JP4453510B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体燃料と気体燃料をともに使用可能な内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1に記載されるように、ガソリンとともに水素を内燃機関の燃料として使用する技術が知られている。水素を添加し、その分、ガソリンの噴射量を減量することによって、HCやCOのような有害物質の発生を低減することができる。また、水素は燃焼性に優れているため、ガソリンに水素を添加することでノッキングを抑制して出力や燃費を向上させることもできる。
特開2004−116398号公報 特開平5−44525号公報
ところで、内燃機関では、排気通路に配置された酸素センサの出力の変化に基づいて燃料噴射量のフィードバック制御を行っている。例えば、酸素センサが空燃比に対し理論空燃比を基準にしてリッチ側とリーン側とで出力が急変するいわゆるZ特性を示す場合、酸素センサの出力がリーンを示すときには、燃焼室内の混合気の空燃比(以下、筒内空燃比)がリッチになるように燃料噴射量を増量し、酸素センサの出力がリッチを示すときには、筒内空燃比がリーンになるように燃料噴射量を減量している。このように酸素センサの出力の変化に応じて燃料噴射量を補正することで、排気通路の三元触媒に流入する排気ガスの空燃比はリーンとリッチとで周期的に変化することになる。排気空燃比の周期的な変化によって触媒の酸素吸蔵量は適切に維持され、触媒の浄化能力が維持されることになる。
ガソリンに水素を添加して使用する内燃機関においても、酸素センサの出力に基づく空燃比フィードバック制御が行われる。この場合、酸素センサの出力の変化に応じてガソリン噴射量と水素噴射量をともに変化させることになる。しかし、液体燃料であるガソリンは、気体燃料である水素に対し、噴射された燃料が燃焼するまでの間に気化という余分のプロセスが必要となる。例えば、ガソリンと水素がともに内燃機関の吸気ポートに噴射される場合、水素はそのまま燃焼室に吸入されるのに対し、ガソリンの一部はポートの内壁や吸気弁に液状のまま付着する。このため、ガソリンの噴射量と水素の噴射量を同位相で変化させた場合、壁面に付着したガソリンが気化するのに要する時間の分、ガソリンの燃焼室内への流入量の変化は、水素の燃焼室内への流入量の変化よりも遅れることになる。
燃焼室内に流入するガソリンの流入量の変化と水素の流入量の変化とにずれがある場合、筒内空燃比のリッチ、リーンの反転時期があいまいになってリッチ期間がリーン期間よりも長くなったり、逆に短くなったりしてしまう。その結果、触媒に流入する排気ガスの排気空燃比のリッチ、リーンの反転周期も乱れることになって、触媒の酸素吸蔵量を適正に維持できなくなってしまう。つまり、触媒の浄化能力が低下してしまうおそれがある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、液体燃料と気体燃料をともに燃料として使用しながら、排気ガスの空燃比をリーンからリッチへ、リッチからリーンへ周期的に変化させて触媒の浄化性能を高く維持できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、液体燃料と気体燃料をともに使用可能な内燃機関において、前記内燃機関の運転状態に応じて各燃料の噴射量を決定し、排気通路に設けられた酸素センサの出力の変化に基づいて各燃料の噴射量を補正する前記内燃機関の制御装置であって、
液体燃料の噴射量を補正するための補正係数と、気体燃料の噴射量を補正するための補正係数とを前記酸素センサの出力の変化に基づいて別々に設定する補正係数設定手段と、
前記補正係数設定手段により設定された各補正係数を用いて各燃料の噴射量を設定する噴射量設定手段とを備え、
前記補正係数設定手段は、前記噴射量設定手段により設定された量の液体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相と、前記噴射量設定手段により設定された量の気体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相とが一致するように両補正係数間に位相差を設定することを特徴としている。
第2の発明は、上記第1の発明において、液体燃料と気体燃料はともに前記内燃機関の吸気ポートに噴射され、前記補正係数設定手段は、気体燃料の補正係数の位相が液体燃料の補正係数の位相よりも遅れるように両補正係数間に位相差を設定することを特徴としている。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記補正係数設定手段は、気体燃料の補正係数を固定し、前記酸素センサの出力の変化に基づいて液体燃料の補正係数のみを変化させたときの補正係数の位相に対する筒内空燃比の位相の遅れ時間を計測するとともに、液体燃料の補正係数を固定し、前記酸素センサの出力の変化に基づいて気体燃料の補正係数のみを変化させたときの補正係数の位相に対する筒内空燃比の位相の遅れ時間を計測し、両者の遅れ時間の差に基づいて両補正係数間の位相差を決定することを特徴としている。
第1の発明によれば、酸素センサの出力の変化に基づいて各燃料の噴射量が補正される際、液体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相と、気体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相とが一致するように各燃料噴射量の補正係数間に位相差が設定されるので、排気ガスの空燃比をリーンからリッチへ、リッチからリーンへ確実に周期的に変化させることができ、触媒の浄化性能を高く維持することができる。
また、第2の発明によれば、壁面への付着がある分、液体燃料は気体燃料よりも燃料噴射量の変化が筒内流入量の変化として現れるまでに時間を要するが、気体燃料の補正係数の位相が液体燃料の補正係数の位相よりも遅らされることで、液体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相と、気体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相とを一致させることができる。
また、第3の発明によれば、燃料噴射量の変化が筒内空燃比の変化として現れるまでの遅れ時間を各燃料について実際に計測し、両者の差に基づいて両補正係数間の位相差が決定されるので、運転環境や経時変化の影響を受けることなく、液体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相と、気体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相とを確実に一致させることができる。
実施の形態1.
以下、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本発明の実施の形態1としての制御装置が適用された内燃機関の概略構成を示す図である。内燃機関2は内部にピストン8が配置されたシリンダブロック6と、シリンダブロック6に組み付けられたシリンダヘッド4を備えている。ピストン8の上面からシリンダヘッド4までの空間は燃焼室10を形成しており、この燃焼室10に連通するように吸気ポート18と排気ポート20がシリンダヘッド4に形成されている。吸気ポート18と燃焼室10との接続部には、吸気ポート18と燃焼室10との連通状態を制御する吸気バルブ12が設けられ、排気ポート20と燃焼室10との接続部には、排気ポート20と燃焼室10との連通状態を制御する排気バルブ14が設けられている。また、シリンダヘッド4には、燃焼室10の頂部から燃焼室10内に突出するように点火プラグ16が取り付けられている。
シリンダヘッド4の吸気ポート18には、新気を燃焼室10内に導入するための吸気通路30が接続されている。吸気通路30の上流端にはエアクリーナ32が設けられ、新気はエアクリーナ32を介して吸気通路30内に取り込まれる。吸気通路30の下流部は気筒毎(吸気ポート18毎)に分岐しており、その分岐部にはサージタンク34が設けられている。吸気通路30のサージタンク34の上流には電子制御式のスロットルバルブ36が配置されている。
一方、シリンダヘッド4の排気ポート20には、燃焼室10内での燃焼により生成された燃焼ガスを排気ガスとして排出するための排気通路40が接続されている。排気通路40には、排気ガスを浄化するための三元触媒42が設けられている。三元触媒42の上流には三元触媒42に流入する排気ガスの空燃比(排気空燃比)を検出するためのO2センサ(酸素センサ)72が配置されている。O2センサ72は、排気空燃比に対し理論空燃比を基準にしてリッチ側とリーン側とで出力が急変するいわゆるZ特性を示すセンサである。
吸気通路30の吸気ポート18の近傍には燃料を噴射するための2つのインジェクタ50,60が気筒毎に設けられている。一方のインジェクタ60はガソリンインジェクタであり、通電制御により開閉駆動されてガソリンを噴射する電磁弁である。ガソリンインジェクタ60は、ガソリン通路64を介してガソリンタンク62に接続されている。ガソリン通路64にはガソリンポンプ66が配置され、ガソリンタンク62内のガソリンはガソリンポンプ66によって圧縮されてガソリンインジェクタ60に供給される。もう一方のインジェクタ50は水素インジェクタであり、通電制御により開閉駆動されて水素を噴射する電磁弁である。水素インジェクタ50は、水素通路54を介して水素タンク52に接続されている。水素通路54には水素ポンプ56が配置され、水素タンク52内の水素は水素ポンプ56によって圧縮されて水素インジェクタ50に供給される。
また、内燃機関2には、その制御装置としてECU(Electronic Control Unit)70が備えられている。ECU70の出力側には前述のガソリンインジェクタ60,水素インジェクタ50,スロットルバルブ36,点火プラグ16等の種々の機器が接続されている。ECU70の入力側には、前述のO2センサ72や図示しないクランク角センサ,スロットルセンサ,アクセルポジションセンサ,エアフローメータ等の種々のセンサ類が接続されている。ECU70は、各センサの出力に基づき、所定の制御プログラムに従って各機器を駆動するようになっている。
ECU70は、内燃機関2の制御の一つとして、筒内空燃比を理論空燃比にするための空燃比フィードバック制御を実施している。空燃比フィードバック制御では、内燃機関2の運転中、O2センサ72により検出される排気空燃比が目標空燃比になるように各インジェクタ50,60からの燃料噴射量が制御される。
ガソリンインジェクタ60からのガソリン噴射量は、ガソリンインジェクタ60の開弁時間TAU1により決まる。空燃比フィードバック制御において、開弁時間TAU1は、次の(1)式によって算出される。
TAU1 = TP1 × (FW1 + FAF1) ・・・(1)
上記(1)式中、TP1は基本開弁時間、FW1は水温補正係数、FAF1は空燃比補正係数である。水温補正係数FW1は内燃機関2の冷却水温に応じて設定される。
また、水素インジェクタ50からの水素噴射量は、水素インジェクタ50の開弁時間TAU2により決まる。空燃比フィードバック制御において、開弁時間TAU2は、次の(2)式によって算出される。
TAU2 =TP2 × (FW2 + FAF2) ・・・(2)
上記(2)式中、TP2は基本開弁時間、FW2は水温補正係数、FAF2は空燃比補正係数である。水温補正係数FW2は内燃機関2の冷却水温に応じて設定される。
ガソリンインジェクタ60の基本開弁時間TP1と、水素インジェクタ50の基本開弁時間TP2は、ガソリンと水素のそれぞれが分担する負荷率(内燃機関2の負荷状態を数値で表したものであり、無負荷のときに0%となり全負荷のときに100%となる)を用い、それぞれ次の(3)式、(4)式によって算出される。
TP1 = ガソリン負荷率 × k1 ・・・(3)
TP2 = 水素負荷率 × k2 ・・・(4)
上記の(3)式、(4)式において、k1、k2は係数であり、それぞれ各インジェクタの単位開弁時間当たりの燃料噴射量や各燃料の単位量当たりの発熱量等から決定されている。これら係数は固定値でもよく変数でもよい。ただし、k2に関しては、温度や圧力による水素の体積変化を考慮して水素通路54を流れる水素の温度や圧力によって決まる変数とするのが好ましい。
水素負荷率及びガソリン負荷率は、それぞれ次の(5)式、(6)式によって算出される。
水素負荷率 = 目標負荷率 × 水素添加割合 ・・・(5)
ガソリン負荷率 = 目標負荷率 − 水素負荷率 ・・・(6)
上記の(5)式、(6)式において、目標負荷率は内燃機関2全体の負荷率の目標値であり、現在のアクセル開度(或いは吸入空気流量)と機関回転数に応じた目標負荷率がマップから読み出される。水素添加割合はガソリンと水素を合わせた燃料全体の総発熱量に対する水素の発熱量の比であり、現在のアクセル開度と機関回転数に応じた水素添加割合がマップから読み出される。
上記の(1)式及び(2)式に示すように、本実施形態では、ガソリンインジェクタ60の開弁時間TAU1を補正するための空燃比補正係数FAF1と、水素インジェクタ50の開弁時間TAU2を補正するための空燃比補正係数FAF2はそれぞれ別々に用意されている。ECU70は、以下に説明するFAF算出ルーチンの実行により、両空燃比補正係数FAF1、FAF2を別々に設定するようになっている。図2は、ECU70により実行されるFAF算出ルーチンについて示すフローチャートである。本ルーチンは、O2センサ72からの出力に基づく空燃比フィードバック制御が行われている間、一定クランク角毎に周期的に実行される。
FAF算出ルーチンの最初のステップ100では、FAF2(以下、水素FAFという)の位相のFAF1(以下、ガソリンFAF)の位相に対する遅れ時間(以下、水素FAF遅れ時間)が設定される。ガソリンインジェクタ60から噴射されたガソリンの一部は、吸気ポート18や吸気バルブ12の壁面に付着する。この壁面への付着がある分、ガソリンは水素よりも燃料噴射量の変化が筒内燃料流入量の変化として現れるまでに時間を要する。しかし、その分、水素FAFの位相をガソリンFAFの位相よりも遅らせることで、ガソリンの筒内流入量の位相と、水素の筒内流入量の位相とを一致させることができる。なお、燃料噴射量の変化が筒内燃料流入量の変化として現れるまでの時間は内燃機関2の運転状態によって異なるので、水素FAF遅れ時間も内燃機関2の運転状態、例えば、機関回転数や負荷に応じた値とする必要がある。本実施形態では、予め設定された機関回転数と負荷をパラメータとするマップから、現在の機関回転数及び負荷に応じた水素FAF遅れ時間を読み出すようになっている。
次のステップ102では、O2センサ72の出力の反転タイミングに対するガソリンFAFの反転タイミングのディレイ時間(ガソリンFAF反転ディレイ)が算出される。このディレイ時間は、O2センサ72の反転後もガソリンFAFを反転させない期間であり、O2センサ72の出力がリーンからリッチへ反転した直後、簡単に再反転してリーン側に戻ることがないように、また、リッチからリーンへ反転した直後、簡単に再反転してリッチ側に戻ることがないように設定されている。このディレイ時間は固定値でもよく、内燃機関2の運転状態に応じた変数としてもよい。
次のステップ104では、O2センサ72の出力の反転タイミングに対する水素FAFの反転タイミングのディレイ時間(水素FAF反転ディレイ)が、次の式(7)によって算出される。
水素FAF反転ディレイ = ガソリンFAF反転ディレイ + 水素FAF遅れ時間 ・・・(7)
つまり、水素FAFは、O2センサ72の出力が反転してからガソリンFAF反転ディレイが経過し、さらに、水素FAF遅れ時間の経過後に反転される。
ステップ106では、ステップ102で算出されたガソリンFAF反転ディレイに基づいてガソリンFAFの反転・積分操作が行われる。また、ステップ108では、ステップ104で算出された水素FAF反転ディレイに基づいて水素FAFの反転・積分操作が行われる。図3は、ECU70により実行されるFAF反転・積分操作ルーチンについて示すフローチャートである。ガソリンFAFと水素FAFは、ともに図3に示すルーチンによって反転・積分操作が行われる。
FAF反転・積分操作ルーチンの最初のステップ200では、O2センサ72の出力に基づいて現在の空燃比がリッチか、或いはリーンか判定される。
ステップ200の判定で現在の空燃比がリッチの場合にはステップ202に進む。ステップ202では、FAFの反転タイミングが到来したか否か判定される。具体的には、O2センサ72の出力がリーンからリッチに反転した時点からの経過期間が計測されており、ガソリンFAFの場合であれば、経過期間がガソリンFAF反転ディレイに達したか否か、水素FAFの場合であれば、経過期間が水素FAF反転ディレイに達したか否か判定される。ステップ202の判定の結果、現在が反転タイミングでないときにはステップ204に進み、現在が反転前か否か、つまり、O2センサ72の出力の反転時点からFAF反転ディレイの期間が経過したか否か判定される。
2センサ72の出力がリッチ側に反転した時点から未だFAF反転ディレイの期間が経過していない場合には、ステップ204からステップ206に進む。ステップ206では、FAFは小さなステップKIで増加方向に更新される。やがて、FAF反転ディレイの期間が経過してFAFの反転タイミングが到来すると、ステップ202からステップ208に進む。ステップ208では、FAFは大きなステップRS(RS>>KI)で減少方向にスキップされて正の値から負の値へ反転する。反転タイミングが経過した後は、ステップ204からステップ214に進む。ステップ214では、FAFは小さなステップKIで減少方向に更新される。
FAFが負の値に反転して僅かずつ減少していくことで、やがて筒内空燃比はリッチからリーンに変化し、O2センサ72の出力もリッチからリーンに反転する。ステップ200の判定で現在の空燃比がリーンの場合にはステップ210に進む。ステップ210では、FAFの反転タイミングが到来したか否か、つまり、O2センサ72の出力がリーン側に反転した時点からの経過期間がFAF反転ディレイに達したか否か判定される。ステップ210の判定の結果、現在が反転タイミングでないときにはステップ212に進み、現在が反転前か否か、つまり、O2センサ72の出力の反転時点からFAF反転ディレイの期間が経過したか否か判定される。
2センサ72の出力がリーン側に反転した時点から未だFAF反転ディレイの期間が経過していない場合には、ステップ212からステップ214に進む。ステップ214では、FAFは小さなステップKIで減少方向に更新され続ける。やがて、FAF反転ディレイの期間が経過してFAFの反転タイミングが到来すると、ステップ210からステップ216に進む。ステップ216では、FAFは大きなステップRSで増加方向にスキップされて負の値から正の値へ反転する。反転タイミングが経過した後は、ステップ212からステップ206に進み、FAFは小さなステップKIで増加方向に更新される。以後、上述したFAFの反転・積分操作が繰り返し実行されることにより、排気空燃比は目標空燃比を中心として周期的な変化を示すようになる。
以上説明したFAF算出ルーチン、及びFAF反転・積分操作ルーチンを実行することで、ガソリンFAFは図4中のチャート(A)に示すように変化し、水素FAFは図4中のチャート(B)に示すように変化する。(A)と(B)を比較して分かるように、水素FAFの位相はガソリンFAFの位相よりも遅らされている。その結果、チャート(C)とチャート(D)にそれぞれ示すように、ガソリンの筒内流入量の位相と水素の筒内流入量の位相は一致し、チャート(E)に示すように筒内空燃比はリーン側からリッチ側へ、リッチ側からリーン側へ明確に反転する。チャート(F)は(E)のように筒内空燃比が変化したときにO2センサ72の出力から判定されるリッチ・リーンの判定結果を示している。(E)のように筒内空燃比が変化することで、三元触媒42に流入する排気ガスの空燃比をリーンからリッチへ、リッチからリーンへ確実に周期的に変化させることができ、三元触媒42の浄化性能を高く維持することができる。
なお、上記実施の形態では、ECU70により図2及び図3のルーチンが実行されることで、第1の発明の「補正係数設定手段」が実現されている。また、ECU70により(1)乃至(6)式にしたがった演算が実行されることで、第1の発明の「噴射量設定手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本発明の実施の形態2としての制御装置は、実施の形態1において、ECU70に、図2のFAF算出ルーチンに代えて図5のFAF算出ルーチンを実行させることにより実現することができる。
実施の形態1では、水素FAF遅れ時間を予め設けておいたマップから読み出しているが(図2のルーチンのステップ100)、本実施形態では、内燃機関2の運転中に、水素とガソリンのそれぞれについて燃料噴射量の変化が筒内空燃比の変化として現れるまでの遅れ時間を実際に計測し、その遅れ時間の差から水素FAF遅れ時間を求めるようにしている。以下、図5にフローチャートで示すFAF算出ルーチンについて説明する。なお、本ルーチンも、O2センサ72からの出力に基づく空燃比フィードバック制御が行われている間、一定クランク角毎に周期的に実行される。
図5に示すFAF算出ルーチンの最初のステップ300では、内燃機関2の運転状態に変化がないか判定される。運転状態の変化の有無は、機関回転数や負荷を前回サイクルと今回サイクルとで比較することで判定することができる。判定の結果、運転状態に変化が無い場合には、ステップ312に進みガソリンFAFの反転・積分操作が実行され、次のステップ314で水素FAFの反転・積分操作が実行される。FAFの反転・積分操作は、実施の形態1と同様、図3のルーチンにしたがって行われる。
ステップ300の判定の結果、内燃機関2の運転状態に変化があったときにはステップ302の判定が実行される。ステップ302では、現在の運転状態のもとでの水素遅れ時間を既に計測しているか否か判定される。水素遅れ時間は、水素噴射量の変化が筒内空燃比の変化として現れるまでの遅れ時間を意味する。運転状態が変化した後の初めてのサイクルでは未だ水素遅れ時間は計測していないので、判定結果はNoとなり、ステップ316乃至ステップ320の処理が実行される。先ず、ステップ316では、ガソリンFAFの値が固定される。固定する値は予め設定された値でもよく、ガソリンFAFの値を学習している場合には、直前の学習値に固定してもよい。次のステップ318では、図3のルーチンにしたがって水素FAFの反転・積分操作が実行される。反転・積分操作によって水素FAFは反転を繰り返す。次のステップ320では、水素FAFが反転してから筒内空燃比が反転するまでの時間が水素遅れ時間としてカウントされる。
ステップ318で水素遅れ時間が計測されることで、次回サイクルでのステップ302の判定結果はYesとなり、次にステップ304の判定が実行される。ステップ304では、現在の運転状態のもとでのガソリン遅れ時間を既に計測しているか否か判定される。ガソリン遅れ時間は、ガソリン噴射量の変化が筒内空燃比の変化として現れるまでの遅れ時間を意味する。ガソリン遅れ時間が未だ計測されていない場合、ステップ322乃至ステップ326の処理が実行される。先ず、ステップ322では、水素FAFの値が固定される。固定する値は予め設定された値でもよく、水素FAFの値を学習している場合には、直前の学習値に固定してもよい。次のステップ324では、図3のルーチンにしたがってガソリンFAFの反転・積分操作が実行される。反転・積分操作によってガソリンFAFは反転を繰り返す。次のステップ326では、ガソリンFAFが反転してから筒内空燃比が反転するまでの時間がガソリン遅れ時間としてカウントされる。
水素遅れ時間とガソリン遅れ時間がともに計測された場合、ステップ304からステップ306に進む。ステップ306では、水素遅れ時間とガソリン遅れ時間から次の(8)式によってガソリン水素遅れ差が算出される。
ガソリン水素遅れ差= ガソリン遅れ時間 − 水素遅れ時間 ・・・(8)
次のステップ308では、ガソリンFAF反転ディレイが算出される。ガソリンFAF反転ディレイは固定値でもよく、内燃機関2の運転状態に応じた変数としてもよい。そして、次のステップ310では、水素FAF反転ディレイが、次の式(9)によって算出される。
水素FAF反転ディレイ = ガソリンFAF反転ディレイ + ガソリン水素遅れ差 ・・・(9)
ステップ312では、ステップ308で算出されたガソリンFAF反転ディレイに基づいてガソリンFAFの反転・積分操作が行われる。また、ステップ314では、ステップ310で算出された水素FAF反転ディレイに基づいて水素FAFの反転・積分操作が行われる。
以上説明したFAF算出ルーチンによれば、内燃機関2の運転状態が変化する度に水素遅れ時間とガソリン遅れ時間が測定されるので、運転環境や経時変化等の影響を受けることなく常に適正なガソリン水素遅れ差(水素FAF遅れ時間)を設定することができる。なお、測定した水素遅れ時間とガソリン遅れ時間を内燃機関2の運転状態毎に学習値として記憶し、次回の同運転状態では学習値を使用するようにしてもよい。或いは、ガソリン水素遅れ差を内燃機関2の運転状態毎に学習値として記憶してもよい。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
図1の構成では、ガソリンインジェクタ60を吸気ポート18に配置することとしているが、その配置はこれに限定されるものではない。すなわち、ガソリンインジェクタ60は、燃焼室10内に直接、ガソリンを噴射できるようにシリンダヘッド4に組み込んでもよい。水素インジェクタ50に関しても同様であり、燃焼室10内に直接、水素を噴射できるようにシリンダヘッド4にガソリンインジェクタ60を組み込んでもよい。なお、一方の燃料を吸気ポート18に噴射し、もう一方の燃料を燃焼室10内に直接噴射する場合には、ガソリンが気化するのに要する遅れ時間に加え、燃料の噴射位置の違いによる輸送遅れ時間も考慮して、ガソリンの噴射によって実現される筒内空燃比の位相と水素の噴射によって実現される筒内空燃比の位相とが一致するように各空燃比補正係数を設定するのが望ましい。
また、上記実施の形態では、ガソリンと水素を燃料とする内燃機関に本発明を適用しているが、本発明は他の液体燃料と気体燃料を使用する内燃機関にも適用可能であり、同様の効果を得ることができる。本発明が適用される内燃機関で使用可能な液体燃料としては、ガソリン以外にも例えば軽油が使用可能である。また、気体燃料としては、水素以外にも例えばメタン、CNG、ガソリンの改質ガス(CO、水素、アセチレン等の混合ガス)等が使用可能である。
本発明の実施の形態1としての制御装置が適用された内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるFAF算出ルーチンについて示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるFAF反転・積分操作ルーチンについて示すフローチャートである。 FAF算出ルーチン及びFAF反転・積分操作ルーチンの実行により得られる効果を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行されるFAF算出ルーチンについて示すフローチャートである。
符号の説明
2 内燃機関
4 シリンダヘッド
10 燃焼室
12 吸気弁
14 排気弁
18 吸気ポート
20 排気ポート
30 吸気通路
40 排気通路
42 三元触媒
50 水素インジェクタ
52 水素タンク
60 ガソリンインジェクタ
62 ガソリンタンク
70 ECU
72 O2センサ

Claims (3)

  1. 液体燃料と気体燃料をともに使用可能な内燃機関において、前記内燃機関の運転状態に応じて各燃料の噴射量を決定し、排気通路に設けられた酸素センサの出力の変化に基づいて各燃料の噴射量を補正する前記内燃機関の制御装置であって、
    液体燃料の噴射量を補正するための補正係数と、気体燃料の噴射量を補正するための補正係数とを前記酸素センサの出力の変化に基づいて別々に設定する補正係数設定手段と、 前記補正係数設定手段により設定された各補正係数を用いて各燃料の噴射量を設定する噴射量設定手段とを備え、
    前記補正係数設定手段は、前記酸素センサの出力の変化に対応して同じ周期で変化するように各補正係数を設定するものであり、前記噴射量設定手段により設定された量の液体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相と、前記噴射量設定手段により設定された量の気体燃料の噴射によって実現される筒内空燃比の位相とが一致するように両補正係数間に位相差を設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 液体燃料と気体燃料はともに前記内燃機関の吸気ポートに噴射され、
    前記補正係数設定手段は、気体燃料の補正係数の位相が液体燃料の補正係数の位相よりも遅れるように両補正係数間に位相差を設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記補正係数設定手段は、気体燃料の補正係数を固定し、前記酸素センサの出力の変化に基づいて液体燃料の補正係数のみを変化させたときの補正係数の位相に対する筒内空燃比の位相の遅れ時間を計測するとともに、液体燃料の補正係数を固定し、前記酸素センサの出力の変化に基づいて気体燃料の補正係数のみを変化させたときの補正係数の位相に対する筒内空燃比の位相の遅れ時間を計測し、両者の遅れ時間の差に基づいて両補正係数間の位相差を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
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