JP5334512B2 - パターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明はパターン形成方法に係り、特にインクジェットヘッドを用いて基板の表面に線状のパターンを形成するパターン形成方法に関する。
特許文献1には、機能性成分を含有した液体を基板上にインクジェットにより吐出して機能性膜パターンを形成する方法において、前記液体に対する接触角が30[deg]以上60[deg]以下である膜形成面を有する基板上に、前記基板上に付与されたときに直径の1%以上10%以下の重なりが生じるように前記液体を吐出して、導電膜配線を形成することが開示されている。
特開2003−80694号公報
吐出された液体が染み込まない(浸透しない)基板の上に、インクジェットにより液体を吐出して線を描画する場合に、基板上に打滴された液体(液滴)の間隔や量によっては、線の一部にコブ状の膨らみ(バルジ)ができたり、輪郭が滑らかな線(直線)にならずにギザギザ(ジャギー)ができることがある。
特許文献1に記載の方法は、液体に対する基板の接触角と、基板上における液滴の重なり具合によって導電膜配線の断線や短絡を回避しようとするものである。しかしながら、インクジェット方式のパターン形成装置では、インクジェットヘッドからインクを吐出したときの着弾位置(吐出方向及び吐出量)の精度、及び基板の搬送位置の精度によりドットピッチのバラツキが生じる。このため、上記特許文献1に記載の方法では、均一な幅の線を安定的に描画することは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、均一な幅の線状のパターンを安定的に形成(描画)することが可能なインクジェット方式のパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るパターン形成方法は、機能性成分を含有する液滴を、該液滴が染み込まない基板の表面に対して吐出するノズルを有するインクジェット記録ヘッドから、前記基板表面に前記液滴を一方向に順に吐出して線状のパターンを形成するパターン形成方法であって、前記基板の表面に着弾する前の前記液滴の直径をd、前記基板に対する前記液滴の接触角をθとした場合に、前記基板の表面において隣接する前記液滴のドットピッチpが
Figure 0005334512
の条件を満たし、かつ、前記液滴に含まれる揮発性溶媒の体積の割合
Figure 0005334512
以上となるように、前記インクジェット記録ヘッドおよび前記基板を支持する支持プレートの少なくとも一方を駆動制御し、前記インクジェット記録ヘッドと前記基板とを相対的に走査して前記ドットピッチpを制御し、前記インクジェット記録ヘッドからの吐出量を制御するものである。
本発明の第2の態様に係るパターン形成方法は、上記第1の態様において、前記ノズルから前記基板表面に前記液滴を吐出した後、前記着弾した液滴に隣接する位置に着弾する液滴を吐出するまでの時間を1ミリ秒以下にするように、前記インクジェット記録ヘッドと前記基板とを相対的に走査し、前記液滴の吐出タイミングを制御するものである。
本発明の第3の態様に係るパターン形成方法は、上記第1又は第2の態様において、前記ノズルから前記基板表面に前記液滴を吐出する前に、前記基板以外の所定の領域に前記液滴を予備吐出し、前記予備吐出後1秒以内に前記線の描画を開始するように、前記インクジェット記録ヘッドと前記基板とを相対的に走査し、前記液滴の吐出タイミングを制御するものである。
本発明によれば、上記の式(1)の条件を満たすようにドットピッチを制御し、かつ、液体中の揮発性溶媒の体積の割合が上記の式(2)で表される値以上となるように調整することにより、ジャギー及びバルジの発生を防止することができる。
以下、添付図面に従って本発明に係るパターン形成方法の好ましい実施の形態について説明する。
[パターン形成装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパターン形成装置を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係るパターン形成装置(インクジェット記録装置)10は、インクジェットヘッド(以下、記録ヘッドという。)12と、支持プレート14とを含んでいる。
記録ヘッド12は、主走査方向(図1のy方向)にノズル22が複数並べられたライン型の記録ヘッドである。
支持プレート14には、記録ヘッド12によって液体を吐出する対象である基板16が載置される。支持プレート14は、記録ヘッド12との間のクリアランスが一定になるように支持されており、副走査方向(図1のx方向)に走査可能になっている。
支持プレート14をx方向に走査しながら、記録ヘッド12から液滴を吐出することにより、基板16の描画領域の全面に液体を吐出することが可能になっている。
図2は、記録ヘッド12のノズルが形成された面を示す平面図である。
図2に示すように、記録ヘッド12は、ノズル22と圧力室24とを含む吐出素子20(図3参照)が副走査方向(x方向)に略直交する主走査方向(y方向)に沿って略等間隔に並べられた構造を有する。
記録ヘッド12のノズル径は、一例でφ35μm、基板16上において隣接する液滴の中心間の距離(ノズルピッチ)は、一例で254μm間隔(100npi)である。記録ヘッド12は、打滴周期が1kHz、ヘッド走査速度が0.1m/sで連続打滴が可能である。
図3は、吐出素子20を示す断面図である。
ノズル22に対応して設けられている圧力室24は、その平面形状が略正方形となっている。圧力室24の対角線上の両隅部の一方にノズル22への流出口が設けられ、他方に圧力室24への液体の供給口26が設けられている。なお、圧力室24の平面形状は、上記の正方形のほか、例えば、四角形(菱形、長方形)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図3に示すように、吐出素子20の圧力室24は、供給口26を介して共通流路28と連通している。共通流路28は液体の供給源たるタンク(不図示)と連通しており、タンクから供給される液体は共通流路28を介して各圧力室24に分配供給される。
圧力室24の一部の面(図3における天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)30には個別電極32を備えた圧電素子34が接合されている。なお、圧電素子34の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)又はチタン酸バリウムのような圧電体を用いることができる。
個別電極32と共通電極間に駆動信号が印加されると、圧電素子34が変形して圧力室24の容積が変化する。すると、圧力室24内の圧力が変化することにより、ノズル22から液滴が吐出される。そして、液体が吐出された後、圧電素子34の変位が元に戻ると、共通流路28から供給口26を通って新しい液体が圧力室24に再充填される。
なお、本実施形態では、圧電素子34の変形によってインクを加圧する方式が採用されているが、上記以外の方式のアクチュエータ(例えば、サーマル方式)を適用してもよい。
図4は、パターン形成装置10の制御系を示すブロック図である。
パターン形成装置10は、通信インターフェース40、システムコントローラ42、メモリ46、モータドライバ48、ヒータドライバ52、打滴制御部56、バッファメモリ58、ヘッドドライバ60を備えている。
通信インターフェース40は、ホストコンピュータ80から送られてくる打滴データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース40としては、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェース、又はセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。なお、この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリを搭載してもよい。
システムコントローラ42は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路を含んでおり、パターン形成装置10の各部を制御する制御部である。システムコントローラ42は、ホストコンピュータ80との間の通信制御、メモリ46の読み書き制御等をするとともに、搬送駆動系のモータ50及びヒータ54を制御する制御信号を生成する。
プログラム格納部44には、パターン形成装置10の制御プログラムが格納される。システムコントローラ42はプログラム格納部44に格納されている種々の制御プログラムを適宜読み出し、制御プログラムを実行する。
メモリ46は、データの一時記憶領域、及びシステムコントローラ42が各種の演算を行うときの作業領域として使用される記憶手段である。メモリ46としては、半導体素子からなるメモリのほか、ハードディスクなどの磁気媒体を用いることができる。
モータ50は、図1の記録ヘッド12及び支持プレート14の少なくとも一方駆動して、記録ヘッド12と支持プレート14とを相対的に走査するための駆動機構を駆動するモータである。モータドライバ48は、システムコントローラ42からの制御信号に従ってモータ50を駆動する。
ヒータドライバ52は、システムコントローラ42からの制御信号に従ってヒータ54を駆動する。なお、ヒータ54には、パターン形成装置10の各部に設けられた温度調節用のヒータが含まれる。
ホストコンピュータ80から送出された打滴データは、通信インターフェース40を介してパターン形成装置10に取り込まれ、メモリ46に一時記憶される。
打滴制御部56は、システムコントローラ42の制御に従い、メモリ46内の打滴データから吐出制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した吐出制御信号(吐出データ)をヘッドドライバ60に供給する制御部である。打滴制御部56において所要の信号処理が施され、該打滴データに基づいてヘッドドライバ60を介して記録ヘッド12の液体の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。
ヘッドドライバ60は、打滴制御部56から与えられる吐出データに基づいて記録ヘッド12の圧電素子34を駆動する。なお、ヘッドドライバ60は、ヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を備えていてもよい。
打滴制御部56には、バッファメモリ58が備えられており、打滴制御部56における打滴データ処理時に打滴データやパラメータなどのデータがバッファメモリ58に一時的に格納される。
なお、バッファメモリ58は、メモリ46と兼用することも可能である。また、打滴制御部56とシステムコントローラ42とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
また、図示は省略するが、パターン形成装置10は、記録ヘッド12に液体を供給するための供給系や、記録ヘッド12のメンテナンスを行うメンテナンス部を備えている。
[液体の吐出条件]
図5は、記録ヘッド12と基板16とをx方向に相対的に走査してパターンLを描画するときの走査制御の手順を模式的に示す図である。
図5に示すように、本実施形態では、記録ヘッド12と基板16とをx方向に相対的に走査して、機能性成分(例えば、銀ナノ粒子)を揮発性溶媒(例えば、水又はテトラデカン)に混合することにより生成された液体(インク)を吐出して線状の(例えば、直線の)パターンLを描画する。この場合、基板16上に打滴される液滴Dの間隔(ドットピッチp)が大きいとジャギーが発生しやすくなる。また、液体に含まれる揮発性の溶媒の割合が大きいとバルジが発生しやすくなる。以下、ジャギー及びバルジの発生を防止するための、ドットピッチpと液体中の溶媒の割合の条件を求める。
[液体の吐出条件1(ドットピッチp)]
図6は、基板16の表面に打滴された液滴の経時変化を模式的に示す図(断面図及び平面図)である。
図6(a)に示すように、記録ヘッド12から吐出されて基板16の表面に着弾した液滴D1eqmは、着弾当初はそれぞれ略円形であり、隣接する液滴と接触する。そして、図6(b)に示すように、各液滴Dがぬれ広がってパターンLが形成される。
ここで、基板16は、液滴Dが染み込まない(浸透しない)媒体であり、基板16に着弾する前後で液滴の体積は保存されるとする。また、液滴Dの基板16に対する接触角θが一定であるとする。
このとき、基板16に着弾したときの液滴D1eqmの直径deqm[μm]と着弾前の液滴Dの直径d[μm]との比(拡がり率)βeqmは下記の式(1)により表される。ここで、直径dは、着弾前の液滴Dを真球換算したときの直径である。
Figure 0005334512
パターンLの幅をw[μm]とすると、図6(b)における液体D2eqmを、液体D2eqmの中心を通りzy平面に平行な面で切ったときの断面積S1[μm]は下記の式(2)により表される。
Figure 0005334512
従って、基板16上において隣接する液滴の中心間の距離(ノズルピッチ)をp[μm]とすると、液体D2eqmの体積Va[μm]は下記の式(3)により表される。
Figure 0005334512
一方、着弾前の液滴の直径がdであることから、着弾前の液滴Dの体積Vb[μm]は下記の式(4)により表される。
Figure 0005334512
上記仮定1により着弾の前後で液滴Dの体積は不変である。Va=Vbを線幅wについて解くと、下記の式(5)が得られる。
Figure 0005334512
ここで、w≧deqm=βeqmdであることから、ドットピッチpを変数として式(5)を解くと、ドットピッチpの条件式(6)が得られる。
Figure 0005334512
上記の式(6)の条件を満たすようにドットピッチpを制御することにより、パターンLの輪郭のギザギザ(ジャギー)が発生するのを防止することができる。
[液体の吐出条件2(液体中の溶媒(揮発性成分)の割合の条件)]
次に、液体中の溶媒(揮発性成分)の割合の条件について説明する。ここで、基板16上に吐出する液体は、例えば、水又はテトラデカン(いずれも揮発性が有る。)を溶媒中に銀ナノ粒子が分散した液体(インク)とする。
上記のように、基板16上に液体を吐出してパターンLを描画する場合、パターンL上の溶媒(液体成分)の量が線幅wに対して多すぎるとバルジが発生しやすくなる。バルジの発生を防止するためには、液滴Dが基板16に着弾した後に溶媒を揮発(蒸発)させたときに、基板16上の溶媒の量を、バルジが発生しない程度に減少させればよい。具体的には、基板16上においてぬれ広がって溶媒が揮発した後の液滴Dの直径deqm[μm]が線幅w[μm]と等しくなるようにする。w=deqmとすると、ぬれ広がって溶媒が揮発した後の液滴D2eqmの体積V[μm]は下記の式(7)により表される。
Figure 0005334512
一方、着弾前の液滴の直径がdであることから、着弾前の液滴Dの体積V[μm]は下記の式(8)により表される。
Figure 0005334512
従って、液体中に含まれる揮発性の溶媒の割合(体積の割合){(V−V)/V×100[%]}は下記の式(9)により表される。
Figure 0005334512
液体中の揮発性溶媒の体積の割合を上記の式(9)で表される値以上とすることにより、バルジの発生を防止することができる。
[液体の吐出条件3(打滴の時間間隔)]
次に、打滴の時間間隔について説明する。表1は、液滴の直径d=26.0[μm]、deqm=55.5[μm]、接触角θ=30[°]として(即ち、上記の式(6)及び(9)の条件式を満たす条件下で)、1秒間に液滴Dを打滴する回数(印字周波数)とドットピッチとを変えて線を描画したときの線幅wの安定性を示している。
Figure 0005334512
表1では、描画された線の線幅wが安定している場合(例えば、線幅wの変動量(例えば、単位長さ当たりの線幅の最大値と最小値の差)が所定値未満の場合)が「〇」、線幅wの変動量が所定値以上であるものの「×」の場合よりも変動量が大きくない場合が「△」、「△」の場合の変動量の最大値よりも線幅wの変動量が大きい場合が「×」で表されている。表1の実験結果によれば、印字周波数を1000Hz以上にした場合に、線幅wが安定し、バルジ及びジャギーが発生しないという結果が得られた。
従って、n滴目が印字されてから(n+1)滴目が印字されるまでの間隔を1ミリ秒以下とする。このようにすることで、印字中に基板16上において、平衡状態(液滴Dがぬれ広がって液滴Dの形状が安定した状態)の部分と、非平衡状態(液滴Dがぬれ広がっている最中の液滴Dの形状が安定する前の状態)の部分とが混在することが防止できる。この結果、非平衡状態の液滴Dの大きな固まりができて、パターンLの一部が太くなったりすることなく平衡状態となり、均一幅の線描画が可能となる。
[液体の吐出条件4(予備吐出)]
次に、印字開始前の予備吐出について説明する。
インクジェット方式のパターン形成装置では、インクが吐出されない状態が所定の時間以上続いた場合、記録ヘッド12のノズル22の近傍に付着したインクの溶媒が揮発(蒸発)して、当該インクの銀ナノ粒子の濃度が高くなり、粘度が高くなる。すると、圧電素子34(図3参照)が動作させたときに、液体の吐出不良又は不吐出が生じる。
したがって、本実施形態では、印字開始前に所定の予備吐出領域にインクを吐出する予備吐出(「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」)を行うことにより、ノズル22の近傍に付着した粘度が高いインクを除去する。また、ノズル面の清掃手段として設けられているクリーニングブレードのワイパー(不図示)によってノズル面の汚れを清掃した後にも予備吐出を行って、上記ワイパー摺擦動作によってノズル内に異物が混入するのを防止する。
上記予備吐出を行う場合、予備吐出後1秒以内に印字を開始することが好ましい。これにより、安定した均一幅の線描画が可能となる。
基板16上に予備吐出をすることは製品に重大な問題を与える可能性があるため、パターン形成装置10に予備吐出領域を設けることが望ましい。なお、予備吐出を行ってから印字を開始するまでの時間を短縮するため、予備吐出領域を基板16又は印字開始位置STの周囲全体に設置するのが望ましい。
図7から図9は、予備吐出領域の配置の例を示す平面図である。
図7に示す例では、記録ヘッド12がxy方向に移動可能となっており、支持プレート14の基板16載置面の、基板16を囲む領域に予備吐出領域100が設けられている。
予備吐出を行う場合には、基板16の印字開始位置(点)STから予備吐出領域100の内周に下ろした垂線のうち、長さが最も短いものL1を選択する。そして、この最垂パターンL1を予備吐出領域100側に延長した線上の点(予備吐出位置)PRにおいて予備吐出を行う。予備吐出位置PRは、例えば、予備吐出位置PRと基板16との距離が、予備吐出された液体が予備吐出領域100に着弾したときの液滴の半径の予測値より長くなるような位置に設定される。そして、予備吐出終了後に、記録ヘッド12を垂パターンL1に沿って印字開始位置STに移動させる。これにより、予備吐出終了から印字開始位置STにおいて印字開始するまでの時間を短縮することができる。
図8及び図9に示す例では、予備吐出領域100Aは、基板16の両側に設けられている。図8に示す例では、記録ヘッド12が±y方向に移動可能となっており、基板16が±x方向に移動可能となっている。また、図9に示す例では、記録ヘッド12がxy方向に移動可能となっており、基板16が+x方向に移動可能となっている。
図8及び図9に示す例においても、図7と同様に予備吐出位置を設定することにより、予備吐出終了から印字開始位置STにおいて印字開始するまでの時間を短縮することができる。
なお、線の一部が大きく膨らむ現象は2〜8秒のタイムスケールで発生することが確認されている。このため、ヒータ54等を制御して基板16上の液滴Dを着弾後1秒以内に固化させることにより、バルジの発生を防止することも可能である。
[パターン形成の手順]
次に、パターン形成の手順について、図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、システムコントローラ42は、基板16上の印字開始位置STの座標を取得し、予備吐出領域100内において印字開始位置STに最も近い予備吐出可能な点(予備吐出位置PR)の座標を算出する。そして、システムコントローラ42は、ヘッドドライバ60に制御信号を出力して、記録ヘッド12を予備吐出位置PRに移動させる(ステップS10)。
次に、予備吐出が行われ(ステップS12)、記録ヘッド12が印字開始位置STに移動して(ステップS14)、印字が開始される(ステップS16)。そして、上記の式(6)の条件を満たすドットピッチで、打滴間隔が1ミリ秒以下でパターンLの描画が行われる(ステップS18)。
ここで、システムコントローラ42は、ステップS12からS16までの工程が1秒以内に終了するように、記録ヘッド12及び支持プレート14の制御を行う。
本実施形態によれば、上記の式(6)の条件を満たすようにドットピッチpを制御し、かつ、液体中の揮発性溶媒の体積の割合を上記の式(9)で表される値以上とし、かつ、打滴の時間間隔及び予備吐出からの時間間隔を所定値以下とすることにより、ジャギー及びバルジの発生を防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係るパターン形成装置を示す斜視図 記録ヘッド12のノズルが形成された面を示す平面図 吐出素子20を示す断面図 パターン形成装置10の制御系を示すブロック図 記録ヘッド12と基板16とをx方向に相対的に走査してパターンLを描画するときの走査制御の手順を模式的に示す図 基板16の表面に打滴された液滴の経時変化を模式的に示す図(断面図及び平面図) 予備吐出領域の配置の例を示す平面図 予備吐出領域の配置の例を示す平面図 予備吐出領域の配置の例を示す平面図 パターン形成の手順を示すフローチャート
符号の説明
10…パターン形成装置、12…記録ヘッド、14…支持プレート、16…基板、20…吐出素子、22…ノズル、24…圧力室、26…供給口、28…共通流路、30…加圧板、32…個別電極、34…圧電素子、40…通信インターフェース、42…システムコントローラ、44…プログラム格納部、46…メモリ、48…モータドライバ、50…モータ、52…ヒータドライバ、54…ヒータ、56…打滴制御部、58…バッファメモリ、60…ヘッドドライバ、80…ホストコンピュータ

Claims (3)

  1. 機能性成分を含有する液滴を、該液滴が染み込まない基板の表面に対して吐出するノズルを有するインクジェット記録ヘッドから、前記基板表面に前記液滴を一方向に順に吐出して線状のパターンを形成するパターン形成方法であって、
    前記基板の表面に着弾する前の前記液滴の直径をd、前記基板に対する前記液滴の接触角をθとした場合に、前記基板の表面において隣接する前記液滴のドットピッチpが
    Figure 0005334512
    の条件を満たし、かつ、前記液滴に含まれる揮発性溶媒の体積の割合
    Figure 0005334512
    以上となるように、前記インクジェット記録ヘッドおよび前記基板を支持する支持プレートの少なくとも一方を駆動制御し、前記インクジェット記録ヘッドと前記基板とを相対的に走査して前記ドットピッチpを制御し、前記インクジェット記録ヘッドからの吐出量を制御する、パターン形成方法。
  2. 前記ノズルから前記基板表面に前記液滴を吐出した後、前記着弾した液滴に隣接する位置に着弾する液滴を吐出するまでの時間を1ミリ秒以下にするように、前記インクジェット記録ヘッドと前記基板とを相対的に走査し、前記液滴の吐出タイミングを制御する、請求項1記載のパターン形成方法。
  3. 前記ノズルから前記基板表面に前記液滴を吐出する前に、前記基板以外の所定の領域に前記液滴を予備吐出し、
    前記予備吐出後1秒以内に前記線の形成を開始するように、前記インクジェット記録ヘッドと前記基板とを相対的に走査し、前記液滴の吐出タイミングを制御する、請求項1又は2記載のパターン形成方法。
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