JP5332803B2 - Rfタグおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触接続型のRFタグおよびその製造方法に関し、より詳しくはプリプレグシートを介して各層を熱圧着することによって形成される非接触接続型RFタグおよびその製造方法に関する。
高度情報化社会の進展に伴い、通信機器等に使用される信号の周波数帯は、極超短波(UHF)帯やセンチメートル波(SHF)帯等、情報密度のより高い伝送が可能になる高周波帯域に移行しつつある。近頃大きな注目を浴びているRFID〔Radio Frequency Identification〕システムにおいても同様のことが言える。RFIDシステムとは、非接触状態で外部機器から半導体メモリのデータを読み取り、書き込みのための通信を行なうものである。半導体技術の向上により、RFタグ〔無線IC(集積回路)チップ〕用として用いられるICチップの小型化、高性能化が進んでおり、通信距離の拡張や通信安定度の向上などにより、RFタグの幅広い分野における活用が期待されている。特に、高周波数帯域を利用したRFタグでは電波を用いてRFタグの半導体メモリに電力を供給しているため、通信距離は大幅に向上し、通信距離の短いRFIDシステムでは実現が困難であった複数枚のRFタグの一括読み取りや、移動しているRFタグの読み取りなども可能となっている。
RFIDシステムの高周波化により、利用範囲は大幅に広がるが、それに伴って利用環境も厳しくなる。寒冷地や冷凍設備内部での使用、夏場の炎天下における使用は当たり前であり、さらに船舶積載コンテナのように設置対象物が金属の場合には、吸熱、放熱の条件も加わるため、温度変化の幅が広く頻繁な使用環境となる。
一方で、RFタグは高周波帯域を利用することでも技術的難度を有している。電気信号は周波数が高くなるほど伝送損失が大きくなる性質があり、高周波帯域に対応しうる優れた高周波伝送特性を有する電気絶縁材料が強く求められる。絶縁材料と接触した回路における伝送損失は、回路(導体)の形状、表皮抵抗、特性インピーダンス等で決まる導体損と、回路周りの絶縁層(誘電体層)の誘電特性で決まる誘電体損とからなり、特に高周波回路では誘電体損として放出され電子機器の誤作動の原因となる。誘電体損は、比誘電率(ε)と材料の誘電損失(tanδ)の積に比例して大きくなる。よって、誘電体損を少しでも小さくするためには、低誘電率と低誘電損失という特性を有する材料を用いる必要がある。
高分子絶縁材料の中でも熱可塑性樹脂は、低誘電率と低誘電損失に優れ加工も容易であるので、RFタグの誘電体層として適している。特許文献1には、接地導体パターンとパッチアンテナの放射部用の導体パターンとの間に、熱可塑性樹脂の射出成形により誘電体層を形成したRFタグが開示されており、設置対象に導電性物質と非導電性物質の区別なく、通信距離を落とすことなく設置可能であることが示されている。しかしながら、この開示技術では、線膨張係数が大きく異なる部材が接着されているため、部材間に残留応力が生じる。よって、RFタグに加熱と冷却の繰り返し等の負荷が加えられた場合に部材間の層間剥離が生じるおそれがあり、射出成形時に内部に僅かな空隙が残存した場合には局部的な膨張収縮が生じるため、さらに層間剥離の可能性が高まる。
RFIDシステムは使用周波数とICチップのインピーダンス整合を行うことにより目的の放射パターンや利得等の機能を発揮するものであり、この調整はRFタグの比誘電率および誘電体基板の厚さにも非常に大きく関係する。よって、層間剥離が生じ誘電体層に空気層が加わることによるRFタグ全体の誘電率変化や、線膨張係数が異なる部材を接着することによる応力歪みから生じる厚さ制御の困難性は、RFIDシステムを継続的に利用する上で致命的な問題点である。また、層間剥離が生じやすいRFタグを一システムに付き数千〜数万個用いるのは使用者側にとって大きなリスクを背負うことになる上に、リユース性に難点があるためコスト増にも繋がることになる。
従って、高周波帯域において優れた伝送特性を有し、温度変化の厳しい環境においても、層間剥離等の問題を生ずることなく、伝送特性を維持できる信頼性の高いRFタグが求められているのである。
特開2008−9514号公報
そこで本発明の目的とするところは、優れた高周波伝送特性を有すると共に、使用環境の温度変化に対しても伝送特性を維持することが可能なRFタグおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記の問題点に鑑み鋭意検討した結果、誘電体層として特定の荷重たわみ温度を有する環状オレフィン系重合体を用い、導電体層および金属箔層との積層固着に特定のガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグからなる熱硬化性シートを用いたRFタグによって、前記の課題を解決しうることの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の〔1〕〜〔3〕である。
〔1〕下記の誘電体層(P)の両面にプリプレグ層(S)が積層された積層体の一方の面に導電体層(I)および他方の面に金属箔層(M)が積層されて構成されていることを特徴とするRFタグ。
誘電体層(P):環状オレフィン単量体を含む単量体を重合して得られ、かつ荷重たわみ温度が100〜200℃である環状オレフィン系重合体で構成される誘電体層。
プリプレグ層(S):ガラス繊維基材(S1)にエポキシ樹脂(S2)を含浸したプリプレグ層。
導電体層(I):情報の読み取りおよび書き込みが可能な記憶媒体(I1)が搭載されると共に、該記憶媒体(I1)に対する情報の読み取りおよび書き込みを非接触状態にて行うためのアンテナ回路(I2)が形成された導電体層。
〔2〕前記誘電体層(P)を形成する環状オレフィン単量体が、シクロペンテン系、テトラシクロドデセン系、2−ノルボルネン系の単量体骨格を有することを特徴とする前記の〔1〕に記載のRFタグ。
〔3〕下記に示す工程(A)および工程(B)を実施することを特徴とする前記の〔1〕または〔2〕に記載のRFタグの製造方法。
工程(A):プリプレグシートを前記誘電体層(P)の両面に配し、熱圧着して誘電体層(P)の両面にプリプレグ層(S)が積層された積層体を作製する工程。
工程(B):工程(A)にて作製された積層体の一方の面に導電体層(I)および他方の面に金属箔層(M)を配し、熱圧着する工程。
本発明のRFタグによって、優れた高周波伝送特性を有すると共に、使用環境の温度変化に対しても伝送特性を維持することが可能なRFタグが提供される。また、本発明のRFタグの製造方法によって、前記の効果を有するRFタグを簡易な工程により効率良く製造することができる。
実施形態におけるRFタグを分解して示す断面図。 (a)〜(c)はRFタグの製造工程を順に示す断面図。 別の形態のRFタグを分解して示す断面図。 (a)〜(h)は図3に示すRFタグの製造工程を順に示す断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本発明のRFタグは、後述する誘電体層(P)の両面にプリプレグ層(S)が積層された積層体の一方の面に導電体層(I)および他方の面に金属箔層(M)が積層されて構成されている。
[誘電体層(P)]
本発明のRFタグに用いる誘電体層(P)は、環状オレフィン系重合体で構成される。環状オレフィン系重合体は、高い双極子能率を持つ極性基団を有していないため、重合体としたときに低誘電率および低誘電損失を示すため良好な高周波特性を有する。また一般に、環状オレフィン系重合体は、高分子鎖周りのランダムに嵩高い環状構造を有するため、ポリオレフィン材料に比べ非結晶性が高い。本発明においては、特定の環状オレフィン系重合体を特定のプリプレグ材料と組み合わせて用いることによって、溶融流動化した環状オレフィン系重合体がその非結晶性の高さゆえ、プリプレグ材料表面の界面ミクロ凹部に流入し、非極性材料としては考えられない強固な接着が得られる。このため、接着性確保のための極性基導入が必要ないため、環状オレフィン系重合体本来の優れた高周波特性を損なうことなく、優れた高周波伝送特性を有し、層間剥離等の問題が無く信頼性の高いRFタグが得られるのである。
本発明に用いる環状オレフィン系重合体は、荷重たわみ温度が100〜200℃、好ましくは120〜180℃、より好ましくは140〜160℃である。荷重たわみ温度がこの範囲にあることによって、プリプレグ材料との良好な相互作用が得られ、所定の形状を保ちながらプリプレグ層(S)を介して金属箔層(M)および誘電体層(P)と良好な接着が得られる。
また、本発明に用いる環状オレフィン系重合体は、環状オレフィン単量体を含む単量体を重合して得られ、用いる単量体全体における環状オレフィン単量体の割合は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。環状オレフィン単量体の割合が20質量%より少ないと、環状オレフィン系重合体の非結晶化特性を生かすことができず、プリプレグ材料との相互作用に影響して、RFタグの信頼性が悪くなるおそれがある。
環状オレフィン系重合体の重合に用いる環状オレフィン単量体としては、好ましくは、シクロペンテン系、テトラシクロドデセン系、または2−ノルボルネン系の単量体骨格を有する単量体が挙げられ、これらの単量体を含む単量体を重合して得られる環状オレフィン系重合体は、それぞれ下記の式(1)〜(3)で表される構造を有する。
Figure 0005332803
(式中、R、Rは、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0005332803
(式中、R〜R10は、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0005332803
(式中、R12、R13は、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
本発明に用いる環状オレフィン系重合体の好ましい構造を示す、前記の式(1)〜(3)においては、環状オレフィン単量体の環状構造上の置換基R、R〜R10、R12、R13は、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基である。置換基が炭化水素基以外であったり、置換基の炭素数が6を上回ったりすると、RFタグに用いる誘電体層(P)としての高周波特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明に用いる環状オレフィン単量体としては具体的には、ビシクロアルケン{2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン}などの二環式オレフィン類;テトラシクロアルケン{テトラシクロドデセン、8,9―ジメチルテトラシクロドデセン}などの四環式オレフィン類が挙げられる。
本発明に用いる環状オレフィン系重合体には、環状オレフィン単量体以外のその他の単量体を用いてもよい。その際の好ましい単量体としては、前記の式(2)または(3)に示される置換基R11、R14に基づく構造を誘導する炭素数2〜8のα−オレフィンが好ましく用いられる。その他の単量体が、炭素数が8を上回る場合やα−オレフィンで無い場合、RFタグに用いる誘電体層(P)としての高周波特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
前記のその他の単量体としては具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、および1−オクテンなどのα−オレフィン類が挙げられる。
本発明に用いる環状オレフィン系重合体を得るための重合法としては例えば、前記の環状オレフィン単量体とその他の単量体をランダム付加共重合する方法や、環状オレフィン単量体を開環重合し、開環重合体に水素添加する方法が挙げられる。
本発明に用いる環状オレフィン系重合体には、本発明の目的を損なわない範囲において、滑剤、可塑剤、結晶核剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、重金属不活性化剤等の通常の添加剤を添加して使用することができる。環状オレフィン系重合体と添加剤との混練方法は特に制限されないが、加熱機能と混練機能とを兼ね備えたバンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール、一軸または二軸スクリュー押出機等を使用して混練することができる。特に好ましいのは二軸スクリュー押出機であり、環状オレフィン系重合体を得る場合に行った方法と同条件で製造可能である。次に、上記の共重合により得た環状オレフィン系重合体を用いて誘電体層(P)となるシート状成形物を得る方法としては、Tダイ法、インフレーション成形法、ロール成形法、プレス成形法または射出成形法のいずれの方法によってもよいが、シート状成形物に反りが発生しにくい、ロール成形法または射出成形法を採用することが好ましい。
[プリプレグ層(S)]
プリプレグ層(S)を形成するために用いられるプリプレグシートは、ガラス繊維基材(S1)に未硬化の熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂(S2)を含浸させた後、半硬化状態(Bステージ)としたものである。
<ガラス繊維基材(S1)>
ガラス繊維基材(S1)は、プリプレグシートに使用してRFタグとして必要な剛性を与えるものである。高周波帯域用RFタグの用途に必要な電気特性を得るため、材料種としてはガラスが用いられる。ガラスとしては、Eガラス、Cガラス、Aガラスのほか、二酸化珪素(SiO)の含有量を増加させて誘電特性を改善したSガラス、Dガラスまたは石英ガラスが用いられる。繊維の形態としては、コンティニュアスマット、クロス、不織布、ロービングクロス、サーフェシングマットおよびチョップドストランドマット等が挙げられ、成形物の用途および性能によって適宜選択すればよい。これらの中でもクロスが好ましい。
ガラス繊維基材(S1)としては、電気的特性に悪影響を及ぼさない範囲において必要に応じ、絶縁コーティング処理やシラン化合物(クロロシラン、アルコキシシラン、有機官能性シラン、シラザン)、カップリング剤(チタネート系、アルミニウム系)等による表面処理を行ったものを用いてもよい。
プリプレグシートにおけるガラス繊維基材(S1)の配合量は、好ましくは10〜60質量%であり、より好ましくは15〜45質量%である。この配合量が10質量%より低い場合には、組成物の粘度が過剰に上昇して作業性が低下したり、硬化物中で粗大分離してプリプレグシートの強度が低下したりする。その一方、配合量が60質量%より高い場合には、エポキシ樹脂(S2)とガラス繊維基材(S1)との接着性や、エポキシ樹脂(S2)による靱性向上の効果が十分でない上に、プリプレグシートの高周波帯域における低誘電率性および低誘電損失性が低下する。
<エポキシ樹脂(S2)>
プリプレグシートに用いられるエポキシ樹脂(S2)としては特に制限はなく、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、アミノグリシジル型、アミノフェノール型、ノボラック型、ナフタレン型、脂肪族、脂環族等のエポキシ樹脂が用いられる。これらの中でもビスフェノールA型、ビスフェノールF型およびビスフェノールS型等のビスフェノール系エポキシ樹脂は、プリプレグシートの耐熱性および機械的強度が良好となるため特に好ましい。
プリプレグ種としては、一方向プリプレグ、クロスプリプレグ、ヤーンプリプレグ、マットプリプレグ、ロービングプリプレグ等が挙げられるが、好ましくはマットプリプレグまたはクロスプリプレグである。プリプレグシートの厚さは通常20〜400μm、好ましくは30〜300μm、より好ましくは40〜200μmであり、1枚または複数枚重ねたものを用いてもよい。
[導電体層(I)]
導電体層(I)とは、情報の読み取り(リーディング)および書き込み(ライティング)が可能な記憶媒体(I1)が搭載されると共に、記憶媒体(I1)に対する情報の読み取りおよび書き込みを、非接触状態にて行うためのアンテナ回路(I2)が形成されたものである。記憶媒体(I1)については、非接触で情報を記録し、かつ読み取るための通信回路、メモリおよび所定の制御回路を備えると共に、アンテナ回路(I2)と電気的に接続するためのチップ電極を備えているものを用いることができる。
アンテナ回路(I2)については、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、亜鉛等の単体または合金による金属箔を用いて形成されており、必要に応じて防錆のための表面処理が施されたものを用いることができる。これらの金属箔については電解法、圧延法等によって製造されたものを用いることができる。また、金属箔は真空蒸着法やめっき法によって形成されたものでもよい。記憶媒体(I1)とアンテナ回路(I2)との間の電気的接合は、はんだ接合、導電性ペースト接合等の公知の方法を採ることができる。
[金属箔層(M)]
金属箔層(M)としては、箔状または薄板状の金属製シート、或いは金属網、エキスパンドメタルのような多孔の箔状または薄板状の金属製メッシュを用いることができる。金属箔層(M)の厚さは好ましくは5〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。この厚さが5μmより薄くなると導体回路の電気抵抗が高くなり過ぎ、100μmより厚くなるとエッチングによって導体回路を形成する際に、サイドエッチングによって導体回路が途切れてしまう可能性が高くなる。
金属箔層(M)の金属種には特に制限はなく、アルミニウム、チタン、鉄、銅、ニッケル、ニクロム、錫、鉛、マグネシウム、金、銀、白金、その他種々の金属およびこれらの合金などが使用できる。
[RFタグの製造方法]
本実施形態のRFタグは、下記の工程(A)および工程(B)を実施することにより好適に得られる。
工程(A):プリプレグシートを前記誘電体層(P)の両面に配し、熱圧着して誘電体層(P)の両面にプリプレグ層(S)が積層された積層体を作製する工程。
工程(B):工程(A)にて作製された積層体の一方の面に導電体層(I)および他方の面に金属箔層(M)を配し、熱圧着する工程。
この場合、工程(A)および工程(B)を1回の熱圧着によってRFタグを形成してもよい。また、工程(B)を行う前に、誘電体層(P)の記憶媒体(I1)が配置されるであろう箇所に座繰り部を設けることによって、導電体層(I)に搭載された記憶媒体(I1)がRFタグ表面に突出しないようにすることが可能であるため、これを有するものが好ましい。
工程(A)により作製された両面に絶縁性のプリプレグ層(S)を有する積層体のそれぞれの面に導電体層(I)と金属箔層(M)を配し熱圧着を行うことにより、被対象物が導電性物質の場合においても、通信距離の低下を防ぐことが可能となる。
このRFタグおよびその製造方法を具体的に示す。RFタグの基本的な構成を図1に示す。即ち、RFタグ10は、前記環状オレフィン系重合体よりなる誘電体層Pの両面にガラスエポキシ樹脂によるプリプレグ層Sa、Sbが積層され、その一方の面に導電体層I、他方の面に導体としての金属箔層Mが積層されて構成されている。導電体層Iを構成する基板11の内面側には、記憶媒体I1がハンダ12により接合されると共に、外面側にはアンテナ回路I2が設けられている。
このRFタグ10の製造方法について説明する。図2(a)に示すように、誘電体層Pの両面にはプリプレグ層Sa、Sbが熱圧着されて接合され、積層体13が形成される。一方、図2(b)に示すように、基板11の内面側にはハンダ12が載せられ、その上には記憶媒体I1が搭載されると共に、基板11の外面側にはアンテナ回路I2が形成される。
その後、前記積層体13の一方の面に記憶媒体I1が内側になるように導電体層Iを配置すると同時に、他方の面に金属箔層Mを配置する。その状態で熱圧着することにより、図2(c)に示すようなRFタグ10が得られる。この際、熱圧着によって基板11上の記憶媒体I1はプリプレグ層Saおよび誘電体層Pに圧入され、埋設される。
次に、RFタグ10に関し上記構成とは別の構成について説明する。即ち、図3に示すように、RFタグ10は、誘電体層Pの両面に2種類の第1プリプレグ層Sa1、Sb1および第2プリプレグ層Sa2、Sb2が各々積層され、その一方の面に導電体層Iが接合され、他方の面に金属箔層Mが接合されて構成されている。導電体層Iの内面には記憶媒体I1がハンダ12により接合され、外面にはアンテナ回路I2が接合されている。
このRFタグ10の製造方法について説明する。図4(a)に示すように、誘電体層Pの両面には第1プリプレグ層Sa1、Sb1が熱圧着されて接合される。続いて、図4(b)に示すように、それらの第1プリプレグ層Sa1、Sb1上には、それぞれ第2プリプレグ層Sa2、Sb2が載置され、熱圧着されて積層体13が形成される。次いで、図4(c)に示すように、積層体13の一方の面には、前記第2プリプレグ層Sa2および第1プリプレグ層Sa1を貫通して誘電体層Pまで凹設された座繰り部14が形成される。図4(d)に示すように、係る座繰り部14には封止剤15が注入される。
一方、図4(e)に示すように、導電体層Iを構成する基板11の内面上にはハンダ12が載せられ、その上には図4(f)に示すように記憶媒体I1が搭載されると共に、外面上にはアンテナ回路I2が形成される。その後、図4(g)に示すように、導電体層Iの記憶媒体I1が前記積層体13の座繰り部14に嵌め込まれて封止剤15で封止されると共に、積層体13の他方の面には金属箔層(M)が熱圧着されて接合される。このようにして、図4(h)に示すようなRFタグ10が得られる。
以下に、実施例および比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。まず、各例に用いた試験方法を示す。
<樹脂の荷重たわみ試験>
JIS K7191に基づいて長さ(L)127.0mm、幅(W)12.7mmおよび厚さ(t)3.2mmの試験片を作製し、東洋精機(株)製S−3Mを用いて荷重たわみ温度(HDT)の測定を行った。測定は、開始温度:35℃、昇温速度:2℃/min、標準たわみ量:0.26mm、試験片に加える曲げ応力0.45MPa/エッジワイズ方向の条件で、試験数n=3で行った。
<RFタグの耐環境性の評価>
耐環境性の判定は、下記に示す耐ヒートサイクル試験および耐高温高湿試験によって行った。評価用試料の形態を以下に示す。
タグ:縦90mm、横55mmおよび厚さ4mm
記憶媒体+アンテナ回路:縦84mmおよび横40mm
金属箔(M):縦90mmおよび横55mm
<RFタグの耐ヒートサイクル試験>
RFタグ供試体を耐ヒートサイクル性評価装置に投入することにより、耐ヒートサイクル性の判定を行った。評価指標としては、RFタグの目視確認による層間剥離が観測された時点でのサイクル数、および500サイクルに到達した時点でのアンテナ回路間抵抗値とGNDパターン間抵抗値の初期値からの変化率を用いた。
試験条件:温度−20℃/+60℃、各30分
<RFタグの耐高温高湿試験>
RFタグ供試体を恒温恒湿槽に投入することにより耐高温高湿性の判定を行った。評価指標としては、RFタグの目視確認による層間剥離が観測された時点でのサイクル数および500時間に到達した時点でのアンテナ回路間抵抗値とGNDパターン間抵抗値の初期値からの変化率を用いた。
試験条件:温度80℃、相対湿度85%
上記の両試験において、アンテナ回路間およびGNDパターン間の導通確認方法は、アンテナ回路(I2)の記憶媒体(I1)が電気的に接続されている部分に、0.5Aの電流を流した場合における導体抵抗率を測定し、初期値からの変化率により評価を行った。また、耐ヒートサイクル性評価装置への投入後500サイクル未満、または恒温恒湿槽への投入後500時間未満にて層間剥離が生じたRFタグや、製造工程中や製造直後に層間剥離が見られた場合等、RFタグが作製できなかったものについては各パターン間抵抗値変化率の評価は測定不能とした。
(実施例1)
表2に示した環状オレフィン系重合体を縦90mm、横50mmおよび厚さ4mmの板状に成形し、誘電体層(P)とした。続いて、表1に示したプリプレグ層(S)を誘電体層(P)の両面に配し、150℃の条件で真空プレス機を用いて熱圧着を行い、さらに、導電体層(I)および金属箔層(M)を、プリプレグ層(S)と誘電体層(P)から作製された積層体の両面に配し、150℃の条件で真空プレス機を用いて熱圧着を行い、RFタグを得た。
(実施例2〜6)
表2に示した種々の誘電体層(P)と、表1に示した種々のプリプレグ層(S)を用いて、実施例1と同様の方法を実施することによって、様々なRFタグを得た。
(比較例1〜3)
表3に示した種々の誘電体層(P)と表1に示した種々のプリプレグ層(S)を用いて実施例1と同様の方法を行うことによって、様々なRFタグを得た。
そして、実施例1〜6および比較例1〜3のRFタグについて、耐ヒートサイクル試験および耐高温高湿試験を行い、それらの結果を表2及び表3に示した。また、実施例1〜6および比較例1〜3に用いたプリプレグ(S1〜S5)の構成を表1にまとめて示した。さらに、誘電体(P)を構成する環状オレフィン系重合体の環状オレフィン含有率(mol%)、荷重たわみ温度(℃)、メルトフローレート(MFR)を併せて表2および表3に示す。
Figure 0005332803
Figure 0005332803
Figure 0005332803
表2および表3において、TOPASシリーズ〔ポリプラスチックス(株)商品名〕、およびAPLシリーズ〔三井化学(株)商品名〕はいずれも、2−ノルボルネン−エチレン共重合体であり、ZEONORシリーズとZEONEXシリーズ〔日本ゼオン(株)商品名〕は、置換ノルボルネンを開環重合し、水素添加した前記の式(1)で表わされる樹脂である。
表2に示した結果より、実施例1〜6によるRFタグは500サイクル以上層間剥離を生じないという良好な耐ヒートサイクル性を示した。同時に、耐ヒートサイクル試験におけるアンテナ回路間抵抗値変化率、GNDパターン間抵抗値変化率および、耐高温高湿試験におけるアンテナ回路間抵抗値変化率、GNDパターン間抵抗値変化率は全て5%以下と小さく、信頼性が高いRFタグを得ることができた。
これに対して、比較例1においては環状オレフィン系重合体の荷重たわみ温度が100℃未満であったため、RFタグが作製できない結果であった。比較例2では環状オレフィン系重合体の荷重たわみ温度が100℃未満で、かつプリプレグ層を形成する強化樹脂がセルロースであったため、耐ヒートサイクル性および耐高温高湿性はいずれも不良であった。比較例3ではプリプレグ層を形成する含浸樹脂がフェノール樹脂であったため、RFタグが作製できない結果を示した。
10…RFタグ、13…積層体、P…誘電体層、Sa、Sb…プリプレグ層、I…導電体層、I1…記憶媒体、I2…アンテナ回路、M…金属箔層。

Claims (3)

  1. 下記の誘電体層(P)の両面にプリプレグ層(S)が積層された積層体の一方の面に導電体層(I)および他方の面に金属箔層(M)が積層されて構成されていることを特徴とするRFタグ。
    誘電体層(P):環状オレフィン単量体を含む単量体を重合して得られ、かつ荷重たわみ温度が100〜200℃である環状オレフィン系重合体で構成される誘電体層。
    プリプレグ層(S):ガラス繊維基材(S1)にエポキシ樹脂(S2)を含浸したプリプレグ層。
    導電体層(I):情報の読み取りおよび書き込みが可能な記憶媒体(I1)が搭載されると共に、該記憶媒体(I1)に対する情報の読み取りおよび書き込みを非接触状態にて行うためのアンテナ回路(I2)が形成された導電体層。
  2. 前記誘電体層(P)を形成する環状オレフィン単量体が、シクロペンテン系、テトラシクロドデセン系、2−ノルボルネン系の単量体骨格を有することを特徴とする請求項1に記載のRFタグ。
  3. 下記に示す工程(A)および工程(B)を実施することを特徴とする請求項1または2に記載のRFタグの製造方法。
    工程(A):プリプレグシートを前記誘電体層(P)の両面に配し、熱圧着して誘電体層(P)の両面にプリプレグ層(S)が積層された積層体を作製する工程。
    工程(B):工程(A)にて作製された積層体の一方の面に導電体層(I)および他方の面に金属箔層(M)を配し、熱圧着する工程。
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