JP7334771B2 - 溶融物用容器の鉄皮用鋼材、溶融物を収容する容器の鉄皮および溶融物を収容する容器 - Google Patents

溶融物用容器の鉄皮用鋼材、溶融物を収容する容器の鉄皮および溶融物を収容する容器 Download PDF

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Description

本発明は、溶融物用容器の鉄皮用鋼材、溶融物を収容する容器の鉄皮および溶融物を収容する容器に関する。
転炉鉄皮用鋼材は、鉄皮が溶損したり、変形したりした場合、溶接により補修されるため、SM400等Ceqや、低温割れ感受性が低いものが使用されていた。しかしながら、近年では、高操業を維持するため、高温の使用状態で長寿命を有することが求められ、Moが添加されたSB450Mなど高温クリープ強度に優れるものが使用されるようになってきている。
例えば、特許文献1には、転炉鉄皮用厚鋼板およびその製造方法に関し、中常温圧力容器用高強度鋼はSB42(SB410)やSM50(SM490)などより高温強度が優れるものの、経年劣化により脆性亀裂を生じることがあるところ、Mo,Vの複合添加で高温強度を確保し、低Pcmで低温割れを防止し、更に微細組織とすることで高温時効による脆化を防止した転炉鉄皮用厚鋼板が開示されている。
特許文献2には、鉄皮などに用いられる高温強度に優れた炭素鋼の製造方法に関し、Cr-Mo成分系の鋼をAr3よりも高い温度からAr1直上まで連続して熱間圧延することにより、450℃における高温強度と長時間クリープ特性に優れるものとすることが開示されている。
特許文献3には、転炉鉄皮用鋼材に関し、Moの添加、もしくはMoに加えて、Ni、Cr、Nb、Vのうち一種を添加することで高温クリープ強度を確保し、その際問題となるSR割れを、P、S、N、Oを低く制限するとともに、Psrを0%未満に低く制限し、且つCaを添加することで防止することが開示されている。
特許文献4には、高温で使用される0.5Mo%鋼に関して、Cr、V、B、Alを含有し、Nを低く制限することで高温強度を確保し、CaまたはMg、REMのうち一種以上を含有し、クリープ脆化感受性と再熱割れ(SR割れ)感受性劣化を抑制することが開示されている。
特開平5-271858号公報 特開平5-320753号公報 特許第5050495号公報 特開平11-36043号公報
しかしながら、特許文献1に記載の鋼材が使用された転炉用鉄皮では、長期間の使用による高温クリープによる変形が顕在化している。このため、さらに高温クリープ強度に優れた鋼材が要求されるようになってきている。また、転炉用鉄皮のように高温溶融物を収容する容器の鉄皮は溶接により製造され、製造後SR処理(再熱処理)される。このため、低温割れ感受性が低いことの他にSR割れが生じないことも要求される。特許文献2に記載の鋼材は、Mo、Nb、Vの含有量が少なく、常温強度、高温強度とも比較的低位であり、また、SR割れを防止する成分も添加されていない。このため、Psrが0を超える量のMo、Nb、Vが添加された場合にはSR割れが発生するという問題がある。
特許文献3に記載された鋼材は、引張強度が450MPaレベルと低く、高温クリープ
強度も不十分である。特許文献4に記載された鋼材は、Cの含有量が多く、また、Cu、Ni、Crも含有しているので、炭素等量が高く引張強度も高い。しかしながら、Pcmが0.24%を超えるので、溶接性が悪く、低温割れ感受性が高いという問題がある。本発明は、上記課題を解決し、低温割れ感受性が低く、SR割れが生じず、高温クリープ強度を確保した高引張強度の溶融物容器の鉄皮用鋼材、当該鋼材からなる溶融物を収容する容器の鉄皮および溶融物を収容する容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 質量%で、C:0.03~0.18%、Si:0.01~0.55%、Mn:0.30~1.65%、P:0.023%以下、S:0.003%以下、Mo:0.2~0.7%、Nb:0.005~0.03%、Ca:0.001~0.005%、sоl.Al:0.018~0.04%、O:0.0035%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、下記(1)式で算出されるPcmが0.24%以下であり、下記(2)式で算出されるPsrが1.0%未満であり、引張強度が500~680MPaである、溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B・・・(1)
Psr=Cu+Cr+2×Mo+10×V+7×Nb+5×Ti-2・・・(2)
(1)式、(2)式において、各元素は含有量(質量%)であり、元素が含まれない場合は0とする。
[2] 前記引張強度が580~650MPaである、[1]に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
[3] 前記成分組成は、さらに質量%で、V:0.30%以下を含有する、[1]または[2]に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
[4] 前記成分組成は、さらに質量%で、N:0.005%以下、Ti:0.005~0.05%のうちから選ばれる1種以上を含有する、[1]から[3]の何れか1つに記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
[5] 下記(3)式で算出されるΔGが0.0%以上1.0%未満である、[1]から[4]の何れか1つに記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
ΔG=Cr+3.3×Mo+8.1×V-2・・・(3)
(3)式において、各元素は含有量(質量%)であり、元素が含まれない場合は0とする。
[6] 前記溶融物用容器は、混銑車、高炉鍋、溶銑装入鍋または溶鋼用取鍋である、[1]から[5]の何れか1つに記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
[7] [1]から[5]の何れか1つに記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材からなる、溶融物を収容する容器の鉄皮。
[8] [1]から[5]の何れか1つに記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材からなる鉄皮を有する、溶融物を収容する容器。
本発明に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材は、低温割れ感受性が低く、SR割れが生じず、高温クリープ強度を確保した高引張強度の鋼材となる。当該鋼材を、溶融物を収容する容器の鉄皮に用いることで、当該容器の長寿命化が図れ、且つ、当該容器に溶損や変形が生じた場合に、容易に溶接補修できる容器となる。
リング割れ試験に用いたリング割れ試験片10を示す図である。 ビードオン溶接の概要を示す模式図である。
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されない。まず、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の成分組成について説明する。成分組成の説明における元素の含有量の単位の「%」は「質量%」を意味する。
C:0.03%以上0.18%以下
Cは、鋼材の強度及び靭性を向上させる。このため、Cの含有量は0.03%以上である必要がある。Cの含有量は0.05%以上であることが好ましい。一方、Cの含有量が0.18%を超えると、Cの含有量の増加に伴い靭性が低下し、溶接低温割れ性が増大する。このため、Cの含有量は0.18%以下である必要がある。Cの含有量は0.13質量%以下であることが好ましい。
Si:0.01%以上0.55%以下
Siは、鋼材の強度を向上させる。このため、Siの含有量は0.01%以上である必要がある。一方、Siの含有量が多くなると靭性が低下する。このため、Siの含有量は0.55%以下である必要がある。
Mn:0.30%以上1.65%以下
Mnは、鋼材の強度および靭性を向上させる。このため、Mnの含有量は0.30%以上である必要がある。Mnの含有量は0.50%以上であることが好ましい。一方、Mnの含有量が多くなると溶接性が低下する。このため、Mnの含有量は1.65%以下である必要がある。Mnの含有量は1.1%以下であることが好ましい。
P:0.023%以下
Pは、鋼材の焼き戻し脆性を増大させ、靭性を低下させるとともに再熱割れ感受性を高める。このため、Pの含有量は0.023%以下である必要がある。Pの含有量は0.015%以下であることが好ましい。
S:0.003%以下
Sは、鋼材の再熱割れ感受性を高める。このため、Sの含有量は0.003%以下である必要がある。Sの含有量は0.001%以下であることがより好ましい。
Mo:0.2%以上0.7%以下
Moは、鋼材の高温強度、クリープ強度を向上させる。このため、Moの含有量は0.2%以上である必要がある。Moの含有量は0.4%以上であることが好ましく、0.5%以上であるとさらに好ましい。一方、Moの含有量が多くなると鋼材の溶接性が低下し、且つ、経済性も低下する。このため、Mоの含有量は0.7%以下である必要がある。なお、Moの含有量は0.6%以下であることが好ましい。
Nb:0.005%以上0.03%以下
Nbは、安定な炭窒化物生成元素であり、鋼材の強度および高温強度、クリープ破断強度を向上させる。このため、Nbの含有量は0.005%以上である必要がある。Nbの含有量は0.02%以上であることが好ましい。一方、Nbの含有量が多くなると靭性や溶接性を低下させるとともに、再熱割れ感受性が高くなる。このため、Nbの含有量は0.03%以下である必要がある。
Ca:0.001%以上0.005%以下
Caは、硫化物(サルファイド)形成元素であり、鋼中の固溶Sを固定し、鋼材の再熱割れ感受性を改善する。さらにCaは、酸化物(オキシサイド)系介在物の分布を制御し、鋼材の再熱割れ感受性も改善する。このため、Caの含有量は0.001%以上である必要がある。Caの含有量は0.002%以上であることが好ましい。一方、Caの含有量が多くなると靭性を低下させるとともに再熱割れが生じやすくなる。このため、Caの含有量は0.005%以下である必要がある。
sol.Al:0.018%以上0.04%以下
sol.Alは、脱酸材として添加され、また、焼きならし時などのNの固定にも有効であり、鋼材の靭性も向上させる。このため、sol.Alの含有量は0.018%以上である必要がある。一方、sol.Alの含有量が多くなると溶接部の再熱割れ感受性や高温延性を低下させる。このため、sol.Alの含有量は0.04%以下である必要がある。
O:0.0035%以下
Oは、酸化物(オキシサイド)系介在物の生成により、鋼材の延靭性や溶接性を低下させ、且つ、再熱割れ感受性を高める。このため、Oの含有量は0.0035%以下であることが必要である。
Pcm:0.24%以下
鋼材の溶接部の低温割れを抑制するため、Pcmは0.24%以下である必要がある。なお、Pcmは下記(1)式で算出される。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B・・・(1)
上記(1)式において、各元素は含有量(質量%)であり、これらの元素が含まれない場合は0とする。なお、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の成分組成に含まれない元素(Cu、Ni、Cr、B)であっても、不可避的不純物として一定量含まれる場合には(1)式で考慮することが好ましい。
Psr:1.0%未満
鋼材の溶接部のSR割れを抑制するため、Psrは1.0%未満とする。なお、Psrは下記(2)式で算出される。
Psr=Cu+Cr+2×Mo+10×V+7×Nb+5×Ti-2・・・(2)
上記(2)式において、各元素は含有量(質量%)であり、これらの元素が含まれない場合は0とする。なお、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の成分組成に含まれない元素(Cu、Cr)であっても、不可避的不純物として一定量含まれる場合には(2)式で考慮することが好ましい。
また、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材は、必要に応じて以下の元素を含有してもよい。
V:0.30%以下
Vは、炭化物生成元素で、鋼材の常温強度および高温強度、クリープ破断強度を向上させる。一方、Vの含有量が多くなり過ぎると再熱割れ感受性が高くなる。このためVの含有量は0.30%以下であることが好ましい。Vの含有量は0.18%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材は、必要に応じて以下の元素のうちから選ばれる1種以上をさらに含有してもよい。
N:0.005%以下
Nは、鋼材の靭性を低下させる。このため、Nの含有量は0.005%以下であることが好ましい。
Ti:0.005%以上0.05%以下
Tiは、脱酸元素であると同時に、Nと結合してTi窒化物を形成することで、HAZを細粒化させる。このため、Tiの含有量は0.005%以上であることが好ましい。Tiの含有量は0.01%以上であることがより好ましい。一方、固溶Tiが増加するとHAZ靭性が低下するので、Tiの含有量は0.05%以下であることが好ましい。
さらに、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材は、当該鋼材のSR割れ感受性劣化を抑制するため、下記(3)式で算出されるΔGが0.0%以上1.0%未満であることが好ましい。ΔGが0.0%未満の場合は、鋼材の強度を向上させる効果を有するMo、Vの含有量が少ないので強度の向上代が小さくなる。ΔGが1.0%以上の場合は、当該鋼材のSR割れ感受性が高くなる。
ΔG=Cr+3.3×Mo+8.1×V-2・・・(3)
上記(3)式において各元素は含有量(質量%)であり、これら元素を含まない場合は0とする。なお、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の成分組成に含まれない元素(Cr)であっても、不可避的不純物として一定量含まれる場合には(3)式で考慮することが好ましい。
本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材は、上記成分組成を含有し、上記成分組成以外の残部はFe(鉄)および不可避的不純物である。
本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の引張強度(TS)は、500MPa以上680MPa以下である。鋼材の引張強度が500MPa未満の場合、取鍋など板厚を薄くすることが望まれる場合に強度が不足するので好ましくない。引張強度が680MPaを超えると、鋼材の強度が高くなり過ぎ、靭性が低下するので好ましくない。なお、溶融物用容器の鉄皮用鋼材の引張強度(TS)は580MPa以上650MPa以下であることがより好ましい。
鋼材の強度は、一般的に転位運動の障害物となる固溶元素や結晶粒界、析出物、転位の強化によって決まるが、本実施形態においては、MoとNbを適正な含有量の組み合わせで複合添加したことにより、MoとNbの固溶強化作用と析出強化作用の両方が享受され、強度の向上が図られる。また、Vを適正量さらに添加することで、その効果をさらに高めることができる。
本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材の製造条件は特に限定するものではなく、所望する寸法、特性に応じて設定されたスラブ加熱温度、熱間圧延条件、熱処理条件を用いて常法により製造できる。本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材は、高温の溶融物を収容する容器の鉄皮として用いられる。溶融物を収容する容器は、例えば、製鉄所で使用される混銑車、高炉鍋、溶銑装入鍋または溶鋼用取鍋である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。表1に示す成分組成を有する鋼を溶製後、熱間圧延および加速冷却を施して、板厚38mm、50mmの鋼材を製造した。表1に示す鋼材No.1~14のうち、鋼材No1~4が本発明の鋼材である。一方、鋼材No.5~10、12~14は比較例の鋼材であり、鋼材No.11はSM490-FR(従来例)である。表1に各鋼材の成分組成とともに低温割れ感受性指数(Pcm)、SR割れ感受性指数(Psr、ΔG)も合わせて示す。Pcm、PsrおよびΔGは、下記(1)式、(2)式および(3)式でそれぞれ算出した。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B・・・(1)
Psr=Cu+Cr+2×Mo+10×V+7×Nb+5×Ti-2・・・(2)
ΔG=Cr+3.3×Mo+8.1×V-2・・・(3)
上記(1)、(2)、(3)式において各元素は含有量(質量%)であり、これら元素を含まない場合は0とする。
Figure 0007334771000001
得られた各鋼材に対して常温引張試験(JIS Z 22014号試験片を用い、JIS Z 2241に準拠)、クリープ破断試験(JIS Z2271に準拠)およびシャルピー衝撃試験(JIS Z 2202に準拠した2mmVノッチ試験片を用い、JIS Z 2242に準拠し、試験温度0℃、試験本数3本の平均値)を実施した。
また、溶接部のSR割れ特性を評価するため、SR割れ性評価をJIS Z 3158に準拠したy割れ試験片を用い、斜めy割れ試験片を溶接した後にSR割れ性評価(600℃×3h)を実施し、断面割れ率を測定した。
さらに、一部の鋼材については、追加でリング割れ試験によるSR割れ性評価を実施した。図1は、リング割れ試験に用いたリング割れ試験片10を示す図である。図1(a)は、リング割れ試験片の正面図であり、図1(b)は右側面図であり、図1(c)は、図1(b)のA部拡大図である。図1に示したリング割れ試験片10を用いて、溶接部の耐SR割れ特性を評価した。
図2は、ビードオン溶接の概要を示す模式図である。図2に示すように、鋼材(板厚20mm)にビードオン溶接を行い、その溶接熱影響部(HAZ)にリング割れ試験片10のノッチ12が位置するようしてリング割れ試験片10を作製した。作製したリング割れ試験片10に外力を加え、スリット間隔を0.05mmとした状態でスリット部の溶接を行い、溶接後にSR(600℃×3h)を実施し、断面割れ率を測定した。ビードオン溶接条件(CO2アーク)は、360A-37V-20cm/min、入熱40kJ/cm、予熱温度150℃である。また、リング割れ試験片10のスリット溶接条件(TIG)は、110A(ピーク)-13V(5~8s)、スリット間隔0.05mm(万力加圧)である。溶接後熱処理は、600℃×3h、加熱速度95℃/h、冷却速度65℃/hである。表2に常温強度、伸び、クリープ破断試験、シャルピー衝撃試験、SR割れ試験(斜めy割れ試験、リング割れ試験)の結果を示す。
Figure 0007334771000002
発明例1~4の鋼材は、常温強度、クリープ破断強度、シャルピー衝撃値が比較例(鋼材No5~10、12~14)の鋼材と同等またはそれ以上で、且つ、溶接部のSR割れ、低温割れは確認されなかった。また、従来鋼(鋼材No11)と比較しても、常温強度が同等またはそれ以上で、シャルピー衝撃値、耐SR割れ特性に優れていることが確認された。これらの結果から、本実施形態に係る溶融物用容器の鉄皮用鋼材は、低温割れ感受性が低く、SR割れが生じず、高温クリープ強度が確保された高引張強度の鋼材となることが確認された。このような鋼材を、溶融金属や溶融スラグ等の高温溶融物を収容する容器の鉄皮に用いることで、当該容器の長寿命化が図れ、且つ、当該容器に溶損や変形が生じた場合に、容易に溶接補修できる容器となる。
10 リング割れ試験片
12 ノッチ

Claims (8)

  1. 質量%で、
    C:0.03~0.18%、
    Si:0.01~0.55%、
    Mn:0.30~1.65%、
    P:0.023%以下、
    S:0.003%以下、
    Mo:0.2~0.7%、
    Nb:0.005~0.03%、
    Ca:0.001~0.005%、
    sоl.Al:0.018~0.04%、
    O:0.0035%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    下記(1)式で算出されるPcmが0.24%以下であり、
    下記(2)式で算出されるPsrが1.0%未満であり、
    引張強度が500~680MPaである、溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B・・・(1)
    Psr=Cu+Cr+2×Mo+10×V+7×Nb+5×Ti-2・・・(2)
    (1)式、(2)式において、各元素は含有量(質量%)であり、元素が含まれない場合は0とする。
  2. 前記引張強度が580~650MPaである、請求項1に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
  3. 前記成分組成は、さらに質量%で、
    V:0.30%以下を含有する、請求項1または請求項2に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
  4. 前記成分組成は、さらに質量%で、
    N:0.005%以下、
    Ti:0.005~0.05%のうちから選ばれる1種以上を含有する、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
  5. 下記(3)式で算出されるΔGが0.0%以上1.0%未満である、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
    ΔG=Cr+3.3×Mo+8.1×V-2・・・(3)
    (3)式において、各元素は含有量(質量%)であり、元素が含まれない場合は0とする。
  6. 前記溶融物用容器は、混銑車、高炉鍋、溶銑装入鍋または溶鋼用取鍋である、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材。
  7. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材からなる、溶融物を収容する容器の鉄皮。
  8. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の溶融物用容器の鉄皮用鋼材からなる鉄皮を有する、溶融物を収容する容器。
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