード43と対向する部分(トナー規制位置)に配置することで、このトナー規制位置のトナーを内側電極と外側電極とにそれぞれ印加される電圧によって形成される大きなホッピング電界により安定してホッピングさせることができる。これにより、トナーが静止状態にある場合に比べて、規制時にトナーへ与えるストレスを軽減することができる。また、このトナー規制位置でトナーを摩擦帯電させる構成であれば、このトナー規制位置でトナーがホッピング状態であることにより、より効率よくトナーを摩擦帯電させることができる。
また、上記実施形態2のように、トナー担持ベルト141,241の無端移動部材が無端ベルト状部材としてのベルト部141a,241aである場合、トナー担持ベルト141,241でコンデンサが形成される部分が、内側電極と接触する部分だけに制限できるので、そのコンデンサの静電容量を小さくすることが容易である。
また、上記実施形態2のように、内側電極が、ベルト部141a,241aの内周面における無端移動方向一部分に接触しつつそのベルト部の無端移動とともに回転するロール状部材としての駆動ローラ141b,241bや内側電極ローラ141dであると、内側電極が固定配置されていてベルト部141a,241aの内周面と摺動する構成である場合に比べて、摺動摩擦が軽減される。その結果、ベルト部の駆動負荷の低減、部材の長寿命化を図ることができる。
この場合、その内側電極を、ベルト部を張架支持する支持部材としての支持ローラで構成することで、内側電極として支持ローラとは別個の部材を用いる場合に比べて、部品点数が低減でき、低コスト化、省スペース化を図ることができる。
また、上記変形例3のように、内側電極がベルト部141aの内周面における無端移動方向一部分に板面が対向する板状部材としての内側電極板141eであると、上述したように、設計の自由度を高めることができるとともに、トナー担持ベルト141の寸法を小さくすることが可能である。
また、トナー担持体の外周面を、トナーとの摩擦によってトナーに対して正規帯電極性の電荷を与える絶縁性材料で形成することで、ホッピング状態のトナーの摩擦帯電効率が高まる。
4M,4C,4Y,4K 現像装置
6M,6C,6Y,6K プロセスカートリッジ
41 トナー担持ローラ
41a スリーブ部
41b 固定部
42,142,242 トナー供給ローラ
43,143 規制ブレード
51A,51B パルス電源
53a 内側電極
54a,154a,254a 外側電極
55,155 絶縁層
56,156 表面層
141,241 トナー担持ベルト
141a,241a ベルト部
141b,241b 駆動ローラ(内側電極)
141c 従動ローラ
141d 内側電極ローラ(内側電極)
141e 内側電極板(内側電極)
243 規制部材
Claims (12)
- 互いに異なる電圧が印加される少なくとも2種類の電極部材を備えたトナー担持体の外周面にトナーを担持させ、該少なくとも2種類の電極部材に対して互いに異なる電圧を印加することにより、トナーをホッピングさせるための電界を該トナー担持体の外周面上に形成し、該トナー担持体の外周面を移動させることによりホッピングした状態のトナーを現像領域内へ送り込み、潜像担持体上の潜像にトナーを供給して該潜像を現像する現像装置において、
上記トナー担持体の外周面にトナーを供給するトナー供給部材を有しており、
外周面上にトナーを担持して周回移動する中空状の無端移動部材と、互いに間隔をおいて該無端移動部材の外周面全周にわたって配置された複数の外周側電極部材と、該無端移動部材の内周面の無端移動方向一部分のみに対向するように該無端移動部材の中空部に設けられた、該無端移動部材とは別体の内周側電極部材とを用い、該外周側電極部材と該内周側電極部材との間に絶縁層が介在するように、上記トナー担持体を構成するとともに、該内周側電極部材が少なくとも上記トナー供給部材と対向する位置に配置されるように構成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記内周側電極部材が、少なくとも現像領域と対向する位置に配置されるように構成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項2の現像装置において、
上記無端移動方向に対して直交する幅方向における上記内周側電極部材の長さは、現像領域幅以上であって、該幅方向における上記無端移動部材の長さよりも短いことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
現像領域へ送り込まれる上記トナー担持体上のトナーの層厚を規制するトナー規制部材を有しており、
上記内周側電極部材が、少なくとも上記トナー規制部材と対向する位置に配置されるように構成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記無端移動部材は、無端ベルト状部材であることを特徴とする現像装置。 - 請求項5の現像装置において、
上記内周側電極部材は、上記無端ベルト状部材の内周面における無端移動方向一部分に接触しつつ該無端ベルト状部材の無端移動とともに回転するロール状部材であることを特徴とする現像装置。 - 請求項6の現像装置において、
上記ロール状部材は、上記無端ベルト状部材を張架支持する支持部材であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記内周側電極部材は、上記無端移動部材の内周面における無端移動方向一部分に板面が対向する板状部材であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記トナー担持体の外周面を、トナーとの摩擦によってトナーに対して正規帯電極性の電荷を与える絶縁性材料で形成したことを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体上に形成された潜像に対して現像装置により現像剤を供給することにより該潜像を現像して得られる画像を、最終的に記録材上に転移させて、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10の画像形成装置において、
上記現像装置を複数設け、各現像装置により互いに異なる色のトナーで各色に対応する潜像をそれぞれ現像し、これにより得られる各色画像が互いに重なり合ったカラー画像を形成する構成を有することを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体上に形成される潜像を現像剤で現像する現像装置とを、1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、
上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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