JP4419952B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に係り、特に、排気浄化触媒の下流に配置された排気ガスセンサの出力に基づいて恒常的な空燃比制御誤差を補正するための学習を行う装置として好適な内燃機関の空燃比制御装置に関する。
従来、例えば特開2005−61356号公報に開示されているように、排気浄化触媒の上流側にメイン排気ガスセンサを備え、下流側にサブ排気ガスセンサを備えた内燃機関の空燃比制御装置が知られている。この装置では、メイン排気ガスセンサの出力に基づいて空燃比のメインフィードバック制御が行われるととともに、サブ排気ガスセンサの出力に基づいて、メインフィードバック制御を補完するためのサブフィードバック制御が行われる。
更に、上記従来の装置では、サブフィードバック制御により算出されるサブフィードバック補正値に含まれる恒常的な成分をサブフィードバック学習値として学習する制御も行われる。一般に、メインフィードバック制御には、内燃機関の個体差や経時変化によって、恒常的な誤差が内在するのが普通である。サブフィードバック学習値は、そのような恒常的な誤差を補正するための値である。このサブフィードバック学習値を学習し、記憶しておくことにより、空燃比フィードバック制御が開始された後、実際の空燃比を目標空燃比に速やかに近づけることができる。
また、上記従来の装置では、内燃機関がフューエルカットから復帰した際に、目標空燃比をリッチ空燃比とする制御(以下、「リッチ制御」と称す)が実行される。フューエルカットの実行中は、内燃機関に対して燃料が噴射されないため、触媒内には、燃料を含まない空気が流通する。このため、フューエルカットが実行されると、通常は、触媒がほぼ能力一杯に酸素を吸蔵した状態となる。
触媒は、その内部に吸蔵している酸素量が最大酸素吸蔵量のほぼ半分である場合に最も優れた浄化能力を発揮する。上記従来の装置において、リッチ制御が実行されると、触媒内部の酸素が脱離して、その酸素吸蔵量が減少する。そして、そのリッチ制御は、触媒内の酸素吸蔵量が最大酸素吸蔵量のほぼ半分になったと推定される時点で終了される。このため、上記従来の装置によれば、フューエルカットの終了後に、触媒内の酸素吸蔵状態を速やかに最適な状態に復帰させることができる。
しかしながら、上記従来の装置は、既述した通り、メインフィードバック制御とサブフィードバック制御とを組み合わせた空燃比フィードバック制御を実行している。そして、このサブフィードバック制御は、触媒の下流に流出してくる排気ガスがリッチ或いはリーンに偏った場合に、その偏りを是正するようにメインフィードバックの制御パラメータを補正する制御である。リッチ制御の実行中にこのようなサブフィードバック制御が実行されると、その影響で、触媒上流における空燃比がリッチ制御の実行中に実現すべきリッチ目標値からずれることがある。また、そのような状況下でのサブフィードバック制御による不適切な補正値がサブフィードバック学習値に取り込まれ、学習値が適正でない値に学習されてしまうこともある。
そこで、上記従来の装置は、上述のような問題を解消するため、フューエルカット復帰後のリッチ制御の実行中は、サブフィードバック制御の実行を禁止することとしている。
特開2005−61356号公報 特開2005−48711号公報 特開2005−105834号公報
上記従来の装置によれば、フューエルカット復帰後のリッチ制御の実行中、サブフィードバック制御の実行を禁止することにより、サブフィードバック学習値が不適切な値に学習されてしまうのを防止することができる。
しかしながら、フューエルカット復帰後のリッチ制御の実行時に、サブフィードバック制御を一律に禁止することとすると、サブフィードバック学習を進める機会がそれだけ減ることになる。このため、バッテリクリアの後などで学習値が適正な値をとっていなかった場合には、学習値が適性値に収束するのが遅延してしまう。
また、近年の内燃機関においては、リッチ制御が行われるのはフューエルカットからの復帰時に限られず、例えば高負荷域でNOxを低減するためにリッチ制御がされる場合があり、更には、目標空燃比を理論空燃比よりもリーンとするリーン制御が行われる場合もある。このため、フューエルカットからの復帰後のリッチ制御時に限らず、他の場合のリッチ制御や、リーン制御の実行時についても、空燃比制御方法の最適化を図る必要がある。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、恒常的な空燃比制御誤差を補正するためのサブフィードバック学習を行う内燃機関において、学習値が不適切な値になるのを回避しつつ、学習の機会をなるべく多く確保することのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の空燃比制御装置であって、
内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
前記触媒の上流に配置されたメイン排気ガスセンサと、
前記触媒の下流に配置されたサブ排気ガスセンサと、
前記メイン排気ガスセンサの出力に基づいて、空燃比のメインフィードバック制御を行うメインフィードバック手段と、
前記サブ排気ガスセンサの出力に基づいて、前記メインフィードバック制御を補完するサブフィードバック制御を行うサブフィードバック手段と、
前記サブフィードバック制御において算出されるサブフィードバック補正値に基づいて、恒常的に内在する誤差成分を補正するためのサブフィードバック学習値を算出するサブフィードバック学習手段と、
空燃比を調整するための制御パラメータをストイキ対応値に設定するストイキ制御を行うストイキ制御手段と、
空燃比リッチ化要求があった場合に、空燃比が前記ストイキ制御下に比してリッチ側にシフトするように、前記制御パラメータを前記空燃比リッチ化要求に応じた値に設定するリッチ制御を行うリッチ制御手段と、
前記リッチ制御の実行時、前記制御パラメータの設定値が所定のリッチ判定値よりもリッチ側に相当する値である場合には、前記サブフィードバック学習手段による前記サブフィードバック学習値の学習を禁止または制限する学習制限手段と、
前記触媒の浄化ウインドウの大きさと相関を有するウインドウ相関値を検出または推定するウインドウ相関値取得手段と、
前記ウインドウ相関値に基づいて、前記浄化ウインドウが大きい状況にあるほど、前記ストイキ対応値と前記リッチ判定値との差が大きくなるように、前記リッチ判定値を設定するリッチ判定値設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、内燃機関の空燃比制御装置であって、
内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
前記触媒の上流に配置されたメイン排気ガスセンサと、
前記触媒の下流に配置されたサブ排気ガスセンサと、
前記メイン排気ガスセンサの出力に基づいて、空燃比のメインフィードバック制御を行うメインフィードバック手段と、
前記サブ排気ガスセンサの出力に基づいて、前記メインフィードバック制御を補完するサブフィードバック制御を行うサブフィードバック手段と、
前記サブフィードバック制御において算出されるサブフィードバック補正値に基づいて、恒常的に内在する誤差成分を補正するためのサブフィードバック学習値を算出するサブフィードバック学習手段と、
空燃比を調整するための制御パラメータをストイキ対応値に設定するストイキ制御を行うストイキ制御手段と、
空燃比リーン化要求があった場合に、空燃比が前記ストイキ制御下に比してリーン側にシフトするように、前記制御パラメータを前記空燃比リーン化要求に応じた値に設定するリーン制御を行うリーン制御手段と、
前記リーン制御の実行時、前記制御パラメータの設定値が所定のリーン判定値よりもリーン側に相当する値である場合には、前記サブフィードバック学習手段による前記サブフィードバック学習値の学習を禁止または制限する学習制限手段と、
前記触媒の浄化ウインドウの大きさと相関を有するウインドウ相関値を検出または推定するウインドウ相関値取得手段と、
前記ウインドウ相関値に基づいて、前記浄化ウインドウが大きい状況にあるほど、前記ストイキ対応値と前記リーン判定値との差が大きくなるように、前記リーン判定値を設定するリーン判定値設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記メイン排気ガスセンサは、排気ガスの空燃比に対してほぼリニアな出力を発する広域空燃比センサであり、
前記サブ排気ガスセンサは、排気ガスの空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じて急変する出力を発する酸素センサであり、
前記制御パラメータは、前記メインフィードバック制御の目標空燃比であることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1または第2の発明において、
前記メイン排気ガスセンサおよび前記サブ排気ガスセンサは、何れも、排気ガスの空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じて急変する出力を発する酸素センサであり、
前記制御パラメータは、前記メイン排気ガスセンサの出力がリッチからリーンへ反転したときの前記メインフィードバック制御の制御定数と、前記メイン排気ガスセンサの出力がリーンからリッチへ反転したときの前記メインフィードバック制御の制御定数との非対称度であることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記学習制限手段により前記サブフィードバック学習値の学習が禁止または制限される場合に、前記サブフィードバック制御の実行を禁止または制限するサブフィードバック制限手段を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記ウインドウ相関値として、前記内燃機関の吸入空気量を利用することを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記ウインドウ相関値として、前記触媒の温度を利用することを特徴とする。
また、第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、
前記ウインドウ相関値として、前記触媒の劣化度を利用することを特徴とする。
また、第9の発明は、第1の発明において、
前記サブフィードバック学習手段は、前記内燃機関の出力軸が所定回数回転する毎に前記サブフィードバック学習値を更新するものであり、
前記内燃機関の出力軸回転速度を検出する回転速度検出手段を更に備え、
前記リッチ判定値設定手段は、前記出力軸回転速度が速いほど、前記ストイキ対応値と前記リッチ判定値との差が小さくなるように前記リッチ判定値を補正する補正手段を含むことを特徴とする。
また、第10の発明は、第2の発明において、
前記サブフィードバック学習手段は、前記内燃機関の出力軸が所定回数回転する毎に前記サブフィードバック学習値を更新するものであり、
前記内燃機関の出力軸回転速度を検出する回転速度検出手段を更に備え、
前記リーン判定値設定手段は、前記出力軸回転速度が速いほど、前記ストイキ対応値と前記リーン判定値との差が小さくなるように前記リーン判定値を補正する補正手段を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、リッチ制御時における空燃比リッチ化の度合いに応じて、サブフィードバック学習値の学習を禁止または制限することができる。このため、サブフィードバック学習値が不適切な値に学習されてしまうのを確実に回避することができる。更に、第1の発明によれば、触媒の浄化ウインドウが小さいほど、サブフィードバック学習を許可する条件を厳しくし、浄化ウインドウが大きいほど、サブフィードバック学習を許可する条件を緩和することができる。このため、サブフィードバック学習値が不適切な値に学習されることのない範囲において、サブフィードバック学習の機会をなるべく多く確保することができる。
第2の発明によれば、リーン制御時における空燃比リーン化の度合いに応じて、サブフィードバック学習値の学習を禁止または制限することができる。このため、サブフィードバック学習値が不適切な値に学習されてしまうのを確実に回避することができる。更に、第2の発明によれば、触媒の浄化ウインドウが小さいほど、サブフィードバック学習を許可する条件を厳しくし、浄化ウインドウが大きいほど、サブフィードバック学習を許可する条件を緩和することができる。このため、サブフィードバック学習値が不適切な値に学習されることのない範囲において、サブフィードバック学習の機会をなるべく多く確保することができる。
第3の発明によれば、排気ガスの空燃比に対してほぼリニアな出力を発する広域空燃比センサを触媒の上流に備え、排気ガスの空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じて急変する出力を発する酸素センサを触媒の下流に備えたシステムにおいて、上記効果を達成することができる。
第4の発明によれば、排気ガスの空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じて急変する出力を発する酸素センサを触媒の上流および下流にそれぞれ備えたシステムにおいて、上記効果を達成することができる。
第5の発明によれば、リッチ制御時あるいはリーン制御時にサブフィードバック学習を禁止または制限する場合、サブフィードバック制御の実行も禁止または制限することができる。このため、リッチ制御あるいはリーン制御により実現されたリッチ空燃比あるいはリーン空燃比がサブフィードバック制御の作用によって理論空燃比側へ戻されることを確実に防止することができる。
第6の発明によれば、ウインドウ相関値として、内燃機関の吸入空気量を利用することができる。このため、浄化ウインドウの大きさを精度良く算出することができる。
第7の発明によれば、ウインドウ相関値として、触媒の温度を利用することができる。このため、浄化ウインドウの大きさを精度良く算出することができる。
第8の発明によれば、ウインドウ相関値として、触媒の劣化度を利用することができる。このため、浄化ウインドウの大きさを精度良く算出することができる。
第9の発明によれば、内燃機関の出力軸回転速度が高いとき、すなわち単位時間当たりの学習回数が多い場合には、サブフィードバック学習を許可する条件を厳しくし、内燃機関の出力軸回転速度が低いとき、すなわち単位時間当たりの学習回数が少ない場合には、サブフィードバック学習を許可する条件を緩和することができる。このため、サブフィードバック学習値が不適切な値に学習されることのない範囲において、サブフィードバック学習の機会をより多く確保することができる。
第10の発明によれば、内燃機関の出力軸回転速度が高いとき、すなわち単位時間当たりの学習回数が多い場合には、サブフィードバック学習を許可する条件を厳しくし、内燃機関の出力軸回転速度が低いとき、すなわち単位時間当たりの学習回数が少ない場合には、サブフィードバック学習を許可する条件を緩和することができる。このため、サブフィードバック学習値が不適切な値に学習されることのない範囲において、サブフィードバック学習の機会をより多く確保することができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、車両に動力源として搭載される内燃機関10を備えている。内燃機関10は、複数の気筒を有する多気筒機関であり、図1は、そのうちの一気筒の断面を示している。
内燃機関10の各気筒には、吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12には、吸入空気量GAを検出するエアフロメータ16が配置されている。エアフロメータ16の下流には、スロットル弁18が配置されている。スロットル弁18は、アクセル開度等に基づいてスロットルモータ20により駆動される電子制御式のバルブである。スロットル弁18の近傍には、スロットル開度を検出するためのスロットルポジションセンサ22が配置されている。アクセル開度は、アクセルペダルの近傍に設けられたアクセルポジションセンサ24によって検出される。
内燃機関10の各気筒には、吸気ポートの内に燃料を噴射するための燃料噴射弁26が配置されている。なお、内燃機関10は、図示のようなポート噴射式のものに限らず、燃料を筒内に直接噴射する方式のものでもよい。
内燃機関10の各気筒には、更に、吸気弁28、点火プラグ30、および排気弁32が設けられている。
内燃機関10のクランク軸36の近傍には、クランク軸36の回転角を検出するためのクランク角センサ38が取り付けられている。クランク角センサ38の出力によれば、クランク軸36の回転位置や機関回転数NEなどを検知することができる。
内燃機関10の排気通路14には、排気ガスを浄化するための上流触媒(スタートコンバータ)40および下流触媒(アンダーフロアコンバータ)42が直列に配置されている。上流触媒40および下流触媒42は、何れも、CO、HCおよびNOxを同時に浄化することのできる三元触媒としての機能を有している。
上流触媒40の上流側には、その位置で排気空燃比を検出するためのメイン排気ガスセンサ44が配置されている。メイン排気ガスセンサ44は、上流触媒40に流入する排気ガスの空燃比に対してほぼリニアな出力を発する広域空燃比センサである。
上流触媒40の下流側であって下流触媒42の上流側には、サブ排気ガスセンサ46が配置されている。サブ排気ガスセンサ46は、上流触媒40から流出してくる排気ガスが理論空燃比に対してリッチであるか、或いはリーンであるかに応じて急変する出力を発する酸素センサである。また、上流触媒40には、その温度Tcatを検出する温度センサ47が取り付けられている。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU50は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
[実施の形態1における空燃比制御]
本実施形態の装置は、メイン排気ガスセンサ44の出力を基礎とするメインフィードバック制御と、サブ排気ガスセンサ46の出力を基礎とするサブフィードバック制御とを組み合わせた空燃比フィードバック制御を実行する。より具体的には、本実施形態において、ECU50は、メイン排気ガスセンサ44の出力evafbseやサブ排気ガスセンサ46の出力に基づいて次式で表される補正後A/F出力evabyfを算出し、その補正後A/F出力evabyfが目標空燃比に対応する値となるように燃料噴射量を制御する処理を実行する。
evabyf=evafbse+evafsfb+evafsfbg ・・・(1)
上記(1)式中、右辺第1項の「evafbse」は、メイン排気ガスセンサ44の出力電圧である。また、右辺第2項の「evafsfb」は、サブ排気ガスセンサ46の出力に基づいて算出されるサブフィードバック補正値である。そして、右辺第3項の「evafsfbg」は、サブフィードバック学習値である。
本実施形態では、上記(1)式に従って補正後A/F出力evabyfが算出され、更に、その補正後A/F出力evabyfを、目標空燃比相当の値に近づけるためのメインフィードバック制御が実行される。このメインフィードバック制御では、具体的には、補正後A/F出力evabyfを空燃比に換算する処理、その結果得られた空燃比と目標空燃比との偏差ΔA/Fを算出する処理、および、その偏差ΔA/Fを所定のゲインで燃料噴射量の補正に反映させる処理が実行される。
メイン排気ガスセンサ44が理想的な特性を示す場合は、その出力evafbseと、上流触媒40の上流における空燃比(以下「触媒前空燃比」と称す)とが一義的な関係を示す。そして、この場合には、メイン排気ガスセンサ44の出力evafbseが理論空燃比相当の値となるようにメインフィードバックを実行すれば、上流触媒40に流れ込む排気ガスは、理論空燃比近傍の空燃比を有するものとなり、上流触媒40の下流には、浄化された排気ガスだけが流出することとなる。
しかしながら、現実には、メイン排気ガスセンサ44および信号伝送系の個体差や経年変化、或いは内燃機関10の運転状態の変化等が原因となって、メイン排気ガスセンサ44は必ずしも理想的な出力特性を発揮するものではない。このため、メインフィードバック制御が実行されている状況下でも、上流触媒40の下流にリッチ或いはリーンな排気ガスが吹き抜けてくる場合がある。
一方、サブ排気ガスセンサ46は、空燃比の連続的な変化を検出できない代わりに、理論空燃比を精度良く検出することが可能である。このため、サブ排気ガスセンサ46によれば、上流触媒40の下流にリッチ或いはリーンな排気ガスが吹き抜けてきた場合には、そのことを正確に検出することが可能である。
よって、上流触媒40の下流にリッチな排気ガスが吹き抜けてきたことがサブ排気ガスセンサ46により検出された場合は、触媒前空燃比が全体としてリッチ側にシフトしていると判断できる。そして、この場合は、燃料噴射量が現状よりも少なく算出されるようにメイン排気ガスセンサ44の出力evafbseを補正すれば、メインフィードバックの結果として得られる触媒前空燃比を理論空燃比に近づけることが可能である。
一方、上流触媒40の下流にリーンな排気ガスが吹き抜けてきたことがサブ排気ガスセンサ46により検出された場合は、触媒前空燃比が全体としてリーン側にシフトしていると判断できる。そして、この場合は、燃料噴射量が現状よりも多く算出されるようにメイン排気ガスセンサ44の出力evafbseを補正すれば、メインフィードバックの結果として得られる触媒前空燃比を理論空燃比に近づけることが可能である。上記(1)式に含まれるサブフィードバック補正値evafsfbは、このような機能を実現するための補正値である。すなわち、サブフィードバック制御は、メインフィードバック制御を補完する機能を有するものである。
ECU50は、具体的には、サブ排気ガスセンサ46の出力と、基準出力(理論空燃比相当の出力)との偏差に、所定の演算を施すことにより、サブフィードバック補正値evafsfbを算出する。例えばPID制御によりサブフィードバック補正値evafsfbを算出する場合には、サブ排気ガスセンサ46の出力とその目標値との偏差に基づく比例項、積分項、および微分項の和としてサブフィードバック補正値evafsfbを算出することができる。
サブフィードバック補正値evafsfbの平均的な値は、メインフィードバックに恒常的に内在している誤差として把握することができる。例えば、上記PID制御に基づいてサブフィードバック補正値evafsfbが算出されている場合には、そのうちの積分項成分を、恒常的に内在している誤差として把握することができる。上記(1)式におけるサブフィードバック学習値evafsfbgは、そのような恒常的な誤差として把握される値を、所定の更新タイミングでサブフィードバック補正値evafsfbから移し替えることにより、算出される値である。
このような処理によれば、メインフィードバック制御に恒常的に内在する誤差成分をサブフィードバック学習値evafsfbgに吸収させ、メインフィードバック制御に内包される誤差成分の変動分だけをサブフィードバック補正値evafsfbに吸収させることができる。そして、学習が進むと、サブフィードバック学習値evafsfbgは、上記の恒常的な誤差成分を適正に反映した値に収束していき、安定した値をとるようになる。
このようなサブフィードバック学習値evafsfbgは、ECU50が備えるスタンバイRAMに記憶される。スタンバイRAMは、イグニッションスイッチのオフ時にも給電が継続されて記憶情報が保持されるメモリである。サブフィードバック学習が収束している場合には、スタンバイRAMに記憶されたサブフィードバック学習値evafsfbgを用いることにより、恒常的な誤差成分を直ちに補正することができる。このため、内燃機関10の始動後や、空燃比フィードバック制御の再開後において、実際の空燃比を目標空燃比に速やかに近づけることができる。
ところが、車両のバッテリが一時取り外されることによってスタンバイRAMへの給電が中断された場合、すなわちバッテリクリアされた場合などには、サブフィードバック学習値evafsfbgが初期化されてしまう。つまり、それまでに学習した情報は消えてしまう。このため、サブフィードバック学習値evafsfbgが初期化された場合には、その後サブフィードバック学習値evafsfbgが適正な値に収束(安定化)するまでの期間においては、恒常的な誤差成分を十分に補正することができず、排気エミッションが悪化し易い。それゆえ、サブフィードバック学習値evafsfbgが初期化された場合には、なるべく早くサブフィードバック学習値evafsfbgを収束させるのが好ましい。
図2は、三元触媒の浄化ウインドウを説明するための図である。上流触媒40のような三元触媒では、周知の通り、CO、HCおよびNOxの三成分を何れも高い浄化率で浄化することのできる浄化ウインドウが存在する。すなわち、上流触媒40では、流入する排気ガスの空燃比が浄化ウインドウ内にある場合に、上記三成分を同時に効率良く浄化することができる。
そして、浄化ウインドウの中心付近には、上記三成分の総合的な浄化率が最高となる空燃比が存在する。上流触媒40においてそのような最高浄化率が得られる空燃比を、以下、「ストイキ空燃比AFst」と称する。本実施形態では、ストイキ空燃比AFstは、一定値14.6をとるものとする。
本実施形態のシステムは、通常時は、高い排気浄化率を得るべく、目標空燃比をストイキ空燃比AFstに設定して、空燃比フィードバック制御を行うものとする。このような制御を以下「ストイキ制御」と称する。
一方、本実施形態のシステムにおいては、例えば下記のような場合に、上流触媒40に流入する排気ガスの空燃比をストイキ空燃比AFstよりもリッチ化あるいはリーン化する要求が出されることがある。
(1)内燃機関10においてフューエルカットが実行されると、上流触媒40はほぼ一杯に酸素を吸蔵した状態となる。フューエルカットからの復帰後は、上流触媒40の酸素吸蔵量を最大酸素吸蔵量のほぼ半分に戻すべく、空燃比をリッチ化する要求が出される。
(2)高負荷運転時には、燃焼温度が高くなるので、内燃機関10からのNOx排出量が多くなり易い。このため、高負荷運転時には、内燃機関10からのNOx排出量を低下させるべく、空燃比をリッチ化する要求が出される場合がある。
(3)上流触媒40が高温かつ還元状態にある場合には、上流触媒40に吸着された硫黄分が還元されることにより、硫化水素が発生することがある。排気ガス中に硫化水素が発生すると、臭い(触媒排気臭)が出易い。硫化水素の発生は、上流触媒40を酸化状態とすることにより、防止することができる。そこで、触媒排気臭対策として、上流触媒40を酸化状態とするために、空燃比をリーン化する要求が出される場合がある。
本実施形態のシステムは、上記(1)、(2)のように空燃比をリッチ化させる要求が出された場合、目標空燃比をストイキ空燃比AFstよりもリッチな所望の値に設定して、空燃比フィードバック制御を行う。このような制御を以下「リッチ制御」と称する。リッチ制御時の目標空燃比は、リッチ化要求の度合いや運転状態などに応じて設定される。
また、本実施形態のシステムは、上記(3)のように空燃比をリーン化させる要求が出された場合、目標空燃比をストイキ空燃比AFstよりもリーンな所望の値に設定して、空燃比フィードバック制御を行う。このような制御を以下「リーン制御」と称する。リーン制御時の目標空燃比は、リーン化要求の度合いや運転状態などに応じて設定される。
ところで、サブフィードバック制御は、前述したとおり、上流触媒40の下流にリッチあるいはリーンな排気ガスが流出した場合に、空燃比を理論空燃比側へ戻すためのサブフィードバック補正値evafsfbを算出する制御である。従って、上述したリッチ制御あるいはリーン制御によって、リッチあるいはリーンな空燃比が意図的に実現されている場合であっても、上流触媒40の下流にリッチあるいはリーンな排気ガスが吹き抜ければ、空燃比を理論空燃比側へ戻すためのサブフィードバック補正値evafsfbが算出されてしまう。そのようなサブフィードバック補正値evafsfbが燃料噴射量に反映されると、意図的に実現されているリッチあるいはリーンな空燃比が理論空燃比側へ戻されてしまい、リッチ制御あるいはリーン制御の目的を十分に達成しにくくなる。
また、意図的にリッチあるいはリーンな空燃比が実現されている場合に、空燃比を理論空燃比側へ戻すためのサブフィードバック補正値evafsfbが算出されると、サブフィードバック補正値evafsfbは必要以上に大きな(大げさな)値として算出されてしまう。このため、リッチ制御あるいはリーン制御の実行中にサブフィードバック学習を行うと、そのような不適切なサブフィードバック補正値evafsfbがサブフィードバック学習値evafsfbgに取り込まれてしまう。その結果、サブフィードバック学習値evafsfbgが不適切な値になり易い。
上述したような不都合は、リッチ制御あるいはリーン制御の実行中にサブフィードバック制御およびサブフィードバック学習を行わないこととすれば、回避することができる。しかしながら、そのようにすると、サブフィードバック学習を行う機会がそれだけ減ることになるので、学習精度が低下し易い。また、バッテリクリア後などの何らかの理由でサブフィードバック学習値evafsfbgが適正な値になっていない場合には、学習機会の減少により、適正値への収束が遅れるという問題もある。
このような事情に鑑みれば、リッチ制御あるいはリーン制御の実行中においても、悪影響を生じない範囲においてはサブフィードバック制御およびサブフィードバック学習を実行すべきである。
ここで、上流触媒40の浄化ウインドウには、図2に示すように、ある程度の幅がある。このため、上流触媒40に流入する排気ガスの空燃比がストイキ空燃比AFstになっていなくても、浄化ウインドウに入る程度のリッチあるいはリーンであれば、上流触媒40で浄化される間にほぼ理論空燃比となる。このため、リッチ制御あるいはリーン制御の実行時、目標空燃比が浄化ウインドウに入る程度のリッチあるいはリーンであれば、上流触媒40の下流にリッチあるいはリーンな排気ガスが吹き抜けることは起こりにくい。すなわち、この場合には、サブ排気ガスセンサ46の出力がリッチ出力あるいはリーン出力に貼り付くおそれは少なく、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の悪影響はほとんど生じないと言える。
そこで、本実施形態では、リッチ制御あるいはリーン制御の実行中において、目標空燃比が上流触媒40の浄化ウインドウの外にある場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の実行を禁止するが、目標空燃比が浄化ウインドウに入る程度のリッチあるいはリーンである場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習を実行を許可することとした。
具体的には、まず、目標空燃比が浄化ウインドウに入るかどうかを判定するためのリッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanが設定される。すなわち、リッチ判定値AFrichは浄化ウインドウのリッチ側の境界に相当するものであり、リーン判定値AFleanは浄化ウインドウのリーン側の境界に相当するものである。このようなリッチ判定値AFrichあるいはリーン判定値AFleanより外側に目標空燃比がある場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習を禁止することとした。
また、上流触媒40の浄化ウインドウの大きさ(幅)は、いくつかの条件によって変化する。具体的には、図3(A)に示すように、内燃機関10の吸入空気量GAが多量であるほど、浄化ウインドウは小さく(狭く)なる。これは、吸入空気量GAが多いほど、排気ガス量も多くなり、触媒での反応時間が短くなるからである。また、図3(B)に示すように、上流触媒40の温度Tcatが高いほど、浄化ウインドウは大きく(広く)なる。そして、上流触媒40の劣化度が大きいほど、浄化ウインドウは小さくなる。
このことを考慮して、本実施形態では、浄化ウインドウの大きさに応じて、リッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanを変化させることとした。図4は、浄化ウインドウの大きさとリッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanとの関係を示すマップである。本実施形態では、図4に示すように、浄化ウインドウが大きい場合ほど、ストイキ空燃比AFstとリッチ判定値AFrichとの差が大きくなるように、リッチ判定値AFrichを設定することとした。また、浄化ウインドウが大きい場合ほど、ストイキ空燃比AFstとリーン判定値AFleanとの差が大きくなるように、リーン判定値AFleanを設定することとした。
[実施の形態1における具体的処理]
図5は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、本ルーチンは、所定時間毎に、あるいはクランク軸36の回転に同期して、周期的に実行される。
また、ECU50は、他のルーチンにおいて、前述した空燃比制御を実行しているものとする。ECU50は、更に、他のルーチンにおいて、次のようにして上流触媒40の劣化度を推定する処理を実行しているものとする。上流触媒40は、劣化が進むと、その最大酸素吸蔵量Cmaxが低下していく特性がある。最大酸素吸蔵量Cmaxは、例えば、上流触媒40の下流にリッチなガスが流出してくるまで触媒前空燃比を強制的にリッチとし、その後、触媒前空燃比をリーンに反転させ、上流触媒40の下流にリーンなガスが流出してくるまでの間に上流触媒40に流入した酸素量を積算することにより、求めることができる。このようにして求められた最大酸素吸蔵量Cmaxが大きいほど上流触媒40の劣化度は小さいと推定することができ、逆に、最大酸素吸蔵量Cmaxが小さいほど上流触媒40の劣化度は大きいと推定することができる。触媒劣化度を推定する手法は、既に公知であるため、ここではこれ以上の説明を省略する。
図5に示すルーチンによれば、まず、リッチ判定値AFrichが次のようにして算出される(ステップ100)。図3(A)〜(C)を参照して述べたように、浄化ウインドウは、内燃機関10の吸入空気量が多量であるほど狭くなり、触媒温度が高温であるほど広くなり、触媒の劣化が進行するほど狭くなる。ECU50は、図3(A)〜(C)に示す各々の傾向を反映させるための補正係数を定めたマップを記憶している。上記ステップ100においては、まず、それらのマップを参照することにより、現在の吸入空気量GA、触媒温度Tcatおよび触媒劣化度のそれぞれに対応した補正係数を取得する。次いで、それらの補正係数を、浄化ウインドウの大きさの基準値に掛け合わせることにより、現在の浄化ウインドウの大きさが算出される。このようにして算出された現在の浄化ウインドウの大きさに基づいて、図4に示すマップに従い、リッチ判定値AFrichが算出される。
リッチ判定値AFrichが算出されたら、次に、そのリッチ判定値AFrichと、現在の目標空燃比とが比較される(ステップ102)。その結果、目標空燃比がリッチ判定値AFrichより小さかった場合、すなわち目標空燃比がリッチ判定値AFrichよりリッチ側の値であった場合には、目標空燃比は浄化ウインドウの外にあると判断することができる。そこで、この場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の実行が禁止され(ステップ104)、メインフィードバック制御のみが機能する状態とされる。
一方、上記ステップ102において、目標空燃比がリッチ判定値AFrich以上であった場合には、次に、リーン判定値AFleanが算出される(ステップ106)。ここでは、上記ステップ100において算出された現在の浄化ウインドウの大きさに基づいて、図4に示すマップに従い、リーン判定値AFleanが算出される。
リーン判定値AFleanが算出されたら、次に、そのリーン判定値AFleanと、現在の目標空燃比とが比較される(ステップ108)。その結果、目標空燃比がリーン判定値AFleanより大きかった場合、すなわち目標空燃比がリーン判定値AFleanよりリーン側の値であった場合には、目標空燃比は浄化ウインドウの外にあると判断することができる。そこで、この場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の実行が禁止され(ステップ104)、メインフィードバック制御のみが機能する状態とされる。
一方、上記ステップ108において、目標空燃比がリーン判定値AFlean以下であった場合には、目標空燃比は浄化ウインドウに入っていると判断することができる。この場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の実行が許可され(ステップ110)、それらがメインフィードバック制御とともに実行される。
以上説明したように、図5に示すルーチンによれば、リッチ制御あるいはリーン制御の実行時、目標空燃比が上流触媒40の浄化ウインドウに入っていない場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の実行を禁止することができる。このため、サブフィードバック制御が空燃比を理論空燃比側に戻そうとする働きを阻止することができるので、リッチあるいはリーンに設定された目標空燃比を精度良く実現することができ、リッチ制御あるいはリーン制御の所期の目的を確実に達成することができる。また、サブフィードバック学習値evafsfbgが不適切な値に学習されるのを防止することができる。
また、図5に示すルーチンによれば、リッチ制御あるいはリーン制御の実行時であっても、目標空燃比が上流触媒40の浄化ウインドウに入っている場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習を実行させることができる。この場合には、サブフィードバック制御がリッチ制御あるいはリーン制御に対して不利に作用することがなく、むしろ、サブフィードバック制御を行うことにより、空燃比の制御性を高めることができる。また、サブフィードバック学習の機会を増やすことができるので、学習精度を高めることができる。更に、バッテリクリア後などの何らかの理由でサブフィードバック学習値evafsfbgが適正な値になっていない場合にも、サブフィードバック学習値evafsfbgを適正値へ早期に収束させることができる。
なお、上述した実施の形態1においては、上流触媒40が前記第1および第2の発明における「触媒」に、目標空燃比が前記第1および第2の発明における「空燃比を調整するための制御パラメータ」に、ストイキ空燃比AFstが前記第1および第2の発明における「ストイキ対応値」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、メイン排気ガスセンサ44の出力に基づいてメインフィードバック制御を行うことにより前記第1および第2の発明における「メインフィードバック手段」が、サブ排気ガスセンサ46の出力に基づいてサブフィードバック補正値evafsfbを算出することにより前記第1および第2の発明における「サブフィードバック手段」が、サブフィードバック学習値evafsfbgを算出することにより前記第1および第2の発明における「サブフィードバック学習手段」が、目標空燃比をストイキ空燃比AFstに設定することにより前記第1および第2の発明における「ストイキ制御手段」が、吸入空気量GA、触媒温度Tcatおよび触媒劣化度をそれぞれ検出または推定することにより前記第1および第2の発明における「ウインドウ相関値取得手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、空燃比リッチ化要求に応じて目標空燃比をリッチ空燃比に設定することにより前記第1の発明における「リッチ制御手段」が、上記ステップ102および104の処理を実行することにより前記第1の発明における「学習制限手段」および前記第5の発明における「フィードバック制限手段」が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「リッチ判定値設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、空燃比リーン化要求に応じて目標空燃比をリーン空燃比に設定することにより前記第2の発明における「リーン制御手段」が、上記ステップ108および104の処理を実行することにより前記第2の発明における「学習制限手段」および前記第5の発明における「フィードバック制限手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第2の発明における「リーン判定値設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1では、浄化ウインドウの大きさを、吸入空気量GA、触媒温度Tcatおよび触媒劣化度に基づいて算出しているが、本発明では、これらのうちの一つあるいは二つに基づいて浄化ウインドウを算出するようにしてもよい。更に、他のパラメータの影響を考慮して浄化ウインドウを算出するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1では、目標空燃比がリッチ判定値AFrichとリーン判定値AFleanとの間にない場合、サブフィードバック制御とサブフィードバック学習との両方を禁止することとしているが、本発明では、少なくともサブフィードバック学習を禁止すればよく、サブフィードバック制御は禁止しなくてもよい。
また、上述した実施の形態1では、リッチ制御実行時とリーン制御実行時の双方において上述したような処理を行う場合について説明したが、本発明では、リッチ制御実行時とリーン制御実行時の何れか一方においてのみ上述したような処理を行うこととしてもよい。
また、上述した実施形態では、ストイキ空燃比AFstの値を一定値14.6としたが、ストイキ空燃比AFstの値はこれ以外の値をとり得るものである。また、ストイキ空燃比AFstの値は、吸入空気量GA等に応じて変化する場合もある。そのような場合には、吸入空気量GA等に応じてストイキ空燃比AFstの値が変化するようにしたマップを用いて上述の処理を行うようにしてもよい。
また、本発明では、サブフィードバック制御やサブフィードバック学習を完全に禁止することに代えて、それらの影響が抑制されるように、それらを制限的に実行するようにしてもよい。サブフィードバック制御を制限する方法としては、例えば、サブフィードバック補正値evafsfbの上下限ガード値を狭めたり、サブフィードバック制御のゲインを小さくたりする方法が挙げられる。また、サブフィードバック学習を制限する方法としては、サブフィードバック学習値evafsfbgの更新間隔を長くしたり、更新量を小さくしたりする方法が挙げられる。
実施の形態2.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略または簡略する。
[実施の形態2の特徴]
本実施形態において、ECU50は、前述したメインフィードバック制御およびサブフィードバック制御の処理を、クランク軸36の回転に同期して燃料噴射毎に実行しているものとする。そして、サブフィードバック制御の処理が所定回数行われる毎に、サブフィードバック学習値evafsfbgが更新されるものとする。つまり、サブフィードバック学習値evafsfbgは、クランク軸36が所定回転数回転する毎に更新されるものとする。
この場合には、機関回転数NEが高くなるほど、単位時間当たりのサブフィードバック補正回数やサブフィードバック学習回数が多くなるので、サブフィードバック制御やサブフィードバック学習の影響が強く現れる。このため、機関回転数NEが低いときは、リッチ制御あるいはリーン制御の実行時にもサブフィードバック制御やサブフィードバック学習の悪影響が出にくいので、より広い空燃比範囲でサブフィードバック制御やサブフィードバック学習の実行を許可するのが好ましいと言える。逆に、機関回転数NEが高いときは、サブフィードバック制御やサブフィードバック学習の悪影響が出易いので、サブフィードバック制御やサブフィードバック学習の実行を許可する空燃比範囲を狭めた方が好ましい。
そこで、本実施形態では、前述した図5に示すルーチンのステップ100および106で算出されるリッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanを、機関回転数NEに応じて補正することとした。図6(A)および(B)は、それぞれ、リッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanに乗算される補正係数を示すマップである。図6(A)に示すマップによれば、リッチ判定値AFrichは、機関回転数NEが高いほど大きくなるように(リーン側に)補正される。逆に、機関回転数NEが低いほど、リッチ判定値AFrichは小さくなるように(リッチ側に)補正される。また、図6(B)に示すマップによれば、リーン判定値AFleanは、機関回転数NEが高いほど小さくなるように(リッチ側に)補正される。逆に、機関回転数NEが低いほど、リーン判定値AFleanは大きくなるように(リーン側に)補正される。
このような処理によれば、機関回転数NEが高いほど、リッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanをストイキ空燃比AFstに近づけることができる。このため、リッチ制御あるいはリーン制御の実行時にサブフィードバック制御やサブフィードバック学習の悪影響が出易い高回転域においては、サブフィードバック制御やサブフィードバック学習の実行が許可される空燃比範囲を狭めることができるので、それらの悪影響が出るのを確実に防止することができる。
また、上記の処理によれば、機関回転数NEが低いほど、リッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanをストイキ空燃比AFstから遠ざけることができる。このため、リッチ制御あるいはリーン制御の実行時にサブフィードバック制御やサブフィードバック学習の悪影響が出にくい低回転域においては、サブフィードバック制御やサブフィードバック学習の実行が許可される空燃比範囲を広げることができるので、空燃比制御性を高めたり、学習の機会をより多く確保したりすることができる。
本実施形態は、上述した点以外は、実施の形態1と同様である。このため、本実施形態については、これ以上の説明を省略する。
なお、上述した実施の形態2においては、クランク軸36が前記第9および第10の発明における「出力軸」に、機関回転数NEが前記第9および第10の発明における「出力軸回転速度」に、クランク角センサ38が前記第9および第10の発明における「回転速度検出手段」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、図6(A)に示すマップを用いてリッチ判定値AFrichを補正することにより前記第9の発明における「補正手段」が、図6(B)に示すマップを用いてリーン判定値AFleanを補正することにより前記第10の発明における「補正手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略または簡略する。
[実施の形態3のシステム構成]
本実施形態においては、メイン排気ガスセンサ44およびサブ排気ガスセンサ46は、何れも、排気ガスが理論空燃比に対してリッチであるか、或いはリーンであるかに応じて急変する出力を発する酸素センサで構成されているものとする。本実施形態のシステム構成は、この点以外は実施の形態1と同様であるので、図示は省略する。
[実施の形態3における空燃比制御]
図7は、本実施形態の空燃比制御の説明をするためのタイミングチャートである。図7(A)は触媒前空燃比の変化を、図7(B)はメイン排気ガスセンサ44の出力の変化を、図7(C)はフィードバック係数FAFの変化を、それぞれ表している。
本実施形態の空燃比制御では、基本燃料噴射量TPにフィードバック係数FAFを掛け合わせることにより、燃料噴射量を算出する。基本燃料噴射量TPは、エアフロメータ16で検出される吸入空気量GAと、機関回転数NEとに基づいて、理論空燃比を実現するべく算出される値である。フィードバック係数FAFは、1.0を基準として増減されることにより、燃料噴射量を増減補正するための値である。
以下、図7を参照して、本実施形態のメインフィードバック制御について説明する。図7(A)および図7(B)に示すように、時刻t以前においては、触媒前空燃比がリッチであり、メイン排気ガスセンサ44はリッチ出力を発している。このとき、フィードバック係数FAFは、図4(C)に示すように、所定の小さなステップ幅で徐々に減少方向に更新されていく。このときの小さなステップ幅をリーン積分量KILと称する。すなわち、このとき、フィードバック係数FAFは、毎回、次のように更新される。
FAF←FAF−KIL
このようにして、FAFが徐々に小さな値に更新されていくと、燃料噴射量は減少し、やがては触媒前空燃比がリッチからリーンに反転する(時刻t)。触媒前空燃比がリッチからリーンに反転すると、メイン排気ガスセンサ44の出力も、リッチ出力からリーン出力に反転する。ECU50は、メイン排気ガスセンサ44の出力がリッチからリーンに反転してから、所定のリーン判定遅延時間TDLが経過した後、フィードバック係数FAFを、まず、所定の大きなステップ幅で増大させる。このときの大きなステップ幅をリッチスキップ量RSRと称する。すなわち、このとき、フィードバック係数FAFは次のように更新される。
FAF←FAF+RSR
以後、FAFは、小さなステップ幅で徐々に増大方向に更新される。このときの所定の小さなステップ幅をリッチ積分量KIRと称する。すなわち、このとき、フィードバック係数FAFは、毎回、次のように更新される。
FAF←FAF+KIR
このようにして、FAFが徐々に大きな値に更新されていくと、燃料噴射量が増加し、やがては触媒前空燃比がリーンからリッチに反転する(時刻t)。触媒前空燃比がリーンからリッチに反転すると、メイン排気ガスセンサ44の出力も、リーン出力からリッチ出力に反転する。ECU50は、メイン排気ガスセンサ44の出力がリーンからリッチに反転してから、所定のリッチ判定遅延時間TDRが経過した後、フィードバック係数FAFを、まず、大きなステップ幅で減少させる。このときの大きなステップ幅をリーンスキップ量RSLと称する。すなわち、このとき、フィードバック係数FAFは次のように更新される。
FAF←FAF−RSL
以後、FAFは、再び、リーン積分量KILずつ徐々に減少方向に更新される。メインフィードバック制御においては、以上のような処理が繰り返し実行される。
上記のようなメインフィードバック制御を補完するため、サブ排気ガスセンサ46に基づくサブフィードバック制御が行われる。本実施形態のサブフィードバック制御においては、サブ排気ガスセンサ46の出力とその基準出力との偏差に基づいて、上述した積分量KIL,KIR、スキップ量RSR,RSL、遅延時間TDL,TDRの何れかの組の値を修正するためのサブフィードバック補正値が算出される。
また、上記サブフィードバック補正値の平均的な値を所定の更新周期でサブフィードバック学習値に取り込むことにより、サブフィードバック学習が行われる。本実施形態のサブフィードバック制御およびサブフィードバック学習は公知であり、本発明の特徴部分でもないため、ここではこれ以上の説明を省略する。
以上のような空燃比制御によれば、フィードバック係数FAFは、触媒前空燃比の状態に応じて増加と減少を繰り返す。また、FAFが増加と減少を繰り返すことにより、内燃機関10の空燃比は、図7(A)のように、振動する。本実施形態では、リッチスキップ量RSRとリーンスキップ量RSLとの比(以下「非対称度RSR/RSL」と称する)を変化させることにより、振動する内燃機関10の空燃比を時間的に平均した値(以下「平均空燃比」と称する)をリッチ側あるいはリーン側にシフトすることができる。
例えば、リッチスキップ量RSRをリーンスキップ量RSLに比して大きくすると、図7(C)から分かるように、フィードバック係数FAFが全体として増加側にシフトする。このため、平均的な燃料噴射量が増加し、平均空燃比をリッチ化させることができる。逆に、リーンスキップ量RSLをリッチスキップ量RSRに比して大きくすると、フィードバック係数FAFが全体として減少側にシフトするので、平均空燃比をリーン化させることができる。
このように、非対称度RSR/RSLの値を調整することにより、平均空燃比を調節することができる。よって、非対称度RSR/RSLを適当に選べば、平均空燃比を上流触媒40の浄化ウインドウのほぼ中心(最高浄化率空燃比)に合わせることができる。以下、平均空燃比を浄化ウインドウのほぼ中心に合わせることができるような非対称度RSR/RSLの値を、ストイキ対応値と称する。本実施形態では、通常は、高い排気浄化率を得るべく、非対称度RSR/RSLの値を上記ストイキ対応値に設定するストイキ制御を行う。
一方、空燃比リッチ化要求が出された場合には、非対称度RSR/RSLをストイキ対応値よりも大きい値に設定するリッチ制御が行われる。これにより、平均空燃比を所望の度合いでリッチ化させることができる。また、空燃比リーン化要求が出された場合には、非対称度RSR/RSLをストイキ対応値よりも小さい値に設定するリーン制御が行われる。これにより、平均空燃比を所望の度合いでリーン化させることができる。
リッチ制御時あるいはリーン制御時において、平均空燃比が上流触媒40の浄化ウインドウの外にある場合には、前述したようなサブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の悪影響が生じ易い。一方、平均空燃比が浄化ウインドウに入っている場合には、上流触媒40の下流にリッチあるいはリーンな排気ガスが吹き抜けることは起こりにくく、そのような悪影響は生じにくい。
前述したように、平均空燃比の値は、非対称度RSR/RSLの値によって決定される。そこで、本実施形態では、平均空燃比が浄化ウインドウに入るかどうかを判定するためのリッチ判定値およびリーン判定値を、非対称度RSR/RSLを関して設定することとした。図8は、そのリッチ判定値およびリーン判定値と、浄化ウインドウの大きさとの関係を示すマップである。
図8において、非対称度RSR/RSLがリッチ判定値より大きいか、またはリーン判定値より小さい場合には、平均空燃比が浄化ウインドウの外にあると判断できる。このため、この場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習を禁止することとした。これに対し、非対称度RSR/RSLがリーン判定値以上、リッチ判定値以下の場合には、平均空燃比が浄化ウインドウに入っていると判断できる。このため、この場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習を許可することとした。
そして、実施の形態1と同様の理由から、図8に示すように、浄化ウインドウが大きい場合ほど、ストイキ対応値とリッチ判定値との差が大きくなるように、リッチ判定値を設定することとした。また、浄化ウインドウが大きい場合ほど、ストイキ対応値とリーン判定値との差が大きくなるように、リーン判定値を設定することとした。
[実施の形態3における具体的処理]
図9は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。以下、図9において、図5に示すステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図9に示すルーチンによれば、まず、実施の形態1と同様にして浄化ウインドウの大きさが算出され、その算出値に基づいて、図8に示すマップに従い、リッチ判定値が算出される(ステップ120)。
次に、そのリッチ判定値と、現在の非対称度RSR/RSLとが比較される(ステップ122)。その結果、非対称度RSR/RSLがリッチ判定値より大きかった場合には、平均空燃比は浄化ウインドウの外にあると判断することができる。そこで、この場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の実行が禁止され(ステップ104)、メインフィードバック制御のみが機能する状態とされる。
一方、上記ステップ122において、非対称度RSR/RSLがリッチ判定値以下であった場合には、次に、リーン判定値が算出される(ステップ124)。ここでは、上記ステップ120において算出された現在の浄化ウインドウの大きさに基づいて、図8に示すマップに従い、リーン判定値が算出される。
次に、そのリーン判定値と、非対称度RSR/RSLとが比較される(ステップ126)。その結果、非対称度RSR/RSLがリーン判定値より小さかった場合には、平均空燃比は浄化ウインドウの外にあると判断することができる。そこで、この場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の実行が禁止され(ステップ104)、メインフィードバック制御のみが機能する状態とされる。
一方、上記ステップ126において、非対称度RSR/RSLがリーン判定値以上であった場合には、平均空燃比は浄化ウインドウに入っていると判断することができる。この場合には、サブフィードバック制御およびサブフィードバック学習の実行が許可され(ステップ110)、それらがメインフィードバック制御とともに実行される。以上説明した本ルーチンの処理によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、上述した実施の形態3においては、非対称度RSR/RSLが前記第1の発明における「空燃比を調整するための制御パラメータ」に、リッチスキップ量RSRおよびリーンスキップ量RSLが前記第4の発明における「制御定数」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、非対称度RSR/RSLをストイキ対応値に設定することにより前記第1および第2の発明における「ストイキ制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態3においては、ECU50が、空燃比リッチ化要求に応じて非対称度RSR/RSLをストイキ対応値より大きい値に設定することにより前記第1の発明における「リッチ制御手段」が、上記ステップ122および104の処理を実行することにより前記第1の発明における「学習制限手段」および前記第5の発明における「フィードバック制限手段」が、上記ステップ120の処理を実行することにより前記第1の発明における「リッチ判定値設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態3においては、ECU50が、空燃比リーン化要求に応じて非対称度RSR/RSLをストイキ対応値より小さい値に設定することにより前記第2の発明における「リーン制御手段」が、上記ステップ126および104の処理を実行することにより前記第2の発明における「学習制限手段」および前記第5の発明における「フィードバック制限手段」が、上記ステップ124の処理を実行することにより前記第2の発明における「リーン判定値設定手段」が、それぞれ実現されている。
なお、上述した実施の形態3においては、空燃比を調整する制御パラメータとして、非対称度RSR/RSLを用いているが、これに代えて、リッチ判定遅延時間TDRとリーン判定遅延時間TDLとの非対称度TDR/TDLや、リッチ積分量KIRとリーン積分量KILとの非対称度KIR/KILを用いてもよい。非対称度TDR/TDLを大きくすると平均空燃比をリッチ化させることができ、非対称度TDR/TDLを小さくすると平均空燃比をリーン化させることができる。また、非対称度KIR/KILを大きくすると平均空燃比をリッチ化させることができ、非対称度KIR/KILを小さくすると平均空燃比をリーン化させることができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 三元触媒の浄化ウインドウを説明するための図である。 吸入空気量、触媒温度、および触媒劣化度と、浄化ウインドウの大きさとの関係を示す図である。 浄化ウインドウの大きさとリッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanとの関係を示すマップである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 リッチ判定値AFrichおよびリーン判定値AFleanに乗算される補正係数を示すマップである。 本実施形態の空燃比制御の説明をするためのタイミングチャートである。 リッチ判定値およびリーン判定値と、浄化ウインドウの大きさとの関係を示すマップである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
18 スロットル弁
26 燃料噴射弁
30 点火プラグ
40 上流触媒
42 下流触媒
44 メイン排気ガスセンサ
46 サブ排気ガスセンサ
47 温度センサ
50 ECU

Claims (10)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
    前記触媒の上流に配置されたメイン排気ガスセンサと、
    前記触媒の下流に配置されたサブ排気ガスセンサと、
    前記メイン排気ガスセンサの出力に基づいて、空燃比のメインフィードバック制御を行うメインフィードバック手段と、
    前記サブ排気ガスセンサの出力に基づいて、前記メインフィードバック制御を補完するサブフィードバック制御を行うサブフィードバック手段と、
    前記サブフィードバック制御において算出されるサブフィードバック補正値に基づいて、恒常的に内在する誤差成分を補正するためのサブフィードバック学習値を算出するサブフィードバック学習手段と、
    空燃比を調整するための制御パラメータをストイキ対応値に設定するストイキ制御を行うストイキ制御手段と、
    空燃比リッチ化要求があった場合に、空燃比が前記ストイキ制御下に比してリッチ側にシフトするように、前記制御パラメータを前記空燃比リッチ化要求に応じた値に設定するリッチ制御を行うリッチ制御手段と、
    前記リッチ制御の実行時、前記制御パラメータの設定値が所定のリッチ判定値よりもリッチ側に相当する値である場合には、前記サブフィードバック学習手段による前記サブフィードバック学習値の学習を禁止または制限する学習制限手段と、
    前記触媒の浄化ウインドウの大きさと相関を有するウインドウ相関値を検出または推定するウインドウ相関値取得手段と、
    前記ウインドウ相関値に基づいて、前記浄化ウインドウが大きい状況にあるほど、前記ストイキ対応値と前記リッチ判定値との差が大きくなるように、前記リッチ判定値を設定するリッチ判定値設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
    前記触媒の上流に配置されたメイン排気ガスセンサと、
    前記触媒の下流に配置されたサブ排気ガスセンサと、
    前記メイン排気ガスセンサの出力に基づいて、空燃比のメインフィードバック制御を行うメインフィードバック手段と、
    前記サブ排気ガスセンサの出力に基づいて、前記メインフィードバック制御を補完するサブフィードバック制御を行うサブフィードバック手段と、
    前記サブフィードバック制御において算出されるサブフィードバック補正値に基づいて、恒常的に内在する誤差成分を補正するためのサブフィードバック学習値を算出するサブフィードバック学習手段と、
    空燃比を調整するための制御パラメータをストイキ対応値に設定するストイキ制御を行うストイキ制御手段と、
    空燃比リーン化要求があった場合に、空燃比が前記ストイキ制御下に比してリーン側にシフトするように、前記制御パラメータを前記空燃比リーン化要求に応じた値に設定するリーン制御を行うリーン制御手段と、
    前記リーン制御の実行時、前記制御パラメータの設定値が所定のリーン判定値よりもリーン側に相当する値である場合には、前記サブフィードバック学習手段による前記サブフィードバック学習値の学習を禁止または制限する学習制限手段と、
    前記触媒の浄化ウインドウの大きさと相関を有するウインドウ相関値を検出または推定するウインドウ相関値取得手段と、
    前記ウインドウ相関値に基づいて、前記浄化ウインドウが大きい状況にあるほど、前記ストイキ対応値と前記リーン判定値との差が大きくなるように、前記リーン判定値を設定するリーン判定値設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記メイン排気ガスセンサは、排気ガスの空燃比に対してほぼリニアな出力を発する広域空燃比センサであり、
    前記サブ排気ガスセンサは、排気ガスの空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じて急変する出力を発する酸素センサであり、
    前記制御パラメータは、前記メインフィードバック制御の目標空燃比であることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記メイン排気ガスセンサおよび前記サブ排気ガスセンサは、何れも、排気ガスの空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じて急変する出力を発する酸素センサであり、
    前記制御パラメータは、前記メイン排気ガスセンサの出力がリッチからリーンへ反転したときの前記メインフィードバック制御の制御定数と、前記メイン排気ガスセンサの出力がリーンからリッチへ反転したときの前記メインフィードバック制御の制御定数との非対称度であることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記学習制限手段により前記サブフィードバック学習値の学習が禁止または制限される場合に、前記サブフィードバック制御の実行を禁止または制限するサブフィードバック制限手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 前記ウインドウ相関値として、前記内燃機関の吸入空気量を利用することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 前記ウインドウ相関値として、前記触媒の温度を利用することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  8. 前記ウインドウ相関値として、前記触媒の劣化度を利用することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  9. 前記サブフィードバック学習手段は、前記内燃機関の出力軸が所定回数回転する毎に前記サブフィードバック学習値を更新するものであり、
    前記内燃機関の出力軸回転速度を検出する回転速度検出手段を更に備え、
    前記リッチ判定値設定手段は、前記出力軸回転速度が速いほど、前記ストイキ対応値と前記リッチ判定値との差が小さくなるように前記リッチ判定値を補正する補正手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  10. 前記サブフィードバック学習手段は、前記内燃機関の出力軸が所定回数回転する毎に前記サブフィードバック学習値を更新するものであり、
    前記内燃機関の出力軸回転速度を検出する回転速度検出手段を更に備え、
    前記リーン判定値設定手段は、前記出力軸回転速度が速いほど、前記ストイキ対応値と前記リーン判定値との差が小さくなるように前記リーン判定値を補正する補正手段を含むことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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