JP5343795B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5343795B2
JP5343795B2 JP2009225543A JP2009225543A JP5343795B2 JP 5343795 B2 JP5343795 B2 JP 5343795B2 JP 2009225543 A JP2009225543 A JP 2009225543A JP 2009225543 A JP2009225543 A JP 2009225543A JP 5343795 B2 JP5343795 B2 JP 5343795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colored resin
wet cake
filter cloth
resin particles
toner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009225543A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010107973A (ja
Inventor
励 勝山
尚 黒川
文成 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP2009225543A priority Critical patent/JP5343795B2/ja
Publication of JP2010107973A publication Critical patent/JP2010107973A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5343795B2 publication Critical patent/JP5343795B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられるトナーの製造方法に関し、更に詳細には、乾燥工程における負荷を軽減し、生産性に優れるトナーの製造方法に関する。
従来のトナーの製造方法においては、粒径の形状、粒径、及び粒径分布を制御し易いことから、懸濁重合法、乳化重合凝集法、及び分散重合法等の重合法、並びに溶解懸濁法等の湿式法が採用されてきた。これらの湿式法の中でも、印刷時に高画質の画像形成を行なうことができることから、特に、懸濁重合法が好ましく採用されている。
湿式法の中でも代表的に挙げられる、懸濁重合法によるトナーの製造方法では、(1)重合性単量体組成物の調製工程、(2)液滴形成工程、(3)重合工程、及び(4)洗浄、濾過、脱水、及び乾燥工程等の多くの工程を経て製造されるため、生産性向上の観点から、工程数の省略、及び設備面の簡略化をはかる検討が行われ始めている。
近年、湿式法の乾燥工程において、乾燥機に適用する乾燥対象物(湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ))に対し、乾燥機の燃費効率の観点から、乾燥工程の前工程で、トナーの生産性を損なうことなく、予め、ウエットケーキの含水率を十分に低下させておくことが求められ、様々な試みがなされている。
特許文献1には、液状分散媒体中で製造されたトナー粒子を含有するスラリーに対して、洗浄、濾過、脱水の一連の工程を、圧搾通気手段を具備する濾布間欠運動型のベルトフィルターを用いて行うことによって、得られるウエットケーキの含水率を低下させることができるとするトナーの製造方法が記載されている。
特開2007−58201号公報
しかしながら、特許文献1のトナーの製造方法では、含水率が低いウエットケーキが得られたとする結果が記載されているものの、濾布が間欠的に移送されるため、スラリーが濾布上に不均一に供給される欠点があった。このため、ウエットケーキの洗浄性にばらつきが生じていることが推測される。
本発明の目的は、湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得る工程において、ウエットケーキの含水率を十分に低下させて、次工程の乾燥工程における負荷を軽減し、生産性に優れるトナーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得る工程において、特定の分離・洗浄機構、及び特定の加圧・通気機構を有する濾布連続走行式ベルトフィルターを用いることによって、含水率が低い所望のウエットケーキが得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち本発明のトナーの製造方法は、湿式法により着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、当該着色樹脂粒子水分散液をベルトフィルターに供給し、固液分離して湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得る工程及び当該ウエットケーキを乾燥する工程を含むトナーの製造方法であって、
上記ウエットケーキを得る工程において、ベルトフィルターとして、濾布連続走行式ベルトフィルターを用い、
上記濾布連続走行式ベルトフィルターが、当該ベルトフィルターの下濾布に、着色樹脂粒子水分散液を供給し、着色樹脂粒子を分離・洗浄してウエットケーキを形成する分離・洗浄機構を有し、且つ、当該ウエットケーキに対して上濾布を重ね合わせて、上下濾布間にウエットケーキを挟んだ状態で、加圧しながら通気して含水率が低いウエットケーキを得る加圧・通気機構を有することを特徴とするトナーの製造方法である。
前記トナーの製造方法の加圧・通気機構において、通気に用いる気体が、圧縮空気であることが好ましい。
前記トナーの製造方法において、圧縮空気の圧力が、0.2〜1.5MPaであることが好ましい。
前記トナーの製造方法の加圧・通気機構において、通気に用いる気体の温度T(℃)と、着色樹脂粒子のガラス転移温度Tg(℃)との関係が、Tg−35℃<T<Tg+20℃であることが好ましい。
前記トナーの製造方法の加圧・通気機構において、加圧面の圧力が、0.2〜1.5MPaであることが好ましい。
前記トナーの製造方法において、濾布連続走行式ベルトフィルターの下濾布の通気度が、0.1〜10cc/cm・秒であることが好ましい。
前記トナーの製造方法において、濾布連続走行式ベルトフィルターの下濾布の引っ張り強度が、下濾布の進行方向及び下濾布の幅方向に対して、それぞれ150〜1200N/cmであることが好ましい。
上記の如き本発明によれば、湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得る工程において、ウエットケーキの含水率が十分に低下し、次工程の乾燥工程における負荷を軽減させることができ、生産性に優れたトナーの製造方法が提供される。
本発明に係る濾布連続走行式ベルトフィルターの概略図である。 本発明に係る濾布連続走行式ベルトフィルターの概略図である。
本発明のトナーの製造方法は、湿式法により着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、当該着色樹脂粒子水分散液をベルトフィルターに供給し、固液分離して湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得る工程及び当該ウエットケーキを乾燥する工程を含むトナーの製造方法であって、
上記ウエットケーキを得る工程において、ベルトフィルターとして、濾布連続走行式ベルトフィルターを用い、
上記濾布連続走行式ベルトフィルターが、当該ベルトフィルターの下濾布に、着色樹脂粒子水分散液を供給し、着色樹脂粒子を分離・洗浄してウエットケーキを形成する分離・洗浄機構を有し、且つ、当該ウエットケーキに対して上濾布を重ね合わせて、上下濾布間にウエットケーキを挟んだ状態で、加圧しながら通気して含水率が低いウエットケーキを得る加圧・通気機構を有することを特徴とするものである。
本発明において、トナーを構成する着色樹脂粒子は、湿式法により形成される。湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、及び分散重合法等の重合法、並びに、溶解懸濁法が挙げられる。
湿式法の中でも、粒径分布がシャープで小粒径の着色樹脂粒子が形成され易いことから重合法が好ましく採用される。さらに、重合法の中でも、円形度が高い着色樹脂粒子が形成され易いことから懸濁重合法がより好ましく採用される。
本発明においては、懸濁重合法を採用することが好ましい。以下、懸濁重合法により着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る方法を代表例として用い説明する。
(1)着色樹脂粒子水分散液を得る工程
本工程では、(1−1)重合性単量体組成物の調製工程、(1−2)液滴形成工程、及び(1−3)重合工程を含み、当該各工程を経て、着色樹脂粒子水分散液を得る。
(1−1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じて帯電制御剤等のその他の添加物を、混合、溶解又は分散して重合性単量体組成物の調製を行なう。重合性単量体組成物を調製する際には、例えば、メディア式分散機を用いて行なう。
重合性単量体とは、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を用いることが好ましい。
モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、及びメタクリルアミド;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記モノビニル単量体のうち、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルが特に好適に用いられる。
重合性単量体の一部として、トナーの保存性(耐ブロッキング性)を改善するために、上記モノビニル単量体と共に、任意の架橋性の重合性単量体を用いることができる。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を有するモノマーのことをいう。
架橋性の重合性単量体としては、一般にトナー用の架橋性の重合性単量体として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の二官能性エチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のヘテロ原子含有ジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びジメチロールプロパンテトラアクリレート等の3個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、架橋性の重合性単量体は、次工程(1−2)液滴形成工程において、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させる段階で添加されてもよい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
着色剤としては、カラートナー(通常、ブラックトナー、シアントナー、イエロートナー、及びマゼンタトナーの4種類のトナーが用いられる。)を製造する場合、ブラック着色剤、シアン着色剤、イエロー着色剤、及びマゼンタ着色剤をそれぞれ用いることができる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等の顔料を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン顔料、その誘導体、及びアントラキノン顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Blue2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、及び186等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、及びC.I.Pigment Violet19等が挙げられる。
本発明では、それぞれの着色剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよく、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製の市販品等を用いることができ、例えば、FCA−161P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−207P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−201−PS(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製の市販品等を用いることができ、例えば、FCA−626N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−748N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−1001N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜8重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、トナーの定着ロールからの剥離性を向上させるために、離型剤を用いることができる。
離型剤としては、一般にトナー用の離型剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリン、及びペトロラタム等の石油ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステル、並びに、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル化合物;等が挙げられる。これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、離型剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、分子量や分子量分布を調整するために、分子量調整剤を用いることができる。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフェニルチウラムジスルフィド、及びN,N'−ジオクタデシル−N,N'−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、分子量調整剤は、次工程(1−2)液滴形成工程において、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させる段階で添加されてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
(1−2)液滴形成工程(懸濁液を得る懸濁工程)
上記(1−1)重合性単量体組成物の調製工程を経て得られる重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行ない、懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。
得られた懸濁液中には、トナーの重合時に副生する小粒径微粒子の発生を効果的に抑制するために、小粒径微粒子抑制剤を添加することが好ましい。
ここで、「小粒径微粒子抑制剤」とは、重合性単量体組成物の液滴を形成する過程で、水系分散媒体中(水相中)に存在(溶出)してしまう重合性単量体由来のラジカル、及び/又は重合開始剤由来のラジカルを捕捉して、重合時に副生する小粒径微粒子の発生を抑制する効果を有する化合物のことをいう。
小粒径微粒子抑制剤としては、例えば、ヒドロキシヒドロキノン、ヒドロキノンスルホン酸、ヒドロキノンカルボン酸、及びこれらの金属塩;カフェー酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、及びこれらの金属塩;ピロガロール、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,3−ジヒドロキシ桂皮酸、及びこれらの金属塩;等が挙げられる。
液滴形成の方法は、特に限定されないが、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(特殊機化工業社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
液滴形成において、着色樹脂粒子の粒径をコントロールし、また、円形度を向上させるために、水系分散媒体中に分散安定化剤を含有させて用いることが好ましい。
水系分散媒体は、水単独でもよいが、低級アルコール、及び低級ケトン等の水に溶解可能な溶剤と併用して用いることが好ましい。
分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物、並びに、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物などの金属化合物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子化合物;アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等の有機高分子化合物;等が挙げられる。これらの中でも、金属水酸化物が好ましく、特に、pH領域が、通常、pH7.5〜11で用いられる水酸化マグネシウムが好ましい。
分散安定化剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。
重合性単量体組成物の重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の無機過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;等が挙げられる。これらの中でも、有機過酸化物が好ましく用いられる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に分散させた後、液滴形成前の段階で添加してもよいが、重合性単量体組成物を調製するとき、重合性単量体組成物中に直接添加してもよい。
重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、1.0〜10重量部であることがさらに好ましい。
(1−3)重合工程
上記(1−2)液滴形成工程(懸濁液を得る懸濁工程)を経て得られる懸濁液(重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散液)を、重合開始剤の存在下で、加熱し、重合を開始して懸濁重合を行ない、着色樹脂粒子水分散液を得る。
なお、本工程においても、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、上記(1−2)液滴形成工程(懸濁液を得る懸濁工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行いながら重合反応を進行させてもよい。
重合工程において、重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
重合工程により得られる着色樹脂粒子を、コア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、コアシェル構造(または、「カプセル型」ともいう。)を有する着色樹脂粒子としてもよい。
コアシェル構造を有する着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質のシェル層で被覆することにより、トナーの定着温度の低温化、耐ホットオフセット性及び保存時の凝集防止とのバランスをとることができる。
上記コアシェル構造を有する着色樹脂粒子を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の観点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル構造を有する着色樹脂粒子の製造法を、以下に説明する。
コア層である着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)とシェル用重合開始剤を添加し、重合を行なうことでコアシェル構造を有する着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様のものを用いることができる。その中でも、スチレン、及びメチルメタクリレート等のTgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いるシェル用重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の水溶性のアゾ化合物;等の重合開始剤を挙げることができる。
シェル用重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
シェル層の重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜95℃であることがより好ましい。また、シェル層の重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
本工程で得られる着色樹脂粒子水分散液中には、不要な分散安定化剤が残存するため、使用した分散安定化剤の種類に応じて、着色樹脂粒子水分散液中に酸又はアルカリを添加し、分散安定化剤を可溶化して除去洗浄を行なうことが好ましい。
使用した分散安定化剤が、酸に可溶な無機化合物である場合には、着色樹脂粒子水分散液へ酸を添加し、一方、使用した分散安定化剤が、アルカリに可溶な無機化合物である場合には、着色樹脂粒子水分散液へアルカリを添加する。
分散安定化剤として、酸に可溶な無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子水分散液に、酸を添加し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行なうことが好ましい。
酸洗浄で添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸;蟻酸、及び酢酸等の有機酸;等を用いることができる。これらの中でも、分散安定化剤の除去効率が高く、トナーの製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
本工程で得られる着色樹脂粒子のガラス転移温度Tg(℃)は、40〜70℃であることが好ましく、45〜60℃であることがより好ましく、50〜55℃であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子のガラス転移温度Tgが、上記範囲未満である場合には、定着ロールにトナーが融着するホットオフセット現象が生じ易くなる場合がある。一方、上記着色樹脂粒子のガラス転移温度Tgが、上記範囲を超える場合には、トナーの低温定着性が低下し、定着時に定着ロールの温度を高温に設定しなければならず、消費エネルギーの低減化の要請に応えられない場合がある。
本工程で得られる着色樹脂粒子水分散液の固形分濃度は、イオン交換水を用いて、3〜35重量%に濃度調整することが好ましく、5〜25重量%に濃度調整することがより好ましく、5〜20重量%に濃度調整することがさらに好ましい。
上記固形分濃度が、上記範囲未満である場合には、次工程のウエットケーキを得る工程の分離・洗浄機構において、単位時間あたりの処理量が低下するため、分離・洗浄効率を低下させてしまう場合がある。一方、上記固形分濃度が、上記範囲を超える場合には、次工程のウエットケーキを得る工程の分離・洗浄機構において、均一に洗浄を行うことが困難になる場合がある。
(2)ウエットケーキを得る工程
本工程では、ベルトフィルターとして、特定の分離・洗浄機構、及び特定の加圧・通気機構を有する濾布連続走行式ベルトフィルターを用いることによって、含水率が低い所望のウエットケーキが得られる。
図1及び図2に示される濾布連続走行式ベルトフィルターは、本発明の好ましいベルトフィルターの一態様を示す概略図であるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
以下、図1及び図2に示される濾布連続走行式ベルトフィルターを例に挙げて、本工程について説明する。
本発明において「濾布連続走行式ベルトフィルター」とは、分離・洗浄機構A、及び加圧・通気機構Bを有し、周回して連続的に走行可能な無端状の濾布(下濾布1、及び上濾布2)を備え、分離・洗浄機構Aにおいて、下濾布1の下面に真空トレイ(不図示)が配置された真空式ベルトフィルターのことをいう。
無端状の下濾布1、及び無端状の上濾布2は、図1及び図2に示されるように、複数のロール3、及び加圧部ロール4に緊張状態で張設され、当該ロールの回転により、矢印Xの方向に連続的に走行される。加圧部ロール4は、加圧・通気機構Bにおいて、上下濾布の間にウエットケーキを挟持させて、密着状態を保ちながら加圧が可能になるように配列されている。
(2−1)分離・洗浄機構
本機構においては、水平方向に走行する無端状の下濾布1の上面に、着色樹脂粒子水分散液が常に均一に供給され、着色樹脂粒子を連続的に分離し(捕捉し)、続いて水を加えることにより、洗浄処理が行われ、下濾布1の下面に配置された真空トレイ(不図示)の減圧作用によって、連続的に吸引・脱水処理が行われ、ウエットケーキが形成される。形成されるウエットケーキの含水率は45重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、35重量%以下であることがさらに好ましい。含水率が40重量%以下であると、加圧・通気機構で上下2枚の濾布に挟まれたときに、ウエットケーキが流動して濾布から流れ出ることを防ぐことができる。
分離・洗浄機構を経て形成されるウエットケーキの平均厚さは、1〜30mmであることが好ましく、より好ましくは1〜20mmであり、さらに好ましくは3〜20mmである。
上記ウエットケーキの平均厚さが、上記範囲未満である場合には、トナーの生産性が低下するばかりでなく、含水率が低下したウエットケーキを剥離するのが困難になる場合がある。一方、上記ウエットケーキの平均厚さが、上記範囲を超える場合には、ウエットケーキを上下2枚の濾布で挟持させることが困難になり、通気の際、通気漏れが生じる場合がある。
分離・洗浄機構を経て形成されるウエットケーキの含水率は、25〜45重量%であり、好ましくは25〜40重量%である。
上記ウエットケーキの含水率が、上記範囲未満である場合には、次の加圧・通気機構において、上下濾布間にウエットケーキを挟持した際、ウエットケーキの両端部同士を密着させる効果(密閉効果)が十分に得られない場合がある。一方、上記ウエットケーキの含水率が、上記範囲を超える場合には、水分量が多過ぎ、次の加圧・通気機構において、上下濾布間にウエットケーキを挟持した状態を維持させることができず、ウエットケーキが流動化して濾布の端から漏れ出てしまう場合がある。
本発明において、下濾布又は上濾布を通過して排出された濾液中に含まれる固形分量(着色樹脂粒子の量)は、1%以下であることが好ましく、0.3%以下であることがより好ましく、500ppm以下であることがさらに好ましい。
上記濾液中に含まれる固形分量(着色樹脂粒子の量)が、上記範囲を超えると、下濾布又は上濾布を固形分(着色樹脂粒子)がすり抜け易く、下濾布又は上濾布の濾過性能に劣り、着色樹脂粒子の収率を低下させる場合がある。
上記濾液中に含まれる固形分量(着色樹脂粒子の量)が、上記範囲を超える場合には、下濾布又は上濾布を通過して排出された濾液を回収して、再び、水平方向に走行する無端状の下濾布1の上面に供給できる、濾液回収・供給機構M,N(図2に図示)を設けることにより、着色樹脂粒子の収率を向上させることもできる。
なお、図1においても、図2と同様に、濾液回収・供給機構M,Nを設けることにより、同様の効果が得られる。
ここで、「濾液中に含まれる固形分量」とは、分離・洗浄機構A又は分離・洗浄機構Bを経て排出された濾液を全て回収し、当該回収した全濾液の中から所定の濾液量(g)を採取し、濾紙を用いて濾過し、濾紙上に捕集された残渣をオーブンで乾燥させ、捕集残渣重量(g)を秤量し、下記計算式1により濾液中の固形分量(%)を算出して求めた値である。
Figure 0005343795
残渣の捕集に用いる濾紙としては、JIS Z 8901:2006(試験用粉体及び試験用粒子)に準拠して求められた捕集効率が、好ましくは70〜98%、より好ましくは80〜95%を有し、且つ、保留粒子径が、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下を有する種々の市販品を用いることができる。
例えば、アドバンテック東洋(株)社製の市販品としては、No.3(:商品名、保留粒子径:5μm、捕集効率(0.3μmDOP%):80%)、No.5A(:商品名、保留粒子径:7μm、捕集効率(0.3μmDOP%):75%)、No.5B(:商品名、保留粒子径:4μm、捕集効率(0.3μmDOP%):90%)、No.5C(:商品名、保留粒子径:1μm、捕集効率(0.3μmDOP%):93%)、No.6(:商品名、保留粒子径:3μm、捕集効率(0.3μmDOP%):90%)、No.7(:商品名、保留粒子径:4μm、捕集効率(0.3μmDOP%):85%)、No.4A(:商品名、保留粒子径:1μm、捕集効率(0.3μmDOP%):90%)等が挙げられる。これらの市販品の中でも、No.5C(:商品名、保留粒子径:1μm、捕集効率(0.3μmDOP%):93%)が好ましく用いられる。
ここで、「濾紙の捕集効率」とは、加圧噴霧形発生器を使用して、粒径0.3μmを有するフタル酸ジオクチル(DOP)粒子を含む空気(エアロゾル)を発生させ、このエアロゾルを1m/minの通気速度で、濾紙を通過させたとき、濾紙に捕捉された粒径0.3μmを有するフタル酸ジオクチル粒子の割合(0.3μmDOP%)をいう。
また、「保留粒子径」とは、JIS P 3801:1995(ろ紙(化学分析用))で規定される硫酸バリウムなどの検液を使用し、この検液を、濾紙を用いて自然濾過させたときの漏洩粒子径により求めたものである。
(2−2)加圧・通気機構
本機構においては、上記分離・洗浄機構Aにて、無端状の下濾布1の上面に形成されたウエットケーキは、そのまま連続走行して、当該ウエットケーキに対して、無端状の上濾布2が重ね合わされ、上下濾布間にウエットケーキが挟まれた状態で、加圧・通気機構Bに移送され、加圧しながら通気されて、含水率が低いウエットケーキが得られる。
下濾布1の上面に形成されたウエットケーキの上下濾布間への入り込みは、図1においては、複数のロール3の中でも径が最も大きいロール3上で行われ、上下濾布間に挟まれたウエットケーキに対する通気は、加圧部ロール4上で、加圧しながら行われ、下濾布1を通過して濾液が排出されて、含水率が低いウエットケーキが得られる。
これに対して、図2においては、下濾布1の上面に形成されたウエットケーキの上下濾布間への入り込みは、加圧部ロール4上で行われ(「ウエットケーキ入り込み領域C」として図示)、上下濾布間に挟まれたウエットケーキに対する通気においても、当該加圧部ロール4上で、加圧しながら行われ、上濾布2を通過して濾液が排出されて(「通気・濾液排出領域D」として図示)、含水率が低いウエットケーキが得られる。
すなわち、図2では、図1のように、加圧部ロール4の他に、径が特に大きいロール3を装置内に設けなくとも、1つの加圧部ロール4上で、「ウエットケーキの上下濾布間への入り込み」、及び「通気」を行うことができるため、図1よりもコンパクトに濾布連続走行式ベルトフィルターを設計することが可能である。
なお、図2に図示された「通気・濾液排出領域D」は、通気が加圧しながら行われ、上濾布2を通過して濾液が排出される領域を、模式的に示したものであって、この領域が図示された領域のみに限定されるものではない。
濾布の張力により生じる加圧部ロール4の加圧面の圧力は、0.2〜1.5MPaであることが好ましく、0.3〜1.0MPaであることがより好ましく、0.3〜0.8MPaであることがさらに好ましい。
上記加圧面の圧力が、上記範囲未満である場合には、加圧面の圧力が小さ過ぎて、ウエットケーキの含水率を十分に低下させることができない場合がある他、加圧を行いながら、同時に通気を行う際、上下濾布間にウエットケーキを挟持した状態を維持させることができず、ウエットケーキが流動化して濾布の端から漏れ出てしまう場合がある。一方、上記加圧面の圧力が、上記範囲を超える場合には、加圧面の圧力が大き過ぎて、着色樹脂粒子の粒径特性に悪影響が及ぼされる場合がある。
本発明においては、ウエットケーキの含水率低下を促進するために、加圧を行いながら、同時に通気を行う。通気に用いる気体としては、含水率低下促進効果が高いことから、圧縮空気を用いることが好ましい。
圧縮空気の圧力は、0.2〜1.5MPaであることが好ましく、0.25〜0.9MPaであることがより好ましく、0.3〜0.7MPaであることがさらに好ましい。
上記圧縮空気の圧力が、上記範囲未満である場合には、ウエットケーキに対する通気が不十分となり、含水率の低下を促進する効果が十分に得られない場合がある。一方、上記圧縮空気の圧力が、上記範囲を超える場合には、ウエットケーキに対する通気が過度となり、着色樹脂粒子の粒径特性に悪影響が及ぼされる場合がある。
本発明においては、ウエットケーキの含水率低下を促進するために、着色樹脂粒子のガラス転移温度Tgを考慮して通気に用いる気体に温度をかける。
通気に用いる気体の温度T(℃)は、Tg−35℃<T<Tg+20℃の関係を満たすように設定することが好ましく、より好ましくはTg−30℃<T<Tg+10℃、さらに好ましくはTg−20℃<T<Tgの関係を満たすように設定することが望ましい。
上記通気に用いる気体の温度Tが、上記関係を満たさない場合には、通気に用いる気体の温度Tが低過ぎて、含水率の低下を促進する効果が十分に得られない場合や、通気に用いる気体Tが高過ぎて、着色樹脂粒子同士の融着が生じ易くなり、着色樹脂粒子の粒径特性に悪影響が及ぼされる場合がある。
無端状の下濾布1の通気度は、0.1〜10cc/cm・秒であることが好ましく、0.2〜5cc/cm・秒であることがより好ましく、0.3〜2cc/cm・秒であることがさらに好ましく、0.4〜0.8cc/cm・秒であることが特に好ましい。
上記下濾布1の通気度が、上記範囲未満である場合には、十分な通水性が得られず、分離・洗浄機構、及び加圧・通気機構を通して、含水率を十分に低下させることができない場合がある。一方、上記下濾布1の通気度が、上記範囲を超える場合には、固形分(着色樹脂粒子)が濾布をすり抜け易くなり、着色樹脂粒子の収率を低下させる場合がある。
無端状の上濾布2の通気度は、1〜50cc/cm・秒であることが好ましく、1〜30cc/cm・秒であることがより好ましく、1〜10cc/cm・秒であることがさらに好ましく、1〜3cc/cm・秒であることが特に好ましい。
上記上濾布2の通気度が、上記範囲未満である場合には、十分な通気性が得られず、加圧・通気機構を通して、含水率を十分に低下させることができない場合がある。一方、上記上濾布2の通気度が、上記範囲を超える場合には、着色樹脂粒子に対する通気衝撃が強くなり過ぎて、着色樹脂粒子の粒径特性に悪影響が及ぼされる場合がある。
無端状の下濾布1及び上濾布2に求められる特性としては、固形分(着色樹脂粒子)が濾布から漏れることなく固液分離可能で、濾布の連続走行時に蛇行が生じ難く、複数のロールの張架に対して耐伸性を有し、さらに、濾布上に形成されたウエットケーキの濾布からの剥離性及び回収性に優れる特性が挙げられる。
下濾布1及び上濾布2は、上下濾布間にウエットケーキが挟まれた状態で引張されながら連続走行するため、縦方向(濾布の進行方向)及び横方向(濾布の幅方向)に対して、それぞれ耐伸性(引っ張り強度)を有していることが求められる。
下濾布1及び上濾布2の引っ張り強度は、濾布の進行方向及び濾布の幅方向に対して、それぞれ150〜1200N/cmであることが好ましく、300〜1200N/cmであることがより好ましく、600〜1200N/cmであることがさらに好ましい。
上記下濾布1及び上濾布2の引っ張り強度が、上記範囲未満である場合には、連続走行中に濾布が破損され易くなり、着色樹脂粒子の収率を低下させる場合がある。一方、上記下濾布1及び上濾布2の引っ張り強度が、上記範囲を超える場合には、濾布連続走行式ベルトフィルターの各ロールに濾布が好適に装着され難くなり、濾布の走行性に不具合が生じる場合がある。
下濾布1及び上濾布2の材質としては、特に限定されないが、所望の通気度、及び所望の引っ張り強度が得られ、固形分(着色樹脂粒子)が濾布をすり抜け難く、着色樹脂粒子を好適に分離し(捕捉し)、高い収率で含水率が低いウエットケーキ(湿潤状態の着色樹脂粒子)を得ることができることから、不織布が好ましく採用される。
なお、ここで、「不織布」とは、原糸(繊維)同士をランダムに配列させたウェッブを積層し、絡み合わせて結合接着させ、シート状、板状などの形状にして得られる布のことをいう。
不織布の製造方法としては、特に限定されないが、種々の公知の製造方法を用いることができ、例えば、ウェッブの形成方法には、短繊維をカード機などで一定方向に並べてウェッブを形成する乾式法;紙を作る場合と同じように短繊維を、水を利用して漉き上げる湿式法;エンドレスの長繊維を使用してウェッブを形成するスパンボンド法;などが挙げられる。
また、繊維同士の結合接着方法には、低融点の繊維を熱ロールで圧着するサーマルボンド法;接着樹脂で結合させるケミカルボンド法;針の微小な突起で繊維同士を絡ませるニードルパンチ法;糸で縫い込むステッチボンド法;高圧水流で絡ませるスパンレース法;などが挙げられる。
下濾布1及び上濾布2の材質として用いる不織布は、濾布上に形成されたウエットケーキの濾布からの剥離性及び回収性を向上させることができることから、濾布の表面を平滑にするために表面処理が施されていることが好ましい。
具体的には、不織布の中間製品であるウェッブを上下から挟み(プレスし)、針などでパンチングを行ない、不織布表面を熱処理する方法;熱と圧力をかけた2本のロールの間を通過させ不織布表面を溶融する方法;等が挙げられる。
本発明においては、下濾布1及び上濾布2の材質として、不織布が好ましく採用されるが、織布を採用することもできる。通常、織布は、原糸から構成される。
織布の原糸は、元となる繊維を数本から数十本束ね、場合によっては撚って1本にして構成される。織布は、原糸を、経糸及び緯糸とし、一定の規則にしたがって互いに直角に交錯させて多数の織り目(経緯糸の交錯点)を形成し構成される。得られた織布は、織り目のピッチ(経糸同士の間隔や緯糸同士の間隔)が、一定になるように連続した組織を有する。
織布の組織には、織り目と織り目との間に空隙が存在し、この空隙は、織布の表面から裏面へ貫通して存在する。
一般的な織布の通気度は、繊維の密度(繊維の本数、及び繊維と繊維との間に存在する空隙の量)、及び織り目の密度(織り目の個数、及び織り目と織り目との間に存在する空隙の量)によって調整される。
すなわち、濾過速度を速くするために、ピッチ(経糸同士の間隔、及び/又は緯糸同士の間隔)を大きくして通気度を大きくすると、着色樹脂粒子が通過(漏洩)してしまい、一方、着色樹脂粒子の通過(漏洩)を阻止するために、ピッチ(経糸同士の間隔、及び/又は緯糸同士の間隔)を小さくすると通気度が小さくなり、目詰まりが生じ、濾過速度も遅くなる。
これに対して、不織布は、繊維同士の絡み合いによって、織布と比較して不織布の表面と裏面が非常に緻密な網目構造になると共に、折り重なった繊維同士によって織布以上の空隙の個数と量を有するという、織布においては相反する特性を同時に併せ持つため、固形分(着色樹脂粒子)が濾布をすり抜け難く、着色樹脂粒子を好適に分離し(捕捉し)、高い収率で含水率が低いウエットケーキ(湿潤状態の着色樹脂粒子)を得ることができる
また、不織布は、抱水性に富む性質を有するため、ウエットケーキ(湿潤状態の着色樹脂粒子)の剥離性に優れ、高い収率で含水率が低いウエットケーキ(湿潤状態の着色樹脂粒子)を得ることができる。不織布が有するこの性質は、着色樹脂粒子の粒子径が小さく、脱水性の悪いものほど顕著な傾向がみられる。
不織布を構成する繊維としては、一般に、天然繊維、及び化学繊維とに大別される。
さらに、天然繊維としては、植物質(綿、麻等)、動物質(羊毛、絹等)、鉱物質(石綿等)の3種に分類され、化学繊維としては、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維の4種に分類される。
本発明において、不織布を構成する繊維としては、特に限定されないが、所望の通気度、及び所望の引っ張り強度が得られ、固形分(着色樹脂粒子)が濾布をすり抜け難く、着色樹脂粒子を好適に分離し(捕捉し)、高い収率で含水率が低いウエットケーキ(湿潤状態の着色樹脂粒子)を得ることができることから、合成繊維が好ましく用いられる。
合成繊維としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフルオロエチレン、ポリアクリル、及びポリビニルアルコール等から構成される繊維が挙げられる。
不織布は、それぞれ1種の繊維からなる合成繊維であってもよいが、2種以上の繊維(混合繊維)からなる合成繊維であってもよい。
また、不織布の構造としては、1層構造を有する不織布であってもよいが、多層構造を有する不織布であることが好ましい。
不織布の構造は、好適な引っ張り強度が得られることから、3層構造を有する不織布がより好ましく採用され、具体的には、中心基布の上下を合成繊維で挟み込んで形成される3層構造を有する不織布が好ましく採用される。
本発明で好ましく用いられる不織布としては、ポリプロピレン繊維からなる1層構造を有する不織布;ポリエステル繊維からなる1層構造を有する不織布;ポリプロピレン繊維からなる中心基布の上下をポリプロピレン繊維で挟み込んで形成される3層構造を有する不織布;ポリエステル繊維からなる中心基布の上下をポリプロピレンとポリエチレンの混合繊維で挟み込んで形成される3層構造を有する不織布;等が挙げられる。
また、加圧部ロール4は、通気に用いる気体を供給することが可能な通気手段を有する。
通気手段としては、特に限定されないが、例えば、円形状の通気孔を加圧部ロール4表面に設ける手段が挙げられる。
具体的には、図1の加圧・通気機構Bでは、通気孔から吹き出された気体は、上濾布2を通過して、上下濾布間に挟まれたウエットケーキに達し、当該ウエットケーキに通気がなされて、下濾布1を通じて濾液が排出され、ウエットケーキの含水率の低下が進行する。
図1で用いられる下濾布1は、分離・洗浄機構Aにおいても、加圧・通気機構Bにおいても、固形分(着色樹脂粒子)が濾布をすり抜け難く、且つ、通水性が高い優れた濾過性能が求められることから、主に濾過性能を考慮して選択される必要がある。
図1で用いられる上濾布2は、加圧・通気機構Bにおいては、上下濾布間に挟まれたウエットケーキに通気が十分に達するように、優れた通気性能が求められることから、主に通気性能を考慮して選択される必要がある。
これに対して、図2の加圧・通気機構Bでは、通気孔から吹き出された気体は、下濾布1を通過して、上下濾布間に挟まれたウエットケーキに達し、当該ウエットケーキに通気がなされて、上濾布2、次いでシールベルト5を通じて濾液が排出され、ウエットケーキの含水率の低下が進行する。
図2で用いられる下濾布1は、分離・洗浄機構Aにおいては、固形分(着色樹脂粒子)が濾布をすり抜け難く、且つ、通水性が高い優れた濾過性能が求められる一方で、加圧・通気機構Bにおいては、上下濾布間に挟まれたウエットケーキに通気が十分に達するように、優れた通気性能が求められることから、濾過性能及び通気性能を考慮して選択される必要がある。
図2で用いられる上濾布2は、加圧・通気機構Bにおいて、固形分(着色樹脂粒子)が濾布をすり抜け難く、且つ、通水性が高い優れた濾過性能が求められることから、主に濾過性能を考慮して選択される必要がある。
なお、図2で用いる上濾布2として、主に濾過性能を考慮して選択された場合、通気度が比較的低い特性も併せ持つため、通気孔から吹き出された気体の圧力の強さによっては、張設されていた上濾布2が浮き上がって、ウエットケーキを流動化させてしまう虞があるため、当該上濾布2の浮き上がりを防止する観点から、シールベルト5を設けることが好ましい。
図2で示されるシールベルト5としては、上濾布2の浮き上がりを防止することができ、且つ、上濾布2を通じて排出された濾液を更に通過させることができる構造を有するものであれば、特に限定されず、例えば、通気孔を無数に有する金属製又は樹脂製のシート状ベルトを挙げることができる。
上記加圧部ロール4に設けられる通気孔は、加圧・通気機構で用いる濾布の強度を考慮し、所望の通気度を得る観点から、通気孔を設ける前の加圧部ロール4の全表面積100%に対して、通気孔の合計面積が、20〜70%の割合で設けることが好ましく、30〜65%の割合で設けることがより好ましい。
加圧・通気機構を経て得られるウエットケーキの含水率は、20重量%以下であることが好ましく、16重量%以下であることがより好ましく、12重量%以下であることがさらに好ましい。
上記ウエットケーキの含水率が、上記範囲を超える場合には、次工程の乾燥工程における負荷を軽減させることができず、トナーの生産性に劣る場合がある。
なお、図2の濾布連続走行式ベルトフィルターにおいては、上濾布2の上面に形成されたウエットケーキは、主にウエットケーキ回収領域Eにて回収されることを模式的に図示し、下濾布1の上面に形成されたウエットケーキは、主にウエットケーキ回収領域Fにて回収されることを模式的に図示した。
加圧・通気工程を経て得られるウエットケーキを、固形分濃度が20重量%となるように調製した再分散液を濾過して得られる濾液の電気伝導度は、100μS/cm以下であることが好ましく、60μS/cm以下であることがより好ましく、30μS/cm以下であることがさらに好ましい。
一般に、濾液の電気伝導度は、着色樹脂粒子の洗浄度のレベルを判断する際の指標に用いられている。
なお、電気伝導度は、例えば、堀場製作所社製の電気伝導度計(商品名:ES−12)を用いて測定することができる。
上記ウエットケーキの濾液の電気伝導度が、上記範囲を超える場合には、着色樹脂粒子の洗浄度のレベルが低く、このまま製造されたトナーは、吸湿性が高く、帯電特性が好適に発揮されず、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
このため、濾液の電気伝導度が、上記範囲を超える場合には、着色樹脂粒子の洗浄度のレベルを高める必要がある。
(3)乾燥工程
本工程では、上記(2−2)加圧・通気機構において、含水率が低いウエットケーキを得ることができるため、乾燥工程における負荷を軽減させることができ、生産性に優れた着色樹脂粒子を得ることができる。
上記(2−2)加圧・通気機構を経て得られる含水率が低いウエットケーキを、乾燥する方法としては、特に限定されず、種々の公知の方法を採用することができ、例えば、真空乾燥法、気流乾燥法、噴霧乾燥法、及び流動層乾燥法等を利用した乾燥方法が挙げられる。
乾燥機としては、所望の乾燥した着色樹脂粒子が得られる乾燥機であれば、特に限定されず、種々の市販された乾燥機を用いることができ、例えば、真空乾燥法を利用した乾燥機としては、ホソカワミクロン社製の真空乾燥機(商品名:ナウターミキサー NXV−1)、大川原製作所社製の真空乾燥機(商品名:リボコーン)、神鋼パンテック社製の真空乾燥機(商品名:SVミキサー);気流乾燥法を利用した乾燥機としては、ホソカワミクロン社製の気流乾燥機(商品名:ドライマスターDMR)、セイシン企業社製の気流乾燥機(商品名:フラッシュジェットドライヤー);流動層乾燥法を利用した乾燥機としては、大川原製作所社製の気流層乾燥機(商品名:スリットフロー);等が代表的に挙げられる。
(着色樹脂粒子)
以下において、上記(3)乾燥工程を経て得られる着色樹脂粒子の粒径特性について述べる。
なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないものとの両方を含む。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、高画質の画像形成を行なう観点から、5〜15μmであることが好ましく、6〜12μmであることがより好ましく、7〜10μmであることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、上記範囲未満である場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、上記範囲を超える場合には、高精細な画像形成が難しくなり、得られる画像の解像度が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比である粒径分布(Dv/Dn)は、高画質の画像形成を行なう観点から、1.0〜1.3であることが好ましく、1.0〜1.2であることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の粒径分布(Dv/Dn)が、上記範囲を超える場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
なお、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒径測定機を用いて測定される値であり、例えば、ベックマン・コールター社製の粒径測定機(商品名:マルチサイザー)を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子の平均円形度は、高画質の画像形成を行なう観点から、0.96〜1.00であることが好ましく、0.97〜1.00であることがより好ましく、0.98〜1.00であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が、上記範囲未満である場合には、トナー印字の細線再現性が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
ここで、「円形度」とは、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.4μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式2よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式3より平均円形度(Ca)を求める。
計算式2:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
Figure 0005343795
上記計算式3において、fiは、円形度(Ci)の粒子の頻度である。
上記円形度及び平均円形度は、例えば、シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」、「FPIA−2100」、及び「FPIA−3000」等を用いて測定することができる。
(4)外添工程
本発明のトナーの製造方法においては、上記(3)乾燥工程を経て得られる着色樹脂粒子を、そのままでトナーとすることもできるが、トナーの帯電性、流動性、及び保存性等を調整する観点から、上記(3)乾燥工程を経て得られる着色樹脂粒子を、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行なうことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着させて1成分トナーとしてもよい。
なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
外添処理を行なう攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、細川ミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行なうことができる。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び/又は酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及び/又はメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ、及び/又は酸化チタンが好ましく、特にシリカからなる微粒子が好適である。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることが好ましい。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常、0.05〜6重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
(トナー)
上記(1)〜(4)の工程を含むトナーの製造方法は、湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得る工程において、ベルトフィルターとして、上述した特定の分離・洗浄機構、及び特定の加圧・通気機構を有する濾布連続走行式ベルトフィルターを用いることによって、ウエットケーキの含水率を十分に低下させて、次工程の乾燥工程における負荷を軽減することができる、トナーの生産性に優れた方法である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
(試験方法)
(1)着色樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)
着色樹脂粒子水分散液を得る工程を経て得られた着色樹脂粒子水分散液の一部を採取し、乾燥を行ない、乾燥させた測定試料(着色樹脂粒子)を約10mg精秤し、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、商品名:DSC6220)を用い、ASTMD3418−97に準じて、精秤した測定試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲:0〜150℃の間で、昇温速度:10℃/minの条件下で、着色樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)を測定した。
(2)含水率の測定
加圧・通気機構を経て得られたウエットケーキを、試料として約1g秤量し、アルミニウム皿に採取して、0.1mgまで精秤(W(g))した。
次いで、当該精秤した試料を、105℃に設定した乾燥機に1時間放置し、冷却後の重量を精秤(W(g))し、下記計算式4により含水率(%)を求めた。
Figure 0005343795
(3)ウエットケーキの平均厚さ
分離・洗浄機構を経て得られたウエットケーキを、両端部2cmを切除し、形状を崩さないように5cm巾採取し、厚さ測定ゲージを用いて、ウエットケーキの厚さを横方向等間隔に5カ所で測定し、5カ所の測定値から平均を求めてウエットケーキの平均厚さXmmとした。
(4)電気伝導度の測定
加圧・通気機構を経て得られたウエットケーキを、固形分濃度が20重量%となるように、イオン交換水(電気伝導度:0.5μS/cm)に再分散させた後、濾紙(アドバンテック東洋社製、商品名:No.5C)を用いて濾過し、得られた濾液について、電気伝導度計(堀場製作所社製、商品名:ES−12)で電気伝導度を測定し、下記計算式5により実質の濾液の電気伝導度を求めた。
計算式5:
濾液の電気伝導度(μS/cm)=A−B
A:測定した濾液の電気伝導度(μS/cm)
B:イオン交換水の電気伝導度(μS/cm)
(5)着色樹脂粒子の粒径特性
(5−1)体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び粒径分布(Dv/Dn)
着色樹脂粒子を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mlを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30ml加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。
(5−2)平均円形度
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に着色樹脂粒子0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度を3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−2100)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式2に示され、平均円形度は、その平均を取ったものである。
計算式2:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(6)濾液中の固形分量(ppm)
実施例7〜9の分離・洗浄機構において、下濾布を通過して排出された濾液を全て回収し、当該回収した全濾液中から、500gの濾液を採取し、濾紙(アドバンテック東洋(株)社製、商品名:No.5C)を用いて濾過し、濾紙上に捕集された残渣を105℃のオーブンで2時間乾燥させ、捕集残渣重量(g)を秤量し、下記計算式1により濾液中の固形分量(ppm)を算出して求めた。
Figure 0005343795
(実施例1)
(1)着色樹脂粒子水分散液を得る工程
モノビニル単量体としてスチレン75部及びn−ブチルアクリレート25部、シアン着色剤として銅フタロシアニン(大日精化工業社製、商品名:クロモファインブルー6352)5部、帯電制御剤として正帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:FCA−161P、スチレン/アクリル樹脂)1部、離型剤としてエステルワックス(日油社製、商品名:WEP−7)5部を、攪拌装置で攪拌、混合した後、均一に分散させて、重合性単量体組成物を調製して得た。
他方、室温下(25℃)で、イオン交換水200部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)11部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)6.2部を溶解した水溶液を、撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下(25℃)で、上記重合性単量体組成物を投入し、攪拌翼を備えた攪拌装置を用いて、生成する粗い液滴が安定するまで撹拌を行った。
そこへ、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルブタノエート(アクゾノーベル社製、商品名:トリゴノックス27)5部、分子量調整剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド1部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.4部を添加した後、インライン型乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:キャビトロン)を用いて、周速40m/sで分散処理を行い、重合性単量体組成物の液滴形成を行った。
上記重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)中に、小粒径微粒子抑制剤としてピロガロール(和光純薬工業社製)0.1部を添加し、さらに攪拌した。
上記により得られた懸濁液を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。
重合転化率が95%に達したときに、シェル用重合性単量体としてメチルメタクリレート2.1部、及びイオン交換水20部に溶解した2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名:VA−086、シェル用重合開始剤(水溶性))0.21部を、反応器内に添加した。
その後、さらに、90℃で3時間反応を継続した後、反応を停止し、コアシェル構造を有する着色樹脂粒子水分散液を得た。
上記着色樹脂粒子水分散液を、80℃まで温度を下げて、攪拌しながら窒素ガスを吹き込み、着色樹脂粒子中に残存する揮発性物質を除去し、さらに、30℃まで温度を下げて着色樹脂粒子水分散液を得た。
上記により得られた着色樹脂粒子水分散液を、室温下で、着色樹脂粒子水分散液のpHがpH4になるまで、攪拌しながら、希硫酸を滴下し、酸洗浄することにより、使用した分散安定化剤(水酸化マグネシウム)を水に可溶化させた。この時の着色樹脂粒子水分散液(pH4)の固形分濃度は、21.5重量%であった。
なお、酸洗浄により得られた着色樹脂粒子水分散液の一部を採取し、着色樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)を調べたところ、52.2℃であった。
(2)ウエットケーキを得る工程
(2−1)分離・洗浄機構
上記着色樹脂粒子水分散液(固形分濃度:21.5重量%)に、イオン交換水を加えて攪拌し、固形分濃度が13重量%となるように着色樹脂粒子水分散液の濃度を調整した。
得られた着色樹脂粒子水分散液(固形分濃度:13重量%)を、下記条件にて、図1に示される濾布連続走行式ベルトフィルターの無端状の下濾布1に供給し、当該下濾布1上の着色樹脂粒子に、洗浄水を供給し、分離・洗浄して湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を形成させた。
<分離・洗浄条件>
着色樹脂粒子水分散液の供給量:1.0m/hr
洗浄水の供給量:0.8m/hr
実使用濾過面積:3.5m(有効幅;1.0m×有効長さ;3.5m)
下濾布の移動速度:0.6m/分
下濾布の種類:中尾フィルター社製の「PP−35065−1」
下濾布の材質:ポリプロピレン繊維からなる中心基布の上下をポリプロピレン繊維で挟み込んで形成される3層構造を有する不織布
下濾布の通気度:1cc/cm・秒
下濾布の引っ張り強度:縦方向(濾布進行方向);560N/cm,横方向(濾布幅方向);534N/cm
真空度:40〜51kPa(300〜380Torr)
なお、分離・洗浄機構を経た後のウエットケーキの平均厚さは、6mmであった。
また、分離・洗浄機構を経た後のウエットケーキの一部を採取して含水率を求めたところ、26重量%であった。
(2−2)加圧・通気機構
上記分離・洗浄機構により形成されたウエットケーキに対して、下記条件にて、図1に示される濾布連続走行式ベルトフィルターの上濾布2を重ね合わせて、上下濾布間にウエットケーキを挟んだ状態で加圧しながら、圧縮空気を用いて通気して含水率が低いウエットケーキを得た。
<加圧・通気条件>
実使用濾過面積:3.5m(有効幅;1.0m×有効長さ;3.5m)
上濾布の移動速度:0.6m/分
上濾布の材質:ポリエステル繊維からなる1層構造を有する不織布
上濾布の通気度:28.3cc/cm・秒
圧縮空気の通気時間:30秒
圧縮空気の圧力:0.4MPa
圧縮空気の温度:25℃
加圧面の圧力:0.5MPa
なお、加圧・通気機構を経た後のウエットケーキの一部を採取し、含水率を測定したところ、10.1重量%であった。また、加圧・通気機構を経た後のウエットケーキの一部を採取し、電気伝導度の測定試験に供したところ、7.5μS/cmであった。
(3)乾燥工程
上記により得られたウエットケーキ(含水率:10.1重量%)を回収し、当該ウエットケーキを、真空乾燥機に投入して、下記条件にて、真空乾燥を行ない、着色樹脂粒子を得た。
<乾燥条件>
真空度:6.67kPa(50Torr)
ジャケット温度:50℃
なお、乾燥により得られた着色樹脂粒子の一部を採取し、着色樹脂粒子の粒径特性を調べたところ、体積平均粒径(Dv)は7.8μm、粒径分布(Dv/Dn)は1.18、平均円形度は0.980であった。
(4)外添工程
上記により得られた着色樹脂粒子100部に、外添剤として、環状シラザンで疎水化処理した個数平均一次粒径が7nmのシリカ微粒子(キャボット社製、商品名:TG820F)0.5部、及びポリメチルシロキサンとアミノシランで疎水化処理した個数平均一次粒径が40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:NA50Y)1.0部を添加し、高速攪拌機(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて、混合攪拌して外添処理を行ない、実施例1のトナーを作製し、試験に供した。
(実施例2)
実施例1の分離・洗浄機構において、着色樹脂粒子水分散液の供給量を、1.0m/hrから2.0m/hrに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを作製し、試験に供した。
(実施例3)
実施例1の分離・洗浄機構において、着色樹脂粒子水分散液の供給量を、1.0m/hrから2.0m/hrに変更し、加圧・通気機構において、圧縮空気の通気時間を、30秒から20秒に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを作製し、試験に供した。
(実施例4)
実施例1の加圧・通気機構において、圧縮空気の通気時間を、30秒から90秒に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを作製し、試験に供した。
(実施例5)
実施例1の加圧・通気機構において、圧縮空気の温度を、25℃から42℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナーを作製し、試験に供した。
(実施例6)
実施例1の加圧・通気機構において、圧縮空気の圧力を、0.4MPaから0.3MPaに変更し、加圧面の圧力を、0.5MPaから0.4MPaに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例6のトナーを作製し、試験に供した。
(実施例7)
実施例1の着色樹脂粒子水分散液を得る工程において、室温下(25℃)で、イオン交換水200部に塩化マグネシウム12.3部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水溶液を、撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製する変更を行い、酸洗浄後の固形分濃度が15.8重量%となった着色樹脂粒子水分散液(pH4)に、イオン交換水を加えて攪拌し、固形分濃度が13重量%となるように着色樹脂粒子水分散液の濃度を調整する変更を行った。
また、実施例1の分離・洗浄機構においては、下記条件にて、図2に示される濾布連続走行式ベルトフィルターの無端状の下濾布1に供給する変更を行った。
<分離・洗浄条件>
着色樹脂粒子水分散液の供給量:0.4m/hr
洗浄水の供給量:0.25m/hr
実使用濾過面積:0.7m(有効幅;0.25m×有効長さ;2.8m)
下濾布の移動速度:1.2m/分
真空度:21kPa(158Torr)
さらに、実施例1の加圧・通気機構においては、下記条件にて、図2に示される濾布連続走行式ベルトフィルターの上濾布及びシールベルトを重ね合わせる変更を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例7のトナーを作製し、試験に供した。
<加圧・通気条件>
実使用濾過面積:0.7m(有効幅;0.25m×有効長さ;2.8m)
上濾布の移動速度:1.2m/分
シールベルトの移動速度:1.2m/分
上濾布の材質:ポリプロピレン繊維からなる1層構造を有する不織布
上濾布の通気度:1.3cc/cm・秒
圧縮空気の圧力:0.3MPa
(実施例8)
実施例7の分離・洗浄機構において、下濾布の種類を、中尾フィルター社製の「PP−35065−1」から月島機械社製の「WN700PS」(:品名、材質:ポリエステル繊維からなる中心基布の上下をポリプロピレンとポリエチレンの混合繊維で挟み込んで構成される3層構造を有する不織布、通気度:0.6cc/cm・秒、引っ張り強度:縦方向(濾布進行方向);690N/cm,横方向(濾布幅方向);702N/cm)に変更したこと以外は、実施例7と同様にして実施例8のトナーを作製し、試験に供した。
(実施例9)
実施例8の加圧・通気機構において、圧縮空気の温度を、25℃から42℃に変更したこと以外は、実施例8と同様にして実施例9のトナーを作製し、試験に供した。
(比較例1)
実施例1の分離・洗浄機構において、加圧・通気機構を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを作製し、試験に供した。
(結果)
各実施例及び比較例で作製したトナーの試験結果を、表1及び表2に示す。
Figure 0005343795
Figure 0005343795
(結果のまとめ)
表1に記載されている試験結果より、以下のことが分かる。
比較例1のトナーの製造方法は、ウエットケーキを得る工程において、本願発明で特定した加圧・通気機構を設けなかったことに起因し、含水率を十分に低下させることができなかったことに加え、着色樹脂粒子の洗浄が不十分であったことも確認された。
これに対して、実施例1〜9のトナーの製造方法は、ウエットケーキを得る工程において、本願発明で特定した分離・洗浄機構、及び加圧・通気機構を設けたことに起因し、含水率を十分に低下させることができたことに加え、着色樹脂粒子の洗浄が十分に行われたことも確認された。
さらに、実施例8〜9のトナーの製造方法では、下濾布として月島機械社製の「WN700PS」を用いたことに起因して、回収した濾液中に含まれる固形分量(着色樹脂粒子の量)が非常に少なく、下濾布の濾過性能が高いことが確認され、着色樹脂粒子の収率を向上させる効果が得られた。
A 分離・洗浄機構
B 加圧・通気機構
C ウエットケーキ入り込み領域
D 通気・濾液排出領域
E 上濾布上面に形成されたウエットケーキ回収領域
F 下濾布上面に形成されたウエットケーキ回収領域
M 濾液回収・供給機構
N 濾液回収・供給機構
1 下濾布
2 上濾布
3 ロール
4 加圧部ロール
5 シールベルト

Claims (7)

  1. 湿式法により着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、当該着色樹脂粒子水分散液をベルトフィルターに供給し、固液分離して湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得る工程及び当該ウエットケーキを乾燥する工程を含むトナーの製造方法であって、
    上記ウエットケーキを得る工程において、ベルトフィルターとして、濾布連続走行式ベルトフィルターを用い、
    上記濾布連続走行式ベルトフィルターが、当該ベルトフィルターの下濾布に、着色樹脂粒子水分散液を供給し、着色樹脂粒子を分離・洗浄してウエットケーキを形成する分離・洗浄機構を有し、且つ、当該ウエットケーキに対して上濾布を重ね合わせて、上下濾布間にウエットケーキを挟んだ状態で、加圧しながら通気して含水率が低いウエットケーキを得る加圧・通気機構を有することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記加圧・通気機構において、通気に用いる気体が、圧縮空気であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記圧縮空気の圧力が、0.2〜1.5MPaであることを特徴とする請求項2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記加圧・通気機構において、通気に用いる気体の温度T(℃)と、着色樹脂粒子のガラス転移温度Tg(℃)との関係が、Tg−35℃<T<Tg+20℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 前記加圧・通気機構において、加圧面の圧力が、0.2〜1.5MPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  6. 前記濾布連続走行式ベルトフィルターの下濾布の通気度が、0.1〜10cc/cm・秒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  7. 前記濾布連続走行式ベルトフィルターの下濾布の引っ張り強度が、下濾布の進行方向及び下濾布の幅方向に対して、それぞれ150〜1200N/cmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
JP2009225543A 2008-10-01 2009-09-29 トナーの製造方法 Active JP5343795B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009225543A JP5343795B2 (ja) 2008-10-01 2009-09-29 トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008256274 2008-10-01
JP2008256274 2008-10-01
JP2009225543A JP5343795B2 (ja) 2008-10-01 2009-09-29 トナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010107973A JP2010107973A (ja) 2010-05-13
JP5343795B2 true JP5343795B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=42297418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009225543A Active JP5343795B2 (ja) 2008-10-01 2009-09-29 トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5343795B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4840068A (ja) * 1971-09-14 1973-06-12
JPS63134013A (ja) * 1986-11-26 1988-06-06 Ishigaki Kiko Kk 多段転着ロ−ル装置
DE3709329A1 (de) * 1987-03-21 1988-09-29 Dorr Oliver Inc Verfahren zum entwaessern von filterkuchen und vorrichtung zur durchfuehrung des verfahrens
JP4552372B2 (ja) * 2002-03-20 2010-09-29 日本ゼオン株式会社 水平ベルト式真空濾過装置を用いたトナーの製造方法
JP4683649B2 (ja) * 2006-05-29 2011-05-18 キヤノン株式会社 トナー粒子の製造方法
JP2007316488A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Canon Inc トナー粒子の濾別システム及び濾別方法
JP2008070703A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Ricoh Co Ltd 静電荷現像用トナーの製造方法
JP4381462B1 (ja) * 2008-10-29 2009-12-09 月島機械株式会社 固液分離装置、濾過装置、および固液分離方法
JP5200838B2 (ja) * 2008-10-01 2013-06-05 日本ゼオン株式会社 トナーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010107973A (ja) 2010-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5400429B2 (ja) 濾布走行式ベルトフィルター及びトナー粒子の製造方法
JP2009145885A (ja) トナー、該トナーの製造方法、該トナーを利用した画像形成方法及び画像形成装置
JP2014209188A (ja) トナー母粒子及び静電荷像現像用トナー
JP2007316488A (ja) トナー粒子の濾別システム及び濾別方法
JP5343795B2 (ja) トナーの製造方法
JP4552372B2 (ja) 水平ベルト式真空濾過装置を用いたトナーの製造方法
JP5200838B2 (ja) トナーの製造方法
US8247154B2 (en) Method for producing toner
JP4683649B2 (ja) トナー粒子の製造方法
JP2008139633A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5444890B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP4018351B2 (ja) 重合法トナーの製造方法
JP2010224527A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2004279483A (ja) 重合トナーの製造方法
US7910280B2 (en) Method for producing polymerized toner
JP4033020B2 (ja) 重合トナーの製造方法
US10409182B2 (en) Method for producing toner for developing electrostatic images
JP2003012716A (ja) 重合体粒子分散液の分離方法
JP5478972B2 (ja) トナー粒子の製造方法
CN101248394A (zh) 静电图像显影用调色剂的制造方法和筛装置
JP5821215B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP3972975B2 (ja) 重合法トナーの製造方法
JP5699813B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2009036904A (ja) 重合トナーの製造方法
JP4023168B2 (ja) トナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120326

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130716

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5343795

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250