JP5335502B2 - 耐食性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Description

本発明は焼入れ後、或いは焼入れ焼戻し後の耐食性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼に関する。より詳しく言えば、本発明は洋食器ナイフや織機部品、工具、二輪ディスクブレーキ等の製造に用いられ、所定の硬度を有する場合に於いて、優れた耐食性を有するマルテンサイト系ステンレス鋼に関する。
マルテンサイト系ステンレス鋼の一般的な用途と使用されている鋼種を簡単に整理すると、洋食器ナイフ(テーブルナイフ)やはさみ、織機部品、ノギス等の工具には、SUS420J1、 SUS420J2鋼が一般に用いられ、更に高い硬度が必要となる洋式包丁や果物ナイフ等においてはSUS440A鋼が用いられている。また、二輪ディスクブレーキや鉄筋等の構造部材には、SUS410鋼が一般に用いられる。この様な用途においては、防錆のためのメッキや塗装、防錆油の使用が困難であることと、磨耗に強い高い硬度が必要とされるからである。これらマルテンサイト系ステンレス鋼の規格はC量によって規定されており、SUS410はC:0.15%以下でCr:11.5〜13.5%、SUS420J1はC:0.16〜0.25%でCr:12〜14%、SUS420J2はC:0.26〜0.40%でCr:12〜14%、SUS440AはC:0.60〜0.75%でCr:16〜18%と区分されている。C量が高いほど高い焼入れ硬度が得られる反面、製造性や焼入れ後の靭性が低下するため、SUS410系では焼入れ状態で使用され、SUS420系は焼入れ後に、焼戻しを行なって靭性を改善することが一般である。
これらステンレス鋼の耐食性については、一般に成分で整理され、Cr、Mo、Nの添加により向上することが知られている。各元素の効果について多くの検討がなされており、マルテンサイト系ステンレス鋼においても、耐孔食性指数PRE=Cr+3.3Mo+16Nで整理でき、この値が大きいほど耐食性が向上すると報告されている。また、当該鋼は焼入れ後に研摩して使用される場合があるため、Alなどを下げることで、大型の介在物を避け研摩性を向上させることも必要とされる。
これらの知見を特許文献で説明する。まず、下記特許文献1では、Cr:12〜16%、Mo:1.3〜3.5%、N:0.06%〜0.13%を含有する耐銹性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼線材について記載されている。
窒素は耐食性の向上に有効であるほか、オーステナイト域を広げる、安価な元素であるが、溶解鋳造時に固溶限を超えた窒素が気泡を造り、健全な鋼塊が得られないことが問題となる。窒素の固溶限は成分や雰囲気の気圧によって変わる。成分としてはCr、C量の影響が大きく、SUS420J1,SUS420J2等のマルテンサイト系ステンレス鋼を大気圧下で鋳造した場合、窒素の溶解量は約0.1%程度と一般に報告されている。特許文献2においても、ピンホール欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼として、N:0.06〜0.10%にすることが記載されている。
より高い耐錆性を得る試みとして、大気圧を超える高圧力下で鋳造する技術も開発されている。例えば、特許文献3では、加圧可能な溶解炉で溶解鋳造したN:0.40%から0.80%、Cr:13.0%〜20.0%、Mo:0.2%〜4.0%を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼について記載されている。
このように、耐錆性と製造性を両立させたマルテンサイト系ステンレス鋼は種々提案されている。
しかしながら、本発明者らの検討で、先に言及した特許文献1において、耐銹性を向上させるMoは、高価な元素であると共に、オーステナイト単相温度域、即ち焼入れ加熱温度範囲を狭めるために焼入れ性を損ねることが問題であった。また、多量の合金元素を添加することで、焼入れ後に残留オーステナイトが生じ、サブゼロ処理が必要になる場合があった。また、焼戻し軟化抵抗が高くなるために、製造工程で焼戻しに必要な熱処理時間が長時間化するようになり、生産性の低下も問題であった。
また、下記特許文献2に記載された方法、すなわちピンホール欠陥を出さず、耐食性向上の為に窒素を0.06%〜0.10%添加する技術は、特許文献1でも同様に行なわれていたが、窒素添加に伴う耐食性向上の反面、固溶窒素量が、焼入れ硬度に大きく影響するため、窒素量を厳密に制御することが必要になり、製造に手間が掛かる問題があった。また、固溶Nによる耐食性の向上は0.1%N添加でも、Cr量に換算すると1.6%の効果しかないため、耐食性の向上手段としては十分でなかった。
更に、下記特許文献3に記載された方法では、鋳造雰囲気を加圧するために専用の設備が必要となるほか、大量生産に不向きであることが問題であった。
特開平5−287456号公報 特開2005−163176号公報 特開2005−248263号公報
一般に、ステンレス鋼の耐食性はその成分で整理され、PRE=Cr+3.3Mo+16Nといった指標で整理され、この数値が高いほど高い耐食性を有する。このときの耐食性とは、中性の塩化物水溶液環境をさすものであり、評価方法として、例えばJIS G0577に規定されるステンレス鋼の孔食電位測定方法や、JISZ2371に規定される塩水噴霧試験方法などが上げられる。しかしながら、化学・食品プラントや温水器などの貯水槽、海浜環境で使われる用途以外、すなわち日常的な屋内環境において、高濃度の塩化物水溶液に曝される可能性は極めて少なく、洋食器ナイフとしてSUS420J1鋼が用いられている様に、13%程度のCr量で十分な耐食性が得られる。また、二輪ディスクブレーキでは12%Crで十分な耐食性が得られる。
ところが、これらのマルテンサイト系ステンレス鋼は隙間腐食に弱く、例えば二輪ディスクブレーキ用のSUS410系鋼種では、端面塗装部と母材の隙間を起点にした腐食が起こりやすい。また、SUS420J1やSUS420J2鋼の工具やナイフなどに於いても、品物同士の接触部や、組み立て構造によって生じた隙間部に於いて、腐食が発生することが問題であった。
本発明はこうした現状を鑑みて、隙間構造を形成した場合でも耐食性の良いマルテンサイト系ステンレス鋼板を安価に提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、マルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性に及ぼす成分の影響について調査をし、微量のSn添加がマルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性を大きく向上させることを見出した。このSnによる耐食性向上は焼入れ硬度がビッカース硬度で300〜600の範囲に於いて、顕著に現れるものであり、良好な耐錆性を得るためは、焼入れ、あるいは焼入れ焼戻し後の硬さを制御することが非常に重要であるとの知見を得たものである。その要旨とするところは以下の通り。
質量%で、C:0.03〜0.25%、Si:0.25〜0.60%、Mn:2.0%以下、P:0.035%以下、S:0.010%以下、Cr:11.0〜15.5%、Ni:0.60%以下、Cu:0.80%以下、Mo:0.05%以下、Sn:0.03〜0.15%、V:0.10%以下、Al:0.03%以下、N:0.01〜0.08%、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼組成を有し、かつ、SnとNの範囲がマルテンサイトの耐食性指数MCIを表す下記(A)式を満たすと共に、焼入れ硬さがビッカース硬度で300〜600HVであることを特徴とする耐食性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼。
MCI=0.0016−(0.65Sn−0.059)+(N−0.050)≧0. ・・・(A)
但し、Sn、Nは質量%
マルテンサイト系ステンレス鋼に0.03〜0.10%のSnを添加し、焼入れ、或いは焼入れ焼戻し後の硬度をビッカース硬度で300〜600HVに制御することによって、高価なMoを積極的に添加することなく、また加圧鋳造などの特殊鋳造設備を必要としない、大気圧下で製造可能なレベルの窒素量で、耐食性に優れた、マルテンサイト系ステンレス鋼を安価に提供することが可能になった。
硬度とSn添加が耐食性に及ぼす影響を示す図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、マルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性向上方法を種々検討する中で、特定のマルテンサイト系ステンレス鋼に於いては、微量のSn添加が有効であることを見出した。すなわち、Snは適量の窒素と共存することにより、不動態皮膜を強化して耐食性を向上させる作用を持つ。その際にSnの効果は0.03以上で現れるが0.15%以上添加しても耐食性を更に向上させる効果は認められない。一般的に、PREがCr+3.3Mo+16Nとして表されるように、Cr, Mo, N等の耐食性に有効な元素は添加量と共に耐食性が向上するのとは対照的であった。
また、ビッカース硬さで300〜600HVにした際にSn添加による耐食性向上効果が初めて得られるものであり、焼入れ或いは、焼入れ焼戻した状態で使用することを前提とする。Snによる耐食性向上効果が、特定の硬度において発揮される機構については、明確に説明出来てはいないが、材料の転位密度の影響と推測される。焼入れ、焼入れ焼戻しした材料はマルテンサイト組織になっており、高い転位密度を有している。この状態で腐食環境に曝された際に、Snが不動態皮膜を強化し、耐食性を向上したものと考えられる。マルテンサイトの転位密度を推し量る簡便な指標として、ビッカース硬度を用い、その最適範囲を300〜600HVとしたものである。最適範囲の硬度に於いてのみSnを含む安定な不動態皮膜が形成され、耐食性を向上させるものと考えられる。硬度の測定方法はロックウエル硬度を選択しても、ビッカース硬さに相当するロックウエル硬さであれば同様の結果が得られる。
以上の知見に基づき本発明は、当該用途におけるマルテンサイト系ステンレス鋼としての最適成分バランスを見出したものである。各成分の限定理由を以下に説明する。なお、以下の説明中、各元素の含有量を示す「%」は特に断りが無い限り「質量%」を示す。
<C:0.03〜0.25%>
Cは焼入れ硬さを支配する元素であり、ビッカース硬度で300HV以上を安定して得るために0.03%以上必要である。一方、過度に添加すると焼入れ硬さが必要以上に上がり、研摩時の負荷が増えるほか、靭性も低下させる。また、未固溶炭化物によって耐食性を損なう問題も生じるため0.25%以下とした。
<Si:0.25〜0.60%>
Siは溶解精錬時における脱酸のために必要であるほか、焼入れ熱処理時の酸化スケール生成を抑制するのにも有効であるため、0.25%以上とした。但し、Siはオーステナイト単相温度域を狭くし、焼入れ安定性を損ねるために、0.60%以下とした。
<Mn:2.0%以下>
Mnは、オーステナイト安定化元素であるが、焼入れ熱処理時の酸化スケール生成を促進し、その後の研摩負荷を増加させるために2.0%を上限とした。好ましくは、Mnの下限は0.42%である。
<P:0.035%以下>
Pは原料である溶銑やフェロクロム等の合金中に不純物として含まれる元素である。熱延焼鈍板や焼入れ後の靭性に対して有害な元素であるため、0.035%以下とした。好ましくは、Pの下限は0.018%である。
<S:0.010%以下>
Sはオーステナイト相に対する固溶量が小さく、粒界に偏析して熱間加工性の低下を促進する元素であり、0.010%を超えるとその影響は顕著になるため0.010%以下とした。好ましくは、Sの下限は0.003%である。
<Cr:11.0〜15.5%>
Crは、マルテンサイト系ステンレス鋼の主要用途に於いて必要とされる耐食性を保持するために、少なくとも11%以上必要である。一方、焼入れ後の残留オーステナイト生成を防止するために、15.5%を上限とした。これらの特性をより効果的にするためには、Crの範囲を好ましくは12〜14%とするのがよい。
<Ni:0.60%以下>
Niは、Mnと同様にオーステナイト安定化元素である。焼入れ加熱時にC、N、Mn等は、脱炭、脱窒や酸化によって表層部から減少し表層部にフェライトを生成する場合があるが、Niは耐酸化性が高いため、表層から減少することが無く、オーステナイト相の安定化に大変有効である。また、焼入れ後の靭性を向上させる効果も有す。しかしながら高価な原料であるため、0.60%以下とした。好ましくは、Niの下限は0.01%である。
<Cu:0.80%以下>
Cuは溶製時のスクラップからの混入等、不可避的に含有される場合が多い、また、オーステナイト安定度を上げるために意図的に添加される場合もある。但し、過度の含有は熱間加工性や耐食性を低下させるので、0.80%以下とした。好ましくは、Cuの下限は0.01%である。
<V:0.10%以下>
Vは合金原料であるフェロクロム等から不可避的に混入する場合が多いが、オーステナイト単相温度域を狭める作用が強いため、0.10%以下とした。好ましくは、Vの下限は0.01%である。
<Mo:0.05%以下>
Moは耐食性向上に有効な元素であるが、焼入れ加熱温度範囲を狭くし、焼入れ後の残留オーステナイト形成を促進する他、焼戻し軟化抵抗を高めて製造性を悪化させるために、その上限を0.05%とした。
<Al:0.03%以下>
Alは脱酸のために有効な元素であるが、スラグの塩基度を上げ、鋼中に可溶性介在物CaSを析出させ、耐食性を低下させる場合がある。また、アルミナ系の非金属介在物による研摩性の低下も引き起こすため、0.03%を上限とした。好ましくは、Alの下限は0.002%である。
<N:0.01%〜0.08%>
NはCと同様に焼入れ硬さを上げる効果を有する。また、Cと異なる効果として耐食性を次の二つの点で向上させる。一つ目は不動態皮膜を強化させる働きであり、もう一つはCr炭化物の析出抑制(Cr欠乏層の抑制)である。これらの効果を得るためにNは0.01%以上とする。但し、過剰な添加はCr炭化物の析出量を極端に低下させ、耐摩耗性を損ねるほか、製造性を損なうため、0.08%以下とした。
<Sn:0.03〜0.15%>
Snには高転位密度を有するマルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性を向上させる作用がある。この作用を得るために0.03%以上の添加が必要である。但し、添加量が0.15%を超えると耐食性が低下する。更に、焼入れ加熱時の表面酸化が不均一になり、研摩性を悪化させるために、0.15%以下とした。
また、SnとNのバランスとして、PREで表せないマルテンサイトの耐食性指数MCIを表す下記(A)式の範囲が望ましい。
MCI=0.0016−(0.65Sn−0.059)+(N−0.050)≧0. ・・・(A)
但し、Sn、Nは質量%
<硬度:300〜600HV>
当該鋼の耐食性は焼入れ、或いは焼入れ焼戻し時の硬度がビッカース硬度で300以上の場合においてのみ発現するものであるため、下限を300以上とした。しかし、硬度が上がりすぎると靭性が低下するほか、耐食性も低下することがあるため、上限を600以下とした。
本発明のポイントである硬度とSn添加量が耐食性に及ぼす影響を図1に示した。本図は、SUH409系、SUS410系、SUS420J1系、SUS420J2系の各鋼種にSnを添加し、焼入れ硬度とSn量が耐食性に及ぼす影響を調べたものである。耐食性の評価は、JIS G 0577の孔食電位測定方法による孔食電位で評価し、Sn無添加時と較べて0.05V以上の向上効果がある領域を示したが、硬度が300〜600HV以上に於いて、また、Snが0.03〜0.15%の範囲に於いて耐食性が向上していることが分かる。特に、Sn:0.05〜0.12%で硬さが350〜500HVの範囲が耐食性の向上こうが効果が大きく望ましい範囲である。
当該鋼の製造においては、熱間圧延時の加熱温度を1140〜1240℃とし、巻き取り温度を700〜840℃とし、熱延板焼鈍をバッチ式焼鈍炉にて700〜900℃で4時間以上行なうことが望ましい。
即ち、熱延加熱温度が1240℃より高くなると、γ単相からγ+δのニ相域となる。δ相には、Cr、Si等が濃化し、C、N、Ni等が負偏析し、焼入れ時のγ単相化を阻害し、焼入れ性を損ねる。逆に1140℃未満になると、凝固偏析を解消するための拡散時間として均熱時間が2時間以上必要となり、熱延の生産性を大きく損ねるために好ましくない。
また熱延後、鋼帯の巻取に際しては、巻き取温度を700〜840℃することが望ましい。700℃未満で巻取るとコイルの最冷部と最熱部の組織差が大きくなり、熱延板焼鈍を施した後も組織差が解消されず材質のコイル内変動を招くために好ましくない。700℃以上にすることで、コイルの冷却に際して、炭化物の析出粗大化が進み軟質化される。また、840℃を超えると、表面に厚い酸化スケールが形成され、脱炭相の形成による耐食性低下や焼入れ後の研摩性不良などの問題を生じるために望ましくない。
次に、熱延板の焼鈍条件であるが、焼入れ前の加工性を良くするため、軟質化させることが必要である。そのためには、連続焼鈍炉では十分な軟質化のための焼鈍時間が確保できないため、バッチ式焼鈍炉にて700〜900℃の温度域に4時間以上保持する熱処理が望ましい。700℃以下や900℃以上では軟質化が不十分になる。即ち、900℃以上で長時間の焼鈍を施すと、フェライトとオーステナイトの二相組織となり、成分分配が進み、材質が不均一になるほか、雰囲気ガスの影響により、表層の窒化や脱炭により表層組織の不均一や材質変化を生じるため、好ましくない。また4時間未満では、コイル内の温度不均一に起因するコイル内材質変動が生じる。
焼入れ熱処理に際しては、950〜1100℃の温度域で、5秒〜10分保定し、焼入れすることが望ましい。加熱温度が950℃以下では炭窒化物の溶体化が不十分で、目的とする焼入れ硬度が得られない。950℃以上にすることで、炭窒化物の溶体化が可能になり、オーステナイトを主体とする組織が得られる。また、加熱温度があまり高くなるとオーステナイト母相にデルタフェライトが析出するようになり、耐食性や焼入れ性を損ねるため、1100℃以下にすることが望ましい。
このときの加熱時間についても、溶体化が進むためには5秒以上必要である。5秒未満では、固溶C,Nが少なく十分な硬度が得られない。一方、10分以上になると、表面酸化が大きくなり、表層の脱炭による焼入れ後の耐食性、硬度の低下を生じるために好ましくない。
表1に示す化学組成値(質量%)を有する鋼を、真空溶解炉にて溶解後、大気圧の不活性ガス窒素雰囲気下で鋳造し、100mm厚みの50kg鋼塊とした。鋼塊は焼きが入っており加工が困難なため、850℃で4時間熱処理後に炉冷することで焼戻した。鋼塊表層の湯皺を研削除去した後、1220℃に加熱し、1時間保定の後、板厚6mmまで熱間圧延し、700℃で巻き取った。引き続き850℃で4時間の熱処理後、炉冷することで焼戻した。引き続き、窒素雰囲気の熱処理炉中で1050℃、10分間保持後、取り出して油焼入れした。得られた焼入れ鋼板を供試材として、下記の方法で焼入れ硬さと、耐食性を評価した。
<硬さ>
板厚断面において、JIS Z 2244に規定されるビッカース硬さ試験に基づいて、試験力49N(HV5、荷重5kg)で測定した。
<耐食性>
焼入れ後の試料表面をフライス盤で研削して平坦化した後、サンドペーパーを用いて600番研摩仕上げとした。JIS G 0577に規定される孔食電位測定試験を行ない、Vc´100を測定し、Sn添加によるVc´100の改善効果が0.05V以上認められた場合を耐食性良好と評価した。Sn無添加時のVc´100は、発明者らの下記経験式(B)を元に算出した。
Vc´100=0.0375×(Cr+3.3Mo+16N)−0.4375・・・(B)
但し、Cr、Mo,Nは質量%
表1に示す結果から分かるように、本発明鋼は、焼入れ、或いは焼入れ焼戻し後の硬さが300〜600HVであり、Sn添加によって無添加に較べて高い耐食性を示していた。
これに対して、本発明範囲を外れる成分では、耐食性が不十分であるか、その他の特性(焼入れ性、原料コスト、熱間加工性、研摩性)が劣るものであり、製造性、品質、コストの面で不合格のものであった。
本発明によれば、Moの様な高価な元素を使うことなく、高硬度でかつ耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼を、安価にかつ生産性良く製造することが可能になる。したがって本発明は、洋食器ナイフやステンレス包丁、工具、二輪ディスクブレーキ用のステンレス鋼製造コスト、品質を大幅に改善することに寄与するものである。
Figure 0005335502
※耐食性の評価は、JIS G 0577で規定されるステンレス鋼の孔食電位測定方法で測定したVc´100がSn添加によってどの程度変化したかをΔEとして表した。Sn添加によってVc´100が高くなった場合はΔEが正の数字を示す。ΔE≧0.05を耐食性良とした。
ここで、Sn無添加時のVc´100は次の経験式(B)を用いた。
Vc´100=0.0375×(Cr+3.3Mo+16N)−0.4375・・・(B)
但し、Cr、Mo,Nは質量%

Claims (1)

  1. 質量%で、
    C:0.03〜0.25%、
    Si:0.25〜0.60%、
    Mn:2.0%以下、
    P:0.035%以下、
    S:0.010%以下、
    Cr:11.0〜15.5%、
    Ni:0.60%以下、
    Cu:0.80%以下、
    Mo:0.05%以下、
    Sn:0.03〜0.15%、
    V:0.10%以下、
    Al:0.03%以下、
    N:0.01〜0.08%、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼組成を有し、
    かつ、SnとNの範囲が下記(A)式を満たすと共に、焼入れ硬さ或いは焼入れ焼戻しによる硬さがビッカース硬度で300〜600HVであることを特徴とする耐食性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼。
    MCI=0.0016−(0.65Sn−0.059)+(N−0.050)≧0. ・・・(A)
    但し、Sn、Nは質量%
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