JP5340547B2 - 芳香族ポリマーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族ポリマーの製造方法に関する。
芳香族ポリマーは、電気特性、光学特性、耐熱性、力学特性等の点で優れた特性を持つので、導電材料、光電変換材料、発光材料、非線形光学材料、電池用材料、電子部品材料、自動車用材料などの先端機能材料に有用であることが知られている。
芳香族ポリマーの製造方法としては、例えば、銅、パラジウム、ニッケル等の遷移金属化合物を触媒又は反応試剤として用いる芳香族化合物の重縮合方法(非特許文献1)、ニッケル触媒を用いて分子内に2個以上のハロゲンを有する有機化合物をマグネシウムと反応させる重縮合方法(特許文献1)等が提案されている。
しかし、これらの方法では、高分子量かつ狭い分子量分布を持つ芳香族ポリマーは得られなかった。
特開昭52−154900号公報 Chem.Rev.102,1359(2002)
そこで、本発明の目的は、高分子量かつ狭い分子量分布を持つ芳香族ポリマーの製造方法、及びこの製造方法によって製造される芳香族ポリマーを提供することにある。
本発明は第一に、下記一般式(I)で表される芳香族化合物を、下記一般式(II)で表されるホスフィン化合物を含むニッケル錯体の存在下で重縮合することを特徴とする芳香族ポリマーの製造方法を提供する。
Figure 0005340547
(式中、Arは、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてもよい芳香環を有する2価の有機基である。Rは置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノ基、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノカルボニル基、又は置換されていてもよい炭化水素スルホニル基を表す。kは1以上の整数である。Rが複数ある場合は、すべてのRは同じであっても異なっていてもよく、2個のRが一緒になって環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、ニトロ基又は−SO3Qで表される基(ここで、Qは置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、置換イミノ基、エテニレン基、置換エテニレン基又はエチニレン基を表す。nは0又は1である。Mは水素原子、−B(OQ1)2、−Si(Q2)3、−Sn(Q3)3又は−Z1(Z2)mを表す(ここで、Q1は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、2個のQ1は同じであっても異なっていてもよく、2個のQ1が一緒になって環を形成してもよい。Q2は1価の炭化水素基を表し、3個のQ2は同じであっても異なっていてもよい。Q3は1価の炭化水素基を表し、3個のQ3は同じであっても異なっていてもよい。Z1は金属原子又は金属イオンを表し、Z2はカウンターイオンを表し、mは0以上の整数である。)。)
Figure 0005340547
(式中、R1は置換されていてもよい1価の炭化水素基を表し、4個のR1は同じであっても異なっていてもよく、2個のR1が一緒になって環を形成してもよい。R2は置換されていてもよい2価の炭化水素基を表す。)
本発明は第二に、前記の製造方法により製造された芳香族ポリマーを提供する。
本発明は第三に、下記一般式(VIII)で表される繰返し単位を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000以上であり、かつ(ポリスチレン換算の重量平均分子量)/(ポリスチレン換算の数平均分子量)で規定される分子量分布が1.0〜1.3である芳香族ポリマーを提供する。
Figure 0005340547
(式中、Ar*はベンゼン環又はピロール環を表す。Rは置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノ基、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノカルボニル基、又は置換されていてもよい炭化水素スルホニル基を表す。kは1以上の整数である。Rが複数ある場合は、すべてのRは同じであっても異なっていてもよく、2個のRが一緒になって環を形成してもよい。)
本発明の製造方法では、特定の芳香族化合物及び特定のニッケル錯体を用いることにより、高分子量かつ狭い分子量分布を持つ芳香族ポリマーが合成できる。また、該ニッケル錯体の量を調整することにより得られる芳香族ポリマーの数平均分子量を制御できる。そして、本発明の製造方法により得られる芳香族ポリマーは著しく分子量分布が狭いので、高度に自己集積化したり、精密なレイヤー構造を形成したりする特性が期待される。そのため、例えば、電気特性、光学特性、耐熱性、力学特性等の点で優れた特性を持つので、導電材料、光電変換材料、発光材料、非線形光学材料、電池用材料、電子部品材料、自動車用材料等の先端機能材料に特に有用である。
<芳香族ポリマーの製造方法>
本発明の製造方法は、上記一般式(I)で表される芳香族化合物を、上記一般式(II)で表されるホスフィン化合物を含むニッケル錯体の存在下で重縮合することを特徴とする。本発明の製造方法において、上記一般式(I)で表される芳香族化合物、上記一般式(II)で表されるホスフィン化合物を含むニッケル錯体は、それぞれ一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
−芳香族化合物−
上記一般式(I)におけるArは、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてもよい芳香環を有する2価の有機基を表す。この芳香環から水素原子を2個取り除くことにより、2価の有機基となる。
前記芳香環は、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてもよいもの(即ち、水素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる1種以上の原子からなるもの)であり、好ましくは水素原子及び炭素原子からなるもの、水素原子、炭素原子及び酸素原子からなるもの、水素原子、炭素原子及び窒素原子からなるもの、水素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子とからなるものであり、より好ましくは水素原子及び炭素原子からなるもの、水素原子、炭素原子及び酸素原子からなるもの、水素原子、炭素原子及び窒素原子からなるものであり、特に好ましくは水素原子及び炭素原子からなるもの、水素原子、炭素原子及び窒素原子からなるものである。前記芳香環の炭素数は、通常、2〜60であり、該芳香環としては、単環性芳香環、縮環性芳香環、多環性芳香環が好ましく、単環性芳香環、縮環性芳香環がより好ましく、単環性芳香環がさらに好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
前記芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環等の単環性芳香環;該単環性芳香環の中から互いに独立に選んだ2個以上を縮環した縮環性芳香環;該単環性芳香環及び/又は該縮環性芳香環の中から互いに独立に選んだ2個以上を、単結合、メチレン基、エチレン基、エテニレン基、エチニレン基、酸素原子、イミノ基、カルボニル基等で連結した多環性芳香環等を挙げることができる。縮環性芳香環において、縮環する単環性芳香環の数は、2〜4個が好ましく、2〜3個がより好ましく、2個がさらに好ましい。多環性芳香環において、連結する単環性芳香環及び/又は縮環性芳香環の数は、2〜4個が好ましく、2〜3個がより好ましく、2個がさらに好ましい。
前記単環性芳香環の具体例としては、
Figure 0005340547
等が挙げられる。
前記縮環性芳香環の具体例としては、
Figure 0005340547
等が挙げられる。
前記多環性芳香環の具体例としては、
Figure 0005340547
等が挙げられる。
前記芳香環としては、単環性芳香環、縮環性芳香環、多環性芳香環が好ましく、単環性芳香環、縮環性芳香環がより好ましく、単環性芳香環がさらに好ましく、ベンゼン環、ピロール環が特に好ましい。
上記一般式(I)中、Rは、該RがArで表される有機基中の炭素原子に結合する場合には、独立に、置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基(置換されていてもよい炭化水素オキシ基)、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノ基(即ち、置換されていてもよい炭化水素二置換アミノ基)、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基(置換されていてもよい炭化水素メルカプト基)、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基(置換されていてもよい炭化水素カルボニル基)、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基(置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基)、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノカルボニル基(即ち、置換されていてもよい炭化水素二置換アミノカルボニル基)、又は置換されていてもよい炭化水素オキシスルホニル基(置換されていてもよい炭化水素スルホニル基)であり、置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノ基、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基が好ましく、置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノ基がより好ましく、置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基がさらに好ましい。これらの基において、水素原子の結合した窒素原子は、1価の炭化水素基で置換されていることが好ましい。上記一般式(I)中、Rは、該RがArで表される有機基中の窒素原子に結合する場合には、置換されていてもよい1価の炭化水素基である。また、Rで表される基が複数の置換基を有する場合には、2個の置換基が連結して環を形成してもよい。
Rで表される1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素数1〜50程度のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボニル基、アダマンチル基等の炭素数3〜50程度の環状飽和炭化水素基;エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等の炭素数2〜50程度のアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素数6〜50程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等の炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。
Rで表される1価の炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数2〜12のものがより好ましく、炭素数3〜10のものがさらに好ましく、炭素数3〜10のアルキル基が特に好ましい。
Rで表される炭化水素オキシ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素スルホニル基は、それぞれ、オキシ基、メルカプト基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルホニル基に、前記の1価の炭化水素基が1個結合してなる基である。
Rで表される"非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノ基"、"非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノカルボニル基"は、それぞれ、アミノ基、アミノカルボニル基(即ち、−C(=O)−NH2)中の2個の水素原子が前記の1価の炭化水素基に置換された基である。これらに含まれる1価の炭化水素基の具体例及び好ましい例は、前記のRで表される1価の炭化水素基と同じである。
Rで表される1価の炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素スルホニル基は、これらの基に含まれる水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基、置換されていてもよい炭化水素スルホニル基等で置換されていてもよい。
Rとしては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素二置換アミノカルボニル基、炭化水素スルホニル基が好ましく、炭素数2〜12の1価の炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基がより好ましく、炭素数3〜10の1価の炭化水素基、炭化水素オキシ基がさらに好ましく、炭素数3〜10のアルキル基、アルコキシ基が特に好ましい。
上記一般式(I)中、kは1以上の整数であり、1〜4の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。
上記一般式(I)中、Xは、ハロゲン原子、ニトロ基又は−SO3Qで表される基(ここで、Qは置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)である。Xは、Arで表される有機基中に含まれる芳香環内の炭素原子に結合する。
Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
−SO3Qで表される基中のQで表される1価の炭化水素基としては、前記のRで表される1価の炭化水素基の具体例及び好ましい例が挙げられる。このQで表される1価の炭化水素基は、置換されていてもよく、その置換基としては、例えば、フッ素原子が挙げられる。
−SO3Qで表される基の好ましい具体例としては、メタンスルフォネート基、ベンゼンスルフォネート基、p−トルエンスルフォネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基が挙げられる。
Xは、好ましくはハロゲン原子、−SO3Qで表される基であり、より好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−SO3Qで表される基であり、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルフォネート基であり、特に好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
上記一般式(I)中、Yは、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、置換イミノ基、エテニレン基、置換エテニレン基、又はエチニレン基であり、好ましくは酸素原子、イミノ基、置換イミノ基、エチニレン基、より好ましくは酸素原子、イミノ基、置換イミノ基、さらに好ましくは酸素原子、イミノ基である。Yは、Arで表される有機基中に含まれる芳香環内の炭素原子に結合する。
上記一般式(I)中、nは0又は1であり、好ましくは0である。
Yで表される置換イミノ基は、−N(Q')−(式中、Q'は置換基を表す)で表される基である。Q'で表される置換基としては、例えば、1価の炭化水素基が挙げられる。この1価の炭化水素基の具体例としては、前記のRで表される1価の炭化水素基の具体例が挙げられる。
Yで表される置換エテニレン基は、−C(Q'')=C(Q''')−(式中、Q''及びQ'''は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。但し、Q''及びQ'''の少なくとも1個は置換基である。)で表される基である。Q''、Q'''で表される置換基としては、例えば、1価の炭化水素基が挙げられる。この1価の炭化水素基の具体例としては、前記のRで表される1価の炭化水素基の具体例、好ましい例が挙げられる。
上記一般式(I)中、Mは水素原子、−B(OQ1)2、−Si(Q2)3、−Sn(Q3)3又は−Z1(Z2)mを表す(ここで、Q1は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、2個のQ1は同じであっても異なっていてもよく、2個のQ1が一緒になって環を形成してもよい。Q2は1価の炭化水素基を表し、3個のQ2は同じであっても異なっていてもよい。Q3は1価の炭化水素基を表し、3個のQ3は同じであっても異なっていてもよい。Z1は金属原子又は金属イオンを表し、Z2はカウンターイオンを表し、mは0以上の整数である。)を表す。なお、nが0である場合には、Mは、Arで表される有機基中に含まれる芳香環内の炭素原子に結合する。
−B(OQ1)2中のQ1は、水素原子又は1価の炭化水素基を表す。2個のQ1は同じであっても異なっていてもよく、2個のQ1が一緒になって環を形成してもよい。Q1で表される1価の炭化水素基は、前記のRで表される1価の炭化水素基として説明し例示したものと同じ意味を有するが、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基がさらに好ましい。2個のQ1が一緒になって環を形成する場合には、2個のQ1からなる炭化水素基(即ち、2価の炭化水素基)として、1,2−エチレン基、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、1,2−フェニレン基が好ましい。
−Si(Q2)3中のQ2は、1価の炭化水素基を表す。3個のQ2は同じであっても異なっていてもよい。Q2で表される1価の炭化水素基は、前記のRで表される1価の炭化水素基として説明し例示したものと同じ意味を有するが、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基がさらに好ましい。
−Sn(Q3)3中のQ3は、1価の炭化水素基を表す。3個のQ3は同じであっても異なっていてもよい。Q3で表される1価の炭化水素基は、前記のRで表される1価の炭化水素基として説明し例示したものと同じ意味を有するが、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基がさらに好ましい。
−Z1(Z2)m中のZ1は、金属原子又は金属イオンを表し、Z2はカウンターイオンを表し、mは0以上の整数である。Z1で表される金属、金属イオンの具体例としては、例えば、Li、Na、K,Rb、Cs等のアルカリ金属、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、Al、Ga、In、Tl、Pb、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Ce、Sm、Eu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg等の原子又はイオンが挙げられ、好ましくは、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、Al、Ga、In、Tl、Pb、Sc、Ti、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、Hgの原子又はイオン、より好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、In、Tl、Pb、Cu、Zn、Zr、Ag、Hgの原子又はイオン、さらに好ましくは、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Znの原子又はイオンである。
−Z1(Z2)m中のZ2は、カウンターイオンを表すが、通常、アニオンである。このカウンターイオンには、通常、ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、より好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、さらに好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、特に好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンである。
−Z1(Z2)m中のmは、上記一般式(I)で表される芳香族化合物が電気的に中性となるように決定される。なお、MがZ1(Z2)mの場合(即ち、上記一般式(I)で表される芳香族化合物がZ1(Z2)m−(Y)n−Ar−Xで表される場合)には、Z1(Z2)m部分を+1価とみなし、(Y)n−Ar−X部分を−1価とみなし、Z1(Z2)m部分と(Y)n−Ar−X部分とはイオン結合しているとみなす。mとしては、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましい。
Mとしては、−B(OQ1)2、−Si(Q2)3、−Sn(Q3)3、−Z1(Z2)mが好ましく、−B(OQ1)2、−Z1(Z2)mがより好ましく、−Z1(Z2)mがさらに好ましく、−MgCl、−MgBr、−MgIが特に好ましい。
−好ましい芳香族化合物−
前記一般式(I)で表される芳香族化合物は、下記一般式(III):
Figure 0005340547
(式中、Z1、Z2、m、Ar、R及びkは前記と同じ意味であり、Xaはハロゲン原子を表す。)
で表されるものであることが好ましい。
前記一般式(III)中、Xaで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、臭素原子、ヨウ素原子がより好ましく、臭素原子がさらに好ましい。Z1、Z2、m、Ar、R及びkの具体例及び好ましい例は前記と同じであるが、Arが炭素原子と水素原子とからな芳香環、単環性芳香環であることが特に好ましい。
前記一般式(III)で表される芳香族化合物は、下記一般式(IV):
Figure 0005340547
(式中、Ar、R、Xa及びkは前記と同じ意味であり、Zaはハロゲン化物イオンを表す。)
で表される芳香族マグネシウム化合物であることがより好ましい。
前記一般式(IV)中、Zaで表されるハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが好ましく、臭化物イオン、ヨウ化物イオンがより好ましく、臭化物イオンがさらに好ましい。なお、Ar、R、Xa及びkの具体例及び好ましい例は前記と同じであるが、Arが炭素原子と水素原子とからな芳香環、単環性芳香環であることが特に好ましい。
上記一般式(IV)で表される芳香族マグネシウム化合物は、下記一般式(V):
Figure 0005340547
(式中、Ar、R、k及びXaは前記と同じ意味であり、Xbはハロゲン原子を表す。)
で表されるジハロゲン化芳香族化合物と有機マグネシウム試薬とを反応させて得ることが好ましい。
上記一般式(V)中、Xbはハロゲン原子であり、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、臭素原子、ヨウ素原子がより好ましく、臭素原子がさらに好ましい。なお、Ar、R、k及びXaの具体例及び好ましい例は前記と同じである。
有機マグネシウム試薬としては、例えば、式:R'MgX'(式中、R'は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のビニル基、又はフェニル基を表し、X'は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される化合物である。これらのアルキル基、ビニル基、フェニル基は、置換されていてもよい。特に好ましい有機マグネシウム試薬としては、イソプロピルマグネシウムクロライドが挙げられる。
有機マグネシウム試薬の使用量は、通常、前記一般式(V)で表されるジハロゲン化芳香族化合物1モルに対して、0.5〜10モルであるが、好ましくは0.9〜1.1モルであり、より好ましくは0.95〜1.05モルである。
前記一般式(V)で表されるジハロゲン化芳香族化合物と有機マグネシウム試薬との反応には、通常、溶媒が用いられる。この溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類が挙げられるが、好ましくは芳香族炭化水素又はエーテル類である。これらの溶媒は、一種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記溶媒の使用量は、通常、前記一般式(V)で表されるジハロゲン化芳香族化合物1gに対して、0.01〜10,000mLであるが、好ましくは0.1〜1,000mLであり、より好ましくは1〜100mLである。
前記一般式(V)で表されるジハロゲン化芳香族化合物と有機マグネシウム試薬との反応の温度は、通常、−60℃〜160℃であり、好ましくは−40℃〜120℃であり、より好ましくは−20℃〜80℃である。また、この反応の時間は、通常、1分間〜200時間であり、好ましくは5分間〜96時間であり、より好ましくは10分間〜48時間である。
−ニッケル錯体−
上記一般式(II)中のR1は、置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。4個のR1は同じであっても異なっていてもよく、2個のR1が一緒になって環を形成してもよい。
1で表される1価の炭化水素基としては、上記のRで表される1価の炭化水素基の具体例が挙げられ、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、アリール基がさらに好ましく、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基が特に好ましい。R1で表される1価の炭化水素基は、置換されていてもよく、具体的には、該1価の炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基や、前記のRで表される置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基、置換されていてもよい炭化水素スルホニル基等で置換されていてもよい。
2で表される置換されていてもよい2価の炭化水素基は、通常、炭素数2〜18のものであり、好ましくは炭素数2〜12のもの、より好ましくは炭素数2〜6のものである。
さらに、前記一般式(II)中の2個のリン原子の間は、好ましくは2個又は3個の炭素原子で結合されていることが望ましい。かかる範囲を満たすと、特に分子量分布の狭い芳香族ポリマーが得られる。言い換えれば、該2個のリン原子の間が、−(CR** 2)s−(式中、sは2又は3であり、R**は独立に水素原子又は置換基を表すか、或いは2個のR**が一緒になって環を形成してもよい。)で表される2価の基で結合していることが望ましい。例えば、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−フェニレン基及び1,3−フェニレン基を一例として説明すると、該2個のリン原子の間に存在する炭素原子の個数は、炭素原子数が最小となるように数え、例えば、下記構造式中に付した番号のとおりに数える。
Figure 0005340547
なお、R2が1,1’−フェロセニレン基のように、2個のリン原子の間の距離が離れすぎたり、2個のリン原子が炭素以外の原子で連結されていたりすると、分子量の高いかつ分子量分布の狭い芳香族ポリマーが得られないことがある。
2で表される置換されていてもよい2価の炭化水素基の具体例としては、置換されていてもよい1,2−エチレン基、置換されていてもよい1,3−プロピレン基、置換されていてもよい1,2−フェニレン基、置換されていてもよい1,3−フェニレン基等が挙げられる。R2で表される2価の炭化水素基が置換されている場合には、具体的には、該2価の炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基や、前記のRにおける置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基、置換されていてもよい炭化水素スルホニル基等で置換されていればよい。
2で表される置換されていてもよい2価の炭化水素基としては、置換されていてもよい1,2−エチレン基、置換されていてもよい1,3−プロピレン基、置換されていてもよい1,2−フェニレン基が好ましく、1,2−エチレン基、1−メチル−1,2−エチレン基、1,2−ジメチル−1,2−エチレン基、1,1−ジメチル−1,2−エチレン基、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、1,2−フェニレン基がより好ましく、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−フェニレン基がさらに好ましく、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が特に好ましい。
本発明の製造方法には、前記ニッケル錯体として、上記一般式(II)で表されるホスフィン化合物と、ニッケル(0)又はニッケル(II)塩とからなる錯体が用いられる。前記ニッケル錯体としては、上記一般式(II)で表されるホスフィン化合物とニッケル(II)塩とからなる錯体が好ましい。
ニッケル(II)塩としては、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、リン酸ニッケル、酢酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケル、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル、トルエンスルホン酸ニッケル等が挙げられ、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケルが好ましく、塩化ニッケル、臭化ニッケルがより好ましく、塩化ニッケルがさらに好ましい。
本発明の製造方法で用いられるニッケル錯体において、上記一般式(II)で表されるホスフィン化合物と、ニッケル(0)又はニッケル(II)塩とのモル比は、通常、1:1である。
前記ニッケル錯体としては、Ni(dppe)Cl2[即ち、ニッケル−1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン−ジクロライド]、Ni(dppp)Cl2[即ち、ニッケル−1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン−ジクロライド]が好ましい。
本発明の製造方法中の前記重縮合において、前記ニッケル錯体の使用量は、上記一般式(I)で表される芳香族化合物1モルに対して、通常、0.0001〜10モルであるが、好ましくは0.001〜5モルであり、より好ましくは0.01〜5モルである。
本発明の製造方法中の前記重縮合は、ハロゲン化アルカリ塩の存在下(即ち、前記ニッケル錯体とハロゲン化アルカリ塩の共存下)で行うことが好ましい。ハロゲン化アルカリ塩として、好ましくは塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウムであり、より好ましくは塩化リチウム、臭化リチウムであり、特に好ましくは塩化リチウムである。ハロゲン化アルカリ塩の添加量は、上記一般式(I)で表される芳香族化合物1モルに対して、通常、0.01〜100モルであるが、好ましくは0.1〜50モルであり、より好ましくは0.5〜10モルである。
本発明の製造方法において、前記芳香族化合物を前記ニッケル錯体存在下で重縮合する際の反応条件としては、Chem.Rev. 102, 1359(2002)及びその参照文献に記載されている、ニッケル触媒を用いる種々の芳香族カップリングの反応条件を用いることができる。特に、上記一般式(IV)で表される芳香族マグネシウム化合物を用いる反応が代表的であり、代表例を以下で説明する。
本発明の製造方法中の重縮合では、通常、溶媒が用いられる。この溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類等が挙げられ、芳香族炭化水素系又はエーテル類が好ましい。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記一般式(I)で表される芳香族化合物(例えば、前記一般式(IV)で表される芳香族マグネシウム化合物等)を、前記有機マグネシウム試薬との反応により合成する場合には、該反応に使用する溶媒と前記重縮合に使用する溶媒とが、同じであっても異なっていてもよい。
前記重縮合において、前記溶媒の使用量は、通常、上記一般式(I)で表される芳香族化合物1gに対して、0.01〜10,000mLであり、好ましくは0.1〜1,000mLであり、より好ましくは1〜100mLである。
本発明の製造方法中の重縮合反応の温度は、通常、−60℃〜100℃であり、好ましくは−50℃〜60℃であり、より好ましくは−40℃〜40℃である。この反応の時間は、通常、10分間〜1,000時間であり、好ましくは30分間〜500時間であり、より好ましくは1時間〜200時間である。
前記の重縮合反応の終了後に、得られた重合混合物を必要に応じて、塩酸水溶液や水で洗浄し、その後、有機溶媒を蒸発させるか、又は貧溶媒を加えて、芳香族ポリマーを沈殿させて単離することが好ましい。貧溶媒としては、芳香族ポリマーが溶けない溶媒を用いればよく、例えば、ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類;水が挙げられ、好ましくはメタノールである。貧溶媒の使用量は、通常、前記重縮合反応に用いる溶媒10mLに対して、1〜1,000mLであり、好ましくは5mL〜100mLである。
−芳香族ポリマー−
本発明の芳香族ポリマーは、例えば、上記製造方法等で製造されるものであって、下記一般式(VI):
Figure 0005340547
(式中、Ar、R、k及びYは、前記と同じ意味である。)
で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリマーであり、より好ましくは下記一般式(VII):
Figure 0005340547
(式中、Ar、R及びkは、前記と同じ意味である。)
で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリマーである。
前記一般式(VI)及び前記一般式(VII)中のAr、R、k及びYの具体例及び好ましい例は、前記の具体例及び好ましい例と同じである。
本発明の芳香族ポリマーとして、さらに好ましくは、下記一般式(VIII):
Figure 0005340547
(式中、Ar*はベンゼン環又はピロール環を表す。R及びkは前記と同じ意味である。)
で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリマーである。
前記一般式(VIII)中、R及びkの具体例及び好ましい例は、前記と同じである。
本発明の芳香族ポリマーは、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、下限について、好ましくは3,000以上であり、より好ましくは6,000以上であり、さらに好ましくは10,000以上である。また、上限について、好ましくは1,000,000以下であり、より好ましくは500,000以下であり、さらに好ましくは100,000以下である。
本発明の芳香族ポリマーは、(ポリスチレン換算の重量平均分子量)/(ポリスチレン換算の数平均分子量)で規定される分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは1.0〜1.8であり、より好ましくは1.0〜1.6であり、さらに好ましくは1.0〜1.4であり、特に好ましくは1.0〜1.3である。
本発明の好ましい実施形態では、前記芳香族ポリマーは、ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000以上であり、かつ前記分子量分布が1.0〜1.8であるものである。
本発明のより好ましい実施形態では、前記芳香族ポリマーは、前記一般式(VIII)で表される繰返し単位を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000以上であり、かつ前記分子量分布が1.0〜1.3であるものであり、特には該要件に加えて前記一般式(VIII)においてAr*がベンゼン環であるとの要件を満たすものである。
これらの好ましい実施形態の芳香族ポリマーは、特に分子量分布が狭いので、高度に自己集積化したり、精密なレイヤー構造を形成したりする特性がより優れる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
下記の実施例、比較例で得られた化合物の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、ポリスチレンに対する相対分子量(即ち、ポリスチレン換算の分子量)である。数平均分子量を「Mn」と表し、重量平均分子量を「Mw」と表す。また、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタンを「dppe」、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパンを「dppp」、1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセンを「dppf」と略す。後述の表1に示す「ポリマー収率」は、モノマー転化率の値(実測値)から求められる理論値である。
<実施例1>
窒素気流下にて、フラスコに無水塩化リチウム0.0424g(1.00mmol)を加え、ヒートガンを用いてフラスコを加熱しながら減圧乾燥し、アルゴン置換した後に室温に戻した。これに、1,4-ジブロモ-2,5-ジヘキシルオキシベンゼン0.436g(1.00mmol)と、内標準物質としてナフタレン0.0496g(0.39mmol)を加えて、再度、アルゴン置換した。乾燥THF5.0mlを加え、イソプロピルマグネシウムクロライドTHF溶液(2.0mol/l)を0.50ml(1.00mmol)加えた。室温で24時間攪拌することにより、グリニャール化された1,4-ジブロモ-2,5-ジヘキシルオキシベンゼン(以下、「化合物A」又は単に「A」という。)を得た後、THF5.0 mlに懸濁させた1.80mol% Ni(dppp)Cl2 0.0095g(0.018mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応終了後、5M塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を水で洗浄した後に無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を留去した後、淡黄色の固体を得た。得られた固体(化合物)は、2,5-ジヘキシルオキシ-1,4-フェニレン構造を繰り返し単位とする芳香族ポリマーであった。得られた結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、前記Ni(dppp)Cl2の代わりにNi(dppe)Cl2を用いた以外は実施例1と同様にして化合物の合成を行った。この化合物は、2,5-ジヘキシルオキシ-1,4-フェニレン構造を繰り返し単位とする芳香族ポリマーであった。得られた結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、前記Ni(dppp)Cl2の代わりにNi(dppf)Cl2を用いた以外は実施例1と同様にして化合物の合成を行った。この化合物は、2,5-ジヘキシルオキシ-1,4-フェニレン構造を繰り返し単位とする芳香族ポリマーであった。得られた結果を表1に示す。なお、小数第2位を四捨五入し、小数第1位まで求めた。
Figure 0005340547
<実施例3〜6>
実施例2において、Ni(dppe)Cl2の使用量を0.018mmolから、0.030mmol(実施例3)、0.014mmol(実施例4)、0.010mmol(実施例5)、0.007mmol(実施例6)に代えた以外は実施例2と同様にして化合物の合成を行った。これらすべての化合物は、2,5-ジヘキシルオキシ-1,4-フェニレン構造を繰り返し単位とする芳香族ポリマーであった。
得られた結果を実施例2の結果と共に表2に示す。また、この結果に基づいて、横軸を「化合物A(モル)/Ni(dppe)Cl2(モル)の比」とし、左縦軸を「数平均分子量Mn」(図1中、菱形でプロットする。)とし、右縦軸を「分子量分布Mw/Mn」(図1中、正方形でプロットする。)としたグラフを図1に示す。この図1によれば、ニッケル錯体の使用量により得られる芳香族ポリマーの数平均分子量を制御できることがわかる。
Figure 0005340547
<実施例7>
フラスコを窒素置換し、N-ヘキシル-2,5-ジブロモピロール 0.312g(1.01mmol)、ナフタレン 0.0434g(0.339mmol)、dppe 0.0043g(0.01mmol)および乾燥THF 5mLを加えた。イソプロピルマグネシウムクロライド THF溶液(2M)を0.48mL(0.96mmol)加え、室温にて24時間攪拌し、グリニャール化されたN-ヘキシル-2,5-ジブロモピロール(グリニャール化率76%)を得た。これに、Ni(dppe)Cl2 0.0055g(0.010mmol、1.00mol%)および乾燥THF 5mLの溶液を加え、室温にて8時間攪拌した。反応終了後(グリニャール化されたモノマーの転化率93%)、5M塩酸を加えてクエンチした後に塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して赤褐色粘性液体として、N-ヘキシル-2,5-ピローリレン構造を繰り返し単位とする芳香族ポリマー(Mn=18000、Mw/Mn=1.14)を得た。
「化合物A(モル)/Ni(dppe)Cl2(モル)の比」と、「数平均分子量Mn」及び「分子量分布Mw/Mn」との関係を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表される芳香族化合物を、下記一般式(II)で表されるホスフィン化合物を含むニッケル錯体の存在下で重縮合することを特徴とする、ポリスチレン換算の数平均分子量が6,000以上であり、かつ(ポリスチレン換算の重量平均分子量)/(ポリスチレン換算の数平均分子量)で規定される分子量分布が1.0〜1.8である芳香族ポリマーの製造方法。
    Figure 0005340547
    (式中、Arは、下記式で表される単環性芳香環、縮環性芳香環及び多環性芳香環からなる群から選ばれる芳香環を有する+k)価の有機基である。
    Figure 0005340547

    Figure 0005340547

    Figure 0005340547
    Rは置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノ基、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノカルボニル基、又は置換されていてもよい炭化水素スルホニル基を表す。kは1以上の整数である。Rが複数ある場合は、すべてのRは同じであっても異なっていてもよく、2個のRが一緒になって環を形成してもよい。Xはハロゲン原子を表す。Mは−B(OQ1)2、−Si(Q2)3、−Sn(Q3)3又は−Z1(Z2)mを表す(ここで、Q1は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、2個のQ1は同じであっても異なっていてもよく、2個のQ1が一緒になって環を形成してもよい。Q2は1価の炭化水素基を表し、3個のQ2は同じであっても異なっていてもよい。Q3は1価の炭化水素基を表し、3個のQ3は同じであっても異なっていてもよい。Z1は金属原子又は金属イオンを表し、Z2はカウンターイオンを表し、mは0以上の整数である。)。)
    Figure 0005340547
    (式中、R1は置換されていてもよい1価の炭化水素基を表し、4個のR1は同じであっても異なっていてもよく、2個のR1が一緒になって環を形成してもよい。R2は置換されていてもよい2価の炭化水素基を表す。)
  2. 前記一般式(I)で表される芳香族化合物が、下記一般式(III):
    Figure 0005340547
    (式中、Z1、Z2、m、Ar、R及びkは前記と同じ意味であり、Xaはハロゲン原子を表す。)
    で表されるものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一般式(III)で表される芳香族化合物が、下記一般式(IV):
    Figure 0005340547
    (式中、Ar、R、Xa及びkは前記と同じ意味であり、Zaはハロゲン化物イオンを表す。)
    で表されるものである請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記重縮合をハロゲン化アルカリ塩の存在下で行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記一般式(II)において、2個のリン原子の間が2個又は3個の炭素原子で結合している請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により製造された芳香族ポリマーであって、ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000以上であり、かつ(ポリスチレン換算の重量平均分子量)/(ポリスチレン換算の数平均分子量)で規定される分子量分布が1.0〜1.8である芳香族ポリマー。
  7. 下記一般式(VIII)で表される繰返し単位を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000以上であり、かつ(ポリスチレン換算の重量平均分子量)/(ポリスチレン換算の数平均分子量)で規定される分子量分布が1.0〜1.3である芳香族ポリマー。
    Figure 0005340547
    (式中、Ar*はベンゼン環又はピロール環を表す。Rは置換されていてもよい1価の炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノ基、置換されていてもよい炭化水素メルカプト基、置換されていてもよい炭化水素カルボニル基、置換されていてもよい炭化水素オキシカルボニル基、非置換又は置換の1価の炭化水素基2個で置換されたアミノカルボニル基、又は置換されていてもよい炭化水素スルホニル基を表す。kは1以上の整数である。Rが複数ある場合は、すべてのRは同じであっても異なっていてもよく、2個のRが一緒になって環を形成してもよい。)
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