JP2003261654A - 導電性高分子及びその製造方法,並びに導電性高分子を含有する電気−光変換素子,電気・電子素子,光−電気変換素子及び電気配線板 - Google Patents

導電性高分子及びその製造方法,並びに導電性高分子を含有する電気−光変換素子,電気・電子素子,光−電気変換素子及び電気配線板

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JP2003261654A
JP2003261654A JP2002062265A JP2002062265A JP2003261654A JP 2003261654 A JP2003261654 A JP 2003261654A JP 2002062265 A JP2002062265 A JP 2002062265A JP 2002062265 A JP2002062265 A JP 2002062265A JP 2003261654 A JP2003261654 A JP 2003261654A
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conductive polymer
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alkylthiophene
average molecular
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Noriyuki Aoshima
敬之 青島
Masahiro Kobashi
昌浩 小橋
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒に対する溶解性に優れ、薄膜形成の
際の取り扱いが容易で、且つ形成された薄膜が優れた電
気・電子物性を示すようにする。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される構造を有す
る導電性高分子であって、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw
/Mn)が1.4以下であり、重量平均分子量(Mw)
から求められるチオフェン環の平均繰り返し数(n)が
30以上86以下であり、且つ、隣り合うアルキルチオ
フェン環同士の結合様式の92%以上が立体規則性を示
すようにする。 ...一般式(1) (上記一般式(1)中、Rは、チオフェン環のβ炭素に
結合した炭素数4個以上のアルキル基を表し、X及び
X’はそれぞれ独立に、H,Cl並びにBrからなる群
より選ばれる元素を表し、nは、チオフェン環の繰り返
し数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性高分子及び
その製造方法、並びに導電性高分子を含有する電気−光
変換素子,電気・電子素子,光−電気変換素子及び電気
配線板に関し、より詳しくは、アルキルチオフェン環を
単量体単位に含む導電性高分子及びその製造方法、並び
にこの導電性高分子を含有する電気−光変換素子,電気
・電子素子,光−電気変換素子及び電気配線板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】導電性高分子は、電子材料,光機能材
料,磁気機能材料等の素材としての潜在的物性を有して
おり、各種の応用に向けて精力的に研究が行われてい
る。特に、有機溶媒等に可溶な導電性高分子は、その溶
液を用いてスピンコート法,キャスト法,ディップ法等
の比較的簡単且つ低コストなウエットプロセスにより薄
膜形成が可能であるため、有機EL(electro luminesc
ent)素子や発光ダイオード等の電気−光変換素子(発
光素子),電界効果トランジスタ等の電気・電子素子,
太陽電池等の光−電気変換素子(受光素子),印刷回路
配線板等の電気配線板などへの応用が精力的に研究され
ている。
【0003】可溶性導電性高分子の中でも、チオフェン
骨格の3位に炭素数4以上のアルキル基を有するポリ
(3−アルキルチオフェン)については、下記一般式
(3)に示す様に、3−アルキルチオフェンの2位と5
位とを順次結合させて、3−アルキルチオフェン骨格相
互間の結合様式に立体規則性を持たせた、立体規則的ポ
リ(3−アルキルチオフェン)が重合されている(特開
2000−230040号公報、Advanced Materials V
ol. 10, p93, 1998年、Journal of American Chemical
Society Vol. 117, p233, 1995年など参照)。
【0004】
【化4】 ...一般式(3) (上記一般式(3)中、Rはそれぞれ独立に、チオフェ
ン環のβ炭素に結合した炭素数4個以上のアルキル基を
表す。)
【0005】この様に、高い結合様式の立体規則性(立
体規則性が96%程度)を有し、且つ極めて狭い分子量
分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比M
w/Mnが1.4程度)を示す、上記の立体規則的ポリ
(3−n−ヘキシルチオフェン)においては、主鎖のπ
共役欠陥を著しく少なくすることができ、またポリマー
が凝集して得られる薄膜において、ポリマー主鎖内のπ
共役が強くなり、且つ主鎖間の相互作用が強くなる様な
結晶構造をとり易くなるために、電界効果トランジスタ
における半導体層として用いた場合、0.1cm2-1
-1という高いホール移動度を示すことが知られている
(Macromolecules Vol. 31, p7273,1998年、及びN
ature Vol. 401, p685, 1999年参照)。
【0006】尚、本発明において立体規則性(%)と
は、隣り合うアルキルチオフェンのα−炭素間において
可能な3種の結合(2,5’−結合、2,2’−結合、
5,5’−結合)様式に対する、2、5’−結合(頭尾
結合)様式(下記一般式(2)にて表わされる結合様
式)の占める割合(%)と定義する。
【0007】
【化5】 一般式(2) (上記一般式(2)中、Rはそれぞれ独立に、チオフェ
ン環のβ炭素に結合した炭素数4個以上のアルキル基を
表す。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これまでに報告されて
きた立体規則的ポリ(3−アルキルチオフェン)に関し
て、ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)を例にして説
明すると、立体規則性が高いものでは、立体規則性が9
8.5%以上、Mwが37680、即ち、チオフェン環
の平均繰り返し数(n)に換算するとnが227、Mw
/Mnが1.48程度のものが、Ni触媒を用いた下記
一般式(4)で表されるヘキシルチオフェン誘導体(I
a)のカップリング反応により得られることが報告され
ている(Journal of American Chemical Society Vol.
117, p233, 1995年)。
【0009】
【化6】 一般式(4) (上記一般式(4)中、Mは、Zn又はMgを表わし、
Rは、チオフェン環のβ炭素に結合した直鎖状ヘキシル
基を表す。上記一般式(4)において、MがZnのもの
を、アルキルチオフェン誘導体(Ia)と呼び、MがM
gのものを、アルキルチオフェン誘導体(Ib)と呼ぶ
ことにする。)
【0010】また、立体規則性が平均95%以上、Mw
が14700〜46500、即ち、チオフェン環の平均
繰り返し数(n)に換算するとnが88〜280、Mw
/Mnが1.13〜1.55のものが、2,5−ジブロ
モ−3−n−ヘキシルチオフェンと有機マグネシウム試
薬とのメタセシス反応を利用して得られている(特開2
000−230040号公報)。
【0011】しかしながら、これらの比較的高い分子量
を持つ立体規則的ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)
を、室温近辺の温度におけるTHFやクロロホルム等の
有機溶媒に溶解する場合、高分子量成分が不溶成分とな
るため低濃度溶液しか得られない。従って、その溶液か
ら塗布膜を形成する場合には濾過過程が必要となり、ま
た低濃度溶液のために形成される塗布膜の膜厚にも限界
があり、薄い膜厚のものしか形成できないといった課題
が生じる。
【0012】より分子量の低い立体規則的ポリ(3−n
−ヘキシルチオフェン)としては、立体規則性が平均と
して95%以上、Mwが8100〜10000、即ち、
チオフェン環の平均繰り返し数(n)に換算するとnが
48〜60のものが、Ni触媒(NiCl2(dpp
p)(前記式中、“dppp”は1,3−ジフェニルフ
ォスフィノプロパンを表わす)を用いたアルキルチオフ
ェン誘導体(Ib)(上記一般式(4)参照)のカップ
リング反応により得られている(The Journal ofOrgani
c Chemistry Vol. 58, p904, 1993年、Thin Solid Film
s Vol. 284-285,p636, 1996年)。
【0013】しかしながら、この方法で得られる立体規
則的ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)は、Mw/M
nが1.54以上と高く、平均分子量が低い側で比較的
広い分子量分布を示している為、ポリ(3−n−ヘキシ
ルチオフェン)の一本鎖における一次元バンド構造を形
成できる共役鎖長の長いものから、一次元バンド構造を
形成できず離散的な分子軌道を有する共役鎖長の短いも
のまで、様々なものの混合物となってしまっている可能
性があり、それらの集合体として形成される薄膜におい
ては、良好な電気・電子物性が得られなくなってしまう
という課題がある。
【0014】より分子量が低く、狭い分子量分布を示す
ポリマー(Mwが11000程度(チオフェン環の平均
繰り返し数(n)に換算するとnが66)、Mw/Mn
が1.4程度)も、詳細は不明であるが、同様のアルキ
ルチオフェン誘導体(Ib)のカップリング反応により
得られた報告もある(Nature Vol. 401, p685, 1999年
参照)。しかしながら、このポリマーは立体規則性が平
均で91%と低く、ポリマーの凝集状態である薄膜にお
けるホール移動度は0.01cm2-1-1であり、立
体規則性が平均96%の場合に比べると、薄膜における
優れた電気・電子物性を与える主鎖及び主鎖間の構造を
とり難いという課題を有する。
【0015】一方、高い立体規則性を保ちつつも、単分
散に近い分子量分布を示し、且つ低分子量化された立体
規則的ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)誘導体が、
近年報告されている(Journal of Materials Chemistry
Vol. 8, p25, 1998年参照)。しかしながら、このポリ
マーにおいては、嵩高く反応性に富んだトリブチルスタ
ニル基、又はやはり反応性に富んだヨウ素基がポリマー
末端に残存しており、これらのトリブチルスタニル基や
ヨウ素基が、ポリマーの凝集状態である薄膜において、
前述した高いホール移動度を示す様な主鎖間の構造形成
を妨げるとともに、反応活性であるゆえに薄膜の耐久性
を低下させる等の課題が懸念される。また、このポリマ
ーは2−沃化−3−n−ヘキシル−5−トリブチルスタ
ニルチオフェンのクロスカップリング反応により製造さ
れるが、この製造プロセスにおいても、沃化チオフェン
を製造する際に毒性の高い水銀化合物や腐食性の高い沃
素を使用せざるを得ない点や、ポリマー製造の際に高価
なPd錯体を使用しなければならない点等の課題が存在
する。なお、これらの課題は、Synthetic Metals Vol.
93, p123, 1998年に記載のSuzuki法にも同様に当てはま
る。
【0016】また、一方では、先に可溶性導電性高分子
に対するオリゴマーを合成し、それらのオリゴマーを結
合させることにより、分子量の揃ったポリマーを合成す
る試みもなされている(The Journal of Organic Chemi
stry Vol. 63, p8632, 1998年参照)。しかしながら、
この方法では得られるポリマーの分子量が充分でなく、
現在のところチオフェン27量体までしか得られていな
い。しかも、立体規則的ポリ(3−アルキルチオフェ
ン)に見られる様な結合に関する高い規則性は得られて
いない。
【0017】本発明は、上記の様な各種従来技術の立体
規則的ポリ(3−アルキルチオフェン)の持つ課題に鑑
みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、
有機溶媒に対する溶解性に優れ、薄膜形成の際の取り扱
いが容易で、且つ形成された薄膜が優れた電気・電子物
性を示す導電性高分子、及びその製造方法を提供するこ
とに存する。
【0018】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、比較的低い
特定範囲の分子量を有するとともに、単分散に近いシャ
ープな分子量分布を示し、且つ、高い立体規則性を有す
る導電性高分子を見出した。そして、この導電性高分子
が上記の各種特性をバランス良く満たすことにより、上
記課題が効果的に解決されるとの知見を得て、本発明を
完成するに至った。
【0019】すなわち、本発明の要旨は、下記一般式
(1)で表される構造を有する導電性高分子であって、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し
たポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.4以下であ
り、重量平均分子量(Mw)から求められるチオフェン
環の平均繰り返し数(n)が30以上86以下であり、
且つ、隣り合うアルキルチオフェン環同士の結合様式の
92%以上が下記一般式(2)で表される立体規則性を
示すことを特徴とする導電性高分子、及びその製造方法
に存する。
【0020】
【化7】 ...一般式(1) (上記一般式(1)中、Rは、チオフェン環のβ炭素に
結合した炭素数4個以上のアルキル基を表し、X及び
X’はそれぞれ独立に、H,Cl並びにBrからなる群
より選ばれる元素を表し、nは、チオフェン環の繰り返
し数を表す。)
【0021】
【化8】 ...一般式(2) (上記一般式(2)中、Rはそれぞれ独立に、炭素数4
個以上のアルキル基を表す。)
【0022】更に、本発明の別の要旨は、上記導電性高
分子を含有することを特徴とする、電気−光変換素子,
電気・電子素子,光−電気変換素子,及び電気配線板に
存する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る導電性高分子は、下記一般式(1)で表さ
れる構造を有する導電性高分子であって、本発明では、
隣り合うアルキルチオフェン環同士の結合様式の92%
以上が、下記一般式(2)で表される様な頭尾立体規則
性を示す。
【0024】
【化9】 ...一般式(1)
【0025】
【化10】 ...一般式(2)
【0026】この様な立体規則的ポリ(3−アルキルチ
オフェン)は、ポリマー同士が凝集した場合に、ポリマ
ー鎖内の隣接チオフェン間同士の平面性が高い構造をと
り易く、その結果として強いπ共役を示すとともに、隣
接ポリマー鎖間の相互作用も強くなるため、有効な鎖内
及び鎖間導電経路を提供する。従って、凝集状態である
薄膜において優れた電気・電子物性を示す材料となる。
【0027】上記一般式(1)及び(2)におけるR
は、チオフェン環のβ炭素に結合した炭素数4個以上の
アルキル基を表わすが、中でも炭素数4〜12の直鎖
状,分岐状,又は環状のアルキル基が好ましい。具体的
には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、ドデシル基等が挙げられる。これらの中でも、ポリ
マーの凝集状態において前述した有効な鎖内及び鎖間導
電性経路を形成し易いという理由から、直鎖アルキル基
が好ましく、直鎖ヘキシル基が特に好ましい。
【0028】また、上記一般式(1)におけるX及び
X’は、得られるポリマーが優れた電気・電子物性を示
す凝集状態を取り易いという理由や、モノマーが入手し
易い等の製造上の理由から、互いに独立に、水素原子,
塩素原子並びに臭素原子からなる群から選ばれる原子が
好ましいが、特に、両末端が実質的に水素原子であるポ
リマーがより好ましい。
【0029】上記一般式(1)におけるnは、チオフェ
ン環の平均繰り返し数を表し、以下の式で定義される。 n={ポリマーの重量平均分子量(Mw)}/{(対応
する3−アルキルチオフェンの分子量)−2}
【0030】上記式中、重量平均分子量(Mw)は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。n
が86以下のポリマーは、特に種々の有機溶媒に対する
溶解性が高く、取り扱いが容易となるため好ましい。一
方、ポリマーの凝集状態において優れた電気・電子物性
を示すためには、nが通常30以上、中でも50以上の
ポリマーが好ましい。
【0031】更に、ここでゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw
/Mn)が1.4以下であることが好ましい。この様に
狭い分子量分布を示すポリ(3−アルキルチオフェン)
が好ましい理由は以下の様に考えられる。すなわち、本
発明の導電性高分子の様な平均分子量が低い立体規則的
ポリ(3−アルキルチオフェン)が、比較的広い分子量
分布を示すということは、ポリ(3−アルキルチオフェ
ン)の一本鎖における一次元バンド構造を形成できる共
役鎖長の長いものから一次元バンド構造を形成できず離
散的な分子軌道を有する共役鎖長の短いものまでの混合
物となることに繋がる。この様に共役鎖長の短いポリマ
ーが混入すると、それらの凝集状態である薄膜において
電子状態が不均一となり、且つポリマー鎖間の相互作用
にも影響を与えるので、高いホール移動度等の優れた電
気・電子物性を得ることが難しくなる。従って、本発明
の目的を達成する為には、ある特定値以下の狭い分子量
分布を示す必要がある。
【0032】ポリマーの立体規則性は、Journal of Ame
rican Chemical Society Vol. 117,p233, 1995年に記載
の方法で算出され、具体的には、1H−NMRでチオフ
ェン環上のアルキル基のα−プロトンに帰属されるシグ
ナルの積分比から算出される。すなわち、立体規則性の
高いポリ(3−アルキルチオフェン)について、重クロ
ロホルム溶媒中で1H−NMR測定を行なうと、チオフ
ェン環のβ−炭素上のプロトンに帰属されるシグナルが
本質的に6.98ppm(テトラメチルシラン(TM
S)基準)にのみシングレットとして観測されるが、そ
のようなスペクトルにおいて、2.80ppm及び2.
58ppm(テトラメチルシラン(TMS)基準)に現
れるチオフェン環上のアルキル基のα−プロトンに帰属
されるプロトンシグナルの積分値をそれぞれA、Bとす
ると、本発明において定義される立体規則性(%)は以
下に示す式で表される。 立体規則性(%)=A/(A+B)×100
【0033】次に、本発明の導電性高分子を得る為の製
造方法(本発明の導電性高分子の製造方法)について、
詳細を説明する。なお、以下の説明は、本発明の導電性
高分子の好ましい製造方法の例を提供するに過ぎず、本
発明の導電性高分子を製造する方法は以下に挙げる製造
法に限定されるものではない。
【0034】本発明の導電性高分子は、例えば、通常の
立体規則的ポリ(3−アルキルチオフェン)と同様に、
Ni触媒やPd触媒等の遷移金属触媒の存在下で、下記
一般式(I)で表されるアルキルチオフェン誘導体(以
下「アルキルチオフェン誘導体(I)」と呼ぶ。)をカ
ップリング反応させることにより製造される。
【0035】
【化11】 ...一般式(I) (上記一般式(I)中、Mは、Mg又はZnを表し、R
は、チオフェン環のβ炭素に結合した炭素数4個以上の
アルキル基を表す。)
【0036】特に、本発明の特定範囲の導電性高分子を
得るためには、この触媒反応系に種々のハロゲン化アル
キルチオフェンを添加する方法、即ち、遷移金属触媒の
存在下で、アルキルチオフェン誘導体(I)と種々のハ
ロゲン化アルキルチオフェンとをクロスカップリング反
応させる方法が好ましい。
【0037】ここで、アルキルチオフェン誘導体(I)
は、N−ブロモスクシンイミドと3−アルキルチオフェ
ンとの反応により容易に製造される2−ブロモ−3−ア
ルキルチオフェン、又は2,5−ジブロモ−3−アルキ
ルチオフェンから、Journalof American Chemical Soci
ety Vol. 117, p233, 1995年や特開2000−2300
40号公報、或いはこれらの文献において引用されてい
る各種文献に記載の種々の方法によって製造される。
【0038】アルキルチオフェン誘導体(I)との反応
に使用されるハロゲン化アルキルチオフェンの具体例と
しては、2−ブロモ−3−アルキルチオフェン、2−ヨ
ード−3−アルキルチオフェンが挙げられる。
【0039】アルキルチオフェン誘導体(I)に対する
ハロゲン化アルキルチオフェンの使用量を増やす程、得
られるポリマーの分子量は低くなる。従って、アルキル
チオフェン誘導体(I)に対する好ましいハロゲン化ア
ルキルチオフェンの使用量は、使用する触媒、反応温
度、反応時間等に左右されるため特に限定されないが、
後述する実施例で示した条件下では、通常1当量以上、
好ましくは2当量以上であり、また、通常100当量以
下、好ましくは50当量以下である。
【0040】ハロゲン化アルキルチオフェンとアルキル
チオフェン誘導体(I)との混合物は、それぞれを独立
に調製後混合する方法や、アルキルチオフェン誘導体
(I)製造時に予め上記のハロゲン化アルキルチオフェ
ンを過剰に共存させる方法等が挙げられる。
【0041】上記の様にして得られた混合物を遷移金属
触媒の存在下で反応させることにより、本発明の導電性
高分子が得られる。この際に用いられる遷移金属触媒
は、通常、周期表(18族長周期型周期表)の3〜10
族、中でも8〜10族、特に10族に属する遷移金属の
錯体が好ましい。具体的には、公知のTi、Zr、V、
Cr、Fe、Co、Ni、Pd錯体が挙げられるが、中
でもNi、Pd錯体が好ましく、安価で且つ高い立体規
則性を有するポリマーが得られる理由から、Ni錯体が
特に好ましい。また、使用する触媒の配位子としては、
後述する本実施例で用いるdppe(1,2−ジフェニ
ルホスフィノエタン)以外にも、PPh3、dppm
(ジフェニルホスフィノメタン)、dppp(1,3−
ジフェニルホスフィノプロパン)、dppb(1,4−
ジフェニルホスフィノブタン)等のホスフィンが挙げら
れるが、テトラメチルエチレンジアミン、ビピリジン等
のジアミンなどの公知の窒素系配位子等でもよい。好ま
しい触媒の具体例としては、得られるポリマーの立体規
則性が高い理由から、NiCl2(dppe)、NiC
2(dppp)が挙げられる。
【0042】また、本発明の導電性高分子を製造する別
の方法としては、水素存在下でアルキルチオフェン誘導
体(I)を上記の遷移金属触媒を用いて重合させる方法
や、好ましい触媒の具体例として上に挙げたNi触媒に
おけるNi上の配位子をdppm、dppbに変化させ
る方法等が挙げられる。これらの手法を用いる場合、反
応時間、反応温度、反応圧力、反応濃度等は適宜調整す
ればよい。
【0043】更に、通常のNiCl2(dppe)やN
iCl2(dppp)等のNi触媒やPd触媒を用いた
アルキルチオフェン誘導体(I)のカップリング反応も
原理的には採用可能である。しかし、この場合、製造さ
れる立体規則的ポリ(3−アルキルチオフェン)は、本
発明の導電性高分子よりチオフェン環の平均繰り返し数
(n)が大きいか、分子量分布が広いかの何れかである
ため、特定の有機溶媒(例えばテトラヒドロフランやク
ロロホルム等)による抽出精製により所望の導電性高分
子とする必要があり、操作が煩雑であるばかりか精製効
率も悪いため、本発明の導電性高分子を得る方法として
は、上述したような種々の製造方法が好ましい。
【0044】本発明の導電性高分子の合成の際に用いら
れる有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族又は脂環式飽和炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル
等のニトリル系溶媒等;並びにこれらの混合物などが挙
げられる。有機溶媒中における上記の遷移金属触媒濃度
は、通常0.001〜10mmol/L、好ましくは
0.01〜1mmol/L、より好ましくは0.1〜1
mmol/Lである。
【0045】本発明の導電性高分子の合成の際の重合温
度は、通常は−78℃以上であり、また、通常は250
℃以下、好ましくは150℃以下である。更に、反応時
間は、通常10分以上、好ましくは1時間以上であり、
通常48時間以下、好ましくは24時間以下である。
【0046】本発明の導電性高分子は、また、従来の立
体規則的ポリ(3−アルキルチオフェン)と異なり、有
機溶媒への溶解性に優れ、溶液中に不溶成分と成り得る
高分子量成分が存在しないので、薄膜形成に際して濾過
過程を必要とせず、取り扱いが容易である上に、高濃度
の溶液を用いて膜厚の厚い塗膜を形成することが可能で
ある。従って、有機EL(electro luminescent)素子
や発光ダイオード等の電気−光変換素子(電気発光素
子),電界効果トランジスタ(特にTFT(ThinFilm T
ransistor))等の電気・電子素子,太陽電池等の光−
電気変換素子,印刷回路配線板等の電気配線板などに使
用する導電性材料として、好適に使用することができ
る。
【0047】図1は、本発明の導電性高分子を用いた電
気発光素子の構成例を模式的に表わす断面図である。図
1に示す電気発光素子は、電気絶縁性透明基板1、ホー
ル注入電極である導電性透明電極2、電荷輸送能と発光
能を併せ持つ薄膜層3、電子注入電極である対向電極4
を積層して構成される。ここで、電荷輸送能と発光能を
併せ持つ薄膜層3を、本発明の導電性高分子の溶液を用
いて、公知の塗布法により成膜形成すれば、低コスト且
つ容易に電気発光素子の製造が可能となる。なお、電荷
輸送能と発光能を併せ持つ薄膜層3に代えて、電荷輸送
能を有する薄膜層と発光能を有する薄膜層とを別個に設
けるとともに、電荷輸送能を有する薄膜層を本発明の導
電性高分子の溶液を用いて形成することも勿論可能であ
る。
【0048】図2は、本発明の導電性高分子を用いた電
界効果トランジスタの構成例を模式的に表わす断面図で
ある。図2に示す電界効果トランジスタは、ゲート電極
5、絶縁体層又は誘電体層6、電荷輸送能を有する薄膜
層7を積層するとともに、この薄膜層7の表面に、ソー
ス電極8及びドレイン電極9を設けて構成される。ここ
で、電荷輸送能を有する薄膜層7を、本発明の導電性高
分子の溶液を用いて、公知の塗布法により成膜形成すれ
ば、低コスト且つ容易に電界効果トランジスタの製造が
可能となる。
【0049】図3は、本発明の導電性高分子を用いた太
陽電池の構成例を模式的に表わす断面図である。図3に
示す太陽電池は、透明絶縁基板10、ホールを集電する
導電性透明電極11、電荷輸送能を有する薄膜層12、
太陽光下で上記薄膜層12から電子を受容し輸送する有
機薄膜層13、電子を集電する対向電極14を積層して
構成される。ここで、電荷輸送能を有する薄膜層12
を、本発明の導電性高分子の溶液を用いて、公知の塗布
法により成膜形成すれば、低コスト且つ容易に太陽電池
の製造が可能となる。
【0050】図4(a),(b)はともに、本発明の導
電性高分子を用いた印刷配線板の構成例を模式的に表わ
す断面図で、(a)は片面配線板、(b)は両面配線板
の場合を示している。図4(a),(b)に示す印刷配
線板は、絶縁基板15のそれぞれ片面又は両面に、電荷
輸送能を有する導電層16を所望の配線パターンに形成
して構成される。ここで、電荷輸送能を有する導電層1
6を、本発明の導電性高分子の溶液を用いて、公知の印
刷法により所望の配線パターンとなるよう印刷形成すれ
ば、低コスト且つ容易に印刷配線板の製造が可能とな
る。なお、導電層16により高い電気伝導性を付与する
ために、本発明の導電性高分子の溶液にドーピングを施
しても良い。また、印刷配線板の強度向上のために、導
電層16上にめっき等を施しても良い。
【0051】なお、本発明の導電性高分子を用いた電気
発光素子、電界効果トランジスタ、太陽電池、印刷配線
板の構成は、それぞれ図1〜図4に示したものに限られ
る訳ではなく、その要旨を越えない限りにおいて、種々
の形態を取ることが可能である。また、本発明の導電性
高分子の応用例は、これらの電気発光素子、電界効果ト
ランジスタ、太陽電池、印刷配線板に限定される訳では
なく、その要旨を越えない限りにおいて、各種の電気−
光変換素子,電気・電子素子,光−電気変換素子,電気
配線板等への応用が可能である。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に制約されるものではなく、種々変形して実施すること
が可能である。
【0053】なお、実施例において分子量の測定は、以
下の装置を用いて行った。 [ゲルパーミエーションクロマトグラフィー] 装置;東ソー株式会社製HLC−8020 カラム;エーエムアール株式会社から購入したPLゲル
GPCカラムである、PLgel5μmMIXED−C
(300×7.5mm)2本と、PLgel5μm10
0Å(300×7.5mm)1本とを順次接続して用い
た。 検出器;屈折率計 溶離液;テトラヒドロフラン(THF) 検量線;標準ポリスチレンとして、重量平均分子量(M
w)が8.42×106(Mw/Mn=1.17)、
3.84×106(Mw/Mn=1.04)、1.09
×106(Mw/Mn=1.08)、7.06×10
5(Mw/Mn=1.05)、3.55×105(Mw/
Mn=1.02)、1.90×105(Mw/Mn=
1.04)、9.64×104(Mw/Mn=1.0
1)、3.79×104(Mw/Mn=1.01)、
1.67×104(Mw/Mn=1.02)、9.10
×103(Mw/Mn=1.02)、5.97×10
3(Mw/Mn=1.02)、2.63×103(Mw/
Mn=1.05)、1.05×103(Mw/Mn=
1.13)、786(Mw/Mn=1.15)、682
(Mw/Mn=1.15)、578(Mw/Mn=1.
15)、370(Mw/Mn=1.15)、266(M
w/Mn=1.15)を用いて検量線を作成した。ゲル
パーミエーションクロマトグラフィーの測定並びにポリ
スチレン換算のMw、Mn、Mw/Mn値の算出は、マ
ルチステーションGPC−8020 ver.1.1プ
ログラム(東ソー株式会社)を用いて行なった。
【0054】[実施例]本実施例では、窒素雰囲気下、
ベンゾフェノン共存下Naで脱水、蒸留したTHFを用
いた。窒素雰囲気下、−78℃で、Aldrich社から購入
したZn(Riekezinc)(42mg)のTHF(2.5
ml)縣濁液に、2,5−ジブロモ−3−n−ヘキシル
チオフェン(191mg、0.59mmol)を含むT
HF溶液(1.2ml)を加えた。反応液を−78℃で
1時間攪拌後、約3時間かけて0℃まで昇温した。0℃
で、NiCl2(dppe)(2.53mg)及び2−
ブロモ−3−n−ヘキシルチオフェン(495mg,2
mmol)を含むTHF溶液(4.6ml)を加えた。
室温で19時間反応後、反応液に2N塩酸(5ml)と
メタノール(10ml)を加えた。得られた粉末を濾過
後、順次メタノール、2N塩酸、メタノールで洗浄し
た。更に、ソックスレー抽出器を用いて順次メタノー
ル、ヘキサン抽出を行なった。残った粉末をクロロホル
ムに溶解し、メタノールを加えることにより、20mg
のポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)を得た。これを
実施例の導電性高分子とする。
【0055】実施例の導電性高分子の立体規則性をNM
Rスペクトル測定により調べた結果、93%であった。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は
1.18×104、即ちチオフェン環の平均繰り返し数
(n)に換算するとnは71であり、Mw/Mnは1.
23であった。実施例の導電性高分子10mgをTHF
10mlに溶解したところ、室温で容易に溶解し、不溶
成分は見られなかった。この溶液を濾過すること無く用
いて、導電性透明電極上にスピンコート法及びキャスト
法で塗布して薄膜を形成したが、何れの方法によって
も、内部に微粒子等の存在しない均一な薄膜が得られ
た。
【0056】[比較例1]Aldrich社から購入した立体
規則的ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)(Poly(3-n
-hexylthiophene-2,5-diyl), regioregular)(Mw=
約87000、立体規則性:>98.5%、有機溶媒可
溶成分;Mw>15000、立体規則性:100%(以
上カタログ記載値)、Mw=4.41×104(チオフ
ェン環の平均繰り返し数(n)に換算するとn=26
6)、Mw/Mn=1.93(実測値))10mgを、
10mlのTHFに室温で溶解しようとしたが、全ての
ポリマーを溶解させることはできず、不溶成分が見られ
た。よって、その溶液を用いて導電性透明電極上に実施
例と同じ状態の均一な薄膜を形成するためには、塗布前
に濾過の操作が必要であった。
【0057】[比較例2]The Journal of Organic Che
mistry Vol. 58, P904, 1993年記載の方法で調製した立
体規則的ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)(Mw=
1.63×104(チオフェン環の平均繰り返し数
(n)に換算するとn=98)、Mw/Mn=1.87
(測定値))10mgを、10mlのTHFに室温で溶
解しようとしたが、全てのポリマーを溶解させることは
できず、不溶成分が見られた。従って、その溶液を用い
て導電性透明電極上に実施例と同じ状態の均一な薄膜を
形成するためには、塗布前に濾過の操作が必要であっ
た。
【0058】
【発明の効果】本発明の導電性高分子によれば、繰り返
し単位間の結合の立体規則性が高い上に、単分散に近い
シャープな分子量分布を有し、且つ、比較的低分子量化
されているので、有機溶媒への溶解性に優れるととも
に、その溶液を用いた薄膜形成の際の取り扱いが容易と
なる。また、形成された薄膜は、高分子鎖内及び高分子
鎖間に有効な導電性経路を形成し易く、優れた電気・電
子物性を有している。更に、本発明の導電性高分子の製
造方法によれば、上記の各種利点を有する本発明の導電
性高分子を、低コストで安全且つ容易に製造することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導電性高分子を用いた電気発光素子
の構成例を模式的に表わす断面図である。
【図2】 本発明の導電性高分子を用いた電界効果トラ
ンジスタの構成例を模式的に表わす断面図である。
【図3】 本発明の導電性高分子を用いた太陽電池の構
成例を模式的に表わす断面図である。
【図4】 (a),(b)は何れも本発明の導電性高分
子を用いた印刷配線板の構成例を模式的に表わす断面図
で、(a)は片面配線板、(b)は両面配線板を示して
いる。
【符号の説明】
1 電気絶縁性透明基板 2 導電性透明電極(ホール注入電極) 3 電荷輸送能と発光能を併せ持つ薄膜層 4 対向電極(電子注入電極) 5 ゲート電極 6 絶縁体層又は誘電体層 7 電荷輸送能を有する薄膜層 8 ソース電極 9 ドレイン電極 10 透明絶縁基板 11 導電性透明電極 12 電荷輸送能を有する薄膜層 13 有機薄膜層 14 対向電極 15 絶縁基板 16 導電層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造を有す
    る導電性高分子であって、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し
    たポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.4以下であ
    り、 重量平均分子量(Mw)から求められるチオフェン環の
    平均繰り返し数(n)が30以上86以下であり、且
    つ、 隣り合うアルキルチオフェン環同士の結合様式の92%
    以上が下記一般式(2)で表される立体規則性を示すこ
    とを特徴とする、導電性高分子。 【化1】 ...一般式(1) (上記一般式(1)中、Rは、チオフェン環のβ炭素に
    結合した炭素数4個以上のアルキル基を表し、X及び
    X’はそれぞれ独立に、H,Cl並びにBrからなる群
    より選ばれる元素を表し、nは、チオフェン環の繰り返
    し数を表す。) 【化2】 ...一般式(2) (上記一般式(2)中、Rはそれぞれ独立に、炭素数4
    個以上のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)のRが直鎖状アルキル
    基であることを特徴とする、請求項1記載の導電性高分
    子。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)のRがヘキシル基であ
    るとともに、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(M
    w)が14000以下であることを特徴とする、請求項
    1又は請求項2に記載の導電性高分子。
  4. 【請求項4】 少なくとも、下記一般式(I)により表
    わされるアルキルチオフェン誘導体と、周期表の10族
    に属する元素を含有する遷移金属触媒との反応により、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の導電性高分子を製造
    することを特徴とする、導電性高分子の製造方法。 【化3】 ...一般式(I) (上記一般式(I)中、Mは、Mg又はZnを表し、R
    は、チオフェン環のβ炭素に結合した炭素数4個以上の
    アルキル基を表す。)
  5. 【請求項5】 上記金属触媒としてNi触媒を使用する
    ことを特徴とする、請求項4記載の導電性高分子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 上記一般式(I)により表わされるアル
    キルチオフェン誘導体と上記遷移金属触媒との反応にお
    いて、更にハロゲン化アルキルチオフェンを共存させる
    ことを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の導電
    性高分子の製造方法。
  7. 【請求項7】 電荷輸送能を有する層が、請求項1〜3
    の何れか一項に記載の導電性高分子を含有することを特
    徴とする、電気−光変換素子。
  8. 【請求項8】 電荷輸送能を有する層が、請求項1〜3
    の何れか一項に記載の導電性高分子を含有することを特
    徴とする、電気・電子素子。
  9. 【請求項9】 電荷輸送能を有する層が、請求項1〜3
    の何れか一項に記載の導電性高分子を含有することを特
    徴とする、光−電気変換素子。
  10. 【請求項10】 配線層が、請求項1〜3の何れか一項
    に記載の導電性高分子を含有することを特徴とする、電
    気配線板。
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