JP5347699B2 - オイルパルス工具 - Google Patents

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Description

本発明は、モータにより回転駆動され、油圧によって発生する間欠的な打撃力を利用してボルト等の締結部材を締め付けるオイルパルス工具に関する。
ネジやボルト等の締め付けを行うインパクト工具として、油圧を利用して打撃力を発生させるオイルパルス工具が知られている。オイルパルス工具は、金属同士の衝突がないため、メカニカル方式のインパクト工具に比べて、作動音が低いという特徴を有する。このようなオイルパルス工具として、例えば特許文献1があり、オイルパルスユニットを駆動する動力として電気モータやエアモータを使用し、モータの出力軸がオイルパルスユニットに接続される。
特開2005−40881号公報
オイルパルスユニットはライナプレートと、その外周側で前方延びるように固定される外径が略円柱形のライナと、ライナの前方内周側に固定されるローワプレートを含んで構成される。出力軸は、メインシャフトと、メインシャフトにバネを介して取り付けられるブレードを含んで構成される。バネはメインシャフトに設けられた穴を貫通するように設置され、オイルパルス機構が駆動している際にバネは穴の内部において伸縮を繰り返す。この際、バネは伸縮時にメインシャフトと擦れるため、長期間の使用によってバネが磨耗してしまい、バネの作用が低下するといった恐れがあった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、オイルパスルユニットのブレードを付勢するバネの摩耗を防止できるオイルパルス工具を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、オイルパスルユニットのブレードを付勢するバネの摺動をスムーズにして効率良く動作させることができるオイルパルス工具を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、オイルパルスユニットを有するオイルパルス工具において、オイルパルスユニットは、ライナプレートと、その外周側で前方に延びるように固定され外径が略円筒形のライナと、ライナの前方内周側に固定されるローワプレートと、ローワプレートを貫通しライナの内側に設けられるメインシャフトと、メインシャフトにバネを介して取り付けられるブレードを含んで構成され、メインシャフトに穴を形成し、この穴にバネ硬度よりも柔らかい材質のスリーブを挿入し、バネをスリーブ内に挿入することによりメインシャフトにバネを非接触状態で保持するように構成した。つまり、バネをスリーブ内に配置したことで、バネの伸縮時にバネとスリーブが接触する構成となる。スリーブは樹脂材料、特にポリアミド系合成繊維にて製造すると好ましい。
本発明の他の特徴によれば、スリーブは貫通穴の内壁を覆う略円筒形の部材であり、スリーブに抜け止めが設けられ、抜け止めはメインシャフトに形成された掛止部と係合する。スリーブの内壁の両端側には、スプリングの摺動を容易にするためのテーパ部を形成すると好ましい。さらに、スリーブの両端側に、端部から軸方向に伸びる複数箇所の切り欠きが設けられ、抜け止めは切り欠きで分離された領域内に設けられると好ましい。
本発明のさらに他の特徴によれば、メインシャフトは金属製であり、スリーブは樹脂材料製であり、これらを鋳込むことにより一体に製造される。
請求項1の発明によれば、メインシャフトに穴を形成し、この穴にバネ硬度よりも柔らかい材質のスリーブを介してバネを配置したため、メインシャフトにバネを非接触状態で保持することができ、バネ伸縮時にバネがメインシャフトと擦れることがなく、バネの磨耗を抑制し、耐久性を向上することが可能となる。
請求項2の発明によれば、オイルパルスユニットは、ライナプレートと、その外周側で前方に延びるように固定され外径が略円筒形のライナと、該ライナの前方内周側に固定されるローワプレートを含み、前記メインシャフトは、前記ローワプレートを貫通するように前記ライナの内側に設けられるので、メインシャフト以外の構成については従来の構成に何ら変更を加えることなく、バネの磨耗を抑制する構成を実現できる。
請求項3の発明によれば、スリーブは樹脂材料にて製造されるので容易かつ安価に製造でき、また金属に比べて軽量化を図ることができる。
請求項4の発明によれば、スリーブはポリアミド系合成繊維にて製造されるので、十分な強度を有しつつ、高い耐久性を実現することができる。
請求項5の発明によれば、スリーブは貫通穴の内壁を覆う略円筒形の部材であるので、バネの外周部を覆うことができ、圧縮及び伸張するバネが、スリーブ内部でスムーズに移動することができる。
請求項6の発明によれば、スリーブに抜け止めが設けられ、抜け止めはメインシャフトに形成された掛止部と係合するので、スリーブがメインシャフトから脱落することがなく長期間安定して作動させることができる。
請求項7の発明によれば、スリーブの内壁の両端側に、スプリングの摺動を容易にするためのテーパ部が形成されるので、伸縮するバネの出入りをスムーズにガイドすることができ、安定して作動させることができる。
請求項8の発明によれば、スリーブの両端側に、端部から軸方向に伸びる複数箇所の切り欠きが設けられ、抜け止めは切り欠きで分離された領域内に設けられるので、切り欠き部分で形成される板バネ効果により、スリーブを貫通穴に容易に装着することができ、一旦装着されたら脱落することがない。
請求項9の発明によれば、メインシャフトは金属製であり、スリーブは樹脂材料製であり、これらを鋳込むことにより一体に製造されるので、がたつきが生ずることがなく安定して作動させることができる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係るオイルパルス工具の全体を示す側面図であり、一部にその断面を示す。 図1のオイルパルスユニット4の断面図である。 図2のA−A部の断面図であって、オイルパルスユニット4の使用状態における一回転の動きを8段階で示した断面図である。 オイルパルスユニット4の部品展開図である。 スリーブ31の取り付け状態を示すメインシャフト24部分の拡大図である。 スリーブ31の全体形状を示す斜視図である。 スリーブ31の軸方向の断面図である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。尚、本明細書の説明において上下及び前後の方向は、図1中に示した方向として説明する。図1は本発明の実施例に係るオイルパルス工具の全体を示す側面図であり、一部にその断面を示す。
オイルパルス工具1は、バッテリーパック2により供給される電力を利用し、モータ3を駆動源としてオイルパルスユニット4を駆動し、オイルパルスユニット4の出力軸たるメインシャフト24に回転力と打撃力を与えることによってドライバビット等の図示しない先端工具に回転打撃力を直接又は間欠的に伝達してネジ締めやボルト締め等の作業を行う。
バッテリーパック2により供給される電源は、例えば12Vの直流電源であり、モータに送られる。モータ3は、内周側に鉄心に巻かれた巻き線を有する回転子3bを有し、外周側に永久磁石を有する固定子3aを有する直流モータであって、2つのベアリング10a、10bによってその回転軸が回転可能に保持される。モータ3は、ハウジングの筒状の胴体部6a内に収容される。回転子3bには冷却ファン17が設けられ、モータ3の回転に同期して冷却ファン17が回転する。ハウジングは胴体部6aとハンドル部6bにより構成され、これらはプラスチック等の一体成型により製造される。
ハウジングの胴体部6aから略直角に下方向にハンドル部6bが形成される。ハンドル部6bの上部(取り付け部)付近にはトリガスイッチ8が設けられ、作業者がトリガスイッチ8を引くことにより、所定の電圧がモータ3に供給される。ハウジングの胴体部6aの前方側には、オイルパルスユニット4を収容するオイルパルスケース7が取り付けられる。オイルパルスケース7は、例えばアルミ合金等の金属の一体成型により製造された略円筒形のケースで、前方側にメインシャフト24を貫通させる穴が形成され、その穴部にベアリング11bが配置される。オイルパルスユニット4は、後方側が減速機9を介してモータ3に接続され、前方側のメインシャフト24が出力軸となる。減速機9の出力軸14はベアリング11aにより保持され、出力軸14の内部に形成された断面が六角形の穴に、オイルパルスユニット4の六角柱状の軸部23a(図2参照)が挿入される。
トリガスイッチ8が引かれてモータ3が起動されると、モータ3の回転は減速機9でその回転数が減速され、オイルパルスユニット4に伝達される。オイルパルスユニット4の内部にはオイルが充填されていて、メインシャフト24に負荷のかかっていないとき、又は、負荷が小さい際には、オイルの抵抗のみでメインシャフト24は減速機9の出力軸14の回転にほぼ同期して回転する。メインシャフト24に強い負荷(反力)がかかるとメインシャフト24の回転が止まり、オイルパルスユニット4の外周側のライナのみが回転を続け、1回転に1箇所あるオイルを密閉する位置にてオイルの圧力が急激に上昇する。オイルの圧力が上昇することにより、メインシャフト24に大きな締付トルク(打撃力)が作用し、メインシャフト24を大きな力で回転させる。以後、同様の衝撃動作が数回繰り返され、締結対象が設定トルクで締め付けられるまで打撃力が間欠的に繰り返し伝達される。
図2は、図1のオイルパルスユニット4の断面図である。オイルパルスユニット4は、主に、減速機9の出力軸14と同期して回転する駆動部分(21、23、26、39)と、先端工具が取り付けられる出力部分(24、25a、25b)の2つにより主に構成される。減速機9の出力軸14と同期して回転する駆動部分は、出力軸14に形成された六角穴に接続される軸部23aを有するライナプレート23と、その外周側で前方延びるように固定される略円柱形のライナ21と、ライナ21の前方内周側に固定されるローワプレート(lower plate)26を含んで構成される。出力部分は、メインシャフト24と、メインシャフト24の太径部の外周にバネ35を介して取り付けられるブレード25a、25bを含んで構成される。
メインシャフト24はローワプレート26に貫通されて、ライナ21内で回転できるように保持され、ライナ21とメインシャフト24の間の空間内には、トルクを発生するための作動油(オイル)が充填される。作動油が充填される空間はライナ21の両端に取り付けたライナプレート23とローワプレート26によって密封される。ローワプレート26とメインシャフト24、及び、ライナ21とライナプレート28の間には、相互間の気密性を確保するためのOリング27、28、30、34が設けられる。
Oリング27はメインシャフト24とローワプレート26の間を密閉するもので、Oリング27の前方側はバックアップリング29を介してローワプレート26の内壁に当接する。Oリング28はライナプレート23の外周部に形成された円環状の溝内に設けられ、ライナ21とライナプレート23の間を密閉する。Oリング28の前方であって、ライナ21とライナプレート23の接続部分には、さらなるOリング34が設けられる。ローワプレート26とライナ21の間であって、ライナ21の内周側に形成された円環状の溝内にはOリング30が設けられる。
ライナプレート23とライナ21は、後述する2つのピンによって固定される。ライナプレート23の後方側には、回転バランスを調整するためのバランス穴が形成されるライナカバー39が取り付けられる。ライナ21とローワプレート26は、2本のピン32(図2では1つのみ図示)で固定される。ローワプレート26にはオイルの圧力を高圧室から低圧室に逃がすリリーフバルブ22があり、発生するオイルの最大圧力を制御し、締め付けトルクを調整することができる。
メインシャフト24の前方端には、先端工具を挿入するための六角穴24aが形成される。六角穴24aは、軸方向(前後方向)と垂直な面の断面が六角形であり、前後方向の中央付近に、ボール12(図1参照)を保持するために半径方向に貫通させた貫通穴24bが形成される。メインシャフト24の後方側には、ブレード25a、25bを保持するための太径部が形成される。太径部の後方側であって、メインシャフト24の後端部は、ライナプレート23の嵌合穴にて保持される軸部24gが形成される。
図3は図2のA−A部の断面図であって、オイルパルスユニット4の使用状態における一回転の動きを8段階で示した断面図である。ライナ21の内部は図3(1)に示すような略4つの領域を形成するような断面を有するライナ室が形成される。メインシャフト24の外周部には、対向する2個の溝部に後述するバネを介してブレード25a、25bが嵌挿される。バネの作用によってブレード25a、25bが離間する方向に付勢され、ブレード25a、25bがライナ21の内面に追従しながら回転する。図3(2)に示すようにメインシャフト24の外周面であって、ブレード25a、25bと回転角にして略90度離れた位置には軸方向に延びる二本の凸状シール面36a、36bが形成される。ライナ21の内周面には山形状に盛り上げて成る凸状シール面37a、37bと、盛り上げ度合いの小さい凸状部38a、38bが形成される。
オイルパルス工具1はボルト締め付け時において締め付けボルトの座面が着座すると、メインシャフト24に負荷がかかり、メインシャフト24、ブレード25a、25bはほぼ停止した状態になり、ライナ21だけ回転し続ける。モータ3の回転によるライナ21の回転に伴い、1回転に1回の衝撃パルスが発生するが、この衝撃パルス発生時においてオイルパルス工具1内は、ライナ21の内周面に形成した凸状シール面37aとメインシャフト24の外周面に形成した凸状シール面36aが接触する。同時に、ライナ21の内周面に形成した凸状シール面37bとメインシャフト24の外周面に形成した凸状シール面36bと接触する。このようにライナ21の内周面に形成した一対の凸状シール面と、メインシャフト24の外周面に形成した一対の凸状シール面がそれぞれ当接することにより、ライナ21の内部は二つの高圧室Hと2つの低圧室Lに仕切られる。そして、前記高圧室Hと低圧室Lとの圧力差によりメインシャフト24が締め付けボルトを締め付けるべく回転する。
次に、オイルパルスユニット4の動作手順を説明する。まず、トリガ8を引くことによりモータ3が回転され、これに伴いライナ21も同期して回転する。図3の(1)〜(8)は、ライナ21がメインシャフト24に対して相対角で1回転する状態を示した図である。前述したように、メインシャフト24に負荷のかかっていないとき、又は、負荷が小さい時には、オイルの抵抗のみでメインシャフト24は回転する。メインシャフト24に強い負荷がかかるとそれに直結されたメインシャフト24の回転が止まり、外側のライナ21のみが回転を続ける。
図3の(1)は、メインシャフト24に衝撃パルスによる打撃力が発生するときの位置関係を示す図である。この(1)に示す位置が、1回転に1箇所あるオイルを密閉する位置である。ここでは、凸状シール面37aと36aが、シール面37bとシール面36bが、ブレード25aと凸状部38aが、ブレード25bと凸状部38bがそれぞれメインシャフト24の軸方向全域において当接し、これによりライナ21の内部空間が2つの高圧室Hと2つの低圧室Lの4室に区画される。
ここで高圧、低圧とは、内部に存在するオイルの圧力である。さらにモータ3の回転によってライナ21が回転すると、高圧室の容積は減少するためオイルは圧縮されて瞬間的に高圧が発生し、この高圧はブレード25を低圧室側に押しやる。その結果、メインシャフト24には上下のブレード25a、25bを介して瞬間的に力が作用して強力なトルクが発生する。この高圧室が形成されることにより、ブレード25a、25bを図中時計方向に回転させるような強い打撃力が作用する。図3(1)に示す位置を本明細書では「打撃位置」と呼ぶ。
図3の(2)は、打撃位置からライナ21が45度回転した状態を示す。(1)に示す打撃位置を過ぎると、凸状シール面37aと36a、凸状シール面37bとシール面36b、ブレード25aと凸状部38a、及び、ブレード25bと凸状部38bの当接状態が解除されるため、ライナ21の内部の4室に区画されていた空間が解除され、相互の空間にオイルが流れるため、トルクは発生せず、ライナ21はモータ3の回転によりさらに回転する。
図3の(3)は、打撃位置からライナ21が90度回転した状態を示す。この状態では、ブレード25a、25bが凸状シール面37a、37bに当接してメインシャフト24から突出しない位置まで半径方向内側まで後退するため、オイルの圧力の影響を受けずトルクは発生しないため、ライナ21はそのまま回転する。
図3の(4)は、打撃位置からライナ21が135度回転した状態を示す。この状態ではライナ21の内部空間は連通してオイルの圧力変化は生じないため、メインシャフトに回転トルクは発生しない。
図3(5)は、打撃位置からライナ21が180度回転した状態を示す。この位置では、凸状シール面37bと36a、凸状シール面37bとシール面36bが接近するが、当接しない。これは、メインシャフト24に形成した凸状シール面36aと36bが、メインシャフトの軸に対して対称位置にないためである。同様にライナ21の内周に形成した凸状シール面37aと37bもメインシャフトの軸に対して対称位置にはない。従って、この位置ではオイルの影響をほとんど受けないためトルクはほとんど発生しない。尚、内部に充填されるオイルには粘性があり、凸状シール面37bと36a、又は、凸状シール面37aと36bが対面した際に、ほんの僅かながら高圧室が形成されるため、(2)〜(4)、(6)〜(8)と違って図3(5)の状態では若干の回転トルクを生じさせる。
図3の(6)〜(8)の状態は、(2)〜(4)とほぼ同様であり、これらの状態の際はトルクが発生しない。(8)の状態からさらに回転すると、図3の(1)の状態に戻り、凸状シール面37aと36aが、シール面37bとシール面36bが、ブレード25aと凸状部38aが、ブレード25bと凸状部38bがそれぞれメインシャフト24の軸方向全域において当接し、これによりライナ21の内部空間が2つの高圧室Hと2つの低圧室Lの4室に区画されるため、メインシャフト24に強い回転トルクが発生する。
次に図4を用いてオイルパルスユニット4の組立構造を説明する。図4はオイルパルスユニット4の部品展開図である。図4に示されるようにメインシャフト24の軸方向に延びる2本の溝部24c内に2つのブレード25a、25bが配置される。2本の溝部24cの底部には、これらを接続する2つの貫通穴24d(図5参照)が形成される。貫通穴24dには、円環状のスリーブ31が挿入され、スリーブ31を貫通するようにバネ35が設けられ、ブレード25a、25bをライナ21の内壁側へ付勢する。
ブレード25a、25bが取り付けられたメインシャフト24の外周部にライナ21が取り付けられ、ライナ21の前方側には2つのピン32によりローワプレート26が固定される。この際、Oリング30、バックアップリング29、Oリング27がライナ21とローワプレート26の間に装着される。ライナ21の後ろ方側には2つのピン33によりライナプレート23が固定される。この際、Oリング34及びOリング28が装着され、最後に内部空間に作動油が注入される。
図5はスリーブ31の取り付け状態を示すメインシャフト24部分の拡大図である。本図では説明の便宜上模式的に記載している。メインシャフト24には、ブレード25a、25bの凸部を嵌挿するための断面が長方形の貫通穴24eと、スリーブ31を貫通させるための断面が略円形の2つの貫通穴24dが設けられる。貫通穴24dにはスリーブ31が挿入される。ブレード25a、25bを互いに離す方向に付勢する2つのバネ35は、それぞれスリーブ31を貫通するように取り付けられる。従って、ブレード25a、25bが伸縮する際に、バネ35はスリーブ31の内壁と擦れる構成となり、バネ35自体はメインシャフト24とは接触しないように構成される。
本実施例において、スリーブ31はバネ35の材質よりも低硬度の材料で構成する。その結果、バネ35とスリーブ31が擦れる際にバネ35側の磨耗を効果的に抑制することが可能となる。スリーブ31を樹脂材、特にポリアセタール、ポリアミド系合成繊維等とすることで、摺動抵抗を大幅に低減させることができ、ブレード25a、25bを安定して長期間動作させることが可能となる。また、スリーブ31によって占められる部分が、金属(メインシャフト24の材質)から樹脂材(スリーブ31の材質)に変更されるので、オイルパルスユニット4の軽量化が達成できる。この軽量化できる部分が、連続して回転するライナ21側でなく、ライナ21によって回転させられるメインシャフト24側なので、軽量化のメリットは大きい。
図6はスリーブ31の斜視図である。スリーブ31は、基本的に略円筒形の形状であり、軸方向の端部において、円周方向に90度ずつ離れた位置に4本の切り欠き部31bが設けられる。切り欠き部31bで分離された部分、つまり板ばね的な作用をする部分には、それぞれ爪部31aが設けられる。爪部31aは、スリーブ31の軸方向端部側が斜めに形成され、軸方向内側が段差状に形成され、この段差状の部分が抜け止め作用を果たす。一方、メインシャフト24の貫通穴24dの開口付近には掛止部となる段差24f(図5参照)が形成され、爪部31aの段差状の部分がこの段差24fに係止される。爪部31aは、スリーブ31の軸方向両側に形成され、段差24fも2つの開口にそれぞれ設けられるので、スリーブ31のがたつきを防止すると共に、貫通穴24dから外れるのを防止し、メインシャフト24に安定して設置することが可能となる。
図7は、スリーブ31の断面図である。スリーブ31の内周壁は、一定の間隔を保持する円筒形の部分31cと、その両側に形成され端部に向かって内径が大きくなる、つまりテーパ状に広がるテーパ部31dが形成される。このようにテーパ部31dを形成したことによって、伸縮するバネ35の出入りをスムーズにガイドすることができ、安定して作動させることができる。尚、スリーブ31の内周壁の形状は、これだけに限られずに、開口から上下方向中央部に至るまで徐々に内径が小さくなるように円弧状に形成した形状であっても良い。一方、スリーブ31の外周壁の形状は比較的自由度が高く、回り止め効果を狙って断面を四角形状や多角形状としても良い。また、外径を円形にして、スリーブ31の外周部と貫通穴24dの内壁の一部に回り止めを設けるように構成しても良い。
以上、本発明によれば、伸縮時にバネがメインシャフトと擦れることがなく、柔らかい樹脂等と擦れるため、バネの磨耗を抑制し、耐久性を向上することが可能となる。また。バネの摺動抵抗を低減させることができ、安定したブレードの動作を実現することが可能となる。
以上、本発明を示す実施例に基づき説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本実施例ではスリーブ31をメインシャフト24の貫通穴24dに挿入するようにしたが、メインシャフト24とスリーブ24の樹脂を一体で成型しても良い。また、本実施例ではメインシャフト24に形成する穴を貫通させたが、貫通穴24dでなく貫通しない穴とし、そこにカップ状の樹脂部材を挿入し、その樹脂部材内にバネを配置させるようにしてブレードを保持するようにしても良い。
さらに、本実施例ではモータとして電気モータを用いる例を説明したが、これに限られずにエアモータやその他の動力機械を用いるようにしても良い。
1 オイルパルス工具 2 バッテリーパック 3 モータ
3a (モータの)固定子 3b (モータの)回転子
4 オイルパルスユニット 5 (モータの)回転軸
6a (ハウジングの)胴体部 6b (ハウジングの)ハンドル部
7 オイルパルスケース 8 トリガスイッチ 9 減速機
10a、10b、11a、11b ベアリング
12 ボール 14 (減速機の)出力軸
17 冷却ファン
21 ライナ 22 リリーフバルブ 23 ライナプレート
23a (ライナプレートの)軸部
24 メインシャフト 24a 六角穴 24b、24d、24e 貫通穴
24c 溝部 24f (メインシャフトの)段差
24g (メインシャフトの)軸部
25a、25b ブレード 26 ローワプレート
27、28、30、34 Oリング
29 バックアップリング 31 スリーブ
31a (スリーブの)爪部 31b (スリーブの)切り欠き部
31c (スリーブの)円筒形部 31d (スリーブの)テーパ部
32、33 ピン 35 バネ
36a、36b 凸状シール面 37a、37b 凸状シール面
38a、38b 凸状部 39 ライナカバー

Claims (9)

  1. モータにより回転駆動され、油圧を利用して打撃力を発生させるオイルパルスユニットを有するオイルパルス工具であって、
    前記オイルパルスユニットは、メインシャフトに形成された穴と、前記穴に配置されるバネと、前記バネに取り付けられるブレードを含み、
    前記バネの硬度よりも柔らかい材質のスリーブを介して、前記バネを前記穴に配置したことを特徴とするオイルパルス工具。
  2. 前記オイルパルスユニットは、ライナプレートと、その外周側で前方に延びるように固定され外径が略円筒形のライナと、該ライナの前方内周側に固定されるローワプレートを含み、
    前記メインシャフトは、前記ローワプレートを貫通するように前記ライナの内側に設けられることを特徴とする請求項1に記載のオイルパルス工具。
  3. 前記スリーブは樹脂材料にて製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載のオイルパルス工具。
  4. 前記スリーブはポリアミド系合成繊維にて製造されることを特徴とする請求項3に記載のオイルパルス工具。
  5. 前記スリーブは前記貫通穴の内壁を覆う略円筒形の部材であることを特徴とする請求項4に記載のオイルパルス工具。
  6. 前記スリーブに抜け止めが設けられ、前記抜け止めは前記メインシャフトに形成された掛止部と係合することを特徴とする請求項5に記載のオイルパルス工具。
  7. 前記スリーブの内壁の両端側に、前記スプリングの摺動を容易にするためのテーパ部が形成されることを特徴とする請求項6に記載のオイルパルス工具。
  8. 前記スリーブの両端側に、端部から軸方向に伸びる複数箇所の切り欠きが設けられ、前記抜け止めは前記切り欠きで分離された領域内に設けられることを特徴とする請求項7に記載のオイルパルス工具。
  9. 前記メインシャフトは金属製であり、前記スリーブは樹脂材料製であり、これらを鋳込むことにより一体に製造することを特徴とする請求項1又は2に記載のオイルパルス工具。
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