JP2009041407A - 内燃機関の燃料性状検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用燃料のアルコール濃度を少ない誤差で推定する。
【解決手段】基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側の目標空燃比14.1,15.1に空燃比を制御したときの実際のリッチ側空燃比補正量Kfr及びリーン側空燃比補正量Kflを取得し、これら補正量と、基準燃料のストイキ相当の基準補正量1.0との差、並びに、基準燃料を前提とした場合の目標空燃比相当のリッチ側補正量Kfrg及びリーン側補正量Kflgと前記基準補正量との差の比率Zr=|Kfr−1|/|Kfrg−1|、Zl=|Kfl−1|/|Kflg−1|を算出し、これらリッチ側及びリーン側比率Zr,Zlに基づき燃料のアルコール濃度を推定する。リッチ側及びリーン側の両方の比率に基づきアルコール濃度を推定するので推定誤差を少なくできる。
【選択図】図7

Description

本発明は内燃機関の燃料性状検出装置に係り、特に、内燃機関における使用燃料のアルコール濃度を推定する装置に関する。
近年、ガソリンエンジンに対して、基準燃料としてのガソリンにアルコール(主にエタノール)を混合した燃料(以下、「アルコール燃料」という)が、使用される例がしばしば見受けられる。かかるアルコール燃料の使用を想定した場合、燃料中のアルコール濃度を検出しておくことが、好適な燃料噴射量制御等を行う上で好ましい。
特許文献1にはエンジンのアルコール濃度推定装置が開示されている。これによれば、アルコール非含有燃料の理論空燃比よりもリッチ側またはリーン側の目標空燃比を設定し、使用燃料の実空燃比を検出し、目標空燃比と検出された実空燃比との比率に基づいて使用燃料のアルコール濃度を算出するようにしている。
特開2005−48625号公報
これによれば、アルコール非含有燃料の理論空燃比よりもリッチ側またはリーン側の一方の目標空燃比のみを基準として目標空燃比と実空燃比との比率を算出し、この比率に基づいて使用燃料のアルコール濃度を算出している。よって、吸入空気量及び空燃比の検出値や、燃料噴射量及び燃料噴射圧力等にズレやばらつきがあった場合に、その影響を強く受けて結果的にアルコール濃度の推定誤差が大きくなる可能性がある。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、使用燃料のアルコール濃度を少ない誤差で推定可能な内燃機関の燃料性状検出装置を提供することにある。
本発明の第1の形態によれば、
内燃機関の排気通路に配置され、排気ガスの酸素濃度に基づいて当該排気ガスの実空燃比を検出する空燃比センサと、
前記空燃比センサにより検出された実空燃比を所定の目標空燃比に一致させるべく、実空燃比と基準燃料のストイキとの偏差に基づく補正量に基づいて空燃比を制御する空燃比制御手段と、
前記目標空燃比を基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側に設定する目標空燃比設定手段と、
前記目標空燃比が基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側に設定され、前記実空燃比が前記目標空燃比に一致するよう制御されているときの、実際のリッチ側補正量及びリーン側補正量を取得し、これら実際のリッチ側補正量及びリーン側補正量と、基準燃料のストイキ相当の基準補正量との差、並びに、基準燃料を前提とした場合の前記目標空燃比相当のリッチ側補正量及びリーン側補正量と前記基準補正量との差の比率を算出し、これらリッチ側比率及びリーン側比率に基づき燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料性状検出装置が提供される。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、
前記アルコール濃度推定手段は、前記リッチ側比率及びリーン側比率の平均値に基づき燃料のアルコール濃度を推定する
ことを特徴とする。
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、
前記排気通路に触媒が配置され、該触媒の上流側に前記空燃比センサが配置され、前記触媒の下流側に別の空燃比センサが配置され、
前記目標空燃比設定手段は、前記別の空燃比センサの出力が基準燃料のストイキに対しリーン側及びリッチ側に反転する毎に、前記目標空燃比を基準燃料のストイキに対しリッチ側及びリーン側に切り替える
ことを特徴とする。
本発明の第4の形態によれば、
内燃機関の排気通路に配置され、排気ガスの酸素濃度に基づいて当該排気ガスの実空燃比を検出する空燃比センサと、
基準燃料使用時に前記空燃比センサにより検出された実空燃比が所定の目標空燃比に一致するような目標噴射率に実際の噴射率を制御する噴射率制御手段と、
前記目標噴射率を基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側に設定する目標噴射率設定手段と、
前記目標噴射率が基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側に設定され、前記実際の噴射率がリッチ側及びリーン側の目標噴射率に制御されているときの、前記空燃比センサによって検出された実際のリッチ側空燃比及びリーン側空燃比を取得し、これら実際のリッチ側空燃比及びリーン側空燃比と、リッチ側及びリーン側の目標空燃比との偏差を算出し、これらリッチ側偏差及びリーン側偏差に基づき燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料性状検出装置が提供される。
本発明の第5の形態は、前記第4の形態において、
前記アルコール濃度推定手段は、前記リッチ側偏差及びリーン側偏差の平均値に基づき燃料のアルコール濃度を推定する
ことを特徴とする。
本発明の第6の形態は、前記第4又は第5の形態において、
前記排気通路に触媒が配置され、該触媒の上流側に前記空燃比センサが配置され、前記触媒の下流側に別の空燃比センサが配置され、
前記目標噴射率設定手段は、前記別の空燃比センサの出力が基準燃料のストイキに対しリーン側及びリッチ側に反転する毎に、前記目標噴射率を基準燃料のストイキに対しリッチ側及びリーン側に切り替える
ことを特徴とする。
本発明によれば、使用燃料のアルコール濃度を少ない誤差で推定可能な内燃機関の燃料性状検出装置を提供することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の概略図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストンを往復移動させることにより動力を発生する。本実施形態の内燃機関1は自動車用の多気筒内燃機関であり、より具体的には並列4気筒の火花点火式内燃機関、即ち、ガソリンを基準燃料とするガソリンエンジンである。
図示しないが、内燃機関1のシリンダヘッドには吸気ポートを開閉する吸気弁と、排気ポートを開閉する排気弁とが気筒ごとに配設されており、各吸気弁および各排気弁はカムシャフトによって開閉させられる。シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管4を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式のスロットルバルブ10とが組み込まれている。吸気ポート、枝管、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
吸気通路、特に吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設される。インジェクタ12から噴射された燃料は吸入空気と混合されて混合気をなし、この混合気が吸気弁の開弁時に燃焼室3に吸入され、ピストンで圧縮され、点火プラグ7で点火燃焼させられる。
一方、各気筒の排気ポートは排気マニフォールド14に接続される。排気マニフォールド14は、その上流部をなす気筒毎の枝管14aと、その下流部をなす排気集合部14bとからなる。排気集合部14bの下流側には排気管6が接続されている。排気ポート、排気マニフォールド14及び排気管6により排気通路が形成される。排気管6には三元触媒からなる触媒11が取り付けられている。触媒11の上流側及び下流側にそれぞれ排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ、即ち触媒前センサ17及び触媒後センサ18が設置されている。これら触媒前センサ17及び触媒後センサ18は、触媒11の直前及び直後の位置の排気通路に設置され、排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する。触媒前センサ17が本発明にいう空燃比センサをなし、触媒後センサ18が本発明にいう別の空燃比センサをなす。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前センサ17、触媒後センサ18のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ16、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。なおスロットル開度は通常アクセル開度に応じた開度に制御される。
触媒11は、これに流入する排気ガスの空燃比A/Fが基準燃料であるガソリンの理論空燃比(ストイキ、例えばA/F=14.6)近傍のときに、排気中の有害成分であるNOx ,HCおよびCOを同時に浄化する。また触媒11は酸素吸蔵能(O2ストレージ能)を有しており、流入排気ガスの空燃比がストイキよりも大きくなると、即ちリーンになると排気ガス中に存在する過剰酸素を吸着保持し、流入排気ガスの空燃比がストイキよりも小さくなると、即ちリッチになると吸着保持された酸素を放出する。
ECU20は、内燃機関の通常運転時、触媒11に流入する排気ガスの空燃比即ち触媒前空燃比A/Ffrをストイキに一致させるように空燃比を制御する。具体的にはECU20は、ストイキに等しい目標空燃比A/Ftを設定すると共に、触媒前センサ17により検出された実空燃比としての触媒前空燃比A/Ffrがストイキに一致するように、インジェクタ12から噴射される燃料噴射量をフィードバック制御する。
より具体的には、触媒前センサ17は図2に示すように、排気中の酸素濃度に比例し且つ広範囲に亘る空燃比に対応した信号Vfを出力する。所謂広域空燃比センサである。そしてガソリン100%の燃料が用いられているときのストイキ(ガソリンストイキ)相当のセンサ出力値Vreffが予め定められ、実際のセンサ出力Vfがストイキ相当のセンサ出力値Vreffに一致するように空燃比がフィードバック制御される。センサ出力値Vfは、ECU20において空燃比の値に換算される。
ここで、燃料にアルコールが混入されたときにも同様に、実際のセンサ出力Vfがガソリンストイキ相当のセンサ出力値Vreffに一致するように空燃比がフィードバック制御される。アルコールが酸素を含むので、その分燃料噴射量が増加し、数値上の理論空燃比はガソリン燃料使用時の値(14.6)より小さな値となるが、結果として空燃比は実際に使用されているアルコール燃料のストイキ(例えば12.0等)に制御される。後述するアクティブ空燃比制御において、空燃比がガソリンストイキよりリーン側又はリッチ側に制御されたときも同様である。要は、アルコール燃料使用時にはガソリン燃料使用時と比べて数値上の空燃比が違うだけで、排気中酸素濃度及びセンサ出力については同一であり、結果的に同じガス状態(リーン、ストイキ、リッチ)が実現されることとなる。
触媒後センサ18は所謂O2センサからなり、ガソリンストイキを境に出力値が急変する特性を持つ。図3には触媒後センサ18の出力特性を示す。図示するように、触媒後センサ18の出力電圧Vrはストイキを境に過渡的に変化し、検出した排気空燃比がストイキよりリーンのときには0.1V程度の低い電圧を示し、検出した排気空燃比がストイキよりリッチのときには0.9V程度の高い電圧を示す。これらのほぼ中間の電圧Vrefr=0.45Vをストイキ相当値とし、センサ出力電圧がVrefrより高いときには排気空燃比はストイキよりリッチ、センサ出力電圧がVrefrより低いときには排気空燃比はストイキよりリーンというように、排気空燃比を検出している。
以下、通常運転時のストイキフィードバック空燃比制御について説明する。この空燃比制御は、触媒前センサ17によって検出された排気空燃比をストイキ(ガソリンストイキ=14.6)に一致させるような主空燃比制御と、触媒後センサ18によって検出された排気空燃比をストイキに一致させるような補助空燃比制御とからなる。
図4に空燃比制御ルーチンを示す。このルーチンはECU20により1エンジンサイクル(=720°クランク角)毎に繰り返し実行される。
まずステップS101では、燃焼室内混合気の空燃比をストイキとするような基本の燃料噴射量即ち基本噴射量Qbが算出される。基本噴射量Qbは例えば、エアフローメータにより検出された吸入空気量Gaに基づき、式:Qb=Ga/14.6により算出される。
ステップS102では触媒前センサ17の出力Vfが取得される。ステップS103では、このセンサ出力Vfとストイキ相当センサ出力Vreff(図2参照)との差、即ち触媒前センサ出力差ΔVf=Vf−Vreffが算出される。
ステップS104では、この触媒前センサ出力差ΔVfに基づき、例えば図5に示したようなマップ(関数でもよい、以下同様)から主空燃比補正量(補正係数)Kfが算出される。なおここでは補正量の設定の仕方を簡略化して示すが、実際には公知のPID制御に基づいて比例項、積分項及び微分項がそれぞれ設定される。そしてステップS105では、図示しない別ルーチンで設定された補助空燃比補正量Krの値が取得される。最後に、ステップS106にて、インジェクタ12から噴射すべき最終的な燃料噴射量即ち最終噴射量Qfnlが式:Qfnl=Kf×Qb+Krにより算出される。
図5のマップから分かるように、触媒前センサ出力Vfがストイキ相当センサ出力Vreffより大きい(ΔVf>0)ほど、即ち実際の触媒前空燃比がストイキからリーン側に離れるほど、1に対しより大きな補正量Kfが得られ、基本噴射量Qbは増量補正される。反対に、触媒前センサ出力Vfがストイキ相当センサ出力Vreffより小さい(ΔVf<0)ほど、即ち実際の触媒前空燃比がストイキからリッチ側に離れるほど、1に対しより小さな補正量Kfが得られ、基本噴射量Qbは減量補正される。
ところで、触媒前センサ17の劣化等の理由で主空燃比フィードバック制御を実行してもその結果がストイキからズレることがある。このズレを補正する目的で、補助空燃比補正量Krに基づく補助空燃比制御が実行される。触媒後センサ17の出力Vrとストイキ相当センサ出力Vrefr(図3参照)との差、即ち触媒後センサ出力差ΔVr=Vrefr−Vrが所定時間積算され、この触媒後センサ出力差の積算値ΔVrに基づき、図6に示したようなマップから、補助空燃比補正量Krが算出及び更新記憶される。補助空燃比補正量Krの更新は1エンジンサイクルより遙かに長い周期で行われる。
ステップS106で得られた最終噴射量Qfnlの値は、全気筒に対し一律に用いられる。即ち、1エンジンサイクルの間、最終噴射量Qfnlに等しい量の燃料が各気筒のインジェクタ12から順次噴射され、次のエンジンサイクルでは新たに計算された最終噴射量Qfnlの燃料が各気筒のインジェクタ12から順次噴射される。
なお、周知のように、最終噴射量Qfnlの算出に当たっては他の補正(水温補正、バッテリ電圧補正等)を追加することも可能である。
次に、本実施形態におけるアルコール濃度の推定について説明する。
本実施形態におけるアルコール濃度の推定に際しては、前述のストイキフィードバック空燃比制御は行われず、代わりに空燃比をガソリンストイキよりリッチ側及びリーン側に強制的に制御するアクティブ空燃比制御が行われる。そしてリッチ側及びリーン側に制御するに際しては主空燃比補正係数Kfが基準値1.0よりも大きな値及び小さな値に制御され、これによって空燃比のリッチ状態及びリーン状態を実現している。
このときの空燃比A/Fと主空燃比補正係数Kfとの関係を図7に示す。なお横軸にはガソリン燃料を前提とした空燃比の値を示す。
まず、実線で示すガソリン燃料の場合、補正係数Kfはストイキ(A/F=14.6)時の1.0を基準として空燃比に対し比例関係にある。例えば、目標空燃比をストイキよりリーンの例えば15.1に設定してアクティブ空燃比制御を実行すると、補正係数Kfは1.0より小さい値Kfg15.1となり、目標空燃比をストイキよりリッチの例えば14.1に設定してアクティブ空燃比制御を実行すると、補正係数Kfは1.0より大きい値Kfg14.1となる。
一方、破線で示すアルコール燃料の場合だと、補正係数Kfがストイキ時の1.0を基準として空燃比に対し比例関係にある点は同じだが、その変化率或いは勾配が異なる。即ち、目標空燃比を15.1に設定してアクティブ空燃比制御を実行すると、補正係数Kfはガソリン燃料使用時の値Kfg15.1より小さい値Kfa15.1となり、燃料はより少なくなるように減量補正される。また、目標空燃比を14.1に設定してアクティブ空燃比制御を実行すると、補正係数Kfはガソリン燃料使用時の値Kfg14.1より大きい値Kfa14.1となり、燃料はより多くなるように増量補正される。つまり、目標空燃比がストイキからズレたときの補正係数Kfの基準値1.0からのズレ量は大きくなる。これを第1の特性という。燃料中のアルコール濃度が増えるほど変化率或いは勾配は大きくなり、かかる傾向は強くなる。
一方、見方を変えると、ガソリン燃料使用時の空燃比15.1相当の補正係数Kfg15.1で燃料噴射量を制御しても、アルコール燃料使用時にはガソリン15.1相当の空燃比には至らず、それよりも小さな(リッチ側の)空燃比Xlしか得られない。また、ガソリン燃料使用時の空燃比14.1相当の補正係数Kfg14.1で燃料噴射量を制御しても、アルコール燃料使用時にはガソリン14.1相当の空燃比には至らず、それよりも大きな(リーン側の)空燃比Xrしか得られない。これを第2の特性という。燃料中のアルコール濃度が増えるほどこのような傾向は強くなる。
そこでこれらの特性を利用し、本実施形態では以下のようにして燃料のアルコール濃度を推定する。まず、第1の特性を利用する第1の態様を説明する。
図8にアクティブ空燃比制御の様子を示す。(A)図において、破線が目標空燃比A/Ft、実線が触媒前センサ17の出力(触媒前空燃比A/Ffrへの換算値)を示す。(B)図において、実線が触媒後センサ18の出力(出力電圧Vr)を示す。
図示されるように、目標空燃比A/Ftが、ガソリンストイキよりもリッチ側及びリーン側に交互に設定され、実際の触媒前空燃比A/Ffrがガソリンストイキよりもリッチ側及びリーン側に強制的に(アクティブに)制御される。本実施形態ではリーン側の目標空燃比を15.1、リッチ側の目標空燃比を14.1とし、ストイキに対し対称的に同一振幅となるようにされている。
例えば時刻t1より前では目標空燃比がリーンとされ、触媒11にはリーンガスが流入されている。このとき触媒11では酸素を吸蔵ないし吸収するが(吸蔵サイクル)、飽和状態即ち満杯まで酸素を吸収した時点でそれ以上酸素を吸収できなくなり、リーンガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後センサ18の出力Vrがリーン側に反転し、当該出力Vrがストイキ相当のしきい値Vrefrに達した時点(t1)で、目標空燃比A/Ftがリッチに切り替えられる。このように触媒後センサ18の出力Vrが反転する毎に目標空燃比A/Ftが切り替えられる。
そして今度は触媒11にリッチガスが流入される。このとき触媒11では、それまで吸蔵されていた酸素を放出し続ける(放出サイクル)。やがて触媒11から全ての吸蔵酸素が放出され尽くすとその時点で酸素を放出できなくなり、リッチガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後センサ18の出力Vrがリッチ側に反転し、当該出力Vrがしきい値Vrefrに達した時点(t2)で、目標空燃比A/Ftがリーンに切り替えられる。
再び、触媒11にリーンガスが流入され、触媒11が満杯まで酸素を吸収し、触媒後センサ18の出力Vrがリーン側に反転した時点(t3)で目標空燃比A/Ftがリッチに切り替えられる。
このように、触媒11からリーンガス或いはリッチガスが流出した時点で直ちに目標空燃比A/Ftが切り替えられるので、触媒11からのリーンガス或いはリッチガスの流出を抑えられ、エミッションの悪化を防止できる。
ところで、例えば目標空燃比A/Ftがリッチに切り替えられると(t1)、実際の触媒前空燃比A/Ffrもやや遅れて目標空燃比A/Ftと同じ値に到達、収束する。この収束時点で、使用燃料がガソリンなら図7に示したように主空燃比補正係数KfはKfg14.1であるが、使用燃料がアルコールを含むアルコール燃料であると主空燃比補正係数KfはKfg14.1より大きな値Kfa14.1となる。そして、これら補正係数Kfg14.1、Kfa14.1と基準補正係数1.0との差(特にその絶対値)の比率Z=|Kfa14.1−1|/|Kfg14.1−1|は、燃料のアルコール濃度に相関する値となる。よって当該比率Zを求めることで燃料のアルコール濃度を推定することが可能である。
同様に、目標空燃比A/Ftがリーンに切り替えられると(t2)、実際の触媒前空燃比A/Ffrもやや遅れて目標空燃比A/Ftと同じ値に到達、収束する。この収束時点で、使用燃料がガソリンなら図7に示したように主空燃比補正係数KfはKfg15.1であるが、使用燃料がアルコールを含むアルコール燃料であると主空燃比補正係数KfはKfg15.1より小さな値Kfa15.1となる。そして、これら補正係数Kfg15.1、Kfa15.1と基準補正係数1.0との差(特にその絶対値)の比率Z=|Kfa15.1−1|/|Kfg15.1−1|は、燃料のアルコール濃度に相関する値となる。よって当該比率Zを求めることで燃料のアルコール濃度を推定することが可能である。
ところで、リッチ側及びリーン側の一方のみでアルコール濃度を推定すると、吸入空気量及び空燃比の検出値や、燃料噴射量及び燃料噴射圧力等にズレやばらつきがある場合(特に触媒前センサ17にストイキずれがある場合)に、その影響を強く受けて結果的にアルコール濃度の推定誤差が大きくなる可能性がある。そこで本実施形態ではかかる推定誤差をできるだけ少なくするため、リッチ側及びリーン側の両方の比率Zに基づきアルコール濃度を推定することとし、また、ストイキからリッチ側及びリーン側に対称的に離れた少なくとも2点でのデータに基づきアルコール濃度を推定することとしている。
以下、具体的なアルコール濃度推定処理の手順を図9を参照しつつ説明する。図示の処理はECU20により実行される。
まずステップS201において、処理を実行するための所定条件が成立しているか否かが判断される。例えば以下の条件が全て満たされたときに条件成立となる。
1)触媒前センサ17及び触媒後センサ18が活性温度にある。
2)触媒11が活性温度にある。
3)エンジンが定常運転中である。例えば、吸入空気量及びエンジン回転速度の検出値がほぼ一定である。
なお3)の条件は含めるのが好ましいが省略も可能である。
所定条件不成立のときは処理が即座に終了となる。他方、所定条件成立のときは、ステップS202に進んで、触媒前空燃比A/Ffrがリッチに制御される。即ち、目標空燃比A/Ftがリッチな値(14.1)に設定されると共に、触媒前センサ17により検出された実際の触媒前空燃比A/Ffrが目標空燃比A/Ftに一致するように空燃比が制御される。
実際の触媒前空燃比A/Ffrが目標空燃比A/Ftに到達して安定したら、ステップS203において、そのときの補正係数(リッチ側補正係数)Kfrが取得され、同時に取得したリッチ側補正係数Kfrと、基準補正係数1.0との差の絶対値|Kfr−1|が算出される。
次に、ステップS204において、触媒後センサ18の出力がリッチ側に反転したか否かが判断される。反転していない場合は反転するまで待機し、反転したらステップS205に進んで触媒前空燃比A/Ffrがリーンに制御される。即ち、目標空燃比A/Ftがリーンな値(15.1)に切替設定されると共に、触媒前センサ17により検出された実際の触媒前空燃比A/Ffrが目標空燃比A/Ftに一致するよう、空燃比が制御される。
実際の触媒前空燃比A/Ffrが目標空燃比A/Ftに到達して安定したら、ステップS206において、そのときの補正係数(リーン側補正係数)Kflが取得され、同時に取得したリーン側補正係数Kflと、基準補正係数1.0との差の絶対値|Kfl−1|が算出される。
次に、ステップS207において、触媒後センサ18の出力がリーン側に反転したか否かが判断される。反転していない場合は反転するまで待機し、反転したらステップS208に進んでデータの取得が完了したか否かが判断される。即ち、本実施形態では、|Kfr−1|、|Kfl−1|のデータを所定数(例えば3)ずつ取得するようにされており、この所定数ずつの取得を終えたらデータ取得完了としている。
データ取得が完了していなければステップS202に進んでステップS202〜S207を繰り返す。他方、データ取得が完了したならばステップS209に進んで、所定数ずつの|Kfr−1|、|Kfl−1|の平均値|Kfr−1|av、|Kfl−1|avが算出される。|Kfr−1|av、|Kfl−1|avは本来等しい値となるはずである。
そして、ステップS210において、ガソリン燃料使用時に空燃比がリッチ側及びリーン側の目標空燃比(14.1,15.1)に制御されたときの補正係数即ち基準燃料使用時補正係数Kfrg、Kflgが取得される。これら基準燃料使用時補正係数Kfrg、Kflgの値は、図7に示したKfg14.1、Kfg15.1と等しく、予めECU20に記憶されている。
この後ステップS211において、リッチ側比率Zr及びリーン側比率Zlがそれぞれ式:Zr=|Kfr−1|/|Kfrg−1|及びZl=|Kfl−1|/|Kflg−1|によって算出される。
続くステップS212で、これらリッチ側比率Zr及びリーン側比率Zlの平均値である最終的な比率Zが式:Z=(Zr+Zl)/2により算出される。
最後に、ステップS213において、最終的な比率Zに基づき、図10のマップに従って、燃料のアルコール濃度ALが算出、推定される。
次に、前記第2の特性を利用した第2の態様を説明する。図11に図8と同様なアクティブ空燃比制御の様子を示す。(A)図では噴射率なる値が示され、これは単に空燃比の逆数(F/A)である。空燃比の場合とは逆に、燃料噴射量の増加につれ噴射率は増加する。燃料噴射量ではなく噴射率の値を用いるのは、エンジン運転状態が変化しても目標値が変化しない制御を行うためである。(A)図に破線で示す目標噴射率F/At及び実線で示す実際の触媒前噴射率F/Afrは、単に、目標空燃比A/Ft及び触媒前空燃比A/Ffrの逆数からなる値である。(B)図には図8同様に触媒後センサ18の出力(出力電圧V)を実線で示す。
ここでのアクティブ空燃比制御では、例えば目標空燃比A/Ftがリッチ(14.1)に設定されたとき(t1〜t2)、使用燃料がガソリンである場合にその目標空燃比A/Ftに等しいリッチ空燃比が実際に得られるような噴射率で燃料が噴射される。つまり図7に示したKfg14.1に補正係数Kfが設定され、燃料噴射量はストイキ時の1.034倍とされる。こうした場合、使用燃料がアルコール燃料であると、燃料量は自ずと不足し、実際の噴射率は目標噴射率に至らない。即ち、実際の触媒前空燃比A/Ffrは目標空燃比A/Ftよりリーンな値となる(図11のY参照)。これら実際の触媒前空燃比A/Ffrと目標空燃比A/Ftとの偏差(特にその絶対値)である空燃比差Y=|A/Ffr−A/Ft|は、燃料のアルコール濃度に相関する値となる。よって当該空燃比差Yを求めることで燃料のアルコール濃度を推定することが可能である。なお後述するように、この第2の態様でもリッチ側及びリーン側の両方の空燃比差Yに基づきアルコール濃度を推定し、推定誤差をできるだけ少なくするようにしている。
以下、第2の態様に係るアルコール濃度推定処理の手順を図12を参照しつつ説明する。図示の処理はECU20により実行される。
まずステップS301において、前記ステップS201と同様、処理を実行するための所定条件が成立しているか否かが判断される。所定条件不成立のときは処理が即座に終了となる。他方、所定条件成立のときは、ステップS302に進んで、噴射率がリッチ側の目標噴射率に制御される。即ち、補正係数Kfが図7に示したKfg14.1に設定され、ガソリン燃料使用時に実際の触媒前空燃比A/Ffrがリッチ側目標空燃比(14.1)に等しくなるように、実際の噴射率が制御される。
実際の噴射率が安定したら、ステップS303において、そのときに触媒前センサ17により検出された実際の触媒前空燃比A/Ffrrの値が取得され、同時に取得した触媒前空燃比A/Ffrrと、リッチ側目標空燃比A/Ftrとの差の絶対値即ちリッチ側空燃比差|A/Ffrr−A/Ftr|が算出される。
次に、ステップS304において、触媒後センサ18の出力がリッチ側に反転したか否かが判断される。反転していない場合は反転するまで待機し、反転したらステップS305に進んで噴射率がリーン側の目標噴射率に制御される。即ち、補正係数Kfが図7に示したKfg15.1に設定され、ガソリン燃料使用時に実際の触媒前空燃比A/Ffrがリーン側目標空燃比(15.1)に等しくなるように、実際の噴射率が制御される。なおこのとき燃料噴射量はストイキ時の0.966倍とされる。
実際の噴射率が安定したら、ステップS306において、そのときに触媒前センサ17により検出された実際の触媒前空燃比A/Ffrlの値が取得され、同時に、取得した触媒前空燃比A/Ffrlと、リーン側目標空燃比A/Ftlとの差の絶対値即ちリーン側空燃比差|A/Ffrl−A/Ftl|が算出される。
次に、ステップS307において、触媒後センサ18の出力がリーン側に反転したか否かが判断される。反転していない場合は反転するまで待機し、反転したらステップS308に進んでデータの取得が完了したか否かが判断される。本実施形態では、|A/Ffrr−A/Ftr|、|A/Ffrl−A/Ftl|のデータを所定数(例えば3)ずつ取得するようにされており、この所定数ずつの取得を終えたらデータ取得完了としている。
データ取得が完了していなければステップS302に進んでステップS302〜S307を繰り返す。他方、データ取得が完了したならばステップS309に進んで、所定数ずつの|A/Ffrr−A/Ftr|、|A/Ffrl−A/Ftl|の平均値|A/Ffrr−A/Ftr|av、|A/Ffrl−A/Ftl|avが、最終的なリッチ側空燃比差Yr及びリーン側空燃比差Ylとして算出される。|A/Ffrr−A/Ftr|av、|A/Ffrl−A/Ftl|avは本来等しい値となるはずである。
そして、ステップS310において、これらリッチ側空燃比差Yr及びリーン側空燃比差Ylの平均値が、最終的な空燃比差Yとして算出される。即ちY=(Yr+Yl)/2である。
最後に、ステップS311において、最終的な空燃比差Yに基づき、図13のマップに従って、燃料のアルコール濃度ALが算出、推定される。なお図13中、実線が本実施形態のように目標空燃比をガソリンストイキから±0.5だけ変えた場合を示すが、破線は、目標空燃比をガソリンストイキから±1.0だけ変えた場合を示す。このように目標空燃比の変化幅が増加するほど、同一空燃比差Yに対するアルコール濃度ALは小さくなる傾向にある。
なお、本実施形態には、推定誤差が少なくなるばかりでなく、特別なセンサや装置を用いずにアルコール濃度を推定できるという利点もある。
他の好適実施形態として次のようなものも考えられる。例えば、アルコール濃度の推定を燃料給油後の最初の所定時期(例えば給油後3トリップ経過時)と、その後の所定時期(例えば給油後10トリップ毎)とに分けて実施し(但し、最初の所定時期とその後の所定時期との間で給油は無いものとする)、その間で推定アルコール濃度に変化があれば、センサ類(主に触媒前センサ17)の異常として検出することが可能である。
また、目標空燃比及び目標噴射率の切替を触媒後センサ18の反転と同期させないで、その反転時期より遅い時期に切り替える方法もある。例えば触媒11が劣化してくると、その酸素吸蔵容量が少なくなり早い周期で触媒後センサ18が反転し、実際の空燃比及び噴射率が安定する前に目標空燃比及び目標噴射率が切り替えられてしまう場合がある。そこでかかる安定を確保できるような所定の時間周期で目標空燃比及び目標噴射率を切り替えるのも好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば上述の内燃機関は吸気ポート(吸気通路)噴射式であったが、直噴式エンジンや両噴射方式を兼ね備えたデュアル噴射式エンジンにも、本発明は適用可能である。また、比較的高いアルコール濃度の燃料をも使用可能なエンジンを搭載する車両、所謂FFV(Flexible Fuel Vehicle)にも本発明は適用可能である。前記実施形態では触媒前センサ17として広域空燃比センサを用い、触媒後センサ18としてO2センサを用いたが、例えば触媒後に広域空燃比センサを用いたり、触媒前にO2センサを用いてもよい。これら広域空燃比センサ及びO2センサを含め、広く、排気の空燃比を検出するためのセンサを本発明にいう空燃比センサというものとする。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の概略図である。 触媒前センサの出力特性を示すグラフである。 触媒後センサの出力特性を示すグラフである。 ストイキフィードバック空燃比制御のルーチンを示すフローチャートである。 主空燃比補正係数の算出マップである。 補助空燃比補正係数の算出マップである。 アルコール濃度推定に際しての空燃比と主空燃比補正係数との関係を示すグラフである。 アルコール濃度推定の第1の態様に係るアクティブ空燃比制御の様子を示すタイムチャートである。 アルコール濃度推定の第1の態様に係る処理手順を示すフローチャートである。 アルコール濃度推定の第1の態様に係るアルコール濃度推定マップである。 アルコール濃度推定の第2の態様に係るアクティブ空燃比制御の様子を示すタイムチャートである。 アルコール濃度推定の第2の態様に係る処理手順を示すフローチャートである。 アルコール濃度推定の第2の態様に係るアルコール濃度推定マップである。
符号の説明
1 内燃機関
3 燃焼室
6 排気管
11 触媒
12 インジェクタ
14 排気マニフォールド
17 触媒前センサ
18 触媒後センサ
20 電子制御ユニット(ECU)

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に配置され、排気ガスの酸素濃度に基づいて当該排気ガスの実空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記空燃比センサにより検出された実空燃比を所定の目標空燃比に一致させるべく、実空燃比と基準燃料のストイキとの偏差に基づく補正量に基づいて空燃比を制御する空燃比制御手段と、
    前記目標空燃比を基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側に設定する目標空燃比設定手段と、
    前記目標空燃比が基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側に設定され、前記実空燃比が前記目標空燃比に一致するよう制御されているときの、実際のリッチ側補正量及びリーン側補正量を取得し、これら実際のリッチ側補正量及びリーン側補正量と、基準燃料のストイキ相当の基準補正量との差、並びに、基準燃料を前提とした場合の前記目標空燃比相当のリッチ側補正量及びリーン側補正量と前記基準補正量との差の比率を算出し、これらリッチ側比率及びリーン側比率に基づき燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料性状検出装置。
  2. 前記アルコール濃度推定手段は、前記リッチ側比率及びリーン側比率の平均値に基づき燃料のアルコール濃度を推定する
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料性状検出装置。
  3. 前記排気通路に触媒が配置され、該触媒の上流側に前記空燃比センサが配置され、前記触媒の下流側に別の空燃比センサが配置され、
    前記目標空燃比設定手段は、前記別の空燃比センサの出力が基準燃料のストイキに対しリーン側及びリッチ側に反転する毎に、前記目標空燃比を基準燃料のストイキに対しリッチ側及びリーン側に切り替える
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料性状検出装置。
  4. 内燃機関の排気通路に配置され、排気ガスの酸素濃度に基づいて当該排気ガスの実空燃比を検出する空燃比センサと、
    基準燃料使用時に前記空燃比センサにより検出された実空燃比が所定の目標空燃比に一致するような目標噴射率に実際の噴射率を制御する噴射率制御手段と、
    前記目標噴射率を基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側に設定する目標噴射率設定手段と、
    前記目標噴射率が基準燃料のストイキよりもリッチ側及びリーン側に設定され、前記実際の噴射率がリッチ側及びリーン側の目標噴射率に制御されているときの、前記空燃比センサによって検出された実際のリッチ側空燃比及びリーン側空燃比を取得し、これら実際のリッチ側空燃比及びリーン側空燃比と、リッチ側及びリーン側の目標空燃比との偏差を算出し、これらリッチ側偏差及びリーン側偏差に基づき燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料性状検出装置。
  5. 前記アルコール濃度推定手段は、前記リッチ側偏差及びリーン側偏差の平均値に基づき燃料のアルコール濃度を推定する
    ことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の燃料性状検出装置。
  6. 前記排気通路に触媒が配置され、該触媒の上流側に前記空燃比センサが配置され、前記触媒の下流側に別の空燃比センサが配置され、
    前記目標噴射率設定手段は、前記別の空燃比センサの出力が基準燃料のストイキに対しリーン側及びリッチ側に反転する毎に、前記目標噴射率を基準燃料のストイキに対しリッチ側及びリーン側に切り替える
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の内燃機関の燃料性状検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011179474A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Toyota Motor Corp 内燃機関の異常検出装置

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