JP5342430B2 - 冗長化通信装置 - Google Patents
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Description
この構成では、全てのスレーブ装置がデイジーチェーン接続されていること及び全てのスレーブ装置がマスター装置を兼ね得る仕様とする必要がある。
しかしながら、複数のスレーブ装置が1台のマスター装置に接続されるバス型伝送路を備えた通信装置では、対等な関係にあるスレーブ装置が複数併存するため、この方式を直接適用できないという問題があった。
それぞれがスレーブ装置を制御する複数のマスター装置と、
各マスター装置にデータを配信するサーバとがバス型伝送路で接続された冗長化通信装置であって、
スレーブ装置は、
バス型伝送路の通信断を検出する通信断検出手段と、
バス型伝送路に接続されている複数のマスター装置のプリアンブルパタンを有し、スレーブ装置から送信する送信データのプリアンブルパタンを、次に接続すべきマスター装置のプリアンブルパタンに変更するプリアンブルパタン変更手段とを備え、
スレーブ装置は、接続しているマスター装置との間の通信異常を検出したときは、次にスレーブ装置が接続すべきマスター装置を自ら選択して接続することを特徴とするものである。
バス型伝送路の通信断を検出する通信断検出手段と、
バス型伝送路に接続されている複数のマスター装置のプリアンブルパタンを有し、スレーブ装置から送信する送信データのプリアンブルパタンを、次に接続すべきマスター装置のプリアンブルパタンに変更するプリアンブルパタン変更手段とを備え、
スレーブ装置は、接続しているマスター装置との間の通信異常を検出したときは、次にスレーブ装置が接続すべきマスター装置を自ら選択して接続することを特徴とするものなので、障害が発生しても通信装置全体の運用を継続でき、通信品質を確保できる。
また、装置二重化の必要がなく二重化のための装置コストや、設置スペースが不要となる。
この発明に係る冗長化通信装置の実施の形態1を図を用いて説明する。
図1は冗長化通信装置100(以下装置100という)の全体構成を示す概念図であり、正常動作時の状態を示している。図2は、装置100のマスター装置1bに不具合が発生した状態を示している。図1及び図2に示す装置100を列車の通信装置として適用したものが図3及び図4である。
本発明に係る冗長化通信装置は、ビル間や、移動体間の通信を確保するため使用する装置であるが、伝送路は、有線でも無線でも構わない。
バス型の伝送路4にサーバ3、マスター装置1a、1b、スレーブ装置2a〜2z及びスレーブ装置21a〜21zが接続されている。各装置が正常に動作しているとき、破線で囲まれたグループ101内の各スレーブ装置2a〜2zはマスター装置1aの制御下に置かれ、グループ102内のスレーブ装置21a〜21bの各スレーブ装置はマスター装置1bの制御下に置かれている。このような接続とすることにより、サーバ3から各装置に提供されるデータがスムーズに流れるよう通信処理を装置100内の複数のマスター装置に分散して担当させている。
マスター装置の1台が故障した場合の各スレーブ装置の動作について図3及び図4を用いて説明する。
具体的には図4に示すように、スレーブ装置21aはマスター装置1aに自ら接続し、スレーブ装置21b〜21zはマスター装置1cに自ら接続する。
このように、故障前にマスター装置1bが制御していたグループ102に属するスレーブ装置21a〜21zはそれぞれが最適と判断したマスター装置の制御下に自ら入ることになる。
図5は、装置100で使用するスレーブ装置2aの構成を示すブロック図である。
スレーブ装置2aは変復調手段51と、ブリッジ52と、ブリッジバッファ53と、周波数帯域変更手段56と、プリアンブルパタン変更手段57と、通信断検出手段58と、CPU60とから構成されている。
そして、スレーブ装置2aの変復調手段51は、外部にあってこのスレーブ装置2aを制御下に置くマスター装置1aと伝送路4で接続されている。
また、変復調手段51はブリッジ52を介してマスター装置1aから受け取ったデータを処理するPC7に接続されている。
構成としては受信信号タイミングを検出する同期回路、送信側で変調した信号を復調する復調回路、誤り訂正機能等を有するがここでは詳細は省略する。
図5に示すように、変復調手段51の受信側はマスター装置1aからの信号を伝送路4を通して受信し、予め定められた方式で復調してブリッジ52を介してPC7へイーサネット(登録商標)形式のデータとして受け渡す。反対に、送信側は、PC7からブリッジ52を介して受け取ったイーサネット(登録商標)形式データを予め定めた方式で変調して伝送路4を通してマスター装置1aへ送信する。
変復調手段51の主たる機能は前述の通りであるが、スレーブ装置2aは、万一、このスレーブ装置2aが接続するマスター装置1aに故障が発生し、データ通信が途絶えた場合に備えて、他のマスター装置に自ら接続するための各種の手段を備えている。
通信断検出手段58は、このスレーブ装置2aが接続するマスター装置1aとの通信プロトコルを監視する。そして、例えば一定時間受信がない場合、ACK等の応答が返らない場合、或いは、ヘルスチェック機能等を設け、その応答が返らない等の条件設定により通信断を検出する。
その他、通信断を検出する要因としては、例えばマスター装置の故障や、伝送路が減衰のみではなくレベルの大きなノイズ等も想定される。
スレーブ装置2aが、通信断検出手段58により通信断を検出した場合、内部タイマー等により一定時間経過後、通信断が発生したマスター装置との接続をスレーブ装置2a側からも切断する。
このような場合でも継続して安定した通信の確保を行うため、スレーブ装置2aは新たに接続すべきマスター装置を選択することで冗長化構成を実現する。
スレーブ装置2aが新たなマスターを探索するにあたり、プリアンブルパタン変更手段57は、以後送出するデータのプリアンブルパタンを、予め当該手段に登録しておいた他のマスター装置のプリアンブルパタンに変更する要求を変復調手段51に通知して新たなマスター装置の探索を行う。
周波数帯域変更手段56は、図7に示すような周波数帯域の一覧を保持している。予め設定されたこれらの周波数帯域の中から現在使用する周波数と異なる周波数帯域を変復調手段51へ設定する。
変復調手段51は、設定された周波数帯域を送信部及び受信部へ設定し新たに接続すべきマスター装置の探索を開始する。新たなマスター装置との通信が完了した場合は、当該マスター装置は、スレーブ装置2aの参入処理を行う。もし、新たなマスター装置が探索されず通信が確立しなかった場合は、周波数帯域変更手段56はさらに新たな周波数帯域を変復調手段51へ設定する。
また、装置二重化の必要がなく二重化のための装置コストや、設置スペースが不要となる。
この発明に係る冗長化通信装置の実施の形態2を図8を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図8は、冗長化通信装置200(以下装置200という)で使用するスレーブ装置202aの構成を示すブロック図である。
図9は、この実施の形態で使用するマスター選択リスト55に記載するデータの1例を示す図である。
スレーブ装置202aのマスター選択手段54は、マスター選択リスト55を元に、次にスレーブ装置202aが接続すべきマスター装置を選択する。
マスター選択リスト55には、予め、スレーブ装置202aが接続可能なマスター装置の諸情報を記載している。
「排他」の欄には、このスレーブ装置202aからの接続を禁止するマスター装置がある場合には、その装置にマークを記載する。
マスター選択手段54が使用するマスター選択リストのデータ欄は、1つのみを使用しても良いし、複数の欄を使用して条件を組み合わせても良い。組合せによってマスター装置を選択するための複数のルールを設定できる。
これらのルールのアルゴリズムについては外部接続したPC等により変更可能であり、マスター選択リストの編集も可能である。
例えば、「優先順位」と「排他」欄を使用する場合は、優先順位に従い、「排他」に該当しないマスター装置に接続するルール等を使用する。
尚、マスター装置の識別には、図10に示すようにフレームのヘッダ部の一部にMACアドレスや識別コードを設ければよい。
また、それぞれのスレーブ装置が最適なマスター装置を選択することが可能であり、トラフィック容量や伝送路特性が既知である場合には事前のネットワーク設計に従って任意にマスター選択リストを作成できる利点がある。
この発明に係る冗長化通信装置の実施の形態3を図11を用いて、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。
図11は、冗長化通信装置300(以下装置300という)で使用するスレーブ装置302aの構成を示すブロック図である。
図12はこの実施の形態で追加された手段のブロック図である。
実施の形態2で説明した各手段の他に、この実施の形態におけるスレーブ装置302aの変復調手段351は、このスレーブ装置302aが接続しているマスター装置301aからの信号の受信電力を測定する受信電力測定手段59を備えている。信号の受信電力の測定は、例えばフレームの先頭のプリアンブルでの受信電力を測定する。
また、図12に示すマスター装置301aは、各スレーブ装置に送信する信号の送信電力を増幅する電力増幅手段9を備えている。
以下、後者の場合を例に説明する。
スレーブ装置302aと旧マスター装置との間の通信が遮断され、スレーブ装置302aが新たなマスター装置301aの制御下に入ったが、受信電力が小さすぎて通信状態が不安定になる場合がある。
このような場合、スレーブ装置302aはマスター装置301aに対し、送信電力の増幅を要請する必要がある。
受信電力期待値は、例えば復調動作が可能な最低の電力値を設定する。受信電力が期待値より低下する要因としては、例えばマスター装置の故障による送信電力低下や、伝送路減衰が大きく十分な受信電力が得られない場合を想定する。
指令を受けた受信電力通知手段8は専用プロトコルにてマスター装置301aに対し送信電力を上げるよう、現在の受信電力の値を添付して通知する。
この実施の形態によれば、例えば移動体通信において、移動局は、受信電力の測定結果で通信品質に問題がある場合には、送信電力を大きくするよう基地局に要求し、基地局は当該要求に基づき移動局に向けた信号の送信電力を制御することにより、移動局における基地局からの信号受信品質をほぼ一定に保てるという効果がある。
この発明に係る冗長化通信装置の実施の形態4を図13を用いて、実施の形態4と異なる部分を中心に説明する。
図13は、冗長化通信装置400(以下装置400という)で使用するスレーブ装置402aの構成を示すブロック図である。
外見上の構成は実施の形態3のスレーブ装置302aと同じである。
異なる部分は、マスター選択手段454の機能及びマスター選択リスト455が、図示しない「測定受信電力」欄を有する点である。
そしてそれぞれのマスター装置からの信号の受信電力を対応するマスター選択リスト455の「測定受信電力」欄に記載する。
次に、マスター選択手段454は、マスター選択リスト455に記載した測定受信電力を元に、十分な受信電力を期待できるマスター装置に接続するよう各種データを変復調手段451に設定する。
これにより、スレーブ装置402aは、新たなマスター装置に接続後、直ちに最適な通信を開始でき、接続当初から通信の品質を確保することができる。
この発明に係る冗長化通信装置の実施の形態5を図14を用いて、実施の形態4と異なる部分を中心に説明する。
図14は、冗長化通信装置500(以下装置500という)で使用するスレーブ装置502aの構成を示すブロック図である。
実施の形態4のスレーブ装置402aの構成に加えて、通信量監視手段50を設けている。
通信量監視手段50は、ブリッジバッファ53のバッファ容量及びバッファあふれを監視する。
図14は、スレーブ装置502aに備えたブリッジ52及びブリッジバッファ53を示しているが、マスター装置側にも同様のブリッジ及びバッファを備えている。
図15は、装置500に接続された、あるマスター装置501xのブリッジ92とその周辺の要部ブロック図である。
ブリッジバッファ93は、PC等の端末とブリッジ92間のデータの通信速度と、マスター装置501xと、これに接続している各スレーブ装置間の通信速度差によって発生する通信データ量の差を吸収するための装置であってデータの差分を一時的に保存するデータメモリ領域を有する。
ブリッジバッファ93は、例えば、FIFO(FIRST IN FIRST OUT)のようなメモリ機能である。
ここで、例えば、図15において、マスター装置501xがPC等のデータ端末からデータを受信する場合、マスター装置501xと各スレーブ装置間の伝送路4の帯域が十分でなければ、ブリッジバッファ93の送信バッファは伝送路4へデータをスムーズに送信できなくなる。
すると、バッファ残量が次第に小さくなり、バッファあふれが発生する場合がある。
また、マスター装置501xが複数のスレーブ装置からデータを受信する場合、スレーブ装置の数が多く、総合データ量が大きい場合は、データ端末側へデータを十分に送り出せず、バッファ残量が小さくなってバッファあふれが発生する。
通信量監視手段90がバッファ異常を検出すると、マスター装置501xは、装置500の全てのスレーブ装置に割り込んで接続し、注意情報を送信する。
マスター装置501xから注意情報を受信した各スレーブ装置は、以後マスター装置501xには接続しないようにするために次の処理をする。
3 サーバ、4 伝送路、50 通信量監視手段、
51,251,351,451 変復調手段、52,92 ブリッジ、
53,93 ブリッジバッファ、54,454,554 マスター選択手段、
55 マスター選択リスト、56 周波数帯域変更手段、
57 プリアンブルパタン変更手段、通信断検出手段、59 受信電力測定手段、
60,7 CPU、8 受信電力通知手段、9 電力増幅手段、90 通信量監視手段、100,200,300,400,500 冗長化通信装置。
Claims (8)
- それぞれがスレーブ装置を制御する複数のマスター装置と、
各前記マスター装置にデータを配信するサーバとがバス型伝送路で接続された冗長化通信装置であって、
前記スレーブ装置は、
前記バス型伝送路の通信断を検出する通信断検出手段と、
前記バス型伝送路に接続されている前記複数のマスター装置のプリアンブルパタンを有し、前記スレーブ装置から送信する送信データのプリアンブルパタンを、次に接続すべきマスター装置のプリアンブルパタンに変更するプリアンブルパタン変更手段とを備え、
前記スレーブ装置は、接続しているマスター装置との間の通信異常を検出したときは、次に前記スレーブ装置が接続すべきマスター装置を自ら選択して接続することを特徴とする冗長化通信装置。 - 前記スレーブ装置は、前記スレーブ装置が接続するそれぞれのマスター装置が通信に使用する周波数に合わせて、前記スレーブ装置が送受信のために使用する周波数を変更する周波数帯域変更手段を有することを特徴とする請求項1に記載の冗長化通信装置。
- 前記スレーブ装置には、前記スレーブ装置が接続可能なマスター装置のマスター番号を記載したマスター接続リストと、
前記マスター接続リストから前記スレーブ装置が接続すべきマスター装置を選択するマスター選択手段とを備え、
前記マスター接続リストには、前記スレーブ装置が接続可能なマスター装置の優先順位を記載し、前記マスター選択手段は、前記優先順位に従って接続すべきマスター装置を選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冗長化通信装置。 - 前記マスター接続リストには、前記スレーブ装置の接続を禁止するマスター装置を記載し、前記マスター選択手段は、前記マスター装置を除外して接続すべきマスター装置を選択することを特徴とする請求項3に記載の冗長化通信装置。
- 前記マスター接続リストは、前記スレーブ装置が接続可能な各マスター装置から受信する信号の標準受信電力の値を有し、
前記スレーブ装置は、接続しているマスター装置からの信号の受信電力を計測する受信電力測定手段を備え、
前記受信電力測定手段が、前記標準受信電力の値から前記マスター装置の異常を検知したときは、前記マスター装置との接続を切断し、次に接続すべきマスター装置に接続することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の冗長化通信装置。 - 前記スレーブ装置は、接続している所定のマスター装置からの信号の受信電力を周期的に測定する受信電力測定手段を備え、
前記マスター接続リストは前記受信電力の値を有し、
前記マスター選択手段は、前記マスター接続リストに記載した受信電力の値を比較して次に接続すべきマスター装置を選択することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の冗長化通信装置。 - 前記スレーブ装置は、前記マスター装置からの信号の受信電力が期待値より低い場合に、前記マスター装置に対し、現在の前記マスター装置からの信号の受信電力を通知する受信電力通知手段を有し、
前記マスター装置は、受け取った前記受信電力の値と、現在の前記スレーブ装置への信号の送信電力の値を元に、前記送信電力を増幅する電力増幅手段を有し、
前記スレーブ装置は、新たなマスター装置と接続する前に、現在接続中のマスター装置に対して送信電力の増幅を要求することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の冗長化通信装置。 - 前記マスター装置は、接続しているスレーブ装置との通信量を調整するブリッジバッファ及び前記通信量の異常を監視し、前記異常を冗長化通信装置内の所定のスレーブ装置に通知する通信量監視手段を備え、
前記通知を受けた各スレーブ装置は、前記マスター接続リストに前記マスター装置を、接続を禁止するマスター装置として記載することを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の冗長化通信装置。
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