JP5339632B2 - 火災検知器の試験器 - Google Patents
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本体の前面側には、検査対象となる検知器の受光ガラスと相似形に形成された開口部が形成され、この開口部から炎検知器を試験するための試験用光源を検知器に向けて照射できるようになっている。
しかし、試験器は1.5Kgほどの重量があり、しかも保持する位置が目線よりも高い位置であることから、重量物を高い位置に所定時間保持する必要があり検査員の負担になっている。
前面に設けられた開口部から試験光を発光する装置を内蔵した筐体と、該筐体に設けられた取っ手と、前記筐体を前記火災検知器が設置された壁面又は火災検知器に一時的に保持させる保持手段を備え、
前記保持手段は、前記火災検知器の前面又は検知面に吸着する吸盤からなり、該吸盤が前記試験器の開口部の全周に亘って設けられていることを特徴とするものである。
また、吸盤が試験器の開口部の全周に亘って設けられているので、吸盤が開口部の周囲を遮光する機能を有し、外光の悪影響を防止できる。
本発明の一実施の形態は、火災検知器の一つの態様である炎検知器の試験器である。
本実施の形態に係る炎検知器の試験器1は、図1、図2に示すように、外形が直方体状の筐体3を備えてなり、背面側には検査員が保持する取っ手5が設けられている。筐体3の前面側には楕円状の開口部7が設けられ、開口部7内は凹陥して、その内部の中央には遮光板9と、遮光板9の左右には投射窓11が設けられ、投射窓11の内側には試験用光源12が設置されている。試験光源12は、炎検知器に模擬的な試験光を投射して、炎検知器の動作を試験させるものである。
筐体3の下部にはアクリル樹脂で形成された光屈折機能を有する光伝達材17が設置されており、炎検知器に設けられた動作確認灯の点灯を筐体3の外部から確認できるようになっている。
筐体3の背面側には試験光を切換える切換スイッチ19や試験光源12を点灯させる電源スイッチ21などの各種のスイッチ類が設置されている。
また、筐体3の前面側の四隅には、本発明の保持手段の一態様としての電磁石23が設置されている。この電磁石23は、トンネルの壁面に設けられた化粧板25と接着する面が、試験器1の前面に設けられたラバープレート15と面一に設けられている。さらに筐体3の背面には電磁石23に電流を流して電磁石23を起動させたり、電流を遮断して電磁石23の起動を停止させたりする。つまり電磁石への通電を入り切りする電磁石スイッチ24が取っ手5に設けられている。電磁石スイッチ24によって起動された電磁石23は、試験器1をトンネル壁面と平行な位置で保持できる程度の電磁力を筐体の前面に付与している。そして、この電磁力によって1.5kgほどの重量がある試験器1をトンネルの壁面に設けられた炎検知器26と密着した状態で保持できる。
検査員は、試験器1の取っ手5を持って、図3に示すように、試験器1の開口部7をトンネルの壁面に設置された炎検知器26に被せるようにしてラバープレート15を、壁面の化粧板25に押し付ける。その状態で電磁石スイッチ24をONにして、電磁石23を起動させる。電磁石23を起動させることで、試験器1をトンネル壁面の化粧板25に吸着させることができる。試験器1を化粧板に吸着させた状態で、検査員は試験器1から手を放すことができ、背面側のスイッチ類の操作を行って、試験光源12を点灯させる。
このように、電磁石23を起動させているときには、試験器1は電磁石23の電磁力で化粧板25に吸着して保持されているので、検査員は取っ手5から手を外すことができ、これによって検査員の負担を軽減させることができる。また、取っ手5から手を放すことができることから、筐体3の背面側にあるスイッチ類の操作も円滑に行うことができる。スイッチ類の操作を行い、試験光源12が試験光を投射すると、炎検知器26は試験光を火災と判断し、火災信号を発信すると共に、炎検知器26に設けられた動作確認灯が点灯する。そして、この動作確認灯が光伝達材17によって外部に導かれ、この動作確認灯の光を検査員が目視によって確認することで、炎検知器が動作しているかを試験している。
本発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。
本実施の形態の火災感知器の試験器27は、試験器27を壁面25側に保持させる保持手段として、実施の形態1の電磁石23に代えて吸盤28を用いたものであり、その他の構成は実施の形態1と同様である。吸盤28は、開口部7の周縁部の全周に亘って設ける。吸盤28は、炎検知器26の前面又はガラス面26aに吸着させるようにする。このガラス面26aは、炎検知器26の内部に設けられた図示しない炎検出部を傷や汚れから守るもので、化粧板25より突出するように形成されている。
なお、吸盤28の周縁部における背面側(吸着面と反対面側)の一部に摘み部29を設け、取外し時に作動させる、つまりこの摘み部29を引っ張ることで吸盤28をガラス面26aから容易に取外しできるようにするのが好ましい。
また、本実施の形態においては、吸盤28が試験器27の開口部7の全周に亘って設けられているので、吸盤28が開口部7の周囲を遮光する機能を有し、外光の悪影響を防止できる。
本発明の実施の形態3を図5に基づいて説明する。
本実施の形態の炎検知器の試験器30は、試験器30を壁面25側に保持させる保持手段として、実施の形態1の電磁石23に代えて、壁面25側にフック31を設けると共に試験器30側にフック31が挿入可能な孔部33を設けたものであり、その他の構成は実施の形態1と同様である。
壁面に設けられた化粧板25側に設けるフック31は、例えば、道路側に向かって円弧を描くように突出している。これに対応するように、試験器30側の孔部33も、試験器30の前面の上部に、円弧状の孔が形成されており、この孔部の全長はフック31と同じかそれ以上の長さである。そして、試験器30の前面上部に形成された孔部33にフック31を挿入すると、試験器30の前面下部は、化粧板25に当接する。また、フック31の個数とそれに対応する孔部33はそれぞれ一対に限定される必要はなく、複数対設けても良い。また、フック31の形状は円弧に限定される必要はなく、直線状の棒や波状の平板であっても良い。
なお、試験器30の開口部7の上側をフック31で止めるのみでは、試験器30の下部が不安定になる場合には、試験器30の下部に壁面25に係止する係止部を設け、筐体3が壁面25から離れないように筐体3の動きを規制するのが好ましい。
また、本実施の形態においては、壁面25に設置したフック31によって試験器30を保持するようにしたので、フック31の位置が予め決まっていることから、試験器30を常に正しい位置に保持させることができる。
本発明の実施の形態4を図6に基づいて説明する。
本実施の形態の炎検知器の試験器34は、試験器34を壁面25側に保持させる手段として、実施の形態1の電磁石23に代えて、炎検知器側に挿入孔35を設けると共に試験器34側に挿入孔35に挿入可能な支柱37を設け、該支柱37を挿入孔35に挿入することによって試験器34を壁面25に保持させるというものであり、その他の構成は実施の形態1と同様である。
支柱37は試験器34の筐体3の前面側の四隅に前面側に突出するよう設け、炎検知器26側には支柱37に対応する位置に支柱37の外径とほぼ同じ内径かつ支柱37の全長と同じ長さの挿入穴35を設けるようにする。
なお、支柱37やこれに対応する挿入孔35の位置や数は上記の例に限定されるものではなく、支柱37を挿入孔35に挿入して試験器34を壁面25に保持できる態様であれば種々の態様を含む。例えば、支柱37の位置と数に関して言えば、筐体3の上辺の両端に2本設けるものや、筐体3の上辺と下辺の中央部に各1箇所設けるものや、筐体3の対角線上に2箇所設けるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、壁面25に設けた挿入孔35に支柱37を挿入することによって試験器34を保持するようにしたので、挿入孔35の位置が予め決まっていることから、試験器34を常に正しい位置に保持させることができる。
また、実施の形態2〜4の組み合わせの他の態様としては、実施の形態2の吸盤28と実施の形態3のフック31または実施の形態4の「挿入孔35と支柱37」の組み合わせも可能である。この場合にも、保持力は吸盤28の吸着力で賄うようにしてフック31や、「挿入孔35と支柱37」は位置決めとして機能させるようにしてもよい。
また、電磁石の代わりに永久磁石を用いても良い。
7 開口部 9 遮光板 11 投射窓
12 試験用光源 13 第2投射窓 14 投射開始用光源
15 ラバープレート 17 光伝達材 19 機種切換スイッチ
21 電源スイッチ 23 電磁石 24 電磁石スイッチ
25 壁面 26 炎検知器 26a ガラス面
27 試験器 28 吸盤 29 摘み部
30 試験器 31 フック 33 孔部
34 試験器 35 挿入孔 37 支柱
50 検査員 51 試験器 53 トンネル
55 炎検知器
Claims (1)
- 壁面に設置された火災検知器に模擬的な試験光を投射して前記火災検知器の検知動作を試験する火災検知器の試験器であって、
前面に設けられた開口部から試験光を発光する装置を内蔵した筐体と、該筐体に設けられた取っ手と、前記筐体を前記火災検知器が設置された壁面又は火災検知器に一時的に保持させる保持手段を備え、
前記保持手段は、前記火災検知器の前面又は検知面に吸着する吸盤からなり、該吸盤が前記試験器の開口部の全周に亘って設けられていることを特徴とする火災検知器の試験器。
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