JP5348038B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、無段変速機に関し、さらに詳しくは、運転開始時におけるトラクション油による動力伝達部の油膜切れ状態を改善できる無段変速機に関する。
近年では、トラクションドライブ方式の無段変速機が採用されている。かかる無段変速機は、伝動部材と入力側回転部材および出力側回転部材との間にトラクション油を介在させて油膜のせん断力により、駆動トルクを入力側回転部材から出力側回転部材に伝達させる構成を有している。
ここで、上記の無段変速機では、長時間の運転停止期間があると、その運転開始時にて、伝動部材と入力側回転部材および出力側回転部材との間のトラクション油の油膜切れが生じるおそれがある。すると、油膜形成が不十分な状態にて伝動部材と入力側回転部材および出力側回転部材との間のトルク伝達が行われる、あるいは、トルク伝達が行われない等の問題が生じ得る。このような課題に関する従来の駆動装置として、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2002−195379号公報
この発明は、運転開始時におけるトラクション油による動力伝達部の油膜切れ状態を改善できる無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる無段変速機は、伝動部材と入力側回転部材および出力側回転部材との間にトラクション油を介在させて油膜のせん断力により、駆動トルクを前記入力側回転部材から前記出力側回転部材に伝達させるトラクションドライブ方式の無段変速機であって、軸方向に進退変位して前記伝動部材を駆動するシフト軸を有すると共に前記シフト軸により前記伝動部材の自転軸の傾斜角を変化させて変速比を変更する変速機構と、作動油を用いた油圧制御により前記シフト軸を進退変位させる油圧機構と、前記作動油を前記トラクション油として供給するための油路を有する作動油供給機構とを備え、且つ、前記作動油供給機構が、前記シフト軸および前記出力側回転部材に形成された前記油路と、前記油路の閉止および開放を切り替える油路開閉構造とを有し、前記シフト軸が、前記油圧機構による前記変速機構の油圧制御に伴って進退変位したときに、前記油路開閉構造が、前記シフト軸側に形成された前記油路と前記出力側回転部材に形成された前記油路との連通状態を切り替えて前記油路の閉止および開放を切り替え、運転開始時にて、前記作動油の一部が前記トラクション油として前記油路を介して供給されることを特徴とする。
この無段変速機は、供給された作動油により、伝動部材、入力側回転部材および出力側回転部材の間にトラクション油の油膜が形成される。これにより、トラクション油の油膜形成が適正に行われて、運転開始時におけるトラクション油による動力伝達部の油膜切れ状態を改善できる利点がある。
また、この無段変速機では、トラクション油の供給が不要なときに油路を閉止することにより、作動油(トラクション油)の流出を遮断できる。これにより、油圧機構における作動油の減少を抑制できる利点がある。
この発明にかかる無段変速機は、供給された作動油により、伝動部材、入力側回転部材および出力側回転部材の間にトラクション油の油膜が形成される。これにより、トラクション油の油膜形成が適正に行われる利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる無段変速機を示す構成図である。 図2は、図1に記載した無段変速機の作動油供給機構を示す拡大図である。 図3は、図1に記載した無段変速機の作用を示す説明図である。 図4は、図1に記載した無段変速機の変形例を示す構成図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[無段変速機]
図1は、この発明の実施の形態にかかる無段変速機を示す構成図である。この無段変速機1は、例えば、トラクションドライブ方式を採用するトロイダル型CVT(Continuously Variable Transmission)、CVP(Continuously Variable Planetary)などに適用される。この実施の形態では、一例として、無段変速機1がCVPである場合について説明する。
この無段変速機1は、入力部2と、出力部3と、伝動部材4と、変速機構5と、油圧機構6とを備える(図1参照)。また、無段変速機1は、例えば、車両のECU(Electronic Control Unit)から成る制御装置(図示省略)により駆動制御される。
入力部2は、駆動トルクの入力側の機構であり、入力軸21および入力側回転部材22から成る。入力軸21は、円筒形状の回転軸であり、一方の端部にて動力源側の出力軸(例えば、車両のクラッチ機構の出力軸)10に連結され、また、他方の端部にフランジ部211を有する。入力側回転部材22は、無段変速機1の入力側ディスクであり、入力軸21のフランジ部211に連結される。
出力部3は、無段変速機1の出力側の機構であり、出力軸31および出力側回転部材32から成る。出力軸31は、一方の端部にフランジ部311を有する円筒形状の回転軸であり、このフランジ部311にて出力側の歯車機構(例えば、車両の減速機構。図示省略。)に連結される。出力側回転部材32は、無段変速機1の出力側ディスクであり、出力軸31の他方の端部(フランジ部311を有さない側の端部)にスプライン結合にて嵌め合わされて連結される。
例えば、この実施の形態では、入力軸21、入力側回転部材22および出力側回転部材32が出力軸31の内部に収容されて、この順に配置されている。また、入力軸21が出力軸31のフランジ部311の中心に挿入され、そのフランジ部211を出力軸31の内部に位置させて配置されている。また、入力軸21のフランジ部211と入力側回転部材22とがカム機構23を介して連結されている。また、入力側回転部材22および出力側回転部材32が環状のディスク部を一方の端部(片側面)にそれぞれ有し、各ディスク部を相互に対向させて配置されている。また、出力側回転部材32が出力軸31の端部にスプライン結合にて嵌め合わされて出力軸31の開口部を塞いでいる。また、入力軸21、入力側回転部材22、出力軸31および出力側回転部材32が同軸上かつ回転可能に配置されている。
伝動部材4は、入力側回転部材22と出力側回転部材32との間に介在して動力を伝達する部品である。例えば、この実施の形態では、伝動部材4が球状の転動体(遊星ボール)から成り、また、複数の伝動部材4が環状に配置されて入力側回転部材22と出力側回転部材32との間に配置されている。そして、これらの伝動部材4と、入力側回転部材22のディスク部および出力側回転部材32のディスク部との間にトラクション油が供給されて油膜が形成されている。
変速機構5は、変速比(入力側回転部材22の回転速度と出力側回転部材32の回転速度との比)を制御する機構である。この変速機構5は、シフト軸51、ローラ52および傾転用アーム部53とから成る。
シフト軸51は、伝動部材4を駆動するための軸である。例えば、この実施の形態では、入力側回転部材22および出力側回転部材32の中心部(回転軸上)に中空部が形成され、この中空部にシフト軸51が挿入されている。また、シフト軸51が、一方の端部を入力軸21の内部に配置された軸受に挿入し、他方の端部(ピストン部511)を出力側回転部材32の中心部(シリンダ部321)に挿入して、回転可能かつ軸方向にスライド可能に支持されている。これにより、シフト軸51が、軸方向に進退変位可能であり、また、入力側回転部材22および出力側回転部材32に対して独立して回転可能となっている。
ローラ52は、伝動部材4を支持するためのローラである。例えば、この実施の形態では、ローラ52が、円筒部材から成り、シフト軸51の中央部に回転可能に嵌め合わされて設置されている。また、ローラ52がシフト軸51と共に軸方向に進退変位可能となっている。また、ローラ52の外周面上に複数の伝動部材4が環状に配置されている。また、これらの伝動部材4が後述する傾転用アーム部53により相互に非接触状態にて配置されている。そして、無段変速機1の軸方向断面視にて、各伝動部材4が、ローラ52と入力側回転部材22のディスク部および出力側回転部材32のディスク部とにより三点支持されて回転可能に配置されている。
傾転用アーム部53は、伝動部材4の自転軸を回転可能に支持すると共にその傾斜により伝動部材4の自転軸の傾斜角を調整する部材である。例えば、この実施の形態では、伝動部材4の中心を貫通する支持軸54が設けられ、傾転用アーム部53がこの支持軸54を回転可能に支持している。これにより、伝動部材4の自転軸が支持軸54により規定されている。また、傾転用アーム部53が、シフト軸51に連結され、シフト軸51の進退変位により揺動可能となっている。そして、傾転用アーム部53の揺動により、伝動部材4の自転軸の傾斜角が入力側回転部材22のディスク部および出力側回転部材32のディスク部に対して変化するようになっている。これにより、伝動部材4の自転軸の傾斜角の調整が可能となっている。また、傾転用アーム部53の位置が固定されることにより、伝動部材4の公転が禁止されている。
油圧機構6は、作動油を用いた油圧制御により変速機構5を駆動する機構である。例えば、この実施の形態では、油圧機構6が、油圧制御により変速機構5のシフト軸51を進退変位させている。また、油圧機構6が容器状のケース部材61と、出力側回転部材32の背面部(図1中の出力側回転部材422の左側面)と、油圧制御部(図示省略)とから成り、出力軸31の片側端部に構成されている(図1参照)。また、ケース部材61が出力側回転部材32の背面部に嵌め合わされて、油圧室Sが区画されている。この油圧室Sには、作動油が充填され、また、この油圧室Sの油圧が油圧制御部により制御可能となっている。また、この油圧室Sには、シフト軸51のピストン部511が面している。そして、油圧室Sの油圧制御により、シフト軸51が軸方向に進退変位する構成となっている。
この無段変速機1では、駆動トルクが入力部2の入力軸21に伝達されると、この入力軸21と共に入力側回転部材22が回転する(図1参照)。すると、この駆動トルクが入力側回転部材22から伝動部材4を介して出力部3の出力側回転部材32に伝達される。そして、この駆動トルクが出力側回転部材32から出力軸31に伝達されて後段の歯車機構に出力される。このとき、伝動部材4と入力側回転部材22および出力側回転部材32との間に形成されたトラクション油のせん断力により、駆動トルクが入力側回転部材22から出力側回転部材32に伝達される。
また、このとき、油圧機構6の油圧制御部が油圧室Sの油圧を制御する。すると、油圧機構6のケース部材61が駆動されて、変速機構5のシフト軸51が進退変位する。すると、変速機構5の傾転用アーム部53が揺動変位して、伝動部材4の自転軸の傾斜角が調整されることにより、変速比が制御される。また、この変速比の制御が連続的に行われることにより、変速比の無段階制御が実現される。
[作動油供給機構]
ここで、トラクションドライブ方式を採用する無段変速機では、長時間の運転停止期間があると、その運転開始時にて、伝動部材と入力側回転部材および出力側回転部材との間のトラクション油の油膜切れが生じるおそれがある。すると、油膜形成が不十分な状態にて伝動部材と入力側回転部材および出力側回転部材との間のトルク伝達が行われる、あるいは、トルク伝達が行われない等の問題が生じ得る。
そこで、この無段変速機1では、伝動部材4と入力側回転部材22および出力側回転部材32との間にトラクション油の油膜を形成するために、油圧室Sの作動油の一部をトラクション油として伝動部材4に供給する作動油供給機構7を備える(図1および図2参照)。
この作動油供給機構7は、シフト軸51に形成された油路71、72と、出力側回転部材32に形成された油路73とから構成される(図1および図2参照)。シフト軸51側の油路71は、シフト軸51のピストン部511に軸方向から開けられた穴であり、油圧機構6の油圧室Sに開口する。また、油路72は、この油路71からピストン部511の外周面に開口する孔である。また、出力側回転部材32の油路73は、出力側回転部材32のシリンダ部321から伝動部材4側のディスク面に開口する孔である。
この作動油供給機構7では、シフト軸51のピストン部511が出力側回転部材32のシリンダ部321に挿入されて組み付けられた状態にて、シフト軸51の位置が所定の範囲(変速比の切り替えに通常用いられる範囲)内にある場合には、シフト軸51の油路72と出力側回転部材32の油路73とが位置ズレして不通となる(図2参照)。したがって、この状態では、油圧室Sから伝動部材4への作動油の通路が閉止される。一方、シフト軸51が所定の位置にある場合には、シフト軸51の油路72と出力側回転部材32の油路73とが連通して、油圧室Sから伝動部材4への作動油の通路が開通する(図3参照)。
この無段変速機1では、運転開始時にて、油圧機構6がシフト軸51を所定位置まで変位させて、油圧室Sから伝動部材4への作動油の油路71〜73を開通状態とする(図3参照)。すると、油圧室Sの油圧により、作動油の一部トラクション油として出力側回転部材32の油路73から伝動部材4側に噴射される。これにより、伝動部材4と入力側回転部材22および出力側回転部材32との間にトラクション油の油膜が形成される。
ここで、このトラクション油の油膜形成は、運転開始時にて、駆動トルクが動力伝達部(トラクション油の油膜による動力伝達部)に伝達される前に実施されることが好ましいが、駆動トルクの伝達と略同時に行われても良い。これにより、運転開始時におけるトラクション油の油膜切れ状態が効果的に改善される。
一方、運転開始後の通常運転時にて、シフト軸51の位置が所定の範囲内にある場合には、作動油の油路71〜73が閉止されて、伝動部材4への作動油の供給が遮断される(図2参照)。これにより、油圧室S内にあるシフト軸51の作動油の無用な流出が防止される。
[変形例]
図4は、図1に記載した無段変速機の変形例を示す構成図である。同図は、この無段変速機1がトラクションドライブ方式を採用するトロイダル型CVTである場合について示している。
この変形例にかかる無段変速機1では、伝動部材4がパワーローラから構成され、また、入力側回転部材22および出力側回転部材32がトロイダル状のディスクから構成されている(図4参照)。そして、伝動部材4が入力側回転部材22および出力側回転部材32の間に配置されている。また、入力側回転部材22が入力軸21の外周に軸方向に進退変位可能に嵌め合わされて設置されている。また、出力側回転部材32が出力軸31にスプライン結合されて連結されている。
また、変速機構5が、環状のピストン55により構成されている。そして、このピストン55が入力軸21の外周に軸方向に進退変位可能に嵌め合わされている。また、このピストン55が入力側回転部材22に連結されており、ピストン55の進退変位により、入力側回転部材22が入力軸21の軸方向に進退変位する構成となっている。
また、この変速機構5を駆動する油圧機構6として、入力軸21の外周にフランジ部211が形成され、このフランジ部211とピストン55との間に油圧室Sが形成されている。また、この油圧室Sに作動油が充填され、外部の油圧制御部がこの作動油の油圧を制御している。そして、油圧室Sの油圧制御により、ピストン55が駆動されて入力軸21の軸方向に進退変位する構成となっている。
この無段変速機1では、駆動トルクが入力部2の入力軸21に伝達されると、この入力軸21と共に入力側回転部材22が回転する(図4参照)。すると、この駆動トルクが入力側回転部材22から伝動部材4を介して出力部3の出力側回転部材32に伝達される。そして、この駆動トルクが出力側回転部材32から出力軸31に伝達されて後段の歯車機構に出力される。このとき、伝動部材4と入力側回転部材22および出力側回転部材32との間に形成されたトラクション油のせん断力により、駆動トルクが入力側回転部材22から出力側回転部材32に伝達される。
また、このとき、油圧機構6の油圧制御部が油圧室Sの油圧を制御する。すると、ピストン55が駆動されて入力軸21の軸方向に進退変位する。すると、このピストン55により入力側回転部材22が駆動されて入力軸21の軸方向に進退変位する。すると、パワーローラの傾斜角が変化して、変速比が変化する。また、この変速比の制御が連続的に行われることにより、変速比の無段階制御が実現される。
また、作動油供給機構7が、ピストン55に形成された油路74と、入力軸21に形成された油路75と、入力側回転部材22に形成された油路76とから構成されている。ピストン55の油路74は、一方の開口部にて油圧室Sに開口し、他方の開口部にてピストン55と入力軸21との嵌合面(摺動面)に開口している。入力軸21の油路75は、一方の開口部にてピストン55と入力軸21との嵌合面に開口し、入力軸21の内部を通って、他方の開口部にて入力軸21と入力側回転部材22との嵌合面に開口している。入力側回転部材22の油路76は、一方の開口部にて入力軸21と入力側回転部材22との嵌合面に開口し、入力側回転部材22の内部を通って、トロイダル面の底部から伝動部材4側に向かって開口している。
この作動油供給機構7では、ピストン55の位置が所定の範囲(変速比の切り替えに通常用いられる範囲)内にある場合には、ピストン55の油路74と入力軸21の油路75とが位置ズレして不通となる(図示省略)。したがって、この状態では、油圧室Sから伝動部材4への作動油の通路が閉止される。一方、ピストン55が所定の位置にある場合には、ピストン55の油路74と入力軸21の油路75とが連通して、油圧室Sから伝動部材4への作動油の油路74〜76が開通する(図4参照)。そして、運転開始時にて、油圧室Sの油圧制御によりピストン55が所定の位置まで変位し、油圧室Sから伝動部材4への作動油の油路74〜76が開放されることにより、油圧室Sの作動油の一部が伝動部材4の作動油として用いられている。
[効果]
以上説明したように、この無段変速機1は、伝動部材4の自転軸の傾斜角を変化させて変速比を変更する変速機構5と、作動油を用いた油圧制御により変速機構5を駆動する油圧機構6と、この作動油をトラクション油として供給するための油路71〜73(油路74〜76)を有する作動油供給機構7とを備える(図1および図4参照)。そして、運転開始時にて、作動油の一部が伝動部材4、入力側回転部材22および出力側回転部材32のトラクション油として油路71〜73(油路74〜76)を介して供給される(図3参照。図4については図示省略。)。かかる構成では、供給された作動油により、伝動部材4、入力側回転部材22および出力側回転部材32の間にトラクション油の油膜が形成される。これにより、トラクション油の油膜形成が適正に行われて、運転開始時におけるトラクション油による動力伝達部の油膜切れ状態を改善できる利点がある。
また、かかる構成では、変速機構5の作動油の一部が伝動部材4、入力側回転部材22および出力側回転部材32のトラクション油として流用されるので、伝動部材を潤滑するための外部機構が個別に設置される構成(図示省略)と比較して、無段変速機1の製造コストや外形寸法を縮小できる利点がある。
また、この無段変速機1では、運転開始時にて、変速機構5の作動油の一部が伝動部材4と入力側回転部材22および出力側回転部材32との間の動力伝達部に噴射されて供給される(図3および図4参照)。かかる構成では、トラクション油を供給する必要性が高い(油膜切れ状態が生じやすい)位置に作動油の一部がトラクション油として供給されるので、無段変速機1の変速動作が適正に確保される(油膜切れ状態が改善される)利点がある。
また、この無段変速機1では、作動油供給機構7が変速機構5の油圧室Sから伝動部材4の動力伝達部(トラクション油の油膜を用いた動力伝達部)に至る油路71〜73(油路74〜76)を有し、この油路71〜73(油路74〜76)を介して油圧室S内の作動油が伝動部材4の動力伝達部に供給される(図1、図3および図4参照)。かかる構成では、作動油をトラクション油として供給するための作動油供給機構7を簡易に構成できる利点がある。
また、この無段変速機1では、作動油供給機構7が油圧機構6による変速機構5の油圧制御に伴って油路71〜73(油路74〜76)の閉止および開放を切り替える油路開閉構造を有する(図2および図3参照。図4については図示省略。)。かかる構成では、トラクション油の供給が不要なときに油路71〜73(油路74〜76)を閉止することにより、作動油(トラクション油)の流出を遮断できる。これにより、油圧機構6における作動油の減少を抑制できる利点がある。
例えば、図1〜図3に示す無段変速機1では、シフト軸51の油路72の一方の開口部がシフト軸51のピストン部511の周面に開口し、出力側回転部材32の油路73が出力側回転部材32のシリンダ部321の内周面に開口している。そして、シフト軸51のピストン部511が出力側回転部材32のシリンダ部321に挿入されることにより、これらの油路72、73が連通可能となり、作動油供給機構7が構成されている。そして、シフト軸51のピストン部511が出力側回転部材32のシリンダ部321を軸方向に変位することにより、これらの油路72、73の接続および遮断が切り替え可能となっている(油路開閉構造)。かかる構成では、油路開閉構造を既存の構成要素(シフト軸51および出力側回転部材32)により構成できるので、別途に部品を設ける必要がない点で好ましい。
また、図4に示す無段変速機1では、ピストン55側の油路74と入力軸21側の油路75とがピストン55と入力軸21との摺動面にそれぞれ開口している。そして、ピストン55が入力軸21に嵌合うことにより、油路74、75が連通可能となり、作動油供給機構7が構成されている。そして、ピストン55が入力軸21の軸方向に変位することにより、これらの油路74、75の接続および遮断が切り替え可能となっている(油路開閉構造)。かかる構成としても、油路開閉構造を既存の構成要素(ピストン55および入力軸21)により構成できるので、別途に部品を設ける必要がない点で好ましい。
以上のように、この発明にかかる無段変速機は、運転開始時におけるトラクション油による動力伝達部の油膜切れ状態を改善できる点で有用である。
1 無段変速機、2 入力部、21 入力軸、211 フランジ部、22 入力側回転部材、23 カム機構、3 出力部、31 出力軸、311 フランジ部、32 出力側回転部材、321 シリンダ部、4 伝動部材、5 変速機構、51 シフト軸、511 ピストン部、52 ローラ、53 傾転用アーム部、54 支持軸、55 ピストン、6 油圧機構、61 ケース部材、7 作動油供給機構、71〜76 油路、S 油圧室

Claims (1)

  1. 伝動部材と入力側回転部材および出力側回転部材との間にトラクション油を介在させて油膜のせん断力により、駆動トルクを前記入力側回転部材から前記出力側回転部材に伝達させるトラクションドライブ方式の無段変速機であって、
    軸方向に進退変位して前記伝動部材を駆動するシフト軸を有すると共に前記シフト軸により前記伝動部材の自転軸の傾斜角を変化させて変速比を変更する変速機構と、作動油を用いた油圧制御により前記シフト軸を進退変位させる油圧機構と、前記作動油を前記トラクション油として供給するための油路を有する作動油供給機構とを備え、且つ、
    前記作動油供給機構が、前記シフト軸および前記出力側回転部材に形成された前記油路と、前記油路の閉止および開放を切り替える油路開閉構造とを有し、
    前記シフト軸が、前記油圧機構による前記変速機構の油圧制御に伴って進退変位したときに、前記油路開閉構造が、前記シフト軸側に形成された前記油路と前記出力側回転部材に形成された前記油路との連通状態を切り替えて前記油路の閉止および開放を切り替え、
    運転開始時にて、前記作動油の一部が前記トラクション油として前記油路を介して供給されることを特徴とする無段変速機。
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