JP7334771B2 - 溶融物用容器の鉄皮用鋼材、溶融物を収容する容器の鉄皮および溶融物を収容する容器 - Google Patents
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Description
強度も不十分である。特許文献4に記載された鋼材は、Cの含有量が多く、また、Cu、Ni、Crも含有しているので、炭素等量が高く引張強度も高い。しかしながら、Pcmが0.24%を超えるので、溶接性が悪く、低温割れ感受性が高いという問題がある。本発明は、上記課題を解決し、低温割れ感受性が低く、SR割れが生じず、高温クリープ強度を確保した高引張強度の溶融物容器の鉄皮用鋼材、当該鋼材からなる溶融物を収容する容器の鉄皮および溶融物を収容する容器を提供することを目的とする。
Psr=Cu+Cr+2×Mo+10×V+7×Nb+5×Ti-2・・・(2)
(1)式、(2)式において、各元素は含有量(質量%)であり、元素が含まれない場合は0とする。
(3)式において、各元素は含有量(質量%)であり、元素が含まれない場合は0とする。
Cは、鋼材の強度及び靭性を向上させる。このため、Cの含有量は0.03%以上である必要がある。Cの含有量は0.05%以上であることが好ましい。一方、Cの含有量が0.18%を超えると、Cの含有量の増加に伴い靭性が低下し、溶接低温割れ性が増大する。このため、Cの含有量は0.18%以下である必要がある。Cの含有量は0.13質量%以下であることが好ましい。
Siは、鋼材の強度を向上させる。このため、Siの含有量は0.01%以上である必要がある。一方、Siの含有量が多くなると靭性が低下する。このため、Siの含有量は0.55%以下である必要がある。
Mnは、鋼材の強度および靭性を向上させる。このため、Mnの含有量は0.30%以上である必要がある。Mnの含有量は0.50%以上であることが好ましい。一方、Mnの含有量が多くなると溶接性が低下する。このため、Mnの含有量は1.65%以下である必要がある。Mnの含有量は1.1%以下であることが好ましい。
Pは、鋼材の焼き戻し脆性を増大させ、靭性を低下させるとともに再熱割れ感受性を高める。このため、Pの含有量は0.023%以下である必要がある。Pの含有量は0.015%以下であることが好ましい。
Sは、鋼材の再熱割れ感受性を高める。このため、Sの含有量は0.003%以下である必要がある。Sの含有量は0.001%以下であることがより好ましい。
Moは、鋼材の高温強度、クリープ強度を向上させる。このため、Moの含有量は0.2%以上である必要がある。Moの含有量は0.4%以上であることが好ましく、0.5%以上であるとさらに好ましい。一方、Moの含有量が多くなると鋼材の溶接性が低下し、且つ、経済性も低下する。このため、Mоの含有量は0.7%以下である必要がある。なお、Moの含有量は0.6%以下であることが好ましい。
Nbは、安定な炭窒化物生成元素であり、鋼材の強度および高温強度、クリープ破断強度を向上させる。このため、Nbの含有量は0.005%以上である必要がある。Nbの含有量は0.02%以上であることが好ましい。一方、Nbの含有量が多くなると靭性や溶接性を低下させるとともに、再熱割れ感受性が高くなる。このため、Nbの含有量は0.03%以下である必要がある。
Caは、硫化物(サルファイド)形成元素であり、鋼中の固溶Sを固定し、鋼材の再熱割れ感受性を改善する。さらにCaは、酸化物(オキシサイド)系介在物の分布を制御し、鋼材の再熱割れ感受性も改善する。このため、Caの含有量は0.001%以上である必要がある。Caの含有量は0.002%以上であることが好ましい。一方、Caの含有量が多くなると靭性を低下させるとともに再熱割れが生じやすくなる。このため、Caの含有量は0.005%以下である必要がある。
sol.Alは、脱酸材として添加され、また、焼きならし時などのNの固定にも有効であり、鋼材の靭性も向上させる。このため、sol.Alの含有量は0.018%以上である必要がある。一方、sol.Alの含有量が多くなると溶接部の再熱割れ感受性や高温延性を低下させる。このため、sol.Alの含有量は0.04%以下である必要がある。
Oは、酸化物(オキシサイド)系介在物の生成により、鋼材の延靭性や溶接性を低下させ、且つ、再熱割れ感受性を高める。このため、Oの含有量は0.0035%以下であることが必要である。
鋼材の溶接部の低温割れを抑制するため、Pcmは0.24%以下である必要がある。なお、Pcmは下記(1)式で算出される。
上記(1)式において、各元素は含有量(質量%)であり、これらの元素が含まれない場合は0とする。なお、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の成分組成に含まれない元素(Cu、Ni、Cr、B)であっても、不可避的不純物として一定量含まれる場合には(1)式で考慮することが好ましい。
鋼材の溶接部のSR割れを抑制するため、Psrは1.0%未満とする。なお、Psrは下記(2)式で算出される。
上記(2)式において、各元素は含有量(質量%)であり、これらの元素が含まれない場合は0とする。なお、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の成分組成に含まれない元素(Cu、Cr)であっても、不可避的不純物として一定量含まれる場合には(2)式で考慮することが好ましい。
Vは、炭化物生成元素で、鋼材の常温強度および高温強度、クリープ破断強度を向上させる。一方、Vの含有量が多くなり過ぎると再熱割れ感受性が高くなる。このためVの含有量は0.30%以下であることが好ましい。Vの含有量は0.18%以下であることがより好ましい。
Nは、鋼材の靭性を低下させる。このため、Nの含有量は0.005%以下であることが好ましい。
Tiは、脱酸元素であると同時に、Nと結合してTi窒化物を形成することで、HAZを細粒化させる。このため、Tiの含有量は0.005%以上であることが好ましい。Tiの含有量は0.01%以上であることがより好ましい。一方、固溶Tiが増加するとHAZ靭性が低下するので、Tiの含有量は0.05%以下であることが好ましい。
上記(3)式において各元素は含有量(質量%)であり、これら元素を含まない場合は0とする。なお、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の成分組成に含まれない元素(Cr)であっても、不可避的不純物として一定量含まれる場合には(3)式で考慮することが好ましい。
Psr=Cu+Cr+2×Mo+10×V+7×Nb+5×Ti-2・・・(2)
ΔG=Cr+3.3×Mo+8.1×V-2・・・(3)
上記(1)、(2)、(3)式において各元素は含有量(質量%)であり、これら元素を含まない場合は0とする。
12 ノッチ
Claims (8)
- 質量%で、
C:0.03~0.18%、
Si:0.01~0.55%、
Mn:0.30~1.65%、
P:0.023%以下、
S:0.003%以下、
Mo:0.2~0.7%、
Nb:0.005~0.03%、
Ca:0.001~0.005%、
sоl.Al:0.018~0.04%、
O:0.0035%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
下記(1)式で算出されるPcmが0.24%以下であり、
下記(2)式で算出されるPsrが1.0%未満であり、
引張強度が500~680MPaである、溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B・・・(1)
Psr=Cu+Cr+2×Mo+10×V+7×Nb+5×Ti-2・・・(2)
(1)式、(2)式において、各元素は含有量(質量%)であり、元素が含まれない場合は0とする。 - 前記引張強度が580~650MPaである、請求項1に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
- 前記成分組成は、さらに質量%で、
V:0.30%以下を含有する、請求項1または請求項2に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。 - 前記成分組成は、さらに質量%で、
N:0.005%以下、
Ti:0.005~0.05%のうちから選ばれる1種以上を含有する、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。 - 下記(3)式で算出されるΔGが0.0%以上1.0%未満である、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
ΔG=Cr+3.3×Mo+8.1×V-2・・・(3)
(3)式において、各元素は含有量(質量%)であり、元素が含まれない場合は0とする。 - 前記溶融物用容器は、混銑車、高炉鍋、溶銑装入鍋または溶鋼用取鍋である、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
- 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材からなる、溶融物を収容する容器の鉄皮。
- 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材からなる鉄皮を有する、溶融物を収容する容器。
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JP2000192142A (ja) | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Nkk Corp | 低降伏比耐火鋼材の製造方法 |
JP2002241888A (ja) | 2001-02-16 | 2002-08-28 | Nippon Steel Corp | 高温強度が高く且つ溶損が少ない溶融亜鉛釜用鋼 |
JP2008121068A (ja) | 2006-11-13 | 2008-05-29 | Jfe Steel Kk | 転炉鉄皮用鋼材 |
JP5339632B2 (ja) | 2010-03-29 | 2013-11-13 | 能美防災株式会社 | 火災検知器の試験器 |
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