JP5335413B2 - アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子およびl−ホスフィノスリシンの製造方法 - Google Patents
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子およびl−ホスフィノスリシンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5335413B2 JP5335413B2 JP2008502874A JP2008502874A JP5335413B2 JP 5335413 B2 JP5335413 B2 JP 5335413B2 JP 2008502874 A JP2008502874 A JP 2008502874A JP 2008502874 A JP2008502874 A JP 2008502874A JP 5335413 B2 JP5335413 B2 JP 5335413B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- activity
- polynucleotide
- protein
- seq
- aat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/10—Transferases (2.)
- C12N9/1096—Transferases (2.) transferring nitrogenous groups (2.6)
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P13/00—Preparation of nitrogen-containing organic compounds
- C12P13/04—Alpha- or beta- amino acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P9/00—Preparation of organic compounds containing a metal or atom other than H, N, C, O, S or halogen
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
(i)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(ii)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、1もしくは複数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された塩基配列からなり、かつAAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(iii)配列番号:1で表される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつAAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;および
(iv)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと少なくとも90%の同一性を有する塩基配列を含んでなり、かつAAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(v)配列番号:2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(vi)配列番号:2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつAAT活性を有するタンパク質;
(vii)配列番号:2で表されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされ、かつAAT活性を有するタンパク質;および
(viii)配列番号:2で表されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつAAT活性を有するタンパク質。
本発明によれば、以下の(ix)、(x)、(xi)および(xii)から選択される、ポリヌクレオチド(以下「本発明によるプロモーター」と呼ぶことがある)が提供される:
(ix)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(x)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、1もしくは複数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された塩基配列からなり、かつプロモーター活性を有するポリヌクレオチド;
(xi)配列番号:3で表される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつプロモーター活性を有するポリヌクレオチド;および
(xii)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと少なくとも95%の同一性を有する塩基配列を含んでなり、かつプロモーター活性を有するポリヌクレオチド。
本発明で使用されるStreptomyces hygroscopicus SF1293 NP−50株は、1987年5月20日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託された。受託番号は、FERM BP−1368である。
本発明によるAAT遺伝子は、それによりコードされるタンパク質がAAT活性を有する限り、その由来は特に限定されないが、好ましくは放線菌由来であり、より好ましくは、Streptomyces hygroscopicus由来である。
実施例3によれば、Streptomyces hygroscopicusより単離したAAT遺伝子の全長配列の内、BamHI〜XhoI断片を含む発現ベクターにより形質転換された宿主についてAAT活性を調べたところ、親株の47倍であった。これは、PstI〜XhoI断片を含む発現ベクターにより形質転換された宿主における活性と比べ顕著に高活性であった。このことから、AAT遺伝子のプロモーター領域の内、転写開始点から上流のBamHIサイトまでの配列が強力なプロモーターとして働くことが認められた。上流領域を5’上流から切りつめた場合には、その上流領域により制御される構造遺伝子の発現が低下するのが通常であるが、本発明によるプロモーターは、意外にも、強力なプロモーター活性を有する。
本発明による組換えベクターに使用されるPAT遺伝子は、それによりコードされるタンパク質がPAT活性を有する限り、その由来は特に限定されないが、好ましくは放線菌由来であり、より好ましくは、Streptomyces hygroscopicus由来である。
(ii’)配列番号:4で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、1もしくは複数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された塩基配列からなり、かつPAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(iii’)配列番号:4で表される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつPAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;および
(vi’)配列番号:4で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと少なくとも90%の同一性を有する塩基配列を含んでなり、かつPAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(v’)配列番号:5で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(vi’)配列番号:5で表されるアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつPAT活性を有するタンパク質;
(vii’)配列番号:5で表されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされ、かつPAT活性を有するタンパク質;および
(viii’)配列番号:5で表されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつPAT活性を有するタンパク質。
本発明による組換えベクターは、例えば、Sambrook, J. et al., Molecular cloning: a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York (1989)等に記載される遺伝子組換え技術の慣行法に従って作製することができる。
形質転換される宿主は、使用される組換えベクターの種類に応じて、放線菌、大腸菌、枯草菌、酵母、糸状菌、その他の微生物の中から適宜選択されてよい。宿主として使用できる放線菌としては、Streptomyces hygroscopicus、Streptomyces albus、Streptomyces coelicolor、Streptomyces griseus、Streptomyces lividans、Streptomyces virginiae、Streptomyces viridochromogenes、Streptomyces pilosus、Streptoverticillium cinnamoneum、Streptomyces morookaensis、Nocardia mediterranei 、Nocardopsis dassonvillei、Saccharopolyspora hirsuta、Kitasatosporia phosalacinea、Micromonospora carbonacae、Streptosporangium pseudovulgareが挙げられ、好ましくはStreptomyces hygroscopicusであり、より好ましくは、FERM BP−1368の受託番号のもと独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されたSF1293 NP−50株またはFERM BP−130の受託番号のもと独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されたSF1293株が挙げられる。
酵素反応
本発明による製造方法において使用する放線菌は、AAT活性およびPAT活性を示し、L−ホスフィノスリシンの製造に関与する。具体的には、この放線菌は、OMPB、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸の存在下で、以下の酵素反応の進行に関与する。
本発明による第一の態様の製造方法によれば、AAT活性およびPAT活性を示し、かつL−ホスフィノスリシンを産生することができる放線菌のうち、親株のAAT活性を超えるAAT活性を有する放線菌をL−ホスフィノスリシンの製造に用いることにより、これまでに達成できなかった高効率でL−ホスフィノスリシンを製造することができる。特に、本発明による第一の態様の製造方法では、L−ホスフィノスリシンの製造原料であるグルタミン酸を削減してもなお、L−ホスフィノスリシンを高効率で製造できることから、コスト削減の観点から極めて有利である。
本発明による第二の態様の製造方法によれば、AAT活性およびPAT活性を示し、かつL−ホスフィノスリシンを産生することができる放線菌のうち、親株のAAT活性およびPAT活性を超える活性を有する放線菌をL−ホスフィノスリシンの製造に用いることにより、これまでに達成できなかった極めて高い効率でL−ホスフィノスリシンを製造することができる。特に、本発明による第二の態様の製造方法では、L−ホスフィノスリシンの製造原料であるグルタミン酸を削減してもなお、L−ホスフィノスリシンを高効率で製造できることから、コスト削減の観点から極めて有利である。
本発明による製造方法は、特許第2638541号公報の記載に従って行うことができる。例えば、3%OMPBまたはその塩と0.75%〜3%グルタミン酸またはその塩と3%アスパラギン酸またはその塩との混合液を基質として、これを水酸化ナトリウムにより中和し、pH7.0〜9.5、好ましくは、pH約8.5、温度30〜45℃、好ましくは、37℃の条件で、0.5〜5日間、AAT活性が増強された放線菌あるいはAAT活性およびPAT活性が増強された放線菌を作用させることにより行うことができる。また、変換反応時に、微量のピリドキサルリン酸またはその塩を添加することも可能である。
(1)PCR法による長鎖プローブの作製
a)Streptomyces hygroscopicus のゲノムDNAの調製
Streptomyces hygroscopicus(SF1293 NP−50株、FERM BP−1368)をSPY培地(2%でんぷん、1%ポリペプトン、0.5%イーストエキストラクト、0.05%KH2PO4:pH7.0)に植菌し、28℃で24時間振とう培養した。得られた培養液から遠心分離により菌体を回収し、凍結乾燥した。この凍結乾燥菌体をWO00/24879号公報の実施例B2記載の方法により処理することにより、ゲノムDNAを調製した。
公知のデータベース(DDBJホームページ http://www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome-j.html で利用可能な公共データベース)より得られる2種類の放線菌(Streptomyces virginiaeおよびStreptomyces coelicolor)由来のAATのアミノ酸配列を比較し、ホモロジーのある領域を検索した。その結果、相同性のある2ヶ所のアミノ酸配列(GEPDFPTPおよびKTYAMTGWRVG)を特定し、この部分に対応する2種類の合成オリゴヌクレオチドプライマーを作製した。
SV−GOT−N:
5’−GGCGAGCCCGACTTCCCGACCCCG−3’(配列番号:6)
5’−CCCACGCGCCAGCCGGTCATGGCGTACGTCTT−3’(配列番号:7)
実施例1(1)b)で得られた約0.6kbpの遺伝子バンドをゲルから回収した後、Wizard SV Gel and PCR Clean−up System(プロメガ社製)によりDNAを精製し、TOPO TAクローニングキット(インビトロジェン社製)およびE.coli competent cells JM109(タカラバイオ社製)を使用してサブクローンした。得られたプラスミドをpSH−AATとした。プラスミドpSH−AATの挿入断片の塩基配列を解析したところ、Streptomyces virginiae由来のAATをコードするDNA配列との相同性が確認された(塩基配列の解析装置は、アプライドバイオシステム社製のABI PRISM310 Genetic Analyzerを使用した。シーケンス反応は、同社のDNA sequencing Kit であるdRhodamine Terminator Cycle Sequencing Ready Reactionを用いた。解析用のプライマーは、キット添付のM13プライマーを使用した)。よって、本挿入断片をStreptomyces hygroscopicus由来のAAT遺伝子の部分断片であると判断し、以後の実験のプローブとして用いた。
a)ゲノムDNAのライブラリーの構築
実施例1(1)a)で得られたゲノムDNAをSau3AIで消化した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供し、9〜23kbpのDNA断片をゲルから回収した。回収断片をフェノール処理し、エタノール沈殿により精製した後、λEMBL3/BamHI Vector Kit(ストラタジーン社製)、およびDNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ社製)を用いて、部分消化したゲノムDNA断片とλEMBL3ベクターを連結した。得られたligation mixtureをMaxplax Packaging Extract(エピセンター社製)を用いてパッケージングした後、大腸菌XL1−Blue MRA株に感染させた。この方法により得られた2.0×105個のファージライブラリーを用いて、目的遺伝子のクローニングを行った。
実施例1(1)c)で得られたプラスミドpSH−AATをEcoRIで消化した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供し、約0.6kbpのDNA断片をゲルから回収した。回収したDNA断片をWizard SV Gel and PCR Clean−up System(プロメガ社製)を用いて精製し、DIG High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit I(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を用いてプローブをDIG標識した。
陽性のファージを、前述λEMBL3/BamHI Vector Kit記載の方法に従い大腸菌XL1−Blue MRA株に感染させた後、16時間後にファージ粒子を回収し、Grossbergerの方法(Grossberger, D., Nucleic Acids. Res., 15:6737, 1987)に従い、プロティナーゼKおよびフェノール処理後、エタノール沈殿によりファージDNAを調製した。
実施例1(1)a)で得られたゲノムDNAおよび、実施例1(2)c)で得られたファージDNAを複数の制限酵素でそれぞれ消化した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した。DNAをSouthenの方法(Southern, E. M., J. Mol. Biol., 98:503-517,1975)により、Hybond−N+メンブランに写し取った後、ECF Random−Prime Labelling and Detection System(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いてハイブリダイゼーションを実施した。本システム記載の方法により、30分間のプレハイブリダイゼーション(60℃)の後、熱変性した標識化プローブを添加し、16時間ハイブリダイゼーション(60℃)を行った。プローブは、実施例1(2)b)で得られたpSH−AAT由来の約0.6kbpのDNA断片を、本システム記載の方法によりフルオレセイン標識して用いた。ラベルの洗浄についても本システム記載の方法に従い、まず、0.1%SDSを含む1×SSCで、60℃で15分間洗浄した後、0.1%SDSを含む0.5×SSCで、60℃で15分間洗浄した。更に、本システム記載の方法に従い、アルカリホスファターゼ標識抗フルオレセイン抗体を反応させた後、本システム添付の基質(ECF substrate)を添加し、得られた蛍光バンドをモレキュラーイメージャーFX(バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)で検出した。その結果、ゲノムDNAおよびファージDNAをBamHIで処理した場合に約4.3kbpの共通のバンドが、PstIで処理した場合に約2.7kbpの共通のバンドが、BamHIとXhoIで処理した場合に約1.5kbpの共通のバンドがそれぞれ得られることが明らかとなった。
まず、実施例1(2)c)で得られたファージDNAを制限酵素BamHIで消化した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供し、約4.3kbpのDNA断片をゲルから回収、精製した。得られたDNA断片を、pUC118 BamHI−BAP処理DNA(タカラバイオ社製)に連結し、得られたプラスミドをp118G−411Bとした。同様にファージDNAを制限酵素PstIで処理し、約2.7kbpのDNA断片をゲルから回収した後、pUC118 PstI−BAP処理DNAに連結し、得られたプラスミドをp118G−411Pとした。
(1)プラスミドpHX−01の塩基配列の解析
a)シーケンス反応
シーケンス反応は、BigDye Terminator V3.1 Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステム社製)を用いて実施した。反応には、鋳型DNAとしてプラスミドpHX−01を、プライマーとしては下記の配列を有する合成オリゴヌクレオチドを使用した。
M13−20:5’−CGACGTTGTAAAACGACGGCCAGT−3’(配列番号:8)
M13−R :5’−GGAAACAGCTATGACCATGATTAC−3’ (配列番号:9)
実施例2(1)a)で得られた反応液から、余剰の蛍光色素およびプライマーをエターノール沈殿法により除去した後、サンプルを3730xl DNA Analyzer(アプライドバイオシステム社製)に供した。得られた塩基配列データを基に新規のプライマーを作製し、シーケンス反応・解析を繰り返すことにより、全長を両方向でカバーする配列データを取得した。最後にSequencher(ジーンコード社製)を使用して得られた配列データのアセンブルを実施し、塩基配列を確定した(配列番号:10)。
実施例2(1)b)で決定した配列を用いて、公共のデータベース(DDBJホームページ http://www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome-j.html で利用可能な公共データベース)上の配列との相同性検索を実施した。検索プログラムとしてblastx(DNA配列×アミノ酸配列DB)を使用し、フィルターOFFの条件で検索を行った結果、Streptomyces celicolorのAAT遺伝子と87%、Streptomyces virginiaeのAAT遺伝子と88%の同一性をそれぞれ示した。
(1)発現ベクターpLG04、pSG11の構築
発現ベクターpLG04は図2に示すようにして構築した。また、発現ベクターpSG11は図3に示すように構築した。
Katz, E., J. Gen. Microbiol., 129, 2703-2714, 1983に記載のプラスミドpIJ702を制限酵素PstI、SacIで切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した後、約4.9kbpのDNA断片をゲルから回収、精製した。次に、pUC19(タカラバイオ社製)も同様にPstI、SacIで切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した後、DNA断片をゲルから回収、精製した。得られた2種類のDNA断片をDNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ社製)を用いて連結し、プラスミドpSYTL03を構築した(図2)。
まず、実施例3(1)a)で得られたプラスミドpSYTL03を制限酵素HindIII、EcoRIで切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した後、約4.9kbpのDNA断片をゲルから回収し、DNAを精製した。次に、実施例1(2)e)で得られたプラスミドpHX01も同様に制限酵素HindIII、EcoRIで切断し、電気泳動後、約2.9kbpのDNA断片をゲルから回収し、精製した。これら2種類のDNA断片をDNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ社製)を用いて連結し、得られたligation mixtureを放線菌Streptomyces lividansに形質転換した。Streptomyces lividansの形質転換は、Thompsonの方法(Thompson, C. J., J. Bactriol., 151:668-677, 1982)に従い実施した。Streptomyces lividansプロトプラスト、ligation mixture、T培地を混合した後、20%ポリエチレングリコール1000を添加してDNAを導入し、R2YE agarプレート(20ml培地/プレート)上で30℃、一晩培養した。その後、100μg/mlのチオストレプトン2mlをプレート一枚に重層した(チオストレプトン終濃度10μg/ml)。30℃で更に数日間培養し、形成したコロニーを形質転換体とした。得られた形質転換体を10μg/mlのチオストレプトンを含む80ml YEME培地で30℃、2日間、振とう培養した後、培養液からプラスミドDNAを調製した。Streptomyces lividans形質転換体からのプラスミドDNAの調製は、QIAfilter Plasmid Midi Kit(キアゲン社製)を使用し、キット添付の説明書に従い実施した。ただし、菌体の溶菌を促進させるため、キット添付のbuffer P1に終濃度10mg/mlになるようリゾチームを添加し、本溶液で菌体を室温で30分、プレインキュベートするという前処理工程を追加して実施した。培養液20mlよりDNAを回収し、最終的に50μlのTE bufferに溶解した。複数の形質転換体を処理し、得られたプラスミドDNAを制限酵素HindIII、EcoRIで切断後、0.8%アガロース電気泳動に供し、切断パターンを確認した。約2.9kbpと約4.9kbpのバンドを呈するプラスミドDNAを目的のDNAとして選択し、これを発現ベクターpLG04とした(図2)。
実施例1(2)e)で得られたプラスミドpHX01を制限酵素BamHIで切断し、電気泳動後、約1.5kbpのDNA断片をゲルから回収し、精製した。このDNA断片をpUC118 BamHI−BAP処理DNA(タカラバイオ社製)に連結し、得られたプラスミドをp118−G1とした(図3)。
a)プロトプラストの調製
Streptomyces hygroscopicus(SF1293 NP−50株、FERM BP−1368)の菌株ストック(凍結乾燥菌体)を10mlのS1培地(2%でんぷん、1%ポリペプトン、0.3%モルトエキストラクト、0.05%K2HPO4;pH7.0)に植菌し、28℃で40時間、振とう培養した。得られた培養液のうち2mlを、5%グリシンを含む80mlのS2培地(1%グルコース、0.4%ペプトン、0.4%イーストエキストラクト、0.05%MgSO4・7H2O、0.2%KH2PO4、0.4%K2HPO4;pH7.0)に移植し、28℃で18時間、振とう培養した。得られた培養液から遠心分離により菌体を集め、0.5M シュクロースで洗浄した後、終濃度2.5mg/mlのリゾチームと終濃度1.25mg/mlのアクロモペプチダーゼを含むP3培地(70mM NaCl、0.5M シュクロース、5mM MgCl2・6H2O、5mM CaCl2・2H2O、25mM TES buffer;pH7.2)に懸濁し、30℃で一時間振とうし、溶菌させた。生じたプロトプラストをP3培地で洗浄した後、約500μlのP3培地に懸濁し、これをプロトプラスト溶液とした。
b)−1 培地の調製
形質転換の際に使用するTH培地は以下の方法で調製した。まず、Okanishiの方法(Okanishi, M., J. Gen. Microbiol., 80, 389-400, 1974)に従い、Trace element solutionを調製した。次に、シュークロース 26.7g、K2SO4 0.0375gを約60mlに溶解し、Trace element solution 0.3mlを加えた後、水で77.5mlにメスアップし、これを3/2TH培地とした。この3/2TH培地 7.75mlに、2M CaCl2 0.75mlと0.5M Tris−maleic acid buffer(pH8.0)1.5mlを加え、これをTH培地とした。
実施例3(1)b)で得られたベクターpLG04および実施例3(1)c)で得られたベクターpSG11のDNA溶液各25μl、TE buffer 25μlに実施例3(2)b)−1で得られたTH培地100μlを加えよく混合した後、実施例3(2)a)で得られたプロトプラスト溶液100μlを加え、緩やかに混合した。このDNA/プロトプラスト混合液にPEG solution(3g ポリエチレングリコール1000、6ml TH培地)375μlを加え、約1分間混合した後、適当量(10μl〜100μl)をRME培地(約20ml/プレート)にプレーティングし、さらにRMEソフトアガー培地を重層した(約2ml/プレート)。28℃で約2日間培養した後、100μg/mlのチオストレプトン溶液2mlをプレートに添加し塗布した。さらに28℃で7〜10日間培養し、得られたコロニーを形質転換体とした。
a)形質転換体の培養
実施例3(2)b)−2で得られたコロニーを10μg/mlのチオストレプトンを含む10mlのSPY培地に植菌し、28℃で2日間振とう培養した。得られた培養液のうち2mlを10μg/mlのチオストレプトンを含む30mlのSPY培地に植菌し、28℃で2日間、更に振とう培養した。
実施例3(3)a)で得られた培養液から遠心分離により菌体を回収し、0.9%食塩水で洗浄した後、菌体を−80℃で凍結した。凍結菌体を20mlのbuffer A2(20mM リン酸バッファー、0.1mM ピリドキサルリン酸、5mM 2−メルカプトエタノール、1mM フェニルメチルスルホニルフルオリド;pH7.0)に溶解、懸濁し、菌体を超音波により破砕した。破砕液から遠心分離により細胞断片を除去し、上清を粗酵素液とした。得られた粗酵素液を用いて、Tanakaらの方法(Tanaka, T., Agric. Biol. Chem., 54:625-631, 1990)に従い、37℃、pH7.5におけるAAT活性を測定した。
a)形質転換体の培養
実施例3(2)b)−2で得られた発現ベクターpSG11による形質転換体の菌株ストック(凍結乾燥菌体)を10μg/mlのチオストレプトンを含む10mlのSPY培地に植菌し、28℃で2日間振とう培養した。得られた培養液のうち2mlを10μg/mlのチオストレプトンを含む30mlのP−101培地(7%グルコース、4.4%ソイトン、0.327%KH2PO4、0.085%Na2HPO4、1.15% TES、0.0001%CoCl2・6H2O;pH6.0)に移植し、28℃で4日間振とう培養した。対照として親株(プラスミドなし)および特開平2−195889号公報記載のプラスミドpMSB515による形質転換体も同様の工程で培養した(ただし、親株はチオストレプトンを含まない培地で培養した)。
b)−1 粗酵素液の調製
実施例3(4)a)で得られた培養液から遠心分離により菌体を回収し、0.9%食塩水で洗浄した後、菌体を−80℃で凍結した。凍結菌体を20mlのbuffer A2に溶解、懸濁し、菌体を超音波により破砕した。破砕液から遠心分離により細胞断片を除去し、上清を粗酵素液とした。得られた粗酵素液を用いて、AATおよびPAT活性を測定した。
PAT活性の測定は、Schulzの方法(Schulz, A., Appl. Environ. Microbiol., 56, 1-6, 1990)に従って実施した。PAT活性測定用基質(150mM グルタミン酸、50mM OMPB、0.1mM ピリドキサルリン酸、100mM Tris−HCl buffer;pH8.5)と粗酵素液を混合し、37℃、20分間インキュベートした後、沸騰水浴中で5分間加熱することにより反応を停止した。反応停止後、サンプルを0.45μmのフィルターによりろ過し、アミノ酸分析用HPLC(model LC−VP、島津製作所社製)に供し、生成したL−ホスフィノスリシン濃度を測定した。酵素力は、1分間に1μmolのL−ホスフィノスリシンを生成する能力を1U(ユニット)として定義した。粗酵素液中のタンパク質濃度をプロティンアッセイキット(バイオラッド社製)を用いてγ−グロブリンをスタンダードとして測定し、粗酵素液の比活性(U/mg)を求めた。
(1)発現ベクターpSG11による形質転換体の培養
実施例3で得られたpSG11による形質転換体の菌株ストック(凍結乾燥菌体)を10μg/mlのチオストレプトンを含む30mlのSPY培地に植菌し、28℃で2日間振とう培養した。得られた培養液のうち2mlを10μg/mlのチオストレプトンを含む40mlのSPY培地に移植し、28℃で2日間振とう培養した。得られた培養液のうち20mlを10μg/mlのチオストレプトンを含む400mlのSBK培地(2%でんぷん、3%脱脂大豆かす、0.05%KH2PO4;pH7.0)に移植し、28℃で2日間振とう培養した。得られた培養液のうち5mlを4LのSBK培地に移植し、28℃で2日間、通気攪拌培養した。得られた培養液のうち400mlを4LのP2培地(3%グルコース、3%脱脂大豆かす、1%グルテンミール、0.001%CoCl2・6H2O、0.01%MgSO4・7H2O、0.013%CaCl2・2H2O;pH7.0)に移植し、28℃で4日間通気攪拌培養した。得られた培養液を用いて、下記の条件で微生物変換を実施し、L−ホスフィノスリシンの生産を行った。尚、対照として親株(プラスミドなし)およびプラスミドpMSB515による形質転換体も同様の工程で培養し(ただし、親株はチオストレプトンを含まない培地で培養した)、同様に変換反応を行った。
a)基質溶液Aの調製
まず、OMPB、アスパラギン酸、グルタミン酸を各66g測りとり、約1Lの水に懸濁した。次に、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調製し、水で1760mlにメスアップし、これを基質溶液Aとした。
まず、OMPB、アスパラギン酸を各66g、グルタミン酸を各16.5g測りとり、約1Lの水に懸濁した。次に、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調製し、水で1760mlにメスアップし、これを基質溶液Bとした。
実施例4(1)で得られた培養液440mlと実施例4(2)のa)またはb)でそれぞれ得られた基質溶液AまたはB1760mlを混合し反応を開始した。変換条件は、温度37℃、pH8.5(水酸化ナトリウムで調整)とし、攪拌しながら3日間(約70時間)反応を実施した。変換終了後、サンプルを0.45μmのフィルターによりろ過し、アミノ酸分析用HPLC(model LC−VP、島津製作所社製)に供し、生成されたL−ホスフィノスリシンの濃度を測定した。また、変換終了時の変換液量も正確に測定し、それらの積から生産されたL−ホスフィノスリシン量を求めた。さらに使用したOMPBと生産されたL−ホスフィノスリシンのモル比を求めることにより、各培養液におけるL−ホスフィノスリシンへの変換率を算出した。
(1)発現ベクターpAHSG7201の構築
プラスミドpATSG01は図4に示すようにして構築した。また、発現ベクターpAHSG7201は図5に示すようにして構築した。
PAT遺伝子は、PATの一種であるAT−II(特開平2−195889号公報参照)の遺伝子を使用した。まず、特開平2−195889号公報記載のプラスミドpMSB515より、PATの一種であるAT−IIの遺伝子を制限酵素SacI(SstI)で切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した後、約4.7kbpのDNA断片をゲルから回収し、DNAを精製した。次に、pUC18(タカラバイオ社製)も同様にSacIで切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した後、DNA断片をゲルから回収し、DNAを精製した。pUC18のSacI断片をアルカリホスファターゼ(BAP;タカラバイオ社製)により処理した後、pMSB515由来の約4.7kbpのSacI断片と連結した。得られたプラスミドをpATII515−03とした(図4)。
まず、実施例1(2)e)で得られたプラスミドpHX−01を制限酵素BamHIで切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した後、約1.5kbpのDNA断片をゲルから回収し、DNAを精製した。次に、実施例5(1)a)で得られたプラスミドpATII515−03を制限酵素BamHIで切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した後、約7.4kbpのDNA断片をゲルから回収し、DNAを精製した。pATII515−03のBamHI断片をアルカリホスファターゼ(BAP)により処理した後、pHX−01由来の約1.5kbpのBamHI断片と連結した。得られたプラスミドをpATSG01とした(図4)。
まず、実施例3(1)a)で得られたプラスミドpSYTL03を制限酵素HindIII、EcoRIで切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供した後、約4.9kbpのDNA断片をゲルから回収し、DNAを精製した。次に、実施例5(1)b)で得られたプラスミドpATSG01も同様に制限酵素HindIII、EcoRIで切断し、電気泳動後、約5.6kbpのDNA断片をゲルから回収し、精製した。これら2種類のDNA断片をDNA Ligation Kit ver.2を用いて連結し、得られたligation mixtureを実施例3(1)b)と同様の方法で放線菌Streptomyces lividansに形質転換した。得られた形質転換体を10μg/mlのチオストレプトンを含む80ml YEME培地で30℃、2日間、振とう培養した後、培養液からプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素HindIII、EcoRIで切断後.0.8%アガロース電気泳動に供し、切断パターンを確認した。約4.9kbpと約5.6kbpのバンドを呈するプラスミドDNAを目的のDNAとして選択し、これを発現ベクターpAHSG7201とした(図5)。
a)発現ベクターpAHSG7201による形質転換の作出と形質転換体の培養
実施例5(1)c)で得られた発現ベクターpAHSG7201により、Streptomyces hygroscopicus(SF1293 NP−50株、FERM BP−1368)を形質転換した。実施例3(2)の方法に従い形質転換を実施し、得られた形質転換体を培養した。実施例3(4)a)と同様の工程で培養を行い、10μg/mlのチオストレプトンを含むP−101培地で28℃、4日間振とう培養した培養液を得た。得られた培養液より菌体を回収し、実施例3(4)b)−1の方法に従い粗酵素液を調製した。
実施例5(2)a)で得られた発現ベクターpAHSG7201による形質転換体由来の粗酵素液を用いて、PAT活性およびAAT活性を測定した。酵素活性の測定は、実施例3(4)b)−2の方法に従った(対照として、実施例3(4)b)−2の結果を併記した)。
(1)発現ベクターpAHSG7201による形質転換体の培養
実施例5(2)で得られた発現ベクターpAHSG7201による形質転換体を、実施例4(1)と同様の工程で培養した。P−2培地で28℃、4日の通気攪拌間培養を実施し、得られた培養液を用いてL−ホスフィノスリシンの生産を行った。
実施例6(1)で得られた発現ベクターpAHSG7201による形質転換体の培養液440mlと実施例4(2)の方法に従って調製した基質溶液AまたはB1760mlを混合し、37℃、pH8.5で3日間(約70時間)反応した。得られた変換液を実施例4(2)と同様の方法で分析し、L−ホスフィノスリシンの生産量を求めた(対照として、実施例4(2)c)の結果を併記した)。
発現ベクターpAHSG7201による形質転換体において高発現したタンパク質のN末端アミノ酸配列を決定するため、特許第3593134号公報の実施例A2記載の方法に従い、N末端アミノ酸のシーケンスを実施した。まず、実施例5(2)c)で得られた発現ベクターpAHSG7201による形質転換体の粗酵素液を、SDS−PAGE mini 12% Gel(テフコ社製)を用いて電気泳動した後、マルチフォーII電気泳動装置(アマシャムバイオサイエンス社製)によりタンパク質をPVDF膜(ミリポア社製)に写し取った。次にこのPVDF膜をコマジーブリリアントブルーR−250(ナカライテスク社製)で染色し、脱色した後、水で洗浄し風乾した。ここから50kDaと43kDaのタンパク質がブロットされた部分を切り出し、それぞれをプロティンシーケンサーModel492(パーキンエルマー社製)に供し、下記のようにN末端アミノ酸配列を決定した。
43kDaタンパク質:
Ser−Ala−Ala−Thr−Pro−Ser−Ala−Ser(配列番号:11)
50kDaタンパク質:
Thr−Glu−Leu−Ser−Gly−Ala−Pro−Ala(配列番号:12)
Claims (22)
- 以下の(i)、(ii)、および(iv)から選択される、ポリヌクレオチド:
(i)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(ii)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された塩基配列からなり、かつアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AAT)活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;および
(iv)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと少なくとも90%の同一性を有する塩基配列を含んでなり、かつAAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、または
以下の(v)、(vi)、および(viii)から選択されるタンパク質をコードするポリヌクレオチド:
(v)配列番号:2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(vi)配列番号:2で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AAT)活性を有するタンパク質;および
(viii)配列番号:2で表されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつAAT活性を有するタンパク質と、
以下の(ix)、(x)、および(xii)から選択される、ポリヌクレオチド:
(ix)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(x)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された塩基配列からなり、かつプロモーター活性を有するポリヌクレオチド;および
(xii)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと少なくとも95%の同一性を有する塩基配列を含んでなり、かつプロモーター活性を有するポリヌクレオチドと
を含んでなり、前記(ix)、(x)、および(xii)から選択されるポリヌクレオチドが、前記(i)、(ii)、および(iv)から選択されるポリヌクレオチド、または前記(v)、(vi)、および(viii)から選択されるタンパク質をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された、組換えベクター。 - FERM BP−10495の受託番号のもと独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託された放線菌から調製される発現ベクターpSG11である、請求項1に記載の組換えベクター。
- 請求項1または2に記載の組換えベクターにより形質転換された宿主。
- 放線菌である、請求項3に記載の宿主。
- 放線菌がStreptomyces hygroscopicusである、請求項4に記載の宿主。
- FERM BP−1368の受託番号のもと独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されたSF1293 NP−50株またはFERM BP−130の受託番号のもと独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されたSF1293株が形質転換されてなる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の宿主。
- 以下の(i)、(ii)、および(iv)から選択される、ポリヌクレオチド:
(i)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(ii)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された塩基配列からなり、かつアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AAT)活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;および
(iv)配列番号:1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと少なくとも90%の同一性を有する塩基配列を含んでなり、かつAAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、または
以下の(v)、(vi)、および(viii)から選択されるタンパク質をコードするポリヌクレオチド:
(v)配列番号:2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(vi)配列番号:2で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AAT)活性を有するタンパク質;および
(viii)配列番号:2で表されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつAAT活性を有するタンパク質と、
以下の(ix)、(x)、および(xii)から選択される、ポリヌクレオチド:
(ix)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(x)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された塩基配列からなり、かつプロモーター活性を有するポリヌクレオチド;および
(xii)配列番号:3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと少なくとも95%の同一性を有する塩基配列を含んでなり、かつプロモーター活性を有するポリヌクレオチドと、
L−ホスフィノスリシンアミノトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドと
を含んでなり、前記(ix)、(x)、および(xii)から選択されるポリヌクレオチドが、前記(i)、(ii)、および(iv)から選択されるポリヌクレオチド、または前記(v)、(vi)、および(viii)から選択されるタンパク質をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された、組換えベクター。 - L−ホスフィノスリシンアミノトランスフェラーゼ(PAT)活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、以下の(i’)、(ii’)、および(iv’)から選択される、請求項7に記載の組換えベクター:
(i’)配列番号:4で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(ii’)配列番号:4で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、1もしくは複数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された塩基配列からなり、かつPAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;および
(iv’)配列番号:4で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと少なくとも90%の同一性を有する塩基配列を含んでなり、かつPAT活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。 - L−ホスフィノスリシンアミノトランスフェラーゼ(PAT)活性を有するタンパク質が、以下の(v’)、(vi’)、および(viii’)から選択される、請求項7に記載の組換えベクター:
(v’)配列番号:5で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(vi’)配列番号:5で表されるアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつPAT活性を有するタンパク質;および
(viii’)配列番号:5で表されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつPAT活性を有するタンパク質。 - 前記(i)、(ii)、および(iv)から選択されるポリヌクレオチド、または前記(v)、(vi)、および(viii)から選択されるタンパク質をコードするポリヌクレオチドとL−ホスフィノスリシンアミノトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドとが逆方向に連結されている、請求項7〜9のいずれか一項に記載の組換えベクター。
- 前記(i)、(ii)、および(iv)から選択されるポリヌクレオチド、または前記(v)、(vi)、および(viii)から選択されるタンパク質をコードするポリヌクレオチドとL−ホスフィノスリシンアミノトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドとが正方向に連結されている、請求項7〜9のいずれか一項に記載の組換えベクター。
- FERM BP−10496の受託番号のもと独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託された放線菌から調製される発現ベクターpAHSG7201である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の組換えベクター。
- 請求項7〜12のいずれか一項に記載の組換えベクターにより形質転換された、宿主。
- 放線菌である、請求項13に記載の宿主。
- 放線菌がStreptomyces hygroscopicusである、請求項14に記載の宿主。
- FERM BP−1368の受託番号のもと独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されたSF1293 NP−50株またはFERM BP−130の受託番号のもと独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されたSF1293株が形質転換されてなる、請求項13〜15のいずれか一項に記載の宿主。
- 式(II)の化合物またはその塩:グルタミン酸またはその塩:アスパラギン酸またはその塩=1:0.25〜1:1である、請求項17に記載の方法。
- 式(II)の化合物またはその塩:グルタミン酸またはその塩:アスパラギン酸またはその塩=1:0.25:1である、請求項18に記載の方法。
- 式(II)の化合物またはその塩:グルタミン酸またはその塩:アスパラギン酸またはその塩=1:0.25〜1:1である、請求項20に記載の方法。
- 式(II)の化合物またはその塩:グルタミン酸またはその塩:アスパラギン酸またはその塩=1:0.25:1である、請求項21に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008502874A JP5335413B2 (ja) | 2006-03-02 | 2007-03-02 | アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子およびl−ホスフィノスリシンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006056726 | 2006-03-02 | ||
JP2006056726 | 2006-03-02 | ||
JP2008502874A JP5335413B2 (ja) | 2006-03-02 | 2007-03-02 | アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子およびl−ホスフィノスリシンの製造方法 |
PCT/JP2007/054079 WO2007100101A1 (ja) | 2006-03-02 | 2007-03-02 | アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子およびl-ホスフィノスリシンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2007100101A1 JPWO2007100101A1 (ja) | 2009-07-23 |
JP5335413B2 true JP5335413B2 (ja) | 2013-11-06 |
Family
ID=38459196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008502874A Expired - Fee Related JP5335413B2 (ja) | 2006-03-02 | 2007-03-02 | アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子およびl−ホスフィノスリシンの製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5335413B2 (ja) |
CN (1) | CN101395271B (ja) |
WO (1) | WO2007100101A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018108794A1 (de) | 2016-12-15 | 2018-06-21 | Bayer Cropscience Aktiengesellschaft | Verfahren zur herstellung von d-glufosinat oder dessen salzen unter verwendung von ephedrin |
WO2018108797A1 (de) | 2016-12-15 | 2018-06-21 | Bayer Cropscience Aktiengesellschaft | Verfahren zur herstellung von l-glufosinat oder dessen salzen unter verwendung von ephedrin |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02195889A (ja) * | 1988-07-04 | 1990-08-02 | Meiji Seika Kaisha Ltd | 新規なトランスアミナーゼをコードする遺伝子 |
JP3018261B2 (ja) * | 1990-09-27 | 2000-03-13 | ヘキスト・アクチェンゲゼルシャフト | 共役酵素反応によるl−ホスフィノトリシンの製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2638541B2 (ja) * | 1986-06-09 | 1997-08-06 | 明治製菓株式会社 | L−2−アミノ−4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)−酪酸の製法 |
AU599985B2 (en) * | 1986-06-09 | 1990-08-02 | Meiji Seika Kaisha Ltd. | New process for the production of L-2-amino-4- (hydroxymethyl-phosphinyl)-butyric acid |
DE19919848A1 (de) * | 1999-04-30 | 2000-11-02 | Aventis Cropscience Gmbh | Verfahren zur Herstellung von L-Phosphinothricin durch enzymatische Transaminierung mit Aspartat |
-
2007
- 2007-03-02 CN CN2007800075186A patent/CN101395271B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2007-03-02 JP JP2008502874A patent/JP5335413B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2007-03-02 WO PCT/JP2007/054079 patent/WO2007100101A1/ja active Application Filing
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02195889A (ja) * | 1988-07-04 | 1990-08-02 | Meiji Seika Kaisha Ltd | 新規なトランスアミナーゼをコードする遺伝子 |
JP3018261B2 (ja) * | 1990-09-27 | 2000-03-13 | ヘキスト・アクチェンゲゼルシャフト | 共役酵素反応によるl−ホスフィノトリシンの製造方法 |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
JPN6012020551; Katayama, M. et al.: 'Accession No.D50624, Definition:Streptomyces virginiae VbrA gene for NusG like protein, SecE like pr' Database GenBank[Online] , 20000607 * |
JPN6012020556; Redenbach,M. et al.: 'Accession No.AL160431, Definition:Streptomyces coelicolor cosmid D82.' Database GenBank , 20020512 * |
JPN6012020557; Applied and Environmental Microbiology Vol.62, No.10, 1996, p.3794-3799 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2007100101A1 (ja) | 2009-07-23 |
WO2007100101A1 (ja) | 2007-09-07 |
CN101395271B (zh) | 2013-02-27 |
CN101395271A (zh) | 2009-03-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6469874B2 (ja) | 新規プロモーター及びその用途 | |
EP1074626B1 (en) | Genes for lysine biosynthetic system derived from thermophilic bacteria | |
CN114085800A (zh) | 新型异丙基苹果酸合酶变异体及使用其生产l-亮氨酸的方法 | |
EP2149607B1 (en) | Method for production of succinic acid | |
JP2010284170A (ja) | 新規アルドラーゼおよび置換α−ケト酸の製造方法 | |
CN101528918A (zh) | 生产3-羟基丙酸的β-丙氨酸/α-酮戊二酸氨基转移酶 | |
JP5516664B2 (ja) | N−アセチル−(R,S)−β−アミノ酸アシラーゼ遺伝子 | |
CN110079516B (zh) | 改良型腈水合酶 | |
JPWO2006062189A1 (ja) | ニトリルヒドラターゼを発現する形質転換体 | |
RU2720522C1 (ru) | Микроорганизм рода Corynebacterium, продуцирующий L-лизин, и способ получения L-лизина с использованием этого микроорганизма | |
JP5335413B2 (ja) | アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子およびl−ホスフィノスリシンの製造方法 | |
AU783603B2 (en) | Transformant producing secondary metabolite modified with functional group and novel biosynthesis genes | |
US5314819A (en) | Protein having nitrile hydratase activity obtained from rhizobium, gene encoding the same, and a method for producing amides from nitriles via a transformant containing the gene | |
JP6959978B2 (ja) | アシル転移酵素の活性を有する微生物及びその用途 | |
US20050227325A1 (en) | Recombinant polynucleotide | |
AU2002241272B2 (en) | Transformant producing PF1022 substance derivatives, process for producing the same and novel biosynthesis gene | |
JP5119783B2 (ja) | N−アセチル−(R,S)−β−アミノ酸アシラーゼ遺伝子 | |
JPWO2008013262A1 (ja) | L−ロイシンヒドロキシラーゼおよび該酵素をコードするdna | |
CN115247179B (zh) | 一种聚酮化合物骨架及其后修饰物的生物合成基因簇及其应用 | |
JP2006055131A (ja) | 新規なd−アミノアシラーゼおよびその遺伝子 | |
WO2011034031A1 (ja) | イソプロピルアルコール生産細菌及びイソプロピルアルコール生産方法 | |
CN117460829A (zh) | 修饰型α-异丙基苹果酸合酶 | |
WO2008136451A1 (ja) | スフィンゴミエリナーゼ | |
JP2012090537A (ja) | 改良型ハロヒドリンエポキシダーゼ | |
JP2009171871A (ja) | メタロエンドペプチダーゼ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120420 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120619 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121019 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130702 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130731 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |