JP5345421B2 - 貴金属粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不純物ガス濃度を低減した貴金属粉末を製造する方法に関するものであり、詳細には、熱処理前後の粒度分布を変化させることなく、不純物ガス濃度を低減した貴金属粉末を製造する技術に関するものである。
スパッタリングターゲットや自動車用触媒などの原料に用いられる貴金属粉末は、窒素N、酸素O、塩素Clなどの不純物ガスの濃度が少なく、且つ、粒度分布が狭いことが要求される。このような貴金属粉末を提供するため、種々の熱処理方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、粒度分布範囲が狭く、高純度な白金粉末を得ることができる高結晶性白金粉末の製造方法として、白金ブラックと、アルカリ塩またはアルカリ土類金属塩の少なくとも一種とを湿式混合してから粉砕し、その後焼成してガスを除去した後、塩を溶解除去する方法が開示されている。しかしこの方法は、アルカリ塩やアルカリ土類金属塩の使用を前提とするものであり、加熱処理後に上記成分を分離するための工程が別途必要になり、処理が煩雑となる。また、上記成分の分離が不充分であれば、白金粉末に不純物が混入するなどし、白金粉末の純度が低下する恐れがある。
また、貴金属粉末を対象とするものではないが、例えば、特許文献2には、縦型加熱炉を用い、高純度シリカの湿り粉末を、不純物の混入をできるだけ小さくして高い純度を維持しながら短時間に乾燥、焼成する方法が開示されている。しかしながら上記文献には、シリカなどのセラミックスを対象とした乾燥方法が開示されているに過ぎず、貴金属粉末中の不純物ガス濃度低減化については何も考慮していない。実際のところ、この技術は、水分含有シリカ粉末を乾燥する際、加熱炉を構成する装置材料や乾燥用熱源からの汚染を極力少なくするという観点からなされたものであって、粉末に含まれるN、O、Clなどの不純物ガスの量を低減化することは意図しておらず、実施例では、熱処理後にNa、Al、Zrの不純物の増大は認められず高純度が維持されたことを確認したに過ぎない。
特許文献3には、アルミ箔片等の処理物を真空中で自由落下させながらその周囲から加熱することにより、処理物を所定の温度まで急速に加熱できる自由落下式熱処理炉が開示されている。また、特許文献4には、各種セラミックス粉等を、汚染させることなく仮焼焼成するために使用できる垂直焼成炉が開示されており、加熱された被焼成材料は、垂直焼成炉の下方に設けられた回収部で回収されて冷却されている。しかしこれらの文献に開示されている方法では、粒子同士が接触した状態で熱処理されるため、粒子同士の焼結を生じる。また、これらの文献では、貴金属粉末を対象としておらず、処理物に含まれる不純物ガスを低減することについても何ら考慮されていない。
特開平10−102103号公報 特開平6−3050号公報 特開2003−139469号公報 特開2008−145004号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、アルカリ成分などの添加剤を添加しなくても、貴金属粉末に含まれる不純物ガス濃度を低減できる貴金属粉末の製造方法を提供することにある。詳細には、本発明の目的は、粉末の焼結が抑制されるため熱処理前後の粒度分布が変化せず、且つ、不純物ガス濃度を低減した貴金属粉末を製造できる方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る貴金属粉末の製造方法は、加熱炉に貴金属を主体とする貴金属粉末を供給し、該貴金属粉末を気体中に分散させた状態で加熱した後、更に分散させた状態のまま冷媒に接触させるところに要旨を有している。
本発明の好ましい実施形態において、上記加熱炉内には、加熱炉の上部から下部に向かって気体の下降流が形成されている。本発明の好ましい実施形態において、上記加熱炉の下部に設けた気体吸引部によって加熱炉内の気体を吸引する。本発明の好ましい実施形態において、上記加熱を500〜1200℃で行なう。本発明の好ましい実施形態において、上記貴金属粉末は、白金またはパラジウムを主体とする粉末である。
本発明によれば、貴金属粉末を適切に分散させた状態で加熱炉に投入し、その分散状態を保ちながら加熱を行なった後、分散させたまま直ちに冷却しているため、熱処理による貴金属粉末の焼結が抑制され、熱処理前の粒度分布が熱処理後も維持されたまま、貴金属粉末に含まれる不純物ガス濃度を低減することができる。本発明の方法によれば、従来のように貴金属粉末以外のアルカリ成分などを添加しなくても所望の貴金属粉末が得られるため、当該成分の添加による不純物の混入などの恐れはなく、また、当該成分を分離するための工程も不要になるため、熱処理工程を簡素化できる。更に本発明の方法によれば、加熱炉内雰囲気を真空下に制御して加熱処理を行なわなくても不純物ガス濃度を低減できるため、設備の簡素化を図れる点でも有用である。
図1は、本発明法に好適に用いられる加熱冷却装置の一例を示す概略説明図である。
本発明の製造方法は、加熱炉に貴金属を主体とする貴金属粉末を供給し、該貴金属粉末を気体中に分散させた状態で加熱した後、更に分散させた状態のまま冷媒に接触させるところに特徴がある。本発明の方法によれば、加熱炉内への貴金属粉末の供給、加熱炉内での貴金属粉末の加熱、加熱後の貴金属粉末の冷却の全工程を、貴金属粉末が所定の分散状態に保持されるように制御して熱処理を行なっているため、加熱による貴金属粉末の焼結が抑制されて熱処理前の粒度分布が熱処理後も維持され、且つ、貴金属粉末中の不純物ガス濃度も低減された所望の貴金属粉末が得られる。
詳細には、本発明では、加熱炉内に貴金属粉末を供給するときの供給速度を制御して適切な分散状態とし、加熱炉内では、この分散状態を保ったまま適切な温度で加熱しているため、貴金属粉末を均一に加熱できる。その結果、加熱中に貴金属粉末同士が凝集して粗大化するなどにより熱処理前の粒度分布が変化するのを防止でき、且つ、貴金属粉末中の不純物ガス濃度も低減できる。即ち、一般に、粒径の粗大化防止(焼結の抑制)と不純物ガス濃度の低減化とは、両立し難いものであり、焼結抑制のために加熱温度を低くし過ぎると不純物ガス濃度を有効に低減できず、一方、不純物ガス濃度低減化のために加熱温度を高くし過ぎると焼結を抑制できず粒径の粗大化を招く。本発明では、上記のように加熱炉内への供給、加熱、更にはその後の冷却にわたって、適切な分散状態を維持しつつ、粒径も粗大化せず不純物ガス濃度も低減できる温度範囲(例えば500〜1200℃)で加熱しているため、これらを両立できると思料される。
更に本発明では、この適切な分散状態を保ったまま、加熱後の貴金属粉末を直ちに冷媒に接触させて冷却(強制冷却、急速冷却)を行なっているため、加熱後の状態(熱処理前後の粒度分布の変化は少なく、不純物ガス濃度が低減された状態)がそのまま維持された貴金属粉末が得られる。即ち、上記のような強制冷却を行なわずに空気中で放冷した場合には、加熱によって粉末に保持された余熱で二次反応が起こったり、放冷中に貴金属粉末同士が固着するなどして粒子径が大きくなったり、あるいは、放冷中に雰囲気中のガスを取り込むなどによって不純物ガス濃度が上昇する、といった問題が生じるが、本発明の方法によれば上記問題を全て回避できる。
このように本発明では、貴金属粉末を適切に分散させた状態で加熱と冷却を行なうことが極めて重要である。貴金属粉末の分散状態は、貴金属粉末の粒度および密度に密接に関係しているので、一該に決めることはできないが、貴金属粉末の投入量を10〜1000g/m3の範囲にすることで分散状態が適正に保たれる。即ち、加熱炉への粉末の投入量が、加熱炉内容積に対して10〜1000g/m3となるように粉末の落下速度(炉内滞留時間)を勘案して調整すればよい。
粉末の投入量が多過ぎて1000g/m3を超えると、貴金属粉末が加熱炉内に過密な状態で存在するため均一な熱処理を行なうことができず、加熱炉内で貴金属粉末同士が衝突・凝集し、熱処理後の粉末の粒径が大きくなる。一方、粉末の投入量が少な過ぎて10g/m3を下回ると、上記の問題は起こらず貴金属粉末は均一に加熱されるが、生産性が低下する。貴金属粉末のより好ましい投入量は、加熱炉内での貴金属粉末が40〜400g/m3の範囲である。
この分散状態(加熱炉への投入量)は、加熱炉内でも維持されていることが必要であるが、これは特に(ア)加熱炉に供給する気体の方向、および(イ)加熱炉に供給する気体の流速を以下のように制御することによって達成される。詳細は以下のとおりである。
[(ア)加熱炉に供給する気体の方向]
加熱炉に供給する気体は、好ましくは、加熱炉の上部から下部に向って下降流が形成されており、例えば、縦型加熱炉のような自然落下構造を有する炉で加熱することにより、分散状態の調整が容易になる。
気体の下降流が充分に形成されない場合には、上昇気流の影響を受けて貴金属粉末が飛散したり、分散状態にバラツキが生じ易くなる。その結果、熱処理前後の貴金属粉末の粒度分布が変化する。
[(イ)加熱炉に供給する気体の流速]
貴金属粉末を適切に分散させるためには、上記のように気体の下降流を形成させることが好ましいが、更に加熱炉内での気体の流速を約0.2〜5cm/秒に制御することが好ましい。加熱炉内での気体の流速とは、例えば、縦型円筒状の加熱炉であれば、円筒の断面円を通過するときの気体の速度である。気体の流速は、加熱炉内に取り込まれた、もしくは、炉内から排出された、気体の単位時間(秒)当たりの室温付近での容量(cm3)を、加熱炉の断面円の面積(cm2)で割ることによって求めることができる。
気体の流速が0.2cm/秒を下回ると、気体の下降流が充分に形成されず、上昇気流の影響によって分散状態にバラツキが生じ易くなり、粉末の炉内滞留時間にもバラツキを生じ、焼結を生じるようになる。一方、気体の流速が5cm/秒を超えると、気体の吸引力が大きくなり過ぎて貴金属粉末の一部が、加熱装置の配管や気体吸引部などに吸引されて詰まるといった問題が発生する。具体的には、気体の流速は、使用する加熱炉の形状、貴金属粉末の成分組成や粒度分布などに応じて、上記範囲のなかから適切な範囲を適宜設定すれば良いが、より好ましくは0.5cm/秒以上、3cm/秒以下である。
上述した気体の下降流を形成するには、例えば、後記する図1の加熱冷却装置に示すように、供給部1と加熱炉2の接続部位において、加熱炉2の上部を開口させておくか、もしくは、非酸化性の気体が供給できるように気体導入口2aを設け、(ウ)加熱炉の下部に気体を吸引し、系外へ排出するための気体吸引部を設けることによって達成できる。また、図1には示さないが、経路11の途中に気体を冷却する装置を設けてもよい。
すなわち、貴金属粉末の粒子径や密度などによっては、加熱炉内に発生する上昇気流によって粉末が飛散し、加熱炉への貴金属粉末の供給を安定して均一に行なえないとか、加熱炉内での加熱を均一に行なえない、などの問題が生じる場合がある。その結果、加熱炉内での滞留時間が変化し、貴金属粉末の適切な分散状態が得られなくなる恐れがある。この問題は、縦型加熱炉を使用し、粉末の自然落下(自由落下)による下降流の形成だけでは充分回避できない場合もある。これに対し、上記(ウ)のように、加熱炉の下部を密閉して当該下部に気体吸引部を設けておけば、縦型加熱炉による粉末の下降流だけでなく、気体吸引部による気体の強制的な下降流も形成されるため、下降流の形成が促進され、上昇気流の発生を有効に抑制できる。
また、上記のようにして上昇気流の発生を防止できれば、上昇気流によって微細な貴金属粉末が飛散するのを防止でき、貴金属粉末の損失を抑えることもできる。更に、加熱炉壁への貴金属粉末の付着を防止できるなどの効果も得られる。その結果、貴金属粉末の回収効率が上昇するようになる点でも非常に有用である。
更に本発明では、後に詳しく説明するように、加熱後の貴金属粉末を冷却槽で水などの冷媒に接触させて冷却するが、気体吸引部を動作させることにより、冷却槽で発生した水蒸気を系外へ効率よく排出できる。その結果、貴金属粉末の凝集防止や、加熱炉の腐食防止といった効果も得られる。
本発明に用いられる貴金属粉末としては、金(Au)、銀(Ag)、白金族元素[白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)]の貴金属単独の粉末;およびこれら貴金属を主成分とする貴金属粉末の両方が含まれる。ここで、「貴金属を主成分(主体)とする貴金属粉末」とは、上記の貴金属を少なくとも50質量%以上含有するものである。
本発明の除去対象である不純物ガスとは、貴金属粉末中に含まれる酸素O、窒素N、塩素Clなど(特に、酸素)を意味する。本発明によれば、酸素を、例えば、0.1質量%以下に低減した貴金属粉末を製造できる。
加熱炉に供給する上記貴金属粉末の平均粒径(50%粒子径)は、おおむね、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。すなわち、本発明の方法は、このような粒径を有する貴金属粉末を熱処理するのに好適な方法である。なお、貴金属粉末の粒径は、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装製のMT−3300exII)によって測定されたものである。この方法によれば、レーザー光を粒子に照射し、その散乱光強度のパターンから粒子径と粒度分布が計算で求められる。
以下、図1の加熱冷却装置を参照しながら、本発明の製造方法を詳しく説明する。図1は、本発明に好ましく用いられる装置の一例であって、本発明の方法はこれに限定する趣旨では決してない。
図1の装置は、加熱炉内を貴金属粉末が自由落下する縦型加熱炉(落下式加熱炉)を備えている。これにより、加熱炉の上部から下部に向って気体の下降流が形成され、貴金属粉末の分散状態を調整し易くなる。
詳細には、図1の加熱冷却装置は、加熱炉2に貴金属粉末を供給するための供給部1と、供給された貴金属粉末を加熱するための加熱炉2と、加熱された貴金属粉末を冷媒3aに接触させるための冷却部3と、加熱炉2の下部に気体を吸引する気体吸引部4と、加熱炉2の上部に気体を導入するための気体導入口2aと、を備えている。気体吸引部4は、加熱炉2と冷却部3との間に経路11を介して接続されている。気体導入口2aから加熱炉2内に供給された気体は、気体吸引部4により、加熱炉2の上部から下部に向かって下降流2bが強制的に形成され、経路11を通って系外へ排出される。
まず、供給部1に貴金属粉末を供給する。供給部1は、フィーダーを用いることが好ましい。フィーダーの使用により、貴金属粉末を均一な速度で加熱炉2内に投入することができる。フィーダーとしては、多段式フィーダーを用いることが好ましく、最終段のフィーダーのホッパー部に供給される貴金属粉末の量を一定に保つことによって、加熱炉2内へ貴金属粉末を一定速度で投入できる。具体的には、例えば、スクリューフィーダーと振動フィーダーの2段式フィーダーや、振動フィーダーを2つ搭載した2段式フィーダーなどが好ましく用いられる。特に、前者の2段式フィーダーを用いて貴金属粉末を投入すれば、スクリューフィーダーによる二次粒子の解砕と振動フィーダーによる粉末の分散を同時に達成できるため、最も好ましい。
更に気体導入口2aから気体を加熱炉2内に導入する。本発明に用いられる気体の種類は特に限定されず、空気でもよいし、非酸化性ガス(例えば、窒素ガスやアルゴンガスなど)や還元性ガス(例えば、水素ガスなど)でも良い。或いは、これらの混合ガスでも良い。
次に、供給部1に投入された貴金属粉末を加熱炉2に投入する。
貴金属粉末の分散状態を適切に制御するため、上述したように、加熱炉2への貴金属粉末の投入速度を制御したり、気体の流速を適切に制御することが好ましい。
加熱炉2の温度は500〜1200℃とするのがよい。加熱温度が500℃未満では、貴金属粉末中の不純物ガスを充分に低減できない。一方、加熱温度が1200℃を超えると加熱昇温速度との相関もあるが、特殊なヒーターを設定したり、ヒートショック対策を新たに講じる必要があるなど、設備が複雑になり経済性が悪くなる。加熱炉2の好ましい温度は700℃以上、1150℃以下であり、800℃以上、1100℃以下がより好ましい。
なお、加熱時間は、処理する貴金属粉末の量や不純物ガス濃度、加熱炉のサイズなどによっても相違し、一律に規定することは困難であるが、おおむね、数秒から10数秒の範囲に制御することが好ましい。
また、加熱炉2の入口から、上記の加熱炉温度(500〜1200℃)に達するまでの平均昇温速度(℃/秒)を適切に制御することが好ましい。
上記の平均昇温速度は、加熱炉内の均熱領域(加熱炉温度±10℃の領域)における温度と加熱炉の入口における温度との差(℃)を、加熱炉の入り口から、加熱炉内の均熱領域に達するまでの距離を通過するのに要した時間t(秒)で、割って算出される計算値である。好ましくは100〜2000℃/秒とする。
上記の平均昇温速度が2000℃/秒を超えるように制御しようとすると、炉の入口から均熱温度領域に達するまでの距離を短くしなければならず、当該速度を達成するために特別なヒーターを設定したり、ヒートショック対策を新たに講じる必要があるなど、設備が複雑となる。一方、上記の平均昇温速度を100℃/秒未満に制御しようとすると、加熱炉2の炉長を長くしなければならず、設備費用の増大、設置場所の問題などが生じる。
具体的には、上記平均昇温速度の範囲は、装置の簡便性や経済性などを適宜考慮し、上記の範囲のなかから、貴金属粉末の種類や粒度分布、不純物ガス濃度などに応じて、適宜適切な速度を設定すれば良い。
このようにして加熱処理された貴金属粉末は、熱処理の前後で粒度分布の変化がなく、当該粉末中の不純物ガス濃度も低減されたものとなっている。
次いで、加熱処理後の貴金属粉末を、直ちに冷却部3に投入し、冷媒3aと接触させることによって急速冷却する。これにより上記の分散状態を保ったまま貴金属粉末が一気に冷却されるため、加熱後の貴金属粉末の状態がそのまま維持され、所望の粉末が得られる。すなわち、冷媒3aを用いずに空気中で放冷などを行なうと、放冷中に粉末同士が固着したり余熱によって粉末の焼結が起こり、貴金属粉末の粒度分布が変化するほか、空気中の酸素によって貴金属粉末の酸素量が増大する(後記する実施例の欄を参照)が、本発明の方法によれば、これらの問題は見られない。
冷却部3内の冷媒3aの温度は、例えば、5〜40℃程度とすればよい。
冷却部3に用いられる冷媒3aとしては、水が好適に用いられる。水以外の冷媒を用いると、冷却過程で冷媒中に含まれる余分な元素が貴金属粉末に混入するなどし、不純物濃度が上昇する恐れがあるからである。例えば、冷媒3aとして油を用いると、油に含まれるC(炭素)が不純物として貴金属粉末に混入する恐れがある。また、油を用いた場合には、別途洗浄工程が必要となるが、水を用いれば、洗浄処理は不要であり、そのまま乾燥させれば良いなど、生産性が向上する。
乾燥に当たっては、乾燥時に不純物ガス濃度が上昇することがないように留意する必要がある。具体的には、過度の加熱は避け、例えば、150℃以下で乾燥することが好ましい。また、貴金属粉末の種類によっては、不活性ガス雰囲気で乾燥させることがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適切な変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下の実験例1〜6では、図1の加熱冷却装置を用い、原料粉末の種類、粉末の投入量、気体の流速などを変えて実験を行なった。
詳細には、以下の実験例に用いた加熱冷却装置は、供給部1として、一段目にスクリューフィーダー、二段目に振動フィーダーを有する二段式のフィーダーを備えており、冷却部3として水槽を用いたものである。水槽の温度は約10〜30℃である。
また、実験例1〜6のうち、実験例1および5はPt粉末を、実験例2および4はPd粉末を、実験例3および6はAg−Pd合金粉末を、それぞれ用いた例である。なお、実験例4は冷却部3として水槽を用いない例であり、実験例5は気体吸引部4を用いない例であり、実験例6は加熱炉2へ供給する貴金属粉末量を過剰にした例である。
[実験例1(発明例:Pt粉末)]
実験例1に用いた貴金属粉末(Pt粉末)の詳細は以下のとおりである。
粒度分布:10%粒子径3.4μm、50%粒子径13μm、90%粒子径23μm
(以上、マイクロトラック粒度分布測定装置による測定結果である。)
不純物ガス濃度:O(酸素)0.9質量%、N(窒素)0.3質量%、Cl(塩素)0.06質量%
(以上、OとNは堀場製作所製「EMGA−620W」による測定結果であり、Clはダイアインスツルメンツ製「自動試料焼成装置AQF−100」に日本ダイオネクス製「イオンクロマト ICS−1500」を組み合わせて測定した結果である。)
上記のPt粉末を二段式フィーダーに入れ、気体導入部2aから加熱炉2へ空気を導入して、以下の条件で加熱及び冷却を行なった。
加熱炉でのPt粉末量:300g/m3
加熱炉内の加熱温度 :900℃
加熱時の平均昇温速度:300℃/秒
空気の流速 :0.8cm/秒
水槽で冷却したPt粉末をろ過して固液分離し、得られたPt粉末を空気雰囲気下、120℃で3時間乾燥した。Pt粉末の回収率は98%であった。
上記熱処理後のPt粉末の詳細は以下のとおりである(測定条件は、熱処理前と同じ。)。本発明の熱処理法を用いれば、酸素、窒素、塩素の全ての不純物ガス濃度が熱処理前に比べて低減されており、且つ、熱処理の前後で粒度分布の変化は殆ど見られなかった。
粒度分布:10%粒子径4.1μm、50%粒子径13μm、90%粒子径25μm
不純物ガス濃度:O(酸素)0.07質量%、N(窒素)0.03質量%、Cl(塩素)0.02質量%
[実験例2(発明例:Pd粉末)]
実験例2に用いた貴金属粉末(Pd粉末)の詳細は以下のとおりである。測定条件は、実験例1と同じである。
粒度分布:10%粒子径2.5μm、50%粒子径10μm、90%粒子径75μm
不純物ガス濃度:O(酸素)0.2質量%
上記のPd粉末を二段式フィーダーに入れ、気体導入部2aから加熱炉2へ空気を導入して、以下の条件で加熱及び冷却を行なった。
加熱炉でのPd粉末量:150g/m3
加熱炉内の加熱温度 :1100℃
加熱時の平均昇温速度:800℃/秒
空気の流速 :2cm/秒
水槽で冷却したPd粉末をろ過して固液分離し、得られたPd粉末をアルゴン雰囲気下、100℃で5時間かけて乾燥した。Pd粉末の回収率は99%であった。
上記熱処理後のPd粉末の詳細は以下のとおりである(測定条件は、熱処理前と同じ。)。本発明の熱処理法を用いれば、酸素濃度が熱処理前に比べて低減されており、且つ、熱処理の前後で粒度分布の変化は殆んど見られなかった。
粒度分布:10%粒子径2.7μm、50%粒子径10μm、90%粒子径75μm
不純物ガス濃度:O(酸素)<0.05質量%
[実験例3(発明例:Ag−Pd合金粉末)]
実験例3に用いた貴金属粉末(Ag20質量%、Pd80質量%のAg−Pd合金粉末)の詳細は以下のとおりである。測定条件は、実験例1と同じである。
粒度分布:10%粒子径1.2μm、50%粒子径3.7μm、90%粒子径7.0μm
不純物ガス濃度:O(酸素)0.5質量%
上記のAg−Pd合金粉末を二段式フィーダーに入れ、気体導入部2aから加熱炉2へ空気を導入して、以下の条件で加熱及び冷却を行なった。
加熱炉でのAg−Pd合金粉末量:40g/m3
加熱炉内の加熱温度 :1000℃
加熱時の平均昇温速度 :1200℃/秒
空気の流速 :3cm/秒
水槽で冷却したAg−Pd合金粉末をろ過して固液分離し、得られた粉末を実験例1と同様にして乾燥した。Ag−Pd合金粉末の回収率は98%であった。
上記熱処理後のAg−Pd合金粉末の詳細は以下のとおりである(測定条件は、熱処理前と同じ)。本発明の熱処理法を用いれば、酸素濃度が熱処理前に比べて低減されており、且つ、熱処理の前後で粒度分布の変化は殆んど見られなかった。
粒度分布:10%粒子径1.5μm、50%粒子径4.0μm、90%粒子径8.2μm
不純物ガス濃度:O(酸素)<0.05質量%
[実験例4(比較例:Pd粉末)]
実験例4では、上記実験例2と同じPd粉末を用い、冷却部3として水槽を用いずに加熱炉の下部に設けた堆積槽に加熱後のPd粉末を回収したこと以外は、実験例2と同様にして熱処理を行なった。Pd粉末の回収率は98%であった。
熱処理後のPd粉末の詳細は以下のとおりである(測定条件は、熱処理前と同じ。)。水による冷却を行なわない実験例4では、熱処理後の酸素濃度は変化しなかった。これは、加熱処理によって酸素量が低減されたにもかかわらず、加熱後、堆積槽に上記粉末が滞留する間に、空気中の酸素を取り込んだためと考えられる。また、熱処理後に粉末の粒径が大きくなったのは、加熱後、堆積槽に上記粉末が滞留する間に、余熱によって粉末同士が凝集したためと推察される。
粒度分布:10%粒子径20μm、50%粒子径100μm、90%粒子径450μm
不純物ガス濃度:O(酸素)0.2質量%
[実験例5(比較例:Pt粉末)]
実験例5では、上記実験例1と同じPt粉末を用い、気体吸引部4を有しない加熱冷却装置を用いてPt粉末を回収したこと以外は、実験例1と同様にして熱処理を行なった。Pt粉末の回収率は95%であった。
熱処理後のPt粉末の詳細は以下のとおりである(測定条件は、熱処理前と同じ。)。気体吸引部4による吸引を行なわない実験例5では、不純物ガス濃度は低減されたものの、熱処理後の粒径が大きくなった。また、実験例1に比べてPt粉末の回収率も低下した。このように熱処理前後の粒度分布が変化し、Pt粉末の回収率が低下した理由は、一部の微粉末成分が、加熱炉2内に発生した上昇流に伴って系外へ排出されたためと考えられる。また、熱処理後に粉末の粒径が大きくなったのは、加熱炉2内での滞留時間にバラツキが生じ、長時間滞留した粉末が焼結したためと考えられる。
粒度分布:10%粒子径14μm、50%粒子径30μm、90%粒子径50μm
不純物ガス濃度:O(酸素)<0.05質量%、N(窒素)0.02質量%、Cl(塩素)0.01質量%
[実験例6(比較例:Ag−Pd合金粉末)]
実験例6では、上記実験例3と同じAg−Pd合金粉末を用い、加熱炉2へ供給するAg−Pd合金粉末量が1200g/m3となるように調整してAg−Pd合金粉末を回収したこと以外は、実験例3と同様にして熱処理を行なった。Ag−Pd合金粉末の回収率は98%であった。
熱処理後のAg−Pd合金粉末の詳細は以下のとおりである(測定条件は、熱処理前と同じ。)。加熱炉2に投入したAg−Pd合金粉末量が多い実験例6では、不純物ガス濃度は低減されたものの、熱処理後の粒径が大きくなった。これは、加熱炉2に投入する粉末量が多かったため、加熱炉2内で粉末同士の接触が起こり、焼結したためと考えられる。
粒度分布:10%粒子径3.5μm、50%粒子径10μm、90%粒子径21μm
不純物ガス濃度:O(酸素)0.1質量%
1 供給部
2 加熱炉
2a 気体導入口
2b 下降流
3 冷却部
3a 冷媒
4 気体吸引部
11 経路

Claims (4)

  1. 不純物ガス濃度を低減した貴金属粉末を製造する方法であって、
    加熱炉の上部から下部に向かって気体の下降流が形成されている加熱炉に貴金属を主体とする貴金属粉末を供給し、該貴金属粉末を気体中に分散させた状態で加熱した後、分散させた状態のまま、直ちに水に接触させて冷却することを特徴とする貴金属粉末の製造方法。
  2. 前記加熱炉の下部に設けた気体吸引部によって前記加熱炉内の気体を吸引する請求項に記載の製造方法。
  3. 前記貴金属粉末を、500〜1200℃で加熱する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記貴金属粉末は、白金またはパラジウムを主体とする粉末である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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