JP5344236B2 - リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池の製造方法に関する。
近年、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。かかるリチウム二次電池は、正極と負極との間にセパレータを介在させた状態で構成される電極体を備えており、該正負極間におけるリチウム(Li)イオンの移動によって充放電が行われる。
この種のリチウム二次電池においては、Liイオンを可逆的に吸蔵・放出し得る正極活物質が正極集電体上に保持された構成の正極を備えている。かかる正極に用いられる正極活物質の例としては、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムマンガン酸化物(LiMnO)等の、リチウムと遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物(リチウム遷移金属酸化物)を主成分とする正極活物質が挙げられる(特許文献1,2等)。また、それらの酸化物を構成する金属元素同士が互いに溶け合った固溶体も多く検討されている。例えば、リチウムマンガン酸化物についても、LiMnOに他の金属元素(Ni、Co等)を所定比率で固溶させたマンガン含有固溶体(例えばLi1.2Mn0.5Co0.15Ni0.15)が検討されている。
特開2003−22804号公報 国際公開第2003/044881号パンフレット
ところで、このようなリチウム二次電池は、該電池を組み立てた後で、電池を活性化させる等の目的からコンディショニング処理が行われる。コンディショニング処理は、通常、充放電を繰り返すことにより行われる。例えば、室温下において、一定の電流で所定の電圧(通常は4.3V程度)まで充電し、次いで、一定の電流で所定の電圧まで放電することにより行われる。この充放電を何度か繰り返すことにより、電池を実使用可能な状態にすることができる。
本発明者は、LiMnOに他の金属元素(Ni、Co等)を固溶させたマンガン含有固溶体を正極活物質に用いたリチウム二次電池において、上記コンディショニング時の最初の充電(すなわち、正極、負極、電解液等の電池構成要素を組み立てた後に初めて行う充電。以下、「初期充電」という。)を、通常の電圧よりも高い4.5V以上の高電圧条件で行うことにつき検討している。初期充電を高電圧で行うと、正極活物質中のリチウムをより多く取り出すことができ、次回からの充放電に利用できるリチウム量を増大できると考えたためである。しかし、そのような高電圧条件で初期充電を行うと、Liイオンの放出に伴って正極活物質の結晶が崩れ、結晶内から酸素が遊離する場合があった。この酸素が電解液に溶解して負極まで到達すると、負極表面上にLiO等の結晶が析出する。析出した結晶は、それ以降の負極反応を阻害するため、負荷特性(例えば大電流放電時でも高い容量を保つ特性)等の大幅な低下が生じてしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電池性能(特に上記負荷特性)が良好なリチウム二次電池の製造方法を提供することである。
本発明により提供される方法は、正極と負極と非水電解液とを備えるリチウム二次電池を製造する方法である。上記正極は、正極活物質として、LiMnOを固溶したマンガン含有固溶体であって一般式Li[Mn(1−y)]O(ここで、MはLi及びMn以外の少なくとも一種の金属元素、1<x<2、0≦y<1、1.5<z<3)で表わされるリチウムマンガン酸化物を備えている。この製造方法は、正極と負極と非水電解液とを備えるリチウム二次電池を組み立てる工程と、上記組み立てたリチウム二次電池に対して初期充電を行う工程を包含する。そして、上記初期充電を、40℃〜70℃の温度下において、かつ、正極の電位が4.5V以上になるまで行うことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、初期充電を常温よりも40℃〜70℃の温度下において行うので、電解液の液温が常温よりも高く(典型的には液温が上記初期充電温度と同程度に)なり、電解液に対する酸素ガスの溶解度が減少する。そのため、初期充電時に正極活物質から遊離した酸素が電解液に溶けずに電解液の外部に放出され易くなり、遊離酸素の負極側への移動(遊離酸素が電解液に溶解して負極まで到達すること)を抑制することができる。このことによって、負極表面上へのLiO等の析出を回避し得、LiO等の析出による電池性能(特に負荷特性)の低下を抑制することができる。
初期充電時の温度は、概ね40℃〜70℃の範囲内であればよい。この範囲よりも高すぎると、電解液が熱分解したり溶媒の蒸発によるドライアップが生じたりしやすくなるため、電池性能の劣化が進行する場合がある。また、この範囲よりも低すぎると、酸素の電解液への溶解を抑制する効果が十分に得られないことがある。したがって、初期充電時の温度は、概ね40℃〜70℃程度(好ましくは50℃〜60℃の範囲内)に調整するとよい。
また、本発明は、ここに開示される方法により製造されたリチウム二次電池を提供する。このリチウム二次電池は、ここに開示される初期充電工程を経て製造されているため、初期充電を行った後でも電池性能(特に負荷特性)が良好となる。
このようなリチウム二次電池は、上記のとおり良好な電池性能を示すことから、例えば自動車等の車両に搭載される電池として好適である。したがって本発明によると、ここに開示されるいずれかのリチウム二次電池(複数の電池が接続された組電池の形態であり得る。)を備える車両が提供される。特に、良好な負荷特性が得られることから、該リチウムイオン二次電池を動力源(典型的には、ハイブリッド車両または電気車両の動力源)として備える車両(例えば自動車)が提供される。
本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る捲回電極体の構成を示す模式図である。 初期充電時の温度に対する放電容量比の変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池を備える車両の側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、セパレータや電解質の構成および製法、リチウム二次電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
特に限定することを意図したものではないが、以下では扁平に捲回された電極体(捲回電極体)と非水電解液とを扁平な箱型(直方体形状)の電池ケースに収容した形態のリチウムイオン二次電池を例として本発明を詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の概略構成を図1〜2に示す。このリチウム二次電池100は、長尺状の正極シート10と長尺状の負極シート20が長尺状のセパレータ40を介して扁平に捲回された形態の電極体(捲回電極体)80が、図示しない非水電解液とともに、該捲回電極体80を収容し得る形状(扁平な箱型)の電池ケース50に収容された構成を有する。
電池ケース50は、上端が開放された扁平な直方体状のケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。電池ケース50を構成する材質としては、アルミニウム、スチール等の金属材料が好ましく用いられる(本実施形態ではアルミニウム)。あるいは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料を成形してなる電池ケース50であってもよい。電池ケース50の上面(すなわち蓋体54)には、捲回電極体80の正極と電気的に接続する正極端子70と、電極体80の負極20と電気的に接続する負極端子72とが設けられている。電池ケース50の内部には、扁平形状の捲回電極体80が図示しない非水電解液とともに収容される。
捲回電極体80を構成する構成要素は、従来のリチウムイオン二次電池の捲回電極体と同様でよく、特に制限はない。
正極シート10は、図2に示すように、長尺状の正極集電体12の上にリチウム二次電池用正極活物質を主成分とする正極合材層14が付与されて形成されている。正極集電体12にはアルミニウム箔その他の正極に適する金属箔が好適に使用される。
正極活物質としては、LiMnOに他の金属元素を固溶させたマンガン含有固溶体(以下、「リチウムマンガン酸化物」という。)が好ましく用いられる。リチウムマンガン酸化物は、一般式Li[Mn(1−y)]Oで表わされる。ここで式中のMは、Li及びMn以外の少なくとも一種の金属元素からなり、例えば、Co,Ni,Fe,Ti,Mo,W,Cr,ZrおよびSnからなる群から選択される一種または二種以上の元素を含んでいる。また、式中のxの値は1<x<2であり、yの値は0≦y<1であり、zの値は1.5<z<3である。このようなリチウムマンガン酸化物(典型的には粒子状)としては、例えば、従来公知の方法で調製されるリチウムマンガン酸化物粉末をそのまま使用することができる。
正極合材層14は、一般的なリチウム二次電池において正極合材層の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、導電材が挙げられる。該導電材としてはカーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料が好ましく用いられる。あるいは、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いてもよい。その他、正極合材層の成分として使用され得る材料としては、上記構成材料の結着剤(バインダ)として機能し得る各種のポリマー材料が挙げられる。
負極シート20は、長尺状の負極集電体22の上にリチウムイオン電池用負極活物質を主成分とする負極合材層24が付与されて形成されている。負極集電体22には銅箔その他の負極に適する金属箔が好適に使用される。負極活物質は従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム含有遷移金属酸化物や遷移金属窒化物等が挙げられる。
正負極シート10、20間に使用される好適なセパレータシート40としては多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。例えば、厚さ5〜30μm(例えば25μm)程度の合成樹脂製(例えばポリエチレン等のポリオレフィン製)多孔質セパレータシートが好適に使用し得る。
ケース本体52内に上記捲回電極体80と共に収容される非水電解液としては、従来のリチウム二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に電解質(支持塩)を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネイト(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)等を用いることができる。また、上記電解質(支持塩)としては、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO等のリチウム塩を好ましく用いることができる。非水電解液中における電解質濃度は、例えば0.05mol/L〜10mol/L程度であり、好ましくは0.1mol/L〜5mol/L程度であり、通常は1mol/L程度にするとよい。
続いて、上記構造を有するリチウム二次電池100を例として、本実施形態に係るリチウム二次電池の製造方法について説明する。以下、電池組み立て工程、コンディショニング工程の順に説明する。
電池組み立て工程は、正極10と負極20と非水電解液とを備えるリチウム二次電池100を組み立てる工程である。この実施形態では、まず、捲回電極体80を構築する。捲回電極体80を構築する際には、図2に示すように、正極シート10と負極シート20とをセパレータシート40を介して積層したシート状電極体を用意する。このとき、セパレータシート40は正極シート10の正極合材層非形成部(正極集電体12の露出部分)が外方にはみ出るように(即ち正極合材層14とセパレータシート40とが対向するように)重ね合せられる。負極シート20も正極シート10と同様に積層され、負極合材層非形成部(負極集電体22の露出部分)がセパレータシート40から外方にはみ出るように(即ち負極合材層24とセパレータシート40とが対向するように)重ね合せられる。かかるシート状電極体を捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状の捲回電極体80が得られる。
かかる構成の捲回電極体80をケース本体52に収容し、そのケース本体52内に適当な非水電解液を配置(注液)し、そして、ケース本体52の開口部を蓋体54との溶接等により封止することにより、本実施形態に係るリチウム二次電池100の組み立て工程が完成する。なお、ケース本体52と蓋体54との溶接プロセスや電解液の配置(注液)プロセスは、従来のリチウム二次電池の製造で行われている手法と同様にして行うことができる。
コンディショニング工程では、上記組み立てたリチウム二次電池100に対してコンディショニング処理を行う。コンディショニング処理は、電池の充放電を繰り返すことにより行われる。例えば、所定の温度下において、定電流で所定の電位(充電電位)になるまで充電し、次いで、定電流で所定の電位(放電電位)になるまで放電することにより行うとよい。この充放電操作を繰り返すことにより、電池を実使用可能な状態にすることができる。
本実施形態では、上記コンディショニング時の最初の充電(すなわち、初期充電)を、40℃〜70℃の温度下で行い、かつ、正極の電位がリチウム基準で4.5V以上(好ましくは4.5V〜5.0V、例えば4.8V程度)になるまで行う。このように初期充電における充電電位を4.5V以上の高電圧とすることにより、4.5V以下の電圧では取り出せない正極活物質中のリチウムを取り出すことができる。したがって、次回からの充放電に利用できるリチウム量を増やすことができる。
ここで本実施形態では、正極活物質として、LiMnOに他の金属元素(Co,Ni,Fe等)を固溶させたマンガン含有固溶体を用いている。かかるマンガン含有固溶体を正極活物質として備えたリチウム二次電池に対し、初期充電を4.5V以上の高電圧条件で行うと、Liイオンの放出に伴って正極活物質の結晶が崩れ、結晶内から酸素が遊離する場合がある。この酸素が電解液に溶解して負極まで到達すると、負極表面上にLiO等が析出して負極反応が阻害されるため、負荷特性が低下しがちとなる。
かかる事象を解消するために、本実施形態では、初期充電を40℃〜70℃の温度下で実施する。初期充電を40℃〜70℃の高温状態で行うことにより、電解液の液温が上昇して電解液に対する酸素ガスの溶解度が減少する。そのため、正極活物質から遊離した酸素が電解液に溶けずに電解液外に放出され易くなり、遊離酸素の負極側への移動(遊離酸素が電解液に溶解して負極まで到達すること)を抑制することができる。このことによって、負極表面上へのLiO等の析出を回避し得、LiO等の析出による電池性能(特に負荷特性)の低下を抑制することができる。
初期充電の温度は、概ね40℃〜70℃の範囲内であればよい。この範囲よりも高すぎると、電解液が熱分解したり溶媒の蒸発によるドライアップが生じたりするため、電池性能の劣化が進行する場合がある。また、この範囲よりも低すぎると、酸素の電解液への溶解を抑制する効果が十分に得られないことがある。したがって、初期充電の温度は、概ね40℃〜70℃程度(好ましくは50℃〜60℃の範囲内)に調整するとよい。
なお、初期充電の環境温度を40℃〜70℃にすること、及び、正極の充電電位を4.5V以上にすること、以外の充放電条件については特に限定されず、従来のコンディショニング処理で用いられる方法と同様にして行うことができる。例えば、充電時の電流密度は0.1C〜10C程度、放電時の電流密度は0.1C〜10C程度、放電電位は2V〜3.5V程度にするとよい。
また、充放電の回数は特に制限されず、1回に限らず、複数回であってもよい。充放電を複数回繰り返す場合は、少なくとも1サイクル目の充電(すなわち、正極、負極、電解液等の電池構成要素を組み立てた後に初めて行う充電)を、40℃〜70℃の温度下において、かつ、正極の電位が4.5V以上になるまで行うとよい。
なお、以上のステップは、リチウム二次電池のコンディショニング処理方法(あるいはリチウム二次電池の初期充電方法)としても把握され得る。このようにしてコンディショニング処理を行った後、電池ケース50の内部で発生したガス(正極活物質から遊離した酸素ガスを含む。)を適当なガス抜き処理によってケース外に排出し、電池ケース50を気密に封止することによって、本実施形態に係るリチウム二次電池100の製造が完了する。なお、電池ケース50内のガス抜きプロセスや、電池ケース50の封止プロセスは、従来のリチウム二次電池の製造で行われている手法と同様にして行うことができる。
続いて、上述した実施形態を実施例に基づいて具体的に説明する。
<リチウム二次電池の作製>
正極活物質としては、組成比がLi1.2Mn0.5Co0.15Ni0.15で表わされるリチウムマンガン酸化物を使用した。このリチウムマンガン酸化物は、以下のようにして合成した。まず、出発原料としての水酸化リチウム(リチウム源)と炭酸マンガン(マンガン源)と水酸化コバルト(コバルト源)と水酸化ニッケル(ニッケル源)とを所定のモル比となるように秤量して混合し、これをボールミルで粉末状に粉砕した。そして、粉末状の混合物を、酸素気流中において、450℃で仮焼成し、これをいったん解砕した後、さらに800℃で本焼成し、得られた焼成体(正極活物質)を適当な粒径になるまでボールミルで粉砕することにより、正極活物質粉末を得た。
上記得られた正極活物質粉末とカーボンブラック(導電材)とポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これらの材料の質量比が85:10:5となるようにN−メチルピロリドン(NMP)中で混合して、ペースト状の正極合材層用組成物を調製した。このペースト状正極合材層用組成物を長尺シート状のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に層状に塗布して乾燥することにより、該正極集電体の両面に正極合材層が設けられた正極シートを得た。この正極シートを所定サイズの円形状に打ち抜いて正極を作製した。
また、以下のようにして負極を作製した。グラファイト粉末(負極活物質)とスチレンブタジエンゴム(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が98:1:1となるように適当な溶媒に分散させてペースト状の負極合材層用組成物を調製した。このペースト状負極合材層用組成物を長尺シート状の銅箔(負極集電体)の両面に層状に塗布して乾燥し、負極集電体の両面に負極合材層が設けられた負極シートを得た。この負極シートを所定サイズの円形状に打ち抜いて負極を作製した。
上記正極シートと負極シートとを、ポリプロピレン製の多孔質セパレータを挟んで対向配置し、非水電解液とともにステンレス製のコイン型電池ケースに組み込んで、直径20mm、厚さ3.2mm(2032型)のコインセルを構築した。この電池ケースは、正極シートと接触する上容器(正極端子を兼ねる。)と、負極シートと接触する下容器(負極端子を兼ねる。)とを備え、両容器の間に絶縁性かつ気密性のガスケットが介在された構造を有する。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:7の体積比で含む混合溶媒に支持塩としてのLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させたものを用いた。そして、上記下容器の上に負極シートを載置し、適当量の電解液を滴下してセパレータを重ね、さらに適当量の電解液を滴下して正極シートを重ねた後、上容器を被せて電池ケースの仮封止を行った。このようにして、試験用のリチウム二次電池を作製した。
<コンディショニング処理>
以上のようにして作製した試験用リチウム二次電池に対し、下記の表1に示す初期充電条件により、コンディショニング処理を行った。実施例1のケースについて説明すると、先ず、電池を恒温槽に入れて40℃の温度環境下におき、1/3Cの定電流で正極の電位が4.8V(vs.Li/Li+)になるまで充電を行い、次いで、1/3Cの定電流で正極の電位が2.5V(vs.Li/Li+)になるまで放電を行った。他の実施例および比較例についても、初期充電条件(表1)を変えたこと以外は実施例1と同様にしてコンディショニング処理を行った。
Figure 0005344236
<放電容量の測定および放電容量比の算出>
上記コンディショニング処理の終了後、電池を恒温槽から取り出して室温に戻し、電池ケースの上容器を開き、ケース内部で発生したガスを取り除いた後、再び上容器を被せてケースを気密に封止した。そして、下記の(1)及び(2)の条件でそれぞれ放電容量を測定し、それらの結果から放電容量比を算出して、負荷特性の評価を行った。なお、放電容量比は、(20Cの放電容量密度/1Cの放電容量密度)×100により算出した。
(1)1/3Cの定電流で正極の電位が4.3Vになるまで充電を行い、次いで、1Cの定電流で正極の電位が2.5Vになるまで放電を行った。
(2)1/3Cの定電流で正極の電位が4.3Vになるまで充電を行い、次いで、20Cの定電流で正極の電位が2.5Vになるまで放電を行った。
得られた放電容量比を表1及び図3に示す。なお、図3では、初期充電を充電電位4.3Vまで行った比較例3、4を除外して示している。
この結果から分かるように、初期充電を40℃〜60℃で4.8Vまで行った実施例1〜3は、初期充電を25℃〜30℃で4.8Vまで行った比較例1および2に比べて、放電容量比が明らかに向上した。これは、実施例1〜3では、初期充電を40℃以上の高温状態で行ったことにより、正極活物質から遊離した酸素が電解液に溶けずに電解液外に放出され、遊離酸素に起因する負極へのダメージが低減されたためと考えられる。
なお、初期充電を25℃で4.3Vまで行った比較例3と、初期充電を60℃で4.3Vまで行った比較例4とを比べると、放電容量比は殆ど変化しておらず、初期充電を高温状態で行うことによる放電容量比向上の効果はみられなかった。これは、初期充電を4.3Vまで行う通常の態様では、初期充電時における正極活物質からの酸素の遊離が少ないためと考えられる。この結果から、初期充電を高温状態で行うことによる放電容量比向上の効果は、初期充電を4.5V以上の高電圧(ここでは4.8V)まで行う場合に特に有効であることが分かった。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
本発明に係るリチウム二次電池は、上記のとおり初期充電時に負荷特性の低下が抑制され、より良好な電池性能を示すことから、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。したがって本発明は、図4に模式的に示すように、かかるリチウム二次電池100(典型的には複数直列接続してなる組電池)を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供する。
1 車両
10 正極シート
12 正極集電体
14 正極合材層
20 負極シート
22 負極集電体
24 負極合材層
40 セパレータシート
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
70 正極端子
72 負極端子
80 捲回電極体
100 リチウム二次電池

Claims (5)

  1. 正極と負極と非水電解液とを備えるリチウム二次電池を製造する方法であって、
    前記正極は、正極活物質として、LiMnOを固溶したマンガン含有固溶体であって一般式Li[Mn(1−y)]O(ここで、MはLi及びMn以外の少なくとも一種の金属元素、ただし、B、Al、GaおよびInは除く。1<x<2、0≦y<1、1.5<z<3)で表わされるリチウムマンガン酸化物を備えており、
    以下の工程:
    正極と負極と非水電解液とを備えるリチウム二次電池を組み立てる工程;および、
    前記組み立てたリチウム二次電池に対して初期充電を行う工程;
    を包含し、
    ここで、前記初期充電を、40℃〜70℃の温度下において、かつ、正極の電位が4.8V以上になるまで行うことを特徴とする、リチウム二次電池の製造方法。
  2. 前記Li [Mn (1−y) ]O 中のMは、Co,Ni,Fe,Ti,Mo,W,Cr,ZrおよびSnからなる群から選択される一種または二種以上の元素である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記初期充電を50℃〜60℃の温度下で行う、請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項1から3の何れか一つに記載の方法により製造された、リチウム二次電池。
  5. 請求項4に記載のリチウム二次電池を備える、車両。
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