JP5345424B2 - 板状部材の位置決め搬送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板の如き重量のある板状部材を位置決めした上で、処理工程等に搬送するための板状部材の位置決め搬送方法に関する。
太陽電池、例えばカルコパイライト型太陽電池はガラス基板上に形成された下部電極層と、Cu(In,Ga)Se等のカルコパイライト化合物からなり、p型半導体である光吸収層と、n型半導体からなるバッファ層と、n型半導体からなる透明電極層とが、この順序で積層された積層体として構成され、前記下部電極層と透明電極層とには、集電用の電極が配設される。この種のカルコパイライト型太陽電池についてはWO2005/098968号等に詳細な説明がある。ここで、前記光吸収層は、600℃〜700℃に設定された過熱処理炉内にて、セレン化工程に付される。実際には、多数枚のガラス基板を互いに所定間隔離間して保持する基板キャリアを加熱処理炉に搬送し、Cu(In,Ga)からなる層状金属膜が形成されたガラス基板をセレン化水素雰囲気化中にさらすことで、セレン化工程が営まれる。
ガラス基板を保持する基板キャリアが、セレン化工程において劣化等の悪影響から免れるために、特許文献1に開示されているように、耐セレン特性を有する石英で作成されることが知られている。ここで便宜的に前記石英で作成された基板キャリアを石英キャリアと称することがある。
また、特許文献2には、半導体ウエハを熱処理炉へ投入する際、半導体ウエハを支持するための縦型ウエハボートに関する発明が開示されている。前記縦型ウエハボートは半導体ウエハの撓みや変位を防止するために互いに所定間隔離間する支持溝が形成されている。
特開2004−327653号公報 特開平9−306980号公報
例えば、カルコパイライト型太陽電池の構成要素であるガラス基板に対し、前記セレン化工程を営むために、既に指摘したように石英キャリア内に多数枚のガラス基板を一括して投入する必要がある。しかしながら、前記太陽電池に用いるガラス基板は、特許文献2に記載の半導体ウエハと比べてそのサイズが大きく、重量も相当大きくなるために、当該石英キャリアに複数のガラス基板を投入する際に、生じる衝撃力も大きくなる。この結果、ガラス基板や石英キャリアにその衝撃による損傷、例えばクラックが生じやすいという懸念がある。そして、一旦ガラス基板にクラックが生じると、損傷したこのガラス基板を除去し不良品として処理した後、新たなガラス基板を石英キャリアに投入しなければならない等の作業が必要となり、ガラス基板の処理に対する生産性が著しく低下するという難点がある。この種の難点乃至不都合は、ガラス基板のみならず、位置決め搬送される比較的重量の大きい、しかも衝撃に弱い板状部材にも同様の不都合が生じている。
本発明は、前記不都合を克服するためになされたものであって、石英キャリアに板状部材を投入する際、板状部材と石英キャリアとの間に生ずる衝撃力を可及的に減少せしめ、これによって板状部材や石英キャリアに対する損傷を回避するとともに、効率的に板状部材を生産することを可能とする、板状部材の位置決め搬送方法を提供することを目的とする。
本発明に係る板状部材の位置決め搬送方法は、ガラス製の板状部材を搬入搬出するために開口された筐体状の搬送処理部であって、側部に複数の前記板状部材を受容する側部受け部と、前記筐体の底面を横断するように形成されて前記板状部材の下端部を位置決め保持する第1の受け部とを備えた石英製の搬送処理部と、前記板状部材の下端部を受容して位置決めし、緩衝部材で構成されるとともに前記搬送処理部によって囲繞される大きさを有する第2の受け部を備えた位置決め部と、を準備する工程と、前記搬送処理部を前記位置決め部の上方であって該位置決め部を囲繞するように、且つ前記第2の受け部が前記第1の受け部よりも上方に位置するように配置する工程と、次いで、前記板状部材の側部を前記側部受け部に沿って進入させ前記板状部材を前記第2の受け部に着座させる工程と、XY方向に変位する移動手段の変位作用下に、昇降台を上昇させて前記搬送処理部を前記位置決め部に対し相対的に上昇させることにより、前記第1の受け部に前記板状部材を着座させ、前記板状部材を前記位置決め部から前記搬送処理部に移載する工程と、前記板状部材を前記搬送処理部とともに処理工程へと搬送する工程と、を備え前記板状部材を前記第1の受け部に着座させる際に前記搬送処理部を前記位置決め部に対し相対的に上昇させる速度は、前記板状部材を前記第2の受け部に着座させる際に前記板状部材を前記位置決め部に対し相対的に移動させる速度よりも小さいことを特徴とする。
本発明に係る板状部材の位置決め搬送方法によれば、板状部材を緩衝部材によって緩衝させて位置決めするので脆弱な板状部材であってもクラック等が発生することなく品質の優れた板状部材を得ることが可能となる。また、位置決め部の第2の受け部に保持されている板状部材が搬送処理部の第1の受け部に上昇しながら移載されるので、移載中の衝撃も発生することなく移載も円滑に行うことができる。さらに、板状部材がガラス基板であるので、特に移載時の緩衝緩和効果が著しい。
本発明によれば、先ず、板状部材を緩衝部材を有する位置決め部に着座させた後、該板状部材を石英からなる搬送処理部に移載しているので、板状部材と搬送処理部との間に生ずる衝撃力を可及的に減少させることによって該板状部材や搬送処理部に対するクラック等の損傷を回避するとともに、効率的に板状部材を生産することが可能となる効果が得られる。
図1は、カルコパイライト型太陽電池を構成するガラス基板に対し、セレン化処理をするための製造ラインを示す一部省略説明図である。 図2は、ガラス基板位置決め搬送装置を構成する位置決め部と搬送処理部との配置関係を示す斜視説明図である。 図2に示す位置決め部を構成する第1ガラス基板受け部と、これに位置決めされるガラス基板の一部拡大縦断説明図である。 図2に示す搬送処理部を構成する第2ガラス基板側部受け部と、これに位置決めされるガラス基板との関係を示す一部拡大縦断面図である。 リフターの作用下に、ガラス基板位置決め搬送装置を構成する搬送処理部が上方へ変位された状態を示す説明図である。 ガラス基板位置決め搬送装置を構成する搬送処理部にガラス基板を投入する状態を示す斜視説明図である。
以下、本発明に係る板状部材の位置決め搬送方法について、板状部材としてガラス基板を例示し、該方法を実施するガラス基板位置決め搬送装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施の形態に係るガラス基板位置決め搬送装置を含む移載ステーションと、このガラス基板位置決め搬送装置にガラス基板を搬入するための搬送系とセレン化処理炉との相互の関係を示す概略説明図である。後述するガラス基板は、20枚を1セットとしてカセットAに装填された上で、搬送ロボットBの搬送に待機する。カセットAに集積されたガラス基板は、所定のタイミングで搬送ロボットBによって移載ステーションCに配置されているガラス基板位置決め装置Dに一枚ずつ取り出される。前記移載ステーションCのガラス基板位置決め搬送装置Dは、それぞれ、例えば、100枚単位で搬送されるガラス基板を受容する。ガラス基板を収納した前記ガラス基板位置決め搬送装置DはトランスファーマシンEによって複数並列して配置されたセレン化処理炉Fに運ばれ、セレン化処理される。
次に、図2以降によって本実施の形態に係るガラス基板位置決め搬送装置Dの詳細について説明する。なお、この実施の形態では、これ以降ガラス基板位置決め搬送装置Dは参照数字10を用いて説明する。
ガラス基板位置決め搬送装置10は、位置決め部12と、搬送処理部14とを有する。図2に示されるように、位置決め部12に対して、搬送処理部14は、その外側を囲繞する大きさの筐体からなる。すなわち、四角形状の位置決め部12の一辺の長さW1は四角形状の搬送処理部14の一編の長さW2より小さい。従って、位置決め部12に対し、搬送処理部14を重畳する際に、該搬送処理部14は位置決め部12を囲繞する。前記位置決め部12は、4本の脚部16A〜16Dを有する。位置決め部12を構成する前記脚部16A及び16Bは固定板18Aによってしっかりと固定され、同様に前記脚部16C及び16Dは固定板18Bによって固定される。前記脚部16A、16Bの頂部に橋架されて第1ガラス基板受け部20Aが設けられ、同様に脚部16Cと16Dの間に第1ガラス基板受け部20Bが設けられる。
そこで、図3を参照して、前記第1ガラス基板受け部20A、20Bの構造について説明する。なお、第1ガラス基板受け部20Bは前記第1ガラス基板受け部20Aと同一の構造を採用するため、第1ガラス基板受け部20Aについてのみ、その詳細な説明を行う。第1ガラス基板受け部20Aは緩衝部材、例えば樹脂製であって、好適にはポリテトラフルオロエチレン樹脂から形成され、その長手方向に直交するように等間隔に後述するガラス基板100の端部を受容する支持溝22がその上面側に設けられる。前記支持溝22は、図3から容易に了解されるように底面24から互いに拡開するようなテーパ面26A、26Bを有し、例えば、ガラス基板100の厚みを0.7ミリと仮定すると、前記底面24の幅D1は1mmであり、また、テーパ面26A、26Bの傾斜角度θ1は、15°〜45°、好ましくは30°に設定されている。前記支持溝22について互いに隣接する支持溝22、22間の間隔P1は、好ましくは、7.5mmであり、また、溝の高さT1は、好適には、5mmである。なお、図2から容易に了解されるように、位置決め部12の前記第1ガラス基板受け部20A、20B以外の脚部16B、16C間及び16A、16D間は上部が開放された構成である。ここで、脚部16Aと16Bの間、脚部16Bと16Cの間、脚部16Cと16Dの間及び脚部16Dと16Aの間は何れも同一の幅員W1である。
次に、搬送処理部14について説明する。搬送処理部14は、基本的には、全ての部材が石英によって構成される筐体状である。耐熱性、処理安定性を確保するためである。搬送処理部14は、4本の支柱30A〜30Dを有し、その支柱30Aと30Bの間、支柱30Bと30Cの間、支柱30Cと30Dの間及び支柱30Dと30Aの間は何れも同一の幅員W2であって、前記の通り、前記位置決め部12の脚部16A〜16Dの間隔W1よりも長い。従って、位置決め部12に対し、搬送処理部14を重畳させたとき、搬送処理部14は位置決め部12の外側に位置することになる。
支柱30Aと30Bとの間にガラス基板側部受け部(基板側部受け部)32A〜32Dが等間隔離間して設けられる。すなわち、図2から容易に了解されるように、支柱30Aと30Bとの頂部にガラス基板側部受け部32Aが橋架され、所定間隔離間して、ガラス基板側部受け部32Bが橋架される。同様に、ガラス基板側部受け部32C、32Dが等間隔に設けられる。支柱30C、30Dの間にもガラス基板側部受け部34A〜34Dが設けられ、それぞれのガラス基板側部受け部34A〜34Dは前記ガラス基板側部受け部32A〜32Dと同一の間隔で前記支柱30C、30Dの頂部から等間隔で4本配置される。この場合、図4に示すように、ガラス基板側部受け部32A〜32Dと、34A〜34Dとは、同一の構造であるために、ガラス基板側部受け部32Aについてその詳細を説明し、残余のガラス基板側部受け部32B〜32Dの詳細な説明を省略する。
ガラス基板側部受け部32Aは石英からなり、側部支持溝36が等間隔に水平方向内側に指向するように拡開して形成される。側部支持溝36は底面38とこの底面38の両端部から互いに拡開する方向で延在するテーパ面40A、40Bを有する。テーパ面40A、40Bの好ましい角度θ2は、15°〜45°、好ましくは30°に設定されている。底面38の幅D2は、好ましくは3.5mmであり、また側部支持溝36、36間の好ましい間隔P2は、7.5mmである。さらに、側部支持溝36の溝の高さT2は5mmである。従って、図4からも容易に了解されるように、底面38はガラス基板100の厚みを0.7mmとすると、十分に受容することが可能な溝幅であることが容易に了解されよう。
なお、ガラス基板側部受け部32A〜32Dとガラス基板側部受け部34A〜34Dとの側部支持溝36は互いに対向するように設けられていることは言うまでもない。
次に、搬送処理部14の支柱30B、30C間には、その底部にロッド42Aが橋架され、その頂部にロッド42Bが橋架される。また、支柱30Aと30D間には、その底部にロッド44Aが橋架され、その頂部にロッド44Bが橋架される。なお、搬送処理部14の強度を増すために、支柱30B、30Cと支柱30A、30Dの間に斜めに筋交いを設けてもよい。
また、ロッド42Aと44Aとの間に、第2ガラス基板受け部50A、50Bが互いに平行に設けられる。第2ガラス基板受け部50A、50Bは石英で構成される。第2ガラス基板受け部50A、50Bには、上方に指向して第1ガラス基板受け部20Aの前記支持溝22と同一構成の支持溝52が形成されており、前記ガラス基板100を受容する。すなわち、第1ガラス基板受け部20A、20Bがポリテトラフルオロエチレン樹脂で構成されているのに対し、第2ガラス基板受け部50A、50Bは石英で形成されている点が、異なるのみである。なお、第2ガラス基板受け部50A,50Bの支持溝52は、第1ガラス基板受け部20A、20Bの端部支持溝22と同一の位相で配置されている。
ここで、ガラス基板位置決め装置10と図1に示される移載ステーションEとの関係を説明する。図5は、移載ステーションCについての概略側面説明図である。移載ステーションCは、該移載ステーションCの長手方向に沿う基台70を有する。基台70はその上部に移動台72を有し、この移動台72は前記基台70上のレール71に沿って図示しない回転駆動源の付勢作用下に図5の矢印Xで示す方向に移動自在である。前記移動台72には、リフター74が設けられる。リフター74は、支柱76を有し、この支柱76に沿って、ボールねじ78が配設されている。ボールねじ78には、ナット80が螺合するとともに、該ボールねじ78の上端部には回転駆動源82が固着されている。ナット80は昇降台84を保持する。昇降台84は、その先端部に複数本の脚部86を有し、前記脚部86の頂部には、支持台88が固着されている。この場合、昇降台84、脚部86及び支持台88の高さは、位置決め搬送装置10を構成する位置決め部12の脚部16A〜16Dよりもその高さが短く選択されている。従って、支持台88は、例えば、位置決め部12の脚部16A−16B、16C−16Dの間に進入退出することが可能である。なお、図6において、参照符号90は、搬送ロボットDの移載アーム92に配設された吸着板であり、真空吸着作用下にガラス基板100を吸着保持することが可能である。
本実施の形態に係るガラス基板位置決め搬送装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作及び作用効果について説明する。
先ず、予めカセットAには、図示はしていないが、例えば、ガラス基板100が20枚載置されているものとする。そこで、搬送ロボットBが付勢され、この搬送ロボットBの先端の移載アーム92に設けられた吸着板90の吸着作用下にガラス基板100が移載ステーションCに位置決めされているガラス基板位置決め搬送装置10に一枚ずつ搬送される。実際、移載ステーションCのガラス基板位置決め搬送装置10は、位置決め部12に被さるように搬送処理部14が囲繞して配設されている。この場合、位置決め部12の第1基板受け部20A、20Bの高さは、搬送処理部14の第2ガラス基板受け部50A、50Bよりも高く設定される。この場合、その高さを調節するために、搬送処理部14の下側に図示しない架台を設けてもよい。そこで、搬送ロボットBがその吸着板90の吸着作用下にガラス基板100を吸着して搬送すると、該搬送ロボットBは、第1枚目のガラス基板100をガラス基板側部受け部32A、34Aの側部支持溝36に進入せしめる。前記ガラス基板側部受け部32A、34Aは、テーパ面40A、40Bを有していることから、その間に、該ガラス基板側部受け部32A、32Bに特に接触することなく、進入する。そして、該ガラス基板100の底面は、位置決め部12の第1ガラス基板受け部20A、20Bに載置される。
具体的には、図3に示すように、第1ガラス基板受け部20A、20Bを構成する支持溝22は、テーパ面26A、26Bを有し、且つその角度θ1は、好ましくは30°であるがために、ガラス基板100の厚さを0.7mmと仮定すると、幅方向に余裕を持って前記底面24に載置することが可能である。次いで、搬送ロボットBの移載アーム92に設けられた吸着板90に対する真空状態を解除し、該搬送ロボットBは、再び次のガラス基板100をカセットAから移送するために原位置方向へと変位する。これを順次繰り返し、位置決め部12に対して、例えば、100枚のガラス基板100が移載されると、移載ステーションCのガラス基板位置決め搬送装置10は、搬送処理部14だけが、トランスファーマシンEの搬送作用下にセレン化処理炉Fへと移送される。
詳細には、図5において移動台72が矢印X1方向へと移動すると、搬送処理部14が移載ステーションCに到着する。そこで、リフター74を構成する回転駆動源82が付勢されて、ボールねじ78が回転し、このボールねじ78の回転によってナット80が昇降台84を上方へと、すなわち、矢印Y1方向へ持ち上げる。この結果、位置決め部12の第1ガラス基板受け部20A、20Bに載置されていたガラス基板100は、搬送処理部14を構成する第2ガラス基板受け部50A、50Bに移載されることになる。このとき、図4に示すように、前記第2ガラス基板受け部50A、50Bには、テーパ面40A、40Bが形成されており、従って、ガラス基板100の厚みを0.7mmとすると、底面38が1mmある第2ガラス基板受け部50A、50Bはその底面38にガラス基板100を保持させることができる。ガラス基板100の側部は、搬送処理部14のガラス基板側部受け部32A〜32Dと、32A〜34Dに保持されていることから、ガラス基板100の側部方向の変位は阻止され、且つ底面38によって十分に保持された状態で昇降台84は所定の位置に前記搬送処理部14を持ち上げることができる。
次いで、トランスファーマシンEがこのガラス基板100が収納載置されている搬送処理部14に近づき、これを保持して、セレン化処理炉Fのいずれかのステーションに搬送していく。この間に、搬送ロボットBは次なるガラス基板位置決め装置10に対して、前回と同様にガラス基板100を移送する。セレン化処理炉F内部に前記ガラス基板100が保持された搬送処理部14が位置決め配置されると、トランスファーマシンEは再び移載ステーションCへと到達し、既にガラス基板100が移載されている搬送処理部14を保持するために待機する。そこで、再び、移動台72がガラス基板位置決め装置10をその中央部へと移動させ、再びリフター70が付勢されて、矢印Y方向へとこの搬送処理部14を上昇させ、トランスファーマシンEの次なる作業に待機することになる。これを繰り返して、セレン化処理炉Fでは搬送処理部14に移載されたガラス基板100をセレン化処理することが可能となる。
本実施の形態によれば、以上のようにセレン化処理炉Fに対して、ガラス基板100を搬入する際に、まず、緩衝部材としてのポリテトラフルオロエチレン樹脂で構成された位置決め部12に対して、該ガラス基板100を載置することができる。前記のように、位置決め部12を構成するポリテトラフルオロエチレン樹脂には、テーパ面26A、26Bによって形成された支持溝22があり、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の特性からガラス基板100を衝撃なく、底面24で受け入れることができる。次いで、リフター74によって、上昇させるとき、ガラス基板100はこの位置決め部12から離脱し、次いで、搬送処理部14の第2ガラス基板受け部50A、50Bによって受容されることになる。この間、リフター74の支持台88は比較的ゆっくりと衝撃なく、ガラス基板100の底面を前記位置決め部12から搬送処理部14へと移載することができる。従って、ガラス基板100は、セレン化処理の前に衝撃なく、この結果、損傷することなく、セレン化処理炉Fに搬送することができる。結局、ガラス基板100のみならず搬送処理部14へもクラック等の発生も回避でき、結果として歩留まりの良い且つ生産効率に優れたガラス基板処理を行うことができる。
以上、本実施の形態について詳細に説明したが、本実施の形態は、これに限定されるものではなく、例えば、ガラス基板だけではなく、他の板状部材であって、特に衝撃に脆弱なものに対しても十分に本発明を応用することが可能であることは言うまでもない。
10…ガラス基板位置決め搬送装置
12…位置決め部 14…搬送処理部
20A、20B…第1ガラス基板受け部
22…端部支持溝 32A〜32D…ガラス基板側部受け部
34A〜34D…ガラス基板側部受け部
36…側部支持溝 50A、50B…第2ガラス基板受け部
52…支持溝 74…リフター
84…昇降台 88…支持台
100…ガラス基板

Claims (1)

  1. ガラス製の板状部材を搬入搬出するために開口された筐体状の搬送処理部であって、側部に複数の前記板状部材を受容する側部受け部と、前記筐体の底面を横断するように形成されて前記板状部材の下端部を位置決め保持する第1の受け部とを備えた石英製の搬送処理部と、前記板状部材の下端部を受容して位置決めし、緩衝部材で構成されるとともに前記搬送処理部によって囲繞される大きさを有する第2の受け部を備えた位置決め部と、を準備する工程と、
    前記搬送処理部を前記位置決め部の上方であって該位置決め部を囲繞するように、且つ前記第2の受け部が前記第1の受け部よりも上方に位置するように配置する工程と、
    次いで、前記板状部材の側部を前記側部受け部に沿って進入させ前記板状部材を前記第2の受け部に着座させる工程と、
    XY方向に変位する移動手段の変位作用下に、昇降台を上昇させて前記搬送処理部を前記位置決め部に対し相対的に上昇させることにより、前記第1の受け部に前記板状部材を着座させ、前記板状部材を前記位置決め部から前記搬送処理部に移載する工程と、
    前記板状部材を前記搬送処理部とともに処理工程へと搬送する工程と、を備え
    前記板状部材を前記第1の受け部に着座させる際に前記搬送処理部を前記位置決め部に対し相対的に上昇させる速度は、前記板状部材を前記第2の受け部に着座させる際に前記板状部材を前記位置決め部に対し相対的に移動させる速度よりも小さいことを特徴とする板状部材の位置決め搬送方法。
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