JP2011247093A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

【課題】空燃比検出値の変化前の絶対値を考慮して空燃比センサの応答性を補正し、空燃比の検出精度を向上させる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、空燃比検出手段の検出部に存在する水素濃度を推定する水素濃度推定手段と、推定された水素濃度に基づいて空燃比検出手段の応答性を補正する応答性補正手段と、応答性補正手段による応答性の補正量に応じて検出された空燃比を補正する空燃比補正手段とを備える
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に内燃機関の空燃比検出手段の応答性の補正に関する。
従来から、内燃機関の排気管に設けられた空燃比センサによる検出空燃比が目標値で安定するように空燃比フィードバック制御が実施されている。この空燃比制御において、空燃比センサにより空燃比が精度良く検出されないと、空燃比を精度良く変動制御させることができないという問題が生じる。
また、空燃比を強制変動させない場合であっても、空燃比がリッチ側に変化する時の応答性とリーン側に変化する時の応答性とに差異が生じると、空燃比の制御性が低下するという問題が生じる。
特許文献1は、内燃機関の空燃比検出装置を開示する。この装置では、空燃比検出値のリッチ側、リーン側への変化量データと、空燃比補正量のリッチ側、リーン側への変化量データとに基づいて、リッチ側への変化時、リーン側への変化時のそれぞれについて空燃比センサの応答性データを算出し、その算出された応答性データを用いて空燃比検出値を補正する。
特許第4196794号公報
空燃比センサの応答性は、空燃比検出値の変化量のみならず変化前の絶対値にも影響を受ける。しかし、特許文献1に記載の発明では、空燃比検出値の変化量により空燃比センサの応答性を補正しており、空燃比検出値の変化前の絶対値を考慮した補正をおこなってはいない。
そこで、本発明は、空燃比検出値の変化前の絶対値を考慮して空燃比センサの応答性を補正し、空燃比の検出精度を向上させることを目的とする。
本発明は、内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、空燃比検出手段の検出部に存在する水素濃度を推定する水素濃度推定手段と、推定された水素濃度に基づいて空燃比検出手段の応答性を補正する応答性補正手段と、応答性補正手段による応答性の補正量に応じて検出された空燃比を補正する空燃比補正手段と、を備える内燃機関の制御装置を提供する。
本発明によれば、空燃比検出手段の検出部に存在する水素濃度に基づき適宜空燃比検出手段の応答性を改善(補正)することができるので、空燃比検出手段による空燃比の検出精度を向上させることができる。
本発明の一形態によると、水素濃度推定手段は、検出された空燃比と内燃機関の燃料成分とから水素濃度を推定する。
本発明の一形態によれば、検出された空燃比と内燃機関の燃料成分とから水素濃度を推定するため、新たなセンサを用いることなく、コストを抑えることができる。
本発明の一形態によると、応答性補正手段は、空燃比がリッチ方向へ変化する場合と、リーン方向へ変化する場合とで前記応答性の補正特性を異ならせる。
本発明の一形態によれば、リッチ方向へ変化する場合と、リーン方向へ変化する場合とで、空燃比検出手段の検出部での反応に応じた補正を行うことにより、より空燃比の検出精度を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に従う、エンジンおよびその制御装置の全体的な構成を示す図である。 本発明の一実施形態に従う、可変動弁機構を示す図である。 リーン、リッチ間での空燃比の制御例を示す図である。 図3の各空燃比の制御例に対応した空燃比センサの応答性を示す図である。 本発明の一実施形態に従う、制御装置のブロック図である。 本発明の一実施形態に従う、制御フローの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に従う、空燃比センサの出力値と空燃比との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に従う、空燃比センサの応答性の改善(補正)を示す図である。 本発明の一実施形態に従う、水素ガス濃度推定マップの一例を示す図である。
図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に従う、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)およびその制御装置の全体的な構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、中央演算処理装置(CPU)およびメモリを備えるコンピュータである。メモリには、車両の様々な制御を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なデータ(マップを含む)を格納することができる。ECU1は、車両の各部から信号を受取ると共に、該メモリに記憶されたデータおよびプログラムに従って演算を行い、車両の各部を制御するための制御信号を生成する。
エンジン2は、複数の気筒(例えば4気筒)を有するエンジンである。エンジン2には、吸気通路3および排気通路4が連結されている。
エンジン2には、連続可変動弁機構31が設けられており、この実施形態では、可変リフト機構および可変位相機構を含む。可変リフト機構は、ECU1からの制御信号に従って、各気筒の吸気バルブのリフト量を連続的に変更することができる機構である。可変リフト機構の一例は、後述される。可変位相機構は、ECU1からの制御信号に従って、各気筒の吸気バルブの位相を連続的に変更することができる機構である。可変位相機構33は、任意の既知の手法により実現することができる。たとえば、電磁的に吸気バルブの位相を進角または遅角に制御する手法が提案されている(例えば、特開2000―227033号を参照)。
連続可変動弁機構31には、各気筒の吸気バルブのリフト量を検出するためのセンサ32が設けられており、該センサ32の検出結果は、ECU1に送られる。
なお、この実施形態では、リフト量および位相を連続的に変更可能なようになっているが、これに限定されるものではなく、リフト量および位相を段階的(ステップ状)に変更可能な機構にも、本願発明は適用可能である。
吸気通路3には、スロットル弁5が設けられている。スロットル弁5の開度は、ECU1からの制御信号に従って制御される。スロットル弁5には、スロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度(θTH)センサ6が連結されており、この検出値は、ECU1に送られる。
この実施形態では、エンジン2の各気筒への吸入空気量は、スロットル弁5の開度を制御することだけでなく、連続可変動弁機構31を介して各気筒の吸気バルブのリフト量を制御することによって実現される。
燃料噴射弁7が、エンジン2とスロットル弁5との間であって、エンジン2の吸気バルブ(図示せず)の少し上流側に、気筒ごとに設けられている。燃料噴射弁7は、燃料タンク29に接続されており、燃料タンク29からの燃料を噴射する。燃料噴射弁7の燃料噴射時期および燃料噴射量は、ECU1からの制御信号に従って変更される。
スロットル弁5の上流には、吸気通路3を流れる空気の量を検出するエアフローメータ(AFM)8が設けられている。
スロットル弁5の下流には、絶対圧(PB)センサ9が設けられており、吸気通路3内の圧力PBを検出する。また、絶対圧センサ10の下流には吸気温(TA)センサ10が設けられており、吸気通路3内の温度を検出する。これらの検出値は、ECU1に送られる。また、エンジン2には、エンジンの水温TWを検出するためのエンジン水温センサ11が設けられており、該センサの検出値は、ECU1に送られる。さらに、大気圧PAを検出するための大気圧センサ12がエンジン外部の任意の位置に設置されており、該センサの検出値はECU1に送られる。
ECU1には、エンジン2のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ13が接続されており、該センサの検出値はECU1に供給される。クランク角センサ13は、所定のクランク角度(たとえば30度)毎に1パルス(CRKパルス)を発生し、該パルスにより、クランク軸の回転角度位置を特定することができる。ECU1は、該CRKパルスに基づいてエンジン回転数NEを算出する。また、クランク角センサ13は、ピストンの上死点(TDC)位置に関連したクランク角度で、TDC信号をECU1に出力する。
燃料噴射弁7からの燃料および吸気通路3からの空気の混合気がエンジン2の各気筒内で燃焼した結果、各気筒からの排気ガスが排気通路4に流出される。排気通路4には、たとえば種々の触媒によって実現されることのできる触媒装置(CAT)15が設けられており、該排気通路に流出される排気ガスを浄化して、大気に放出する。
触媒装置15の上流には、排気ガスの空燃比を検出するための空燃比(LAF)センサ16が設けられている。空燃比センサ16は、混合気のリーンからリッチにわたる領域の空燃比をリニアに検出してECU1に送る。この実施例では、空燃比センサ16は酸素検出部を有し、1つの酸素センサとして機能する。
触媒装置15内には、排ガスセンサ17が設けられている。排ガスセンサ17は、2値型の排気ガス濃度センサである。排ガスセンサ17は、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるとき高レベルの信号を出力し、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるとき低レベルの信号を出力する。出力された信号は、ECU1に送られる。代替的に、排ガスセンサ17を、触媒装置15の下流に配置してもよい。
ECU1は、上記各種センサからの入力信号に応じて、メモリに記憶されたプログラムおよびデータ(マップを含む)に従い、エンジン2の運転状態を検出すると共に、スロットル弁5、燃料噴射弁7、EGR弁19およびパージ制御弁28等を制御するための制御信号を生成する。
図2は、図1の可変動弁機構31に搭載される可変リフト機構の一例を説明するための図である。可変リフト機構は、(a)に示すように、カム62が設けられたカムシャフト61と、カムホルダに支持部65aを中心として揺動可能に支持されるコントロールアーム65と、コントロールアーム65を揺動させるコントロールカム67が設けられた制御軸(コントロールシャフト)66と、コントロールアーム65にサブカムシャフト63bを介して揺動可能に支持されると共に、カム62に従動して揺動するサブカム63と、サブカム63に従動し、吸気バルブ14を駆動するロッカーアーム64とを備えている。ロッカーアーム64は、コントロールアーム65内に、ロッカーシャフト68によって揺動可能に支持されている。
サブカム63は、カム62に当接するローラ63aを有し、カムシャフト61の回転により、サブカムシャフト63bを中心として揺動する。ロッカーアーム64は、サブカム63に当接するローラ64aを有し、サブカム63の動きが、ローラ64aを介して、ロッカーアーム64に伝達される。コントロールアーム65は、コントロールカム67に当接するローラ65bを有し、制御軸66の回転により、支持部65aを中心として揺動する。
(a)、(b)および(c)は、矢印で示されているように、吸気バルブ14の高リフト状態、中リフト状態、低リフト状態をそれぞれ示している。制御軸66を介してコントロールアーム65の位置を変化させることにより、(a)のような高リフト状態と、(c)のような低リフト状態の間を連続的に遷移させることができる。(a)に示す状態では、サブカム63の動きがロッカーアーム64を介して吸気バルブ14に伝達され、吸気バルブ14は、最大のリフト量で開弁する。(b)に示す状態では、サブカム63の動きの、ロッカーアーム64を介した吸気バルブ14への伝達量は、(a)よりも少なく、よって(a)よりも小さいリフト量で開弁する。(c)に示す状態では、サブカム63の動きはロッカーアーム64にほとんど伝達されないため、吸気バルブ14は低リフト状態となる。
制御軸66には、アクチュエータのモータ(図示せず)が接続されており、該モータによって制御軸66を回転させることにより、吸気弁14のリフト量を連続的に変更して、燃焼室内(気筒内)への吸入空気量を連続的に変更することができる。この実施形態では、前述したリフト量を検出するセンサ32(図1)は、制御軸66の回転角度位置を検出するよう設けられている。検出された制御軸66の回転角度位置CSAが、リフト量を示すパラメータとして使用される。
次に、図3と図4を参照しながら、本発明の解決課題に関する発明者の知見および本発明の特徴(ねらい)についてその概要を最初に説明する。図3は、リーン、リッチ間での空燃比の制御例を示した図である。図4は、図3の各空燃比の制御例に対応した空燃比センサ16の応答性を示した図である。
図3の符号(A)、(B)で示されるグラフは、いずれもリーン側への空燃比制御を示している。符号(A)のグラフは空燃比15から17への制御、すなわち理論空燃比(14.7)よりリーンな領域内においてさらにリーン側への変化を示している。符号(B)のグラフは、空燃比13から15への制御、すなわち理論空燃比を跨いだリッチからリーン側への空燃比変化を示している。逆に符号(C)と(D)は、いずれもリッチ側への空燃比制御を示している。符号(C)のグラフは空燃比17から15への制御、すなわち理論空燃比よりリーンな領域内においてリーンからリッチ側への変化を示している。符号(D)のグラフは空燃比15から13への制御、すなわち理論空燃比を跨いだリーンからリッチ側への変化を示している。
図4の4つのグラフ(A)〜(D)は、それぞれ同じ符号の図3の空燃比制御に対応している。図4の(A)と(B)とは、いずれもリーン側へ変化量2だけ空燃比を変化させる場合に対応しているが、空燃比センサ16の応答性は、(A)よりも(B)の場合のほうが遅くなっており、両者に明らかな差が出ている。一方、図4の(C)と(D)とは、いずれもリッチ側へ変化量2だけ空燃比を変化させる場合であるが、空燃比センサ16の応答性にはほとんど差が無く、強いて言えば若干(D)のほうが遅くなっている。
図4に示されるような空燃比センサ16の応答性の違いは、本発明者の知見によれば、以下のようなメカニズムで生じていると考えられる。図3の(B)のケースのように、最初に理論空燃比よりリッチな領域内において、リッチガスが空燃比センサ16の酸素(O)検出部に接触している場合、リッチガス中に含まれる水素(H)が酸素検出部に付着する。次に、同じく図3の(B)のケースのように、リーンガスが流れてきた際に、既に検出部に付着した水素がリーンガス中の酸素と式(1)で示される化学反応を起こして酸素を消費してしまうため、リーンガス中の酸素の検出反応が遅くなってしまう。

2H+O→ 2HO (1)

その結果、図4の(B)のグラフで示されるような応答遅れが生ずる。そして、最終的に酸素検出部に付着している水素が取り除かれると、その検出遅れが無い安定したリーン状態での検出が可能となる。なお、検出部に水素が付着して酸素分圧が変化することによって酸素の検出反応が遅くなる影響もある。
一方、図3の(A)、(C)、(D)のケースのように、最初に理論空燃比よりリーンな領域内において、リーンガスが空燃比センサ16の酸素検出部に接触している場合は、酸素検出部に水素がほとんど付着しないので、式(1)の酸素との化学反応が起こらず、酸素の検出反応はほとんど遅れることが無い。したがって、図4の(A)、(C)、(D)のグラフで示されるように、いずれの場合も応答時間の遅れがほとんどない状態となる。このように、本発明では特に理論空燃比よりリッチな領域内での、あるいは理論空燃比を跨いでのリッチ側からリーン側への空燃比シフトにおける空燃比センサ16の応答性の遅れを識別して、その遅れ補正しいては空燃比補正をおこなうことに特徴がある。
図5は、本発明の一実施形態に従う、内燃機関の制御装置のブロック図である。図5に表される各機能は、ECU1において実現される。空燃比検出部101は、空燃比センサ16からの検出信号を受けて空燃比を検出する。水素濃度推定部102は、空燃比センサ16の酸素検出部に存在する水素濃度を推定する。その際、水素濃度推定部102は、検出された空燃比と内燃機関の燃料成分とから水素濃度を推定する。
センサ応答性補正部103は、推定された水素濃度に基づいて空燃比検出部101(空燃比センサ16)の応答性を補正する。その際、センサ応答性補正部103は、空燃比がリッチ方向へ変化する場合と、リーン方向へ変化する場合とで応答性の補正特性を異ならせる。例えば、図3と図4を参照しながら説明したように、理論空燃比よりリッチな領域内での、あるいは理論空燃比を跨いでのリッチ側からリーン側への空燃比シフトにおいて、空燃比センサ16の応答性の遅れを識別しその遅れを補正する。空燃比補正部104は、応答性補正部103が算出する応答性の補正量に応じて検出された空燃比を補正する。
平均空燃比算出部105は、補正後の空燃比の移動平均から平均空燃比を算出する。この平均空燃比は、燃料噴射制御等の各種制御において利用される。例えば、空燃比フィードバック制御によって、補正後の空燃比が、設定された目標空燃比に収束するように、各気筒の燃料噴射量が制御される。
図6は、本発明の一実施形態に従う、制御フローを示す図である。このフローは、EUC1のCPUによって、より具体的には図5の各機能ブロックによって、所定の時間間隔で実行される。
ステップS11において、空燃比センサ16から検出出力Ip(mA)を取得する。検出出力Ip(mA)はエンジンの気筒毎に取得する。ステップS12において、排気ガス中の水素濃度Na(ppm)を推定する。具体的には、排気ガス中の空燃比AFと燃料性状(成分、密度、揮発性等)データから、予め作成されメモリに記憶されている水素ガス濃度推定マップを参照して排気ガス中の水素濃度Na_now(ppm)を求める。図9に水素ガス濃度推定マップの一例を示す。図9から、燃料性状が悪くなる程かつ空燃比がリーンになる程、水素ガス濃度が低くなることがわかる。
なお、排気ガス中の空燃比AFは1つ前の測定時に得られた空燃比AFを利用する。また、燃料性状は、予めメモリに記憶してあるデータを利用する、あるいは適宜な手法、例えば特開平11−241644号公報に開示される手法により推定することができる。
ステップS13において、メモリから1つ前(前回)の測定時に得られた推定水素濃度Na_old(ppm)を呼び出して取得する。ステップS14において、前回の水素濃度Na_oldが今回の水素濃度Na_nowよりも大きいか否かを判定する。この判定がNoの場合、すなわち前回よりも今回の水素濃度が大きい場合、言い換えれば前回よりも今回のほうがリッチである場合は、ステップS15に進む。ステップS15において、空燃比センサ16の酸素検出部に付着する水素濃度Nb(ppm)を推定する。具体的には、今回の水素濃度Na_nowをそのまま付着水素濃度Nb(ppm)とする(Na_now=Nb)。この場合は、既に説明した図3および図4の(c)または(D)のケースに該当するので、今回の水素濃度Na_nowをそのまま利用する。
ステップS14の判定がYesの場合、すなわち今回よりも前回の水素濃度が大きい場合、言い換えれば今回よりも前回のほうがリッチである場合は、ステップS16に進む。ステップS16において、空燃比センサ16の酸素検出部に付着する水素濃度Nb(ppm)を推定する。この場合は、既に説明した図3および図4の(B)または(A)のケースに該当するので、今回の水素濃度Na_nowをそのまま利用することなく、例えば、式(2)を用いた、所謂なまし計算により水素濃度Nb(ppm)を算出する。係数αは例えば0.8である。

Nb=(1−α)・Na_old + α・Na_now (2)
ステップS17において、空燃比AFを算出する。具体的には、図7で例示される空燃比センサ16による検出出力Ip(mA)と空燃比AFとの関係図(マップ)を参照して、ステップS11において取得した検出出力Ipに対応する空燃比AFを求める。その際、ステップS15において得られた水素濃度Nbを利用する場合は、図7のグラフ(I)を用いて空燃比AFを求める。例えば検出出力としてIp1が取得されているとすると、図7に示されるようにAF1が得られる。
ステップS16において得られた水素濃度Nbを利用する場合は、その水素濃度Nbに対応するグラフを選択して空燃比AFを求める。例えば、図7のグラフ(II)が選択されたとすると、検出出力Ip1に対応する値としてAF2が得られる。なお、図7では基準となるグラフ(I)の他に1つのグラフ(II)しか示されていないが、実際には水素濃度Nbに応じた複数のグラフ(マップ)がメモリに格納されており利用することができる。
図7のグラフは式(3)で表わされる関係式から得ることができる。

Ip=D・P・S/(T・L)・ln−1(1−P/P)・β (3)

ここで、各パラメータの意味は以下の通りである。
D:拡散係数、S:空燃比センサ16の酸素検出部の電極面積、
P:酸素検出部での全圧、P:酸素検出部での酸素分圧、
T:温度、L:拡散距離、
β:水素濃度を反映した補正係数(β=Na_now/Na_old)
図7の関係図(マップ)を用いて空燃比AFを算出することにより、図8に例示されるように、リッチ側からリーン側への変化(A―>B、C―>D、E―>F)における空燃比センサ16の応答遅れ、すなわちリッチ側へシストしていた出力信号Qをリーン側に戻して本来あるべき出力信号Pに近づける補正をおこなうことができる。このように、本発明の一実施形態によれば、空燃比センサでの水素濃度を推定した上で空燃比を算出することにより、リッチ側へシフトしていた空燃比センサの出力信号をリーン側に補正することができる。その結果、より確かな空燃比値を検出しながらその制御をおこなうことが可能となる。
最後にステップS18において、平均空燃比AF_avを算出する。具体的には気筒毎の空燃比AFから気筒間での平均空燃比AF_avを算出する。この平均空燃比AF_avは、上述したように燃料噴射制御等の各種制御において利用される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において改変して用いることができる。また、本発明はガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのいずれに対しても使用することができる。
1 電子制御ユニット(ECU)
2 エンジン
16 空燃比センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    前記空燃比検出手段の検出部に存在する水素濃度を推定する水素濃度推定手段と、
    推定された水素濃度に基づいて前記空燃比検出手段の応答性を補正する応答性補正手段と、
    前記応答性補正手段による応答性の補正量に応じて検出された空燃比を補正する空燃比補正手段と、を備える内燃機関の制御装置。
  2. 前記水素濃度推定手段は、前記検出された空燃比と前記内燃機関の燃料成分とから水素濃度を推定する、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記応答性補正手段は、空燃比がリッチ方向へ変化する場合と、リーン方向へ変化する場合とで前記応答性の補正特性を異ならせる、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023209848A1 (ja) * 2022-04-27 2023-11-02 本田技研工業株式会社 内燃機関の空燃比センサ出力値補正装置

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