JP2011179474A - 内燃機関の異常検出装置 - Google Patents

内燃機関の異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、アルコール濃度以外の他の要素による影響を排除した空燃比センサの出力特性に基づいて、高精度にアルコール濃度センサの異常を検出することのできる内燃機関の異常検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】アルコール濃度センサと、空燃比センサとを備える。空燃比フィードバック制御により検出空燃比が収束状態にある場合に、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比に応じて燃料噴射量を増量する。その後、収束状態となるまでの間に減量された第1減量量を算出する。アルコール濃度センサの検出値から第2減量量を算出する。第1減量量と第2減量量との差が閾値よりも大きい場合に、前記アルコール濃度センサが異常であると判定する。
【選択図】図5

Description

この発明は、内燃機関の異常検出装置に係り、特に、内燃機関に搭載されるアルコール濃度センサの異常を検出するのに好適な内燃機関の異常検出装置に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されるように、燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサとを備えた内燃機関が知られている。また、本公報には、目標空燃比の他、検出されたアルコール濃度によっても燃料噴射量が制御され、その結果、目標空燃比と空燃比センサの検出値との差が所定値よりも大きい場合にアルコール濃度センサが異常であると判定することが開示されている。このような手法によれば、アルコール濃度センサにより検出されたアルコール濃度が実際の濃度と異なる場合には、誤った燃料噴射量に制御されるため、燃料過多や空気過多となったことを判定することで、アルコール濃度センサの異常を検出することができる。
実開平2−139341号公報
ところで、空燃比センサの検出値は、吸入空気量のばらつきや、インジェクタの機差・経時劣化による噴射量のばらつきの影響を受ける。上記従来のアルコール濃度センサの異常を検出する手法では、これらの影響が含まれるため誤判定を起こすおそれがあり信頼性に欠ける。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、アルコール濃度以外の他の要素による影響を排除した空燃比センサの出力特性に基づいて、高精度にアルコール濃度センサの異常を検出することのできる内燃機関の異常検出装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の異常検出装置であって、
燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、
排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
前記空燃比センサにより検出される空燃比(以下、検出空燃比という。)を目標空燃比に一致させるように、前記空燃比センサの出力を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック制御手段と、
前記フィードバックされた結果、検出空燃比と目標空燃比との差が規定値よりも小さい範囲で収束している場合に、収束状態にあると判定する収束状態判定手段と、
前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定された場合に、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比に応じて燃料噴射量を増量するリッチ化制御手段と、
前記リッチ化制御手段により燃料噴射量が増量された後、前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定されるまでの間に、前記フィードバック制御により減量された燃料減量量(以下、第1減量量という。)を算出する第1減量量算出手段と、
前記アルコール濃度センサにより検出された検出値から、前記フィードバック制御により減量される燃料減量量(以下、第2減量量という。)を算出する第2減量量算出手段と、
前記第1減量量と前記第2減量量との差が閾値よりも大きい場合に、前記アルコール濃度センサが異常であると判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
第2の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の異常検出装置であって、
燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、
排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
前記空燃比センサにより検出される空燃比(以下、検出空燃比という。)を目標空燃比に一致させるように、前記空燃比センサの出力を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック制御手段と、
前記フィードバックされた結果、検出空燃比と目標空燃比との差が規定値よりも小さい範囲で収束している場合に、収束状態にあると判定する収束状態判定手段と、
前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定された場合に、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比(以下、リッチ目標空燃比という。)に応じて燃料噴射量を増量するリッチ化制御手段と、
前記リッチ化制御手段により燃料噴射量が増量された場合における検出空燃比と、前記リッチ目標空燃比との差からアルコール濃度を算出するアルコール濃度算出手段と、
前記アルコール濃度算出手段により算出された算出値と、前記アルコール濃度センサにより検出された検出値との差が閾値よりも大きい場合に、前記アルコール濃度センサが異常であると判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
第3の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の異常検出装置であって、
燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、
低分子HCを還元する触媒層を介して排気ガスの空燃比を検出する第1空燃比センサと、
前記触媒層を介さずに排気ガスの空燃比を検出する第2空燃比センサと、
前記第1及び第2空燃比センサの中から選択された空燃比センサ(以下、選択空燃比センサという。)により検出される空燃比を目標空燃比に一致させるように、前記選択空燃比センサの出力を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック制御手段と、
前記フィードバックされた結果、前記選択空燃比センサにより検出される空燃比と目標空燃比との差が規定値よりも小さい範囲で収束している場合に、収束状態にあると判定する収束状態判定手段と、
前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定された場合に、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比に応じて燃料噴射量を増量するリッチ化制御手段と、
前記リッチ化制御手段により目標空燃比がリッチ雰囲気に変更された後、前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定された場合に、前記第1空燃比センサと前記第2空燃比センサとの出力差からアルコール濃度を算出するアルコール濃度算出手段と、
前記アルコール濃度算出手段により算出された算出値と、前記アルコール濃度センサにより検出された検出値との差が閾値よりも大きい場合に、前記アルコール濃度センサが異常であると判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、まず、フィードバック制御により空燃比センサの出力を収束状態とする。収束状態とすることで、吸入空気量のばらつきやインジェクタの機差・経時劣化による噴射量のばらつきが吸収された状態とすることができる。その後、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比に応じて燃料噴射量を増量する。空燃比センサの出力には、リッチ雰囲気においてはアルコール濃度が高いほど、現実の空燃比よりもリッチにずれる現象が生じる。よって、その後、フィードバック制御により空燃比センサの出力が収束状態とされるまでの間に減量される燃料の減量量は、アルコール濃度が高いほど多くなる。このため、本発明によれば、吸入空気量のばらつきやインジェクタの機差・経時劣化による噴射量のばらつきの影響を排除し、アルコール濃度の影響により生じる空燃比センサの出力ずれから算出される減量量に基づいて、アルコール濃度センサの異常を精度高く検出することができる。
第2の発明によれば、第1の発明と同様に、収束状態とした後、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比(リッチ目標空燃比)に応じて燃料噴射量を増量する。その後、燃料噴射量が増量された場合における検出空燃比とリッチ目標空燃比との差からアルコール濃度を算出する。上述した空燃比センサの検出空燃比の出力ずれにより、リッチ雰囲気においてはアルコール濃度が高いほど目標空燃比と検出空燃比との差は大きくなる。このため、本発明によれば、吸入空気量のばらつきやインジェクタの機差・経時劣化による噴射量のばらつきの影響を排除し、アルコール濃度の影響により生じる空燃比センサの出力ずれを利用して、アルコール濃度センサの異常を精度高く検出することができる。
第3の発明によれば、第1の発明と同様に、選択された空燃比センサの出力を収束状態とした後、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比に応じて燃料噴射量を増量する。その後、フィードバック制御により選択された空燃比センサの出力を収束状態とする。低分子HCを還元する触媒層を介して空燃比を検出する第1空燃比センサに比して、触媒層を介さず空燃比を検出する第2空燃比センサは、アルコール濃度が高いほど検出空燃比が現実の空燃比よりもリッチにずれる現象が生じる。そのため、アルコール濃度が高いほど第1空燃比センサと第2空燃比センサとの出力差は大きくなる。このため、本発明によれば、吸入空気量のばらつきやインジェクタの機差・経時劣化による噴射量のばらつきの影響を排除して、アルコール濃度の影響による空燃比センサの出力ずれを利用して、アルコール濃度センサの異常を精度高く検出することができる。
本発明の実施の形態1に係るシステムのハード構成を説明するための図である。 現実の空燃比(分析計により計測)に対する空燃比センサの検出空燃比を示す図である。 本発明の実施の形態1の異常検出処理において変動する空燃比センサ26の検出空燃比λと燃料噴射量を表すタイミングチャートである。 目標空燃比λrefを0.82に変更すると共に噴射量を1.2Qに変更した後の減量量ΔQaとエタノール濃度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1において、アルコール濃度センサ20の異常を診断するために、ECU50が実行する異常診断ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、アルコール濃度センサ20の異常を診断するために、ECU50が実行する異常診断ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係るシステムのハード構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態3における第1空燃比センサ30と第2空燃比センサ32との出力特性を示す図である。 本発明の実施の形態3の異常検出処理において変動する第1空燃比センサ30の検出空燃比λ及び第2空燃比センサ32の検出空燃比λ´とそのセンサ出力差を表すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3において、アルコール濃度センサ20の異常を診断するために、ECU50が実行する異常診断ルーチンのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステムのハード構成を説明するための図である。図1に示すシステムは内燃機関10を備えている。内燃機関10はエンジン本体12を備えている。また、内燃機関10は燃料タンク14を備えている。燃料タンク14は燃料配管16を介してエンジン本体12に設けられたインジェクタ18に接続されている。インジェクタ18は、燃料タンク14から供給される燃料をポート噴射するものであっても筒内に直接噴射するものであってもよい。
燃料タンク14には、ガソリンとアルコールとが混合された燃料が給油されることが想定されている。なお、本実施形態においては、アルコールとしてエタノールを用いることとするがメタノール等であってもよい。また、給油される燃料は、ガソリン又はアルコールのみの燃料であってもよい。燃料配管16には、燃料中のアルコール濃度(エタノール濃度)を検出するアルコール濃度センサ20が配置されている。
エンジン本体12には排気通路22が接続されている。排気通路22には排気ガスを浄化する触媒24が配置されている。触媒24上流の排気通路22には空燃比センサ26が配置されている。空燃比センサ26のセンサ素子部には、通過する分子の大きさに応じて通過速度が変化する拡散層を有するが、低分子HCを還元する触媒は塗布されていないものとする。空燃比センサ26は、酸素濃度を直線的特性にて検出することができ、酸素濃度に応じた臨界電流を出力し得る。この空燃比センサ出力(臨界電流)は、排気ガスの空燃比と相関を有している。具体的には、空燃比がリーン側になるほど臨界電流は増大し、空燃比がリッチ側になるほど臨界電流は減少する。以下、現実の空燃比に対して、空燃比センサ26により検出される検出値(空燃比センサ出力)に相当する空燃比を、単に「検出空燃比」と記す。
本実施形態のシステムはECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力側には、前述のアルコール濃度センサ20、空燃比センサ26の他、エンジン回転数を検知するためのクランク角センサ、吸入空気量を検出するためのエアフロメータ等の各種センサが接続されている。ECU50の出力側には、前述のインジェクタ18の他、点火プラグ等の各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、各種センサからの入力情報に基づいて所定のプログラムを実行し、各種アクチュエータを作動させることにより、内燃機関10の運転状態を制御する。
ECU50は、内燃機関10のエンジン回転数、負荷、吸入空気量等に基づく所定のマップを用いることによって、内燃機関10の運転状態に応じた噴射量を取得する。さらに、この噴射量にアルコール濃度センサ20により検出されたエタノール濃度に応じた補正係数を乗じて基本噴射量を決定する。加えて、本実施形態のシステムでは、空燃比センサ26の出力に基づいてフィードバック制御が実行される。フィードバック制御では、空燃比センサ26の検出空燃比が、所定の目標空燃比(例えば、理論空燃比(ストイキ))と一致するように、基本噴射量に増減補正が施される。
[実施の形態1におけるアルコール濃度センサの異常検出]
ところで、アルコール濃度センサ20に異常が生じ、誤ったエタノール濃度が出力される場合がある。上述したシステム構成において、アルコール濃度センサ20が誤ったエタノール濃度を出力すれば、誤ったエタノール濃度に応じて決定された基本噴射量が噴射される。誤った基本噴射量が噴射されることで、燃料過多や空気過多となり、排気ガスの空燃比は目標空燃比から外れることとなる。そのため、アルコール濃度センサ20の異常検出手法として、空燃比センサ26の検出空燃比が目標空燃比から所定値以上外れた場合に、アルコール濃度センサ20に異常が生じていると判定する手法が考えられる。
しかしながら、空燃比センサ26の出力には、吸入空気量のばらつきや、インジェクタの機差・経時劣化による噴射量のばらつきの影響も含まれる。そのため、エタノール濃度以外の他の要因が含まれる上述の異常検出手法は、精度が高いとは言えず信頼性に欠けるものである。よって、エタノール濃度以外の影響を排除した精度の高い異常検出手法が望まれる。
このような課題を解決するために、発明者が着目したエタノール濃度に対する空燃比センサの出力特性について説明する。図2は、現実の空燃比(分析計により計測)に対する空燃比センサ26の検出空燃比を示す図である。
図2は、エタノール濃度の異なる複数の燃料についての実験結果を表している。混合燃料については、エタノールの百分率で表した容積比をxとして、Exという形で品質が示される。例えば、E10はエタノールを容積比で10%含む燃料である。図2に示す実線60はE0の燃料における空燃比センサ26の出力特性を、実線62はE10の燃料における空燃比センサ26の出力特性を、実線64はE100の燃料における空燃比センサ26の出力特性を表している。
図2に表すように、分析計により計測される現実の空燃比が1以上のストイキ及びリーン雰囲気においては、エタノール濃度によらず空燃比センサ26の出力特性に差はない。一方、現実の空燃比が1よりも低いリッチ雰囲気においては、エタノール濃度が低い燃料E0(実線60)よりも、エタノール濃度が高い燃料E10(実線62)、E100(実線64)ほどリッチ側に大きく出力ずれが生じている。このように、空燃比センサ26は、リッチ雰囲気においてエタノール濃度が高いほどリッチ側に大きく出力ずれが生じる出力特性を有する。この空燃比センサ26の出力特性は、現実の空燃比に対するものであり、吸入空気量のばらつきやインジェクタの機差・経時劣化による噴射量のばらつきが排除された、これらのばらつきに寄らない特性である。
そこで、本実施形態のシステムでは、リッチ雰囲気においてエタノール濃度が高いほど空燃比センサ26の出力がリッチ側にずれる出力特性を利用して、アルコール濃度センサ20の異常検出を行うこととした。
より具体的な異常検出の内容について図3〜図4を用いて説明する。以下、一例として、エタノール濃度40%の燃料を用いている場合について説明する。図3は、異常検出処理において変動する空燃比センサ26の検出空燃比λと燃料噴射量を表すタイミングチャートである。
図3の時刻t前において、目標空燃比λrefは1(ストイキ)に設定されている。上述した通り、本実施形態においては、アルコール濃度センサ20により検出されたエタノール濃度に応じた補正係数を運転状態に応じた噴射量に乗じた基本噴射量Qに対して、フィードバック制御による増減補正が実施されている。その結果、時刻tにおいて空燃比センサ26の検出空燃比λは1に収束した収束状態にある。収束状態では、インジェクタによるばらつき等は吸収された状態にある。
図3の時刻tにおいて、目標空燃比λrefを0.82(リッチ)に変更する。目標空燃比λrefの変更に伴い噴射量は約1.2倍され基本噴射量は1.2Qに変更される。1.2Qの噴射量が噴射されると、空燃比センサ26の検出空燃比λは0.82をΔλ以上下回る。これは、図2において説明した空燃比センサ26の出力特性により、リッチ雰囲気においてはエタノール濃度に応じてリッチ側に出力ずれが生じるためである。
図3の時刻tにおいて、フィードバック制御により噴射量が1.2QからQ´に減量補正される。その後、空燃比センサ26の検出空燃比λは0.82を中心にΔλ以内に収束した収束状態となる。燃料噴射量も1.2Qから減量補正されてQ´(平均値)を中心に収束した収束状態となる。この場合、空燃比センサ26の検出空燃比λが0.82に収束するまでに減量補正された燃料の減量量は、1.2QとQ´との差である減量量ΔQaである。
図4は、図3において、目標空燃比λrefを0.82に変更すると共に噴射量を1.2Qに変更した後の減量量ΔQaとエタノール濃度との関係を示す図である。図4に示す関係は、アルコール濃度センサ20が正常に機能している条件下において予め実験等により定められる。
図4に示す縦軸は、図3において説明した減量量ΔQaの噴射量1.2Qに対する割合を示している。図4に示す通り、燃料噴射量1.2Qに対して1%減量されており、そのエタノール濃度は40%であることが算出される。
一方、アルコール濃度センサ20に異常が生じ、現実のエタノール濃度が40%であるのに対して、検出されるエタノール濃度が70%である場合には、図4から、空燃比センサ26の検出空燃比λが0.82に収束するまでに燃料噴射量1.2Qが1.25%減量されるものと推定される。この場合、フィードバック制御により空燃比センサ26の検出空燃比λが0.82に収束するまでに減量補正させる噴射量は、減量量ΔQeであると算出される。減量量ΔQaと減量量ΔQeとが閾値以上乖離している場合には、アルコール濃度センサ20の出力は異常であると判定することができる。
(異常診断ルーチン)
図5は、上述のアルコール濃度センサ20の異常を診断するために、ECU50が実行する異常診断ルーチンのフローチャートである。図5に示すルーチンでは、まず、ステップ100において、OBD(On-board diagnostics)実行条件が成立しているか否かが判定される。OBD実行条件は、例えば、目標空燃比λrefが1(ストイキ)に設定された状態で、空燃比センサ26の検出空燃比λが1を中心にΔλ以内に収束した収束状態にある場合に成立する。OBD実行条件が成立していないと判定された場合には、本ルーチンの処理は終了される。
一方、OBD実行条件が成立していると判定された場合には、目標空燃比λrefを0.82(リッチ)に変更する(ステップ110)。変更された目標空燃比λrefに対応して基本噴射量は約1.2倍に増量される。
次に、目標空燃比λrefと空燃比センサ26の検出空燃比λについて、式(1)が成立しているか否かが判定される(ステップ120)。Δλは、フィードバック制御により空燃比センサ26の検出空燃比λが目標空燃比λrefに収束しているか否かの判定に用いられる目標収束判定値である。
|λref−λ| < Δλ ・・・(1)
式(1)が成立していないと判定された場合には、ECU50は、未だ検出空燃比λが収束していないと判断することができる。この場合には、検出空燃比λの収束を待つために所定時間経過後、再度ステップ120の処理を行う。
式(1)が成立していると判定された場合には、ECU50は、検出空燃比λがフィードバック制御により目標空燃比λrefからΔλの範囲内に収束した収束状態にあると判断することができる。次に、ECU50は、アルコール濃度センサ20により検出されるエタノール濃度から、燃料噴射量の減量量ΔQeを算出する(ステップ130)。具体的には、ECU50は、上述した図4に示すマップを予め記憶している。アルコール濃度センサ20により検出されたエタノール濃度に対応した減量量ΔQeをマップから取得する。
次に、上記ステップ110において基本噴射量が約1.2倍に増量されてから、検出空燃比λが0.82に収束するまでの間に減量された減量量ΔQaを算出する。その後、式(2)が成立しているか否かを判定する(ステップ140)。ΔQaは、上述した図3に示す1.2QとQ´との差である。また、ΔQはアルコール濃度センサ20の異常を判定する閾値である。
|ΔQa−ΔQe| > ΔQ ・・・(2)
式(2)が成立しないと判定された場合には、ECU50は、アルコール濃度センサ20が正常値を出力していると判断することができる。ECU50は、正常を示すフラグを設定又は正常を示す信号を出力する(ステップ150)。その後、本ルーチンの処理は終了される。
一方、式(2)が成立すると判定された場合には、ECU50は、アルコール濃度センサ20が異常値を出力していると判断することができる。ECU50は、異常を示すフラグを設定又は異常を示す信号を出力する(ステップ160)。その後、本ルーチンの処理は終了される。
なお、本ルーチンの処理が終了された後、他のルーチンおいて上記ステップ150、160において設定されたフラグ又は出力された信号に基づいて、アルコール濃度センサ20の正常/異常を示すユーザ表示がなされる。
以上説明したように、図5に示すルーチンによれば、ストイキにおいて吸入空気量やインジェクタのばらつきを吸収した収束状態から、エタノール濃度の違いのみによって生じる空燃比センサ26の出力ずれを利用し、リッチ雰囲気での収束状態における減量量ΔQaを算出することができる。減量量ΔQaは、エタノール濃度の違いのみから影響を受け、また、収束状態において算出されるため精度高く算出される。そして、減量量ΔQaと、アルコール濃度センサ20の実際の検出値に基づく減量量ΔQeとが閾値ΔQ以上乖離している場合には、アルコール濃度センサ20に異常が生じていると診断することができる。
このように、本実施形態のシステムによれば、エタノール濃度の違いのみよって生じる空燃比センサの出力ずれを利用して、吸入空気量やインジェクタのばらつきの影響を受けずに、高精度にアルコール濃度センサ20の異常を診断することができる。
ところで、上述した実施の形態1のシステムにおいては、目標空燃比λrefの設定を1から0.82に変更することとしているが、目標空燃比λrefの設定はこれに限定されるものではない。変更前の目標空燃比λrefをストイキ又はリーンに設定し、変更後の目標空燃比λrefをリッチに設定することとしてもよい。この場合、ECU50は、変更後の目標空燃比に対応した図4に相当するマップを予め記憶することとする。
また、上述した実施の形態1のシステムにおいては、ステップ100においてOBD実行条件を判定することとしているが、さらに条件を加えることとしてもよい。具体的には、ステップ100の条件に加え、アルコール濃度センサ20の検出値を用いた噴射量制御を行った際の空燃比ずれが所定値以上の場合に、ステップ110以降の異常診断処理を実行することとしてもよい。これにより、リッチに制御する回数を減少させ、エミッション悪化を抑制することができる。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。
また、上述した実施の形態1のシステムにおいては、ステップ100においてOBD実行条件を判定することとしているが、さらに条件を加えることとしてもよい。具体的には、フューエルカット後のリッチ制御に合わせて、ステップ110以降の異常診断処理を実行することとしてもよい。これにより、エミッション悪化を抑制することができる。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。
尚、上述した実施の形態1においては、アルコール濃度センサ20が前記第1の発明における「アルコール濃度センサ」に、空燃比センサ26が前記第1の発明における「空燃比センサ」に、ECU50によるフィードバック制御が前記第1の発明における「フィードバック制御手段」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上記ステップ100又は120の処理を実行することにより前記第1の発明における「収束状態判定手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第1の発明における「リッチ化制御手段」が、上記ステップ130の処理を実行することにより前記第1の発明における「第2減量量算出手段」が、上記ステップ140の処理を実行することにより前記第1の発明における「第1減量量算出手段」と「異常判定手段」が、それぞれ実現されている。
更に、実施の形態1においては、上記ステップ100、120におけるΔλが前記第1の発明における「規定値」に、上記ステップ130において算出される減量量ΔQeが前記第1の発明における「第2減量量」に、上記ステップ140において算出される減量量ΔQaが前記第1の発明における「第1減量量」に、上記ステップ140におけるΔQが前記第1の発明における「閾値」に、それぞれ対応している。
実施の形態2.
[実施の形態2のシステム構成]
次に、図1、図3、図4及び図6を参照して本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは図1に示す構成において、ECU50に後述する図6のルーチンを実施させることで実現することができる。
[実施の形態2におけるアルコール濃度センサの異常検出]
上述した実施の形態1では、目標空燃比λrefをリッチに変更後、収束状態となるまでに減量された燃料の減量量ΔQaに基づいて、エタノール濃度センサの異常を検出することができる。これに対して、本実施の形態では、エタノール濃度により異なる空燃比センサの出力特性から生じる検出空燃比λと目標空燃比λrefとの差に基づいて、より短時間でアルコール濃度センサ20の異常を検出できる点に特徴を有している。
より具体的な異常検出の内容について図3〜図4を用いて説明する。以下、一例として、エタノール濃度40%の燃料を用いている場合について説明する。なお、上述した実施の形態1において説明した内容と同様な点については説明を簡略又は省略する。
図4には、図3の時刻tにおいて目標空燃比λrefを0.82に変更すると共に噴射量を1.2Qに変更した後の時刻tにおける空燃比センサ26の検出空燃比λと、エタノール濃度との関係が示されている。図4に示す関係は、アルコール濃度センサ20が正常に機能している条件下において予め実験等により定められる。
図4に示す縦軸には、図3の時刻tにおける空燃比センサ26に検出される空燃比が示されている。図4に示す通り、図3の時刻tにおいて検出される空燃比(検出空燃比λa)は0.812であり、そのエタノール濃度は40%であると算出される。上述した空燃比センサ26の出力特性により、リッチ雰囲気においてはエタノール濃度に応じてリッチ側に出力ずれが生じる。そのため、検出空燃比λaが目標空燃比λrefを大きく下回りその差が大きくなるほどエタノール濃度は高くなる関係にある(図4)。
そのため、アルコール濃度センサ20に異常が生じ、現実のエタノール濃度40%に対して、センサ検出されたエタノール濃度が70%である場合には、上述の検出空燃比λaに応じたエタノール濃度40%と大きく乖離しているため、アルコール濃度センサ20の出力に異常が生じていると判定することができる。
(異常診断ルーチン)
図6は、上述のアルコール濃度センサ20の異常を診断するために、ECU50が実行する異常診断ルーチンのフローチャートである。図6に示すルーチンは、上述した図5のステップ120〜ステップ140の処理がステップ230〜ステップ240の処理に換えられている点を除き、図5に示すルーチンと同様である。以下、図6において、図5に示すステップと同じステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図6に示すルーチンでは、ステップ110の処理後、ECU50は、アルコール濃度センサ20によりエタノール濃度Aeを検出する(ステップ230)。
次に、上記ステップ110で目標空燃比λrefをリッチ変更し、それに応じて基本噴射量が増量された場合における、図3の時刻tでの検出空燃比λaを空燃比センサ26に取得させる。そして、ECU50に予め記憶した上述の図4に示すマップから、検出空燃比λaに対応するエタノール濃度Aaを取得する。その後、式(3)が成立しているか否かを判定する(ステップ240)。ΔAthrは、アルコール濃度センサ20の異常を判定する閾値である。
|Aa−Ae| > ΔAthr ・・・(3)
式(3)が成立しないと判定された場合には、ECU50は、アルコール濃度センサ20が正常値を出力していると判断することができる。ECU50は、正常を示すフラグを設定又は正常を示す信号を出力する(ステップ150)。一方、式(3)が成立すると判定された場合には、ECU50は、アルコール濃度センサ20が異常値を出力していると判断することができる。ECU50は、異常を示すフラグを設定又は異常を示す信号を出力する(ステップ160)。その後、本ルーチンの処理は終了される。
以上説明したように、図6に示すルーチンによれば、ストイキにおいて吸入空気量やインジェクタのばらつきを吸収した収束状態から、リッチ雰囲気における時刻tにおける検出空燃比λaを検出することができる。上述した空燃比センサ26の出力特性により、リッチ雰囲気においてはエタノール濃度が高いほど目標空燃比λrefと検出空燃比λaとに差が生じる。そのため、検出空燃比差Δλaに対応するエタノール濃度Aaと、アルコール濃度センサ20の実際の検出値(エタノール濃度Ae)とを比較して、アルコール濃度センサ20に異常が生じているか否かを診断することができる。
このように、本実施形態のシステムによれば、エタノール濃度の違いのみよって生じる空燃比センサの出力ずれを利用して、吸入空気量やインジェクタのばらつきの影響を受けず、実施の形態1よりも短時間でアルコール濃度センサ20の異常を診断することができる。
ところで、上述した実施の形態2のシステムにおいては、目標空燃比λrefの設定を1から0.82に変更することとしているが、目標空燃比λrefの設定はこれに限定されるものではない。変更前の目標空燃比λrefをストイキ又はリーンに設定し、変更後の目標空燃比λrefをリッチに設定することとしてもよい。この場合、ECU50は、変更後の目標空燃比に対応した図4に相当するマップを予め記憶することとする。
尚、上述した実施の形態2においては、アルコール濃度センサ20が前記第2の発明における「アルコール濃度センサ」に、空燃比センサ26が前記第2の発明における「空燃比センサ」に、ECU50によるフィードバック制御が前記第2の発明における「フィードバック制御手段」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第2の発明における「収束状態判定手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第2の発明における「リッチ化制御手段」が、上記ステップ230〜240の処理を実行することにより前記第2の発明における「アルコール濃度算出手段」と「異常判定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
[実施の形態3のシステム構成]
次に、図7〜図10を参照して本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態のシステムは図7に示す構成において、ECU50に後述する図10のルーチンを実施させることで実現することができる。
図7は、本発明の実施の形態3に係るシステムのハード構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは図1に示すハード構成において、空燃比センサ26に換えて、第1空燃比センサ30及び第2空燃比センサ32が加えられている点を除き、図1に示す構成と同様である。そのため、図1に示す構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図7に示す排気通路22の触媒24上流には第1空燃比センサ30と第2空燃比センサ32とが配置されている。第1空燃比センサ30のセンサ素子部は、通過する分子の大きさに応じて通過速度が変化する拡散層を有し、低分子HCを還元する触媒が塗布されている。一方、第2空燃比センサ32のセンサ素子部は、通過する分子の大きさに応じて通過速度が変化する拡散層を有するが、低分子HCを還元する触媒は塗布されていないものとする。空燃比センサ30、32は、酸素濃度を直線的特性にて検出することができ、酸素濃度に応じた臨界電流を出力し得る。この空燃比センサ出力(臨界電流)は、排気ガスの空燃比と相関を有している。具体的には、排気ガスの空燃比がリーン側になるほど臨界電流は増大し、空燃比がリッチ側になるほど臨界電流は減少する。
図7に示すECU50の入力側には、図1に示す空燃比センサ26に換えて、第1空燃比センサ30、第2空燃比センサ32が接続されている。本実施形態のシステムでは、第1空燃比センサ30の出力に基づいてフィードバック制御が実行される。フィードバック制御では、第1空燃比センサ30の出力に相関した空燃比が、所定の目標空燃比(例えば、理論空燃比(ストイキ))と一致するように、基本噴射量に増減補正が施される。
[実施の形態3におけるアルコール濃度センサの異常検出]
上述した実施の形態1では、目標空燃比λrefをリッチに変更後、収束状態となるまでに減量された燃料の減量量ΔQaに基づいて、エタノール濃度センサの異常を検出することができる。これに対して、本実施の形態では、第1空燃比センサ30と第2空燃比センサ32とでエタノール濃度により異なる出力特性から生じる出力差に基づいて、アルコール濃度センサ20の異常を精度高く検出できる点に特徴を有している。
具体的な異常検出の内容について図8〜図9を用いて説明する。図8は、第1空燃比センサ30と第2空燃比センサ32との出力特性を示す図である。図8の横軸は、エタノール濃度と相関を有するH2濃度を表している。以下、説明容易のためエタノール濃度とも記す。また、図8の縦軸は、現実の空燃比と空燃比センサ30、32の検出空燃比との出力ずれを表している。
空燃比センサ30、32は、それぞれ図2で説明したリッチ雰囲気においてエタノール濃度が高いほどセンサ出力がリッチ側にずれる出力特性を有している。図8の実線80は、第1空燃比センサ30の出力特性を表している。第1空燃比センサ30は、低分子HCを還元する触媒層を有するため、エタノール濃度が高くなっても出力変動は小さい。図8の実線82は、第2空燃比センサ32の出力特性を表している。第2空燃比センサ32は、上記触媒層を有さないため、エタノール濃度が高くなるほど低分子HCの影響を受けて、第2空燃比センサ32の出力ずれは大きくなる。そのため、第1空燃比センサ30と第2空燃比センサ32の出力差は、エタノール濃度が高いほど大きくなる傾向にある。
そこで、本実施形態のシステムでは、エタノール濃度が高いほど空燃比センサ30、32の出力差が大きくなることを利用して出力差からエタノール濃度を算出し、アルコール濃度センサ20の検出値と比較することにより、アルコール濃度センサ20の異常検出を行うこととした。
より具体的な異常検出の内容について図9を用いて説明する。図9は、異常検出処理において変動する第1空燃比センサ30の検出空燃比λ及び第2空燃比センサ32の検出空燃比λ´とそのセンサ出力差を表すタイミングチャートである。
図9の時刻t前において、目標空燃比λrefは1(ストイキ)に設定されている。上述した通り、本実施形態においては、アルコール濃度センサ20により検出されたエタノール濃度に応じた補正係数を運転状態に応じた噴射量に乗じた基本噴射量に対して、第1空燃比センサ30の出力に基づくフィードバック制御が実行される。フィードバック制御により、時刻tにおいて第1空燃比センサ30の検出空燃比λは1に収束した収束状態にある。収束状態では、インジェクタによるばらつき等は吸収された状態にある。
図9の時刻tにおいて、目標空燃比λrefを0.82(リッチ)に変更する。目標空燃比λrefの変更に伴い噴射量も増量される。その結果、第1空燃比センサ30の検出空燃比λ及び第2空燃比センサ32の検出空燃比λ´は0.82をΔλ以上下回る。これは、上述した空燃比センサの出力特性により、リッチ雰囲気においてはエタノール濃度に応じてリッチ側に出力ずれが生じるためである。
その後、第1空燃比センサ30の検出空燃比λは0.82を中心にΔλ以内に収束した収束状態となる。第2空燃比センサ32の検出空燃比λ´は、空燃比センサの出力特性により、エタノール濃度に応じてリッチ側に出力ずれが生じた状態で収束する。
リッチ雰囲気における収束状態において、上述した図8から、エタノール濃度の差に応じて生じる検出空燃比λと検出空燃比λ´との出力差からエタノール濃度を算出することができる。算出されたエタノール濃度が、アルコール濃度センサ20の検出値と閾値以上乖離している場合には、アルコール濃度センサ20の出力に異常が生じていると判定することができる。
(異常診断ルーチン)
図10は、上述のアルコール濃度センサ20の異常を診断するために、ECU50が実行する異常診断ルーチンのフローチャートである。以下、図10において、図5に示すステップと同一のステップについては同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図10に示すルーチンでは、まず、ステップ300において、OBD(On-board diagnostics)実行条件が成立しているか否かが判定される。OBD実行条件は、例えば、目標空燃比λrefが1(ストイキ)に設定された状態で、第1空燃比センサ30の検出空燃比λが1を中心にΔλ以内に収束した収束状態にある場合に成立する。OBD実行条件が成立していないと判定された場合には、本ルーチンの処理は終了される。
一方、OBD実行条件が成立していると判定された場合には、目標空燃比λrefを0.82(リッチ)に変更する(ステップ110)。変更された目標空燃比λrefに対応して基本噴射量は約1.2倍に増量される。
次に、目標空燃比λrefと第1空燃比センサ30の検出空燃比λについて、式(4)が成立しているか否かが判定される(ステップ320)。Δλは、フィードバック制御により第1空燃比センサ30の検出空燃比λが目標空燃比λrefに収束しているか否かの判定に用いられる目標収束判定値である。
|λref−λ| < Δλ ・・・(4)
式(4)が成立していないと判定された場合には、ECU50は、未だ第1空燃比センサ30の検出空燃比λが収束していないと判断することができる。この場合には、検出空燃比λの収束を待つために所定時間経過後、再度ステップ320の処理を行う。
式(4)が成立していると判定された場合には、ECU50は、検出空燃比λがフィードバック制御により目標空燃比λrefからΔλの範囲内に収束した収束状態にあると判断することができる。次に、ECU50は、アルコール濃度センサ20によりエタノール濃度Aeを検出する(ステップ330)。
次に、リッチに変更された目標空燃比λrefでの収束状態における、第1空燃比センサ30の検出空燃比λと第2空燃比センサ32の検出空燃比λ´とを取得する。そして、ECU50に予め記憶された上述の図8に示すマップから、検出空燃比λと検出空燃比λ´との差に応じたエタノール濃度Aaを取得する。その後、式(5)が成立しているか否かを判定する(ステップ340)。ΔAthrは、アルコール濃度センサ20の異常を判定する閾値である。
|Aa−Ae| > ΔAthr ・・・(5)
式(5)が成立しないと判定された場合には、ECU50は、アルコール濃度センサ20が正常値を出力していると判断することができる。ECU50は、正常を示すフラグを設定又は正常を示す信号を出力する(ステップ150)。一方、式(5)が成立すると判定された場合には、ECU50は、アルコール濃度センサ20が異常値を出力していると判断することができる。ECU50は、異常を示すフラグを設定又は異常を示す信号を出力する(ステップ160)。その後、本ルーチンの処理は終了される。
以上説明したように、図10に示すルーチンによれば、ストイキにおいて吸入空気量やインジェクタのばらつきを吸収した収束状態から、エタノール濃度の違いのみによって生じる第1空燃比センサ30と第2空燃比センサ32との出力ずれの違いを利用して、両センサの出力差から、精度高くエタノール濃度Aaを算出することができる。算出したエタノール濃度Aaと、アルコール濃度センサ20の実際の検出値(エタノール濃度Ae)とを比較して、アルコール濃度センサ20に異常が生じているか否かを精度高く診断することができる。また、触媒層を有する第1空燃比センサの出力に基づいてフィードバック制御を行うことで、収束状態までの時間が短縮され、エミッション悪化を防止することもできる。
ところで、上述した実施の形態3のシステムにおいては、フィードバック制御を第1空燃比センサ30の出力に基づいて行うこととしているが、第2空燃比センサ32の出力に基づいてフィードバック制御を行うこととしてもよい。
また、上述した実施の形態3のシステムにおいては、第1空燃比センサ30と第2空燃比センサ32とを別体で設けることとしているが、触媒層を有する電極部と触媒層を有しない電極部とを両方備える1つの空燃比センサを設けることとしてもよい。
また、上述した実施の形態3のシステムにおいては、目標空燃比λrefの設定を1から0.82に変更することとしているが、目標空燃比λrefの設定はこれに限定されるものではない。変更前の目標空燃比λrefをストイキ又はリーンに設定し、変更後の目標空燃比λrefをリッチに設定することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態3においては、アルコール濃度センサ20が前記第3の発明における「アルコール濃度センサ」に、第1空燃比センサ30が前記第3の発明における「第1空燃比センサ」に、第2空燃比センサ32が前記第3の発明における「第2空燃比センサ」に、ECU50によるフィードバック制御が前記第3の発明における「フィードバック制御手段」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上記ステップ300又は320の処理を実行することにより前記第3の発明における「収束状態判定手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第3の発明における「リッチ化制御手段」が、上記ステップ330〜340の処理を実行することにより前記第3の発明における「アルコール濃度算出手段」と「異常判定手段」が、それぞれ実現されている。
10 内燃機関
18 インジェクタ
20 アルコール濃度センサ
22 排気通路
24 触媒
26 空燃比センサ
30 第1空燃比センサ
32 第2空燃比センサ
50 ECU
Aa、Ae エタノール濃度
ΔQa、ΔQe 減量量
λ、λa 検出空燃比
λref 目標空燃比

Claims (3)

  1. 燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、
    排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記空燃比センサにより検出される空燃比(以下、検出空燃比という。)を目標空燃比に一致させるように、前記空燃比センサの出力を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック制御手段と、
    前記フィードバックされた結果、検出空燃比と目標空燃比との差が規定値よりも小さい範囲で収束している場合に、収束状態にあると判定する収束状態判定手段と、
    前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定された場合に、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比に応じて燃料噴射量を増量するリッチ化制御手段と、
    前記リッチ化制御手段により燃料噴射量が増量された後、前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定されるまでの間に、前記フィードバック制御により減量された燃料減量量(以下、第1減量量という。)を算出する第1減量量算出手段と、
    前記アルコール濃度センサにより検出された検出値から、前記フィードバック制御により減量される燃料減量量(以下、第2減量量という。)を算出する第2減量量算出手段と、
    前記第1減量量と前記第2減量量との差が閾値よりも大きい場合に、前記アルコール濃度センサが異常であると判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の異常検出装置。
  2. 燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、
    排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記空燃比センサにより検出される空燃比(以下、検出空燃比という。)を目標空燃比に一致させるように、前記空燃比センサの出力を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック制御手段と、
    前記フィードバックされた結果、検出空燃比と目標空燃比との差が規定値よりも小さい範囲で収束している場合に、収束状態にあると判定する収束状態判定手段と、
    前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定された場合に、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比(以下、リッチ目標空燃比という。)に応じて燃料噴射量を増量するリッチ化制御手段と、
    前記リッチ化制御手段により燃料噴射量が増量された場合における検出空燃比と、前記リッチ目標空燃比との差からアルコール濃度を算出するアルコール濃度算出手段と、
    前記アルコール濃度算出手段により算出された算出値と、前記アルコール濃度センサにより検出された検出値との差が閾値よりも大きい場合に、前記アルコール濃度センサが異常であると判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の異常検出装置。
  3. 燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、
    低分子HCを還元する触媒層を介して排気ガスの空燃比を検出する第1空燃比センサと、
    前記触媒層を介さずに排気ガスの空燃比を検出する第2空燃比センサと、
    前記第1及び第2空燃比センサの中から選択された空燃比センサ(以下、選択空燃比センサという。)により検出される空燃比を目標空燃比に一致させるように、前記選択空燃比センサの出力を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック制御手段と、
    前記フィードバックされた結果、前記選択空燃比センサにより検出される空燃比と目標空燃比との差が規定値よりも小さい範囲で収束している場合に、収束状態にあると判定する収束状態判定手段と、
    前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定された場合に、目標空燃比をリッチに変更すると共に、該リッチに変更された目標空燃比に応じて燃料噴射量を増量するリッチ化制御手段と、
    前記リッチ化制御手段により目標空燃比がリッチ雰囲気に変更された後、前記収束状態判定手段により収束状態にあると判定された場合に、前記第1空燃比センサと前記第2空燃比センサとの出力差からアルコール濃度を算出するアルコール濃度算出手段と、
    前記アルコール濃度算出手段により算出された算出値と、前記アルコール濃度センサにより検出された検出値との差が閾値よりも大きい場合に、前記アルコール濃度センサが異常であると判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の異常検出装置。
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