JP4742975B2 - エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼室内に水素を直接噴射する筒内用水素噴射弁を備えたエンジンの燃料噴射装置に関する。
近年、低公害化を目的として、例えば圧縮天然ガス、液化プロパンガス、圧縮水素等の気体燃料を利用するエンジンを搭載した車両の開発が進められている。かかる気体燃料を使用する一般的なエンジンにおいて、少なくとも低回転領域では、吸気通路内に燃料を噴射するポート噴射(予混合噴射ともいう)よりも、燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射(直噴ともいう)を行う方が望ましい。ポート噴射の場合、吸気(空気)と気体燃料とが予混合された状態で燃焼室に吸入されるので、水素の分だけ空気の量が低減してしまうのに対し、筒内噴射の場合、空気のみが吸入された燃焼室内に高圧の気体燃料を追加的に噴射することができるからである。つまり筒内噴射の方がより多くの空気を吸入することができるので、より大きな燃焼エネルギー、エンジントルクを得ることができるのである。
ところが、筒内噴射を行うべく筒内噴射用の気体燃料噴射弁を設けた場合、特に外気温およびエンジン温度が低いときのエンジン始動時に懸念されることであるが、氷結による燃料噴射弁の作動不良という問題が起こり得る。ここで氷結とは、燃焼に伴い生じる水分または気体燃料中に含まれる水分或いは吸気された空気中の水分が、噴射燃料の断熱膨張に伴う噴口付近の急激な温度低下によって、その噴口付近で氷となって凝着する現象である。かかる問題に対処して、例えば特許文献1には、低温始動時に燃料噴射弁に対する駆動電流の供給時間を長く設定し、それに伴う発熱作用により氷結を解消させる方法が提案されている。
特開平11−264334号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されるように通電時間を長くした場合には、結果的に噴射量が増え、始動時の空燃比がオーバーリッチとなることから、エンジン動作に弊害が生じるおそれがある。したがって、このような弊害を招くことなく安定したエンジンの始動性を確保しつつ、燃料噴射弁における氷結を解消することが望まれる。特に圧縮水素を燃料として利用するエンジンにおいては、水素の燃焼に伴い水分が発生するので、筒内用水素噴射弁の氷結に対して不利な条件となっており、その課題解決要求が特に大である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、筒内用水素噴射弁に対する氷結の影響を回避しつつ、安定したエンジンの始動性を確保し得るエンジンの燃料噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、燃焼室内に水素を直接噴射する筒内用水素噴射弁と、吸気通路内に燃料を供給する吸気通路用燃料噴射弁とを備えたエンジンの燃料噴射装置において、上記筒内用水素噴射弁および上記吸気通路用燃料噴射弁の何れかを選択的に作動させて燃料を噴射させる燃料噴射弁制御手段と、上記筒内用水素噴射弁に関連する温度を検出する温度検出手段とを備え、上記燃料噴射弁制御手段は、上記温度検出手段による検出温度が第1所定値よりも低い場合のエンジンの始動時に、上記筒内用水素噴射弁と上記吸気通路用燃料噴射弁との双方から燃料を供給するとともに、上記検出温度が上記第1所定値未満でかつそれよりも低い所定値以上の範囲では、上記検出温度が高いほど上記筒内用水素噴射弁からの燃料噴射量割合を増大させることを特徴とする。
なお、筒内用水素噴射弁および吸気通路用燃料噴射弁の何れかを選択的に作動させる場合において、複数選択も含むものとする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置において、上記吸気通路用燃料噴射弁が、上記吸気通路内にガソリンを供給する吸気通路用ガソリン噴射弁であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置において、上記吸気通路用燃料噴射弁が、上記吸気通路内に水素を供給する吸気通路用水素噴射弁であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3記載のエンジンの燃料噴射装置において、上記吸気通路用燃料噴射弁として、上記吸気通路用水素噴射弁に加え、上記吸気通路内にガソリンを供給する吸気通路用ガソリン噴射弁を備え、上記燃料噴射弁制御手段は、上記検出温度が上記第1所定値よりも低く、それよりも低温の第2所定値以上のときには上記筒内用水素噴射弁と上記吸気通路用水素噴射弁との双方から燃料を供給し、上記第2所定値よりも低いときには上記筒内用水素噴射弁と上記吸気通路用ガソリン噴射弁との双方から燃料を供給することを特徴とする。
請求項1の発明によると、以下説明するように、筒内用水素噴射弁に対する氷結の影響を回避しつつ、安定したエンジンの始動性を確保することができる。
本発明の構成によれば、噴口付近の氷結が懸念されるような筒内用水素噴射弁に関連する温度(例えば冷却水温度)を第1所定値とし、それよりも低い温度におけるエンジンの始動時に、筒内用水素噴射弁だけではなく、吸気通路用燃料噴射弁からも燃料を供給することにより、相対的に筒内用水素噴射弁からの水素噴射量を低減することができる。従って、その断熱膨張による温度低下が抑制されるので、氷結を起こり難くすることができる。
なお、燃料供給の全てを吸気通路用燃料噴射弁によるのではなく、筒内用水素噴射弁と吸気通路用燃料噴射弁とを併用するのは、次のような利点があるからである。
第1の利点は、着火不良を起こしたときのバックファイアを抑制することができることである。バックファイアは、吸気通路内に残存する燃料にまで燃焼が波及する現象である。このバックファイアは、低温等の影響で着火不良が起こり、燃料が燃焼せずに残存した場合、その次の膨張行程(燃焼)で発生する。少なくとも一部の燃料を筒内噴射することにより、着火不良が起こったときに吸気通路内に残存する未燃燃料を相対的に削減することができるので、バックファイアを起こり難くすることができるのである。
第2の利点は、特に吸気通路用燃料噴射弁による供給燃料が気体水素である場合の利点であって、エンジンンの始動トルクが確保し易くなることである。上述したように、気体燃料をポート噴射すると、筒内噴射するよりもエンジントルクが低減しがちである。そこで、少なくとも一部の燃料を筒内噴射することにより、ポート噴射によるエンジントルクの低減を抑制することができる。
上記第1の利点および第2の利点を鑑みると、何れの場合も筒内用水素噴射弁による水素噴射量割合が高い方がその利点が顕著となる。従って、筒内用水素噴射弁による水素噴射量割合は、氷結を抑制し得る範囲で可及的に高いことが望ましい。
そこで、本発明では、上記温度検出手段による検出温度が第1所定値よりも低い場合のエンジンの始動時に、上記検出温度が上記第1所定値未満でかつそれよりも低い所定値以上の範囲では、上記検出温度が高いほど上記筒内用水素噴射弁からの燃料噴射量割合を増大させるようにしたため、筒内噴射量割合を温度に応じた適切な割合とすることができる。筒内用水素噴射弁の氷結の懸念は検出温度が高いほど少ない。従って、検出温度が高いほど氷結を抑制し得る範囲の最高筒内噴射量割合も高くなる。上述したように、筒内噴射量割合は氷結を抑制し得る範囲で可及的に高いことが望ましいから、本発明によれば、そのような設定を適切に行うことができる。
請求項2の発明によると、吸気通路用燃料噴射弁を吸気通路内にガソリンを供給する吸気通路用ガソリン噴射弁とすることにより、これを吸気通路用水素噴射弁とした場合に比べ、着火不良を起こしたときのバックファイアをより強く抑制することができる。つまり上記第1の利点をより顕著に得ることができる。上記バックファイアは、吸気通路中に残存する燃料が水素であるよりもガソリンである方が起こり難いからである。
なお上記第2の利点に関して、吸気通路用燃料噴射弁がガソリン噴射弁である場合には、ガソリンのポート噴射によって吸気量が抑制されるという懸念がない。つまり上記第2の利点に関して、で克服すべき課題自体を払拭することができる。
請求項3の発明によると、吸気通路用燃料噴射弁を吸気通路内に水素を供給する吸気通路用水素噴射弁とすることにより、この吸気通路用水素噴射弁から噴射する燃料が、筒内用水素噴射弁から噴射する燃料と共通の水素となる。従って、始動後の水素のみによる燃料供給形態に円滑に移行することができる。
また、燃料供給系の構造を簡潔にすることができる。たとえば、他の目的(冷間始動時以外の運転領域)で水素をポート噴射する必要がある場合、そのための吸気通路用水素噴射弁を共通化することができる。また、他にガソリン噴射の必要がない場合には、ガソリン供給系を省略することもできる。
請求項4の発明によると、冷間始動時のうちでも、温度に応じた適切な燃料供給形態をとることができる。すなわち、比較的高温の場合(検出温度が第1所定値未満かつ第2所定値以上)、水素を筒内噴射とポート噴射とに分割して噴射することにより、筒内用水素噴射弁の氷結を抑制しつつ、バックファイアやエンジントルクの低下を抑制して安定した始動を行うことができる。そして始動後の水素のみによる燃料供給形態に円滑に移行することができる。
一方、比較的低温の場合(検出温度が第2所定値未満)、より着火不良が起こりやすく、バックファイアの懸念が増大する。また低温によるエンジントルクの低下懸念も増大する。そこでそのような場合にはポート噴射をガソリンとすることにより、より強くバックファイアを抑制し、また水素をポート噴射することによるエンジントルクの低下も回避することができる。こうして比較的低温であっても充分な始動性を確保することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るロータリタイプの水素エンジン1を示す概略構造図である。水素エンジン1は、外形をなす構成として、トロコイド状の内周面を備えたロータハウジングH1と、ロータRの平面方向に沿って広がるほぼ平面状のサイドハウジングH2とを有している。これらハウジングH1及びH2が組み合わせられ、その内部に形成された内部空間にロータRが収納された状態で、ロータRの周囲には、ロータハウジングH1の内周面とサイドハウジングH2とにより、3つの作動室Eが形成される。各作動室Eは、偏心軸CのまわりにおけるロータRの回転に伴って拡大及び縮小を繰り返し、ロータRが1回転する間に、その各作動室Eにおいて、吸気、圧縮、膨張、排気という一連の行程が完了する。各作動室Eは、圧縮行程後期から膨張行程にかけて燃焼室を形成する。
ロータハウジングH1には、作動室E内に気体水素(以下単に水素ともいう)を直接噴射する筒内水素噴射弁J1(筒内用水素噴射弁)と、作動室E内に供給された燃料(水素又はガソリン)及びエアからなる混合気に点火するための点火プラグ7とが設けられている。またサイドハウジングH2には、吸気通路2に連通する吸気ポート2aが形成されるとともに、排気通路3に連通する排気ポート3aが形成されている。
更に当実施形態では、筒内水素噴射弁J1に加え、吸気通路2に取り付けられて吸気通路2内にガソリンを噴射するガソリン噴射弁J2(吸気通路用ガソリン噴射弁)が設けられている。さらにその上流側には、同様に吸気通路2に取り付けられて吸気通路2内に気体水素を噴射するポート水素噴射弁J3(吸気通路用水素噴射弁)が設けられている。そして作動室E内への燃料供給に際し、エンジン温度、エンジン回転速度、水素のタンク残量等の各種状態に応じて、若しくはドライバの要求に応じて、筒内水素噴射弁J1、ガソリン噴射弁J2、ポート水素噴射弁J3の中から適正なものが選択使用される。
図2は、水素エンジン1及びそれに関連する構成を示す概略ブロック図である。このブロック図に示すように、水素エンジン1の本体に、その冷却水温度を検出する水温センサ18(筒内水素噴射弁J1に関連する温度を検出する温度検出手段)と、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ19とが設けられている。また吸気通路2には、吸気通路2内に流れる空気の温度を検出する吸気温センサ21が設けられ、排気通路3には、作動室E内の空燃比を算出すべく酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(所謂λセンサ)22が設けられている。
水素エンジン1の本体に設けられた筒内水素噴射弁J1と、吸気通路2に取り付けられたポート水素噴射弁J3とは、水素供給管9を介して、気体水素を貯留する水素貯留タンク14に接続されている。一方、吸気通路2に取り付けられたガソリン噴射弁J2は、ガソリン供給管13を介して図外のガソリン貯留タンクに接続されている。水素貯留タンク14の排出口には、水素貯留タンク14から水素供給管9への水素排出を制御すべく開閉制御される停止弁15が設けられている。更に、水素供給管9内には、筒内水素噴射弁J1及びポート水素噴射弁J3に対する水素供給を制御するための遮断弁16が設けられている。また、水素供給管9内には、遮断井16と筒内水素噴射弁J1との間に、水素貯留タンク14内の水素残量を検知すべく水素供給管9内の残圧を検出する圧カセンサ17が設けられている。
なお、特に図示しないが、水素エンジン1に関連する構成としては、吸気通路2内に設けられるエアクリーナ、吸入エア量を検出するエアフローセンサ、図外のアクセルペダルの踏み込み量に応じて開閉されてエアを絞るスロットル弁、該スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、上記アクセルペダル全閉時にオンされるアイドルスイッチ、エアの流れを安定化させるサージタンク等、及び排気通路3内に設けられる排気ガス浄化触媒、排気温センサ等、並びに水素供給通路9又はガソリン供給通路13内に設けられ、各噴射弁J1,J2,J3に供給される燃料の流量を検出する燃料流量計等、上記以外の構成が設けられている。また、燃料を水素とするかガソリンとするかを運転者が手動で選択することができる燃料切換スイッチも設けられている。
更に、水素エンジン1及びそれに関連する構成を制御するエンジンコントロールユニット(以下ECU10という)が設けられている。ECU10は水素エンジン1の総合的な制御装置であって、エアフローセンサによって検出される吸入エア量、水温センサ18によって検出されるエンジン冷却水温、スロットル開度センサやアイドルスイッチによって検出されるスロットル開度、エンジン回転速度センサ19によって検出されるエンジン回転速度、排気温センサによって検出される排気温度、燃料切換スイッチの選択位置、燃料流量計によって検出される各噴射弁J1,J2,J3への燃料流量等の各種制御情報に基づいて、エンジン1の燃料噴射制御や点火時期調整制御などの各種制御を行う。特に燃料供給系に関しては、筒内水素噴射弁J1、ガソリン噴射弁J2、ポート水素噴射弁J3の何れかを選択的(複数選択を含む)に作動させて燃料を噴射させる燃料噴射弁制御手段として機能する。そしてECU10は、後述するように各噴射弁J1,J2,J3の駆動制御を実行する。なお、ECU10は、その内部にマイクロコンピュータ(不図示)を有しており、各噴射弁J1,J2,J3の駆動制御に際して実行される補正、演算、判定等の処理は、そのマイクロコンピュータによってなされる。
図3は筒内水素噴射弁J1の概略縦断面図であって、(a)は全体図、(b)は閉弁時の噴口付近拡大図、(c)は開弁時の噴口付近拡大図である。図3(a)に示すように、筒内水素噴射弁J1は、電磁コイル51を有する電磁弁の一種である。すなわちECU10によって電磁コイル51への通電がオン、オフされることによって開弁と閉弁とが切換えられる。
筒内水素噴射弁J1の噴射弁本体30は、基端側(図の上側)が大径、先端側が小径の段付き略円筒形である。大径部の中段より先端側にはさらに小径の円筒形状が形成され、大径部とで二重円筒を形成する。その二重円筒の間隙部に、電磁コイル51を内蔵する略円筒形のコイルケース50が収納されている。
コイルケース50の基端側内径部には固定部32が挿着されている。固定部32は、噴射弁本体30の基端側を閉塞する蓋体31によって噴射弁本体30に固定されている。固定部32には軸方向に貫通する貫通孔32aが設けられている。またその貫通孔32aの先端寄りにはパイプ状の円筒部材33が挿着されている。
一方、噴射弁本体30の二重円筒部の内側円筒には、その内径部30aに沿って軸方向に摺動可能な棒状磁性体の可動部35が設けられている。可動部35には、基端側に開口し、先端付近まで達する有底孔35aが設けられている。そして有底孔35aの先端付近からは、四方に放射状に穿設されて外径側に開口する放射状孔35bが設けられている。可動部35の外径部の、放射状孔35bの開口部付近は縮径しており、噴射弁本体30の内径部30aとの間に隙間が形成されている。また可動部35の先端面にはシール用のゴムシート38が貼設されている。
固定部32の貫通孔32aの先端側開口部と可動部35の有底孔35aの基端側開口部とはコイルケース50の内径側空洞内で連通しているが、その連通部にスプリング34が介設されている。スプリング34はコイルスプリングで、基端側は円筒部材33の先端側を座面とし、先端側は可動部35の基端面を座面とする。スプリング34は可動部35を先端側に常時付勢する。なお、貫通孔32aと有底孔35aとの連通部から気体水素が漏出しないように、シール部材としてオーリング55,56が設けられている。
噴射弁本体30の先端側の小径部には、リング状のスペーサ58とともに円板状の先端部材40が挿着されている。先端部材40には軸方向に貫通する噴口40aが穿設されている。先端部材40の基端側端面はゴムシート座面40bとなっている。なお先端部材40の外径部から気体水素が漏出しないように、シール部材としてオーリング57が設けられている。
また蓋体31の一部が基端側外径方向に膨出して有底筒状のコネクタ部31aが形成されている。コネクタ部31aの内部では電磁コイル51と接続する電極52が露出している。コネクタ部31aと不図示のECU10側コネクタとを接続することにより、電極52を介してECU10から電磁コイル51に通電可能となる。
以上のような構成により、固定部32の貫通孔32aから、可動部35の有底孔35a、放射状孔35bを経て先端部材40の噴口40aに至る水素流路Hが形成されている。そして以下説明するように、閉弁時にはゴムシート38とゴムシート座面40bとが密接することによって水素流路Hが遮断され、開弁時にはゴムシート38とゴムシート座面40bとが離れることによって水素流路Hが連通する。
図3(b)は閉弁時の噴口付近拡大図である。閉弁時には電磁コイル51への通電がなされず、スプリング34の付勢力によって可動部35が先端側に押圧されている。従って、その先端面に貼設されたゴムシート38がゴムシート座面40bに圧接する。このため、気体水素は水素流路Hに沿って、放射状孔35bの出口と噴射弁本体30の内径部30aとの隙間まで到達するものの、ゴムシート38で遮断されて噴口40aまでは到達しない。従って噴口40aから気体水素が噴射されない。
図3(c)は開弁時の噴口付近拡大図である。開弁時にはECU10から電磁コイル51に通電され、電磁コイル51が励磁される。それに伴い、磁性体の可動部35に電磁コイル51側への引力が作用するので、スプリング34の付勢力に抗して可動部35が基端側に移動する。するとゴムシート38がゴムシート座面40bから離れて隙間ができるので、水素流路Hは噴口40aまで連通する。つまり噴口40aから気体水素が噴射される。
以上、筒内水素噴射弁J1の構造と作動について説明したが、ポート水素噴射弁J3についても同様である。またガソリン噴射弁J2についても、水素とガソリンとの相違に起因する若干の差異はあるものの、基本的な構造は同様である。但しガソリン噴射弁J2では、可動部35の先端面と先端部材40との直接接触によって閉弁時に必要なシール性を確保することができるので、ゴムシート38に相当する部材は設けられていない。
ところで、噴口40aから高圧で噴射された気体水素は噴出とともに断熱膨張するので、噴口40a付近の温度を急激に低下させる。噴口40a付近には水分(燃焼に伴い生じた水分または気体燃料中に含まれる水分或いは吸気された空気中の水分)が存在しているので、これが凝固点以下まで冷却させられると氷となって凝着する。つまり氷結が起こる。氷結は特にゴムシート38とゴムシート座面40bとの間で起こり易く、これが起こると可動部35の円滑な動作が妨げられたり、水素流路Hに目詰まりが起こったような状態となったりして、適正な燃料噴射が行われない虞がある。
氷結は、エンジン温度が低いときの冷間始動時に発生する。特に、氷結の起こり易いゴムシート38を用いており、かつ燃焼によって生じた水分を多く含む環境下にある筒内水素噴射弁J1での氷結が懸念される。当実施形態では、ECU10が、その氷結を抑制しつつ良好な始動性が得られる噴射弁駆動制御を実行するようにしているが、詳細については後述する。
以上の構成を備えた各噴射弁J1,J2,J3からの燃料噴射タイミング及び噴射量は、マイクロコンピュータを含むECU10によって制御される。より詳しくは、ECU10は、エアフローセンサ、スロットル開度センサ、アイドルスイッチ、圧カセンサ17、水温センサ18、エンジン回転速度センサ19、排気温センサ及び燃料切換スイッチ等の各種センサやスイッチからの信号に基づき、各噴射弁J1,J2,J3に出力する通電パルスのタイミング及びそのバルス幅(つまり開弁タイミング及び開弁時間)を算出し、気体水素またはガソリンの噴射タイミング及び噴射量を制御する。すなわち噴射弁駆動制御を実行する。
続いて、水素エンジン1の運転動作について、特に噴射弁駆動制御を中心に説明する。水素エンジン1は、原則として水素を燃料として運転される。すなわち運転者は燃料切換スイッチを水素側に切換えて運転させる。このとき、筒内水素噴射弁J1が選択使用され、場合によってはポート水素噴射弁J3も併用される。但し運転者が何らかの要求(例えば水素貯留タンク14内の水素残量が少なくなり、水素補給ステーションまでガソリンで走行することを希望する場合など)によって燃料切換スイッチがガソリン側に切換えられた場合には、ガソリン噴射弁J2が選択使用される。この場合には従来のガソリンエンジンの運転動作と同様となるので説明を省略する。以下、燃料切換スイッチが水素側に切換えられていることを前提に説明を続ける。
図4は、エンジン回転速度に応じた燃料噴射形態を示す設定図である。横軸にエンジン回転速度、縦軸に燃料噴射形態(水素噴射弁J1,J3の選択パターン及びその噴射タイミングの形態)を示す。この設定図に示すように、ECU10は通常運転時、3種類の燃料噴射形態のうちの何れかをエンジン回転速度に応じて選択設定する。
まず低回転領域(800〜2500rpm程度)では、筒内水素噴射弁J1のみが用いられ、圧縮行程での噴射が実行される(直噴圧縮行程噴射100%)。ここでは、吸気通路2中に気体水素を供給(ポート噴射)すると、その分だけ空気の吸入量が低減してしまうという問題に対処して、吸気行程が済んだ後、圧縮行程時に気体水素が直噴で供給され、空気の充填効率の低下が抑制される。つまりポート噴射によるトルク低下が回避される。
次に中回転領域(2500〜5000rpm程度)では、筒内水素噴射弁J1のみが用いられ、吸気行程での噴射が実行される(直噴吸気行程噴射100%)。ここでは、気体水素とエアとが分離したまま点火が行われると、異常燃焼が生じるという問題に対処して、吸気行程の早い段階で筒内水素噴射弁J1から気体水素が噴射され、ミキシング時間が確保されることで、気体水素とエアとのミキシング性が向上させられる。
最後に高回転領域(5000〜7000rpm程度)では、筒内水素噴射弁J1及びポート水素噴射弁J3が併用される(直噴圧縮行程噴射と予混合噴射との併用)。ここでは、気体水素とエアとのミキシング性を向上させるべく、ポート水素噴射弁J3が用いられ、予混合噴射(ポート噴射)が実行されると同時に、トルク低下を抑制すべく、筒内水素噴射弁J1が用いられ、圧縮行程での噴射が実行される。一例として、好適な予混合噴射量と直噴噴射量との割合(以下予混/直噴割合という)は、ポート水素噴射弁J3からの予混が80%であり、筒内水素噴射弁J1からの直噴が20%である。
このように、各エンジン回転速度域に適した燃料噴射形態を選択することにより、水素エンジン1の全回転速度域に亘って高い出力トルクを得ることができる。
次に、エンジン始動時における噴射弁駆動制御について説明する。この場合、筒内水素噴射弁J1の温度が氷結の懸念のない程度に高いとき、例えば水温センサ18の検出値が第1所定値(例えば0℃)以上のときには通常の燃料噴射形態、すなわち筒内水素噴射弁J1による直噴圧縮行程噴射100%が選択される。
一方、筒内水素噴射弁J1の温度が氷結の懸念のある程度に低いとき、例えば水温センサ18の検出値が第1所定値の0℃より低いときには、燃料の一部がポート噴射(予混合噴射)される。当実施形態では、ポート噴射はガソリン噴射弁J2によってなされる。
図5は、エンジン始動時における筒内水素噴射弁J1による直噴割合を示すグラフである。横軸にエンジン温度(水温センサ18の検出値)、縦軸に直噴割合(筒内水素噴射弁J1からの燃料噴射量割合)を示す。例えば直噴割合が80%の場合、残余の20%がガソリン噴射弁J2によるポート噴射の割合(予混合噴射割合または予混割合ともいう)となる。この場合予混/直噴割合は20%対80%となる。
図5に示すように、直噴割合はエンジン温度が第1所定値の0℃以上の領域においては100%であり、0℃未満の領域においては、低温であるほど低くなるように設定されている。但し直噴割合が0%となることはなく、最低でも幾らかは確保される。当実施形態では、エンジン温度が所定値Tc(予め設定された値、例えば−30℃)未満のときには直噴割合が一定の最低値(例えば10%)とされる。
図6は、ECU10により実行される噴射弁駆動制御の概略フローチャートである。この処理では、まず、図2に示す水素エンジン1に関連する構成等により検出された各種信号が読み込まれ(ステップS1)、燃料切換スイッチによって水素が選択されているか否かが判定される(ステップS2)。ステップS2でYESの場合、各種検出信号に基づき、水素エンジン1が始動されたか否か、すなわちイグニションがオフ状態からオンされた直後であるか否かが判断される(ステップS3)。ステップS3でYESの場合、さらに冷却水温度(エンジン温度)が第1所定値である0℃よりも低いか否かが判断される(ステップS4)。
ステップS4でYESの場合、筒内水素噴射弁J1の氷結が懸念されるので、筒内水素噴射弁J1による直噴とガソリン噴射弁J2による予混合噴射とが併用される。その際、まず図5に示すグラフ(実際にはマップデータとして予めECU10に記憶されている)を参照し、エンジン水温に応じた予混(ガソリン)/直噴(水素)割合が設定される(ステップS6)。
そして、吸気行程において予混割合に相当するガソリンがガソリン噴射弁J2から吸気通路2に噴射され、さらに圧縮行程において直噴割合に相当する水素が筒内水素噴射弁J1から作動室Eに直接噴射され(ステップS7)、リターンされる。
遡ってステップS4でNOの場合、筒内水素噴射弁J1の氷結を懸念する必要がないので、筒内水素噴射弁J1のみによる水素の直噴が行われ(ステップS10)、リターンされる。
さらに遡ってステップS3でNOの場合、続いて圧カセンサ17によって検出される水素の残圧が0.5MPaより大であるか否かが判定される(ステップS11)。ステップS11でYESの場合、水素貯留タンク14内の水素残量が充分多いので、通常の燃焼制御が行われる。すなわち、図4に示す図(実際にはマップデータとして予めECU10に記憶されている)を参照し、エンジン回転速度に応じた燃料噴射形態が選択される(ステップS12)。そしてその噴射形態に準じて筒内水素噴射弁J1から作動室Eに適宜タイミングで水素が噴射され、ポート水素噴射弁J3を併用する場合には吸気行程において予混合噴射割合に相当する水素がポート水素噴射弁J3から吸気通路2に噴射され(ステップS13)。リターンされる。
一方、ステップS11でNOの場合、水素貯留タンク14内の水素残量が少なくなっている。そこでECU10は、燃料切換スイッチによって水素が選択されていても、非常時の対応として自動的にガソリンによる燃焼を行わせる制御を行う。すなわち、ガソリン噴射弁J2による燃料噴射を実行し(ステップS14)、リターンする。この場合、その旨を運転者に告知する何らかの表示を行うようにしても良い。
さらに遡ってステップS2でNOの場合、つまり燃料切換スイッチによってガソリンが選択されている場合もステップS14に移行して通常のガソリン噴射弁J2によるガソリン噴射を行わせ、リターンされる。
このような噴射弁駆動制御を行う当実施形態では、筒内水素噴射弁J1の氷結が懸念されるときに、筒内水素噴射弁J1だけではなくガソリン噴射弁J2からも燃料を供給することにより、相対的に筒内水素噴射弁J1からの水素噴射量を低減することができる。従って、その断熱膨張による温度低下が抑制されるので、氷結を起こり難くすることができる。
なお、燃料供給の全てをガソリン噴射弁J2によるのではなく、少なくとも10%は筒内水素噴射弁J1からも供給するようにしているのは、次のような利点があるからである。
第1の利点は、着火不良を起こしたときのバックファイアを抑制することができることである。バックファイアは、吸気通路2内に残存する燃料にまで燃焼が波及する現象である。このバックファイアは、低温等の影響で着火不良が起こり、燃料が燃焼せずに残存した場合、その次の膨張行程(燃焼)で発生する。少なくとも10%の燃料を筒内水素噴射弁J1から筒内噴射することにより、着火不良が起こったときに吸気通路2内に残存する未燃燃料を相対的に削減することができるので、バックファイアを起こり難くすることができる。
しかもバックファイアは、吸気通路2中に残存する燃料が水素であるよりもガソリンである方が起こり難い。当実施形態では予混合噴射(ポート噴射)をガソリン噴射弁J2によって行っているので、さらにバックファイアの抑制に対して有利となっている。
但しバックファイアは、吸気通路2中に残存する燃料が多いほど起こり易くなるので、ガソリン噴射弁J2のガソリン噴射量は、可及的に少ないことが望ましい。当実施形態では、図5に示すようにエンジン温度が0℃未満であっても、比較的氷結懸念の少ない高温域では低温域に比べて直噴割合を増大させる(より具体的には、エンジン温度が0℃未満でかつ所定値Tc以上の範囲で、エンジン温度が高いほど直噴割合を増大させる)ことにより、氷結を抑制しつつ、ガソリン噴射弁J2のガソリン噴射量が可及的に少なくなるようにしている。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、図1〜図3に示す水素エンジン1の構成、および図4、図5に示す特性については第1実施形態と同様であるが、冷間始動時の制御が異なっている。第1実施形態では、水温センサ18による検出値が第1所定値(0℃)よりも低いときに直噴と予混合噴射とを併用するようにしているが、当実施形態では、さらにその場合において、水温センサ18による検出値が第2所定値(第1所定値よりも低い温度、例えば−10℃)よりも低いか否かによって制御を切り分ける。
すなわち、水温センサ18による検出値が第1所定値(0℃)よりも低いときに直噴と予混合噴射とを併用するが、第2所定値以上の場合は予混合噴射をポート水素噴射弁J3による水素噴射とし、第2所定値未満の場合は予混合噴射をガソリン噴射弁J2によるガソリン噴射とする。
図7は、ECU10により実行される第2実施形態の噴射弁駆動制御の概略フローチャートである。このフローチャートにおいて、第1実施形態と同様の処理については図6に示すフローチャートと同一のステップ番号を付し、その重複説明を省略する。
このフローチャートにおいて、ステップS4でYESと判定され、冷却水温度が第1所定値である0℃よりも低い場合、さらに第2所定値である−10℃よりも低いか否かが判断される(ステップS5)。
ステップS5でYESの場合、第1実施形態と同様に、ステップS6、ステップS7の処理が実行され、リターンされる。一方、ステップS5でNOの場合、ステップS6と同様に、図5に示すグラフを参照してエンジン水温に応じた水素の予混/直噴割合が設定される(ステップS8)。そして、吸気行程において予混割合に相当する水素がポート水素噴射弁J3から吸気通路2に噴射され、吸気とともに作動室Eに導かれる。さらに圧縮行程において直噴割合に相当する水素が筒内水素噴射弁J1から作動室Eに直接噴射され(ステップS9)、リターンされる。
このような噴射弁駆動制御を行う当実施形態においても、基本的には第1実施形態と同様に氷結抑制の効果が得られるが、さらに冷間始動時のうちでも、温度に応じた適切な燃料供給形態をとることができる。エンジン温度が第2所定値(−10℃)以上の比較的高温のときには、低温の場合よりも着火不良が起こり難く、バックファイアの懸念が少ない。そこで、そのような場合にはポート噴射をポート水素噴射弁J3で行い、水素のみによる燃焼を行わせることにより、後の通常燃焼への移行を円滑に行うことができる。
一方、エンジン温度が第2所定値未満の場合には、バックファイアの懸念が増大するので、ポート噴射をガソリン噴射弁J2で行うことにより、バックファイア抑制効果をより高めるようにしている。また、エンジン温度が低いほど燃焼安定性が低下し、エンジントルクの確保に不利となるが、この点に関してもポート噴射をガソリン噴射弁J2で行うことにより有利となる。水素をポート噴射すると、吸気(空気)と水素とが予混合された状態で作動室Eに吸入されるので、水素の分だけ空気の量が低減してしまい、その分エンジントルクが低下する懸念があるのに対し、ガソリンをポート噴射した場合には、そのようなトルク低下を回避することができるからである。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、燃料としてガソリンを用いない実施形態である。水素エンジン1の構成としては図1〜図3に示す第1実施形態のものを用いることも可能であるが、ガソリン噴射弁J2、ガソリン供給管13、図外のガソリン貯留タンク及び図外の燃料切換スイッチを省略することができる。従って、燃料供給系の構造を簡潔にすることができる。
また図4、図5に示す特性については第1実施形態と同様であるが、冷間始動時の制御が異なっている。第1実施形態では、水温センサ18による検出値が第1所定値(0℃)よりも低いときの予混合噴射としてガソリン噴射弁J2を用いているが、当実施形態ではポート水素噴射弁J3を用いる。
図8は、ECU10により実行される第3実施形態の噴射弁駆動制御の概略フローチャートである。このフローチャートにおいて、第1実施形態または第2実施形態と同様の処理については図6または図7に示すフローチャートと同一のステップ番号を付し、その重複説明を省略する。
第3実施形態では、ガソリン噴射による通常の運転が行われることがないので、当該フローチャートにおいて、図6に示すステップS14に相当する処理が省略されている。それに伴い、このステップS14を移行先に含む判定処理であるステップS2及びステップS11も省略されている。
そして、ステップS4でYESと判定され、冷却水温度が第1所定値である0℃よりも低い場合、第2実施形態のステップS8およびステップS9と同様の処理が実行される。すなわち、図5に示すグラフを参照してエンジン水温に応じた水素の予混/直噴割合が設定される(ステップS8)。そして、吸気行程において予混割合に相当する水素がポート水素噴射弁J3から吸気通路2に噴射され、吸気とともに作動室Eに導かれる。さらに圧縮行程において直噴割合に相当する水素が筒内水素噴射弁J1から作動室Eに直接噴射され(ステップS9)、リターンされる。
このような噴射弁駆動制御を行う当実施形態においても、第1、第2実施形態と同様に氷結抑制の効果が得られ、また第2実施形態と同様に後の通常燃焼への移行を円滑に行うことができる。さらに制御の簡素化を図ることができる。
以上、本発明の第1〜第3実施形態について説明したが、これらの各実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記各実施形態では、筒内水素噴射弁J1に関連する温度として冷却水温度を用い、その温度検出手段として水温センサ18を用いたが、これに限定するものではない。例えば、筒内水素噴射弁J1に直接温度センサを取付け、それを温度検出手段としても良い。また上記第1所定値(0℃)および第2所定値(−10℃)は、それぞれエンジンの特性等に応じて適宜変更して良い。
また上記各実施形態では、水素エンジン1がロータリエンジンであるとしたが、これに限定されることはなく、レシプロエンジンにも適用可能である。
本発明に係る第1実施形態の水素エンジンを示す概略構造図である。 上記水素エンジン及びそれに関連する構成を示す概略ブロック図である。 筒内用水素噴射弁の概略縦断面図であって、(a)は全体図、(b)は閉弁時の噴口付近拡大図、(c)は開弁時の噴口付近拡大図である。 エンジン回転速度に応じた燃料噴射形態を示す設定図である。 エンジン始動時における筒内用水素噴射弁による直噴割合を示すグラフである。 第1実施形態において燃料噴射弁制御手段により実行される噴射弁駆動制御の概略フローチャートである。 第2実施形態において燃料噴射弁制御手段により実行される噴射弁駆動制御の概略フローチャートである。 第3実施形態において燃料噴射弁制御手段により実行される噴射弁駆動制御の概略フローチャートである。
1 水素エンジン(エンジン)
2 吸気通路
10 ECU(エンジンコントロールユニット、燃料噴射弁制御手段)
18 水温センサ(温度検出手段)
E 作動室(燃焼室)
J1 筒内水素噴射弁(筒内用水素噴射弁)
J2 ガソリン噴射弁(吸気通路用燃料噴射弁、吸気通路用ガソリン噴射弁)
J3 ポート水素噴射弁(吸気通路用燃料噴射弁、吸気通路用水素噴射弁)

Claims (4)

  1. 燃焼室内に水素を直接噴射する筒内用水素噴射弁と、吸気通路内に燃料を供給する吸気通路用燃料噴射弁とを備えたエンジンの燃料噴射装置において、
    上記筒内用水素噴射弁および上記吸気通路用燃料噴射弁の何れかを選択的に作動させて燃料を噴射させる燃料噴射弁制御手段と、
    上記筒内用水素噴射弁に関連する温度を検出する温度検出手段とを備え、
    上記燃料噴射弁制御手段は、上記温度検出手段による検出温度が第1所定値よりも低い場合のエンジンの始動時に、上記筒内用水素噴射弁と上記吸気通路用燃料噴射弁との双方から燃料を供給するとともに、上記検出温度が上記第1所定値未満でかつそれよりも低い所定値以上の範囲では、上記検出温度が高いほど上記筒内用水素噴射弁からの燃料噴射量割合を増大させることを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  2. 上記吸気通路用燃料噴射弁が、上記吸気通路内にガソリンを供給する吸気通路用ガソリン噴射弁であることを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置。
  3. 上記吸気通路用燃料噴射弁が、上記吸気通路内に水素を供給する吸気通路用水素噴射弁であることを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置。
  4. 上記吸気通路用燃料噴射弁として、上記吸気通路用水素噴射弁に加え、上記吸気通路内にガソリンを供給する吸気通路用ガソリン噴射弁を備え、
    上記燃料噴射弁制御手段は、上記検出温度が上記第1所定値よりも低く、それよりも低温の第2所定値以上のときには上記筒内用水素噴射弁と上記吸気通路用水素噴射弁との双方から燃料を供給し、上記第2所定値よりも低いときには上記筒内用水素噴射弁と上記吸気通路用ガソリン噴射弁との双方から燃料を供給することを特徴とする請求項3記載のエンジンの燃料噴射装置。
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