JP5577167B2 - インクジェット法によるライン形成方法 - Google Patents

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Description

この発明は、インクジェット法によって基板上にインキ組成物の液滴を吐出して、直線状のラインを形成するライン形成方法に関する。
インクジェットプリンター等を用いたインクジェット法は、従来の紙媒体への出力手段としてのみならず、カラーフィルターにおける各画素の形成や、導電性インキを吐出してプリント配線基板を作製するなど、近年では、半導体デバイス等の電子デバイス分野における利用も高まっている。
これは、インクジェット法が、ノズルから吐出される液滴の量や、吐出位置を制御する点で優れていることに起因するものであり、今後さまざまな分野でその利用が広がることが予想される。
ところで、カラーフィルターの画素形成のように、隔壁等で区画された所定の領域内に液滴を吐出するような場合には何ら問題にならないが、例えばプリント配線基板の回路を形成するような場合には、所定のマスクを介してラインを形成する必要があり、直接基板上に液滴を吐出して回路等を形成するのは難しいとされてきた。すなわち、隔壁等のバンクやマスク等で区画された領域に液滴を吐出するような場合には、互いに隣接する液滴同士が集合して所定の塗膜を形成するため、その表面の凹凸や、液滴間の接合部分等が問題になることはない。そのため、例えば特許文献1にあるように、基板上に予めバンクを形成し、そのバンク間に液滴を吐出するようにして、電子デバイスを作製する方法が提案されている。また、特許文献2のように、遮光性を有する隔壁を備えた基板上に、所定の樹脂材料を含んだ液滴を吐出していく技術も、上記のような考え方に基づくものである。
ところが、バンクやマスクを使わずに、直線状のラインを形成しようとすると、所定のピッチで吐出された液滴が基板上で濡れ広がり、隣接する液滴と合一しながら、特定の方向に伸びていくことになる。その際、液滴同士の距離が開き過ぎてしまうと、いわゆるジャギーと呼ばれるような、1滴の周期で液滴による凹凸が形成されてしまうことがある。逆に、液滴同士の距離が近くなり過ぎてしまうと、後から吐出された液滴が、先に基板上に着弾した液滴に吸収されて特定部分に液滴が集中することがあり、いわゆるバルジと呼ばれるような、液滴の不均一な濡れ広がりが形成されてしまうことがある。そのため、このような現象を避けるためにも、基板に直線状のラインを形成しようとする場合には、バンクの形成やマスクの使用が必要とされてきた。しかしながら、これらを予め形成することはコストアップにつながるばかりか、製造工程の短縮の観点からも望ましくない。そのため、バンクの形成やマスクを不要として、直接基板上にラインを形成できる技術の確立が望まれている。
そこで、例えば、特許文献3では、隣り合う2滴以上で構成される液滴をひとつの組みとして管理し、複数の組みを基板上に着弾させる際、隣り合う組みの端の液滴との間に隙間を設けることで、基板上での濡れ広がりを利用してラインを形成する方法が提案されている。このようにして液滴を組みで管理することで、ジャギーやバルジの発生する確率を減らすような試みがなされている。
特開2003−317945号公報 特開2009−244406号公報 特開2009−233612号公報
しかしながら、特許文献3で提案されている方法は、ジャギーやバルジの発生確率を減らすことはできても、これらの現象を根本的に解消しながらライン形成できるようになるものではない。そのため、実際には、基板上に液滴を吐出してラインを形成して、ジャギーやバルジの発生を確認しながら、液滴の着弾ピッチ等を調整しなければならず、作業に負担が掛かるばかりか、良好な直線性を有したラインを形成できるようにする、その再現性の点でも問題が残る。
そこで、本発明者等は、バンクやマスクを使用しないで、ジャギーやバルジの発生を抑制しながら、良好な直線性を有したラインを形成する技術について試行錯誤を重ねた結果、基板上での液滴の接触角、基板上に着弾した液滴の着弾径、及び基板上での液滴の着弾ピッチの3つのパラメーターによるライン形状に及ぼす関係性を見出し、これらのパラメーターを使った関係式に基づけば、予め基板上に形成されるライン形状を予測することが可能となって、これまでの作業を大幅に改善できると共に、良好な直線性を有したラインを再現性良く描けるようになることから、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の目的は、インクジェット法により、バンクやマスクを使用しないで、良好な直線性を有したラインを形成することができる、ライン形成の方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、インクジェット法により、インキ組成物の液滴をノズルから2以上吐出して、基板上に直線状のラインを形成するライン形成方法であり、
予め、基板と液滴との接触角θ(°)、及び、基板上に着弾した液滴の着弾径D(μm)を求め、
基板上での液滴の着弾ピッチp(μm)を制御して、p/Dが、下記式(1)〜(3)の3式で囲まれた領域内に含まれる着弾ピッチp(μm)の範囲を決定したのち、
式(1):p/D=0.0045×θ+0.7326
式(2):p/D=0.0209×θ+0.0672
式(3):θ=0
下記式(i)〜(iii)の3式で囲まれた領域内に含まれるライン幅w(μm)と着弾ピッチp(μm)の組み合わせを決定してラインを形成することを特徴とする、インクジェット法によるライン形成方法である。
式(i):p/w=0.0089×θ+0.7176
式(ii):p/w=0.0263×θ+0.0126
式(iii):θ=0
また、本発明は、基板の表面を撥液処理又は親液処理して、前記接触角θ(°)を調整した上で、ラインを形成することを特徴とする、上記に記載のインクジェット法によるライン形成方法である。
本発明におけるインクジェット法によるライン形成方法によれば、予め基板上に形成されるライン形状を予測することが可能になり、バンクやマスク等を使用せずに、ジャギーやバルジの発生を抑制しながら、良好な直線性を有したラインを形成することができる。そのため、これまで、実際に基板上にラインを形成してみてから、液滴の着弾ピッチを調整したり、インキ組成物の吐出量を制御して着弾径を調整するなどの手間が省けることから、その作業を大幅に改善することができ、しかも、良好な直線性を有したラインを再現性良く形成することができるようになる。
図1は、本発明におけるライン形成に必要なp/Dの領域を示すグラフである。 図2は、θ/2法により基板と液滴との接触角θを算出する際の模式説明図である。 図3は、基板に着弾した液滴の着弾径Dと着弾ピッチpとの関係を示す模式説明図である。 図4は、接触角θと関係式p/wとの関係を示すグラフである。 図5は、本発明におけるライン形成に必要なp/Dの領域を示すグラフに実施例および比較例を示すグラフである。
先ず、本発明において、インクジェット法によってラインを形成する際に用いるインクジェット装置については、インキ組成物の吐出液量が調整可能なものであれば特に制限はないが、例えば、コニカミノルタIJ製のインクジェットヘッド(KM512S[4pL/drop],KM512L[42pL/drop])が好適である。また、リニアエンコーダーによる吐出位置制御可能な高精度XYステージ(分解能0.5μm)を有していれば、任意にインクジェット吐出ピッチを規定できるのでより好ましい。
一般的によく用いられる圧電素子のインクジェットヘッドにおいて、安定的に液滴が形成されるインキ組成物の物性は、ヘッドの構成によっても異なるが、ヘッド内部における温度において、粘度が3mPa・sec〜150mPa・secであるのが良く、好ましくは4mPa・sec〜30mPa・secであるのが良い。粘度の値がこれよりも大きくなると液滴を吐出ができなくなり、反対に、粘度の値がこれよりも小さくなると液滴の吐出量が安定しない。また、ヘッド内部の温度は、用いるインキ組成物の安定性によっても異なるが、室温20℃〜45℃で用いるのが望ましい。なかでも、インキ組成物中の固形分を多くして膜厚を向上させるためには、安定吐出可能な粘度にするために35〜40℃程度の温度が一般に採用される。
本発明において、予め、インキ組成物の液滴と基板との接触角θ(°)を求める際には、以下の方法により算出することができる。すなわち、接触角θは、基板着弾後の液滴の濡れ広がり直径(着弾径)Dと、インクジェット吐出量vとから、θ/2法により算出される。この様子を図2に模式的に示す。例えば、光干渉式3D形状観察装置等によって基板着弾直後の液滴濡れ広がり直径Dを測定し、下記式(4)により規定した吐出量v(ノズルから吐出された1滴の液滴量)となるような液滴高さhを求め、さらに式(5)より接触角θを求めることができる。
Figure 0005577167
以下、本発明のインクジェット法によるライン形成方法について、具体的に説明する。
インキ組成物をインクジェット装置のインクジェットヘッド給液ビン等に仕込み、描画ステージ上に基板をセットし、インクジェットヘッド吐出面と基板とのクリアランスを0.1〜数mmの任意の距離として、例えば、描画ステージのX軸を固定した状態でY軸を駆動させると同時に、任意のインクジェット吐出ピッチにて液滴を吐出させることで直線性良好なライン描画を行う。
この際、直線性良好なライン描画条件を設定するために、先ず、基板とインキ組成物との濡れ性を評価することを目的に、図3に示すように、インクジェットヘッドのノズルから吐出される液滴の着弾ピッチ(インクジェット吐出ピッチ)pをp/D>1となる領域で、すなわち液滴同士が結合しない程度に十分離れた間隔を空けてドットを形成し、実体顕微鏡および光干渉式3D形状観察装置によって濡れ広がり径(着弾径)Dを測定する。そして、基板に着弾して濡れ広がった状態の液滴の着弾径Dと、インクジェットヘッドのノズルから吐出された液滴の1滴の吐出量vとから、前述の接触角算出方法の式(4)より液滴高さhを求め、さらに式(5)より接触角θを求めるようにする。
接触角θが確認できたところで、インクジェットヘッドのノズルから吐出された液滴の着弾ピッチpと着弾径Dとの関係式p/Dが、図1に示したように、下記式(1)、式(2)、及び式(3)で囲まれた領域内に納まるように設定することで、直線性良好なライン描画が行える。図1において、接触角θが低い領域では、インクジェット吐出ピッチに関して広いマージンを取ることができるが、接触角θが高い領域ではインクジェット吐出ピッチのマージンは狭くなる。もし、式(1)、式(2)、及び式(3)で囲まれた領域内に吐出ピッチを見出せない場合には、基板表面に対してDeep-UV処理等の撥液処理又は親液処理を施して、接触角θの値を変化させることで、新たにインクジェット吐出ピッチを設定するようにしても良い。
式(1):p/D=0.0045×θ+0.7326
式(2):p/D=0.0209×θ+0.0672
式(3):θ=0
ところで、上記式(1)及び(2)は、本発明者等が種々の実験によりライン良否の限界領域を確認し、解析して得られたものである。このうち式(1)と式(2)は、ライン良否判断基準により決定した“波形ライン”、“直線性良好なライン”、及び“バルジ”の境界を示すものである。この確認方法とは、ある接触角に対して、同一基板上に着弾ピッチpを変化させてラインを描画していくことで、ラインの状態を評価して、確認したものである。式(1)〜(3)で囲まれて形成された領域は、接触角が低くい領域では直線性良好な領域が広く、接触角が高くなるにしたがって直線性良好な領域が狭くなることを示している。すなわち、本発明では、これらの式(1)〜(3)で囲まれた領域(iii)に納まるようにp/Dを設定することで、バンクやマスクを使用しないで良好な直線性を有したラインを形成することができる。この領域(iii)は、式(1)〜(3)のそれぞれの直線上の点(式に含まれる点)を含むものとする。p/Dが式(1)より上方側の領域(i)に外れると、ジャギーと呼ばれるような波形状のラインが形成されてしまう。一方、p/Dが式(2)より下方側の領域(ii)に外れると、バルジと呼ばれるような不均一に液滴が濡れ広がる結果となり、やはり良好な直線ライン形状が得られない。なお、p/D>1の領域では、正しくラインが結ばれずに、インクジェット装置のノズルから吐出された液滴がドットを形成してしまう。また、式(1)と式(2)が交わるθ以上であって、かつ、p/D>1の領域では、液滴同士が分裂してラインにならない。
また、本発明の方法により形成するラインの幅wは、原則、液滴吐出量、着弾ピッチ、接触角(濡れ性)によって制御可能であり、本発明によれば、任意の幅wで直線性良好なラインを形成することができる。本発明によって形成されるライン幅wについて、好適には60μm〜500μmであるのが良い。
また、ライン幅wと接触角θの関係について、実験的に求めることができ、図4に示すような相関があることが分かった。図4におけるa線とb線に囲まれた領域において、直線性の良好なラインを形成することができる。すなわち、図4から所望のライン幅wのラインを形成するための適切な着弾ピッチp及び接触角θを求めることができる。この図4に示した関係性は、好適には上記ライン幅条件内で成り立つ。図4の境界領域を形成するa線、及びb線については、以下のようにして求めることができる。上述した図1では、ある接触角において濡れ広がり径が決まり、直線性良好なライン領域の上限・下限での着弾ピッチが決まる。そのときの接触角と着弾ピッチとから、実験により線幅の最大値(b線上:pの最小値)・最小値(a線上:pの最大値)が求まり、その結果をp/wの形で示したものが図4である。
本発明において、ライン形成に用いられるインキ組成物の構成例としては、例えば、絶縁性、耐熱性等の特性を付与するための樹脂類とこれらを溶解する溶剤と、必要により添加される着色剤とで構成される。絶縁性、耐熱性等の特性を付与するための樹脂は、後述する溶剤に可溶性を有する樹脂であればよいが、光又は熱による硬化性を有する樹脂であってもよい。光又は熱硬化性を有するためには、(メタ)アクリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基、エポキシ基、オキセタン基等のオキシラン環を有する基などの官能基を導入することで光又は熱硬化性とすることができる。
また、光又は熱による硬化性とする際に、光又は熱に感応してラジカルを発生する光又は熱開始剤を添加することができる。これらは一般に知られているような、光又は熱開始剤を用いることができる。更に、その他の樹脂成分として、例えば、光又は熱により硬化する官能基を有する樹脂と架橋反応が可能な官能基を有する化合物を添加することができる。これら架橋可能な官能基を有する化合物を添加することで、前記官能基を有する樹脂と反応し硬化させることで3次元架橋構造を形成し、インクジェット描画により形成したラインの強度及び密着性を向上させることができる。
前記樹脂類を溶解させる溶剤としては、インクジェット法に適した溶媒を用いることができるが、インクジェットヘッドの閉塞を防止する観点から、好ましくは沸点が140℃以上、更に好ましくは沸点が200℃以上の溶剤を用いるのがよい。なお、溶解性を向上させる目的で、低沸点の溶剤との混合溶剤としてもよいが、上記高沸点溶剤が溶剤成分中50%以上とすることが好ましい。また、着色剤としては、染料、顔料など公知のものを用いることができる。着色目的以外に、インク組成物にチキソ性を付与する目的でシリカ等の充填材を配合するようにしてもよい。
ライン形成に用いられる基板については特に制限はないが、好ましくは表面が均質で平滑な表面を有するものであるのがよく、例えば、ガラス、シリコンウエハー、プラスチック基板等が挙げられるが特にこれらに制限されない。また、上述したように、必要によって基板表面は、アセトン等の揮発性溶剤による洗浄処理、フッ素系撥液剤等による撥液処理、或いはDeep-UV処理等の親液性処理を施すことができる。
以下、実施例等に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用したインクジェット装置等については、次のとおりである。
<インクジェット装置>
下記実施例で使用したインクジェット装置には、液滴量42pL/dropを吐出可能なコニカミノルタIJ製ピエゾ素子駆動型インクジェットヘッド(KM512L)が取り付けてあり、リニアエンコーダーによる吐出位置制御可能な高精度XYステージ(分解能0.5μm)を備え、所定のインクジェット吐出ピッチ(着弾ピッチp)を規定できる。
<インク組成物の調製>
アルカリ現像製光硬化樹脂V-259ME(新日鐵化学株式会社製、固形分56.5%、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒)200部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物DPHA(日本化薬社製)50部、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製 YX4000HK)25部、イルガキュア907(チバジャパン製)5部、4,4’‐N,N-ジエチル-4,4’-ジフェニルEAB-F(保土ヶ谷化学製)0.8部、シランカップリング剤S-510(チッソ製)1.9部、シリコン系界面活性剤BYK325又はBYK330(ビッグケミジャパン製)0.5部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート608部を均一に混合した。これを0.2μmマイクロフィルターによってろ過して、固形分濃度22wt%、粘度11.3mPa・sec(23℃)、及び密度1049kg/m3(23℃)の試験用のインク組成物を調製した。
<基板>
基板は5インチサイズのガラス基板(厚さ0.7mm)およびSiウエハー(厚さ0.7mm)を用意し、ガラス基板はアセトン洗浄のみをしたもの(ガラス基板1)と、その後にフッ素系撥液剤(αFA-70D6:ダイキン工業製)を用いて撥液処理を施したもの(ガラス基板2)をそれぞれ用意した。また、Siウエハーには主要波長254nmの短波長紫外線照射装置(オーク製作所製、VUM-3073)を用い、Deep-UV処理を施した。なお、このDeep-UV処理は、主要波長254nm(それ以下の波長も照射。例えば185nm)の短波長紫外線照射装置(オーク製作所製、VUM-3073)を用いて、基板表面にある有機成分の汚れ等を除去した。
<接触角の測定>
先に調整したインク組成物をインクジェット装置のインクジェットヘッド給液ビンに仕込み、描画ステージ上に基板をセットし、インクジェットヘッド吐出面と基板とのクリアランスを0.5mmとし、X軸を固定した状態でY軸を駆動させて、基板に着弾した液滴同士が接触しないように、十分に距離のあるインクジェット吐出ピッチ(着弾ピッチ)pにて液滴を吐出させることでドットを形成し、実体顕微鏡および光干渉式3D形状観察装置にて濡れ広がり径(着弾径)Dを測定した。この濡れ広がり径Dと液滴の1滴あたりの吐出量vから、前述の接触角算出方法の式(4)より液滴高さhを求め、さらに式(5)より接触角θを求めた。
<ライン形状の良否判断>
1本のラインにおけるライン幅の最大値と最小値との中間の値をライン幅の平均値Nとしたときに、この平均値に対して、ライン幅の変動が±5%以内の範囲にあるときを直線性良好なラインとした。
[実施例1]
撥液処理が施されたガラス基板2に対し、準備したインク組成物を用いて、上記のようにして濡れ広がり径D、及び接触角θを求めた。次いで、図5に示したように、式(1)、式(2)、式(3)で囲まれた領域iiiにp/Dが納まるように、インクジェット吐出ピッチpを75μmに設定し、マスクレスで線幅w=69.6μmの直線を描画した。この実施例1に係るライン形成の条件について、表1に示す。
上記の条件で形成したラインについて、実体顕微鏡および光干渉式3D形状観察装置によってライン形状を観察したところ、バルジやジャギーは確認されず、また、上記の良否判断に従って評価したところ、直線性が良好なラインが形成された。
上記でラインを形成した基板について、ホットプレートを用いて80℃×3minの条件で、ラインを形成したインク組成物から溶剤を乾燥させた後、更に、ポストベーク(オーブン230℃×30min)して硬化処理を行った。その結果、インクジェット装置で描いた状態とほぼ同様に、良好な直線性を保持した硬化ラインが最終的に得られた。
Figure 0005577167
[実施例2〜5、比較例1〜3]
実施例1と同様にしながら、各種基板ごとに濡れ広がり径D、及び接触角θを測定・算出し、それぞれ表1に示した条件でライン描画を行った。図4に示したように、p/Dが式(1)、式(2)及び式(3)で囲まれた領域iiiにおさまる実施例2〜5では、良好な直線性が得られることが確認されたが、この領域iiiを外れる比較例1〜3では、良好な直線は得られなかった。
本発明によれば、バンクやマスク等を使用せずに、良好な直線性を有したラインを形成することができる。しかも、本発明によれば、予め基板上に形成されるライン形状を予測することが可能になるため、大幅に作業工程を短縮することができ、歩留まりの向上にもつながる。そのため、本発明のライン形成方法は、各種デバイス上でのライン状絶縁膜形成等をはじめ、ライン状遮光膜等の形成に好適であり、また、回路・配線等を形成するのにも適用可能である。

Claims (2)

  1. インクジェット法により、インキ組成物の液滴をノズルから2以上吐出して、基板上に直線状のラインを形成するライン形成方法であり、
    予め、基板と液滴との接触角θ(°)、及び、基板上に着弾した液滴の着弾径D(μm)を求め、
    基板上での液滴の着弾ピッチp(μm)を制御して、p/Dが、下記式(1)〜(3)の3式で囲まれた領域内に含まれる着弾ピッチp(μm)の範囲を決定したのち、
    式(1):p/D=0.0045×θ+0.7326
    式(2):p/D=0.0209×θ+0.0672
    式(3):θ=0
    下記式(i)〜(iii)の3式で囲まれた領域内に含まれるライン幅w(μm)と着弾ピッチp(μm)の組み合わせを決定してラインを形成することを特徴とする、インクジェット法によるライン形成方法。
    式(i):p/w=0.0089×θ+0.7176
    式(ii):p/w=0.0263×θ+0.0126
    式(iii):θ=0
  2. 基板の表面を撥液処理又は親液処理して、前記接触角θ(°)を調整した上で、ラインを形成することを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット法によるライン形成方法。
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