JP5341818B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
複数の気筒を備える内燃機関において、気筒間で混合気の空燃比がばらつくと、排ガスを浄化する触媒の浄化率が低下し、エミッションが悪化するおそれがある。そのため、該ばらつきを解消すべく、気筒毎に燃料噴射量を補正することが提案されている。
下記の特許文献1では、触媒の上流に設けられたメインセンサに対する空燃比ばらつき検査対象気筒の排気ガス当たりが、他の気筒の排気ガス当たりよりも弱い場合であって、メインセンサ出力値に基づく空燃比フィードバック制御を実行しているときに、触媒下流に設けられたサブセンサ出力値がリッチを示す場合には、該空燃比ばらつき検査対象気筒の空燃比が、他の気筒に対してリッチ側にばらついていると判断し、この判断に基づき気筒毎の燃料噴射量を補正することが記載されている。
上記の技術では、触媒上流に設けられたメインセンサのガス当たりは考慮されるが、触媒ないし触媒下流に設けられたサブセンサのガス当たりについては考慮されていない。また、サブセンサの出力が正しいと仮定して燃料噴射量の補正を行っているが、仮にサブセンサに対するガス当たりが不均一である場合、このような補正を行うと空燃比制御の精度が低下するおそれがある。
したがって、この発明の目的は、触媒ないし触媒下流に設けられた、空燃比を検出するためのセンサのガス当たりを考慮することで、より適切な空燃比制御を実現できるような手法を提案する。
この発明の一つの側面によると、複数の気筒を備える内燃機関の制御装置は、該内燃機関の排気通路に設けられる触媒(15)の上流に配置される第1の空燃比センサ(16)と、前記触媒内または該触媒の下流に配置される第2の空燃比センサ(17)と、各気筒について、該気筒から排出された排気ガスが前記第2の空燃比センサの出力に寄与する率(K(i))を推定する寄与率推定手段(72)と、前記第1の空燃比センサにより検出される各気筒の空燃比(AF(i))、および、前記寄与率推定手段により推定される各気筒の寄与率(K(i))から、前記第2の空燃比センサ近傍に存在する排気ガスの空燃比を、第1空燃比推定値として推定する第1空燃比推定手段(73)と、前記第1の空燃比センサにより検出される各気筒の空燃比(AF(i))の平均値に基づいて、前記第2の空燃比センサの近傍に存在する排気ガスの空燃比を、第2空燃比推定値として推定する第2空燃比推定手段(74)と、前記第1空燃比センサにより推定される第1空燃比推定値および前記第2空燃比推定手段により推定される第2空燃比推定値に基づいて、前記第2の空燃比センサの空燃比出力ずれを補正する補正手段(77)と、を備える。
この発明によれば、各気筒から排出された排気ガスの第2の空燃比センサの出力に寄与する率に基づいて、触媒または触媒下流に設けられた第2の空燃比センサの空燃比出力ずれを補正するので、各気筒からの排気ガスの該第2の空燃比センサへのガス当たりを考慮した補正を行うことが可能となる。したがって、こうして補正された第2の空燃比センサの出力を用いることにより、より良好な精度の空燃比制御を行うことができる。気筒間に空燃比のばらつきがある場合でも、触媒における空燃比を、その浄化性能が最大となるよう制御できるため、エミッション性能および商品性を向上させることができる。
この発明の一実施形態によると、前記寄与率推定手段は、各気筒から排出される排気ガス量に応じて設定される。こうして、寄与率を、各気筒からの排ガス量に応じて推定するので、該寄与率の精度を向上させることができる。また、内燃機関の運転状態に応じて、第2の空燃比センサの寄与率を推定することにより、運転状況に応じた補正を行うことが可能となり、エミッション性能に関して、そのタフネスを向上させることができる。
本発明のその他の特徴及び利点については、以下の詳細な説明から明らかである。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に従う、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)およびその制御装置の全体的な構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、中央演算処理装置(CPU)およびメモリを備えるコンピュータである。メモリには、車両の様々な制御を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なデータ(マップを含む)を格納することができる。ECU1は、車両の各部から信号を受取ると共に、該メモリに記憶されたデータおよびプログラムに従って演算を行い、車両の各部を制御するための制御信号を生成する。
エンジン2は、複数の気筒(この実施形態では、4気筒)を有するエンジンである。エンジン2には、吸気バルブのバルブタイミングを変更可能な連続可変動弁機構31が設けられており、これは、この実施形態では、可変リフト機構および可変位相機構を含む。可変リフト機構は、ECU1からの制御信号に従って、各気筒の吸気バルブのリフト量を連続的に変更することができる機構である。可変リフト機構の一例は、後述される。可変位相機構は、ECU1からの制御信号に従って、各気筒の吸気バルブの位相を連続的に変更することができる機構である。可変位相機構は、任意の既知の手法により実現することができる。たとえば、電磁的に吸気バルブの位相を進角または遅角に制御する手法が提案されている(たとえば、特開2000―227033号を参照)。
連続可変動弁機構31には、各気筒の吸気バルブのリフト量を検出するためのセンサ32が設けられており、該センサ32の検出結果は、ECU1に送られる。
なお、この実施形態では、リフト量および位相を連続的に変更可能なようになっているが、これに限定されるものではなく、リフト量および位相を段階的(ステップ状)に変更可能な機構にも、本願発明は適用可能である。
エンジン2には、吸気通路3および排気通路4が連結されている。吸気通路3には、スロットル弁5が設けられている。スロットル弁5の開度は、ECU1からの制御信号に従って制御される。スロットル弁5には、スロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度(θTH)センサ6が連結されており、この検出値は、ECU1に送られる。
この実施形態では、エンジン2の各気筒への吸入空気量は、スロットル弁5の開度を制御することだけでなく、連続可変動弁機構31を介して各気筒の吸気バルブのリフト量を制御することによって実現される。
燃料噴射弁7が、エンジン2とスロットル弁5との間であって、エンジン2の吸気バルブ(図示せず)の少し上流側に、気筒ごとに設けられている。燃料噴射弁7は、燃料タンク(図示せず)に接続されており、燃料タンクからの燃料を噴射する。燃料噴射弁7の燃料噴射時期および燃料噴射量は、ECU1からの制御信号に従って変更される。
スロットル弁5の上流には、吸気通路3を流れる空気の量を検出するエアフローメータ(AFM)8が設けられている。
スロットル弁5の下流には、絶対圧(PB)センサ9が設けられており、吸気通路3内の圧力PBを検出する。また、絶対圧センサ9の下流には吸気温(TA)センサ10が設けられており、吸気通路3内の温度を検出する。これらの検出値は、ECU1に送られる。また、エンジン2には、エンジンの水温TWを検出するためのエンジン水温センサ11が設けられており、該センサの検出値は、ECU1に送られる。さらに、大気圧PAを検出するための大気圧センサ12がエンジン外部の任意の位置に設置されており、該センサの検出値はECU1に送られる。
ECU1には、エンジン2のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ13が接続されており、該センサの検出値はECU1に供給される。クランク角センサ13は、所定のクランク角度(たとえば30度)毎に1パルス(CRKパルス)を発生し、該パルスにより、クランク軸の回転角度位置を特定することができる。ECU1は、該CRKパルスに基づいてエンジン回転数NEを算出する。また、クランク角センサ13は、ピストンの上死点(TDC)位置に関連したクランク角度で、TDC信号をECU1に出力する。
燃料噴射弁7からの燃料および吸気通路3からの空気の混合気がエンジン2の各気筒内で燃焼した結果、各気筒からの排気ガスが排気通路4に流出される。排気通路4には、たとえば種々の触媒によって実現されることのできる触媒装置(CAT)15が設けられており、該排気通路に流出される排気ガスを浄化して、大気に放出する。
触媒装置15の上流には、排気ガスの空燃比を検出するための空燃比(LAF)センサ16が設けられている。空燃比センサ16は、混合気のリーンからリッチにわたる領域の空燃比をリニアに検出してECU1に送る。この実施例では、空燃比センサ16の出力から、検出当量比KACTが検出される。検出当量比KACTは、空燃比を示す信号であり、「理論空燃比/空燃比」によって算出される。検出当量比KACTの値が1より小さければ、空燃比がリーンであることを示し、1より大きければリッチであることを示す。
触媒装置15内には、排ガス(O2)センサ17が設けられている。排ガスセンサ17は、2値型の排気ガス濃度センサである。排ガスセンサ17は、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるとき高レベルの信号を出力し、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるとき低レベルの信号を出力する。出力された信号は、ECU1に送られる。代替的に、排ガスセンサ17を、触媒装置15の下流に配置してもよい。
ECU1は、上記各種センサからの入力信号に応じて、メモリに記憶されたプログラムおよびデータ(マップを含む)に従い、エンジン2の運転状態を検出すると共に、スロットル弁5、燃料噴射弁7、および可変動弁機構31等を制御するための制御信号を生成する。
図2は、図1のエンジン2が直列4気筒エンジンである場合の、空燃比(LAF)センサ16および排ガスセンサ17の配置を説明するための概略図である。このエンジンでは、4つの気筒2aから2dが設けられ、吸気通路3の集合部35で分岐された吸気管3aから3dは各気筒に連結され、各気筒の排気管4a〜4bは、集合部36において排気通路4に連結されている。空燃比センサ16は、該排気通路4上の該集合部36よりも下流に設けられており、排ガスセンサ17は、さらにその下流に配置される触媒装置15内に設けられている。前述したように、排ガスセンサ17を、触媒装置15のさらに下流に配置してもよい。
図3は、図1の可変動弁機構31に搭載される可変リフト機構の一例を説明するための図である。可変リフト機構は、(a)に示すように、カム62が設けられたカムシャフト61と、カムホルダに支持部65aを中心として揺動可能に支持されるコントロールアーム65と、コントロールアーム65を揺動させるコントロールカム67が設けられた制御軸(コントロールシャフト)66と、コントロールアーム65にサブカムシャフト63bを介して揺動可能に支持されると共に、カム62に従動して揺動するサブカム63と、サブカム63に従動し、吸気バルブ14を駆動するロッカーアーム64とを備えている。ロッカーアーム64は、コントロールアーム65内に、ロッカーシャフト68によって揺動可能に支持されている。
サブカム63は、カム62に当接するローラ63aを有し、カムシャフト61の回転により、サブカムシャフト63bを中心として揺動する。ロッカーアーム64は、サブカム63に当接するローラ64aを有し、サブカム63の動きが、ローラ64aを介して、ロッカーアーム64に伝達される。コントロールアーム65は、コントロールカム67に当接するローラ65bを有し、制御軸66の回転により、支持部65aを中心として揺動する。
(a)、(b)および(c)は、矢印で示されているように、吸気バルブ14の高リフト状態、中リフト状態、低リフト状態をそれぞれ示している。制御軸66を介してコントロールアーム65の位置を変化させることにより、(a)のような高リフト状態と、(c)のような低リフト状態の間を連続的に遷移させることができる。(a)に示す状態では、サブカム63の動きがロッカーアーム64を介して吸気バルブ14に伝達され、吸気バルブ14は、最大のリフト量で開弁する。(b)に示す状態では、サブカム63の動きの、ロッカーアーム64を介した吸気バルブ14への伝達量は、(a)よりも少なく、よって(a)よりも小さいリフト量で開弁する。(c)に示す状態では、サブカム63の動きはロッカーアーム64にほとんど伝達されないため、吸気バルブ14は低リフト状態となる。
制御軸66には、アクチュエータのモータ(図示せず)が接続されており、該モータによって制御軸66を回転させることにより、吸気弁14のリフト量を連続的に変更して、燃焼室内(気筒内)への吸入空気量を連続的に変更することができる。この実施形態では、前述したリフト量を検出するセンサ32(図1)は、制御軸66の回転角度位置を検出するよう設けられている。検出された制御軸66の回転角度位置CSAが、リフト量を示すパラメータとして使用される。
図4を参照すると、各気筒の排気バルブの作動特性と、連続可変動弁機構31によって制御される吸気バルブ14の作動特性が示されている。縦軸はリフト量を示し、横軸は、1燃焼サイクルにおけるクランク角度を表している。
EXは、排気バルブの作動特性を示す。INは、吸気バルブ14の作動特性を示し、複数の実線で表されるように、エンジンの運転状態に従って作動特性INを連続的に変化させる、すなわち吸気バルブの位相およびリフト量を連続的に変化させることができる。このように、この実施形態において、吸気バルブ14のリフト量は、エンジンの運転状態に応じて、低リフトから高リフトまで連続的に変化可能なようになっている。なお、以下の説明における「リフト量」は、各作動特性におけるピークすなわち最大リフト量(吸気バルブを開ける量(mm))を表している。
ここで、この実施形態における、空燃比制御の全体的な概要について述べると、排ガスセンサ17の出力に基づいて、目標空燃比を設定する。具体的には、排ガスセンサ17は、その出力の所定値が所定の空燃比に対応するよう構成されている。したがって、排ガスセンサ17の出力(この実施形態では、電圧値で表される)が、目標空燃比として設定された空燃比値(この実施形態では、理論空燃比値)に対応する所定値SVO2CMD(基準値と呼ばれる)になるように、目標空燃比KCMD(当量比で表される)が制御される。たとえば、排ガスセンサ17の出力が高レベル(空燃比が理論空燃比よりリッチであることを示す)のときには、目標空燃比KCMDを除々に減少させることにより、排ガスセンサ17の出力を該基準値SVO2CMDにもっていく。排ガスセンサ17の出力が低レベル(空燃比が理論空燃比よりリーンであることを示す)のときには、目標空燃比KCMDを除々に増加させることにより、排ガスセンサの出力を該基準値SVO2CMDにもっていく。
その後、空燃比フィードバック制御によって、空燃比センサ16によって検出された実空燃比KACT(全気筒の空燃比の平均値を表す)が、こうして設定された目標空燃比KCMDに収束するように、各気筒の燃料噴射量が制御される。
このように、空燃比制御に排ガスセンサ17の出力を利用することが行われるが、排ガスセンサ17の検出部に対する排気ガスの当たり方(ガス当たりと呼ぶ)が不均一な場合、空燃比制御の精度が低下するおそれがある。この点について、図5を参照して、より詳細に考察する。
図5の(a1)は、排ガスセンサ17が設けられた部分の触媒15の断面を模式的に示しており、各気筒から排出される排気ガスの排ガスセンサ17に対するガス当たりが均一な様子を表している。(a2)は、(a1)のようにガス当たりが均一である場合の、排ガスセンサ17の出力特性101(ここでは、空燃比に対する電圧値)を示している。各気筒からの排気ガスのガス当たりが均一であるため、排ガスセンサ17の出力値SVO2CMDが理論空燃比(ストイキ)を示すような出力特性101が得られている。したがって、たとえば上記のように、排ガスセンサ17の出力が該基準値SVO2CMDとなるよう目標空燃比KCMDを制御することにより、実空燃比KACTを理論空燃比にすることができる。触媒装置15は、この実施形態では、理論空燃比において最大の浄化率となるよう構成されているため、実空燃比KACTが理論空燃比になることにより、触媒装置15での浄化が最適に行われ、エミッションを抑制することができる。
(b1)は、各気筒から排出される排気ガスの排ガスセンサ17に対するガス当たりが不均一な様子を概念的に表しており、排ガスセンサ17近傍において、符号111で示すように理論空燃比よりリッチな部分と符号113で示すようにリーンな部分とが局所的に生じている。これは、上記のように実空燃比KACTが目標空燃比KCMDに収束する空燃比フィードバック制御を実施したとしても、たとえば各気筒の実リフト量の目標リフト量に対するわずかなずれ等に起因して気筒間において空燃比がばらついている場合に生じうる。この場合、目標空燃比に対してリッチ側に空燃比がずれている気筒とリーン側に空燃比がずれている気筒が存在しており、リッチ側の気筒からの排気ガスとリーン側の気筒からの排気ガスとが、排気ガスセンサ17の検出部に均等に当たらない場合がある。
(b2)は、(b1)のような不均一なガス当たりである場合の、排ガスセンサ17の出力特性103の一例を示している。実線の出力特性101は、(a2)と同じであり、比較のために示されている。この例では、目標空燃比よりもリッチな空燃比になっている気筒からの排気ガスの、排ガスセンサ出力に対する寄与率(排ガスセンサ出力に反映される(寄与する)割合)が、目標空燃比よりもリーンな空燃比になっている気筒からの排気ガスの、排ガスセンサ出力に対する寄与率よりも、高くなっている。そのため、排ガスセンサ17の出力特性103は、出力特性101に対してリーン側に平行移動してしまい、所与の空燃比に対する排ガスセンサ17の出力値が大きくなる(リッチを示す)方向にずれる。その結果、上記の基準値SVO2CMDに対応する空燃比は、理論空燃比よりも大きくなってしまう。
このようなずれた出力特性103に基づいて、排ガスセンサ17の出力が基準値SVO2CMDになるよう目標空燃比KCMDを制御した場合、理論空燃比よりもリーンな空燃比に目標空燃比KCMDを設定してしまうこととなる。結果として、実空燃比KACTがリーン側にずれてしまい、触媒装置15の浄化性能を発揮することができず、エミッションを悪化させるおそれがある。たとえば、触媒装置15が三元触媒の場合には、理論空燃比において、HC、COおよびNOxのいずれもが最適に浄化されるよう構成されているが、この例のように空燃比がリーン側にずれると、NOxの浄化性能が低下するおそれがある。
上記のような問題は、触媒装置15の下流に排ガスセンサ17が設けられた場合にも生じうる。 したがって、この発明では、上記のようなガス当たりが不均一な場合でも、適切な空燃比制御を行うことができるように、排ガスセンサ17の空燃比出力ずれを補正する手法を提案する。この具体的な手法を、以下に説明する。
図6は、この発明の一実施形態に従う、内燃機関の制御装置のブロック図を示す。該図に表される各機能は、ECU1において実現されることができる。
気筒別空燃比検出部71は、空燃比(LAF)センサ16の出力に基づいて、各気筒について、該気筒の空燃比を表す気筒別空燃比AF(i)を検出する。iは、気筒を識別する番号を示す。この具体的な手法は、後述される。
寄与率推定部72は、各気筒について、該気筒から排出される排気ガスの排ガスセンサ17の出力に寄与する(反映される)割合すなわち寄与率を推定する。寄与率は、各気筒からの排気ガスの量に応じて変動することがあるため、好ましくは、排気ガスの量に応じた寄与率を推定する。この実施形態では、排気ガスの量を表す運転パラメータとして、エンジン回転数NE(rpm)および吸入空気量GAIRAFM(g/TDC)を用いる。エンジン回転数NEは、クランク角センサ13の出力から検出されることができ、吸入空気量GAIRAFMは、AFM8の出力から検出されることができる。ここで、吸入空気量GAIRAFMは、負荷を表す運転パラメータとして用いられており、よって、代替的に、たとえばゲージ圧(吸気管圧力と大気圧の差圧であり、吸気管圧力センサ9および大気圧センサ12から検出されることができる)等の他の運転パラメータを用いてもよい。
この実施形態では、シミュレーション等を介して、エンジン回転数NEおよび吸入空気量GAIRAFMに応じた寄与率を、気筒毎に、たとえば図7に示すように予めテーブルやマップに規定し、これが、メモリ等の記憶装置に記憶されている。寄与率推定部72は、検出された現在のエンジン回転数NEおよび吸入空気量GAIRAFMに基づいて、該テーブルやマップを参照し、各気筒の寄与率K(i)を求める。
図8には、或る運転状態下で求めた寄与率の一例がグラフとして示されている。横軸は、気筒番号iを示し、この実施例では、前述したように第1〜第4気筒がある。縦軸は、寄与率(%)を示し、各気筒の寄与率は、その合計が100%であるよう設定されている。なお、各気筒の排気ガスの排ガスセンサ17に対するガス当たりが均一な場合には、各気筒の寄与率は25%となる。
この例では、各気筒の排気ガスの排ガスセンサ17に対するガス当たりが不均一となっており、第1気筒の寄与率が最も高く、第2気筒の寄与率が最も低くなっている。
第1空燃比推定部73は、気筒別空燃比検出部71により検出された各気筒の空燃比AF(i)および寄与率推定部72により推定された各気筒の寄与率K(i)に基づいて、排ガスセンサ17近傍に存在する排気ガスの空燃比(第1空燃比推定値と呼ぶ)を推定する。具体的には、第1空燃比推定値は、以下のように算出される。ここで、Nは、気筒数であり、この実施形態では、N=4である。
第1空燃比推定値は、各気筒からの排気ガスが、推定された寄与率で排ガスセンサ出力に寄与した場合に、排ガスセンサ17が出力すべき空燃比を表している。
第2空燃比推定部74は、気筒別空燃比検出部71により検出された各気筒の空燃比AF(i)の平均値に基づいて、排ガスセンサ17近傍に存在する排気ガスの空燃比(第2空燃比推定値と呼ぶ)を推定する。具体的には、第2空燃比推定値AFaveは、以下のように算出される。
第2空燃比推定値は、各気筒からの排気ガスが、均等に排ガスセンサ17に当たった場合に、排ガスセンサ17が出力すべき空燃比を表している。言い換えれば、各気筒からの排気ガスが、いずれも25%の寄与率で排ガスセンサ出力に寄与した場合に、排ガスセンサ17が出力すべき空燃比を表している。
出力偏差算出部75は、第1空燃比推定値と第2空燃比推定値との偏差ΔSVO2を、以下のように算出する。
第2空燃比推定値AFaveは、均一なガス当たりを前提として推定された値なので、排ガスセンサ17が本来出力すべき空燃比の値、すなわち正しい値を表している。他方、第1空燃比推定値は、寄与率で表されるようなガス当たりとなる場合に、排ガスセンサ17が出力するであろう値、すなわち修正されるべき値を表している。寄与率が均一なガス当たりを示していれば、第1空燃比推定値は、第2空燃比推定値と等しくなる。しかしながら、寄与率が不均一なガス当たりを示していれば、両者の間に差が生じ、排ガスセンサ出力は、実際には第1の空燃比推定値を出力すると推定される。
具体的な一例として、図9を参照すると、(a)には、各気筒の寄与率が25%に均一されている場合の第1空燃比推定値と第2空燃比推定値の算出結果例が示されており、(b)には、各気筒の寄与率が均一でない場合の第1空燃比推定値と第2空燃比推定値の算出結果例が示されている。(a)に示すように、各気筒の寄与率が25%である場合には、各気筒からの排気ガスの排ガスセンサ17に対するガス当たりが均一であるため、第1および第2空燃比推定値は、同じ値となり、理論空燃比値(この例では、14.5を理論空燃比としている)となってる。したがって、出力偏差ΔSVO2はゼロである。
(b)に示すように、各気筒の寄与率が均一でない場合には、各気筒からの排気ガスの排ガスセンサ17に対するガス当たりが不均一であるため、第1および第2空燃比推定値は、異なる値となる。この例では、出力偏差ΔSVO2は、(14.8−14.5)=0.3となる。
(c)には、ガス当たりが均一な場合の排ガスセンサ17の出力特性121が示されており、排ガスセンサ17の基準値SVO2CMDに対応する空燃比が14.5(これは、第2空燃比値を示し、ここでは、理論空燃比とする)となっている。(b)に示す寄与率から算出した第1空燃比値は、14.8となっており、矢印131に示すように、基準値SVO2CMDに対応する空燃比が、14.5から、出力偏差ΔSVO2(ここでは、0.3)だけリーン側にずれている。したがって、(b)に示す寄与率の状況では、排ガスセンサ17の出力特性は、出力特性121からリーン側に出力偏差ΔSVO2の分だけシフトし(ずれて)、点線123のようになっていると考えられる。その結果、理論空燃比値に対応する基準値も、矢印133に示すように、基準値SVO2CMDからSVO2CMDFにずれている。
補正量算出部76は、該ずれの量、すなわち排ガスセンサ17の出力値の補正量ΔSVO2Fを、出力偏差ΔSVO2から求める。具体的には、たとえば図10に示すような、出力偏差ΔSVO2と補正量ΔSVO2F(ここでは、電圧値で表している)の間の変換マップを予め規定してメモリ等に記憶することができる。該マップから明らかなように、出力偏差ΔSVO2が正値を取るとき、補正量ΔSVO2Fは負値を取り、出力偏差ΔSVO2が負値を取るとき、補正量ΔSVO2Fは正値を取る。補正量算出部76は、出力偏差ΔSVO2に基づいて該マップを参照し、対応する補正量ΔSVO2Fを求める。
補正部77は、こうして算出された補正量ΔSVO2Fを、基準値SVO2CMDから減算して、目標値SVO2CMDFを算出する(SVO2CMDF=SVO2CMD−ΔSVO2F)。上の例では、出力偏差ΔSVO2が0.3であり、正値であるので、負値の補正量ΔSVO2Fが算出され、よって、実質的には、ΔSVO2Fの大きさの補正量が、基準値SVO2CMDに加算されて、図に示すように、新たな目標値SVO2CMDFが算出される。
該目標値SVO2CMDFは、出力特性123上の、所定の目標空燃比値(ここでは、理論空燃比値)に対応する出力値を示している。こうして、目標空燃比値に対応する排ガスセンサ17の出力値が適正に補正されるので、排ガスセンサ17の出力を用いて適正な空燃比制御を実施することができる。たとえば目標空燃比制御では、排ガスセンサ17の出力(検出値)が、該目標値SVO2CMDFになるように、目標空燃比KCMDを制御する。こうすることにより、ガス当たりが不均一な場合でも、所望の目標空燃比値となるよう空燃比を制御することができる。
なお、この例では、排ガスセンサ17の出力特性がリーン側にずれる場合について説明したが、リッチ側にずれる場合もありえる。この場合が、図11に示されており、出力特性125は、出力特性121に対して、矢印135に示すように、出力偏差ΔSVO2だけリッチ側にシフトしている。ここで、出力偏差ΔSVO2は、負値を取るよう算出される。補正量ΔSVO2Fは、前述したように、図10のような変換マップを参照して求められ、正値を取る。したがって、目標値ΔSVO2CMDFは、矢印137に示すように、基準値ΔSVO2CMDよりも、補正量ΔSVO2Fだけ下がった所に位置付けられる。
図12は、この発明の一実施形態に従う、排ガスセンサの空燃比出力ずれを補正するプロセスのフローチャートであり、EUC1のCPUによって、より具体的には図6の各機能ブロックによって、所定の時間間隔で実されることができる。
ステップS11において、気筒別空燃比算出プロセスを実行する。該プロセスの実行により、各気筒の空燃比AF(i)が検出される。このプロセスの詳細は、図14を参照して後述される。
ステップS12において、クランク角センサ13の出力を取得し、現在のエンジン回転数NE(rpm)を検出する。ステップS13において、AFM8の出力を取得し、現在の吸入空気量GAIRAFM(g/TDC)を検出する。
ステップS14において、各気筒の寄与率を推定する。具体的には、ステップS12およびS13で検出したエンジン回転数NEおよび吸入空気量GAIRAFMに基づいて、図7を参照して説明したように、対応する寄与率マップ(テーブル)を選択し、該選択したマップから、各気筒の寄与率K(i)を読み出す。こうして、現在の排気ガスの量に応じた寄与率を推定することができる。
ステップS15において、各気筒について、ステップS14で取得した寄与率K(i)およびステップS11で検出された空燃比AF(i)に基づいて、式(1)を実行することにより、第1空燃比推定値を算出する。ステップS16において、各気筒について、ステップS11で検出された空燃比AF(i)に基づいて、式(2)を実行することにより、第2空燃比推定値を算出する。
ステップS17において、第1空燃比推定値から第2空燃比推定値を減算することにより、出力偏差ΔSVO2を算出する。出力偏差ΔSVO2は、空燃比の単位で表される。
ステップS18において、図10に示すような変換マップを、算出された出力偏差ΔSVO2に基づいて参照し、対応する補正量ΔSVO2Fを求める。この実施例では、該補正量ΔSVO2Fは、排ガスセンサの出力の単位(たとえば、電圧値(mV))で表される。
ステップS19において、排ガスセンサ17の出力の基準値SVO2CMD(前述したように、ガス当たりが均一な場合の、所定の目標空燃比値(たとえば、理論空燃比値)に対応する出力値)から、補正量ΔSVO2を減算することにより、目標値SVO2CMDFを算出する。これが、該所定の目標空燃比値に対応する出力値として新たに用いられる。前述したように、たとえば、排ガスセンサ出力(検出値)が該目標値SVO2CMDFになるように、目標空燃比KCMDが設定される。
この実施例では、図10に示すような変換マップを参照して、出力偏差ΔSVO2を補正量ΔSVO2Fに変換している。しかしながら、このような変換を必ずしも行わなくてもよい。たとえば、空燃比値を直接出力する排ガスセンサの場合には、このような変換を行う必要がない。この場合の排ガスセンサの出力特性の一例が、図13に示されている。
排ガスセンサの出力は、空燃比の単位で出力される。出力特性201は、ガス当たりが均一な場合を示し、実空燃比が理論空燃比(ストイキ)である場合には、排ガスセンサも、理論空燃比を出力し、これが、基準値SO2CMDとなる。出力特性203は、ガス当たりが不均一な場合の一例を示し図9の(c)の場合と同様に、出力特性201に対してリーン側にずれている。そのため、基準値SO2CMDに対応する空燃比は、理論空燃比よりもリーンを示す。
矢印205は、出力偏差ΔSO2を示しており、この例では、正値を取る。矢印207は、補正量ΔSO2Fを示している。出力偏差ΔSO2の大きさと補正量ΔSO2Fの大きさは同じである。したがって、基準値SO2CMDに、出力偏差ΔSO2(すなわち、該出力偏差と同じ符号(正または負)の補正量ΔSO2F)を加算することにより、目標値SO2CMDFを算出することができる。当然ながら、出力特性がリッチ側にずれている場合にも、同様の補正を行うことができる。
次に、図12のステップS11で実行される、気筒別空燃比の算出プロセスについて説明する。該プロセスの一例を示すフローチャートが、図14に示されている。
ステップS41において、各気筒の基準信号Fcr#iを読み込む。ここで、iは、気筒識別番号を示す。基準信号Fcr#iは、各気筒について予め設定されている。
ステップS42において、空燃比センサ16から、空燃比KACT(当量比で表される)を表す信号を取得する。
ステップS43において、該空燃比KACTを表す信号に基づいて、空燃比KACTの目標空燃比KCMD(この実施形態では、理論空燃比とする)に対する偏差を表す空燃比偏差DKCMDの信号を生成し、空燃比偏差DKCMDの信号と、各気筒用に設定された所定の基準信号とを乗算することにより、気筒毎に相関関数Cr#iを算出する。ここで、該相関関数の算出手法について、図15を参照する。
図15には、1燃焼サイクル(この実施形態では、720度のクランク角度の期間)における、目標空燃比KCMD(この実施形態では、理論空燃比とする)に対する空燃比偏差DKCMDの信号の推移の一例が示されている。1燃焼サイクルにおいて、この実施形態では、180度のクランク角度期間ごとに、第1気筒、第3気筒、第4気筒および第2気筒の順番で燃焼が行われる。したがって、第1期間においては、第1気筒の燃焼の結果の排気ガスの空燃比が検出され、図の例では、目標空燃比KCMDよりリッチであることが示されている(DKCMDが正値)。第2の期間においては、第3気筒の燃焼の結果の排気ガスの空燃比が検出され、図の例では、目標空燃比KCMDよりリーンであることが示されている(DKCMDが負値)。同様に、第3の期間においては、第4気筒の排気ガスの空燃比が検出され、これは、リッチであり、第4の期間においては、第2気筒の排気ガスの空燃比が検出され、これはリーンである。
さらに、図には、第1の気筒用の基準信号Fcr#1、第3の気筒用の基準信号Fcr#3、第4の気筒用の基準信号Fcr#4および第2の気筒用の基準信号Fcr#2の推移が示されている。基準信号は、各気筒について予め決められており、各気筒の排気ガスの排出挙動に対応するよう生成されている。この例では、基準信号は、各気筒の排気タイミングのクランク角度範囲にのみ、ピークの大きさが値1の三角波状の信号を有するよう生成されている。たとえば、Fcr#1は、第1の気筒の排気ガスが排出される第1の期間において、三角波状の信号を有する。なお、基準信号の形状は、三角波に限定されるものではなく、正弦波でもよいし、方形波でもよい。
各気筒の相関関数Cr#iは、以下の式に示すように、DKCMD信号と、該気筒の基準信号Fcr#iとの乗算によって算出される。ここで、Nは1燃焼サイクルあたりのCRK信号のパルス数である。CRK信号が30度毎に発せられるとすると、N=24である。また、kは時間ステップである。
たとえば、DKCMD信号と第1の気筒用の基準信号Fcr#1を乗算すると、第1の基準信号Fcr#1は、第1の期間にのみ値を持つため、第1の気筒の相関関数Cr#1は、第1の期間に対応する区間のみ、空燃比偏差DKCMDの値を反映した値を持つように、すなわち空燃比KACTの値を反映した値を持つように算出される。空燃比KACTの値がリッチなほど、相関関数Crは大きな値を取り、リーンなほど、小さな値を取る。こうして、各気筒の空燃比の大きさを表す信号が、相関関数Cr#iとして算出される。
各気筒の排気ガスの挙動、より具体的には各気筒からの排気ガスが空燃比センサ16に到達するタイミングは、エンジン回転数と負荷に応じて変動するおそれがある。このタイミングが変動すると、各期間における空燃比KACT信号のピーク位置(図の例では、第1、第3の期間では最大値となるクランク角度位置であり、第2、第4の期間では最小値となるクランク角度位置)が変動し、対応する基準信号のピーク位置がずれるおそれがある。したがって、より精度を上げるため、エンジン回転数NEおよび負荷に応じて、該ピーク位置を予め規定してマップ等に記憶することができる。該負荷を示すパラメータとして、吸入空気量を用いることができる。ステップS41において、クランク角センサ13およびAFM8を介して検出されたエンジン回転数NEおよび吸入空気量GAIRAFMに基づいて該マップを参照し、対応するピーク位置を求め、該求めた位置でピークとなるような三角波を持つ基準信号を生成し、これを、ステップS43で行われる上記の相関関数Cr#iの算出に用いることができる。
相関関数Cr#iは、目標空燃比KCMDに対する偏差によって、各気筒の空燃比の大きさを表しているので、ステップS44において、相関関数Cr#iに目標空燃比KCMDを加算し、気筒別空燃比KACT(i)を算出する。ここでの気筒別空燃比KACT(i)は、当量比(理論空燃比/空燃比)で表されている。ステップS45において、各気筒について、当量比で表されている気筒別空燃比KACT(i)を、空燃比の単位で表した気筒別空燃比AF(i)に換算する。理論空燃比を当量比で除算することにより、該換算を行うことができる。
なお、上記の実施形態においては、ガス当たりが均一な場合の目標空燃比値(この実施形態では、理論空燃比値)に対応する基準値SVO2CMDまたはSO2CMDを、補正量ΔSVO2FまたはΔSO2Fで補正し、該補正により得た目標値SVO2CMDFまたはSO2CMDFに、排ガスセンサ17の出力(検出値)が収束するように、目標空燃比KCMDを制御する点について述べた。すなわち、この場合、排ガスセンサの空燃比出力ずれを補正するのに、所定の目標空燃比値に相当する基準値SVO2CMDまたはSO2CMD側を、補正している。代替的に、排ガスセンサの空燃比出力ずれを補正するのに、上記の排ガスセンサ17の出力(検出値)側を補正するようにしてもよい。すなわち、排ガスセンサ17の出力値(検出値)を、補正量ΔSVO2FまたはΔSVO2Fで補正し、該補正した出力値が、上記基準値SVO2CMDまたはSO2CMDに収束するように、目標空燃比KCMDを制御するようにしてもよい。
この場合、図6の機能ブロック図において、符号71〜76に示されるブロックは、上記の実施形態と同様の動作を実行する。補正部77は、排ガスセンサ17から出力値(検出値)を取得し、該取得した出力値を、補正量ΔSVO2Fで補正する。図9の(c)に示すように、排ガスセンサ17の出力特性がリーン側にずれている場合(すなわち、ΔSVO2が正値を取る場合)、該取得した出力値に、該出力偏差ΔSVO2に対応する補正量ΔSVO2F(負値を取る)を加算することにより、該取得した出力値を補正する。また、図11に示すように、排ガスセンサ17の出力特性がリッチ側にずれている場合(すなわち、ΔSVO2が負値を取る場合)も同様であり、該取得した出力値に、該出力偏差ΔSVO2に対応する補正量ΔSVO2F(正値を取る)を加算することにより、該取得した出力値を補正する。該補正した出力値により、その時の空燃比値が表される。したがって、該補正した出力値が上記基準値SVO2CMDになるように、目標空燃比KCMDを制御すればよい。
また、この代替形態の場合、図12のプロセスは、ステップS11からS18までは同じであり、ステップS19において、上で述べたように、排ガスセンサ17の出力値(検出値)を取得し、該排ガスセンサ17の出力値を、補正量ΔSVO2Fで補正すればよい。
このような代替の補正手法は、図13の空燃比の単位で出力する排ガスセンサの場合についても同様に適用されることができる。
また、上記の実施形態では、排ガスセンサ17の空燃比出力ずれの補正を、目標空燃比KCMDの制御に利用する点について述べたが、本願発明の当該補正手法の適用は、これに限定されるものではない。たとえば、排ガスセンサ17の出力によって検出される空燃比が所定の目標空燃比に収束するように空燃比フィードバック制御を行う場合にも、当該補正手法を適用することができる。本願発明に従う、排ガスセンサの空燃比出力ずれの補正手法は、該排ガスセンサの出力を使用する任意の制御に適用可能なものである点に注意されたい。
以上にこの発明を具体的な実施例について説明したが、この発明はこのような実施例に限定されるものでなく、また、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのいずれに対しても使用することができる。
1 電子制御ユニット(ECU)
2 エンジン
15 触媒装置
16 空燃比センサ
17 排ガスセンサ
2 エンジン
15 触媒装置
16 空燃比センサ
17 排ガスセンサ
Claims (2)
- 複数の気筒を備える内燃機関の制御装置であって、
該内燃機関の排気通路に設けられる触媒の上流に配置される第1の空燃比センサと、
前記触媒内または該触媒の下流に配置される第2の空燃比センサと、
各気筒について、該気筒から排出された排気ガスが前記第2の空燃比センサの出力に寄与する率を推定する寄与率推定手段と、
前記第1の空燃比センサにより検出される各気筒の空燃比、および、前記寄与率推定手段により推定される各気筒の寄与率から、前記第2の空燃比センサ近傍に存在する排気ガスの空燃比を、第1空燃比推定値として推定する第1空燃比推定手段と、
前記第1の空燃比センサにより検出される各気筒の空燃比の平均値に基づいて、前記第2の空燃比センサの近傍に存在する排気ガスの空燃比を、第2空燃比推定値として推定する第2空燃比推定手段と、
前記第1空燃比センサにより推定される第1空燃比推定値および前記第2空燃比推定手段により推定される第2空燃比推定値に基づいて、前記第2の空燃比センサの空燃比出力ずれを補正する補正手段と、
を備える、内燃機関の制御装置。 - 前記寄与率推定手段は、各気筒から排出される排気ガス量に応じて設定される、
請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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