JP2017170767A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録品質を維持するためのメンテナンス動作を、ユーザーにとって、より適切なタイミングで実行させることができる記録装置を提供する。【解決手段】記録装置1は、記録媒体5に記録を行う記録部10と、記録部10に対するメンテナンス動作を制御する制御部30と、を備え、制御部30が、記録に係る所定のパラメーターの計量値(M)と記録しようとする記録負荷量(L、記録残量)に基づき、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバル(S)に対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更する。【選択図】図9

Description

本発明は、記録装置および記録方法に関する。
従来、インクジェットプリンターの記録(印刷)品質を維持するために、定期的にヘッドクリーニングなどのメンテナンス動作を行うものとして、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている技術がある。
特許文献1に記載されたインクジェットプリンターは、所定の文字数の印字が行われた際にヘッドのクリーニングを実施し、所定のクリーニング数に達したら、クリーニングの頻度を高めたり、ヘッドの交換を促すメッセージを表示したりするというものである。
また、特許文献2に記載されたインクジェットプリンターは、前回のクリーニングからの経過時間と印刷枚数とからヘッドのクリーニングの必要性を判断し、適宜ヘッドのクリーニングを実行するインクジェットプリンターにおいて、印刷履歴を参照し、ユーザーが使用する可能性の低い時間帯に次回のヘッドのクリーニング時刻を設定し、ユーザーが使用していない時間に、ヘッドのクリーニングを実行するというものである。
特開平6−316062号公報 特開平11−129487号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のインクジェットプリンターでは、ユーザーが意図しないタイミングでメンテナンス動作が実行されてしまうという課題があった。具体的には、予め設定されたメンテナンス動作が、規定のタイミングになることによって実行されてしまい、例えば、残りわずかで印刷が完了するというタイミングで実行された場合に、メンテナンス動作が完了するまでユーザーが待たされることになり、ユーザーに対して大きなストレスを感じさせてしまう場合があるという課題であった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係る記録装置は、記録媒体に記録を行う記録部と、前記記録部に対するメンテナンス動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、前記記録部に係る所定のパラメーターの計量値と前記記録部が記録する記録負荷量に基づき、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを決定することを特徴とする。
本適用例によれば、制御部が、記録部に係る所定のパラメーターの計量値と記録部が記録する記録負荷量に基づき、メンテナンス動作を実行するタイミングを決定するため、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
[適用例2] 上記適用例に係る記録装置において、前記制御部が、前記計量値と前記記録負荷量に基づき、予め定められた前記メンテナンス動作を実施する前記計量値の標準のインターバルに対して、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを変更することを特徴とする。
本適用例によれば、制御部が、記録部に係る所定のパラメーターの計量値と記録部が記録する記録負荷量に基づき、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するため、標準のインターバルでメンテナンス動作を実施することが適切ではない場合において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
[適用例3] 上記適用例に係る記録装置において、前記制御部が、前記標準のインターバルに達した際に、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うことを特徴とする。
本適用例によれば、制御部が、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに達した際に、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うため、その時点の記録負荷量に対して、標準のインターバルでメンテナンス動作を実施することが適切ではない場合において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
[適用例4] 上記適用例に係る記録装置において、前記制御部が、前記記録を開始する際に、前記標準のインターバルに対して、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うことを特徴とする。
本適用例によれば、制御部が、記録を開始する際に、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うため、記録を開始する際に分かっている記録負荷量に対して、標準のインターバルでメンテナンス動作を実施することが適切ではない場合において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
[適用例5] 上記適用例に係る記録装置において、前記記録部が記録しようとする記録負荷量による増分を加えた前記計量値が、前記標準のインターバルに前記標準のインターバルを越えて前記メンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることができる許容マージンを加えた値に満たない場合に、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることを特徴とする。
本適用例によれば、記録部が記録しようとする記録負荷量による増分を加えた計量値が、標準のインターバルに標準のインターバルを越えてメンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることができる許容マージンを加えた値に満たない場合に、メンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせるため、標準のインターバルを越えてメンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることができる許容マージンの範囲内において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
[適用例6] 上記適用例に係る記録装置において、前記許容マージンが、所定の範囲内において変更可能であることを特徴とする。
本適用例によれば、許容マージンが、所定の範囲内において変更可能であるため、メンテナンス動作を実行するタイミングが変更できる度合いを、許容範囲内において変更可能とすることができる。
[適用例7] 上記適用例に係る記録装置において、前記計量値が、前記メンテナンス動作を実行した時からの経過時間、前記記録を行った時間、前記記録を行わなかった時間、前記記録を行った前記記録媒体の枚数、前記記録を行った前記記録媒体の長さ、前記記録を行った前記記録媒体の面積、前記記録を行った前記記録部の動作回数、前記記録を行ったことにより消費した消耗部材の消費量、のいずれか、あるいはその組み合わせに基づく値であることを特徴とする。
本適用例のように、記録部に係る所定のパラメーターの計量値は、メンテナンス動作を実行した時からの経過時間、記録を行った時間、記録を行わなかった時間、記録を行った記録媒体の枚数、記録を行った記録媒体の長さ、記録を行った記録媒体の面積、記録を行った記録部の動作回数、記録を行ったことにより消費した消耗部材の消費量、のいずれか、あるいはその組み合わせに基づく値であることが好ましい。計量値が、これらのいずれか、あるいはその組み合わせに基づく値であることにより、記録部のメンテナンス動作をより効果的に行うことができる。
[適用例8] 本適用例に係る記録方法は、記録媒体に記録を行う記録方法であって、前記記録を行う記録部のメンテナンス動作を含み、前記記録に係る所定のパラメーターの計量値と記録しようとする記録負荷量に基づき、予め定められた前記メンテナンス動作を実施する前記計量値の標準のインターバルに対して、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを変更することを特徴とする。
本適用例の記録方法によれば、記録に係る所定のパラメーターの計量値と記録しようとする記録負荷量に基づき、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するため、標準のインターバルでメンテナンス動作を実施することが適切ではない場合において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
実施形態1に係る記録装置の構成を示す正面図 実施形態1に係る記録装置のブロック図 記録ヘッドの構成を模式的に示す断面図 記録ヘッドの構成を模式的に示す平面図 インク供給部を説明する概略図 メンテナンス部の配置を示す平面図 ワイピング部の斜視図 ワイピング部の構成を示す断面図 実施形態1に係る記録方法のフローチャート 記録ジョブとメンテナンス動作の実施タイミングの例を示すタイミングチャート
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。また、図面に付記する座標においては、Z軸方向が上下方向、+Z方向が上方向、X軸方向が前後方向、−X方向が前方向、Y軸方向が左右方向、+Y方向が左方向、X−Y平面が水平面としている。
(実施形態1)
<記録装置>
図1は、実施形態1に係る記録装置1の構成を示す正面図、図2は、同ブロック図である。
記録装置1は、プリンター100およびプリンター100に接続されるパーソナルコンピューター110(以下PC110と言う)から構成される。プリンター100は、PC110から受信する記録データ(印刷データ)に基づいて、ロール状に巻かれた状態で供給される長尺状の記録媒体5に所望の画像を記録(印刷)するインクジェットプリンターである。
<PC110の基本構成>
PC110は、プリンター制御部111、入力部112、表示部113、記憶部114などを備え、プリンター100に記録を行わせる記録ジョブ(印刷ジョブ)の制御を行う。
PC110が動作するソフトウェアには、記録する画像データを扱う一般的な画像処理アプリケーションソフトウェア(以下アプリケーションと言う)や、プリンター100の制御や、プリンター100に記録を実行させるための記録データを生成するプリンタードライバーソフトウェア(以下プリンタードライバーと言う)が含まれる。
プリンター制御部111は、CPU(Central Processing Unit)115や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)116、DSP(Digital Signal Processor)117、メモリー118、プリンターインターフェイス部119などを備え、記録装置1全体の集中管理を行う。
入力部112は、ヒューマンインターフェイスとしての情報入力手段である。具体的には、例えば、キーボードや情報入力機器が接続されるポートなどである。
表示部113は、ヒューマンインターフェイスとしての情報表示手段(ディスプレー)であり、プリンター制御部111の制御の基に、入力部112から入力される情報や、プリンター100に記録する画像、記録ジョブに関係する情報などが表示される。
記憶部114は、ハードディスクドライブ(HDD)やメモリーカードなどの書き換え可能な記憶媒体であり、PC110が動作するソフトウェア(プリンター制御部111で動作するプログラム)や、記録する画像、記録ジョブに関係する情報などが記憶される。
メモリー118は、CPU115が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
<プリンター100の基本構成>
プリンター100は、記録部10(本願発明における記録部)、記録媒体移動部20、制御部30(本願発明における制御部)などから構成されている。PC110から記録データを受信したプリンター100は、制御部30によって記録部10、記録媒体移動部20を制御し、記録媒体5に画像を記録(画像形成)する。
記録データは、例えば、デジタルカメラなどによって得られた一般的な画像データ(例えば、RGBのデジタル画像情報)を、PC110が備えるアプリケーションおよびプリンタードライバーによってプリンター100で記録できるように変換処理した画像形成用のデータであり、プリンター100を制御するコマンドを含んでいる。
記録部10は、記録ヘッド11、インク供給部12などから構成されている。
記録媒体移動部20は、走査部40、搬送部50などから構成されている。走査部40は、キャリッジ41、ガイド軸42、キャリッジモーター(図示省略)などから構成されている。搬送部50は、供給部51、収納部52、搬送ローラー53、プラテン55などから構成されている。
記録ヘッド11は、記録用インク(以下インクと言う)をインク滴として吐出する複数のノズル(ノズル列)を有している。記録ヘッド11は、キャリッジ41に搭載され、走査方向(図1に示すX軸方向)に移動するキャリッジ41に伴って走査方向に往復移動する。記録ヘッド11が走査方向に移動しながら制御部30の制御の下に、プラテン55に支持される記録媒体5にインク滴を吐出することによって、走査方向に沿ったドットの列(ラスタライン)が記録媒体5に形成される。
インクには、例えば、濃インク組成物からなるインクセットとして、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクセットにブラック(K)を加えた4色のインクセットなどがある。また、例えば、それぞれの色材の濃度を淡くした淡インク組成物からなるライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトイエロー(Ly)、ライトブラック(Lk)などのインクセットを加えた8色のインクセットなどがある。
インク滴を吐出する方式(インクジェット方式)としては、好適例としてピエゾ方式を用いている。ピエゾ方式は、圧力室に貯留されたインクに圧電素子(ピエゾ素子)により記録情報信号に応じた圧力を加え、圧力室に連通するノズルからインク滴を噴射(吐出)し記録する方式である。
なお、インク滴を吐出する方式は、これに限定するものではなく、インクを液滴状に噴射させ、記録媒体上にドット群を形成する他の記録方式であってもよい。例えば、液体噴射ノズル(以下ノズル)とノズルの前方に置いた加速電極間の強電界でノズルからインクを液滴状に連続噴射させ、インク滴が飛翔する間に偏向電極から記録情報信号を与えて記録する方式、またはインク滴を偏向することなく記録情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子などで機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インクを記録情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射し記録する方式(サーマルジェット方式)などであってもよい。
記録媒体移動部20(走査部40、搬送部50)は、制御部30の制御の下に、記録媒体5を記録部10(記録ヘッド11)に対し相対移動させる。
ガイド軸42は、走査方向に延在しキャリッジ41を摺接可能な状態で支持し、また、キャリッジモーターは、キャリッジ41をガイド軸42に沿って往復移動させる際の駆動源となる。つまり、走査部40(キャリッジ41、ガイド軸42、キャリッジモーターなど)は、制御部30の制御の下にキャリッジ41を(つまりは、記録ヘッド11を)ガイド軸42に沿って走査方向に移動させる。
供給部51は、記録媒体5がロール状に巻かれたリールを回転可能に支持し、記録媒体5を搬送経路に送り出す。収納部52は、記録媒体5を巻き取るリールを回転可能に支持し、記録が完了した記録媒体5を搬送経路から巻き取る。
搬送ローラー53は、記録媒体5を走査方向と交差する搬送方向(図1に示すY軸方向)に移動させる駆動ローラーや記録媒体5の移動に伴って回転する従動ローラーなどから成り、記録媒体5を供給部51から記録部10の記録領域(プラテン55の上面で記録ヘッド11が走査移動する領域)を経由し、収納部52に搬送する搬送経路を構成する。
制御部30は、インターフェイス部31、CPU32、メモリー33、駆動制御部34などを備え、プリンター100の制御を行う。
インターフェイス部31は、PC110のプリンターインターフェイス部119に接続され、PC110とプリンター100との間でデータの送受信を行う。
CPU32は、プリンター100全体の制御を行うための演算処理装置である。
メモリー33は、CPU32が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
CPU32は、メモリー33に格納されているプログラム、およびPC110から受信した記録データに従って、駆動制御部34を介して記録媒体移動部20(走査部40、搬送部50)、記録部10(記録ヘッド11、インク供給部12)を制御する。
以上の構成により、制御部30は、搬送部50(供給部51、搬送ローラー53)によって記録領域に供給された記録媒体5に対し、ガイド軸42に沿って記録ヘッド11を支持するキャリッジ41を走査方向(X軸方向)移動させながら記録ヘッド11からインク滴を吐出する動作と、搬送部50(搬送ローラー53)により走査方向と交差する搬送方向(+Y方向)に記録媒体5を移動させる動作とを繰り返すことにより、記録媒体5に所望の画像を形成(記録)する。
<記録ヘッド>
図3は、記録ヘッド11の構成を模式的に示す断面図、図4は、同平面図である。図3は、図4のE―E断面図、図4は、図3の下面(−Z方向)から見た平面図である。
記録ヘッド11は、インクの吐出系として、インクが充填される複数のキャビティ70、キャビティ70の一方の端部下方に連通しキャビティ70に充填されたインクを吐出するノズル71、複数のノズル71が形成されたノズル基板72、複数のキャビティ70を形成するキャビティ基板73、キャビティ70の天井部を構成する振動板75、振動板を振動させる圧電素子76、振動板75と圧電素子76とを接合する接合板77、ヘッド基体90などを備えている。
また、記録ヘッド11は、キャビティ70へのインクの供給系として、キャビティ70の他方の端部に連通する連通路81、複数の連通路81にインクを供給するマニホールド82、マニホールド82にインクを循環供給するインク導入路83、マニホールドからインクを循環排出するインク排出路84などを備えている。
キャビティ70は、インクをノズル71からインク滴として吐出させるための圧力室である。キャビティ70は、X軸方向に延在する略直方体の空洞であり、キャビティ基板73によってY軸方向に並ぶように複数形成されている。キャビティ70の+X側の端部は、−Z方向に延出し、ノズル71が連通する一方の端部下方領域を形成している。
ノズル71は、X―Y平面に延在するノズル基板72にY軸方向に並ぶ複数の貫通孔として形成されており、ノズル71が形成されたノズル基板72の領域が同じピッチで並ぶキャビティ70の一方の端部下方に当接することで、キャビティ70とノズル71とを連通させている。
振動板75は、キャビティ70の天井部を構成するように、キャビティ基板73とヘッド基体90とに挟持されている。
圧電素子76は、制御部30の記録制御に従って駆動制御されるヘッドドライバー11dによって駆動する。圧電素子76は、ヘッド基体90に収納され、その上端領域がヘッド基体90に固定されている。圧電素子76の下端は、接合板77を介して振動板75に接合されている。
記録ヘッド11は、圧電素子76が振動させる振動板75の振動に応じてキャビティ70の容積が変化することにより、キャビティ70に充填されるインクをキャビティ70に連通するノズル71から吐出する。
図5は、インク供給部12を説明する概略図である。
インク供給部12は、インクタンク15、ポンプ17,18、インク供給路80などから構成されている。
インク供給路80は、複数のキャビティ70にインクを供給する供給路であり、インクタンク15からマニホールド82(インク導入路83)までの往路80aとマニホールド82(インク排出路84)からインクタンク15までの帰路80bとを有する循環経路で構成されている。また、往路80aには、インク供給路80内のインクを圧送するポンプ17が備えられている。
ポンプ17は、制御部30の制御により、インク供給路80内のインクを圧送する速度を変えることができる。
インクタンク15は、図5に示すように、内部にインクを貯留しており、気泡が含まれない領域(気泡が含まれ難い領域)のインクを往路80aに送り出すように構成されている。また、インクタンク15は、インク供給路80内のインクの圧力制御を行うポンプ18を備えている。
ポンプ18は、制御部30の制御により、インク供給路80内のインクの圧力を変えることができる。
<記録部のメンテナンス>
以上のような構成のプリンター100では、インクの増粘、インク供給路80内やキャビティ70内における気泡の発生、ノズル71の目詰まり、ノズル面(ノズル基板72の下面)のインク残りなどが原因となって、記録ヘッド11からインク滴を正常に吐出できなくなり、その結果、記録画像のドット抜けなどにより記録品質を低下させてしまう場合がある。このため、プリンター100は、記録品質を安定的に維持するため、制御部30の制御の下に定期的に記録部10のメンテナンス動作を行う。
具体的なメンテナンス動作の例について説明する。
メンテナンス動作には、ノズル面(ノズル基板72の下面)のワイピング、ノズルからインクを強制吐出させるフラッシング、インク供給路80内でのインク循環によるインクの撹拌など、想定される不安定要因を払拭する複数の動作がある。また、それぞれのメンテナンス動作には、実行する強度や時間などの設定によって複数のメンテナンス強度が設定されている。メンテナンス強度とは、インクを安定的に吐出することを阻害する要因を払拭する効果の期待強度である。
以下に、メンテナンス動作の具体的な例を説明する。
図6は、メンテナンス動作の内、フラッシングやワイピングを行うメンテナンス部200の配置を示す平面図である。
プリンター100は、キャリッジ41がX軸方向に走査移動しながら記録ヘッド11が記録媒体5にインクを吐出して記録を行う記録領域Pの外側(図6に示す例では、−X側)にメンテナンス部200を備えている。
メンテナンス部200には、フラッシング部201、ワイピング部202、キャップ208が順に配置される。制御部30は、記録領域Pを越えて、キャリッジ41(記録ヘッド11)をこの領域に移動させることができる。
<フラッシング>
ノズル71近傍のインクの増粘やノズル71の目詰まりにより、インク滴を正常に吐出できなくなる場合がある。これに対し、制御部30は、キャリッジ41(記録ヘッド11)をフラッシング部201に移動させ、フラッシングが必要と判断されるノズル71からインクを吐出させフラッシングを行う。フラッシング部201は、このフラッシングが実行された場合に、吐出されたインクを吸引する。このようなフラッシングにより、増粘したインクを記録ヘッド11から除去したり、目詰まりしたノズル71を解消したりすることができる。
フラッシングにおけるメンテナンス強度は、1回のフラッシングで吐出させるインクの量や、吐出の回数、また所定のノズル71のみで行うか、全てのノズル71に対して行うかなどによって異なる設定を行う。
<ワイピング>
図7は、ワイピング部202の斜視図、図8は、ワイピング部202の構成を示す断面図である。
ノズル71から吐出されるインクは、ノズル71付近のノズル面(ノズル基板72の下面)に残ることがある。これに対し、制御部30は、ワイピング部202が備えるワイピング部材203によりノズル面に残ったインクを除去(クリーニング)する。
ワイピング部202は、ワイピング部材203、給材ローラー204、除材ローラー205、押圧ローラー206、筐体207、ワイパーユニット駆動機構(図示省略)などから構成されている。
筐体207の内部には、Y軸方向の軸線を有した給材ローラー204と除材ローラー205がX軸方向に距離をおいて収容されている。給材ローラー204と除材ローラー205の間には、ノズル基板72の表面に残ったインクを払拭する吸収部材(ワイピング部材203)が掛装されている。給材ローラー204は、巻装した未使用のワイピング部材203を繰り出す。除材ローラー205は、給材ローラー204から巻き解かれて払拭に使用された使用済みのワイピング部材203を巻き取る。
筐体207の天部には、給材ローラー204、除材ローラー205と略平行した軸を有する押圧ローラー206が筐体207から露出している。給材ローラー204から繰り出されるワイピング部材203は、押圧ローラー206に巻き掛けられ、使用後に除材ローラー205に巻き取られる。
ワイパーユニット駆動機構は、給材ローラー204、除材ローラー205の回転駆動および押圧ローラー206に支えられるワイピング部材203の払拭部Wをノズル基板72のインク払拭位置(高さ)に移動(上下)させる機能を有している。制御部30は、キャリッジ41(記録ヘッド11)をワイピング部202に移動させ、ワイパーユニット駆動機構を制御してワイピング部材203の払拭部Wをノズル基板72に当接させ、ワイピング部材203を移動させながらキャリッジ41(記録ヘッド11)をX軸方向に移動させることによりノズル面に残ったインクを除去(クリーニング)する。
ワイピングにおけるメンテナンス強度は、押圧ローラー206の押圧強度、押圧ローラー206によって押圧しながらワイピング部材203やキャリッジ41(記録ヘッド11)を移動させる速度や回数などによって異なる設定を行う。
キャップ208は、プリンター100が休止している期間に、記録ヘッド11の下面を気密封止して、記録ヘッド11においてインクが増粘または固化することを防止する部分である。
<インク循環>
インクが大気に触れる部分の増粘やインク組成物の沈降などによる粘度むらが発生した場合、また インク供給路80内(図5参照)において気泡が混入したり、キャビティ70内(図3参照)において気泡が発生したり混入したりした場合に、インクが正常に供給されなかったり、インクが正常に吐出しなかったりする場合がある。これに対し、制御部30は、インク供給路80内のポンプ17を制御し、インクを強制循環させる速度を増加させる。
インクの循環経路において、速度が増した強制循環により、インクは撹拌され、またインクの循環経路に混入した気泡は、インクタンク15においてトラップされる。これらにより、インクの吐出を不安定にする要因が改善される。
これらのメンテナンス動作は、予め充分な評価を行った上で、インクの吐出が不安定になる前の適切なタイミングで、適切なメンテナンス強度において行われるようにすることが好ましい。プリンター100では、プリンター100の動作状況に応じ、予め定められた所定のタイミングで実行する定期メンテナンス動作として、適切にメンテナンス動作が実行されるように設定されたプログラムに従い、制御部30の制御の下に実施される。
しかしながら、メンテナンス動作には時間を要するもの(例えば10分程度要する動作)が含まれるため、ユーザーが意図しないタイミングで実施された場合、例えば、残りわずかで記録が完了するというタイミングで実行された場合に、メンテナンス動作が完了するまでユーザーが待たされることになり、ユーザーに対して大きなストレスを感じさせてしまう場合がある。そこで、本実施形態では、制御部30が、記録部10に係る所定のパラメーターの計量値と記録部10が記録する記録負荷量に基づき、メンテナンス動作を実行するタイミングを決定するようにしている。更に言うと、制御部30が、記録部10に係る所定のパラメーターの計量値と記録部10が記録しようとする記録負荷量に基づき、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するようにしている。
以下、具体的に説明する。
記録部10に係る所定のパラメーターの計量値とは、記録(印刷)品質を維持するために行う記録部10のメンテナンス動作を適切なタイミングで行うようにするための計量値である。従って、記録品質を低下させてしまう要因に対応して、記録品質の低下が顕在化する前に、その要因を払拭する効果的なメンテナンス動作が実施できるように、その要因毎に計量する所定のパラメーターが定められる。
つまり、予め定められた所定のタイミングで実行する定期メンテナンス動作は、記録部10に係る所定のパラメーターの計量値が、予め定められたメンテナンス動作を実施する標準のインターバルに達したタイミングで、対応するメンテナンス強度のメンテナンス動作を実行することによって行われるように設定される。
標準のインターバルは、そのインターバルを許容範囲において延長できる許容マージンを残し、所定のパラメーター毎に個別に設けられている。
記録品質を低下させてしまう要因としては、前述したように、例えば、ノズル71近傍のインクの増粘、ノズル71の目詰まり、ノズル面(ノズル基板72の下面)のインク残り、インク供給路80内やキャビティ70内における気泡の発生、インク組成物の沈降などによる粘度むら、プラテン55の汚れ、インク切れなどが挙げられる。
以下、計量値として計量する所定のパラメーターについて、それぞれの要因毎に説明する。
ノズル71近傍のインクの増粘に対しては、例えば、増粘の原因が、インクに含まれる揮発成分の揮発によることが想定される場合、記録ヘッド11が動作しない時間(記録部10が記録を行わなかった時間)や、キャップ208に気密封止されない状態においてインク吐出が行われない時間、インクを補充してからの経過時間などを所定のパラメーターとして計量する。また、メンテナンス動作としては、例えば、フラッシングを行う。
ノズル71の目詰まりに対しては、例えば、その原因が増粘によるものと想定される場合には、上記と同様に、記録ヘッド11が動作しない時間や、キャップ208に気密封止されない状態においてインク吐出が行われない時間、インクを補充してからの経過時間などを所定のパラメーターとして計量する。また、記録ヘッド11の使用量に応じて発生頻度が増加する場合には、記録ヘッド11の使用時間(記録部10が記録を行った時間)や、記録部10の動作回数(インク滴の吐出回数、記録ヘッド11の走査移動回数)、記録を行った記録媒体5の量(長さ、記録面積など)、記録を行ったことにより消費した消耗部材(インクなど)の消費量を所定のパラメーターとして計量する。また、メンテナンス動作としては、例えば、フラッシングを行う。
ノズル面(ノズル基板72の下面)のインク残りに対しては、例えば、記録ヘッド11の使用量に応じて発生頻度が増加する場合には、記録ヘッド11の使用時間や、記録部10の動作回数(インク滴の吐出回数、記録ヘッド11の走査移動回数)、記録を行った記録媒体5の量(長さ、記録面積など)、記録を行ったことにより消費した消耗部材(インクなど)の消費量など、記録実績に係る量を所定のパラメーターとして計量する。また、メンテナンス動作としては、例えば、ワイピングを行う。
ノズル面のインク残りだけでなく、記録した実績量の増加に応じて記録品質を低下させてしまう要因の発生頻度が増加する場合には、記録実績に係る量を所定のパラメーターとして設定し計量する。記録実績に係る量としては、上述した内容に限定するものではなく、例えば、記録画像を構成するフレーム数などであっても良い。
インク供給路80内やキャビティ70内における気泡の発生に対しては、例えば、記録ヘッド11の使用量に応じて発生頻度が増加する場合には、記録ヘッド11の使用時間や、記録部10の動作回数(インク滴の吐出回数、記録ヘッド11の走査移動回数)、記録を行った記録媒体5の量(長さ、記録面積など)、記録を行ったことにより消費した消耗部材(インクなど)の消費量を所定のパラメーターとして計量する。また、メンテナンス動作としては、例えば、インク循環を行う。
インク組成物の沈降などによる粘度むらに対しては、例えば、経過時間に応じて発生頻度が増加する場合には、経過時間を所定のパラメーターとして計量する。また、メンテナンス動作としては、例えば、インク循環を行う。
プラテン55の汚れに対しては、例えば、その原因が記録する記録媒体5のタイプにより、記録量に応じて汚れの度合いが増す場合など(例えば、記録媒体5に使われるシール用の接着剤がしみ出して付着してしまうなど)においては、記録を行った該当する特定の記録媒体5の量(長さなど)を所定のパラメーターとして計量する。また、メンテナンス動作としては、例えば、プリンター100がプラテン55をクリーニングする手段を備えている場合には、プラテン55のクリーニングを行い、プラテン55をクリーニングする手段を備えていない場合には、ユーザーに対して、クリーニングを促すアラートを発する。
インク切れに対しては、インクの消費量(インク吐出数による換算量やインクタンク15の残量など)を所定のパラメーターとして計量する。また、メンテナンス動作としては、例えば、ユーザーに対して、インク補充を促すアラートを発する。
従来は、これらの所定のパラメーターの計量値が、予め設定されている標準のインターバルに達したタイミングで、対応するメンテナンス強度のメンテナンス動作を実行したが、本実施形態では、所定のパラメーターの計量値と記録部10が記録する記録負荷量に基づき、対応するメンテナンス動作を実行するか否か(すなわち、実行するタイミングを変更するか否か)の判定を行う。また、変更が可能な場合には、実行するタイミングの変更を行う。
なお、上述した記録品質を低下させてしまう要因や、それを払拭するメンテナンス動作は、それぞれが独立した事象にない場合がある。その場合には、記録部10に係る所定のパラメーターの計量値は、上述した独立の計量値ではなく、その組み合わせに基づく値(例えば、複数のパラメーターによって導出される関数値など)であっても良い。
記録部10が記録する記録負荷量とは、メンテナンス動作を実施する標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かを判定する際の記録部10が記録しようとしている記録負荷量である。
本実施形態では、制御部30は、予め定められた所定のパラメーターの計量値(上述したそれぞれのパラメーターのいずれかの計量値)が設定した標準のインターバルに達した際に、対応するメンテナンス動作を実行するか否か(すなわち、実行するタイミングを変更するか否か)の判定を行う。従って、記録部10が記録する記録負荷量とは、メンテナンス動作を実行しようとした際の(つまり、上述したいずれかの所定のパラメーターの計量値が、予め設定されている標準のインターバルに達して対応するメンテナンス動作を実行しようとした際の)記録部10が記録しようとしている記録負荷量であり、すなわち記録残量(残っている記録負荷量)である。
制御部30は、標準のインターバルに達した所定のパラメーターの計量値に対し、記録部10が記録しようとする記録負荷量による増分を加えた計量値が、標準のインターバルに許容マージンを加えた値に満たない場合に、メンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせる。つまり、記録を行っている場合には、記録動作を止めてメンテナンス動作を実行することはせず、記録を継続する。
許容マージンとは、標準のインターバルを越えてメンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることができるマージン幅であり、予め評価して決定した限界値(メンテナンス動作を行わずに記録品質が維持できるとする限界のインターバル)に対するマージンとして設定しておく。
例えば、記録媒体5に対し、ワイピングを行わずに連続して記録できる記録媒体5の限界の長さが100mの場合に、例えば、標準のインターバルを99mとし、許容マージンを1mとして設定する。記録を継続しながら計量値が99mになったところで、ワイピングを実行するか否か(すなわち、実行するタイミングを変更するか否か)の判定を行い、例えば、残り50cmで記録が完了する場合には、記録を継続しても限界値を超えないため、記録を継続し、記録が完了したところでワイピングを行う。記録の残り量(記録部10が記録しようとする記録負荷量)が1m以上の場合には、記録を継続すると限界値を超えてしまうため、記録を一時停止し、ワイピングを行う。
図9は、上述した本実施形態の記録方法を説明するフローチャートである。
本実施形態の記録方法は、記録媒体5に記録を行う記録方法であって、記録を行う記録部10のメンテナンス動作を含み、記録に係る所定のパラメーターの計量値と記録しようとする記録負荷量に基づき、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更することを特徴としている。図9に示すフローチャートを参照し、具体的に説明する。
まず、記録装置1を稼動状態とし、PC110からプリンター100に記録データを送り、記録を実行させる(ステップS1)。
プリンター1は、制御部30において、記録動作に伴って予め設定された所定のパラメーターを計量する(ステップS2)。
ここで、予め設定された所定のパラメーターの計量値をMとする。また、対応する標準のインターバルをS、許容マージンをSmとする。
記録データに基づく記録が完了した場合、あるいは記録を継続しないとする何らかの指示がされた場合には、プリンター100は動作を停止する(ステップS3)。
記録を継続する場合に、制御部30は、記録を継続しながら計量値Mが対応する標準インターバルSに達しているか参照し、達していない場合には、記録を継続する。また、計量値Mが対応する標準インターバルSに達した場合には、対応するメンテナンス動作を実行するか否か(すなわち、実行するタイミングを変更するか否か)の判定を行うステップS5に進む(ステップS4)。
ステップS5では、記録部10が記録しようとする記録負荷量による計量値の増分(見積もり量)をLとしたとき、計量値M+Lが、標準のインターバルに許容マージンを加えた値S+Smに満たない場合に、メンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせる。つまり、記録を行っている場合には、記録動作を止めてメンテナンス動作を実行することはせず、記録を継続する。計量値M+Lが、標準のインターバルに許容マージンを加えた値S+Smを上回る場合(M+L≧S+Smの場合)には、記録を一時停止し(ステップS6)、対応するメンテナンス動作を実行する(ステップS7)。
メンテナンス動作を行った場合には、実施したメンテナンス動作に関連する所定のパラメーター(実施したメンテナンス動作の標準のインターバルを計量するパラメーター)の計量値をリセットし(ステップS8)、記録を継続する。
以上述べたように、本実施形態による記録装置および記録方法によれば、以下の効果を得ることができる。
制御部30が、記録部10に係る所定のパラメーターの計量値と記録部10が記録する記録負荷量に基づき、メンテナンス動作を実行するタイミングを決定するため、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
また、制御部30が、記録部10に係る所定のパラメーターの計量値と記録部10が記録する記録負荷量(記録しようとする残量負荷)に基づき、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するため、標準のインターバルでメンテナンス動作を実施することが適切ではない場合において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
また、制御部30が、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに達した際に、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うため、その時点の記録負荷量に対して、標準のインターバルでメンテナンス動作を実施することが適切ではない場合において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
また、記録部10が記録しようとする記録負荷量による増分を加えた計量値が、標準のインターバルに標準のインターバルを越えてメンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることができる許容マージンを加えた値に満たない場合に、メンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせるため、標準のインターバルを越えてメンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることができる許容マージンの範囲内において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
また、記録部10に係る所定のパラメーターの計量値は、メンテナンス動作を実行した時からの経過時間、記録を行った時間、記録を行わなかった時間、記録を行った記録媒体5の枚数、記録を行った記録媒体5の長さ、記録を行った記録媒体5の面積、記録を行った記録部10の動作回数、記録を行ったことにより消費した消耗部材の消費量、のいずれか、あるいはその組み合わせに基づく値であることにより、記録部10のメンテナンス動作をより効果的に行うことができる。
また、本実施形態の記録方法によれば、記録に係る所定のパラメーターの計量値と記録しようとする記録負荷量に基づき、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するため、標準のインターバルでメンテナンス動作を実施することが適切ではない場合において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る記録装置および記録方法について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態1では、プリンター100が備える制御部30が、予め定められた所定のパラメーターの計量値が設定した標準のインターバルに達した際に、対応するメンテナンス動作を実行するか否かの判定を行うと説明したが、実施形態2は、PC110が備えるプリンター制御部111が、記録を開始する際(プリンター100に記録を実行させる際)に、標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うことを特徴としている。つまり、実施形態1では、本願発明の「制御部」は、プリンター100が備える制御部30であったが、実施形態2では、PC110が備えるプリンター制御部111(図2参照)が、「制御部」に当たる。
前述した記録ジョブは、記録を実行させるための一連の要求情報(記録用の記録データを含む制御コマンドなど)であり、PC110が備える記憶部114(図2参照)にスプールさせることができる。スプールされた記録ジョブは、プリンター制御部111の制御の下に、必要に応じて並び替えられた実行順に応じて実施される。プリンター制御部111が、一つあるいは複数の記録ジョブを実行させる際に、標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行い、変更が可能な場合には変更を行う。
以下、具体的な例を参照して、本実施形態について説明する。
それぞれの記録ジョブは、その記録負荷量がどの程度になるのかを、記録する仕様、つまりはそれぞれの記録データに基づき、導出する(見積もる)ことができる。従って、導出された記録負荷量に対応する記録部10に係る所定のパラメーターの計量値を見積もることができる。その結果、一つあるいは複数の記録ジョブを実行させる際には、それぞれの記録ジョブの実行中に発生するメンテナンス動作のタイミングを把握することができる。
図10は、2つの記録ジョブとメンテナンス動作の実施タイミングの関係の例を示すタイミングチャートである。
2つの記録ジョブは、例えば、記録ジョブJ1とJ2であり、記録ジョブJ1は、例えば、8時に開始し、記録に2時間10分を要する記録ジョブである、また記録ジョブJ2は、例えば、記録に2時間30分要する記録ジョブである。プリンター制御部111は、この2つの記録ジョブをプリンター100に連続して実施させる。
また、これらの記録ジョブを行う記録動作に対して、例えば、メンテナンス動作として記録継続時間1時間毎に2分間要するフラッシングを行う。つまり、標準のインターバルSが1時間である。なお、許容マージンSmは、例えば15分とする。
このような場合に、プリンター制御部111は、2つの記録ジョブをスタートするに際して、1時間毎に実施されるメンテナンス動作(A1,A2,A3,A4)をメンテナンス動作(A1,A2´,A3´,A4´)に変更する。
具体的には、標準のインターバル1時間に許容マージン15分を加えた値(S+Sm)1時間15分と、メンテナンス動作を実施したタイミングでの該当する記録ジョブの記録負荷量(残りの記録時間の見積もり量)とを比較し、記録負荷量(残りの記録時間)が1時間15分未満の場合には、該当する記録ジョブが完了したタイミングでメンテナンス動作を実行するように変更している。
図10は、t1<1時間15分であるため、メンテナンス動作A2をA2´の記録ジョブJ1が完了するタイミングに遅らせ、引き続く1時間毎のメンテナンス動作をA3´A4´とし、t2>1時間15分であるため、A4´を記録ジョブJ2が完了するタイミングまで遅らせることなく実施するように設定している様子を示している。
本実施形態による記録装置および記録方法によれば、プリンター制御部111が、記録を開始する際に、予め定められたメンテナンス動作を実施する計量値の標準のインターバルに対して、メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うため、記録を開始する際に分かっている記録負荷量に対して、標準のインターバルでメンテナンス動作を実施することが適切ではない場合において、より適切なタイミングでメンテナンス動作を行うことができるようになる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(変形例1)
実施形態1では、許容マージンは、予め評価して決定した限界値(メンテナンス動作を行わずに記録品質が維持できるとする限界のインターバル)に対するマージンとして設定しておくとして説明したが、許容マージンは、予め評価して決定した限界値を超えることのない所定の範囲内において変更できるようにしても良い。
例えば、ユーザーによっては、記録品質を優先し、許容マージンの範囲内であってもメンテナンス動作のインターバルを長くしたくないと判断する場合がある。あるいは、ユーザーによっては、メンテナンス動作による記録完了のタイミングが遅れることに対して、問題視しない場合がある。そのような場合には、限界値を超えることのない所定の範囲内において変更できるようにユーザーに開放しておくことで対応が可能となる。ユーザーは、例えば、許容マージンSmの値をより小さな値としたり、Sm=0としたりすることができる。
変形例1は、PC110が備えるプリンター制御部111に、入力部112および表示部113(図2参照)を活用したユーザーインターフェイス(UI)を備え、メンテナンス動作毎に、許容マージンSmの値の変更を可能としている。変更された許容マージンSmは、記憶部114(図2参照)に記憶する。
本変形例によれば、許容マージンが、所定の範囲内において変更可能であるため、メンテナンス動作を実行するタイミングが変更できる度合いを、許容範囲内において変更可能とすることができる。
(変形例2)
実施形態1では、図1に示すように、プリンター100が、ロール状に巻かれた状態で供給される長尺状の記録媒体5を対象とするインクジェットプリンターであるとして説明したが、記録媒体としては、ロール状の記録媒体5に限定するものではなく、枚葉式の用紙などであっても良い。枚葉式の用紙の場合には、供給部51に換わり、例えば、用紙を記録領域P(図6参照)へ1枚ずつ供給するためのセパレーターを含む供給機構が備えられる構成となり、また収納部52に換わり、例えば、記録後に記録領域Pから排出される用紙を収納する収納トレーなどが備えられる構成となる。また、この場合には、記録部10の記録実績に係る所定のパラメーターとして、例えば、記録媒体の枚数を計量する。
このような構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
1…記録装置、5…記録媒体、10…記録部、11…記録ヘッド、11d…ヘッドドライバー、12…インク供給部、15…インクタンク、17,18…ポンプ、20…記録媒体移動部、30…制御部、31…インターフェイス部、32…CPU、33…メモリー、34…駆動制御部、40…走査部、41…キャリッジ、42…ガイド軸、50…搬送部、51…供給部、52…収納部、53…搬送ローラー、55…プラテン、70…キャビティ、71…ノズル、72…ノズル基板、73…キャビティ基板、75…振動板、76…圧電素子、77…接合板、80…インク供給路、80a…往路、80b…帰路、81…連通路、82…マニホールド、83…インク導入路、84…インク排出路、90…ヘッド基体、100…プリンター、110…PC、111…プリンター制御部、112…入力部、113…表示部、114…記憶部、115…CPU、116…ASIC、117…DSP、118…メモリー、119…プリンターインターフェイス部、200…メンテナンス部、201…フラッシング部、202…ワイピング部、203…ワイピング部材、204…給材ローラー、205…除材ローラー、206…押圧ローラー、207…筐体、208…キャップ。

Claims (8)

  1. 記録媒体に記録を行う記録部と、
    前記記録部に対するメンテナンス動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部が、前記記録部に係る所定のパラメーターの計量値と前記記録部が記録する記録負荷量に基づき、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを決定することを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御部が、前記計量値と前記記録負荷量に基づき、予め定められた前記メンテナンス動作を実施する前記計量値の標準のインターバルに対して、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを変更することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御部が、前記標準のインターバルに達した際に、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記制御部が、前記記録を開始する際に、前記標準のインターバルに対して、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを変更するか否かの判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  5. 前記記録部が記録しようとする記録負荷量による増分を加えた前記計量値が、前記標準のインターバルに前記標準のインターバルを越えて前記メンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることができる許容マージンを加えた値に満たない場合に、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを遅らせることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の記録装置。
  6. 前記許容マージンが、所定の範囲内において変更可能であることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記計量値が、前記メンテナンス動作を実行した時からの
    経過時間、
    前記記録を行った時間、
    前記記録を行わなかった時間、
    前記記録を行った前記記録媒体の枚数、
    前記記録を行った前記記録媒体の長さ、
    前記記録を行った前記記録媒体の面積、
    前記記録を行った前記記録部の動作回数、
    前記記録を行ったことにより消費した消耗部材の消費量、
    のいずれか、あるいはその組み合わせに基づく値であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の記録装置。
  8. 記録媒体に記録を行う記録方法であって、
    前記記録を行う記録部のメンテナンス動作を含み、
    前記記録に係る所定のパラメーターの計量値と記録しようとする記録負荷量に基づき、予め定められた前記メンテナンス動作を実施する前記計量値の標準のインターバルに対して、前記メンテナンス動作を実行するタイミングを変更することを特徴とする記録方法。
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