JP2009215538A - 芳香族ポリマーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の製造方法では、モノマーとして、前記式(I)で表される芳香族化合物が用い
られる。
本発明の製造方法に用いられる重合触媒としては、Chem.Rev.102,1359(2002)記載の錯体のうち下記式で表される配位子を含む、銅錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体等が挙げられる。
(式中、Phはフェニル基を表し、Etはエチル基を表す。)
P(R1)3 (II)
(式中、3個のR1は、同一又は異なり、下記式(III)で表される基、又は下記式(IV)で表される基である。)
−C(R2)3 (III)
(式中、3個のR2は、同一又は異なり、水素原子又は置換若しくは非置換の炭化水素基である。但し、3個のR2のうちの2個のR2が結合して環を形成してもよい。)
(式中、R3〜R7はそれぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素二置換アミノカルボニル基、又は炭化水素スルホニル基である。これらの基は、置換基を有していてもよい。R3とR5、R5とR7、R4とR6、及びR6とR7からなる群から選ばれる少なくとも1組において、当該2個の基は結合して環を形成してもよい。)
本発明の製造方法において、得られる芳香族ポリマーの分子量分布をより狭くする観点から、前記重縮合は、下記式(V)で表される芳香族化合物の共存下で行われることが好ましく、前記式(I)で表される芳香族化合物を、前記式(II)で表されるホスフィン化合物を配位子として含むパラジウム錯体の存在下で重縮合する際に、下記式(V)で表される芳香族化合物を共存させることがより好ましい。
(式中、Araは、芳香環を含む1価の基である。Xaは、ハロゲン原子又は−SO3Qaで示される基(ここで、Qaは置換されていてもよい炭化水素基を表す)である。)
(式中、R1、Ara、Xaは、前記と同じ定義である。)
本発明の製造方法において、重縮合は、通常、溶媒中で行われる。使用する溶媒は、生成するポリマーの良溶媒を選択することが好ましい。前記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類が挙げられ、芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素、ニトリル類、エーテル類、ニトロ化合物類が好ましい。また、本発明の製造方法では、前記溶媒に加えて、蒸留水等の水を併用してもよい。
本発明の製造方法における塩基としては、カウンターカチオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、及びテトラアルキルアンモニウムイオンから選ばれる、水酸化物塩、炭酸塩、リン酸塩、フッ化物塩が挙げられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化セシウムが好ましい。
本発明の製造方法における界面活性剤は、分子内に親水性の部分と疎水性(親油性)の部分とを併せ持つ化合物である。前記疎水性の部分(疎水基)は、アルキル基等の長鎖炭化水素基であり、前記親水性の部分(親水基)は、水酸基及びイオン性解離基(カルボキシル基、スルホ基等)等である。前記界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸、脂肪酸、モノアルキルリン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。陽イオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム基を有する化合物、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤は、同一分子中に陽イオン性と陰イオン性の解離基を併せ持つ化合物、例えば、長鎖アルキルアミノ酸等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、非イオン性の極性基を有する化合物、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。前記界面活性剤としては、以下の化合物も挙げられる。
本発明の製造方法における相間移動触媒は、公知の触媒を用いることができるが、通常、前記塩基を前記溶媒中に拡散させることができる化合物であり、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化テトラブチルホスホニウム等の長鎖アルキル第4級塩;酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を有する大環状化合物等が挙げられる。
本発明の製造方法において、前記重縮合の後に、後処理として、得られた油層を必要に応じて塩酸水溶液や水で洗浄し、有機溶媒を蒸発させるか、貧溶媒を加えて沈殿させた後にろ過、洗浄、乾燥することにより、芳香族ポリマーを単離することが好ましい。
(式中、Ara、Ar、Xは、前記と同じ意味を有する。iは、繰り返し構造Arの数平均重合度である。)
(式中、Q1bは、前記Q1と同じ意味を有する。Arbは、前記Araと同じ意味を有する。)
(式中、Ara、Ar、Arb、iは、前記と同じ意味を有する。)
不活性ガス雰囲気下、ヒドロキノン25.1g、炭酸カリウム26.23g、アセトン450mL、及び1−ブロモヘキサン78.5mLを混合し、50℃で72時間撹拌した。反応終了後、得られた生成物を、ジクロロメタンで抽出し、有機層を水で洗浄した後、濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィーで精製したところ、白色固体1が24.3g得られた。白色固体1を7.3g、ヨウ素11.0g、ヨウ素酸4.7g、水19mL、硫酸4.2mL、氷酢酸95mL、及び四塩化炭素24mLを混合し、70℃で24時間撹拌して、反応させた。反応終了後、得られた生成物を、ジエチルエーテルで抽出し、水酸化ナトリウム水溶液と水とで洗浄した後、濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィーと再結晶で精製したところ、白色固体2が5.3g得られた。不活性ガス雰囲気下、白色固体2を0.33g、及びテトラヒドロフラン3.5mLを混合し、−78℃で1.6Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液を0.4mL滴下して、−78℃で2時間撹拌した。次いで、トリイソプロポキシボラン0.28mLを加え、−78℃で2時間撹拌した後、塩酸を添加した。得られた生成物を、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水と飽和食塩水で洗浄した後、濃縮した有機層を再結晶で精製したところ、2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸が0.11g得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl3)
δ 7.31(s,1H),7.24(s,1H),6.02(s,1H),4.02−3.99(m,4H),1.60−1.42(m,4H),1.37−1.32(m,8H),0.91(t,J=7.4Hz,6H)
13C NMR(126MHz,CDCl3)
δ 158.3,152.5,122.4,119.0,91.4,70.0,69.3,31.5,31.4,29.2,25.7,25.6,22.6,22.5,14.0,13.9
ビス(トリt−ブチルホスフィン)パラジウムは、J. Am. Chem. Soc. 98, 5850-5857(1976)に記載の方法で合成した。
パラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)は、J. Am. Chem. Soc. 126,1184-1194(2004)に記載の方法で合成した。
不活性ガス雰囲気下、重合触媒としてパラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)を1.0mg、溶媒としてテトラヒドロフランを5.0mL、式(I)で表される芳香族化合物として2,5−ジ(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸を19.0mg、ナフタレンを5.0mg、塩基としてフッ化セシウムを28.0mg、相間移動触媒として18−クラウン−6を90.0mg、及び蒸留水を0.2mL混合し、室温で4時間撹拌して、反応させた。反応終了後に、得られた生成物を取り出し、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」という)で生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは6.4×103であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.26であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(芳香族ポリマー)であり、その収量は10.2mg(収率87%)であった。
不活性ガス雰囲気下、重合触媒としてパラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)を1.0mg、溶媒としてテトラヒドロフランを15.0mL、式(I)で表される芳香族化合物として2,5−ジ(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸を57.6mg、ナフタレン18.0mg、塩基としてフッ化セシウムを91.0mg、相間移動触媒として18−クラウン−6を303.0mg、及び蒸留水を0.3mL混合し、0℃で3.5時間撹拌して、反応させた。反応終了後に、得られた生成物を取り出し、GPCで生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは1.61×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.47であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(芳香族ポリマー)であり、その収量は27.6mg(収率78%)であった。
不活性ガス雰囲気下、重合触媒としてパラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)を1.0mg、溶媒としてテトラヒドロフランを15.0mL、式(I)で表される芳香族化合物として2,5−ジ(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸を59.2mg、ナフタレン17.6mg、塩基としてフッ化セシウムを84.0mg、相間移動触媒として18−クラウン−6を305.0mg、及び蒸留水を0.3mL混合し、−20℃で24時間撹拌して、反応させた。反応終了後に、得られた生成物を取り出し、GPCで生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは1.7×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.46であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(芳香族ポリマー)であり、その収量は29.3mg(収率80%)であった。
不活性ガス雰囲気下、ビス(トリt−ブチルホスフィン)パラジウム1.1mg、テトラヒドロフラン5.5mL、2,5−ジ(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸47.5mg、ナフタレン24.6mg、炭酸ナトリウム141mg、及び蒸留水1.5mLを混合し、3時間還流しながら撹拌して、反応させた。反応終了後に、得られた生成物を取り出し、GPCで生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは1.87×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.85であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
不活性ガス雰囲気下、パラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)1.0mg、テトラヒドロフラン5.5mL、2,5−ジ(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸47.0mg、ナフタレン23.6mg、炭酸ナトリウム142mg、及び蒸留水1.5mLを混合し、2時間30分還流しながら撹拌して、反応させた。反応終了後に、得られた生成物を取り出し、GPCで生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは1.79×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは3.2×104)であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.79であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であり、その収量は25.1mg(収率87%)であった。
比較例2において、反応を40℃で2時間30分行った以外は、比較例2と同様にして生成物を得た。反応中にポリマーが析出し、GPCで析出物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは2.22×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは6.02×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.71であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
比較例2において、反応を室温で2時間30分行った以外は、比較例2と同様にして生成物を得た。反応中にポリマーが析出し、分子量分布は広いものであった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
比較例2において、パラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)の量を5分の2とし、反応を2時間30分還流しながら撹拌して行った以外は、比較例2と同様にして生成物を得た。得られた生成物を取り出し、GPCで生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは9.6×103であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは1.79×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.87であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
比較例2において、パラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)の量を5分の2とし、反応を40℃で2時間30分行った以外は、比較例2と同様にして生成物を得た。反応中にポリマーが析出し、分子量分布は広いものであった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
比較例2において、パラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)の量を5分の2とし、反応を室温で2時間30分行った以外は、比較例2と同様にして生成物を得た。反応中にポリマーが析出し、分子量分布は広いものであった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
不活性ガス雰囲気下、パラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)1.0mg、テトラヒドロフラン5.0mL、2,5−ジ(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸20.0mg、ナフタレン5.0mg、及びリン酸カリウム28.0mgを混合し、室温で96時間撹拌して、反応させた。反応終了後に、生成物を取り出し、GPCで生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは2.8×103であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは4.0×103であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.43であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
不活性ガス雰囲気下、パラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)1.0mg、テトラヒドロフラン5.0mL、2,5−ジ(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸19.0mg、ナフタレン7.0mg、リン酸カリウム17.0mg、及び塩化リチウム5.0mgを混合し、室温で96時間撹拌して、反応させた。反応終了後に、生成物を取り出し、GPCで生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは1.3×103であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは1.5×103であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.12であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
不活性ガス雰囲気下、パラジウム,ブロモフェニル[トリス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィン](9CI)1.0mg、THF5.0mL、2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−4−ヨードフェニルボロン酸19.0mg、ナフタレン7.0mg、フッ化セシウム26.0mg、及び蒸留水0.2mLを混合し、室温で48時間撹拌して、反応させた。反応終了後に、生成物を取り出し、GPCで生成物の分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは3.5×103であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは5.0×103であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.44であった。なお、得られた生成物は、ポリ(パラ−2,5−ジ(ヘキシルオキシ)フェニレン)(ポリマー)であった。
・化合物aの合成
60重量%水素化ナトリウム5.02g(125.5 mmol)をヘキサンで洗浄し、乾燥させ、窒素気流下、0℃で、2−メトキシエタノール7.78g(102.3mmol)のTHF溶液127mLを加えて、0℃で、1時間攪拌した。そこに、プロパギルブロミド13.52g(113.7mmol)のTHF溶液20mLを滴下して、0℃で、4時間攪拌した。得られた反応液をゆっくりと氷水に添加し、エーテルで抽出し、乾燥し、得られた有機層から溶媒を留去し、減圧蒸留により精製したところ、下記式:
で表される化合物aを7.002g(収率60%)得た。
下記のスペクトルにより構造を確認した。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 4.22 (d, J = 2.4 Hz, 2 H), 3.71-3.69 (m, 2 H), 3.59-3.57 (m, 2 H), 3.40 (s, 3 H), 2.43 (t, J = 2.4 Hz, 1 H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 79.5, 74.6, 71.7, 68.9, 59.1, 58.4; IR (neat) 3257, 2882, 2115, 1458, 1355, 1101 cm-1.
塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)1.396g(1.99 mmol)、トリフェニルホスフィン1.034g(3.94 mmol)、ヨウ化銅 0.757g(3.97 mmol)及び2-アミノ-6-ブロモピリジン6.776g(39.17 mmol)に、窒素気流下で、乾燥THF140 mLとトリエチルアミン8.2mL(59.08 mmol)とを加え、そこに、化合物a 6.690g(58.61 mmol)のTHF7.0 mL溶液を加えて、室温で、112時間攪拌した。得られた反応液に3M塩酸を加えて酸性にし、水層を塩化メチレンで洗浄した。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、得られた水層を塩化メチレンで抽出して有機層を得、その有機層を乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ヘキサン:酢酸エチル=1:4)(容積比)で精製したところ、下記式:
で表される薄茶色粘性液体である化合物bを7.425 g(収率92%)得た。
下記のスペクトルにより構造を確認した。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.38 (t, J = 7.2 Hz, 1 H), 6.83 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 6.46 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.55 (br s, 2H), 4.44 (s, 2H), 3.77-3.76 (m, 2H), 3.60-3.59 (m, 2H), 3.40 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 158.2, 140.5, 137.8, 117.7, 108.7, 85.9, 83.9, 71.7, 69.1, 59.03, 58.99; IR (neat) 3356, 3191, 2925, 1626, 1592, 1562, 1460, 1351, 1241, 1090, 797 cm-1.
酢酸エチル210mLに溶かした化合物b 4.24 g (20.56 mmol)に、5重量%Pd/C 2.616 g(5 mol%)を加えた。反応器に水素ガスを充填して、得られた溶液を、室温で、3.5時間攪拌した後、不溶物をろ過で取り除いた。得られた溶液から、溶媒を留去し、再結晶 (塩化メチレン-ヘキサン) で精製したところ、下記式:
で表される白色板状結晶である化合物c(融点 64.5-66.8℃)を3.4314 g(収率79%)得た。
下記のスペクトルにより構造を確認した。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.33 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.32 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.37 (br s, 2H), 3.59-3.57 (m, 2H), 3.55-3.54 (m, 2H), 3.52 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.39 (s, 3H), 2.67 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.01-1.97 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 160.3, 158.0, 138.0, 112.8, 105.7, 72.0, 70.8, 70.0, 59.1, 34.5, 29.4; IR (KBr) 3413, 3327, 3168, 2985, 2942, 2885, 2812, 1649, 1600, 1574, 1474, 1358, 1134, 1092, 1054, 989, 819, 788 cm-1.
化合物c 3.203g(15.23mmol)に塩化メチレン40mLを加えて0℃に冷却した。そこに、2,4,4,6-テトラブロモ-2,5-シクロヘキサジエノン7.376g(18.00mmol)を加えて、0℃で、1.5時間攪拌した。得られた反応液に3M塩酸を加えて酸性にし、水層を塩化メチレンで洗浄した後、そこに、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、塩化メチレンで抽出して有機層を乾燥させた。この有機層から溶媒を留去した後に再結晶(塩化メチレン−ヘキサン)で精製したところ、下記式:
で表される白色板状結晶である化合物d(融点 108.1-109.4℃)を3.221g(収率73%)得た。
下記のスペクトルにより構造を確認した。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.47 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.43 (br s, 2H), 3.61-3.59 (m, 2H), 3.57-3.53 (m, 4H), 3.39 (s, 3H), 2.84-2.81 (m, 2H), 2.03-1.98 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 157.9, 157.0, 141.4, 108.3, 107.7, 72.0, 70.8, 69.9, 59.0, 33.7, 28.2; IR (KBr) 3400, 3329, 3184, 2921, 2883, 1650, 1586, 1469, 1396, 1132, 1091, 1075, 836, 564 cm-1.
化合物d 3.166g(10.95 mmol)及び48重量%臭化水素酸20mLを加えて0℃に冷却し、そこに、臭素2mLを滴下し、0℃で、30分間攪拌した。そこに、水10mLに溶かした亜硝酸ナトリウム 2.400g(34.8mmol)を加えて、0℃で、2.75時間攪拌した。得られた反応液に10重量%水酸化ナトリウム水溶液及び10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、水層を塩化メチレンで抽出し、10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水の順番で、洗浄した。得られた有機層を乾燥させ、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ヘキサン:酢酸エチル=3:1)(容積比)で精製したところ、下記式:
で表される薄黄色液体である化合物eを3.3992g(収率88%)得た。
下記のスペクトルにより構造を確認した。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.63 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.60-3.53 (m, 6H), 3.39 (s, 3H), 2.99 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.07-2.02 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 161.5, 142.2, 139.6, 126.7, 120.3, 71.9, 70.5, 70.0, 59.1, 33.8, 27.9; IR (neat) 2871, 1558, 1537, 1417, 1123, 1008, 819 cm-1.
化合物e 3.542g(10.03 mmol)にエーテル28 mLを窒素気流下で加え、−78℃に冷却し、そこに、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液 (1.6 mol/L)7.5 mL(12.00 mmol)を滴下し、3時間攪拌した。そこに、窒素気流下で、ボロン酸イソプロピル2.292 g (12.19 mmol)のエーテル10 mL溶液を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応液に、ピナコール 1.613g(13.65mmol)のエーテル10mL溶液を加えてから、5分間攪拌した後、酢酸 0.60mL(10.53mmol)を加え、2時間攪拌した。そこに、水を加え、エーテルで抽出し、有機層を乾燥させ、溶媒を留去した後に、蒸留したところ、下記式:
で表される無色透明粘性液体である化合物fを2.5571g(収率64%)得た。
下記のスペクトルにより構造を確認した。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 3.59-3.52 (m, 6H), 3.38 (s, 3H), 3.08 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.00-1.95 (m, 2H), 1.34 (s 12H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 169.4, 146.0, 143.9, 124.6, 84.1, 71.9, 70.9, 69.6, 58.9, 34.2, 30.5, 24.7, 24.6; IR (neat) 2979, 2929, 2870, 1566, 1452, 1344, 1273, 1136, 1030, 962, 854, 667, 478 cm-1.
不活性ガス雰囲気下で、Pd[P(t-Bu)3] 0.541 g (0.106 mmol)とブロモベンゼン 0.5 mL (4.77 mmol)とを混合し、凍結脱気を行った後、70℃で1.5時間攪拌した。そこに、n-ペンタン5 mLを加え、30秒間攪拌後、30分間静置したところ、橙色の固体が析出した。この固体をろ過することにより、下記式:
で表される化合物gを得た。
化合物f 0.043g(0.017 mmol)、フッ化セシウム0.0767 g (0.505 mmol)、18-クラウン-6 0.2134 g (0.807 mmol)、及び蒸留水 0.5 mLに、不活性ガス気流下で、乾燥THF7.5 mLを加え、得られた溶液を、化合物g 0.0023g(0.00450mmol)の乾燥THF溶液5mLに加えて、室温で1時間攪拌した。得られた反応液を1M塩酸中に添加し、そこに、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、塩化メチレンで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去したところ、黄色粘性液体としてポリ[6−{3−(2−メトキシエトキシ)プロピル}−ピリジレン−2,5−ジイル](芳香族ポリマー)(Mn=4800、Mw/Mn=1.79)を得た。
化合物f 0.0430 g (0.107 mmol)、炭酸ナトリウム0.4300 g(4.06 mmol)、及び蒸留水2mLに、不活性ガス気流下で、乾燥THF4 mLを加え、得られた溶液を、化合物g 0.0026g(0.00558mmol)の乾燥THF溶液1mLに加えて、室温で15分間攪拌した。得られた反応液を1M塩酸中に添加し、そこに、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、塩化メチレンで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去したところ、黄色固体としてポリ[6−{3−(2−メトキシエトキシ)プロピル}−ピリジレン−2,5−ジイル](ポリマー)(Mn=7500、Mw/Mn=2.01)を得た。
同一のモノマーを用いてポリ(パラ−2,5−フェ(ヘキシルオキシ)フェニレン)を合成した実施例1〜3、比較例1〜10によれば、本発明の製造方法によって合成した実施例1〜3の芳香族ポリマーは、比較例1〜10のポリマーに比べて、高分子量であり分子量分布が狭い(即ち、両者のバランスがよい)ことが認められる。
また、同一のモノマーを用いてポリ[6−{3−(2−メトキシエトキシ)プロピル}−ピリジレン−2,5−ジイル]を合成した実施例4、比較例11によれば、本発明の製造方法によって合成した実施例4の芳香族ポリマーは、比較例11のポリマーに比べて、高分子量であり分子量分布が狭い(即ち、分子量と分子量分布のバランスがよい)ことが認められる。
以上のとおり、本発明の製造方法によれば、高分子量であり分子量分布が狭い芳香族ポリマーを容易に製造することができる。
Claims (10)
- 前記相間移動触媒が、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を有する大環状化合物である請求項1に記載の芳香族ポリマーの製造方法。
- 前記大環状化合物が、クラウンエーテルである請求項2に記載の芳香族ポリマーの製造方法。
- 前記重合触媒が、パラジウム錯体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の芳香族ポリマーの製造方法。
- 前記パラジウム錯体が、ホスフィン化合物を配位子として含む請求項4に記載の芳香族ポリマーの製造方法。
- 前記ホスフィン化合物が、下記式(II)で表される請求項5に記載の芳香族ポリマーの製造方法。
P(R1)3 (II)
(式中、3個のR1は、同一又は異なり、下記式(III)で表される基、又は下記式(IV)で表される基である。)
−C(R2)3 (III)
(式中、3個のR2は、同一又は異なり、水素原子又は置換若しくは非置換の炭化水素基である。但し、3個のR2のうちの2個のR2が結合して環を形成してもよい。)
(式中、R3〜R7はそれぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素二置換アミノカルボニル基、又は炭化水素スルホニル基である。これらの基は、置換基を有していてもよい。R3とR5、R5とR7、R4とR6、及びR6とR7からなる群から選ばれる少なくとも1組において、当該2個の基は結合して環を形成してもよい。) - 前記Arが、単環式芳香環、縮合多環式芳香環、芳香環集合、又は有橋多環式芳香環から、環構成元素に結合した水素原子を2個取り除いてなる基である請求項1〜7のいずれか一項に記載の芳香族ポリマーの製造方法。
- 前記Arが、単環式芳香環から環構成元素に結合した水素原子を2個取り除いてなる基である請求項8に記載の芳香族ポリマーの製造方法。
- 前記単環式芳香環から環構成元素に結合した水素原子を2個取り除いてなる基が、フェニレン基である請求項9に記載の芳香族ポリマーの製造方法。
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