WO2023085199A1 - 作業機 - Google Patents

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Abstract

作動油等の流体の温度上昇を抑制した作業機を提供する。1つの係合部が被係合部と軸方向に係合し他の1つの係合部が被係合部と軸方向に係合してライナ室内が複数の空間に分けられる第1の状態と、係合部が被係合部と非接触でライナ室内が1つの空間となる第2の状態と、がある。第2の状態では、被係合部は、ライナ10やアッパープレート20と非接触である。

Description

作業機
本発明は、作動油等の流体を使用するオイルパルスドライバ等の作業機に関する。
ネジやボルト等の締め付けを行う作業機として、油圧を利用して打撃力を発生させるオイルパルス工具が知られている。オイルパルス工具は駆動部の回転を先端工具に伝達するためのオイルパルスユニットを有する。オイルパルスユニットは、先端工具を保持する出力部を有するメインシャフトと、メインシャフトの外側で駆動部によって回転駆動されるライナと、を有する。メインシャフトの突起部及びブレードと、ライナの突起部と、によってライナ内部に密閉空間を形成する。
特開2012-051067号公報
従来のオイルパルス工具では、メインシャフトのブレードは常にライナ内面に向けて付勢され、ブレードとライナが常に接触した状態でライナが回転する。このため、それらの摩擦熱により密閉空間に充填されている作動油等の流体の温度が上昇してしまう。作動油等の流体の温度上昇は、打撃性能を低下させる。また、ライナの突起部を形成する際の機械加工は工数が高く高精度が要求されるため高価な構造になっていた。
本発明は、下記の課題1、2の少なくともいずれかの解決を目的とする。・課題1…作動油等の流体の温度上昇を抑制した作業機を提供すること。・課題2…安価な構造としユーザの負担を軽減させた作業機を提供すること。
本発明のある態様は、作業機である。この作業機は、モータと、前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有し、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部と、前記収容部の内側に収容される流体と、を有する作業機であって、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、前記第1の状態において、前記複数の係合部と前記複数の被係合部とが前記被駆動部の軸方向に対向し、前記複数の係合部と前記複数の被係合部との間を前記流体が通り抜けることを抑制する、ことを特徴とする。
本発明の別の態様は、作業機である。この作業機は、モータと、前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有し、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部と、前記収容部の内側に収容される流体と、を有する作業機であって、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、前記複数の空間は、第1及び第2空間を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転するのに連動して前記軸方向に往復動する往復動部材を有し、前記第1の状態における前記軸方向への前記往復動部材の移動により、前記第1及び第2空間の一方が高圧となり他方が低圧となるよう構成される、ことを特徴とする。
本発明の別の態様は、作業機である。この作業機は、モータと、前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有し、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部と、前記収容部の内側に収容される流体と、を有する作業機であって、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、前記被係合部は、前記軸部と一体のブレードである、ことを特徴とする。
本発明の別の態様は、作業機である。この作業機は、モータと、前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有し、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部と、前記収容部の内側に収容される流体と、を有し、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の一方は、前記第1の状態で前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の他方との係合によって弾性的に変形又は移動するよう構成され、前記第2の状態で前記複数の被駆動部が前記収容部の内面に接触しないよう構成される、ことを特徴とする。
本発明の別の態様は、作業機である。この作業機は、モータと、前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部であって、先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有する被駆動部と、前記収容部の内側に収容される流体と、を有し、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、前記複数の係合部は、前記第1の状態で前記複数の被係合部との係合によって弾性的に変形又は移動するよう構成される、ことを特徴とする。
本発明は「電動作業機」や「電動工具」、「打撃工具」、「電気機器」等と表現されてもよく、そのように表現されたものも本発明の態様として有効である。
本発明によれば、上記の課題1、2の少なくともいずれかを解決できる。
本発明の実施の形態1に係る作業機1の側断面図。 図1の要部拡大図。 作業機1のオイルパルスユニット5を前方から見た分解斜視図。 作業機1のオイルパルスユニット5を後方から見た分解斜視図。 オイルパルスユニット5の第1の状態におけるアッパープレート20とシャフト30の要部斜視図。 オイルパルスユニット5の第2の状態におけるアッパープレート20とシャフト30の要部斜視図。 オイルパルスユニット5内で高圧と低圧が発生する原理を示す模式図。 シャフト30に係る負荷が大きい場合のオイルパルスユニット5の動作を示す模式断面図。 本発明の実施の形態2に係る作業機のオイルパルスユニットの側断面図。 図9のX-X断面図。 図10のXI-XI断面図。 図11のXII-XII断面図。 実施の形態2のオイルパルスユニットを前方側から見た分解斜視図。 実施の形態2のオイルパルスユニットの後方側から見た分解斜視図。 実施の形態2のオイルパルスユニットの動作説明図。 カム溝66を平面状に展開した模式図、並びにカム溝66内における金属球45の位置の変化に応じたオイルパルスユニットの動作を示す図。
以下において、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示である。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施の形態1) 図1~図8は、本発明の実施の形態1に係る作業機1に関する。図1により、作業機1における互いに直交する前後、上下方向を定義する。作業機1は、オイルパルスドライバ(オイルパルス工具)である。オイルパルスドライバは、静音インパクトドライバやソフトインパクトドライバとも呼ばれる打撃工具である。作業機1は、ハウジング2を備える。ハウジング2は、胴体部2a、ハンドル部2b、及びバッテリ着脱部2cを含む。
胴体部2aは、中心軸が前後方向と略平行な筒状部である。ハンドル部2bは、上端が胴体部2aの前後方向の中間部に接続されて前記中間部から下方に延びる。ハンドル部2bの上端部にトリガスイッチ6が設けられる。トリガスイッチ6は、ユーザがモータ3の駆動、停止を切り替えるための操作スイッチである。バッテリ着脱部2cは、ハンドル部2bの下端に設けられ、電池パック7を着脱可能に装着できる。作業機1は、電池パック7の電力で動作する。
作業機1は、胴体部2a内に、モータ3、減速機構4、及びオイルパルスユニット5を備える。モータ3は、インナーロータ型のブラシレスモータであり、前後方向と平行なモータ軸3aを有する。減速機構4は、モータ3の前方に設けられ、モータ3の回転を減速してオイルパルスユニット5に伝達する。
図2~図4に示すように、オイルパルスユニット5は、ライナ10、キャップ15、プレート部としてのアッパープレート20、及びシャフト30を有する。ライナ10、キャップ15、及びアッパープレート20(以下「ライナ10等」とも表記)は、駆動部の例示である。ライナ10及びアッパープレート20は、収容部の例示である。シャフト30は、被駆動部の例示である。
ライナ10は、例えば鋼材からなり、モータ軸3aと同軸の円筒状である。ライナ10は、前面部に貫通孔11を有する。貫通孔11をシャフト30が貫通する。ライナ10は、シャフト30の径方向外側に位置する。ライナ10は、中間部の内周面と外周面に段差部12を有する。ライナ10は、内周面と外周面のいずれも、段差部12の前方が後方よりも小径である。
ライナ10の内側における段差部12の背面に、アッパープレート20の外周部前面が当接する。段差部12の背面に、後方に開口する穴部14が設けられる。穴部14は、周方向に180度間隔で2つ設けられる。ライナ10は、後部内周面にネジ部13を有する。ネジ部13に、キャップ15が螺合する。
アッパープレート20は、円板状であり、ライナ10内に後方から挿入され、シャフト30の後方(軸方向外側)に位置する。アッパープレート20は、接続部21、中央穴部22、内周側凸部23、外周側凸部24、溝部25、突起部26、溝部27、及びピン28を有する。アッパープレート20は、突起部26を除き、例えば鋼材からなる。突起部26は、ゴム等の弾性体であってアッパープレート20の他の部分と一体に構成される。
接続部21は、減速機構4の出力部と接続される。これにより、アッパープレート20が減速機構4の出力部と一体に回転する。すなわちライナ10等は、減速機構4を介してモータ3によって回転駆動される。中央穴部22は、シャフト30の後端部(凸部)32を嵌入する部分である。内周側凸部23は、前方に突出して中央穴部22の周囲を円状に囲む。外周側凸部24は、アッパープレート20の外周部において前方に突出して内周側凸部23の径方向外側を円状に囲む。ライナ10及びアッパープレート20は、シャフト30を回転可能に支持する。
溝部25は、内周側凸部23と外周側凸部24との間の部分であり、内周側凸部23の周囲を円状に囲む。突起部26は、係合部の例示であり、溝部25に設けられて前方に突出する。すなわち、突起部26は、収容部から内側に突出する。突起部26は、3個あり、回転方向(周方向)において等間隔(120度間隔)で配列される。3個の突起部26は互いに同形状である。溝部27は、アッパープレート20の外周面に設けられる。溝部27に、図2に示すOリング18が設けられる。ピン28は、周方向に180度間隔で2つ設けられ、ライナ10の穴部14に嵌入される。これによりアッパープレート20とライナ10が一体に回転する。
キャップ15は、外周面にネジが形成されたリング状であり、ライナ10のネジ部13に螺着される。キャップ15は、ライナ10からアッパープレート20が後方に抜けないように保持する。すなわち、キャップ15は、アッパープレート20をライナ10に固定する。
シャフト30は、先端工具保持穴31を有する。先端工具保持穴31は、シャフト30の前端に開口し、図示しないビット等の先端工具を保持する。シャフト30は、後端から所定長の範囲がライナ室内に位置する。ライナ10、アッパープレート20及びシャフト30によって形成される空間内に、作動油(オイル)が充填(収容)される。作動油は、収容部(ライナ10及びアッパープレート20)の内側に収容される。作動油は、流体の例示である。以下、作動油が充填される空間を「ライナ室」と表記する。ライナ室の前部において、シャフト30の外周面とライナ10の内周面との間にOリング19が設けられる。シャフト30は、軸部の例示である。
シャフト30は、ライナ室内に位置する部分に、それぞれ径方向外側に突出する長ブレード33及び短ブレード34を有する。長ブレード33及び短ブレード34は、それぞれ被係合部の例示である。長ブレード33及び短ブレード34は、シャフト30の回転方向と略垂直な板状であり、互いに回転方向に120度だけ離間して配置される。すなわち、長ブレード33及び短ブレード34は、回転方向において不等間隔に設けられる。長ブレード33及び短ブレード34は、シャフト30から径方向外側に突出する。
シャフト30の径方向において、長ブレード33の径方向外側の端部の位置は、短ブレード34の径方向外側の端部の位置と等しい。長ブレード33及び短ブレード34の径方向外側の端部は、ライナ10の内周面と僅かな隙間を持って近接する。なお、作動油は粘性を有するためこの隙間を通過できない。
長ブレード33は、短ブレード34と比較して、前後方向に長い。前後方向において、長ブレード33の前端位置は短ブレード34の前端位置と等しく、長ブレード33の後端位置は短ブレード34の後端位置よりも後方である。すなわち、長ブレード33及び短ブレード34は、前後方向において、突起部26に向けて延びる長さが互いに異なる。
図5は、オイルパルスユニット5の第1の状態におけるアッパープレート20とシャフト30の要部斜視図である。第1の状態は、突起部26のうちの1つが長ブレード33とシャフト30の軸方向(以下「軸方向」)に係合し、突起部26のうち別の1つが短ブレード34と軸方向に係合した状態である。
図5に示す第1の状態では、長ブレード33が突起部26を軸方向に押圧して突起部26が弾性的に変形し、長ブレード33と突起部26との間を通って作動油が移動できなくなり、ライナ室内での作動油の移動が制限される。同様に、短ブレード34が突起部26を軸方向に押圧して突起部26が弾性的に変形し、短ブレード34と突起部26との間を通って作動油が移動できなくなり、ライナ室内での作動油の移動が制限される。
したがって、図5に示す第1の状態では、ライナ室内は、回転指示方向において、長ブレード33と短ブレード34を境界壁として作動油の移動が互いに制限された高圧室と低圧室の2室に区画される。すなわち、第1の状態では、収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる。第1の状態では、複数の空間は密閉される(密閉空間を形成する)。2室に高圧と低圧の圧力差が生じる原理は図7において後述する。
図6は、オイルパルスユニット5の第2の状態におけるアッパープレート20とシャフト30の要部斜視図である。第2の状態は、突起部26が長ブレード33及び短ブレード34から離れて非接触となり、突起部26がシャフト30から離れて非接触となり、突起部26が弾性的に変形していない状態である。第2の状態では、長ブレード33及び短ブレード34がアッパープレート20の突起部26及び溝部25に接触しない。更に、第2の状態では、長ブレード33及び短ブレード34がアッパープレート20の内周側凸部23及び外周側凸部24に接触しない。すなわち、第2の状態において、ブレード33及び短ブレード34はアッパープレート20の内面(各ブレード33及び34に対向する面)に接触しない。
図6に示す第2の状態では、長ブレード33及び短ブレード34の後端部と溝部25の底面との間の各隙間を通って作動油が移動でき、ライナ室内での作動油の移動制限は解除される。言い換えると、第1の状態での密閉状態は解除され、非密閉状態となる。すなわち、第2の状態では、収容部の内側の空間が1つの空間になる。収容部の内側の空間が複数の空間に分かれない。長ブレード33及び短ブレード34は、径方向外側の端部も前端部もライナ10の内面と非接触である。すなわち、長ブレード33及び短ブレード34は、ライナ10等と非接触である。
図7(A)は、ライナ室内で高圧が発生する原理を示す。図7(B)は、ライナ室内で低圧が発生する原理を示す。図7(A),(B)において、シャフト30が僅かに相対回転した後の長ブレード33及び短ブレード34を破線で併せて示している。
図7(A)に示すように、シャフト30の相対回転方向において長ブレード33と突起部26との係合箇所の前側の区画(長ブレード33が相対的に進む方向にある区画)は、シャフト30の相対回転に伴い容積が減少する。ここで、当該区画からの作動油の移動(流出)が制限されているため、当該区画では作動油が高圧状態となる(当該区画は高圧室となる)。
図7(B)に示すように、シャフト30の相対回転方向において短ブレード34と突起部26との係合箇所の前側の区画(短ブレード34が相対的に進む方向にある区画)は、シャフト30の相対回転に伴い容積が増大する。ここで、当該区画への作動油の移動(流入)が制限されているため、当該区画では作動油が低圧状態となる(当該区画は低圧室となる)。
以下、オイルパルスユニット5の動作を説明する。
モータ3が起動すると、ライナ10等が回転を開始する。シャフト30に係る負荷が小さい場合(例えば締付作業開始から木ネジがある程度締まるまで、又はボルト等が着座するまでの期間)は、ライナ室内に充填された作動油の抵抗により、シャフト30はライナ10等と一体に回転する。シャフト30に係る負荷が大きい場合(例えば木ネジがある程度締まった、又はボルト等が着座した場合)、シャフト30はライナ10等と一体に回転せず、図8(A)~(F)に示す間欠的な回転打撃動作が行われる。
図8(A)~(F)は、シャフト30に係る負荷が大きい場合のオイルパルスユニット5の動作を60度間隔で示す模式断面図である。オイルパルスユニット5において、打撃は、シャフト30に対するライナ10等の1回転に対して3回、図8(B),(D),(F)の各近傍の角度範囲においてそれぞれ発生する。図8(B),(D),(F)において、作動油が高圧の部分と低圧の部分を、ハッチングのパターンによって区別して示す。シャフト30に対してライナ10等が相対的に回転することによって第1の状態と第2の状態とが繰り返し発生する。
図8(A),(C),(E)は、図6に示す第2の状態に対応する状態であり、ライナ室内で作動油の移動が制限されていない。シャフト30に係る負荷が大きい場合、図8(A),(C),(E)の各状態ではライナ10等が回転してもシャフト30は回転せず、図8(B),(D),(F)の各状態に移行する。
図8(B),(D),(F)は、図5に示す第1の状態に対応する状態であり、ライナ室内で作動油の移動が制限され、図7(A),(B)で説明した原理によりライナ室が高圧室と低圧室に分かれる。このとき、高圧室内の瞬間的に高圧になった作動油により長ブレード33が回転方向に押圧され、シャフト30に打撃トルクが発生する。なお、ライナ10には、上記の瞬間的に上昇する作動油の圧力を制御して締付トルクを調整するためのトルク調整機構(リリーフバルブ)が設けられる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 長ブレード33及び短ブレード34は、突起部26と係合して回転打撃力を発生させるとき以外、すなわち第1の状態のとき以外は、ライナ10等と非接触となる。よって、長ブレード33及び短ブレード34とライナ10等との間の摩擦熱の発生を抑制でき、作動油の温度上昇を抑制できる。作動油の温度上昇を抑制することで、打撃性能の低下を抑制できる。従来のオイルパルス工具では、ブレードを常にライナ内面に向けて付勢し、ブレードとライナ内面が常に接触した状態でライナが回転するため、ブレードとライナ内面との間の摩擦熱が大きく、作動油の温度上昇により打撃性能が低下する問題がある。本実施の形態によれば、そうした問題を好適に解決できる。
(2) ライナ10の、ライナ室内に臨む内周面は、単純な円筒形状で良い。アッパープレート20に突起部26を設ける必要はあるが、突起部26は弾性的に変形するものであって高精度な機械加工は不要である。よって、構造として安価になり、ユーザの負担を軽減させることができる。
(3) シャフト30に対するライナ10等の1回転につき3回の打撃が可能なため、締付性能(締付速度)を向上させることができる。打撃数を増やしたことで、各打撃での最大トルクは低下するが、少なくとも1つの打撃における最大トルクがネジ締めに必要なトルク以上であれば、ネジ締め等においてトルク不足とはならない。また、打撃数を増やしたことで、1打撃中にシャフト10を回転させる時間が短い。そのため、1打撃中にモータに流れる電流を抑えることができ、当該電流によるモータやモータ駆動回路の温度上昇を抑えることができる。また、突起部26を不等間隔に設ければ、打撃力を変更することもできる。
(4) モータ3の正転時は、高圧室が低圧室よりも広くなる。このため、設計値に対する高圧室の寸法誤差や作動油の量のばらつきを抑制して正転時にオイルパルスユニット5がロックするリスクを抑制できる。
(実施の形態2) 図9~図16は、本発明の実施の形態2に関する。本実施の形態は、オイルパルスユニットの構成を除き実施の形態1と同様である。
本実施の形態のオイルパルスユニットは、ライナ41、シャフト42、係合部材としての金属球43、45、往復動部材としてのプレスプレート44、プレート部としてのアッパープレート46、キャップ47を有する。ライナ41、アッパープレート46、キャップ47(以下「ライナ41等」とも表記)は、駆動部の例示である。ライナ41及びキャップ47は、収容部の例示である。シャフト42は、被駆動部の例示である。
図13及び図14に示すように、ライナ41は、前壁部48の中央部にシャフト挿通孔49を有する。シャフト挿通孔49をシャフト42が貫通する。ライナ41は、例えば鋼材からなり、モータ軸3a(図1)と同軸の円筒状であってシャフト42の径方向外側に位置する。
図14に示すように、ライナ41は、前壁部48の内面(後方に臨む面)にライナ側突起50を有する。ライナ側突起50は、係合部の例示であり、ライナ41の周方向に等角度間隔(90°間隔)で4個設けられる。ライナ41は、前壁部48の内面に凹部52を有する。凹部52は、ライナ41の周方向において隣り合うライナ側突起50の間に位置し、円弧状に延びる。
図14に示すように、ライナ41は、中間部の内周面に段差部63を有する。段差部63の背面に、アッパープレート46の外周部前面が当接する。ライナ41の後部内周面はネジ部となっており、このネジ部にキャップ47が螺合する。
ライナ41は、内周面に前後方向に延びる溝部51を有する。溝部51の後端部は、段差部63の位置で後方に開いている。これにより、オイルパルスユニットの組立過程において、プレスプレート44のカム溝66に係合した状態の金属球45を、溝部51に後方から進入させられる。
アッパープレート46は、円板状であって例えば鋼材からなり、ライナ41内に後方から挿入され、シャフト42の後方(軸方向外側)に位置する。図13に示すように、アッパープレート46は、前面にスプリング保持部68を有する。スプリング保持部68は、環状の溝部であり、図9等に示すスプリング70の後端部を支持する。
図14に示すように、アッパープレート46は、後部に接続部69を有する。接続部69は、減速機構4(図1)の出力部と接続される。これにより、アッパープレート46が減速機構4の出力部と一体に回転する。すなわちライナ41等は、減速機構4を介してモータ3によって回転駆動される。なお、アッパープレート46は、図示しないピン等によりライナ41と前後方向に連結され、ライナ41と一体に回転する。
図13に示すように、アッパープレート46は、前面にシャフト保持穴73を有する。シャフト保持穴73は、シャフト42の後端部嵌入する部分であって、シャフト42の後端部を回転可能に支持する。アッパープレート46の外周面の溝部74には、図9等に示すOリング72が設けられる。Oリング72は、アッパープレート46の外周面とそれに対向するライナ41の内周面との間から作動油が流出することを抑制する。
キャップ47は、外周面にネジが形成されたリング状の例えば鋼材であり、ライナ41の後部内周面のネジ部に螺着される。キャップ47は、ライナ41からアッパープレート46が後方に抜けないように保持する。すなわち、キャップ47は、アッパープレート46をライナ41に固定する。
ライナ41、アッパープレート46及びシャフト42によって形成される空間内に、作動油(オイル)が充填(収容)される。作動油は、収容部(ライナ41及びアッパープレート46)の内側に収容される。作動油は、流体の例示である。以下、作動油が充填される空間を「ライナ室」と表記する。
シャフト42は、例えば鋼材からなり、先端工具保持穴57を有する。先端工具保持穴57は、シャフト42の前端に開口し、図示しないビット等の先端工具を保持する。シャフト42は、後端から所定長の範囲がライナ室内に位置する。ライナ室の前部においてシャフト42の外周面とライナ41の内周面との間にOリング71が設けられ、ライナ室内からの作動油の流出が抑制される。シャフト42は、軸部の例示であり、モータ軸3a(図1)と同軸である。
図13及び図14に示すように、シャフト42は、前シャフト部53、隔壁部としての鍔部54、後シャフト部55を有する。前シャフト部53及び後シャフト部55は、それぞれ前後方向に延びる円筒状である。鍔部54は、前後方向と垂直な円板状であって、前シャフト部53と後シャフト部55との間において径方向外側に広がる。
シャフト42は、被係合部としてのブレード56を有する。ブレード56は、前シャフト部53の後部外周面から径方向外側に突出する。ブレード56の後端部は鍔部54の前面に接続される。すなわち、ブレード56は、前シャフト部53の後部外周面と鍔部54の前面とに跨がる。ブレード56は、シャフト42の回転方向と略垂直な板状であり、シャフト42の周方向に等角度間隔(90°間隔)で4個設けられる。4個のブレード56は、シャフト42の軸方向における長さが互いに等しい。ブレード56の径方向外側の端部は、ライナ41の内周面と僅かな隙間を持って近接する。なお、作動油は粘性を有するためこの隙間を通過できない。
シャフト42は、金属球43を嵌める凹部58を有する。凹部58は、シャフト42の周方向に180°離間した2箇所に設けられる。
プレスプレート44は、円板状であって例えば鋼材からなる。プレスプレート44は、中央部にシャフト挿通孔64を有する。シャフト挿通孔64をシャフト42(後シャフト部55)が貫通する。
プレスプレート44は、シャフト42の鍔部54とアッパープレート46との間に位置し、シャフト42に対するライナ41の相対的な回転に連動して、鍔部54とアッパープレート46との間の空間内で前後方向に往復動する。
プレスプレート44は、内周面の前部に金属球43と係合する溝部65を有する。溝部65は、周方向においてシャフト42の凹部58と同じ位置にあり、凹部58と共に金属球43を径方向に挟む。金属球43と凹部58及び溝部65との係合により、プレスプレート44は、シャフト42と一体に回転し、かつ溝部65の長さ範囲内においてシャフト42に対して前後方向に移動可能である。
プレスプレート44は、外周面に金属球45と係合するカム溝66を有する。カム溝66は、プレスプレート44の外周面を一周する。図16に示すように、カム溝66は、第1傾斜部75、第2傾斜部76、第1非傾斜部77、第2非傾斜部78を含む。第1非傾斜部77及び第2非傾斜部78は、前後方向と垂直な面に対して傾斜しない部分である。第1傾斜部75及び第2傾斜部76は、前後方向と垂直な面に対して傾斜した部分であって、傾斜の向きが互いに反対である。第1非傾斜部77、第1傾斜部75、第2非傾斜部78、第2傾斜部76が周方向に順に接続され、カム溝66の半周を構成する。カム溝66の残りの半周も同様に構成される。
図14に示すように、プレスプレート44は、背面にスプリング保持部67を有する。スプリング保持部67は、環状の溝部であり、図9等に示すスプリング70の前端部を支持する。スプリング70は、プレスプレート44を前方に付勢することで、金属球45をライナ41の溝部51内の前端位置に実質的に固定(位置決め)する。なお、スプリング70に替えて、アッパープレート46から前方に延びる突起部で金属球45を後方から押さえ、金属球45をライナ41の溝部51内の前端位置に実質的に固定(位置決め)してもよい。
図10に示すように、シャフト42の鍔部54の前方の空間は、ブレード56によって4つの領域に区画される。4つの領域は、2つの第1領域S1と、2つの第2領域S2とを含む。第1領域S1は後述の貫通孔60が開口した領域であり、第2領域S2は後述の貫通孔59が開口した領域である。第1領域S1と第2領域S2は、シャフト42の周方向に交互に配置される。
シャフト42は、貫通孔59~61及び連絡穴62を有する。
貫通孔59は、鍔部54を前後方向に貫通する。貫通孔59は、シャフト42の周方向に180°離間した2箇所に設けられる。2つの貫通孔59により、鍔部54とプレスプレート44との間の空間(以下「プレスプレート前方空間」)と、鍔部54の前方の2つの第2領域S2とが連通する。すなわち、貫通孔59は、プレスプレート前方空間と鍔部54の前方の2つの第2領域S2との間を連絡し作動油の流通を可能とする第2連絡通路を成す。
貫通孔60は、前シャフト部53の周壁部であって前後方向においてブレード56の存在範囲内の周壁部を径方向に貫通する。貫通孔60は、シャフト42の周方向に180°離間した2箇所に設けられる。貫通孔60は、貫通孔59と周方向に約90°離間した位置にある。
貫通孔61は、後シャフト部55の周壁部であってプレスプレート44の後方の周壁部を径方向に貫通する。貫通孔61は、シャフト42の周方向に180°離間した2箇所に設けられる。
連絡穴62は、シャフト42の後端部に開口して前後方向に延び、貫通孔60、61を互いに連通させる。連絡穴62は、非貫通穴であり、非貫通穴である先端工具保持穴57とは連通しない。
2つの貫通孔60、2つの貫通孔61、及び連絡穴62により、プレスプレート44とアッパープレート46との間の空間(以下「プレスプレート後方空間」)と、鍔部54の前方の2つの第1領域S1とが連通する。すなわち、貫通孔60、61及び連絡穴62は、プレスプレート後方空間と鍔部54の前方の2つの第1領域S1との間を連絡し作動油の流通を可能とする第1連絡通路を成す。
図15及び図16は、実施の形態2におけるオイルパルスユニットのトルクパルス発生動作を示す。図15及び図16に示す角度は、シャフト42に対するライナ41の正転方向(後方から見て右回り)の相対回転角度を示す。
0°、90°、180°、270°をそれぞれ中心とする微小角度範囲は、第1の状態となる角度範囲であって、シールエリアである。各シールエリアでは、4個のライナ側突起50の後端部と4個のブレード56の前端部とがそれぞれ前後方向に対向(近接)し、各ライナ側突起50の後端部と各ブレード56の前端部との間を作動油が通り抜けることが抑制(制限)される。すなわち、プレスプレート後方空間と第1領域S1とを合わせた第1空間と、プレート前方空間と第2領域S2とを合わせた第2空間とが、互いに作動油が流通しない密閉空間となる。
0°、180°をそれぞれ中心とするシールエリアでは、図16に示すように金属球45が第1非傾斜部77を移動しプレスプレート44の前後移動が無いため、第1領域S1と第2領域S2との間で作動油の圧力差は生じず、シャフト42に対するトルクパルスは発生しない。
90°、270°をそれぞれ中心とするシールエリアでは、図16に示すように金属球45が第1傾斜部75を移動しプレスプレート44が後方に移動する。このため、プレスプレート後方空間が縮まり、プレスプレート後方空間と第1領域S1とを合わせた第1空間内の作動油が圧縮されて高圧となる。一方、プレスプレート前方空間は広がり、プレスプレート前方空間と第2領域S2とを合わせた第2空間内の作動油が膨張して低圧となる。この第1領域S1と第2領域S2との間の作動油の圧力差により、シャフト42に対する正転方向のトルクパルスが発生する。なお、ライナ41には、瞬間的に上昇する作動油の圧力を制御して締付トルクを調整するためのトルク調整機構(リリーフバルブ)が設けられる。
シャフト42に対してライナ41が逆転、すなわち後方から見て左回りに回転する場合は、90°、270°をそれぞれ中心とするシールエリアでのプレスプレート44の移動方向が逆、すなわち前方となり、第1及び第2空間の高圧、低圧の関係が反転する。すなわち、プレスプレート前方空間が縮まり、プレスプレート前方空間と第2領域S2とを合わせた第2空間内の作動油が圧縮されて高圧となる。一方、プレスプレート後方空間は広がり、プレスプレート後方空間と第1領域S1とを合わせた第1空間内の作動油が膨張して低圧となる。この第1領域S1と第2領域S2との間の作動油の圧力差により、シャフト42に対して逆転方向のトルクパルスが発生する。
上記シールエリア以外の角度範囲は、第2の状態となる角度範囲である。この角度範囲では、4個のブレード56の前端部とライナ41の凹部52とが前後方向に対向し、凹部52を通って作動油は第1領域S1と第2領域S2との間を移動できる。すなわち、プレスプレート後方空間と第1領域S1とを合わせた第1空間と、プレスプレート前方空間と第2領域S2とを合わせた第2空間とが、互いに作動油が流通可能な1つの空間になる。このため、第1領域S1と第2領域S2との間で作動油の圧力差は生じず、シャフト42に対するトルクパルスは発生しない。
モータ3が起動すると、ライナ41等が回転を開始する。シャフト42に係る負荷が小さい場合(例えば締付作業開始から木ネジがある程度締まるまで、又はボルト等が着座するまでの期間)は、ライナ室内に充填された作動油の抵抗により、シャフト42はライナ41等と一体に回転する。シャフト42に係る負荷が大きい場合(例えば木ネジがある程度締まった、又はボルト等が着座した場合)、シャフト42はライナ41等と一体に回転せず、図15及び図16に示す間欠的な回転打撃動作が行われる。
本実施の形態は、下記の作用効果を奏する。
(1) ブレード56は、ライナ41の内周面やライナ41の前壁部48の内面、ライナ側突起50との間に、粘性を有する作動油が通過できない程度の隙間を有する。このため、ブレード56とライナ41との間の摩擦熱の発生を抑制でき、作動油の温度上昇を抑制できる。また作動油の温度上昇を抑制することで、打撃性能の低下を抑制できる。なお、ブレード56がライナ41の内周面やライナ41の前壁部48の内面、ライナ側突起50と接触する場合でも、従来のようにスプリングの付勢力でブレード56がライナ41に対して押し付けられるのではないため、接触力は弱く摩擦熱も小さく、従来と比較して作動油の温度上昇は抑制される。
(2) ライナ41の内周面に突起を設ける構成では突起以外の部分をTスロット等により中ぐり加工する必要があるが、ライナ41の前壁部48の内面にライナ側突起50を設ける構成により、中ぐり加工が不要となり、加工工数を抑えることができる。
(3) ブレード56はシャフト42と一体であり、シャフト42の成形時にブレード56が設けられるため、ブレード56が別体の場合と比較して部品点数及び組立工数を減らすことができ、安価な構成となる。
(4) シャフト42に対するライナ41の相対的な回転に連動するプレスプレート44の前後方向の移動により作動油の圧力差を発生させる構成のため、ブレード56をライナ41等に押し付ける必要がなく、耐久性が高い。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
突起部26は、板バネであってもよい。突起部26は、自身が弾性体である場合に限定されず、バネ等により前方に付勢された非弾性体(例えば鋼材)であってもよい。突起部26は、アッパープレート20に替えてライナ10の内周面に設けられてもよい。すなわち、係合部と被係合部が径方向に係合する構成でもよい。この場合、長ブレード33及び短ブレード34は、径方向の長さが互いに異なるようにする。ライナ10等の側にある係合部が弾性的に変形又は移動する構成に替えて、シャフト30の被係合部が弾性的に変形又は移動する構成としてもよい。
実施の形態1で具体的な数値として例示した長ブレード33及び短ブレード34や突起26の個数、配置角度間隔等は、発明の範囲を何ら限定するものではなく、要求される仕様に合わせて任意に変更できる。長ブレード33及び短ブレード34や突起26の個数、配置角度間隔を変更することで、シャフト30に対するライナ10等の1回転あたりの打撃数を任意に選択できる。
同様に、実施の形態2で具体的な数値として例示したブレード56やライナ側突起50の個数、配置角度間隔等は、発明の範囲を何ら限定するものではなく、要求される仕様に合わせて任意に変更できる。ブレード56やライナ側突起50の個数、配置角度間隔を変更することで、シャフト42に対するライナ41等の1回転あたりの打撃数を任意に選択できる。
1…作業機、2…ハウジング、2a…胴体部、2b…ハンドル部、2c…バッテリ着脱部、3…モータ、4…減速機構、5…オイルパルスユニット、6…トリガスイッチ、7…電池パック、10…ライナ、11…貫通孔、12…段差部、13…ネジ部、14…穴部、15…キャップ、18,19…Oリング、20…アッパープレート、21…接続部、22…中央穴部、23…内周側凸部、24…外周側凸部、25…溝部、26…突起部、27…溝部、28…ピン、30…シャフト、31…先端工具保持穴、32…凸部、33…長ブレード、34…短ブレード、41…ライナ、42…シャフト、43…金属球(係合部材)、44…プレスプレート(往復動部材)、45…金属球(係合部材)、46…アッパープレート、47…キャップ、48…前壁部、49…シャフト挿通孔、50…ライナ側突起、51…溝部、52…凹部、53…前シャフト部、54…鍔部(隔壁部)、55…後シャフト部、56…ブレード、57…先端工具保持穴、58…凹部、59~61…貫通孔、62…連絡穴、63…段差部、64…シャフト挿通孔、65…溝部、66…カム溝、67,68…スプリング保持部、69…接続部、70…スプリング、71,72…Oリング、73…シャフト保持穴、74…溝部、75…第1傾斜部、76…第2傾斜部、77…第1非傾斜部、78…第2非傾斜部。

Claims (20)

  1. モータと、
    前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、
    先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有し、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部と、
    前記収容部の内側に収容される流体と、を有する作業機であって、
    前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、
    前記第1の状態において、前記複数の係合部と前記複数の被係合部とが前記被駆動部の軸方向に対向し、前記複数の係合部と前記複数の被係合部との間を前記流体が通り抜けることを抑制する、
    ことを特徴とする、作業機。
  2. 請求項1に記載の作業機であって、
    前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の一方は、前記第1の状態で前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の他方との係合によって前記軸方向に弾性的に変形又は移動するよう構成される、
    ことを特徴とする、作業機。
  3. 請求項1に記載の作業機であって、
    前記複数の空間は、第1及び第2空間を有し、
    前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転するのに連動して前記軸方向に往復動する往復動部材を有し、
    前記第1の状態における前記軸方向への前記往復動部材の移動により、前記第1及び第2空間の一方が高圧となり他方が低圧となるよう構成される、
    ことを特徴とする、作業機。
  4. モータと、
    前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、
    先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有し、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部と、
    前記収容部の内側に収容される流体と、を有する作業機であって、
    前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、
    前記複数の空間は、第1及び第2空間を有し、
    前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転するのに連動して前記軸方向に往復動する往復動部材を有し、
    前記第1の状態における前記軸方向への前記往復動部材の移動により、前記第1及び第2空間の一方が高圧となり他方が低圧となるよう構成される、
    ことを特徴とする、作業機。
  5. 請求項3又は4に記載の作業機であって、
    前記往復動部材は、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に正転する場合と逆転する場合の双方に連動して往復動するよう構成される、
    ことを特徴とする、作業機。
  6. 請求項5に記載の作業機であって、
    前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に正転する場合と逆転する場合とで、前記第1及び第2空間の高圧、低圧の関係が反転する、
    ことを特徴とする、作業機。
  7. 請求項3又は4に記載の作業機であって、
    前記複数の被係合部の前記軸方向の長さが等しい、
    ことを特徴とする、作業機。
  8. 請求項3又は4に記載の作業機であって、
    前記軸部は、前記軸方向の一方側と他方側とを隔てる隔壁部を有し、
    前記軸方向において前記隔壁部の一方側の空間が前記複数の被係合部により第1領域と第2領域とに仕切られ、
    前記軸方向において前記隔壁部の他方側に前記往復動部材が位置し、
    前記軸部は、
     前記軸方向における前記往復動部材の他方側の空間と前記第1領域との間を作動油が移動可能に連絡する第1連絡通路と、
     前記軸方向における前記往復動部材の一方側の空間と前記第2領域との間を作動油が移動可能に連絡する第2連絡通路と、を有する、
    ことを特徴とする、作業機。
  9. 請求項3又は4に記載の作業機であって、
    前記往復動部材の外周面を一周するカム溝を有し、
    前記収容部の内周面に、前記カム溝に対向する溝部であって前記軸方向に延びると共に一端が開いた溝部が設けられ、
    前記カム溝及び前記溝部に係合する係合部材を有し、
    前記係合部材を前記溝部内の他端位置に位置決めする位置決め部を有する、
    ことを特徴とする、作業機。
  10. 請求項9に記載の作業機であって、
    前記位置決め部は、前記往復動部材を前記軸方向の一方側に付勢するスプリング、又は、前記軸方向において前記往復動部材の他方側に設けられたプレート部から前記軸方向の一方側に延びる突起部である、
    ことを特徴とする、作業機。
  11. モータと、
    前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、
    先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有し、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部と、
    前記収容部の内側に収容される流体と、を有する作業機であって、
    前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、
    前記被係合部は、前記軸部と一体のブレードである、
    ことを特徴とする、作業機。
  12. モータと、
    前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、
    先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有し、前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部と、
    前記収容部の内側に収容される流体と、を有する作業機であって、
    前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、
    前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の一方は、前記第1の状態で前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の他方との係合によって弾性的に変形又は移動するよう構成され、前記第2の状態で前記複数の被駆動部が前記収容部の内面に接触しないよう構成される、
    ことを特徴とする、作業機。
  13. モータと、
    前記モータによって駆動される収容部と、前記収容部から内側に突出する複数の係合部と、を有する駆動部と、
    前記収容部によって回転可能に支持される被駆動部であって、先端工具を装着可能な軸部と、前記収容部の内側において前記軸部から突出し前記複数の係合部と係合可能な複数の被係合部と、を有する被駆動部と、
    前記収容部の内側に収容される流体と、を有する作業機であって、
    前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合して前記収容部の内側の空間が複数の空間に分かれる第1の状態と、前記複数の係合部が前記複数の被係合部と係合せず前記収容部の内側が1つの空間になる第2の状態と、を有し、前記駆動部が前記被駆動部に対して相対的に回転することにより前記第1の状態と前記第2の状態とが繰り返し発生するよう構成され、
    前記複数の係合部は、前記第1の状態で前記複数の被係合部との係合によって弾性的に変形又は移動するよう構成される、
    ことを特徴とする、作業機。
  14. 請求項12又は13に記載の作業機であって、
    前記複数の係合部は前記駆動部の回転方向に設けられ、
    前記複数の被係合部は前記被駆動部の回転方向に設けられる、
    ことを特徴とする、作業機。
  15. 請求項12又は13に記載の作業機であって、
    前記複数の係合部と前記複数の被係合部は個数が異なる、
    ことを特徴とする、作業機。
  16. 請求項12又は13に記載の作業機であって、
    前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の一方は、回転方向において不等間隔に設けられ、
    前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の他方は、回転方向において等間隔に設けられる、
    ことを特徴とする、作業機。
  17. 請求項16に記載の作業機であって、
    前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の一方が2個であり、
    前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の他方が3個である、
    ことを特徴とする、作業機。
  18. 請求項12又は13に記載の作業機であって、
    前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の一方が前記第1の状態と前記第2の状態との間で弾性的に変形又は移動するよう構成され、
    前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の他方は、前記複数の係合部及び前記複数の被係合部の一方に向けて延びる長さが互いに異なる、
    ことを特徴とする、作業機。
  19. 請求項12又は13に記載の作業機であって、
    前記駆動部は、前記被駆動部の径方向外側に位置するライナと、前記被駆動部の軸方向外側に位置するプレート部と、前記プレート部を前記ライナに固定するキャップ部と、を有し、前記モータによって回転駆動される、
    ことを特徴とする、作業機。
  20. 請求項19に記載の作業機であって、
    前記軸部は、径方向外側に突出する前記複数の被係合部を有するシャフトであり、
    前記複数の係合部は、前記ライナと前記プレート部の一方に設けられる、
    ことを特徴とする、作業機。
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