JP5282905B2 - 往復摺動装置 - Google Patents
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Description
図7に示す従来の構造では、一対の支持板11、11に設けられた支持孔29、29内に、内側面にパワーローラ6を回転自在に支持したトラニオン7の両端部に互いに同心に設けられた枢軸9a、9bが、調心機能を有するラジアルニードル軸受30、30により支持されている。したがって、トラニオン7は、各枢軸9a、9bの軸方向(図7の上下方向)移動およびこれら各枢軸9a、9bを中心とする揺動変位自在である。そして、油圧式のアクチュエータ10により、トラニオン7がロッド17を介して各枢軸9a、9bの軸方向に駆動自在とされている。
しかし、図8に示すように、油圧方向が変わり、ピストン16の移動方向が変わるときに、シール52が移動し、そのシール52の移動中に油圧室41aと油圧室41bとが連通してしまうという問題がある。一対の油圧室41a、41bを仕切るシール52として単なるシールリングを用いる場合に特に問題である。
また、トロイダル型無段変速機のパワーローラの傾転角を制御する油圧駆動装置として用いられるので、高い制御性能が求められるため、シールの密封性能が高いことがより有効となる。
さらに、低圧油圧室がパワーローラの回転支持部を潤滑するための潤滑油路を構成しているので、トロイダル型無段変速機の構成を簡略化することができる。
図1は本発明の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の油圧駆動装置の部分を示す断面図であり、図2は図1の部分拡大図であり、図3はシールの密封状態を説明するための図である。
なお、本発明の特徴は、油圧駆動装置にあり、その他の部分の構造および作用は、前述の図4〜図7に示した構造を含め、従来から広く知られているトロイダル型無段変速機と同様であるから、同等部分に関する図示および説明は省略し、以下、本発明の特徴部分および先に説明しなかった部分を中心に説明する。
ピストン16Aの中心部には、両側に突出する小径の円筒部42が形成されている。円筒部42の上側部分および下側部分はそれぞれ、シリンダボディ39内および蓋部材62内に油密に嵌装されている。シリンダボディ39と円筒部42との間の環状隙間および蓋部材62と円筒部42との間の環状隙間を密封する密封部材としてそれぞれ、シール67およびシール68が設けられている。シール67およびシール68はそれぞれ、合成樹脂製の円環板状のものであって、円筒部42の外周面に形成された円環板状のシール溝67Aおよびシール溝68Aに装着されている。
一方、トラニオン7の内部とロッド17Aの中心部とに、潤滑油路27a、27bが設けられており(図7参照)、このうちのロッド17Aの中心部に設けた潤滑油路27aの下流端は、このロッド17の先端面に開口している。また、この潤滑油通路27aの上流側は複数個に分岐されてその各上流端は、ロッド17Aの長さ方向中央部の外周面に形成された円環状の潤滑油路27cに連通している。この潤滑油路27cは、ピストン16Aの潤滑油路77に連通している。
このように、低圧油圧室75は、パワーローラ6の回転支持部を潤滑するための潤滑油路として機能し、一方油圧駆動装置10Aは、トロイダル型無段変速機のパワーローラの傾転角を制御して、変速制御を行う変速制御ピストン装置として機能するので、低圧油圧室75の油圧は、油圧駆動装置10Aの一対の油圧室71、72の油圧(変速制御圧)よりも低圧となっている。
また、上下の油圧室71、72と低圧油圧室75とを密封しているシール65,66が装着されるシール溝65A、66Aを形成する溝肩の寸法は、油圧室71、72側の溝肩寸法が低圧油圧室75側の溝肩寸法よりも小さく設定されている。
また、上述のようにシール65、66の密封性能が高いので、高い制御性能が求められるトロイダル型無段変速機のパワーローラの傾転角を制御する油圧駆動装置には特に有効である。
さらに、低圧油圧室75がパワーローラ6の回転支持部(軸受部)を潤滑するための潤滑油路を兼ねているので、トロイダル型無段変速機の構成を簡略化することができる。
16A ピストン
71 油圧室
72 油圧室
75 低圧油圧室(潤滑油路)
40A シリンダ
65 シール
65A シール溝
66 シール
66A シール溝
Claims (2)
- 相対的に往復動する2つの部材の間の環状隙間を密封するシールを備え、当該シールの両側の2つの油圧室の油圧の圧力差により前記往復動が生じる往復摺動装置であって、
トロイダル型無段変速機のパワーローラの傾転角を制御する油圧駆動装置として用いられ、
前記シールは複数個設けられ、これらのシールの間に前記油圧室より低圧の低圧油圧室が設けられ、
前記低圧油圧室は、前記パワーローラの回転支持部を潤滑するための潤滑油路を構成していることを特徴とする往復摺動装置。 - 前記シールは一方の前記部材に形成された環状のシール溝に装着されているとともに、このシール溝を形成する前記油圧室側の溝肩寸法が前記低圧油圧室側の溝肩寸法よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の往復摺動装置。
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