JP2011164375A - 液滴吐出装置および液滴吐出装置の洗浄方法 - Google Patents

液滴吐出装置および液滴吐出装置の洗浄方法 Download PDF

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敦 傳田
Hidekazu Moriyama
英和 森山
Hiroshi Takiguchi
宏志 瀧口
Mitsuhiro Isobe
光宏 磯部
Toshihiro Ogawa
智弘 小川
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Abstract

【課題】液面検知手段の誤動作を防止することが可能な液滴吐出装置および液滴吐出装置の洗浄方法を提供すること。
【解決手段】本発明の液滴吐出装置は、液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用いられ、着色剤と樹脂材料と前記着色剤を溶解または分散する液性媒体とを含むインクを吐出する液滴吐出装置であって、インクを貯留する1次インク貯留槽と、1次インク貯留槽から送液されたインクを貯留する2次インク貯留槽と、2次インク貯留槽から送液されたインクを吐出する液滴吐出ヘッドとを備え、2次インク貯留槽は、タンク本体と、タンク本体の側面に設けられ、管路と光センサーとで構成された液面検知手段と、光センサー近傍における管路内の汚れを外部から非接触で除去する非接触除去手段とを有することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、液滴吐出装置および液滴吐出装置の洗浄方法に関する。
カラー表示を行う液晶表示装置(LCD)等には、一般に、カラーフィルターが用いられている。
カラーフィルターは、従来、着色剤、感光性樹脂、官能性モノマー、重合開始剤等を含む材料(着色層形成用組成物)で構成された塗膜を基板上に形成し、その後、フォトマスクを介して光を照射する感光処理、現像処理等を行う、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いて製造されてきた。このような方法では、通常、基板のほぼ全面に、各色に対応する塗膜を形成し、その一部のみを硬化させ、それ以外の大部分を除去するという操作を繰り返すことにより、各色が重なり合わないようにカラーフィルターを製造する。このため、カラーフィルターの製造の過程で形成される塗膜は、最終的に得られるカラーフィルターには、その一部のみが着色層として残存するのみで、その大部分が製造工程において除去されることとなる。このため、カラーフィルターの製造コストが上昇するばかりでなく、省資源の観点からも好ましくない。
一方、近年、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を用いて、カラーフィルターの着色層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような方法では、着色層形成用の材料(着色層形成用組成物)の無駄を少なくすることができるため、環境への負荷を低減することができ、また、製造コストも抑制することができる。
ところで、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置(産業用)は、プリンターに適用されるもの(民生用)とは全く異なるものであり、例えば、大量生産を行ったり、大型のワーク(基板)への液滴吐出に用いたりするため、大量の液滴を長時間にわたって吐出することが求められる。また、形成される着色層(着色部)の基板への密着性を優れたものとするために、カラーフィルターの製造に用いられるカラーフィルター用のインクは、一般に、樹脂材料(バインダー樹脂)を含んでおり、プリンターに適用されるもの(民生用)で用いるインクに比べて、粘度が高く、装置内部に付着しやすい。
一般に、液滴吐出装置には、インクを貯留する貯留槽が設けられており、さらに、このような貯留槽には、液面を検知するセンサーが設置されている。このセンサーは、通常、光によって感知する光センサーである。上述したように、カラーフィルター用のインクは、装置内部に付着しやすいため、光センサーの付近に付着した場合、センサーが誤動作してしまい、カラーフィルターの製造に支障を来してしまうと言った問題があった。また、このようなセンサーは、交換が容易ではなく、交換の間、製造を中止しなければならないといった問題もあった。
特開2002−372613号公報
本発明の目的は、液面検知手段の誤動作を防止することが可能な液滴吐出装置および液滴吐出装置の洗浄方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴吐出装置は、液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用いられ、着色剤と樹脂材料と前記着色剤を溶解または分散する液性媒体とを含むインクを吐出する液滴吐出装置であって、
前記インクを貯留する1次インク貯留槽と、
前記1次インク貯留槽から送液された前記インクを貯留する2次インク貯留槽と、
前記2次インク貯留槽から送液された前記インクを吐出する液滴吐出ヘッドとを備え、
前記2次インク貯留槽は、タンク本体と、
前記タンク本体の側面に設けられ、管路と光センサーとで構成された液面検知手段と、
前記光センサー近傍における前記管路内の汚れを外部から非接触で除去する非接触除去手段とを有することを特徴とする。
これにより、液面検知手段の誤動作を防止することが可能な液滴吐出装置を提供することができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記光センサーは、光学式の液面センサーであることが好ましい。
これにより、液面検知手段の誤動作をより確実に防止することができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記非接触除去手段は、超音波振動ヘッドであることが好ましい。
これにより、管路内の汚れを非接触で容易に除去することができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記非接触除去手段は、前記管路内に配置されたリングを外部から磁石によって可動させるものであることが好ましい。
これにより、管路内の汚れを非接触で容易に除去することができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記管路を加熱する加熱手段を有することが好ましい。
これにより、管路内の汚れを非接触でより容易に除去することができる。
本発明の液滴吐出装置の洗浄方法は、液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用いられ、着色剤と樹脂材料と前記着色剤を溶解または分散する液性媒体とを含むインクを吐出する液滴吐出装置の洗浄方法であって、
前記液滴吐出装置は、前記インクを貯留する1次インク貯留槽と、
前記1次インク貯留槽から送液された前記インクを貯留する2次インク貯留槽と、
前記2次インク貯留槽から送液された前記インクを吐出する液滴吐出ヘッドとを備え、
前記2次インク貯留槽は、タンク本体と、
前記タンク本体の側面に設けられ、管路と光センサーとで構成された液面検知手段と、
前記光センサー近傍における前記管路内の汚れを外部から非接触で除去する非接触除去手段とを有し、
前記光センサーの感度の低下に基づいて前記管路内の汚れを検知し、前記非接触除去手段によって前記管路内の汚れを除去することを特徴とする。
これにより、カラーフィルターの生産性をより高いものとすることができる。
液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示す液滴吐出装置における液滴吐出手段をステージ側から観察した図である。 図1に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドの底面を示す図である。 図1に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。 2次インク貯留槽の一例を模式的に示した図である。 2次インク貯留槽の他の一例を模式的に示した図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《液滴吐出装置およびその洗浄方法》
まず、本発明の液滴吐出装置の好適な実施形態について説明する。
図1は、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置を示す斜視図、図2は、図1に示す液滴吐出装置における液滴吐出手段をステージ側から観察した図、図3は、図1に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドの底面を示す図、図4は、図1に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図、図5は、2次インク貯留槽の一例を模式的に示した図、図6は、2次インク貯留槽の他の一例を模式的に示した図である。
図1に示すように、液滴吐出装置100は、カラーフィルター用インク2(以下単にインク2ともいう)を貯留する1次インク貯留槽132と、チューブ134と、チューブ134を介して1次インク貯留槽132から送液されたインク2を貯留する2次インク貯留槽150と、チューブ110と、チューブ110を介して2次インク貯留槽150からインク2が供給される吐出走査部102とを備える。
吐出走査部102は、複数の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)114をキャリッジ105に搭載してなる液滴吐出手段103と、液滴吐出手段103の位置を制御する第1位置制御装置104(移動手段)と、前記工程で隔壁が形成された基板11(以下、単に「基板11」とも言う。)を保持するステージ106と、ステージ106の位置を制御する第2位置制御装置108(移動手段)と、制御手段112とを備えている。2次インク貯留槽150と、液滴吐出手段103における複数の液滴吐出ヘッド114とは、チューブ110で連結されており、2次インク貯留槽150から複数の液滴吐出ヘッド114のそれぞれにインク2が圧縮空気によって供給される。
第1位置制御装置104は、制御手段112からの信号に応じて、液滴吐出手段103をX軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って移動させる。さらに、第1位置制御装置104は、Z軸に平行な軸の回りで液滴吐出手段103を回転させる機能も有する。本実施形態では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。第2位置制御装置108は、制御手段112からの信号に応じて、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ106を移動させる。さらに、第2位置制御装置108は、Z軸に平行な軸の回りでステージ106を回転させる機能も有する。
ステージ106は、X軸方向とY軸方向との双方に平行な平面を有する。また、ステージ106は、インク2を付与すべきセルを有する基板をその平面上に固定、または保持できるように構成されている。
上述のように、液滴吐出手段103は、第1位置制御装置104によってX軸方向に移動させられる。一方、ステージ106は、第2位置制御装置108によってY軸方向に移動させられる。つまり、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108によって、ステージ106に対する液滴吐出ヘッド114の相対位置が変わる(ステージ106に保持された基板11と、液滴吐出手段103とが相対的に移動する)。
制御手段112は、インク2を吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置から受け取るように構成されている。
図2に示すように、液滴吐出手段103は、それぞれほぼ同じ構造を有する複数の液滴吐出ヘッド114と、これらの液滴吐出ヘッド114を保持するキャリッジ105とを有している。本実施形態では、液滴吐出手段103に保持される液滴吐出ヘッド114の数は8個である。それぞれの液滴吐出ヘッド114は、後述する複数のノズル118が設けられた底面を有している。それぞれの液滴吐出ヘッド114のこの底面の形状は、2つの長辺と2つの短辺とを有する多角形である。液滴吐出手段103に保持された液滴吐出ヘッド114の底面はステージ106側を向いており、さらに、液滴吐出ヘッド114の長辺方向と短辺方向とは、それぞれX軸方向とY軸方向とに平行である。
図3に示すように、液滴吐出ヘッド114は、X軸方向に並んだ複数のノズル118を有する。これら複数のノズル118は、液滴吐出ヘッド114におけるX軸方向のノズルピッチHXPが所定の値となるように配置されている。ノズルピッチHXPの具体的な値は、特に限定されないが、例えば、50μm以上90μm以下とすることができる。ここで、「液滴吐出ヘッド114におけるX軸方向のノズルピッチHXP」は、液滴吐出ヘッド114におけるノズル118のすべてをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた複数のノズル像間のピッチに相当する。
本実施形態では、液滴吐出ヘッド114における複数のノズル118は、ともにX軸方向に延びるノズル列116Aと、ノズル列116Bとをなす。ノズル列116Aと、ノズル列116Bとは、間隔を空けて並行に配置されている。そして、本実施形態においては、ノズル列116Aおよびノズル列116Bのそれぞれにおいて、90個のノズル118が一定間隔LNPでX軸方向に一列に並んでいる。LNPの具体的な値は、特に限定されないが、100μm以上180μm以下とすることができる。
ノズル列116Bの位置は、ノズル列116Aの位置に対して、ノズルピッチLNPの半分の長さだけX軸方向の正の方向(図3の右方向)にずれている。このため、液滴吐出ヘッド114のX軸方向のノズルピッチHXPは、ノズル列116A(またはノズル列116B)のノズルピッチLNPの半分の長さである。
したがって、液滴吐出ヘッド114のX軸方向のノズル線密度は、ノズル列116A(またはノズル列116B)のノズル線密度の2倍である。なお、本明細書において「X軸方向のノズル線密度」とは、複数のノズルをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた複数のノズル像の単位長さ当たりの数に相当する。もちろん、液滴吐出ヘッド114が含むノズル列の数は、2つだけに限定されない。液滴吐出ヘッド114はM個のノズル列を含んでもよい。ここで、Mは1以上の自然数である。この場合には、M個のノズル列のそれぞれにおいて複数のノズル118は、ノズルピッチHXPのM倍の長さのピッチで並ぶ。さらに、Mが2以上の自然数の場合には、M個のノズル列のうちの一つに対して、他の(M−1)個のノズル列は、ノズルピッチHXPのi倍の長さだけ重複無くX軸方向にずれている。ここで、iは1から(M−1)までの自然数である。
さて、本実施形態では、ノズル列116Aおよびノズル列116Bのそれぞれが90個のノズル118からなるため、1つの液滴吐出ヘッド114は180個のノズル118を有する。ただし、ノズル列116Aの両端のそれぞれ5ノズルは「休止ノズル」として設定されている。同様に、ノズル列116Bの両端のそれぞれ5ノズルも「休止ノズル」として設定されている。そして、これら20個の「休止ノズル」からはインク2が吐出されない。このため、液滴吐出ヘッド114における180個のノズル118のうち、160個のノズル118がインク2を吐出するノズルとして機能する。
図2に示すように、液滴吐出手段103においては、複数個の上記液滴吐出ヘッド114がX軸方向に沿って2列に配置されている。一方の列の液滴吐出ヘッド114と他方の列の液滴吐出ヘッド114とは、休止ノズル分を考慮して、Y軸方向から見て一部重なるように配置されている。これにより、液滴吐出手段103においては、基板11のX軸方向の寸法分の長さに渡り、インク2を吐出するノズル118が前記ノズルピッチHXPでX軸方向に連続するように構成されている。
本実施形態の液滴吐出手段103では、基板11のX軸方向の寸法分の長さ全体をカバーするように液滴吐出ヘッド114を配置しているが、本発明における液滴吐出手段は、基板11のX軸方向の寸法分の長さの一部をカバーするようにものでもよい。
図に示すように、それぞれの液滴吐出ヘッド114は、インクジェットヘッドである。より具体的には、それぞれの液滴吐出ヘッド114は、振動板126と、ノズルプレート128とを備えている。振動板126と、ノズルプレート128との間には、2次インク貯留槽150から孔131を介して供給されるインク2が常に充填される液たまり129が位置している。
また、振動板126と、ノズルプレート128との間には、複数の隔壁122が位置している。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、1対の隔壁122とによって囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル118に対応して設けられているため、キャビティ120の数とノズル118の数とは同じである。キャビティ120には、1対の隔壁122間に位置する供給口130を介して、液たまり129からインク2が供給される。
また、ノズルプレート128のノズル118付近は、フッ化アルキル基を有するシリカ膜で表面付近が覆われている。これにより、ノズル118は、撥液性に優れたものとなり、インク2を特に好適にはじくことができる。特に、ノズルプレート128がこのようなシリカ膜を有することで、ノズル118付近での固形分の強固な付着を防ぐことができる。このため、確実に液滴吐出時の飛行曲がりの発生や、液滴量の変動、ノズル118の目詰まりを確実に防止することができ、極めて長期にわたって、インク2の液滴の吐出性を特に優れたものとすることができる。
振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、振動子124が位置する。振動子124は、ピエゾ素子124Cと、ピエゾ素子124Cを挟む1対の電極124A、124Bとを含む。この1対の電極124A、124Bとの間に駆動電圧を与えることで、対応するノズル118からインク2が吐出される。なお、ノズル118からZ軸方向にインク2が吐出されるように、ノズル118の形状が調整されている。
制御手段112(図1参照)は、複数の振動子124のそれぞれに互いに独立に信号を与えるように構成されていてもよい。つまり、ノズル118から吐出されるインク2の体積が、制御手段112からの信号に応じてノズル118毎に制御されてもよい。また、制御手段112は、塗布走査の間に吐出動作を行うノズル118と、吐出動作を行わないノズル118とを設定することでもできる。
本明細書では、1つのノズル118と、ノズル118に対応するキャビティ120と、キャビティ120に対応する振動子124とを含んだ部分を「吐出部127」と表記することもある。この表記によれば、1つの液滴吐出ヘッド114は、ノズル118の数と同じ数の吐出部127を有する。
なお、図示の構成では、液滴吐出装置100は、インク2を保持する2次インク貯留槽150、チューブ110等を1色分しか有していないが、これらの部材を、カラーフィルターが有する複数色の着色部に対応する複数色分有するものであってもよい。また、カラーフィルターの製造においては、複数色のインク2に対応する複数の液滴吐出装置100を用いてもよい。
なお、本発明では、液滴吐出ヘッド114は、駆動素子として、ピエゾ素子の代わりに静電アクチュエータを用いるものでもよい。また、液滴吐出ヘッド114は、駆動素子として電気熱変換素子を用い、この電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用してインクを吐出する構成であってもよい。
また、液滴吐出装置100は、図1に示すような1次インク貯留槽132および2次インク貯留槽150を有するものである。1次インク貯留槽132には、インク2が貯留されている。液滴吐出時においては、チューブ134によって、2次インク貯留槽150へ、インク2が搬送される。
2次インク貯留槽150は、1次インク貯留槽132から送液されたインク2を貯留する機能を備えている。このように1次インク貯留槽132と2次インク貯留槽150とに分けることにより、カラーフィルターの製造時において、インク2の切り替えを容易にすることができるとともに、液滴吐出ヘッド114へ送液を調整することができる。
2次インク貯留槽150は、図5に示すように、タンク本体151と、液面検知手段152とを有している。
タンク本体151には、チューブ134を介して1次インク貯留槽132からインク2が送液され、貯留される。インク2は、チューブ110を介して液滴吐出ヘッド114に送られる。
液面検査手段152は、タンク本体151の側面に設けられており、タンク本体151内のインク2の液面を検知することにより、タンク本体151内のインク2の残量を管理する機能を有している。検知結果に基づいて、1次インク貯留槽132からインク2が送液されるよう構成されている。
本実施形態では、液面検査手段152は、管路153と、光学式の液面センサー(154a、154b、154c)と、超音波振動ヘッド(非接触除去手段)155とで構成されている。
管路153は、コ字状をなしており、その一端側は、タンク本体151のインク2が貯留されている部位に対応する側部に接続され、他端側は、タンク本体151のインク2の液面よりも高くなる部位に対応する側部に接続されている。これにより、管路153内には、インク2の液面が存在している。また、管路153は、光透過性を有する材料で構成されている。
液面センサーは、図5に示すように、上側ら順に、オーバーフロー液面センサー154a、上限液面センサー154b、下限液面センサー154cで構成されており、管路153の側面に並んで設けられている。これら3つの液面センサーによって、液面の位置を監視している。
超音波振動ヘッド155は、各液面センサー(154a、154b、154c)と同数設けられており、管路153の各液面センサー(154a、154b、154c)と対応する位置に設置されている。
超音波振動ヘッド155は、管路153内に超音波を照射することで、管路153内の汚れを除去する機能を有している。
このような構成とすることにより、管路153内における各液面センサーに対応する位置の汚れを非接触で容易に除去することができ、液滴吐出装置100が誤動作するのを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、管路153を加温する加温手段(図示せず)が設けられている。超音波を照射する際に加温することで、管路153内の汚れをより容易に除去することができる。
このような構成の液滴吐出装置100の洗浄方法は、上記各液面センサーの感度を監視し、感度の低下によって管路153内の汚れを検知し、検知した液面センサーの場所の超音波振動ヘッド155によって超音波を照射することにより管路153内の汚れを除去するよう構成される。これにより、管路153内の汚れが深刻化するのを未然に防ぐことが出来、カラーフィルターの生産性をより高いものとすることができる。
なお、液面検査手段152は、図5に示すような構成に限定されず、図6に示すような構成であってもよい。
図6に示す液面検査手段152は、非接触除去手段として、管路153内に設置されたリング155aと該リング155aを駆動するための磁石155bとを有している点で、図5に示す構成とは異なり、他の構成は上記図5の説明と同様である。
本実施形態における非接触除去手段は、磁石155bを図6中の矢印の方向に移動させることで、管路153内のリング155aを移動させ、管路153の内壁の汚れを落とすよう構成されている。これにより、管路153を外さなくても、管路153内に接触せずに管路153の内壁の汚れを除去することができる。
≪カラーフィルター用インク≫
次に、本発明の液滴吐出装置に好適に適用することが可能なカラーフィルター用インクの一例について説明する。
カラーフィルター用インクは、カラーフィルターの製造(カラーフィルターの着色部の形成)に用いられるインクであり、本発明においては、特に、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるものである。
カラーフィルター用インクは、着色剤、樹脂材料、前記着色剤が溶解および/または分散する液性媒体等を含むものである。
<着色剤>
カラーフィルターは、通常、異なる複数色の着色部(一般に、RGBに対応する3色の着色部)を有している。着色剤は、通常、形成すべき着色部の色調に応じて選択される。カラーフィルター用インクを構成する着色剤としては、例えば、各種顔料、各種染料を用いることができる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,40,41,42,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,53:1,57,57:1,57:2,58:2,58:4,60:1,63:1,63:2,64:1,81,81:1,83,88,90:1,97,101,102,104,105,106,108,108:1,112,113,114,122,123,144,146,149,150,151,166,168,170,171,172,174,175,176,177,178,179,180,185,187,188,190,193,194,202,206,207,208,209,215,216,220,224,226,242,243,245,254,255,264,265;C.I.ピグメントグリーン7,36,15,17,18,19,26,50;C.I.ピグメントブルー1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,60,27,28,29,35,36,60,80;C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14,15,16,17,20,24,31,34,35,35:1,37,37:1,42,43,53,55,60,61,65,71,73,74,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,116,117,119,120,126,127,128,129,138,139,150,151,152,153,154,155,156,157,166,168,175,180,184,185;C.I.ピグメントバイオレット1,3,14,16,19,23,29,32,36,38,50;C.I.ピグメントオレンジ1,5,13,14,16,17,20,20:1,24,34,36,38,40,43,46,49,51,61,63,64,71,73,104;C.I.ピグメントブラウン7,11,23,25,33;C.I.ピグメントブラック1,7や、ハロゲン化されたフタロシアニンの亜鉛錯体、これらの誘導体等が挙げられる。
カラーフィルター用インクが、着色剤として顔料を含むものであると、形成されるカラーフィルター(着色部)の耐光性、耐熱性を向上させる上で有利である。
カラーフィルター用インクは、上記の着色剤の中でも、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントイエロー150、ハロゲン化されたフタロシアニンの亜鉛錯体およびこれらの誘導体よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。これにより、製造されるカラーフィルターの色再現範囲、耐光性を特に優れたものとすることができる。
特に、カラーフィルター用インクが、顔料(赤色顔料)として、C.I.ピグメントレッド177とその誘導体、および/または、C.I.ピグメントレッド254とその誘導体を含むものであると、当該カラーフィルター用インク(赤色のカラーフィルター用インク)の発色性を特に優れたものとすることができる。また、後に詳述する樹脂材料と併用することによる効果がより顕著に発揮され、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散安定性を優れたものとすることができる。この結果、着色部形成時におけるカラーフィルター用インクのチキソトロピック性の上昇を抑制することができるとともに、セルへのインク付与時においては、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
C.I.ピグメントレッド177の誘導体、C.I.ピグメントレッド254の誘導体として、下記式(30)または下記式(31)で示される化合物(誘導体)を含有するものである場合、上述したような効果がさらに顕著に発揮される。
Figure 2011164375
Figure 2011164375
また、特に、カラーフィルター用インクが、顔料(緑色顔料)として、C.I.ピグメントグリーン58(臭素化亜鉛フタロシアニン顔料)を含むものであると、当該カラーフィルター用インク(緑色のカラーフィルター用インク)の発色性を特に優れたものとすることができる。また、C.I.ピグメントグリーン58は、明度に優れるという特徴を有しているものの、従来においては、安定的に分散させるのが極めて困難な材料であった。
しかしながら、本発明者は、C.I.ピグメントグリーン58を含む場合であっても、後に詳述する樹脂材料(重合体Mを含む樹脂材料)をともに用いることにより、カラーフィルター用インク中における分散安定性を優れたものとすることができることを見出した。これにより、カラーフィルター用インクの発色性をさらに優れたものとすることができるとともに、着色部形成時において、顔料が高濃度化することによるカラーフィルター用インクのチキソトロピック性の上昇を抑制することができる。また、カラーフィルター用インク中における顔料の長期分散安定性(カラーフィルター用インクの保存性)、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、本発明者は、C.I.ピグメントグリーン58を含む場合、スルホン化された顔料誘導体を副顔料として同時に含むことにより、カラーフィルター用インク中における分散安定性をさらに優れたものとすることができることを見出した。これにより、カラーフィルター用インクの発色性をさらに優れたものとすることができるとともに、着色部形成時において、顔料が高濃度化することによるカラーフィルター用インクのチキソトロピック性の上昇をさらに効果的に抑制することができる。また、カラーフィルター用インク中における顔料の長期分散安定性(カラーフィルター用インクの保存性)、カラーフィルター用インクの吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。
顔料として、C.I.ピグメントグリーン58とスルホン化された顔料誘導体とを含む場合、スルホン化された顔料誘導体として、下記式(32)で示される化合物(誘導体)を含有するのが好ましい。これにより、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散安定性、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができるとともに、製造されるカラーフィルターにおいて、より優れたコントラストの画像を表示することができる。
Figure 2011164375
このように、特定の化学構造を有する顔料誘導体(副顔料)を、C.I.ピグメントグリーン58(主顔料)とともに用いることにより、上記のような優れた効果が得られることは、本発明者が鋭意研究を行った結果、見出したことであり、そのメカニズムの詳細は不明であるが、以下のような理由によるものであると考えられる。
C.I.ピグメントグリーン58を構成する臭素化フタロシアニンは、分子全体として、高度な共役系が形成されており、平面的な構造となるのが、エネルギー的に安定している。そして、臭素化フタロシアニンは、平面状の各分子が積層されるように(平行に)配置することにより、各分子間が有する共役系のπ電子が重なり合った、安定した状態になる。このため、C.I.ピグメントグリーン58は、本来、凝集し易く、液性媒体中に安定的に分散させるのが困難である。
一方、上記のような顔料誘導体では、式(32)中において窒素原子に結合している水素原子は、フタルイミド構造を構成する酸素原子との間で、水素結合を形成する。このようなことから、式(32)中において窒素原子に結合している水素原子は、実体的には、キノリン構造を構成する窒素原子とともに、フタルイミド構造を構成する酸素原子とも強固に結合しており、上記のような顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)では、式(32)中において1〜7の番号を付した7原子による安定的な環構造(7員環構造)が形成されている。このような7員環構造を形成することにより、キノリン構造による平面と、フタルイミド構造による平面とは、非平行状態をとることになる。
このように、キノリン構造による平面と、フタルイミド構造による平面とが、非平行となることにより、C.I.ピグメントグリーン58(臭素化フタロシアニン)に対して適度な親和性を有する顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)が、C.I.ピグメントグリーン58の分子間に入り込み、上記のように、本来、凝集し易いC.I.ピグメントグリーン58を凝集しにくいものとすることができる。さらに、上記のような顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)は、分子内にスルホ基を有しているため、後述する液性媒体に対する分散性に優れている。以上のようなことが、相乗的に作用し合い、上記のような非常に優れた効果が得られるものと考えられる。
C.I.ピグメントグリーン58と上記のような顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)とを含む場合、カラーフィルター用インク中における顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)の含有率は、特に限定されないが、C.I.ピグメントグリーン58(主顔料):100重量部に対して、10重量部以上80重量部以下であるのが好ましく、30重量部以上70重量部以下であるのがより好ましい。これにより、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の長期分散安定性、液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができるとともに、カラーフィルター用インクを用いて製造されるカラーフィルターのコントラスト、明度を特に優れたものとすることができる。
また、特に、カラーフィルター用インクが、顔料(青色顔料)として、C.I.ピグメントブルー15:6およびC.I.ピグメントバイオレット23を含むものであると、当該カラーフィルター用インク(青色のカラーフィルター用インク)の発色性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インクが着色剤として顔料を含むもの(顔料インク)である場合、顔料の平均粒径は、10nm以上200nm以下であるのが好ましく、20nm以上180nm以下であるのがより好ましい。これにより、カラーフィルター用インク中における顔料の分散安定性や、カラーフィルター用インクの吐出安定性を十分に優れたものとしつつ、カラーフィルター用インクを用いて製造されるカラーフィルターの耐久性(耐光性等)を十分に優れたものとし、カラーフィルターにおける発色性、コントラスト等を特に優れたものとすることができる。
また、染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、縮合多環芳香族カルボニル染料、インジゴイド染料、カルボニウム染料、フタロシアニン染料、メチン,ポリメチン染料等が挙げられる。染料の具体例としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,28,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,240,241,242,243,247、C.I.アシッドレッド35,42,51,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,145,151,154,157,158,211,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,319,336,337,361,396,397、C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55、C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46、C.I.ダイレクトバイオレット7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101、C.I.アシッドバイオレット5,9,11,34,43,47,48,51,75,90,103,126、C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34、C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48、C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,58,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40、C.I.アシッドグリーン16、C.I.アシッドブルー9,45,80,83,90,185、C.I.ベーシックオレンジ21,23等が挙げられる。
カラーフィルター用インク中における着色剤の含有率は、2wt%以上25wt%以下であるのが好ましく、3wt%以上20wt%以下であるのがより好ましい。着色剤の含有率が前記範囲内の値であると、カラーフィルター用インクを用いて製造されるカラーフィルターにおいて、より高い色濃度を確保することができ、より鮮明な画像表示に用いることができる。また、所定の色濃度の着色部を形成するのに要するカラーフィルター用インクの量を少なくすることができ、省資源の観点から有利である。また、カラーフィルターの着色部を形成する際における溶剤の揮発量を抑制することができるため、環境に対する負荷を軽減することができる。
<樹脂材料>
カラーフィルター用インクは、一般に、形成される着色部の基板に対する密着性を向上させる等の目的で、樹脂材料(バインダー樹脂)を含んでいる。一般に、インクジェット法を用いて製造されるカラーフィルターは、製造過程において、加熱処理が施され、溶剤等での洗浄処理が施される。このため、インクジェット法を用いて製造されるカラーフィルターには、耐熱性、耐溶剤性等の耐久性が要求されるが、従来のカラーフィルターでは満足のいく耐久性を得るのが困難であった。また、従来では、カラーフィルターを用いて表示される画像のコントラスト比、明度を十分に高いものとすることができず、色むら、濃度むら等を生じるという問題があった。このような傾向は、着色剤として顔料を含む場合、樹脂材料に対して顔料の含有率が高い場合により顕著に現れる。これは、固形分濃度の上昇に伴い、インク中に含まれる顔料粒子が凝集することによるものであると考えられる。
これに対し、以下に述べる樹脂材料を用いることにより、上記のような問題を解決することができることを本発明者は見出した。
以下、カラーフィルター用インクを構成する樹脂材料(硬化性樹脂材料)について詳細に説明する。
本実施形態のカラーフィルター用インクは、樹脂材料が、下記式(1)で表される単量体成分m1とカルボキシル基または酸無水物基を有する単量体成分m2と下記式(3)で表される単量体成分m3とを含む重合体Mを含むものである。
Figure 2011164375
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[重合体M]
重合体Mは、上記式(1)で表される単量体成分m1とカルボキシル基または酸無水物基を有する単量体成分m2と上記式(3)で表される単量体成分m3とを含むものである。
このような重合体Mを含むことにより、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部は、平坦性に優れたものとなり、製造されるカラーフィルターについてのコントラスト比、明度を優れたものとすることができるとともに、カラーフィルターの耐久性を優れたものとすることができる。また、樹脂材料についての、所定温度以下では実質的に硬化反応を進行させず、それ以上の温度で効率よく硬化反応を進行させることができる特性(以下、「硬化反応のスイッチング特性」ともいう)や、カラーフィルター用インクの吐出安定性、形成される着色部の硬度等を優れたものとすることができるとともに、カラーフィルター用インク中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができる。また、重合体Mは、後述する樹脂成分(重合体X、重合体Y)との親和性、相溶性に非常に優れているため、重合体M以外の樹脂成分を含む場合においても、カラーフィルター用インク中での樹脂材料の不本意な析出を防止し、優れた吐出安定性で液滴吐出を行うことができるとともに、形成される着色部においては、各樹脂成分の特長を十分に発揮させることができ、不本意な相分離による透明性の低下等の問題の発生を確実に防止することができる。また、カラーフィルター用インクの長期保存性(カラーフィルター用インクの寿命)が非常に優れたものとなり、大量生産したカラーフィルター用インクの作り置きによる品質の低下等の問題の発生が効果的に防止され、カラーフィルターの製造に際してカラーフィルター用インクの交換頻度を減らすことができるため、カラーフィルターの生産性、製造されるカラーフィルターの信頼性を優れたものとすることができる。
なお、重合体Mは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Mが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、単量体成分m1、m2およびm3を含有するものである。
(単量体成分m1)
重合体Mは、上記式(1)で表される単量体成分m1、すなわち、ブロックされたイソシアネート基(以下、「ブロックイソシアネート基」ともいう)を有する化合物を単量体成分として含有してなるものである。なお、カラーフィルター用インクを構成する重合体Mは、分子内に、上記一般式(1)で表される単量体成分m1を複数種含むものであってもよい。
このような単量体成分m1を重合体M中に単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インクの保存時や後述するインク付与工程等における樹脂材料の不本意な反応(重合反応)を確実に防止しつつ、加熱環境下で行う着色部形成工程(硬化工程)においては、樹脂材料の硬化反応(重合反応)を好適に進行させることができる。すなわち、樹脂材料についての硬化反応のスイッチング特性を優れたものとすることができる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。すなわち、重合体M中における単量体m1が有するブロックイソシアネート基は、着色部形成工程(硬化工程)において付与されるような比較的高いエネルギーによって脱ブロック化し、活性なイソシアネート基が生成し、前記イソシアネート基とカルボキシル基または酸無水物基が硬化に寄与して、基板との密着性、耐熱性、耐薬品性等の向上を図れる一方で、比較的低いエネルギーが与えられた場合には、上記のような脱ブロック化が進行せず、硬化反応の進行が防止、抑制される。
式(1)で表される単量体Aにおいて、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示す。Rはイソシアネート基のブロック剤RHの残基を示す。
における炭素数1〜8の2価の飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン基等の直鎖状または分岐鎖状の2価の飽和脂肪族炭化水素基(アルキレン基)が挙げられる。これらの中でも、エチレン、トリメチレン、プロピレン基等の炭素数2〜4の2価の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。
イソシアネート基のブロック剤RHとしては、例えば、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、メチルイソブチルケトキシム、ジエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム系ブロック剤;3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール系ブロック剤;メタノール、エタノール等のアルコール系ブロック剤;フェノール、クレゾール等のフェノール系ブロック剤;ブチルメルカプタン等のメルカプタン系ブロック剤;アセトアニリド、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等の酸アミド系ブロック剤;マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチル等の活性メチレン系ブロック剤;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤;尿素系ブロック剤;N−フェニルカルバミン酸フェニル等のカルバミン酸系ブロック剤;ジフェニルアミン、アニリン等のアミン系ブロック剤;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン系ブロック剤等が挙げられる。
イソシアネート基のブロック剤としては、オキシム系ブロック剤、ピラゾール系ブロック剤が好ましく、下記式(5)で表されるものがより好ましい。
Figure 2011164375
式(5)中のRおよびRにおける炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル基等の直鎖状または分岐鎖状アルキル基が挙げられる。これらのなかでも、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状アルキル基が好ましい。RおよびRが互いに結合して隣接する炭素原子とともに結合する環としては、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等の3〜12員程度(好ましくは5または6員)のシクロアルカン環等が挙げられる。
式(1)で表される単量体成分m1の具体例としては、メタクリル酸2−[O−(1′−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチル(=2−(1−メチルプロピリデンアミノオキシカルボニルアミノエチル)メタクリレート)(下記式(6)で表されるもの)、メタクリル酸2−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)カルボニルアミノエチル(下記式(7)で表されるもの)等が挙げられる。
Figure 2011164375
Figure 2011164375
重合体M中における単量体成分m1の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、1wt%以上99wt%以下(例えば10wt%以上95wt%以下)であるのが好ましく、20wt%以上90wt%以下であるのがより好ましく、25wt%以上88wt%以下であるのがさらに好ましい。重合体M中における単量体成分m1の含有率が前記範囲内の値であると、後に詳述する単量体成分m2、m3等の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体M中における単量体成分m1の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分m1を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体M中における単量体成分m1の含有率が前記上限値を超えると、相対的に単量体成分m2、m3等の含有率が低下し、これらの機能が十分に発揮されない可能性がある。なお、重合体Mが複数種の単量体成分m1を含むものである場合、当該複数種の単量体成分m1の含有率の和が上記のような条件を満足するのが好ましい。また、重合体Mが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分m1の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Mが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分m1を含有しているのが好ましい。
(単量体成分m2)
重合体Mは、カルボキシル基または酸無水物基を有する単量体成分m2を単量体成分として含有してなるものである。なお、カラーフィルター用インクを構成する重合体Mは、分子内に複数種の単量体成分m2を含むものであってもよい。
このような単量体成分m2を重合体M中に単量体成分として含有することにより、基板上へのカラーフィルター用インクの濡れ広がりを良好なものとすることができ、気泡の混入等が確実に防止され、基板との密着性に優れた着色部を好適に形成することができる。また、カラーフィルター用インクが顔料を含むものである場合においては、単量体成分m2を単量体成分として含有することにより、顔料の分散安定性、カラーフィルター用インクの長期保存性を特に優れたものとすることができる。
単量体成分m2としては、不飽和カルボン酸またはその酸無水物が挙げられる。単量体成分m2の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β−不飽和カルボン酸およびその酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸等)等が挙げられ、中でも、アクリル酸、メタクリル酸(下記式(2)で表されるもの)が特に好ましい。
Figure 2011164375
重合体M中における単量体成分m2の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、0.5wt%以上98wt%以下(例えば2.5wt%以上70wt%以下)であるのが好ましく、3wt%以上50wt%以下であるのがより好ましく、5wt%以上40wt%以下であるのがさらに好ましい。重合体M中における単量体成分m2の含有率が前記範囲内の値であると、上述した単量体成分m1や後に詳述する単量体成分m3等の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体M中における単量体成分m2の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分m2を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体M中における単量体成分m2の含有率が前記上限値を超えると、相対的に単量体成分m1、m3等の含有率が低下し、これらの機能が十分に発揮されない可能性がある。なお、重合体Mが複数種の単量体成分m2を含むものである場合、当該複数種の単量体成分m2の含有率の和が上記のような条件を満足するのが好ましい。また、重合体Mが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分m2の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Mが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分m2を含有しているのが好ましい。
(単量体成分m3)
重合体Mは、上記式(3)で表される単量体成分m3((メタ)アクリル酸エステル)を単量体成分として含有してなるものである。なお、カラーフィルター用インクを構成する重合体Mは、分子内に、上記一般式(3)で表される単量体成分m3を複数種含むものであってもよい。
このような単量体成分m3を重合体M中に単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の平坦性を高いものとすることができる。また、単量体成分m3を重合体M中に単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インクの吐出安定性を優れたものとすることができる。また、単量体成分m3を重合体M中に単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インクが顔料を含む場合においては、顔料の分散安定性を優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの保存安定性(長期保存性)を優れたものとすることができる。
における炭素数16〜25の炭化水素基としては、例えば、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、ドコシル(ベヘニル)基等のアルキル基;10−シクロヘキシルデシル、12−シクロヘキシルドデシル、14−シクロヘキシルテトラデシル、16−シクロヘキシルヘキサデシル基等の脂環式炭化水素基とアルキル基とが結合した基;10−フェニルデシル、12−フェニルドデシル、14−フェニルテトラデシル、16−フェニルヘキサデシル基等のアラルキル基等が挙げられる。
炭素数16〜25の炭化水素基が有していてもよい炭化水素基置換オキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ基等のアルコキシ基(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基);フェノキシ基等のアリールオキシ基;シクロヘキシルオキシ基、ジシクロペンタニルオキシ基等の脂環式炭化水素基置換オキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等の炭素数1〜15(好ましくは、炭素数1〜12)の炭化水素基置換オキシ基等が挙げられる。
単量体成分m3の具体例としては、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記のように、重合体Mを構成する単量体成分m3が有する炭化水素基(炭化水素基置換オキシ基を有していてもよい)の炭素数(以下、Rの炭素数ともいう)は、16〜25であるが、特に、16〜22であるのが好ましく、16〜20であるのがより好ましい。これにより、上述した効果は、さらに顕著に発揮される。これに対し、Rの炭素数が前記下限値未満である場合、または、前記上限値を超える場合には、上述したような優れた効果が得られない。
重合体M中における単量体成分m3の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、0.5wt%以上98wt%以下(例えば2.5wt%以上70wt%以下)であるのが好ましく、3wt%以上50wt%以下であるのがより好ましく、5wt%以上40wt%以下であるのがさらに好ましい。重合体M中における単量体成分m3の含有率が前記範囲内の値であると、上述した単量体成分m1、m2等の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体M中における単量体成分m3の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分m3を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体M中における単量体成分m3の含有率が前記上限値を超えると、相対的に単量体成分m1、m2等の含有率が低下し、これらの機能が十分に発揮されない可能性がある。なお、重合体Mが複数種の単量体成分m3を含むものである場合、当該複数種の単量体成分m3の含有率の和が上記のような条件を満足するのが好ましい。また、重合体Mが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分m3の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Mが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分m3を含有しているのが好ましい。
重合体Mにおける単量体成分m1の比率(Cm1[wt%])と単量体成分m2の比率(Cm2[wt%])は、以下のような関係を満足するのが好ましい。すなわち、Cm1/Cm2は、2/98以上98/2以下であるのが好ましく、20/80以上95/5以下であるのがより好ましく、40/60以上95/5以下であるのがさらに好ましい。
また、重合体Mにおける単量体成分m1の比率(Cm1[wt%])と単量体成分m3の比率(Cm3[wt%])は、以下のような関係を満足するのが好ましい。すなわち、Cm1/Cm3は、2/98以上98/2以下であるのが好ましく、20/80以上95/5以下であるのがより好ましく、40/60以上95/5以下であるのがさらに好ましい。
重合体Mとしては、例えば、下記式(8)で表されるものがある。
Figure 2011164375
重合体Mは、上述した単量体成分m1、m2およびm3以外の成分を含むものであってもよい。これにより、例えば、上記のような特性を発揮しつつ、その他の単量体成分の化学構造に由来する効果も得ることができる。このような成分としては、例えば、以下に述べるような単量体成分m4、単量体成分m5、単量体成分m6、単量体成分m7等が挙げられる。
(単量体成分m4)
重合体Mは、下記式(4)で表される単量体成分m4((メタ)アクリル酸エステル)を単量体成分として含有してなるものであってもよい。
Figure 2011164375
重合体Mが単量体成分m4を含むことにより、後に詳述する液性媒体が親水性の高い場合であっても、カラーフィルター用インク中における樹脂材料の溶解性を優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の透明性を優れたものとすることができる。
単量体成分m4において、Rは、炭化水素基置換オキシ基を有していてもよい炭素数1〜15の炭化水素基を示すが、当該炭化水素基の炭素数は、1〜12であるのが好ましい。Rで示される炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル基等のアルキル基;シクロヘキシル、ジシクロペンタニル、イソボルニル基等の脂環式炭化水素基;フェニル基等のアリール基;ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;これらが2以上結合した基等が挙げられる。
炭素数1〜15の炭化水素基が有していてもよい炭化水素基置換オキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ基等のアルコキシ基(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基);フェノキシ基等のアリールオキシ基;シクロヘキシルオキシ基、ジシクロペンタニルオキシ基等の脂環式炭化水素基置換オキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等の炭素数1〜15(好ましくは、炭素数1〜12)の炭化水素基置換オキシ基等が挙げられる。
単量体成分m4の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記のように、単量体成分m4が有する炭化水素基(炭化水素基置換オキシ基を有していてもよい)の炭素数(以下、Rの炭素数ともいう)は、1〜15であるが、特に、1〜8であるのが好ましく、1〜4であるのがより好ましい。これにより、上述した効果は、さらに顕著に発揮される。
上記のような単量体成分m4を含む重合体Mとしては、例えば、下記式(9)で表されるものがある。
Figure 2011164375
(単量体成分m5)
重合体Mは、芳香族ビニル化合物である単量体成分m5を単量体成分として含有してなるものであってもよい。
重合体Mが単量体成分m5を含むことにより、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部は、透明性に特に優れ(樹脂材料の不透明性による光透過率の低下がより効果的に防止され)、基板に対する密着性が特に優れ、クラック等の問題が特に生じにくいものとなる。
単量体成分m5の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル等が挙げられる。
(単量体成分m6)
重合体Mは、ヒドロキシル基含有化合物である単量体成分m6を単量体成分として含有してなるものであってもよい。
重合体Mが単量体成分m6を含むことにより、カラーフィルター用インクが着色剤として顔料を含む場合において、顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができる。また、着色部形成時における樹脂材料の硬化反応をより好適に進行させることができる。
単量体成分m6の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物、上記多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物やエチレンオキサイド、若しくはプロピレンオキサイドを開環重合したヒドロキシル基含有化合物等が挙げられる。
(単量体成分m7)
重合体Mは、3〜5員の環状エーテル基を有するビニル化合物である単量体成分m7を単量体成分として含有してなるものであってもよい。
単量体成分m7(3〜5員の環状エーテル基を有するビニル化合物)には、オキシラン環(エポキシ基)含有重合性不飽和化合物、オキセタン環(オキセタニル基)含有重合性不飽和化合物、オキソラン環(オキソラニル基)含有重合性不飽和化合物が含まれる。
重合体Mが単量体成分m7を含むことにより、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の硬度や、基板に対する密着性等の更なる向上を図ることができる。
オキシラン環(エポキシ基)含有重合性不飽和化合物としては、例えば、オキシラニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−オキシラニルエチル(メタ)アクリレート、2−グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、3−グリシジルオキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシフェニル(メタ)アクリレート等のオキシラン環(単環)を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体等);3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の3,4−エポキシシクロヘキサン環等のエポキシ基含有脂環式炭素環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体等);5,6−エポキシ−2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(メタ)アクリレート等の5,6−エポキシ−2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体等);エポキシ化ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート[3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、またはこれらの混合物]、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート[2−(3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、またはこれらの混合物]、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシブチル(メタ)アクリレート、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシヘキシル(メタ)アクリレート等の3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体等)等が挙げられる。他のオキシラン環(エポキシ基)含有重合性不飽和化合物として、エポキシ基を含むビニルエーテル化合物、エポキシ基を含むアリルエーテル化合物、エポキシ基を含む芳香族ビニル化合物等を用いることもできる。エポキシ基を含む芳香族ビニル化合物としては、4−ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ビニルベンジルオキシラン、4−ビニルフェネチルオキシラン等のスチレン誘導体が挙げられる。
オキセタン環(オキセタニル基)含有重合性不飽和化合物としては、例えば、オキセタニル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2−(3−メチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(3−エチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2−[(3−メチル−3−オキセタニル)メチルオキシ]エチル(メタ)アクリレート、2−[(3−エチル−3−オキセタニル)メチルオキシ]エチル(メタ)アクリレート、3−[(3−メチル−3−オキセタニル)メチルオキシ]プロピル(メタ)アクリレート、3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メチルオキシ]プロピル(メタ)アクリレートや、オキセタニル基を含むビニルエーテル化合物、オキセタニル基を含むアリルエーテル化合物等が挙げられる。
オキソラン環(オキソラニル基)含有重合性不飽和化合物としては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートや、オキソラニル基を含むビニルエーテル化合物、オキソラニル基を含むアリルエーテル化合物等が挙げられる。
カラーフィルター用インクを構成する重合体Mが、上述したような単量体成分m7を含むものである場合、3〜5員の環状エーテル基(オキシラン環(エポキシ基)、オキセタン環(オキセタニル基)、オキソラン環(オキソラニル基))は硬化性基として作用する。3〜5員の環状エーテル基は、主に耐薬品性(耐溶剤性、耐アルカリ性等)の向上に寄与する。
重合体Mが、単量体成分m1、m2、m3に加え、さらに、単量体成分m4、m5、m6およびm7よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含むものである場合、重合体M中における単量体成分m4、m5、m6およびm7の含有率の総和は、60wt%以下であるのが好ましく、50wt%以下であるのがより好ましく、40wt%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述した単量体成分m1、m2、m3を含むことによる効果を十分に発揮させつつ、単量体成分m4、m5、m6、m7を含むことによる効果が発揮される。
重合体Mの重量平均分子量は、500以上100000以下であるのが好ましく、1000以上40000以下であるのがより好ましく、2000以上30000以下であるのがさらに好ましい。これにより、カラーフィルター用インクを用いて製造されるカラーフィルターについてのコントラスト比、明度を特に優れたものとすることができるとともに、カラーフィルターの耐久性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インクの保存安定性(長期安定性)、吐出安定性、形成される着色部の硬度等を優れたものとすることができる。
また、重合体Mの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1以上3以下であるのが好ましい。
また、カラーフィルター用インク中における重合体Mの含有率Cは、0.5wt%以上12wt%以下であるのが好ましく、1.0wt%以上9.0wt%以下であるのがより好ましい。
上述したように本実施形態において、樹脂材料は、重合体Mを含むものであるが、さらに、他の樹脂成分(重合体)を含むものであってもよい。
このような樹脂成分(重合体)としては、例えば、以下に述べるような重合体X、重合体Yが挙げられる。
[重合体X]
重合体Xは、下記式(11)で表される単量体成分x1と下記式(13)で表される単量体成分x3と下記式(14)で表される単量体成分x4とを含むものである。重合体Xとしては、例えば、下記式(17)で表されるものがある。
Figure 2011164375
Figure 2011164375
Figure 2011164375
Figure 2011164375
このような重合体Xを含むことにより、樹脂材料全体としての硬化反応のスイッチング特性や、カラーフィルター用インク中における各重合体成分の親和性、相溶性を十分に優れたものとしつつ、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の耐溶剤性等を特に優れたものとすることができ、また、形成される着色部の表面の平坦性を特に高いものとすることができる。その結果、カラーフィルター用インクを用いて製造されるカラーフィルターの各部位での色むら、濃度むらの発生やコントラストの低下等をより確実に防止することができ、カラーフィルターの耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
なお、重合体Xは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Xが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、単量体成分x1、x3およびx4を含有するものである。
(単量体成分x1)
重合体Xは、上記式(11)で表される単量体成分x1を単量体成分として含有してなるものである。
このような単量体成分x1を単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インクの保存時や後述するインク付与工程等における樹脂材料の不本意な反応(重合反応)を確実に防止しつつ、加熱環境下で行う着色部形成工程(硬化工程)においては、樹脂材料の硬化反応(重合反応)をより好適に進行させることができる。すなわち、単量体成分x1を含有することにより、樹脂材料についての硬化反応のスイッチング特性を特に優れたものとすることができる。また、単量体成分x1を単量体成分として含有することにより、例えば、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散安定性を優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの長期保存性、吐出安定性を優れたものとすることができる。また、単量体成分x1を単量体成分として含有することにより、形成される着色部の硬度等を優れたものとすることができる。
重合体X中における単量体成分x1の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、30wt%以上90wt%以下であるのが好ましく、40wt%以上80wt%以下であるのがより好ましい。重合体X中における単量体成分x1の含有率が前記範囲内の値であると、後に詳述する単量体成分x2、x3、x4の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体X中における単量体成分x1の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分x1を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体X中における単量体成分x1の含有率が前記上限値を超えると、相対的に単量体成分x2、x3、x4の含有率が低下し、これらの機能が十分に発揮されない可能性がある。また、重合体Xの高温での反応速度が低下し、十分に優れた生産性でカラーフィルターを製造するのが困難となる。なお、重合体Xが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分x1の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Xが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分x1を含有しているのが好ましい。
(単量体成分x2)
重合体Xは、下記式(12)で表される単量体成分x2を単量体成分として含有してなるものであってもよい。
Figure 2011164375
このような単量体成分x2を単量体成分として含有すること(特に、上述した単量体成分x1や後に詳述する単量体成分x3とともに含有すること)により、カラーフィルター用インクの保存時や後述するインク付与工程等における樹脂材料の不本意な反応(重合反応)を確実に防止しつつ、加熱環境下で行う着色部形成工程(硬化工程)においては、樹脂材料の硬化反応(重合反応)をより好適に進行させることができる。特に、加熱環境下での着色部形成工程(硬化工程)において、樹脂材料の重合反応の立ち上がりをより良好なものとすることができるとともに、継続的に重合反応の進行させることができる。また、単量体成分x2を単量体成分として含有することにより、形成される着色部の硬度等を特に優れたものとすることができる。
単量体成分x2を単量体成分として含有する重合体Xとしては、例えば、下記式(19)で表されるものがある。
Figure 2011164375
重合体X中における単量体成分x2の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、5wt%以上60wt%以下であるのが好ましく、10wt%以上50wt%以下であるのがより好ましい。重合体X中における単量体成分x2の含有率が前記範囲内の値であると、前述した単量体成分x1および後に詳述する単量体成分x3、x4の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体X中における単量体成分x2の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分x2を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体X中における単量体成分x2の含有率が前記上限値を超えると、相対的に単量体成分x1、x3、x4の含有率が低下し、これらの機能が十分に発揮されない可能性がある。また、重合体Xの比較的低温での反応性が増し、カラーフィルター用インクの保存安定性が低下する傾向が現れる。なお、重合体Xが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分x2の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Xが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分x2を含有しているのが好ましい。
(単量体成分x3)
重合体Xは、上記式(13)で表される単量体成分x3を単量体成分として含有してなるものである。
単量体成分x3を単量体成分として含有することにより、形成される着色部の耐薬品性、耐溶剤性等を特に優れたものとすることができる。これにより、着色部形成工程(硬化工程)の後に、薬品塗布や洗浄(特に、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液等を用いた洗浄)等の後処理を行った場合であっても、これらによる悪影響の発生を確実に防止することができる。
また、単量体成分x3は、重合体Xにおいて、上述した単量体成分x1と同様に、比較的低い温度(例えば、100℃以下)での反応性が十分に低いのに対し、着色部形成工程(硬化工程)で施す熱処理のような加熱環境下では、十分な反応性を示すものである。このため、カラーフィルター用インクの保存時や後述するインク付与工程等における樹脂材料の不本意な反応(重合反応)を確実に防止しつつ、加熱環境下で行う着色部形成工程(硬化工程)においては、樹脂材料の硬化反応(重合反応)を好適に進行させることができる。
また、単量体成分x3を単量体成分として含有することにより、例えば、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの長期保存性、吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
重合体X中における単量体成分x3の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、2wt%以上20wt%以下であるのが好ましく、3wt%以上15wt%以下であるのがより好ましい。重合体X中における単量体成分x3の含有率が前記範囲内の値であると、前述した単量体成分x1、x2および後に詳述する単量体成分x4の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体X中における単量体成分x3の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分x3を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体X中における単量体成分x3の含有率が前記上限値を超えると、相対的に単量体成分x1、x2、x4の含有率が低下し、これらの機能が十分に発揮されない可能性がある。また、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部が硬くなりすぎ、温度変化に伴う基板等の変形に対する追従性が低下する傾向が現れる。なお、重合体Xが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分x3の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Xが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分x3を含有しているのが好ましい。
(単量体成分x4)
重合体Xは、上記式(14)で表される単量体成分x4を単量体成分として含有してなるものである。
このような単量体成分x4を単量体成分として含有することにより、着色部の形成時、基板上に付与されたカラーフィルター用インクから液性媒体を除去する際に、固形分濃度の上昇に伴ってカラーフィルター用インクのチキソトロピック性および粘度が上昇し、形成される着色部の表面に不本意な凹凸が生じることをより確実に防止することができる。
また、単量体成分x4は、その末端に水酸基を有している。このような構造を有することにより、比較的低い温度(例えば、100℃以下)における反応性を十分に低いものとしつつ、着色部形成工程(硬化工程)で施す熱処理のような加熱環境下における反応性をさらに高めることができる。これにより、カラーフィルター用インクの保存時や後述するインク付与工程等における樹脂材料の不本意な反応(重合反応)を確実に防止しつつ、加熱環境下で行う着色部形成工程(硬化工程)においては、樹脂材料の硬化反応(重合反応)をより好適に進行させることができる。
また、単量体成分x4を単量体成分として含有することにより、例えば、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの長期保存性、吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
重合体X中における単量体成分x4の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、2wt%以上20wt%以下であるのが好ましく、3wt%以上15wt%以下であるのがより好ましい。重合体X中における単量体成分x4の含有率が前記範囲内の値であると、前述した単量体成分x1、x2、x3の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体X中における単量体成分x4の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分x4を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体X中における単量体成分x4の含有率が前記上限値を超えると、相対的に単量体成分x1、x2、x3の含有率が低下し、これらの機能が十分に発揮されない可能性がある。また、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の硬度が低下する傾向が現れる。なお、重合体Xが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分x4の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Xが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分x4を含有しているのが好ましい。
なお、重合体Xは、上述した単量体成分x1、x2、x3、x4以外の単量体成分(その他の単量体成分)を含むものであってもよい。これにより、例えば、上記のような特性を発揮しつつ、その他の単量体成分の化学構造に由来する効果も得ることができる。
重合体Xが、その他の単量体成分(単量体成分x1、x2、x3、x4以外の単量体成分)を含むものである場合、重合体X中におけるその他の単量体成分の含有率(複数種のその他の単量体成分を含む場合にはこれらの含有率の和)は、15wt%以下であるのが好ましく、10wt%以下であるのがより好ましい。
重合体Xの重量平均分子量は、1000以上50000以下であるのが好ましく、1200以上10000以下であるのがより好ましく、1500以上5000以下であるのがさらに好ましい。これにより、カラーフィルター用インクの経時的安定性(長期保存性)、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができるとともに、カラーフィルターの生産性を十分に優れたものとし、さらに、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の平坦性をより確実に高いものとすることができ、カラーフィルターを用いて表示される画像における色むら等の発生をより効果的に防止することができる。
また、重合体Xの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1以上3以下であるのが好ましい。
[重合体Y]
重合体Yは、下記式(15)で表される単量体成分y1を含むものである。重合体Yとしては、例えば、下記式(18)で表されるものがある。
Figure 2011164375
Figure 2011164375
このような重合体Yを含むことにより、カラーフィルター用インクの吐出安定性、カラーフィルター中における顔料の分散安定性等を優れたものとしつつ、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の基板に対する密着性を特に優れたものとすることができ、製造されるカラーフィルターの耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
なお、重合体Yは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Yが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、単量体成分y1を含有するものである。
(単量体成分y1)
重合体Yは、上記式(15)で表される単量体成分y1を単量体成分として含有してなるものである。
このような単量体成分y1を単量体成分として含有することにより、形成される着色部の基板に対する密着性を特に優れたものとすることができる。その結果、カラーフィルターの耐久性を特に優れたものとすることができる。
重合体Y中における単量体成分y1の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、30wt%以上90wt%以下であるのが好ましく、40wt%以上80wt%以下であるのがより好ましい。重合体Y中における単量体成分y1の含有率が前記範囲内の値であると、例えば、重合体Yが単量体成分として後に詳述する単量体成分y2を含む場合において、当該単量体成分y2の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体Y中における単量体成分y1の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分y1を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体Y中における単量体成分y1の含有率が前記上限値を超えると、例えば、重合体Yが単量体成分として後に詳述する単量体成分y2を含む場合において、相対的に単量体成分y2の含有率が低下し、単量体成分y2の機能が十分に発揮されない可能性がある。また、着色部の形成時、基板上に付与されたカラーフィルター用インクから液性媒体を除去する際に、固形分濃度の上昇に伴ってカラーフィルター用インクの粘度が上昇する傾向が現れ、形成される着色部の表面に不本意な凹凸が生じ易くなる。なお、重合体Yが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分y1の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Yが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分y1を含有しているのが好ましい。
(単量体成分y2)
重合体Yは、下記式(16)で表される単量体成分y2を単量体成分として含有してなるものであってもよい。
Figure 2011164375
このような単量体成分y2を単量体成分として含有すること(特に、上述した単量体成分y1とともに含有すること)により、カラーフィルター用インクの保存時や後述するインク付与工程等における樹脂材料の不本意な反応(重合反応)をより確実に防止しつつ、加熱環境下で行う着色部形成工程(硬化工程)においては、樹脂材料の硬化反応(重合反応)を好適に進行させることができる。特に、加熱環境下での着色部形成工程(硬化工程)において、樹脂材料の重合反応の立ち上がりを良好なものとすることができるとともに、継続的に重合反応の進行させることができる。また、単量体成分y2を単量体成分として含有することにより、形成される着色部の硬度等を優れたものとすることができる。
また、重合体Yが単量体成分y2を含有することにより、重合体Mや重合体X等との親和性、相溶性を十分に優れたものとすることができる。その結果、カラーフィルター用インクの吐出安定性を優れたものとすることができ、また、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部は、透明性に優れ(樹脂材料の不透明性による光透過率の低下が防止され)、基板に対する密着性が特に優れ、クラック等の問題が生じにくいものとなる。これに対し、単量体成分y2を単量体成分として含有しない場合、重合体M等との親和性、相溶性を十分に優れたものとすることができず、カラーフィルター用インクは、吐出安定性に劣ったものとなり、また、製造されるカラーフィルターは、色むらや濃度むらが発生し易く、コントラストや耐久性、信頼性等を十分に優れたものとするのが困難となる。
単量体成分y2を単量体成分として含有する重合体Yとしては、例えば、下記式(20)で表されるものがある。
Figure 2011164375
重合体Y中における単量体成分y2の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、10wt%以上70wt%以下であるのが好ましく、20wt%以上60wt%以下であるのがより好ましい。重合体Y中における単量体成分y2の含有率が前記範囲内の値であると、前述した単量体成分y1の機能を阻害することなく、上述したような効果をより顕著に発現させることができる。これに対し、重合体Y中における単量体成分y2の含有率が前記下限値未満であると、単量体成分y2を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、重合体Y中における単量体成分y2の含有率が前記上限値を超えると、相対的に単量体成分y1の含有率が低下し、単量体成分y1の機能が十分に発揮されない可能性がある。また、重合体Yの比較的低温での反応性が増し、カラーフィルター用インクの保存安定性が低下する傾向が現れる。なお、重合体Yが、複数種の化合物の混合物である場合、単量体成分y2の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Yが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率で単量体成分y2を含有しているのが好ましい。
なお、重合体Yは、上述した単量体成分y1、y2以外の単量体成分(その他の単量体成分)を含むものであってもよい。これにより、例えば、上記のような特性を発揮しつつ、その他の単量体成分の化学構造に由来する効果も得ることができる。
重合体Yが、その他の単量体成分(単量体成分y1、y2以外の単量体成分)を含むものである場合、重合体Y中におけるその他の単量体成分の含有率(複数種のその他の単量体成分を含む場合にはこれらの含有率の和)は、15wt%以下であるのが好ましく、10wt%以下であるのがより好ましい。
重合体Yの重量平均分子量は、1000以上50000以下であるのが好ましく、1200以上10000以下であるのがより好ましく、1500以上5000以下であるのがさらに好ましい。これにより、カラーフィルター用インクの経時的安定性(長期保存性)、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができるとともに、カラーフィルターの生産性を十分に優れたものとし、さらに、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の平坦性をより確実に高いものとすることができ、カラーフィルターを用いて表示される画像における色むら等の発生をより効果的に防止することができる。
また、重合体Yの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1以上3以下であるのが好ましい。
なお、上述した各重合体は、最終的に上述したような構造(各単量体成分に対応する各部分構造)を有していればよく、上述した各単量体成分そのものを用いて合成されたものであってもよいし、上述した単量体成分とは異なる成分(前駆体、誘導体等)を用いて合成されたものであってもよい。
また、カラーフィルター用インク中における樹脂材料の含有率は、0.5wt%以上18wt%以下であるのが好ましく、1wt%以上15wt%以下であるのがより好ましく、3wt%以上12wt%以下であるのがさらに好ましい。
また、カラーフィルター用インク中における樹脂材料の含有率をC[wt%]、カラーフィルター用インク中における着色剤の含有率をC[wt%]としたとき、0.2≦C/C≦9.0の関係を満足するのが好ましく、0.3≦C/C≦5.0の関係を満足するのがより好ましく、0.4≦C/C≦3.5の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、製造されるカラーフィルターのコントラスト等をより優れたものとすることができたり、着色部厚さをより薄いものとした場合であっても十分なコントラストを確保することができる。
なお、カラーフィルター用インクを構成する樹脂材料は、上述した以外の重合体(例えば、熱可塑性の重合体や上述した重合体M、X、Y以外の硬化性の重合体)を含むものであってもよい。
<液性媒体>
液性媒体(液状媒質)は、上述したような着色剤等を、溶解および/または分散する機能を有するものである。すなわち、液性媒体は、溶媒および/または分散媒として機能するものである。そして、通常、液性媒体は、カラーフィルターを製造する過程において、その大部分が除去されるものである。
カラーフィルター用インクを構成する液性媒体としては、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ヒドロキシケトン、炭酸ジエステル、環状アミド化合物等を用いることができ、中でも、〔1〕多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等)の縮合物としてのエーテル(多価アルコールエーテル)や、多価アルコールまたは多価アルコールエーテルのアルキルエーテル(例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル等)、エステル(例えば、ホルメート、アセテート、プロピオネート等)、〔2〕多価カルボン酸(例えば、こはく酸、グルタル酸等)のエステル(例えば、メチルエステル等)、〔3〕分子内に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つのカルボキシル基とを有する化合物(ヒドロキシ酸)のエーテル、エステル等、〔4〕多価アルコールとホスゲンとの反応で得られるような化学構造を有する炭酸ジエステルが好ましい。液性媒体として用いることのできる化合物としては、例えば、2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビス(2−ブトキシエチル)エーテル、グルタル酸ジメチル、エチレングリコールジn−ブチレート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メチルプロピレントリグリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、1,6−ジアセトキシヘキサン、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブトキシプロパノール、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、オクタン酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸シクロヘキシル、こはく酸ジエチル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、こはく酸ジメチル、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、ジアセチン、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ブチルグリコレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ビス(2−プロポキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールブチルエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルプロピルエーテル、トリエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、n−ノニルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ブチルセロソルブアセテート等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、液性媒体としては、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ビス(2−ブトキシエチル)エーテル、2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテート、メチルプロピレントリグリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましく、主として、上記群を構成する化合物で構成されたものであるのがより好ましい。これにより、カラーフィルター用インク中における樹脂材料の溶解状態をより均一なものとすることができ、カラーフィルター用インクの吐出安定性が特に優れたものとなり、製造されるカラーフィルターを用いて表示される画像のコントラスト比、明度を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インクが着色剤として顔料を含む場合においては、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができる。また、着色剤、樹脂材料等を比較的多量にカラーフィルター用インク中に含ませた場合であっても、カラーフィルター用インクの物性の変化が比較的少ないものとなる。また、液性媒体が上記のような化合物で構成されたものであると、後述するようなカラーフィルターの製造方法において、セル内全体に、カラーフィルター用インクをより確実に濡れ広がるようにすることができる。
また、上述した中でも、液性媒体が、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを含むものである場合、カラーフィルター用インクの粘度を特に低いものとすることができ、カラーフィルター用インクの液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インクが基板上ですばやく隅々まで濡れ広がるため、形成される着色部の厚さの均一性をより高いものとすることができ、色再現性および消偏性(コントラスト比)を特に優れたものとすることができる。また、液性媒体が、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを含むものである場合、水の液性媒体への溶解度を適度なものとすることができる。このため、カラーフィルター用インクを構成する液性媒体は、外部からの吸湿を確実に防止することができる。また、液滴吐出装置のカラーフィルター用インクの流路等の内部に水が混入した場合であっても、水を好適に溶解し、除去することができる。この結果、液滴吐出ヘッドからのカラーフィルター用インクの液滴の吐出安定性(例えば、液滴の吐出量の均一性)をより長期にわたって、特に優れたものとすることができる。
また、上述した中でも、液性媒体がビス(2−ブトキシエチル)エーテル、1,3−ブチレングリコールジアセテートを含むものである場合、カラーフィルター用インクがノズルの近傍で非常に乾燥しにくくなり、インク付与工程における飛行曲がりの発生がより効果的に抑制される。また、ノズルの詰まりを防ぐために定期的にカラーフィルター用インクを少量排出するために行うフラッシング工程において、長距離のヘッド移動中におけるノズル近傍のカラーフィルター用インク乾燥を防ぐことができ、基板中に設けられたダミー画素などの捨て打ちエリアが不必要となる。また、カラーフィルター用インクが乾燥しにくくなることで、着色剤、樹脂材料等の成分の劣化、凝集、偏析をより確実に防止することができる。
また、特に、液性媒体が1,3−ブチレングリコールジアセテートを含むものである場合、液性媒体への水の溶解度を適度なものとすることができる。このため、カラーフィルター用インクを構成する液性媒体は、外部からの過剰な水分の吸収を確実に防止しつつ、液滴吐出装置のカラーフィルター用インクの流路等の内部に多少の水分が混入した場合であっても、水を好適に溶解することで、分散の安定性・流動性を保持したまま流路内を移動することができる。
また、液性媒体が複数種の化合物で構成される場合において、ジエチレングリコールモノノルマルブチルエーテル、トリエチレングリコールモノノルマルブチルエーテルおよび3−エトキシプロピオン酸エチルよりなる群から選択される1種または2種以上を副成分(副液性媒体)として含むと、以下のような効果が得られる。
すなわち、これらの化合物(副成分としての化合物)は、比較的高い沸点を有するとともに、上述したような樹脂材料を溶解しやすい。そして、着色部形成時において、主成分となる液性媒体の大部分が揮発した後に、このような化合物(副成分)は比較的穏やかに除去される。一方で、副成分は上述した樹脂材料を溶解しやすいため、着色部形成時におけるカラーフィルター用インクの流動性を維持しやすいものである。この結果、副成分の除去時におけるカラーフィルター用インクの対流が防止されつつ、カラーフィルター用インクの高い流動性が維持され、形成される着色部は、凹凸が少ないものとなる。
また、液性媒体中に占める副成分の割合(副成分として含まれる化合物が上記から選択される2種または3種である場合はそれらの和)は、50wt%以下であればよいが、1wt%以上40wt%以下であるのが好ましい。
液性媒体の大気圧(1気圧)下における沸点は、160℃以上300℃以下であるのが好ましく、180℃以上290℃以下であるのがより好ましく、200℃以上280℃以下であるのがさらに好ましい。液性媒体の大気圧下における沸点が前記範囲内の値であると、カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出ヘッドにおける目詰まり等をより効果的に防止することができ、カラーフィルターの生産性を特に優れたものとすることができる。
また、液性媒体の25℃における蒸気圧は、0.7mmHg以下であるのが好ましく、0.1mmHg以下であるのがより好ましい。液性媒体の蒸気圧が前記範囲内と値であると、カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出ヘッドにおける目詰まり等をより効果的に防止することができ、カラーフィルターの生産性を特に優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インク中における液性媒体の含有率は、50wt%以上98wt%以下であるのが好ましく、60wt%以上95wt%以下であるのがより好ましく、65wt%以上93wt%以下であるのがさらに好ましい。液性媒体の含有率が前記範囲内の値であると、カラーフィルター用インクの液滴吐出ヘッドからの吐出性を特に優れたものとしつつ、製造されるカラーフィルターの耐久性を優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターにおいて、十分な着色濃度を確保することができる。
カラーフィルター用インクは、上記以外の成分を含むものであってもよい。カラーフィルター用インクを構成する上記以外の成分としては、例えば、分散剤等が挙げられる。
<分散剤>
カラーフィルター用インクには、分散剤が含まれていてもよい。これにより、例えば、インクの液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インク中に顔料が含まれる場合、分散剤は、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散性を向上させるのに寄与することができる。
分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。
分散剤のより具体的な例としては、例えば、ディスパービック101、ディスパービック102、ディスパービック103、ディスパービックP104、ディスパービックP104S、ディスパービック220S、ディスパービック106、ディスパービック108、ディスパービック109、ディスパービック110、ディスパービック111、ディスパービック112、ディスパービック116、ディスパービック140、ディスパービック142、ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック167、ディスパービック168、ディスパービック170、ディスパービック171、ディスパービック174、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディスパービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2050、ディスパービック2070、ディスパービック2095、ディスパービック2150、ディスパービックLPN6919、ディスパービック9075、ディスパービック9077(以上、ビックケミー社製);EFKA 4008、EFKA 4009、EFKA 4010、EFKA 4015、EFKA 4020、EFKA 4046、EFKA 4047、EFKA 4050、EFKA 4055、EFKA 4060、EFKA 4080、EFKA 4400、EFKA 4401、EFKA 4402、EFKA 4403、EFKA 4406、EFKA 4408、EFKA 4300、EFKA 4330、EFKA 4340、EFKA 4015、EFKA 4800、EFKA 5010、EFKA 5065、EFKA 5066、EFKA 5070、EFKA 7500、EFKA 7554(以上、チバスペシャリティ−社製);ソルスパース3000、ソルスパース9000、ソルスパース13000、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース32500、ソルスパース32550、ソルスパース33500、ソルスパース35100、ソルスパース35200、ソルスパース36000、ソルスパース36600、ソルスパース38500、ソルスパース41000、ソルスパース41090、ソルスパース20000(以上、ルーブリゾール社製);アジスパーPA111、アジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB824(以上、味の素ファインテクノ社製);ディスパロン1850、ディスパロン1860、ディスパロン2150、ディスパロン7004、ディスパロンDA−100、ディスパロンDA−234、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−705、ディスパロンDA−725、ディスパロンPW−36(以上、楠本化成社製);および、フローレン DOPA−14、フローレン DOPA−15B、フローレン DOPA−17、フローレン DOPA−22、フローレン DOPA−44、フローレン TG−710、フローレン D−90(以上、共栄化学社製)、Anti−Terra−205(ビックケミー社製)、ヒノアクトKF−1000、KF−1525、ヒノアクト1300M、ヒノアクトT9050、ヒノアクトT6000、ヒノアクトT7000、ヒノアクトT8000、ヒノアクトT8000E(以上、川研ファインケミカル社製)等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、カラーフィルター用インクは、分散剤として、所定の酸価を有する酸価分散剤と、所定のアミン価を有するアミン価分散剤とを含むものであるのが好ましい。これにより、カラーフィルター用インク中における顔料の分散安定性、カラーフィルター用インクの液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
酸価分散剤の具体例としては、ディスパービックP104、ディスパービックP104S、ディスパービック220S、ディスパービック110、ディスパービック111、ディスパービック170、ディスパービック171、ディスパービック174、ディスパービック2095(以上、ビックケミー社製);EFKA 5010、EFKA 5065、EFKA 5066、EFKA 5070、EFKA 7500、EFKA 7554(以上、チバスペシャリティ−社製);ソルスパース3000、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース36000、ソルスパース36600、ソルスパース41000(以上、ルーブリゾール社製)、ヒノアクトKF−1000(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
また、アミン価分散剤の具体例としては、ディスパービック102、ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック167、ディスパービック168、ディスパービック2150、ディスパービックLPN6919、ディスパービック9075、ディスパービック9077(以上、ビックケミー社製);EFKA 4015、EFKA 4020、EFKA 4046、EFKA 4047、EFKA 4050、EFKA 4055、EFKA 4060、EFKA 4080、EFKA 4300、EFKA 4330、EFKA 4340、EFKA 4400、EFKA 4401、EFKA 4402、EFKA 4403、EFKA 4800(以上、チバスペシャリティ−社製);アジスパーPB711(以上、味の素ファインテクノ社製);Anti−Terra−205(ビックケミー社製)、KF−1525、ヒノアクト1300M、ヒノアクトT9050、ヒノアクトT6000、ヒノアクトT7000、ヒノアクトT8000、ヒノアクトT8000E(以上、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
上記のような分散剤(酸価分散剤およびアミン価分散剤)を用いることにより、形成される着色部の色味に悪影響を与えることなく、インク中における顔料の分散安定性を優れたものとすることができる。
酸価分散剤とアミン価分散剤とを併用する場合、酸価分散剤の酸価(固形分換算したときの酸価)は、特に限定されないが、5KOHmg/g以上370KOHmg/g以下であるのが好ましく、20KOHmg/g以上270KOHmg/g以下であるのがより好ましく、30KOHmg/g以上135KOHmg/g以下であるのがさらに好ましい。酸価分散剤の酸価が前記範囲内の値であると、上述したような効果がさらに顕著に発揮される。分散剤についての酸価は、例えば、DIN EN ISO 2114に準拠する方法により求めることができる。
また、酸価分散剤は、所定のアミン価を有していないもの、すなわち、アミン価が零であるのが好ましい。
アミン価分散剤と酸価分散剤とを併用する場合、アミン価分散剤のアミン価(固形分換算したときのアミン価)は、特に限定されないが、5KOHmg/g以上200KOHmg/g以下であるのが好ましく、25KOHmg/g以上170KOHmg/g以下であるのがより好ましく、30KOHmg/g以上130KOHmg/g以下であるのがさらに好ましい。アミン価分散剤のアミン価が前記範囲内の値であると、上述したような効果がさらに顕著に発揮される。なお、分散剤についてのアミン価は、例えば、DIN 16945に準拠する方法により求めることができる。
また、アミン価分散剤は、所定の酸価を有していないもの、すなわち、酸価が零であるのが好ましい。
また、酸価分散剤とアミン価分散剤とを併用する場合、カラーフィルター用インク中における酸価分散剤の含有率をX[wt%]、当該カラーフィルター用インク中におけるアミン価分散剤の含有率をX[wt%]としたとき、0.1≦X/X≦1の関係を満足するのが好ましく、0.15≦X/X≦0.5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、酸価分散剤とアミン価分散剤とを併用することによる相乗効果がより顕著に発揮され、液滴の吐出安定性等を特に優れたものとすることができる。
また、酸価分散剤の酸価をAV[KOHmg/g]、アミン価分散剤のアミン価をBV[KOHmg/g]、前記酸価分散剤の含有率をX[wt%]、前記アミン価分散剤の含有率をX[wt%]としたとき、0.01≦(AV×X)/(BV×X)≦1.9の関係を満足するのが好ましく、0.10≦(AV×X)/(BV×X)≦1.5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、酸価分散剤とアミン価分散剤とを併用することによる相乗効果がより顕著に発揮され、液滴の吐出安定性等を特に優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インク中における分散剤の含有率は、0.5wt%以上15wt%以下であるのが好ましく、0.5wt%以上8wt%以下であるのがより好ましい。
<その他の成分>
カラーフィルター用インクは、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、各種架橋剤;ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩等のオニウム塩等の熱酸発生剤;ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等の光酸発生剤;各種重合開始剤;酸架橋剤;界面活性剤;増感剤;光安定剤;発光材料;レベリング剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;接着性改良剤;各種重合促進剤;各種光安定化剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等が挙げられる。
架橋剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸、多官能エポキシモノマー、多官能アクリルモノマー、多官能ビニルエーテルモノマー、多官能オキセタンモノマー等を用いることができる。多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸等の脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイト等のエステル基含有酸無水物が挙げられるが、中でも、芳香族多価カルボン酸無水物が好ましい。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。また、多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸が挙げられるが、中でも、芳香族多価カルボン酸が好ましい。また、多官能エポキシモノマーの具体例としては、ダイセル化学工業株式会社製、商品名セロキサイド2021、ダイセル化学工業株式会社製、商品名エポリードGT401、ダイセル化学工業株式会社製、商品名エポリードPB3600、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、イソシアヌル酸トリグリシジル等が挙げられる。また、多官能アクリルモノマーの具体例としては、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートトリメタリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。また、多官能ビニルエーテルモノマーの具体例としては、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、シキロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等が挙げられる。また、多官能オキセタンモノマーの具体例としては、キシリレンジオキセタン、ビフェニル型オキセタン、ノボラック型オキセタン等が挙げられる。
レベリング剤は、カラーフィルター用インクの表面張力を低下させることにより、セル内に付与されたカラーフィルター用インクの表面を平滑化し、着色部を平坦化させるものである。このため、カラーフィルター用インクがレベリング剤を有することにより、上述したような樹脂材料の効果と相乗的に作用し、セル内のカラーフィルター用インクの表面をより平坦なものとすることができる。このため、形成される着色部はより平坦なものとなる。
レベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、ビニルエーテル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、フッ素−ケイ素系レベリング剤、アセチレングリコール系レベリング剤等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。レベリング剤の具体例としては、OX−880EF、OX−881、OX−883、OX−883HF、OX−70、OX−77EF、OX−60、OX−710、OX−720、OX−720EF、OX−750HF、LAP−10、LAP−20、LAP−30、1970、230、LF−1970、LF−1980、LF−1982、LF−1983、LF−1984、LF−1985、LHP−95、LHP−96、UVX−35、UVX−36、UVX−39、AQ−200(以上、楠本化成社製)BYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−358N/361N、BYK−380N、BYK−381、BYK−392(以上、ビックケミー・ジャパン製)等のアクリル系レベリング剤、LHP−90、LHP−91(楠本化成(株)製)等のビニルエーテル系レベリング剤、BYK−307、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−330、BYK−331、BYK−344、BYK−silclean3700(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、KP−321、KP−324(以上、信越化学工業社製)等のシリコーン系レベリング剤、メガファックF−443,F−444,F−445,F−446,F−470,F−471,F−472SF,F−474,F−475,F−477,F−478,F−479,F−480SF,F−482,F−483,F−484,F−486,F−487,F−489(以上、大日本インキ化学工業社製)等のフッ素−ケイ素系レベリング剤、サーフィノール104、サーフィノール82、サーフィノール2502、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104DPM、サーフィノール104PA、サーフィノール104PG−50、サーフィノール104S、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、サーフィノール61、サーフィノール2502、サーフィノール82、サーフィノールDF110D、サーフィノールDF37、サーフィノールDF58、サーフィノールDF75、サーフィノールDF210、サーフィノールCT111、サーフィノールCT121、サーフィノールCT131、サーフィノールCT136、サーフィノールCT151、サーフィノールTG、サーフィノールGA、サーフィノールPSA−336、ダイノール604、エンバイロジェムAD−01、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンPD−001、オルフィンPD−002W、オルフィンPD−004、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4036、オルフィンEXP.4051F、オルフィンSPC、オルフィンAF−103、オルフィンAF−104、オルフィンAK−02、オルフィンSK−14、オルフィンAE−3、オルフィンPD−003、オルフィンPD−201、オルフィンPD−202、オルフィンPD−301、オルフィンB、オルフィンP、オルフィンY、オルフィンA、オルフィンSTG、オルフィンSPC(以上、日信化学工業(株)社製)等のアセチレングリコール系レベリング剤、ノベックFC−4430、ノベックFC−4432(以上、住友スリーエム(株)製);フォスファノールML−200、フォスファノールML−220、フォスファノールRD−510Y、フォスファノールRS−410、フォスファノールRS−610、フォスファノールRS−710、フォスファノールRL−210、フォスファノールRL−310、フォスファノールRB−410、フォスファノールRD−720N(以上、東邦化学工業(株)社製);Lanco Flow L、Lanco Flow U、SOLSPERSE20000(以上、Lubrizol Deutschland GmbH社製);フタージェント100、フタージェント100C、フタージェント110、フタージェント140A、フタージェント150、フタージェント150CH、フタージェントA−K、フタージェント501、フタージェント250、フタージェント251、フタージェント222F、FTX−218、フタージェント300、フタージェント310、フタージェント400SW、フタージェント251、FTX−212M、フタージェント250、FTX−245M、FTX−290M、FTX−207S、FTX−211S、FTX−220S、FTS−230S、FTX−209F、FTX−213F、フタージェント222F、FTX−233F、FTX−245F、FTX−208G、FTX−218G、FTX−230G、FTS−240G、FTX−204D、FTX−208D、FTX−212D、FTX−216D、FTX−218D、FTX−220D、FTX−222D、FTX−720C、FTX−740C(以上、(株)ネオス社製);サーフロンS−111n、サーフロンS−113、サーフロンS−121、サーフロンS−131、サーフロンS−132、サーフロンS−141、サーフロンS−145、サーフロンS−381、サーフロンS−383、サーフロンS−393、サーフロンSC−101、サーフロンKH−40、サーフロンSA−100(以上、AGCセイミケミカル(株)社製);ユニダインDS−401、ユニダインDS−403、ユニダインNS−1602、ユニダインNS−1603、ユニダインNS−1605(以上、日進化成(株)社製)等が挙げられる。このようなレベリング剤の中でも、アクリル系レベリング剤、ビニルエーテル系レベリング剤、アセチレングリコール系レベリング剤を用いることが好ましい。特に、サーフィノールDF−58、LHP−95、LHP−90、LF1970から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いるのが好ましい。これにより、形成される着色部の表面がより平坦化され、得られるカラーフィルターは、各部位での色むら、濃度むらが特に小さいものとなる。
酸化防止剤は、カラーフィルター用インクの酸化等による変質を防止するとともに、カラーフィルター用インクによって形成された着色部内において着色剤や樹脂材料等の熱や光等による劣化を防止することができる。特に、赤色の着色剤は、緑、青等の着色剤と比較して光、熱等によって変質しやすい傾向にあるが、赤色の着色剤とともに酸化防止剤を用いることにより、好適に赤色の着色剤の変質を防止することができる。
酸化防止剤としては、各種リン系酸化防止剤;各種イオウ系酸化防止剤;IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 1520L(以上、チバジャパン株式会社製)等の各種ヒンダードフェノール系酸化防止剤;TINUVIN 111FDL、TINUVIN 123、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 5100、TINUVIN 5050、TINUVIN 5060、TINUVIN 5151(以上、チバジャパン株式会社製)等の各種ヒンダーアミン系酸化防止剤等の各種酸化防止剤を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。この中でも、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤のうち少なくとも一種を用いることが好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることがより好ましく、TINUVIN152を用いることがさらに好ましい。このような酸化防止剤は、好適にカラーフィルター用インク、着色部の変質を効果的に防止するとともに、カラーフィルター用インク中における顔料の分散性に影響しにくく、かつ、形成される着色部において、色、明度、コントラスト比等の光学特性に影響しにくいものである。
紫外線吸収剤は、着色部において、紫外線を吸収することにより、着色部の他の成分の劣化を防止する機能を有する。このような紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の各種紫外線吸収剤を用いることができる。
熱酸発生剤は、加熱により酸を発生する成分であり、前記の中でも、特に、スルホニウム塩およびベンゾチアゾリウム塩が好ましい。熱酸発生剤のより具体的な例としては、商品名として、サンエイドSI−45、同左SI−47、同左SI−60、同左SI−60L、同左SI−80、同左SI−80L、同左SI−100、同左SI−100L、同左SI−145、同左SI−150、同左SI−160、同左SI−110L、同左SI−180L(以上、三新化学工業社製品、商品名)、CI−2921、CI−2920、CI−2946、CI−3128、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)社製品、商品名)、CP−66、CP−77(旭電化工業社製品、商品名)、FC−520(3M社製品、商品名)等が挙げられる。
光酸発生剤は、光により酸を発生する成分であり、より具体的な例としては、商品名として、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−950(以上、米国ユニオンカーバイド社製、商品名)、イルガキュア261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)、SP−150、SP−151、SP−170、オプトマーSP−171(以上、旭電化工業株式会社製、商品名)、CG−24−61(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)、DAICATII(ダイセル化学工業社製、商品名)、UVAC1591(ダイセル・ユーシービー(株)社製、商品名)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481、CI−2734、CI−2855、CI−2823、CI−2758(以上、日本曹達社製品、商品名)、PI−2074(ローヌプーラン社製、商品名、ペンタフルオロフェニルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、FFC509(3M社製品、商品名)、BBI−102、BBI−101、BBI−103、MPI−103、TPS−103、MDS−103、DTS−103、NAT−103、NDS−103(ミドリ化学社製、商品名)、CD−1012(米国、Sartomer社製、商品名)等が挙げられる。
また、カラーフィルター用インクには、ポリアルキレングリコールが含まれていてもよい。ポリアルキレングリコールは、着色部の形成時において、カラーフィルター用インクのチキソトロピック性を低下させることにより、カラーフィルター用インクの流動性を維持することができ、この結果、着色部の平坦化に寄与することができる。また、ポリアルキレングリコールは、着色部形成時において加熱されることにより除去される。
ポリアルキレングリコールを構成するグリコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール等のプロピレングリコール、各種ブチレングリコール、各種ペンチレングリコール、各種ヘキシレングリコール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組みあわて用いることができる。これらのうち、エチレングリコールのオリゴマーまたは、1,2−プロピレングリコールのオリゴマーを用いることが好ましい。
また、ポリアルキレングリコールは、水酸基を有することが好ましい。例えば、末端の水酸基は、置換されていないことが好ましい。このように、ポリアルキレングリコールが水酸基を有することで、インクのチキソトロピック性をより低下させることができる。また、カラーフィルター用インクの後述するような基板(特にガラス基板)への親和性が優れたものとなり、カラーフィルター用インクは、セル中に好適に濡れ広がることができる。
ポリアルキレングリコールの重合度は、3以上40以下であることが好ましく、3以上20以下であることがより好ましい。これにより、カラーフィルター用インクのチキソトロピック性を十分に低下させることができる。
また、ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は150以上2000以下であることが好ましく、180以上1000以下であることがより好ましく、180以上500以下であることがさらに好ましい。これにより、カラーフィルター用インクのチキソトロピック性を十分に低下させることができる。
カラーフィルター用インクの25℃における粘度(振動式粘度計を用いて測定される粘度)は、特に限定されないが、4mPa・s以上12mPa・s以下であるのが好ましく、5mPa・s以上11mPa・s以下であるのがより好ましい。カラーフィルター用インクの粘度が前記範囲内の値であると、インクジェット方式による液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルターの生産効率(着色部の形成効率)を特に優れたものとすることができるとともに、着色部の厚さの不本意なばらつき等を効果的に防止することができる。なお、カラーフィルター用インクの粘度の測定は、例えば、振動式粘度計を用いて行うことができ、特に、JIS Z8809に準拠して行うことができる。
以上、本発明の液滴吐出装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、他の任意の機能を有する部材が付加されていてもよい。
2…インク 11…基板 100…液滴吐出装置 102…吐出走査部 103…液滴吐出手段 104…第1位置制御装置 105…キャリッジ 106…ステージ 108…第2位置制御装置 110…チューブ 112…制御手段 114…液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド) 116A、116B…ノズル列 118…ノズル 120…キャビティ 122…隔壁 124…振動子 124A、124B…電極 124C…ピエゾ素子 126…振動板 127…吐出部 128…ノズルプレート 129…液たまり 130…供給口 131…孔 132…第1インク貯留槽 134…チューブ 150…第2インク貯留槽 151…タンク本体 152…液面検知手段 153…管路 154a、154b、154c…液面センサー 155…超音波ヘッド(非接触除去手段) 155a…リング 155b…磁石

Claims (6)

  1. 液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用いられ、着色剤と樹脂材料と前記着色剤を溶解または分散する液性媒体とを含むインクを吐出する液滴吐出装置であって、
    前記インクを貯留する1次インク貯留槽と、
    前記1次インク貯留槽から送液された前記インクを貯留する2次インク貯留槽と、
    前記2次インク貯留槽から送液された前記インクを吐出する液滴吐出ヘッドとを備え、
    前記2次インク貯留槽は、タンク本体と、
    前記タンク本体の側面に設けられ、管路と光センサーとで構成された液面検知手段と、
    前記光センサー近傍における前記管路内の汚れを外部から非接触で除去する非接触除去手段とを有することを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記光センサーは、光学式の液面センサーである請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記非接触除去手段は、超音波振動ヘッドである請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記非接触除去手段は、前記管路内に配置されたリングを外部から磁石によって可動させるものである請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記管路を加熱する加熱手段を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  6. 液滴吐出方式によるカラーフィルターの製造に用いられ、着色剤と樹脂材料と前記着色剤を溶解または分散する液性媒体とを含むインクを吐出する液滴吐出装置の洗浄方法であって、
    前記液滴吐出装置は、前記インクを貯留する1次インク貯留槽と、
    前記1次インク貯留槽から送液された前記インクを貯留する2次インク貯留槽と、
    前記2次インク貯留槽から送液された前記インクを吐出する液滴吐出ヘッドとを備え、
    前記2次インク貯留槽は、タンク本体と、
    前記タンク本体の側面に設けられ、管路と光センサーとで構成された液面検知手段と、
    前記光センサー近傍における前記管路内の汚れを外部から非接触で除去する非接触除去手段とを有し、
    前記光センサーの感度の低下に基づいて前記管路内の汚れを検知し、前記非接触除去手段によって前記管路内の汚れを除去することを特徴とする液滴吐出装置の洗浄方法。
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