JP5344749B2 - アキシャルギャップ型モータ及びそのロータ製造方法 - Google Patents

アキシャルギャップ型モータ及びそのロータ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アキシャルギャップ型モータ及びそのロータ製造方法に関する。
従来、例えば、回転軸周りに回転可能なロータと、回転軸方向の少なくとも一方側からロータに対向配置されたステータとを備え、ロータの永久磁石による界磁磁束に対して、ステータを介した磁束ループを形成するアキシャルギャップ型モータが知られている。
ロータの製造方法としては、テープ状の電磁鋼板を捲回巻きした積層体によりロータコアを構成したものが種々考案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。図18に示すように、特許文献1に記載のアキシャルギャップ型モータでは、テープ状の電磁鋼板を捲回した積層体201によってロータコア202を構成し、このロータコア202に形成された開口203に磁石204が格納されている。これにより、複数のヨーク部がロータコア202によって一体形成される。
特開2006−166635号公報(第2図) 特開2005−168124号公報(第1図) 特開2002−10537号公報(第1図) 特開2006−50706号公報(第2図、第6図、第7図)
ところで、積層体によって構成されるロータコアはその内側でシャフト部、或いはロータフレームを介してシャフト部に取り付けられる。このロータコアとシャフト部、或いはロータフレームとを剛性を確保した上で取り付ける場合には、ヨーク部が分割されたロータ構造に比べ、組み付け構造が複雑になりやすい。また、特許文献1〜3に記載のロータの製造方法には、具体的なシャフト部との取り付けについて記載されていない。また、特許文献4に記載の方法では、シャフト部を2分割して、外周面にネジ部を形成してナットによってロータコアとシャフト部とを固定しており、取り付けが非常に複雑である。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、捲回巻きされた積層体により構成されるヨーク部をロータフレームを介してシャフト部に固定する際、ロータフレームとシャフト部を強固に固定することができるアキシャルギャップ型モータ及びそのロータの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
回転軸周りに回転可能なロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ11)と、
回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ12)と、
前記ロータからの動力を伝達するシャフト部(例えば、後述の実施形態におけるシャフト部90)と、を備えるアキシャルギャップ型モータ(例えば、後述の実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ10)であって、
前記ロータは、
前記回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部(例えば、後述の実施形態における主磁石部41)と、
テープ状の電磁鋼鈑を捲回巻きした積層体(例えば、後述の実施形態における積層体71)により構成され、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部(例えば、後述の実施形態におけるヨーク部42)と、
前記周方向に隣り合う前記主磁石部間にそれぞれ配置されて径方向に延びる複数のリブ(例えば、後述の実施形態におけるリブ31)と、前記複数のリブの内径側に設けられて、前記シャフト部と結合する内筒部(例えば、後述の実施形態における内筒部32)と、が少なくとも一体形成されたダイカスト合金からなるロータフレーム(例えば、後述の実施形態におけるロータフレーム30)と、
を備え、
前記シャフト部は、前記ロータフレームの内筒部に向けて拡径されるフランジ部(例えば、後述の実施形態におけるフランジ部91)を有し、
前記フランジ部の外周部は、円周方向に略等間隔で形成される複数の凹部(例えば、後述の実施形態における凹部92)と、隣り合う前記凹部間にそれぞれ設けられた複数の円弧面(例えば、後述の実施形態における円弧面93)によって略歯車形状を有すると共に、前記フランジ部は、前記回転軸方向中間部に、前記複数の円弧面を部分的に形成するとともに、前記各凹部を仕切る複数の隔壁(例えば、後述の実施形態における隔壁94)を形成する円盤部(例えば、後述の実施形態における円盤部95)を有し、
前記ロータフレームの内筒部は、その内周部に、前記隔壁に対して回転軸方向両側で、前記複数の凹部に嵌まり込む複数の凸部(例えば、後述の実施形態における凸部34)を有し、
前記ロータフレームの内筒部と前記シャフト部との結合面は、凹凸形状を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明の構成に加えて、
記各凹部は、底壁(例えば、後述の実施形態における底壁96)と、互いに周方向に対向する一対の周方向壁(例えば、後述の実施形態における周方向壁97)と、前記隔壁の回転軸方向側面(例えば、後述の実施形態における回転軸方向側面94a)によって画成される一対の凹部を前記回転軸方向両側に有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明の構成に加えて、
前記凹部の底壁は、前記シャフト部の中心と前記一対の周方向壁の外径側縁部(例えば、後述の実施形態における外径側縁部97a)とを結ぶ二つの仮想線と側面視で交差することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明の構成に加えて、
前記各凹部は、前記一対の周方向壁間の円弧距離が径方向内側において径方向外側よりも広い部分を有するあり溝形状であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
回転軸周りに回転可能なロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ11)と、
回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ12)と、
前記ロータからの動力を伝達するシャフト部(例えば、後述の実施形態におけるシャフト部90)と、
を備えるアキシャルギャップ型モータ(例えば、後述の実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ10)であって、
前記ロータは、
前記回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部(例えば、後述の実施形態における主磁石部41)と、
テープ状の電磁鋼鈑を捲回巻きした積層体(例えば、後述の実施形態における積層体71)により構成され、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部(例えば、後述の実施形態におけるヨーク部42)と、
前記周方向に隣り合う前記主磁石部間にそれぞれ配置されて径方向に延びる複数のリブ(例えば、後述の実施形態におけるリブ31)と、前記複数のリブの内径側に設けられて、前記シャフト部と結合する内筒部と、を少なくとも有し、ダイカスト合金からなるロータフレーム(例えば、後述の実施形態におけるロータフレーム30)と、
を備え、
前記ロータフレームの内筒部と前記シャフト部との結合面は、凹凸形状を有し、
前記シャフト部は、前記ロータフレームの内筒部に向けて拡径されるフランジ部(例えば、後述の実施形態におけるフランジ部91)を有し、
前記フランジ部は、回転軸方向に対向する一対の円盤部(例えば、後述の実施形態における円盤部95)を有し、
前記一対の円盤部の各々には、前記回転軸方向に沿って延びる複数のロータフレーム用軸方向穴部(例えば、後述の実施形態におけるロータフレーム用軸方向穴部100)が設けられ、
前記ロータフレームは、該複数のロータフレーム用軸方向穴部に入り込む複数の軸方向凸部(例えば、後述の実施形態における軸方向凸部110)を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明の構成に加えて、
前記フランジ部の外周面には、その回転軸方向中間部に、前記ロータフレーム用軸方向穴部と連通する環状の凹溝(例えば、後述の実施形態における凹溝101)が形成されており、
前記ロータフレームは、前記軸方向凸部と連通し、前記凹溝に入り込む環状凸部(例えば、後述の実施形態における環状凸部111)を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれかに記載の発明の構成に加えて、
前記ロータは、径方向に延びるとともに、外周側の穴径が内周側のものに比べて大きいロータフレーム用取付穴部(例えば、後述の実施形態におけるロータフレーム用取付穴部51)が形成されるアウターリング(例えば、後述の実施形態におけるアウターリング50)をさらに備え、
前記ロータフレームは、前記複数のリブの外径側に設けられる外筒部(例えば、後述の実施形態における外筒部33)と、該外筒部の外周面から突出して、前記アウターリングのロータフレーム用取付穴部に入り込む外向き凸部(例えば、後述の実施形態における外向き凸部35)を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、
回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部と、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部と、
前記周方向に隣り合う前記主磁石部間にそれぞれ配置されて径方向に延びる複数のリブと、前記複数のリブの内径側に設けられる内筒部と、が少なくとも一体形成されたダイカスト合金からなるロータフレームと、を備え、回転軸周りに回転可能なロータと、
回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータと、
前記ロータフレームの内筒部と結合され、前記ロータからの動力を伝達するシャフト部と、
を備え
前記シャフト部は、前記ロータフレームの内筒部に向けて拡径されるフランジ部を有し、
前記フランジ部の外周部は、円周方向に略等間隔で形成される複数の凹部と、隣り合う前記凹部間にそれぞれ設けられた複数の円弧面によって略歯車形状を有すると共に、前記フランジ部は、前記回転軸方向中間部に、前記複数の円弧面を部分的に形成するとともに、前記各凹部を仕切る複数の隔壁を形成する円盤部を有し、
前記ロータフレームの内筒部は、その内周部に、前記隔壁に対して回転軸方向両側で、前記複数の凹部に嵌まり込む複数の凸部を有するアキシャルギャップ型モータのロータ製造方法であって、
テープ状の電磁鋼鈑を捲回して、前記複数のヨーク部を構成する積層体を形成する工程と、
金型(例えば、本実施形態の第1及び第2の金型80,81)に前記積層体及び外周面に凹凸形状を有する前記シャフト部を位置決めした状態でダイカスト合金を鋳込むことで、前記シャフト部が結合される前記内筒部の結合面が凹凸形状を有する前記ロータフレームを形成する工程と、
を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明に加えて、
前記ロータは、径方向に延びるとともに、外周側の穴径が内周側のものに比べて大きいロータフレーム用取付穴部が形成されるアウターリングをさらに備え、
前記フレーム形成工程において、前記ロータフレームは、前記金型に前記アウターリングをさらに位置決めした状態で、前記アウターリングのロータフレーム用取付穴部に前記ダイカスト合金が入り込むようにして鋳込まれることを特徴とする。
請求項1及びの発明によれば、ロータフレームがダイカスト合金で鋳込みにより製造され、ロータフレームの内筒部とシャフト部との結合面が凹凸形状を有するので、捲回巻きされた積層体により構成されるヨーク部をロータフレームを介してシャフト部に固定する際、ロータフレームとシャフト部を強固に固定することができる。また、内筒部の肉厚を小さくすることができ、鋳巣(ひけ巣、巻き込み巣)の発生を低減することができる。また、鋳込みによりフランジ部の複数の凹部にロータフレームの複数の凸部が嵌り込むため、円周方向のガタやズレを抑制することができ、さらに、略歯車形状によって回転に影響を与えない均等な結合面を設定でき、また、隔壁によって回転軸方向のガタやズレも抑制することができる。
請求項の発明によれば、隔壁と回転軸方向両側の一対の凹部によって、回転軸方向のガタやズレも抑制することができる。
請求項及びの発明によれば、底壁を大きくすることで、鋳込みにより形成されるロータフレームの凸部が径方向に変形するのを抑制することができ、遠心力によるガタを抑制することができる。
請求項5の発明によれば、ロータフレームがダイカスト合金で鋳込みにより製造され、ロータフレームの内筒部とシャフト部との結合面が凹凸形状を有するので、捲回巻きされた積層体により構成されるヨーク部をロータフレームを介してシャフト部に固定する際、ロータフレームとシャフト部を強固に固定することができる。また、内筒部の肉厚を小さくすることができ、鋳巣(ひけ巣、巻き込み巣)の発生を低減することができる。さらに、フランジ部のロータフレーム用軸方向穴部に、ロータフレームの軸方向凸部が鋳込みにより入り込むので、円周方向及び径方向のガタやズレを抑制することができる。また、一対の円盤部によって回転軸方向のガタやズレも抑制することができる。
請求項の発明によれば、フランジ部の環状の凹溝に、ロータフレームの環状凸部が鋳込みにより入り込むので、回転軸方向のガタやズレも抑制することができる。
請求項及びの発明によれば、アウターリングを圧入することなく鋳込みにより一体化することができ、また、温度変化による径方向への相対変位を抑制することで、高速回転時の遠心力によってヨーク部や主磁石部が抜けでることを防止することができる。
本発明に係るアキシャルギャップ型モータの全体斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップ型モータ分解斜視図である。 図2のロータの分解斜視図である。 図2のロータのヨーク部、主磁石部、及び副磁石部を示す分解斜視図である。 テープ状の電磁鋼板を示す平面図である。 積層体が捲回巻きされる状態を示す図である。 主磁石部及び副磁石部が積層体に挿入された状態を示す要部拡大斜視図である。 (a)は、ロータ及びシャフト部の部分側面図であり、(b)は、シャフト部の要部拡大斜視図である。 図3のIX−IX線に沿った、アウターリングの部分断面図である。 図2のX−X線に沿った、ロータの縦断面図である。 ロータの鋳込み状態を示す断面図である。 第1実施形態の変形例に係るロータ及びシャフト部の部分側面図である。 第1実施形態の他の変形例に係るロータ及びシャフト部の部分側面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの斜視図であり、(b)は、その部分側面図である。 図14のシャフト部を示す斜視図である。 (a)は、本発明の第3実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの斜視図であり、(b)は、その部分側面図である。 図16のシャフト部を示す斜視図である。 従来のロータを示す分解斜視図である。
以下、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの各実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10は、例えば図1に示すように、このアキシャルギャップ型モータ10の回転軸O周りに回転可能に設けられた略円環状のロータ11と、回転軸O方向の両側からロータ11を挟みこむようにして対向配置され、ロータ11を回転させる回転磁界を発生する複数相の各固定子巻線を有する1対のステータ12と、ロータ11に結合され、ロータ11からの動力を伝達するシャフト部90と、を備えて構成されている。
このアキシャルギャップ型モータ10は、例えばハイブリッド車両や電動車両等の車両に駆動源として搭載され、出力軸がトランスミッション(図示略)の入力軸に接続されることで、アキシャルギャップ型モータ10の駆動力がトランスミッションを介して車両の駆動輪(図示略)に伝達されるようになっている。
また、車両の減速時に駆動輪側からアキシャルギャップ型モータ10に駆動力が伝達されると、アキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、例えばハイブリッド車両においては、アキシャルギャップ型モータ10の回転軸が内燃機関(図示略)のクランクシャフトに連結されると、内燃機関の出力がアキシャルギャップ型モータ10に伝達された場合にもアキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
各ステータ12は、略円環板状のステータヨーク部21と、ロータ11に対向するステータヨーク部21の対向面上で周方向に所定間隔をおいた位置から回転軸O方向に沿ってロータ11に向かい突出すると共に径方向に伸びる複数のティース22,…,22と、適宜のティース22,22間に装着される固定子巻線(図示略)とを備えて構成されている。
各ステータ12は、例えば主極が6個(例えば、U+,V+,W+,U−,V−,W)とされた6N型であって、一方のステータ12の各U+,V+,W+極に対して、他方のステータ12の各U−,V−,W−極が回転軸O方向で対向するように設定されている。例えば回転軸O方向で対向する1対のステータ12,12に対し、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の一方に対応する一方のステータ12の3個のティース22,22,22と、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の他方に対応する他方のステータ12の3個のティース22,22,22とが、回転軸O方向で対向するように設定され、回転軸O方向で対向する一方のステータ12のティース22と、他方のステータ12のティース22とに対する通電状態が電気角で反転状態となるように設定されている。
ロータ11は、図3及び図4に示すように、複数の主磁石部41,…,41と、複数の副磁石部43,…,43と、複数のヨーク部42,…,42と、非磁性部材からなるロータフレーム30と、アウターリング50と、を備えて構成される。
複数のヨーク部42,…,42は、図5及び図6に示すように、テープ状の電磁鋼板60を捲回巻きした積層体71により構成される。テープ状の電磁鋼板60には、例えば、プレス成型機を用いて打ち抜き加工を施すことで、主磁石部用切欠き61、副磁石部用切欠き62、リブ用切欠き63が形成されている。このテープ状の電磁鋼板60は、図6に示すように、巻き始め部64が巻芯70上に仮止めされ、巻芯70が回転することで捲回され、巻き終わり部65でカットして溶接することで積層体71を構成する。
また、テープ状の電磁鋼板60は、巻芯70上で捲回されるので、最内径側から一層目、二層目、三層目、・・・と長手方向長さが長くなる。このため、図5において、リブ用切欠き63の中心間距離をピッチPとすると、各層のピッチPは径方向外方に向かって次第に大きくなるように設定されている。
このように捲回巻きされた積層体71において、図7に示すように、回転軸方向中間部では、主磁石部用切欠き61によって形成される略扇形形状の複数の主磁石部挿入穴72,…,72と、リブ用切欠き63によって形成される略直方体形状の複数のリブ収容穴73,…,73とがそれぞれ周方向に所定の間隔で交互に設けられ、また、回転軸方向両側では、略扇形形状の複数のヨーク部42,…,42と、副磁石部用切欠き62によって形成される軸方向外側に開口した略直方体形状の複数の副磁石部収容部74,…,74とがそれぞれ周方向に所定の間隔で交互に設けられる。
また、複数のヨーク部42,…,42は、複数の主磁石部挿入穴72,…,72の回転軸方向両側にそれぞれ配置され、複数の副磁石部収容部74,…,74は、複数のリブ収容穴73,…,73の回転軸方向両側にそれぞれ配置される。主磁石部挿入穴72とリブ収容穴73とは、軸方向両側のヨーク部42同士を連結する軸方向連結部75によって仕切られており、また、副磁石部収容部74とリブ収容穴73とは、周方向両側のヨーク部42同士を連結する周方向連結部76によって仕切られている。
このように構成された積層体71の各主磁石部挿入穴72,…,72には、該挿入穴72,…,72と略同一寸法を有する略扇形形状の複数の主磁石部41,…,41が挿入され、各副磁石部収容部74,…,74には、該収容部74,…,74と略同一寸法を有する略直方体状の複数の副磁石部43,…,43が挿入される。
なお、主磁石部挿入穴72は、その回転軸方向の長さを、後述するダイカスト合金が挟まらないように、主磁石部42のものと略同一に設定し、また、その周方向の長さを、主磁石部41の周方向側面がダイカスト合金で覆われるように、主磁石部42のものより若干大きくなるように設定されることが好ましい。
また、副磁石部収容部74は、隣接するヨーク部42間の周方向連結部76と、ヨーク部42の周方向端部に形成された傾斜面77の先端部に形成される突起部78とで、副磁石部43を軸方向に位置決めし、且つ、隣接するヨーク部42の周方向側面間で周方向に位置決めする。
これにより、複数の主磁石部41,…,41は、周方向に所定の間隔で配置され、且つ、その磁化方向は、周方向で隣り合う主磁石部41,41毎に異なるように回転軸方向に向けられている。また、複数の副磁石部43,…,43は、周方向に隣り合うヨーク部42間に配置され、その磁化方向が回転軸方向および径方向に直交する方向に向けられている。周方向で隣り合う副磁石部43,43は、磁化方向が互いに異なっており、また、回転軸方向に隣り合う副磁石部43,43も、磁化方向が互いに異なっている。
さらに、各主磁石部41に対して、回転軸方向の一方側に位置するヨーク部42を周方向両側から挟み込む副磁石部43,43同士は、該主磁石部41の一方側の磁極と同極の磁極を対向させて配置され、回転軸方向の他方側に位置するヨーク部42を周方向両側から挟み込む副磁石部43,43同士は、該主磁石部41の他方側の磁極と同極の磁極を対向させて配置される。これにより、所謂永久磁石の略ハルバッハ配置による磁束レンズ効果により、主磁石部41および各副磁石部43,43の各磁束が収束し、各ステータ12,12に鎖交する有効磁束が相対的に増大するようになっている。
また、各ヨーク部42,…,42には、その周方向端部に傾斜面77が形成されているので、極弧角が調整され、ステータ12,12間での磁気抵抗の急激な変化を抑制し、トルクリップルの発生を抑制できる。
ロータフレーム30は、積層体61のリブ収容穴73,…,73内を径方向に延び、周方向に隣り合う主磁石部41間にそれぞれ配置される複数のリブ31,…,31と、複数のリブ31,…,31の内径側及び外径側にそれぞれ設けられ、これらリブ31,…,31によって接続される内筒部32及び外筒部33と、を有する。
内筒部32の内周部には、外部の駆動軸(例えば、車両のトランスミッションの入力軸等)に接続される炭素鋼などからなるシャフト部90が、ロータフレーム30の内周部32に向けて拡径されたフランジ部91にて結合されている。
図3及び図8に示すように、ロータフレーム30の内筒部32とシャフト部90のフランジ部91との結合面は、凹凸形状を有する。
即ち、フランジ部91の外周部は、円周方向に略等間隔で形成される複数の凹部92と、隣り合う凹部92間にそれぞれ設けられた複数の円弧面93によって略歯車形状を有する。また、フランジ部91は、回転軸方向中間部に、複数の円弧面93を部分的に形成するとともに、各凹部92を仕切る複数の隔壁94を形成する円盤部95を有する。これにより、複数の凹部92は、各隔壁94の回転軸方向両側に一対で設けられ、底壁96と、互いに周方向に対向する一対の周方向壁97と、隔壁94の回転軸方向側面94aによって画成される。
また、ロータフレーム30の内筒部32は、所定の肉厚を持った環状部分を有するとともに、回転軸方向両側で、円周方向に略等間隔で、環状部分の内周部に形成される複数の凸部34が、鋳込みにより複数の凹部92に嵌まり込む。
また、外筒部33の外周部には、例えば、ステンレス鋼板などの非磁性材から形成される環状のアウターリング50が一体的に接続固定されており、高速回転する際の遠心力によってヨーク部42が径方向外方に広がるのを抑えている。アウターリング50には、径方向に貫通する複数のロータフレーム用取付穴部51が形成されている。このロータフレーム用取付穴部51の外周面寄りには、図9に示すように、外周側に向けて拡径するテーパ部51aが形成されており、外周側の穴径が内周側のものに比べて大きい。そして、図10に示すように、これらロータフレーム用取付穴部51には、ロータフレーム30の外周部33の外周面に鋳込みにより形成された複数の外向き凸部35が入り込んでいる。
なお、本実施形態では、シャフト部90の凹部92やアウターリング50のロータフレーム用取付穴部51は、ロータフレーム30のリブ31と同位相となるように、リブ31の数と同数設けられている。
上記のように構成されるロータフレーム30は、図11に示すように、主磁石部41,…,41と副磁石部43,…,43とが挿入された積層体71、シャフト部90、及び、アウターリング50を第1及び第2の金型80,81内に収容し、アルミニウム合金等の非磁性のダイカスト合金を用いて鋳込みによって形成される。
第1及び第2の金型80,81は、回転軸方向に二分割され、それぞれシャフト部90の軸方向側面、ヨーク部42と副磁石部43の軸方向側面、アウターリング50の軸方向側面にそれぞれ対応する各側面80a,81a,80b,81b,80c,81cを有する。
これら金型80,81のヨーク部42と副磁石部43の軸方向側面に対応する各側面80b,81bの外径側には、段差部82,83が設けられており、主磁石部41,…,41と副磁石部43,…,43とが挿入された積層体71を、径方向に位置決めする。また、積層体71は、鋳込み時にシャフト部90の凹部92と、アウターリング50のロータフレーム用取付穴部51に湯流れが良くなるように、巻き始め部64と巻き終わり部65を用いて、周方向に位置決めされる。
また、シャフト部90は、凹部92がリブ31と同位相で配置されるように周方向に位置決めされる。このため、金型80,81には、シャフト部90に設けられた図示しない位相合わせ部分と当接する部分が設けられている。
そして、主磁石部41,…,41、副磁石部43,…,43、積層体71、シャフト部90、及び、アウターリング50が位置決めして収容された状態で、第1及び第2の金型80,81を閉じ、これら金型80,81間に形成された空間内に第2の金型81に設けられた湯口84からダイカスト合金を流し込む。湯口84は、ロータフレーム30の内筒部32に対応する径方向位置に開口するように設けられている。このため、湯口84から流し込まれたダイカスト合金は、内筒部32を構成する空間に入り込んだ後、積層体71に形成されたリブ収容穴73を通過して、外筒部33を構成する空間に流れ込む。さらに、ダイカスト合金は、シャフト部90の凹部92と、アウターリング50のロータフレーム用取付穴部51とにも流れ込む。これにより、リブ31、内筒部32、外筒部33、凸部34、外向き凸部35を有するロータフレーム30が鋳込みにより形成される。
特に、シャフト部90のフランジ部91に形成された複数の凹部92に流れ込んだダイカスト合金は、内筒部32から内側に延出する複数の凸部34を形成するので、互いの結合面が凹凸形状となる。このため、円周方向のガタやズレが抑制されて、ロータフレーム30とシャフト部90を強固に固定することができる。
また、アウターリング50のロータフレーム用取付穴部51に流れ込んだダイカスト合金は、この取付穴部51に形成されたテーパ部51aによって、このテーパ部51aの形状に沿った外径側が大径の外向き凸部35を形成するので、高速回転時の遠心力によるアウターリング50の変形を抑制することができる。
なお、主磁石部41,…,41、副磁石部43,…,43を積層体71に挿入した状態で鋳込む場合のダイカスト合金は、鋳込み温度が各磁石部41,…,41,43,…,43の保磁力を劣化させない温度である材料を選定する必要があり、上述したアルミニウム合金が挙げられる。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10及びそのロータの製造方法によれば、ロータ11は、回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部41,…,41と、複数の主磁石部41,…,41の回転軸方向両側にそれぞれ配置される複数のヨーク部42,…,42と、周方向に隣り合う主磁石部41,…,41間にそれぞれ配置されて径方向に延びる複数のリブ31,…,31と、複数のリブ31,…,31の内径側及び外径側に設けられる内筒部32及び外筒部33と、を有するロータフレーム30と、を備える。そして、ロータフレーム30がダイカスト合金で鋳込みにより製造され、ロータフレーム30の内筒部32とシャフト部90との結合面が凹凸形状を有する。これにより、シャフト部90へのロータフレーム30の組み付け作業を容易に行うことができる。また、捲回巻きされた積層体71により構成されるヨーク部42,…,42をロータフレーム30を介してシャフト部90に固定する際、ロータフレーム30とシャフト部90を強固に固定することができ、高速回転時における円周方向のガタやズレが抑制される。
また、シャフト部90は、ロータフレーム30の内筒部32に向けて拡径されるフランジ部91を有するので、内筒部の肉厚を小さくすることができ、鋳巣(ひけ巣、巻き込み巣)の発生を低減することができる。
また、本実施形態では、フランジ部91の外周部は、円周方向に略等間隔で形成される複数の凹部92を備え、鋳込みにより形成されるロータフレーム30の内筒部32は、その内周部に、複数の凹部92に嵌まり込む複数の凸部34を有することで、円周方向のガタやズレを抑制することができる。
さらに、フランジ部91の外周部は、複数の凹部92と、隣り合う凹部92間にそれぞれ設けられた複数の円弧面93によって略歯車形状を有し、フランジ部91は、回転軸方向中間部に、複数の円弧面93を部分的に形成するとともに、各凹部92を仕切る複数の隔壁94を形成する円盤部95を有する。このため、略歯車形状によって回転に影響を与えない均等な結合面を設定でき、また、隔壁94によってステータ12からの磁気吸引力等による回転軸方向のガタやズレも抑制することができる。
また、各凹部92には、回転軸方向中間部に隔壁94が設けられており、各凹部92は、底壁96と、互いに周方向に対向する一対の周方向壁97と、隔壁94の回転軸方向側面94aによって画成される一対の凹部92を回転軸方向両側に有する。このため、隔壁94と回転軸方向両側の一対の凹部92によって、ステータ12からの磁気吸引力等による回転軸方向のガタやズレも抑制することができる。
また、ロータ11は、径方向に延びるとともに、外周側の穴径が内周側のものに比べて大きいロータフレーム用取付穴部51が形成されるアウターリング50をさらに備え、ロータフレーム30は、複数のリブ31の外径側に設けられる外筒部33と、外筒部33の外周面から突出して、アウターリング50のロータフレーム用取付穴部51に入り込む外向き凸部35を有する。このため、アウターリングを圧入することなく鋳込みにより一体化することができ、アウターリング50のロータフレーム30への圧入作業が不要となり、製造工程が簡潔となる。また、温度変化による径方向への相対変位を抑制することで、高速回転時の遠心力によってヨーク部42や主磁石部41が抜けでることを防止することができる。
なお、本実施形態では、シャフト部90の外周部の形状は、円盤部95を設ける代わりに、図12に示すように、凹部92間部分の外面及び隔壁94の外面が平面状に形成された多角形の平板部としてもよい。
また、凹部92の形状は、図13に示すように、底壁96が、シャフト部90の中心Oと一対の周方向壁97の外径側縁部97aとを結ぶ二つの仮想線Lと側面視で交差するように大きくしてもよい。この場合、鋳込みにより形成されるロータフレーム30の凸部34が径方向に変形するのをさらに抑制することができ、遠心力によるガタを抑制することができる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について、図14及び図15を参照して説明する。なお、図中、第1実施形態と同一の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態のアキシャルギャップ型モータでは、図14及び図15に示すように、シャフト部90に形成された各凹部92が、一対の周方向壁97間の円弧距離が径方向内側において径方向外側よりも広い部分を有し、底壁96と周方向壁97が曲面によって連続するあり溝形状に形成されている。このため、ロータフレーム30の内周部32には、このあり溝形状に形成された凹部92に対応する凸部34が鋳込みにより形成され、第1実施形態と同様、ロータフレーム30の内筒部32とシャフト部90との結合面が凹凸形状を有する。
従って、第1実施形態と同様、捲回巻きされた積層体71により構成されるヨーク部42,…,42をロータフレーム30を介してシャフト部90に固定する際、ロータフレーム30とシャフト部90を強固に固定することができる。また、高速回転時における円周方向のガタやズレだけでなく、遠心力による径方向のガタやズレを抑制することができる。また、シャフト部90の隔壁94を軸方向両側から挟むように一対の凸部34が形成されているので、回転軸方向のガタやズレも抑制することができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態について、図16及び図17を参照して説明する。なお、図中、第1実施形態と同一の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態のアキシャルギャップ型モータでは、図16及び図17に示すように、シャフト部90のフランジ部91は、その外周面寄りの位置に、回転軸方向に沿って延びる複数のロータフレーム用軸方向穴部100を形成し、外周面の回転軸方向中間部に、これらロータフレーム用軸方向穴部100と連通する環状の凹溝101を形成する。
このため、ロータフレーム30の内周部32には、ロータフレーム用軸方向穴部100に入り込む軸方向凸部110と、軸方向凸部110と連通し、凹溝101に入り込む環状凸部111とが鋳込みにより形成され、第1実施形態と同様、ロータフレーム30の内筒部32とシャフト部90との結合面が凹凸形状を有する。
従って、シャフト部91の外周部に複数の凹部92を設けた第1実施形態と同様、捲回巻きされた積層体71により構成されるヨーク部42,…,42をロータフレーム30を介してシャフト部90に固定する際、ロータフレーム30とシャフト部90を強固に固定することができる。特に、フランジ部91のロータフレーム用軸方向穴部100に、ロータフレーム30の軸方向凸部110が鋳込みにより入り込むことで、円周方向及び径方向のガタやズレを抑制することができる。また、フランジ部91の環状の凹溝101に、ロータフレーム30の環状凸部111が鋳込みにより入り込むので、回転軸方向のガタやズレも抑制することができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、回転軸O方向の何れか一方側にのみステータ12を備え、ステータ12と対向しない他方側においてはバックヨークを配置してもよい。
また、本発明のロータフレームは、鋳込みにより複数のリブ31と内周部32とを少なくとも有する構成であればよい。例えば、積層体71によってリブ31の外周側を密閉することで外周部を有しない構造としてもよく、その場合、ロータフレーム30を形成した後に主磁石部41及び副磁石部43を挿入し、アウターリング50を外嵌するようにしてもよい。
10 アキシャルギャップ型モータ
11 ロータ
12 ステータ
30 ロータフレーム
31 リブ
34 凸部
35 外向き凸部
41 主磁石部
42 ヨーク部
43 副磁石部
50 アウターリング
51 ロータフレーム用取付穴部
71 積層体
72 主磁石部挿入穴
73 リブ収容穴
74 副磁石部収容部
80 第1の金型
81 第2の金型
90 シャフト部
91 フランジ部
92 凹部
100 ロータフレーム用軸方向穴部
101 凹溝
110 軸方向凸部110
111 環状凸部111
O 回転軸

Claims (9)

  1. 回転軸周りに回転可能なロータと、
    回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータと、
    前記ロータからの動力を伝達するシャフト部と、
    を備えるアキシャルギャップ型モータであって、
    前記ロータは、
    前記回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部と、
    テープ状の電磁鋼鈑を捲回巻きした積層体により構成され、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部と、
    前記周方向に隣り合う前記主磁石部間にそれぞれ配置されて径方向に延びる複数のリブと、前記複数のリブの内径側に設けられて、前記シャフト部と結合する内筒部と、が少なくとも一体形成されたダイカスト合金からなるロータフレームと、
    を備え、
    前記シャフト部は、前記ロータフレームの内筒部に向けて拡径されるフランジ部を有し、
    前記フランジ部の外周部は、円周方向に略等間隔で形成される複数の凹部と、隣り合う前記凹部間にそれぞれ設けられた複数の円弧面によって略歯車形状を有すると共に、前記フランジ部は、前記回転軸方向中間部に、前記複数の円弧面を部分的に形成するとともに、前記各凹部を仕切る複数の隔壁を形成する円盤部を有し、
    前記ロータフレームの内筒部は、その内周部に、前記隔壁に対して回転軸方向両側で、前記複数の凹部に嵌まり込む複数の凸部を有し、
    前記ロータフレームの内筒部と前記シャフト部との結合面は、凹凸形状を有することを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  2. 記各凹部は、底壁と、互いに周方向に対向する一対の周方向壁と、前記隔壁の回転軸方向側面によって画成される一対の凹部を前記回転軸方向両側に有することを特徴とする請求項に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  3. 前記凹部の底壁は、前記シャフト部の中心と前記一対の周方向壁の外径側縁部とを結ぶ二つの仮想線と側面視で交差することを特徴とする請求項に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  4. 前記各凹部は、前記一対の周方向壁間の円弧距離が径方向内側において径方向外側よりも広い部分を有するあり溝形状であることを特徴とする請求項に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  5. 回転軸周りに回転可能なロータと、
    回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータと、
    前記ロータからの動力を伝達するシャフト部と、
    を備えるアキシャルギャップ型モータであって、
    前記ロータは、
    前記回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部と、
    テープ状の電磁鋼鈑を捲回巻きした積層体により構成され、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部と、
    前記周方向に隣り合う前記主磁石部間にそれぞれ配置されて径方向に延びる複数のリブと、前記複数のリブの内径側に設けられて、前記シャフト部と結合する内筒部と、を少なくとも有し、ダイカスト合金からなるロータフレームと、
    を備え、
    前記ロータフレームの内筒部と前記シャフト部との結合面は、凹凸形状を有し、
    前記シャフト部は、前記ロータフレームの内筒部に向けて拡径されるフランジ部を有し、
    前記フランジ部は、回転軸方向に対向する一対の円盤部を有し、
    前記一対の円盤部の各々には、前記回転軸方向に沿って延びる複数のロータフレーム用軸方向穴部が設けられ、
    前記ロータフレームは、該複数のロータフレーム用軸方向穴部に入り込む複数の軸方向凸部を有することを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  6. 前記フランジ部の外周面には、その回転軸方向中間部に、前記ロータフレーム用軸方向穴部と連通する環状の凹溝が形成されており、
    前記ロータフレームは、前記軸方向凸部と連通し、前記凹溝に入り込む環状凸部を有することを特徴とする請求に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  7. 前記ロータは、径方向に延びるとともに、外周側の穴径が内周側のものに比べて大きいロータフレーム用取付穴部が形成されるアウターリングをさらに備え、
    前記ロータフレームは、前記複数のリブの外径側に設けられる外筒部と、該外筒部の外周面から突出して、前記アウターリングのロータフレーム用取付穴部に入り込む外向き凸部を有することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のアキシャルギャップ型モータ。
  8. 回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部と、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部と、
    前記周方向に隣り合う前記主磁石部間にそれぞれ配置されて径方向に延びる複数のリブと、前記複数のリブの内径側に設けられる内筒部と、が少なくとも一体形成されたダイカスト合金からなるロータフレームと、を備え、回転軸周りに回転可能なロータと、
    回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータと、
    前記ロータフレームの内筒部と結合され、前記ロータからの動力を伝達するシャフト部と、
    を備え
    前記シャフト部は、前記ロータフレームの内筒部に向けて拡径されるフランジ部を有し、
    前記フランジ部の外周部は、円周方向に略等間隔で形成される複数の凹部と、隣り合う前記凹部間にそれぞれ設けられた複数の円弧面によって略歯車形状を有すると共に、前記フランジ部は、前記回転軸方向中間部に、前記複数の円弧面を部分的に形成するとともに、前記各凹部を仕切る複数の隔壁を形成する円盤部を有し、
    前記ロータフレームの内筒部は、その内周部に、前記隔壁に対して回転軸方向両側で、前記複数の凹部に嵌まり込む複数の凸部を有するアキシャルギャップ型モータのロータ製造方法であって、
    テープ状の電磁鋼鈑を捲回して、前記複数のヨーク部を構成する積層体を形成する工程と、
    金型に前記積層体及び外周面に凹凸形状を有する前記シャフト部を位置決めした状態でダイカスト合金を鋳込むことで、前記シャフト部が結合される前記内筒部の結合面が凹凸形状を有する前記ロータフレームを形成する工程と、
    を有することを特徴とするアキシャルギャップ型モータのロータ製造方法。
  9. 前記ロータは、径方向に延びるとともに、外周側の穴径が内周側のものに比べて大きいロータフレーム用取付穴部が形成されるアウターリングをさらに備え、
    前記フレーム形成工程において、前記ロータフレームは、前記金型に前記アウターリングをさらに位置決めした状態で、前記アウターリングのロータフレーム用取付穴部に前記ダイカスト合金が入り込むようにして鋳込まれることを特徴とする請求項に記載のアキシャルギャップ型モータのロータ製造方法。
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