JP2017177423A - 液滴吐出装置、液滴吐出装置の管理システム、液滴吐出装置のメンテナンス方法 - Google Patents

液滴吐出装置、液滴吐出装置の管理システム、液滴吐出装置のメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴を吐出するノズルに対するメンテナンスの要否の判定がより適切に行われる液滴吐出装置を提供する。【解決手段】プリンター100は、インク滴を吐出するノズル71が配置されたヘッド11と、ノズル71の吐出異常を検出する吐出異常検出部60と、吐出異常が検出された異常ノズルのヘッド11内の位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定するプリンター制御部30とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、液滴を吐出するノズルを備える液滴吐出装置、該液滴吐出装置の管理システム、該液滴吐出装置のメンテナンス方法に関する。
液滴吐出装置の一つであるインクジェットプリンターは、インクジェットヘッドからインク滴(液滴)を吐出することにより、所定の用紙に画像形成(印刷)を行う。インクジェットヘッドには、インク滴を吐出する多数のノズルが設けられているが、インクの増粘や、インクへの気泡の混入、ノズル先端への塵や紙粉の付着などによって、ノズルからインク滴を吐出できなくなってしまう場合がある。その結果、印刷された画像内にドット抜けが生じ、印刷品質を低下させてしまう。
これに対し、特許文献1には、ノズルのいずれかが機能していないか否かをチェックするステップと、チェック結果を、それ以前のチェック結果と共に格納して、各ノズルの状態の履歴を保持するステップと、現時点で機能していないノズルを回復させるために、最近のノズルの状態と、以前のノズルの状態(履歴)とに基づき、ノズルの回復可否を判定し、リカバリーサービスを実行するか否かを決定するステップと、を含む、プリントヘッドを備えたペンのサービス方法(メンテナンス方法)が記載されている。また、リカバリーサービスは、機能していないノズルの合計数が予め決められた閾値よりも大きい場合に実行するとしている。つまり、機能していないノズルの数が所定数より少ない場合にはリカバリーサービスを行わない。これにより、リカバリーサービスによって、スループットおよびプリンターの生産性が許容できないほど低下することが抑制されるとしている。
特開2000−238274号公報
しかしながら、特許文献1に記載のサービス方法では、機能しないノズルの数が所定数(予め決められた閾値)より少ない場合であっても、その位置によっては、許容できないほどに印刷品質を低下させてしまう場合があるという課題があった。具体的には、機能しないノズルの数が少なくても、隣り合う位置に連続して存在した場合などには、例えば、印刷むらが顕在化(可視化)してしまうなど、形成される画像の品質が低下してしまう場合があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係る液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルが配置されたヘッドと、前記ノズルの吐出異常を検出する検出部と、前記吐出異常が検出された異常ノズルの前記ヘッド内の位置情報に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定する制御部と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、液滴を吐出するノズルが配置されたヘッド内における吐出異常が検出された異常ノズルの位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるため、異常ノズルの位置に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
[適用例2] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記制御部が、前記位置情報に基づく配点により前記異常ノズルの採点を行い、前記採点の結果に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする。
本適用例によれば、異常ノズルの位置情報に基づく配点により異常ノズルの採点を行い、採点の結果に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定するため、メンテナンス要否の判定を、より定量的に行うことができる。
[適用例3] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記制御部が、前記位置情報から得られる前記異常ノズルの密度に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする。
本適用例によれば、異常ノズルの密度に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるため、異常ノズルの密度に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
[適用例4] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記制御部が、前記位置情報から得られる前記異常ノズルが隣り合う数に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする。
本適用例によれば、異常ノズルが隣り合う数に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるため、異常ノズルが隣り合う数に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
[適用例5] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記制御部が、前記メンテナンスを行った前後の前記位置情報に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする。
本適用例によれば、メンテナンスを行った前後の異常ノズルの位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定される。つまり、メンテナンス前(過去)において異常ノズルが発生した場合の異常ノズルの位置情報と、メンテナンス後(現在)の異常ノズルの発生状況(発生位置)との関連性に基づくメンテナンス要否の判定(発生傾向に基づく判定)を行うことができるため、異常ノズルの傾向的な発生に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
[適用例6] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記判定を行うための判定閾値が変更可能であることを特徴とする。
本適用例によれば、異常ノズルに対するメンテナンス要否の判定を行うための判定閾値が変更可能であるため、所望の画像品質の維持に対応する必要充分な範囲でのメンテナンスが実施されるように設定をすることができる。
[適用例7] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記制御部が、前記位置情報および前記吐出異常が検出される頻度に基づき、前記判定閾値を変更することを特徴とする。
本適用例によれば、吐出異常が検出された異常ノズルのヘッド内の位置情報および吐出異常が検出される頻度に基づき、異常ノズルに対するメンテナンス要否の判定を行うための判定閾値が変更されるため、ヘッド内において異常ノズルが発生する傾向に応じて、より適切にメンテナンスが行われるようになる。
[適用例8] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記制御部が、前記位置情報に基づく配点により前記異常ノズルの採点を行い、前記採点の結果を累積した累積点の変化の度合いに基づき、前記判定閾値を変更することを特徴とする。
本適用例によれば、制御部が、位置情報に基づく配点により異常ノズルの採点を行い、採点の結果を累積した累積点の変化の度合いに基づき、判定閾値を変更するため、異常ノズルの発生傾向の変化に応じて、より適切にメンテナンスが行われるようになる。
[適用例9] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、表示部を備え、前記制御部が、前記異常ノズルの位置を示す画像を前記表示部に表示することを特徴とする。
本適用例によれば、異常ノズルの位置を示す画像が表示部に表示されるため、ユーザーは、これを参照することにより適確に異常ノズルのメンテナンスを行うことができる。
[適用例10] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否の判定の結果、メンテナンス要と判定された場合に、対応するメンテナンス動作を実行する、あるいは、対応するアラートを発することを特徴とする。
本適用例によれば、異常ノズルに対するメンテナンスの要否の判定の結果、メンテナンス要と判定された場合に、対応するメンテナンス動作を実行する、あるいは、対応するアラートを発するため、異常ノズルに対するメンテナンスがより確実に行われることで、画像品質の低下が抑制される。
[適用例11] 本適用例に係る液滴吐出装置の管理システムは、液滴を吐出するノズルが配置されたヘッドを備えた液滴吐出装置の管理システムであって、前記液滴吐出装置から得られた吐出異常が検出された異常ノズルの前記ヘッド内の位置情報に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする。
本適用例によれば、液滴を吐出するノズルが配置されたヘッド内における吐出異常が検出された異常ノズルの位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるため、この判定に従うことによって、異常ノズルの位置に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
[適用例12] 本適用例に係る液滴吐出装置のメンテナンス方法は、液滴を吐出するノズルが配置されたヘッドを備えた液滴吐出装置のメンテナンス方法であって、前記ノズルの吐出異常を検出する検出工程と、前記吐出異常が検出された異常ノズルの前記ヘッド内の位置情報に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定する判定工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、液滴を吐出するノズルが配置されたヘッド内における吐出異常が検出された異常ノズルの位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるため、異常ノズルの位置に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
実施形態1に係る液滴吐出装置を備えた印刷システムの構成を示す正面図 実施形態1に係る液滴吐出装置を備えた印刷システムの構成を示すブロック図 ヘッドの基本構成を模式的に示す断面図 ヘッドの基本構成を模式的に示す平面図 ヘッドを−Z方向から見た平面図 インク供給部を説明する概略図 吐出異常検出部の構成を示すブロック図 メンテナンス部の配置を示す平面図 ワイピング部の斜視図 ワイピング部の構成を示す断面図 プリンターのメンテナンス方法を説明するフローチャート 吐出状態マップの例の概念図 ノズル採点マップの例の概念図 指定期間における異常ノズルの発生状況を示すグラフの例の概念図 実施形態2に係る液滴吐出装置の管理システムを説明するブロック図 採点結果を時系列的に累積した累積値と所定の閾値Ptとの関係を示すグラフ 採点結果を時系列的に累積した累積値の変化の度合いが異なる場合を示すグラフ 採点結果を時系列的に累積した累積値の変化の度合いが変化する場合を示すグラフ
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。また、図面に付記する座標においては、Z軸方向が上下方向、+Z方向が上方向、X軸方向が前後方向、−X方向が前方向、Y軸方向が左右方向、+Y方向が左方向、X−Y平面が水平面としている。
(実施形態1)
<液滴吐出装置>
図1は、実施形態1に係る「液滴吐出装置」としてのプリンター100を備えた印刷システム1の構成を示す正面図、図2は、同ブロック図である。
印刷システム1は、プリンター100およびプリンター100に接続されるパーソナルコンピューター110(以下PC110と言う)から構成される。プリンター100は、PC110から受信する印刷データに基づいて、ロール状に巻かれた状態で供給される長尺状の印刷媒体5に所望の画像を印刷するインクジェットプリンターである。
<PC110の基本構成>
PC110は、制御部111、入力部112、表示部113、記憶部114などを備え、プリンター100に印刷を行わせる印刷ジョブの制御などを含む印刷システム1全体の集中管理を行う。
PC110が動作するソフトウェアには、印刷する画像データを扱う一般的な画像処理アプリケーションソフトウェア(以下アプリケーションと言う)や、プリンター100の制御や、プリンター100に印刷を実行させるための印刷データを生成するプリンタードライバーソフトウェア(以下プリンタードライバーと言う)が含まれる。
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)115や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)116、DSP(Digital Signal Processor)117、メモリー118、プリンターインターフェイス部119などを備え、PC110およびプリンター100の制御を行う。
入力部112は、ヒューマンインターフェイスとしての情報入力手段である。具体的には、例えば、キーボードや情報入力機器が接続されるポートなどである。
表示部113は、ヒューマンインターフェイスとしての情報表示手段(ディスプレー)であり、制御部111の制御の基に、入力部112から入力される情報や、プリンター100に印刷する画像、印刷ジョブに関係する情報などが表示される。
記憶部114は、ハードディスクドライブ(HDD)やメモリーカードなどの書き換え可能な記憶媒体であり、PC110が動作するソフトウェア(制御部111で動作するプログラム)や、印刷する画像、印刷ジョブに関係する情報などが記憶される。
メモリー118は、CPU115が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
<プリンター100の基本構成>
プリンター100は、印刷部10、印刷媒体移動部20、プリンター制御部30(本願発明における制御部)、吐出異常検出部60(本願発明における検出部)などから構成されている。PC110から印刷データを受信したプリンター100は、プリンター制御部30によって印刷部10、印刷媒体移動部20を制御し、印刷媒体5に画像を形成(印刷)する。
印刷データは、例えば、デジタルカメラなどによって得られた一般的な画像データ(例えば、RGBのデジタル画像情報)を、PC110が備えるアプリケーションおよびプリンタードライバーによってプリンター100で印刷できるように変換処理した画像形成用のデータであり、プリンター100を制御するコマンドを含んでいる。
印刷部10は、ヘッド11、インク供給部12などから構成されている。
印刷媒体移動部20は、走査部40、搬送部50などから構成されている。走査部40は、キャリッジ41、ガイド軸42、キャリッジモーター(図示省略)などから構成されている。搬送部50は、供給部51、収納部52、搬送ローラー53、プラテン55などから構成されている。
ヘッド11は、液(印刷用のインク)を液滴(以下インク滴と言う)として吐出する複数のノズル(ノズル列)を有している。ヘッド11は、キャリッジ41に搭載され、走査方向(図1に示すX軸方向)に移動するキャリッジ41に伴って走査方向に往復移動する。ヘッド11が走査方向に移動しながらプリンター制御部30の制御の下に、プラテン55に支持される印刷媒体5にインク滴を吐出することによって、走査方向に沿ったドットの列(ラスタライン)が印刷媒体5に形成される。
インクには、例えば、濃インク組成物からなるインクセットとして、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクセットにブラック(K)を加えた4色のインクセットなどがある。また、例えば、それぞれの色材の濃度を淡くした淡インク組成物からなるライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトイエロー(Ly)、ライトブラック(Lk)などのインクセットを加えた8色のインクセットなどがある。
インク滴を吐出する方式(インクジェット方式)としては、好適例としてピエゾ方式を用いている。ピエゾ方式は、圧力室に貯留されたインクに圧電素子(ピエゾ素子)により印刷情報信号に応じた圧力を加え、圧力室に連通するノズルからインク滴を噴射(吐出)し印刷する方式である。
なお、インク滴を吐出する方式は、これに限定するものではなく、インクを液滴状に噴射させ、印刷媒体上にドット群を形成する他の印刷方式であってもよい。例えば、液体噴射ノズル(以下ノズル)とノズルの前方に置いた加速電極間の強電界でノズルからインクを液滴状に連続噴射させ、インク滴が飛翔する間に偏向電極から印刷情報信号を与えて印刷する方式、またはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子などで機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インクを印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射し印刷する方式(サーマルジェット方式)などであってもよい。
印刷媒体移動部20(走査部40、搬送部50)は、プリンター制御部30の制御の下に、印刷媒体5を印刷部10(ヘッド11)に対し相対移動させる。
ガイド軸42は、走査方向に延在しキャリッジ41を摺接可能な状態で支持し、また、キャリッジモーターは、キャリッジ41をガイド軸42に沿って往復移動させる際の駆動源となる。つまり、走査部40(キャリッジ41、ガイド軸42、キャリッジモーターなど)は、プリンター制御部30の制御の下にキャリッジ41を(つまりは、ヘッド11を)ガイド軸42に沿って走査方向に移動させる。
供給部51は、印刷媒体5がロール状に巻かれたリールを回転可能に支持し、印刷媒体5を搬送経路に送り出す。収納部52は、印刷媒体5を巻き取るリールを回転可能に支持し、印刷が完了した印刷媒体5を搬送経路から巻き取る。
搬送ローラー53は、印刷媒体5を走査方向と交差する搬送方向(図1に示すY軸方向)に移動させる駆動ローラーや印刷媒体5の移動に伴って回転する従動ローラーなどから成り、印刷媒体5を供給部51から印刷部10の印刷領域(プラテン55の上面でヘッド11が走査移動する領域)を経由し、収納部52に搬送する搬送経路を構成する。
プリンター制御部30は、インターフェイス部31、CPU32、メモリー33、駆動制御部34などを備え、プリンター100の制御を行う。
インターフェイス部31は、PC110のプリンターインターフェイス部119に接続され、PC110とプリンター100との間でデータの送受信を行う。
CPU32は、プリンター100全体の制御を行うための演算処理装置である。
メモリー33は、CPU32が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
CPU32は、メモリー33に格納されているプログラム、およびPC110から受信した印刷データに従って、駆動制御部34を介して印刷媒体移動部20(走査部40、搬送部50)、印刷部10(ヘッド11、インク供給部12)を制御する。
以上の構成により、プリンター制御部30は、搬送部50(供給部51、搬送ローラー53)によって印刷領域に供給された印刷媒体5に対し、ガイド軸42に沿ってヘッド11を支持するキャリッジ41を走査方向(X軸方向)移動させながらヘッド11からインク滴を吐出する動作と、搬送部50(搬送ローラー53)により走査方向と交差する搬送方向(+Y方向)に印刷媒体5を移動させる動作とを繰り返すことにより、印刷媒体5に所望の画像を形成(印刷)する。
<ヘッド>
図3は、ヘッド11の基本構成を模式的に示す断面図、図4は、同平面図である。図3は、図4のE―E断面図、図4は、図3の下面(−Z方向)から見た平面図である。
ヘッド11は、インクの吐出系として、インクが充填される複数のキャビティ70、キャビティ70の一方の端部下方(インク流路下流)に連通しキャビティ70に充填されたインクを吐出するノズル71、複数のノズル71が形成されたノズル基板72、複数のキャビティ70を形成するキャビティ基板73、キャビティ70の天井部を構成する振動板75、振動板を振動させる圧電素子76、振動板75と圧電素子76とを接合する接合板77、ヘッド基体90などを備えている。
また、ヘッド11は、キャビティ70へのインクの供給系として、キャビティ70の他方の端部(インク流路上流)に連通する連通路81、複数の連通路81にインクを供給するマニホールド82、マニホールド82にインクを循環供給するインク導入路83、マニホールドからインクを循環排出するインク排出路84などを備えている。
キャビティ70は、インクをノズル71からインク滴として吐出させるための圧力室である。キャビティ70は、X軸方向に延在する略直方体の空洞であり、キャビティ基板73によってY軸方向に並ぶように複数形成されている。キャビティ70の+X側の端部は、−Z方向に延出し、ノズル71が連通する一方の端部下方領域(インク流路下流の領域)を形成している。
ノズル71は、X―Y平面に延在するノズル基板72にY軸方向に並ぶ複数の貫通孔として形成されており、ノズル71が形成されたノズル基板72の領域が同じピッチで並ぶキャビティ70の一方の端部下方に当接する(インク流路下流の領域に重なる)ことで、図3に示すように、キャビティ70とノズル71とを連通させている。
振動板75は、キャビティ70の天井部を構成するように、キャビティ基板73とヘッド基体90とに挟持されている。
圧電素子76は、プリンター制御部30の印刷制御に従って駆動制御されるヘッドドライバー11dによって駆動する。圧電素子76は、ヘッド基体90に収納され、圧電素子76の一方の端部(上方)がヘッド基体90に固定されている。圧電素子76の他方の端部(下方)は、接合板77を介して振動板75に接合されている。
ヘッド11は、圧電素子76が振動させる振動板75の振動に応じてキャビティ70の容積が変化することにより、キャビティ70に充填されるインクをキャビティ70に連通するノズル71から吐出する。
図5は、ヘッド11を−Z方向から見た平面図であり、複数のノズル列を備えたヘッド11の様子を概念的に示している。
ヘッド11は、各色2列ずつ6色(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ライトブラック(Lk)、ライトシアン(Lc))、計12個のノズル列を備えている。各ノズル列は、#1〜#400の400個のノズルを備え、同一色のインクを吐出する2つのノズル列は、Y軸方向にノズルピッチの半分の長さだけずらして平行に配置されている。
図6は、インク供給部12を説明する概略図である。
インク供給部12は、インクタンク15、ポンプ17,18、インク供給路80などから構成されている。
インク供給路80は、複数のキャビティ70にインクを供給する供給路であり、インクタンク15からマニホールド82(インク導入路83)までの往路80aとマニホールド82(インク排出路84)からインクタンク15までの帰路80bとを有する循環経路で構成されている。また、往路80aには、インク供給路80内のインクを圧送するポンプ17が備えられている。
ポンプ17は、プリンター制御部30の制御により、インク供給路80内のインクを圧送する速度を変えることができる。
インクタンク15は、図6に示すように、内部にインクを貯留しており、気泡が含まれない領域(気泡が含まれ難い領域)のインクを往路80aに送り出すように構成されている。また、インクタンク15は、インク供給路80内のインクの圧力制御を行うポンプ18を備えている。
ポンプ18は、プリンター制御部30の制御により、インクタンク15内、およびインク供給路80内のインクの圧力を変えることができる。
<印刷部のメンテナンス>
以上のような構成のプリンター100では、インクの増粘、インク供給路80内やキャビティ70内における気泡の発生、ノズル71の目詰まり、ノズル面(ノズル基板72の下面)のインク残りなどが原因となって、ヘッド11からインク滴を正常に吐出できなくなり、その結果、印刷画像のドット抜けなどにより印刷品質を低下させてしまう場合がある。このため、プリンター100は、印刷品質を安定的に維持するため、プリンター制御部30の制御の下に印刷部10のメンテナンス動作を行う。
具体的なメンテナンス動作の内容について説明する。
広義のメンテナンスには、印刷部10が正常に機能しているかどうかを確認するためのチェック動作や、ノズル71のリフレッシュを目的として定期的に自動で行うクリーニング動作が含まれるが、以降で説明する本願発明におけるメンテナンス(メンテナンス動作)は、チェック動作の結果、不具合が確認されたノズル71(異常ノズル)に対する異常状態からのリカバリーを行うためのリカバリー動作を意味している。
<ノズルのチェック動作>
印刷部10が正常に機能しているかどうか(ノズル71からインク滴が正常に吐出されているか否か)を確認するためのチェックは、ノズル71からインク滴を吐出した際の振動板75の残留振動を観察することにより行うことができる。具体的には、吐出異常検出部60において、振動板75の残留振動を検出し、検出された振動板75の残留振動の振動パターンに基づいて液滴の吐出異常を検出する。
図7は、吐出異常検出部60の構成を示すブロック図である。
吐出異常検出部60は、残留振動検出回路61、計測回路62、判定回路63などから構成されている。
残留振動検出回路61は、振動板75の残留振動によって圧電素子76(図3参照)に発生する電圧波形を抽出する回路である。
計測回路62は、残留振動検出回路61によって抽出された残留振動に基づく電圧波形からその周期や振幅などを計測する回路である。
判定回路63は、計測回路62によって計測された残留振動の周期などに基づいて、ヘッド11の吐出異常を検出、判定する回路である。
それぞれの具体的な回路構成については説明を省略する。
例えば、ヘッド11のキャビティ70内(図3参照)に気泡が混入した場合には、正常吐出時の振動板75 の残留振動波形に比べて、周波数が高くなり、周期は正常吐出時の残留振動の周期よりも短くなる。
また、ノズル71付近のインクが増粘した場合には、残留振動が過減衰となり、正常吐出時の残留振動波形に比べて、周波数が低くなり、周期は正常吐出時の残留振動の周期よりも長くなる。
また、ノズル71の出口付近に紙粉が付着した場合には、残留振動の周波数は、正常吐出時の残留振動の周波数よりも低く、しかし、インクが増粘し固まった時の残留振動の周波数よりも高くなる。従って、周期は、正常吐出時の残留振動の周期よりも長く、インク増粘固着時の残留振動の周期よりも短くなる。
このように、判定回路63では、正常吐出時の残留振動の周期と比較することで、吐出異常を検出することができるばかりでなく、吐出異常のモード(原因の違いによる吐出異常の状態の違い)の識別を行うことができる。
プリンター制御部30は、駆動制御部34によってヘッド11を駆動制御しながら吐出異常検出部60によってノズル71毎の吐出状態をチェックすることで、ヘッド11におけるノズル71の吐出状態をマッピングすることができる。すなわち、異常ノズルの状況を、ヘッド11内のノズル71の位置情報と共に把握することができる。ノズル71の位置情報を伴うノズル71毎の吐出状態をチェックした結果(以下、吐出状態マップと言う)は、メモリー33(図2参照)に記憶される。
ノズルのチェック動作を実施するタイミング(例えば、電源投入時、印刷ジョブの開始時、定期など)は、予め、プリンター100の稼動量や稼動環境、放置時間や放置環境などの要素を含め、充分な評価を行った上で決定しておく。
<ノズルのメンテナンス動作>
メンテナンス動作には、ノズル面(ノズル基板72の下面)のワイピング、ノズル71からインクを強制吐出させるフラッシング、インク供給路80内でのインク循環によるインクの撹拌など、想定される不安定要因を払拭する複数の動作がある。また、それぞれのメンテナンス動作には、実行する強度や時間などの設定によって複数のメンテナンス強度が設定されている。メンテナンス強度とは、インクを安定的に吐出することを阻害する要因を払拭する効果の期待強度である。
以下に、メンテナンス動作の具体的な例を説明する。
図8は、メンテナンス動作の内、フラッシングやワイピングを行うメンテナンス部200の配置を示す平面図である。
プリンター100は、キャリッジ41がX軸方向に走査移動しながらヘッド11が印刷媒体5にインクを吐出して印刷を行う印刷領域Pの外側(図8に示す例では、−X側)にメンテナンス部200を備えている。
メンテナンス部200には、フラッシング部201、ワイピング部202、キャップ208が順に配置される。プリンター制御部30は、印刷領域Pを越えて、キャリッジ41(ヘッド11)をこの領域に移動させることができる。
<フラッシング>
ノズル71近傍のインクの増粘やノズル71の目詰まりにより、インク滴を正常に吐出できなくなる場合がある。これに対し、プリンター制御部30は、キャリッジ41(ヘッド11)をフラッシング部201に移動させ、メンテナンスが必要と判断されるノズル71からインクをフラッシング部201に向けて吐出させる動作であるフラッシングを行う。フラッシング部201は、このフラッシングが実行された場合に、吐出されたインクを吸引する。このようなフラッシングにより、増粘したインクをヘッド11から除去したり、目詰まりしたノズル71を解消したりすることができる。
フラッシングにおけるメンテナンス強度は、1回のフラッシングで吐出させるインクの量や、吐出の回数、また所定のノズル71のみで行うか、全てのノズル71に対して行うかなどによって異なる設定を行う。
<ワイピング>
図9は、ワイピング部202の斜視図、図10は、ワイピング部202の構成を示す断面図である。
ノズル71から吐出されるインクは、ノズル71付近のノズル面(ノズル基板72の下面)に残ることがある。これに対し、プリンター制御部30は、ワイピング部202が備えるワイピング部材203によりノズル面を拭う動作(インクを擦り取る動作)であるワイピングを行い、ノズル面に残ったインクを除去(クリーニング)する。
ワイピング部202は、ワイピング部材203、給材ローラー204、除材ローラー205、押圧ローラー206、筐体207、ワイパーユニット駆動機構(図示省略)などから構成されている。
筐体207の内部には、Y軸方向の軸線を有した給材ローラー204と除材ローラー205がX軸方向に距離をおいて収容されている。給材ローラー204と除材ローラー205の間には、ノズル基板72の表面に残ったインクを払拭する吸収部材(ワイピング部材203)が掛装されている。給材ローラー204は、巻装した未使用のワイピング部材203を繰り出す。除材ローラー205は、給材ローラー204から巻き解かれて払拭に使用された使用済みのワイピング部材203を巻き取る。
筐体207の天部には、給材ローラー204、除材ローラー205と略平行した軸を有する押圧ローラー206が筐体207から露出している。給材ローラー204から繰り出されるワイピング部材203は、押圧ローラー206に巻き掛けられ、使用後に除材ローラー205に巻き取られる。
ワイパーユニット駆動機構は、給材ローラー204、除材ローラー205の回転駆動および押圧ローラー206に支えられるワイピング部材203の払拭部Wをノズル基板72のインク払拭位置(高さ)に移動およびインク払拭位置から離間させる機能を有している。プリンター制御部30は、キャリッジ41(ヘッド11)をワイピング部202に移動させ、ワイパーユニット駆動機構を制御してワイピング部材203の払拭部Wをノズル基板72に当接させ、ワイピング部材203を移動させながらキャリッジ41(ヘッド11)をX軸方向に移動させることによりノズル面に残ったインクを除去(クリーニング)する。
ワイピングにおけるメンテナンス強度は、押圧ローラー206の押圧強度、押圧ローラー206によって押圧しながらワイピング部材203やキャリッジ41(ヘッド11)を移動させる速度や回数などによって異なる設定を行う。
なお、ワイピングは、可撓性を有する板状部材をノズル基板72の表面に接触させて、板状部材とノズル基板72とを相対的に移動させながら、ノズル基板72に付着したインクを掻き取る動作であってもよい。
キャップ208は、プリンター100が休止している期間に、ヘッド11のノズルが形成されている面を気密に封止して、ヘッド11においてインクが増粘または固化することを防止する部分である。
<インク循環>
インクが大気に触れる部分の増粘やインク組成物の沈降などによる粘度むらが発生した場合、また インク供給路80内(図6参照)において気泡が混入したり、キャビティ70内(図3参照)において気泡が発生したり混入したりした場合に、インクが正常に供給されなかったり、インクが正常に吐出しなかったりする場合がある。これに対し、プリンター制御部30は、インク供給路80内のポンプ17を制御し、インクを強制循環させる速度を増加させる。
インクの循環経路において、速度が増した強制循環により、インクは撹拌され、またインクの循環経路に混入した気泡は、インクタンク15においてトラップされる。これらにより、インクの吐出を不安定にする要因が改善される。
これらのメンテナンス動作は、予め充分な評価を行った上で、その評価結果に基づき、ノズルの不具合内容が払拭される必要充分な方法およびメンテナンス強度で行われるようにすることが好ましい。
しかしながら、メンテナンス動作には時間を要するもの(例えば10分程度要する動作)が含まれるため、ユーザーが期待する以上に過剰品質な状態にするためのメンテナンス動作は、実行された場合に、メンテナンス動作が完了するまでユーザーが待たされることになり、ユーザーに対して大きなストレスを感じさせてしまう場合がある。そこで、本実施形態では、以下に説明するように、印刷品質に大きな影響を与えない範囲で、必要充分な範囲に絞ってメンテナンス動作が実行されるようにしている。
ユーザーが期待する以上に過剰品質となってしまうメンテナンス動作が実行されないようにする1つの方法として、特許文献1に記載のメンテナンス方法(リカバリーサービス)のように、吐出異常が検出された異常ノズルの数が、予め決められた閾値に達しない場合にはメンテナンス動作を実行しないようにする方法がある。しかしながら、異常ノズルの数が、予め決められた閾値に達しない場合であっても、状況によっては、印刷品質の低下が顕在化してしまう場合があった。具体的には、例えば、異常ノズルの数が、予め決められた閾値より充分少ない場合であっても、吐出異常を示すノズル71の位置がヘッド11の一部の領域に集中してしまう場合、換言すると、吐出異常を示すノズル71によって形成されるドットが、印刷媒体5の一部の領域に偏る場合には、印刷品質の低下が顕在化してしまう場合があった。
そこで、異常ノズルの数が、予め決められた閾値より充分少ない場合であっても、その発生位置によってはメンテナンス動作を実行するように、プリンター制御部30は、吐出異常が検出された異常ノズルのヘッド11内の位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定するようにしている。そのため、まず、プリンター制御部30は、ノズルのチェック動作によって得られ、メモリー33に記憶された異常ノズルの状況を示す吐出状態マップを読み込み、異常ノズルの位置情報に基づく配点に基づいて採点を行う。次に、プリンター制御部30は、採点の結果に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定する。
異常ノズルの位置情報に基づく配点とは、印刷品質の低下を招く度合いがより大きくなると想定される異常ノズルの位置関係を呈するノズル71には、より大きな減点ポイントが付与されるようにする配点である。
配点の例を以下に示す。いずれも同一色のインクを吐出するノズル列内の異常ノズルの位置関係による配点であり、1つ1つのノズル71に付与される点数(減点ポイント)である。
1点=異常ノズルが、間に3つ以上の正常なノズルを挟んで位置する場合
2点=異常ノズルが、間に2つの正常なノズルを挟んで位置する場合
3点=異常ノズルが、間に1つの正常なノズルを挟んで位置する場合
5点=異常ノズルが、隣接する場合
例えば、異常ノズルが3つ連続する場合には、3つの異常ノズルの内の、一方の端の異常ノズルが5点、中央の異常ノズルは両側に異常ノズルが隣接するため10点、他方の端の異常ノズルが5点であり、合計減点ポイント=5点+(5点+5点)+5点=20点の減点となる。
また、例えば、異常ノズルが3つ有り、一方の端の異常ノズルと中央の異常ノズルが隣接し、他方の端の異常ノズルと中央の異常ノズルとの間に正常なノズルが1つ有る場合には、合計減点ポイント=5点+(5点+3点)+3点=16点となる。
配点の例は、上記の内容に限定するものではなく、印刷品質の低下を招く度合いが減点ポイントとして反映される配点として様々に設定することができる。
例えば、同一色のインクを吐出するノズル列内の異常ノズルの密度に基づく配点であっても良い。具体的には、例えば、図5に示すヘッド11のように、同一色のノズル列が2列並んで構成されている場合には、任意の位置で隣接する5個×2列=10個の領域内における異常ノズルの個数が多いほど減点ポイントを高く設定し、その総計を合計減点ポイントとする配点であっても良い。
また、例えば、メンテナンス動作を実行した前後の異常ノズルの発生位置に基づき、配点する方法であっても良い。つまり、メンテナンス前(過去)において異常ノズルが発生した場合の異常ノズルの位置情報と、メンテナンス後(現在)の異常ノズルの発生状況(発生位置)との関連性に基づくメンテナンス要否の判定(発生傾向に基づく判定)を行うための配点である。具体的には、同じノズルが異常ノズルとして検出されている場合には、該ノズルに対するメンテナンス(リカバリー)が充分に行われなかった可能性が高いと考え、減点ポイントを高く(例えば、上述した減点ポイントの1.5倍に)設定する。
なお、上述した配点方法は、単独で用いるのではなく、複数の配点方法を組み合わせても良い。複数の配点方法を組み合わせる(例えば、それぞれの方法毎に個別に採点してから足し合わせる)ことで、印刷品質の低下を招く度合いをより反映した配点とすることができる。
ノズル71の位置情報を伴うノズル71毎の採点結果は、(以下、ノズル採点マップと言う)は、メモリー33(図2参照)に記憶される。
メンテナンス要否の判定は、ノズルのチェック動作の都度、チェックによって得られた採点結果に基づいて行う。
メンテナンス要否の判定には、メンテナンスの種類やその強度の選択も含まれる。具体的には、メンテナンス要否の判定を行うための判定閾値が、メンテナンス動作の種類毎に、また、そのメンテナンス強度に対応するように設けられている。また、判定閾値と比較する減点ポイントは、ヘッド11の総計点だけではなく、ノズル列毎の総計点や、ノズル列内の特定位置の総計点などを用いても良い。
また、異常ノズルの発生位置の傾向と発生原因との関連性が予め分かっている場合には、異常ノズルの発生位置の傾向に対応する発生原因に対して効果の大きいメンテナンス動作が実行されるように減点ポイントの集計対象範囲と判定閾値とを設定する。
具体的には、例えば、ヘッド11の最も外側に位置するノズル列(図5に示す例では、ブラック(K)か、ライトシアン(Lc)のノズル列)の端部領域で連続するノズル71が吐出異常になる原因が、ヘッド11の周辺部(ノズル基板72(図3参照)の縁領域)に溜まるインクによるものと、予め分かっている場合には、減点ポイントの集計対象範囲をヘッド11の最も外側に位置するノズル列の両端部領域(例えば最端部から20個のノズル71)とし、この領域毎に集計される減点ポイントの総計と比較する判定閾値を20点とする。また、実施要と判定されるメンテナンス動作の種類をワイピング、および該当するノズル列のフラッシングとする。このように設定することで、3つ以上連続する異常ノズルがこの領域において検出された場合に、ワイピング、および該当するノズル列のフラッシングが行われる。
なお、ノズルのチェック動作を実施するタイミング、およびメンテナンス動作の種類毎の減点ポイントの集計対象範囲と、これに対応する判定閾値は、予め、充分な評価のもとに決定しておき、プリンター制御部30が動作するプログラムやデータテーブルとしてメモリー33(図2参照)に記憶しておく。
また、検出される異常ノズルの症状によっては、自動的に行うことができる有効なメンテナンス動作が無い場合がある。そのような場合には、例えば、ユーザーが手作業でリカバリー処理を行う。このように、メンテナンス動作要と判定されながらも、メンテナンス動作の実行ができない場合には、ユーザーに対するアラートを発する。換言すると、ユーザーに対するアラートをメンテナンス動作の一つとして位置付けて実行する。
<液滴吐出装置のメンテナンス方法>
本実施形態を特徴付けるプリンター100の基本的なメンテナンス方法について説明する。
図11は、プリンター100のメンテナンス方法を説明するフローチャートである。
まず、印刷システム1(プリンター100)が稼動すると、プリンター制御部30は、予め設定された稼動タイマーなどによりノズルの吐出状態をチェックするタイミングに達しているか確認する(ステップS1)。
次に、プリンター制御部30(吐出異常検出部60)は、予め設定されたノズルの吐出状態をチェックするタイミングに達したら、本願発明における「検出工程」として、ノズルの吐出状態をチェックする(ステップS2)。
次に、プリンター制御部30は、チェックした結果に基づき、ノズル71の位置情報を伴うノズル71毎の吐出状態をチェックした結果を吐出状態マップとしてメモリー33に記憶する(ステップS3)。
次に、プリンター制御部30は、予め設定された配点および吐出状態マップに基づき、ノズル71毎の採点を行う(ステップS4)。
次に、プリンター制御部30は、本願発明における「判定工程」として、予め、メンテナンス動作の種類毎に設定された集計対象範囲毎に採点結果を集計し、これに対応する判定閾値と比較してそれぞれのメンテナンス動作毎に実行の要否を判定する(ステップS5)。
判定の結果、メンテナンス要と判定されたメンテナンス動作については、メンテナンス動作を実行する(ステップS6)。判定の結果、メンテナンス不要と判定された場合は、メンテナンス動作を実行しない。
次に、稼動停止指示の有無を確認し(ステップS7)、稼動停止の指示が無い場合には、次にノズルの吐出状態をチェックするタイミングを待つ(ステップS1)。
<ノズルの吐出状態の表示>
PC110が備える制御部111は、プリンター100が備えるメモリー33に記憶された吐出状態マップやノズル採点マップに基づいて、表示部113に様々なレポートを表示することができる。
図12は、異常ノズルの位置を示す画像としての吐出状態マップの例を、表示部113に斜視図として表示している様子を示している。
図12において、正常ノズルは白丸で、異常ノズルは黒丸で示している。
図13は、ノズル採点マップの例を、表示部113に斜視図として表示している様子を示している。
図13は、図12で確認できる異常ノズルのそれぞれの採点結果(減点ポイントの値)を棒グラフで表示している。同一のインクを吐出するノズル列内において異常ノズルが隣接した場合に、減点ポイントが高くなる様子を示している。
図14は、指定期間におけるノズル列毎の異常ノズルの発生状況を示すグラフの例を、表示部113に表示している様子を示している。異常ノズルの発生状況としては、異常ノズル数や、採点結果の集計値などを表示する。
以上述べたように、本実施形態による液滴吐出装置、液滴吐出装置のメンテナンス方法によれば、以下の効果を得ることができる。
インク滴を吐出するノズル71が配置されたヘッド11内における吐出異常が検出された異常ノズルの位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるため、異常ノズルの位置に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
また、異常ノズルの位置情報に基づく配点により異常ノズルの採点を行い、採点の結果に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定するため、メンテナンス要否の判定を、より定量的に行うことができる。
また、異常ノズルが隣り合う数に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるため、異常ノズルが隣り合う数に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
また、異常ノズルの密度に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるようにした場合、異常ノズルの密度に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
また、メンテナンスを行った前後の異常ノズルの位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定される。つまり、メンテナンス前(過去)において異常ノズルが発生した場合の異常ノズルの位置情報と、メンテナンス後(現在)の異常ノズルの発生状況(発生位置)との関連性に基づくメンテナンス要否の判定(発生傾向に基づく判定)を行うことができるため、異常ノズルの傾向的な発生に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
また、異常ノズルの位置を示す画像が表示部113に表示されるため、ユーザーは、これを参照することにより適確に異常ノズルのメンテナンスを行うことができる。
また、異常ノズルに対するメンテナンスの要否の判定の結果、メンテナンス要と判定された場合に、対応するメンテナンス動作を実行する、あるいは、対応するアラートを発するため、異常ノズルに対するメンテナンスがより確実に行われることで、画像品質の低下が抑制される。
また、プリンター100のメンテナンス方法によれば、インク滴を吐出するノズル71が配置されたヘッド11内における吐出異常が検出された異常ノズルの位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否が判定されるため、異常ノズルの位置に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
(実施形態2)
次に、実施形態2として、液滴吐出装置の管理システムについて説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態1では、プリンター100が備えるプリンター制御部30が、異常ノズルのヘッド11内の位置情報に基づき、異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定する、と説明したが、異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定する「制御部」は、プリンター100とは別に、プリンター100に接続される外部機器にその機能を設けても良い。
本実施形態では、「液滴吐出装置の管理システム」を構成する外部機器に「制御部」の機能を設ける例を説明する。
図15は、実施形態2に係る「液滴吐出装置の管理システム」を説明するためのブロック図である。
実施形態1では、印刷システム1は、プリンター100およびプリンター100に接続されるPC110から構成されると説明したが、プリンター100とPC110との接続は、図15に示すように様々な形態が考えられる。図15に示す印刷システム1Aのように、PC110とプリンター100とを専用回線によって接続する構成に限定されず、印刷システム1Bのように、PC110は、イントラネットのような構内回線120を介してプリンター100に接続される構成であっても良い。また、印刷システム1Cのように、PC110は、インターネットのような公衆回線300を介してプリンター100に接続される構成であっても良い。
また、印刷システム1Bや印刷システム1Cの場合には、1台のPC110に複数のプリンター100が接続される構成であっても良い。このような場合に、PC110は、複数のプリンター100をコントロールし集中管理する「液滴吐出装置の管理システム」を構成することができる。
また、「液滴吐出装置の管理システム」としては、公衆回線300を介して接続される複数のプリンター100や、複数の印刷システム1をコントロールし集中管理するプリンターサーバー310などであっても良い。
以上のような様々な構成において、本願発明における「制御部」の機能を、印刷システム1A〜1CのそれぞれのPC110が有する制御部111や、プリンターサーバー310に設けても良い。すなわち、「液滴吐出装置の管理システム」に、該管理システムに接続されたそれぞれの「液滴吐出装置」としてのプリンター100に対して、上述したメンテナンス動作の要否を判定する機能を設ける構成としても良い。
PC110やプリンターサーバー310に設けられた「制御部」は、接続されたそれぞれのプリンター100から、それぞれのプリンター100が有するノズル71の位置情報を伴うノズル71毎の吐出状態をチェックした結果(吐出状態マップ)を収集し、それぞれのプリンター100毎に、上述したメンテナンス動作の要否を判定する。また、これらの情報をプリンター100毎に識別して、履歴情報として集中管理する。
本実施形態の「液滴吐出装置の管理システム」によれば、実施形態1と同様に、「液滴吐出装置の管理システム」に接続された「液滴吐出装置」において、異常ノズルの位置に起因して顕在化される画像品質の低下を抑制するためのメンテナンスを、より適切に行うことが可能となる。
また、「液滴吐出装置の管理システム」に接続される個々の「液滴吐出装置」に「制御部」としての機能を持たせる必要が無くなるので、同様の効果を有する印刷システム1をより効率的に構成することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(変形例1)
実施形態1では、メンテナンス動作の種類毎の減点ポイントの集計対象範囲と、これに対応する判定閾値は、予め、充分な評価のもとに決定しておき、プリンター制御部30が動作するプログラムやデータテーブルとしてメモリー33(図2参照)に記憶しておく、と説明したが、これに限定するものではない。
変形例1は、メンテナンス動作の要否を判定するための判定閾値が変更可能であることを特徴としている。
メンテナンス動作の種類毎の減点ポイントの集計対象範囲と、これに対応する判定閾値が予め評価された結果に基づいて固定されている場合、例えば、ユーザーによっては、あるいは、ユーザーの使用環境によっては、過剰品質になってしまう場合がある。例えば、それほどのメンテナンス強度(例えば、フラッシング時間やフラッシング量)のリカバリー処理を必要としない吐出異常状態にしかならない環境であったり、それほどの印刷品質を必要としない印刷ジョブであったりした場合に、メンテナンス動作によって生産性を低下させてしまうことになる。
そこで、本変形例では、所定の範囲でユーザーが判定閾値を高く変更して設定できるようにしている。
具体的には、判定閾値の変更を可能とするユーティリティープログラムを、PC110に備え、ユーザーは、表示部113に表示されるユーザーインターフェイス画面を参照しながら、入力部112から変更する判定閾値を入力する。ユーティリティープログラムは、予め設定されたメンテナンス動作の種類毎の判定閾値をプリンター100のメモリー33から読み出し、ユーザーインターフェイス画面に表示し、ユーザーによって変更された判定閾値を、新たにメモリー33に記憶させる。
なお、判定閾値を高く変更した場合には、その結果、例えば、実施されるメンテナンス強度が低くなったり、メンテナンス実施要と判定される頻度が低下することになったりするため、継続使用する内にリカバリー不能となってしまうような事態を避ける意味から、ユーザーによって変更できる範囲には、予め所定の上限を設定しておくことが好ましい。
本変形例に係る液滴吐出装置によれば、異常ノズルに対するメンテナンス要否の判定を行うための判定閾値が変更可能であるため、所望の画像品質の維持に対応する必要充分な範囲でのメンテナンスが実施されるように設定をすることができる。
(変形例2)
次に、変形例2として、「液滴吐出装置のメンテナンス方法」の変形例について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態1の液滴吐出装置のメンテナンス方法では、予め設定された配点および吐出状態マップに基づきノズル71毎の採点を行い(ステップS4)、集計対象範囲で採点結果を集計し、これに対応する判定閾値と比較してメンテナンス動作実行の要否を判定する(ステップS5)、と説明したが、集計した採点結果を直接判定閾値と比較するのではなく、採点結果を時系列的に累積して、累積した値と所定の判定閾値とを比較し、累積した値が所定の判定閾値を越えた場合にメンテナンス動作を実行するようにしても良い。
以下に具体例を説明する。
図16は、採点結果Pを時系列的に累積した累積値Paと、所定の閾値Ptとの関係を示すグラフである。
例えば、定期メンテナンス動作として、短時間で完了するクリーニング動作(例えば、ノズル71のフラッシング)とクリーニング完了後のノズル71の吐出状態のチェックとを所定のインターバルで(例えば、図16に示すように1時間おきに)行う。プリンター制御部30は、ノズルチェック後に都度、採点結果Pを求めて、それまでの採点の累積値Paに加算し、新たな採点結果Pと累積値Paとをメモリー33(図2参照)に記憶する。
プリンター制御部30は、累積した累積値Paが、予め設定した判定閾値Ptに達したか確認し、判定閾値Ptに達した場合に、メンテナンス動作として、ユーザーに対してアラートを発する。ユーザーは、アラートを確認し、必要なメンテナンス作業を行う。
図16に示す例では、10回の定期クリーニングを行った時点で判定閾値Ptを越えため、アラートを発し、累積値Paを0にリセットした様子を示している。
従来は、稼動時間(タイマー)や印刷実績量(印刷枚数など)に基づいてメンテナンスを促すアラートを発するようにしていたが、このようにすることで、安定した印刷品質で印刷を継続しながらも、ノズルの吐出状態を示すパラメーター(採点結果Pの累積値Pa)に基づきながら、より適切なインターバルで、メンテナンスを促すアラートを発することができるようになる。
(変形例3)
実施形態1では、メンテナンス動作の種類毎の減点ポイントの集計対象範囲と、これに対応する判定閾値は、予め、充分な評価のもとに決定しておき、プリンター制御部30が動作するプログラムやデータテーブルとしてメモリー33(図2参照)に記憶しておく、と説明したが、変形例3は、プリンター制御部30が、吐出異常の発生状況に基づき判定閾値を変更することを特徴としている。
メンテナンス動作の種類毎の減点ポイントの集計対象範囲と、これに対応する判定閾値が予め評価された結果に基づいて固定されている場合、例えば、ユーザーの使用環境によって、当初評価した状況と変化してしまい、その結果、予め設定されたメンテナンス強度(例えば、フラッシング時間やフラッシング量)のリカバリー処理では、充分に不具合が払拭されずに、再度メンテナンス動作が要と判断されるまでの期間が短くなってしまう場合がある。
そこで、本変形例では、プリンター制御部30が、吐出異常の発生状況に基づき判定閾値を変更するようにしている。吐出異常の発生状況の情報としては、例えば、吐出異常が検出される頻度や、異常ノズルの採点の結果を累積した累積点の変化の度合いなどの情報を活用する。
以下に具体的に説明する。
図17は、採点結果Pを時系列的に累積した累積値Paの変化の度合いが異なる場合を示すグラフである。
例えば、変形例2の場合と同様に、定期メンテナンス動作として、短時間で完了するクリーニング動作とクリーニング完了後のノズル71の吐出状態のチェックとを所定のインターバルで行う。プリンター制御部30は、都度、採点結果Pを求めて、それまでの採点の累積値Paに加算し、新たな採点結果Pと累積値Paとをメモリー33(図2参照)に記憶する。
図17に示す累積値Pa‐gは、良好な環境で使用されているプリンター100における累積値Paの推移を示すグラフである。これに対し、累積値Pa‐bは、プリンター100にとって過酷な環境(例えば、ノズル71付近のインクが乾燥しやすい環境)で使用されているプリンター100における累積値Paの推移の例を示している。ノズル71付近のインクが乾燥しやすい環境で使用されることにより、インクの増粘により吐出不良やノズル71の詰まりが発生しやすくなるため、定期クリーニングの仕様では、充分にクリーニングが実施されず、採点P(減点ポイント)はより大きくなり、すなわち、吐出異常が検出される頻度が高くなり、累積値Paは、早めに判定閾値Ptに到達する。
このような場合に、プリンター制御部30は、よりメンテナンス強度の高いメンテナンス動作が実行されるように、メンテナンス強度の高いメンテナンス動作の実行の要否を判定するための判定閾値を小さな値に変更する。その結果、定期クリーニングの仕様でも吐出異常が検出される頻度が低くなるレベルにリカバリーされ、累積値Pa‐bのグラフは、良好な累積値Pa‐gのグラフに近づくように改善される。
このように、ヘッド11内において異常ノズルが発生する傾向に応じて、より適切にメンテナンスが行われるようになる。
図18は、採点結果Pを時系列的に累積した累積値Paの変化の度合いが変化する場合を示すグラフである。図18における累積値Pa‐bは、当初は累積値Pa‐gと同様に良好な推移を示しているが、途中から急激に採点P(減点ポイント)はより大きくなり、すなわち、累積点の変化の度合いが悪化している例を示している。
このような場合には、定期クリーニングのタイミングになる前に、更に状態が悪化する事態が想定されるため、プリンター制御部30は、メンテナンス動作としてのアラートを発するタイミングを早くするため、判定閾値Ptを判定閾値Pt‐bに下げる。
ユーザーに対するアラートのタイミングが早まることにより、例えば、印刷品質が許容範囲を超えて悪化してしまう前に対処することが可能となる。
このように、異常ノズルの発生傾向の変化に応じて、より適切にメンテナンスが行われるようになる。
1…印刷システム、5…印刷媒体、10…印刷部、11…ヘッド、15…インクタンク、17,18…ポンプ、20…印刷媒体移動部、30…プリンター制御部、31…インターフェイス部、32…CPU、33…メモリー、34…駆動制御部、40…走査部、41…キャリッジ、42…ガイド軸、50…搬送部、51…供給部、52…収納部、53…搬送ローラー、55…プラテン、60…吐出異常検出部、61…残留振動検出回路、62…計測回路、63…判定回路、70…キャビティ、71…ノズル、72…ノズル基板、73…キャビティ基板、75…振動板、76…圧電素子、77…接合板、80…インク供給路、80a…往路、80b…帰路、81…連通路、82…マニホールド、83…インク導入路、84…インク排出路、90…ヘッド基体、100…プリンター、110…PC、111…制御部、112…入力部、113…表示部、114…記憶部、115…CPU、116…ASIC、117…DSP、118…メモリー、119…プリンターインターフェイス部、120…構内回線、200…メンテナンス部、201…フラッシング部、202…ワイピング部、203…ワイピング部材、204…給材ローラー、205…除材ローラー、206…押圧ローラー、207…筐体、208…キャップ、300…公衆回線、310…プリンターサーバー。

Claims (12)

  1. 液滴を吐出するノズルが配置されたヘッドと、
    前記ノズルの吐出異常を検出する検出部と、
    前記吐出異常が検出された異常ノズルの前記ヘッド内の位置情報に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定する制御部と、を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記制御部が、前記位置情報に基づく配点により前記異常ノズルの採点を行い、前記採点の結果に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記制御部が、前記位置情報から得られる前記異常ノズルの密度に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記制御部が、前記位置情報から得られる前記異常ノズルが隣り合う数に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記制御部が、前記メンテナンスを行った前後の前記位置情報に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記判定を行うための判定閾値が変更可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記制御部が、前記位置情報および前記吐出異常が検出される頻度に基づき、前記判定閾値を変更することを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記制御部が、前記位置情報に基づく配点により前記異常ノズルの採点を行い、前記採点の結果を累積した累積点の変化の度合いに基づき、前記判定閾値を変更することを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出装置。
  9. 表示部を備え、
    前記制御部が、前記異常ノズルの位置を示す画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
  10. 前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否の判定の結果、メンテナンス要と判定された場合に、対応するメンテナンス動作を実行する、あるいは、対応するアラートを発することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
  11. 液滴を吐出するノズルが配置されたヘッドを備えた液滴吐出装置の管理システムであって、
    前記液滴吐出装置から得られた吐出異常が検出された異常ノズルの前記ヘッド内の位置情報に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定することを特徴とする液滴吐出装置の管理システム。
  12. 液滴を吐出するノズルが配置されたヘッドを備えた液滴吐出装置のメンテナンス方法であって、
    前記ノズルの吐出異常を検出する検出工程と、
    前記吐出異常が検出された異常ノズルの前記ヘッド内の位置情報に基づき、前記異常ノズルに対するメンテナンスの要否を判定する判定工程と、を含むことを特徴とする液滴吐出装置のメンテナンス方法。
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