以下に添付図面を参照して、この発明にかかるセンサ制御回路、画像読取装置及び画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(1)構成
まず、本実施の形態にかかるセンサ制御回路を有する画像読取装置を備える画像形成装置の構成について説明する。図1は、画像形成装置の例として、コピー機能、プリント機能及びファクシミリ機能を複合的に有しフルカラーで印刷可能な複合機の外観を示す図である。この複合機は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)30と、操作ボード20と、スキャナ10と、プリンタ100の各ユニットで構成されている。ステープラ及び作像された用紙を積載可能なトレイ付きのフィニッシャ34と、両面ドライブユニット33と、増設給紙バンク35と、大容量給紙トレイ36は、プリンタ100に装着されているが、これらはプリンタ100から分離可能な周辺ユニットであり、各々動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、画像形成装置本体であるプリンタ100の制御ボード(のプロセスコントローラ131:図4)と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて用紙の送給,搬送の動作を行う。なお、操作ボード20と、ADF30付きのカラースキャナ10もプリンタ100から分離可能なユニットであり、カラースキャナ10も動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、プリンタ100の制御ボードと直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。
機内の画像データ処理装置ACP(図4)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、ファクシミリコントロールユニットFCU(図4)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。プリンタ100のプリント済の用紙は、排紙トレイ108上またはフィニッシャ34に排出される。
図2は、プリンタ100の機構を示す図である。この実施の形態にかかるプリンタ100は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ100は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットが、転写紙の移動方向(図中の右下から左上方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。
これらマゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(K)のトナー像形成ユニットは、それぞれ、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kを有する感光体ユニット110M,110C,110Yおよび110Kと、現像ユニット120M,120C,120Yおよび120Kとを備えている。また、各トナー像形成部の配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kの回転軸が水平x軸(主走査方向)に平行になるように、且つ、転写紙移動方向y(副走査方向)に所定ピッチの配列となるように、設定されている。
また、レーザプリンタ100は、上記トナ−像形成ユニットのほか、レーザ走査による光書込ユニット102、給紙カセット103,104、レジストローラ対105、転写紙を担持して各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送ベルト160を有する転写ベルトユニット106、ベルト定着方式の定着ユニット107、排紙トレイ108,両面ドライブ(面反転)ユニット33等を備えている。また、レーザプリンタ100は、図示していない手差しトレイ、トナ−補給容器、廃トナーボトル、なども備えている。
光書込ユニット102は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kの表面にレーザ光を、x方向に振り走査しながら照射する。また図2上の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット103,104から給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドで案内されながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対105に送られる。このレジストローラ対105により所定のタイミングで転写搬送ベルト160に送出された転写紙は転写搬送ベルト160で担持され、各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送される。
各トナー像形成部の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに形成されたトナー像が、転写搬送ベルト160で担持され搬送される転写紙に転写され、各色トナー像の重ね合わせ即ちカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット107に送られる。すなわち転写は、転写紙上にじかにトナー像を転写する直接転写方式である。定着ユニット107を通過する時トナー像が転写紙に定着する。トナー像が定着した転写紙は、排紙トレイ108,フィニッシャ36又は両面ドライブユニット33に排出又は送給される。
イエローYのトナ−像形成ユニットの概要を次に説明する。他のトナ−像形成ユニットも、イエローYのものと同様な構成である。イエローYのトナー像形成ユニットは、前述のように感光体ユニット110Y及び現像ユニット120Yを備えている。感光体ユニット110Yは、感光体ドラム111Yのほか、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ,感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なブレード,感光体ドラム表面に光を照射する除電ランプ,感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ、等を備えている。
感光体ユニット110Yにおいて、交流電圧が印加された帯電ローラにより一様帯電された感光体ドラム111Yの表面に、光書込ユニット102で、プリントデータに基づいて変調されポリゴンミラーで偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体ドラム111Yの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム11IY上の静電潜像は、現像ユニット20Yで現像されてイエローYのトナー像となる。転写搬送ベルト160上の転写紙が通過する転写位置では、感光体ドラム11IY上のトナー像が転写紙に転写される。トナ−像が転写された後の感光体ドラム111Yの表面は、ブラシローラで所定量の潤滑剤が塗布された後、ブレードでクリーニングされ、除電ランプから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
現像ユニット120Yは、磁性キャリア及びマイナス帯電のトナ−を含む二成分現像剤を収納している。そして、現像ケース120Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像ローラや、搬送スクリュウ、ドクタブレード、トナ−濃度センサ,粉体ポンプ等を備えている。現像ケース内に収容された現像剤は、搬送スクリュウで攪拌搬送されることにより摩擦帯電する。そして、現像剤の一部が現像ローラの表面に担持される。ドクタブレードが現像ローラの表面の現像剤の層厚を均一に規制し、現像ローラの表面の現像剤中のトナーが感光体ドラムに移り、これにより静電潜像に対応するトナー像が感光体ドラム111Y上に現われる。現像ケース内の現像剤のトナー濃度はトナ−濃度センサで検知される。濃度不足の時には、粉体ポンプが駆動されてトナーが補給される。
転写ベルトユニット106の転写搬送ベルト160は、各トナ−像形成部の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに接触対向する各転写位置を通過するように、4つの接地された張架ローラに掛け回されている。張架ローラの1つが109である。これらの張架ローラのうち、2点鎖線矢印で示す転写紙移動方向上流側の入口ローラには、電源から所定電圧が印加された静電吸着ローラが対向するように配置されている。これらの2つのローラの間を通過した転写紙は、転写搬送ベルト160上に静電吸着される。また、転写紙移動方向下流側の出口ローラは、転写搬送ベルトを摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されている。また、転写搬送ベルト160の外周面には、電源から所定のクリーニング用電圧が印加されたバイアスローラが接触するように配置されている。このバイアスローラにより転写搬送ベルト160上に付着したトナ−等の異物が除去される。
また、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに接触対向する接触対向部を形成している転写搬送ベルト160の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材を設けている。これらの転写バイアス印加部材は、マイラ製の固定ブラシであり、各転写バイアス電源から転写バイアスが印加される。この転写バイアス印加部材で印加された転写バイアスにより、転写搬送ベルト160に転写電荷が付与され、各転写位置において転写搬送ベルト160と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。
転写搬送ベルト160で搬送され、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに形成された各色トナー像が転写された用紙は、定着装置107に送り込まれてそこで、トナー像が加熱,加圧によって用紙に熱定着される。熱定着後、用紙は左側板の上部のフィニッシャ34への排紙口34otからフィニッシャ34に送り込まれる。又は、プリンタ本体の上面の排紙トレイ108に排出される。
4個の感光体ドラムの中の、マゼンダ像,シアン像およびイエロー像形成用の感光体ドラム111M,111Cおよび111Yは、図示しないカラードラム駆動用の1個の電気モータ(カラードラムモータ;カラードラムM:図示略)により、動力伝達系及び減速機(図示略)を介して1段減速にて駆動される。ブラック像形成用の感光体ドラム111Kはブラックドラム駆動用の1個の電気モータ(Kドラムモータ:図示略)により、動力伝達系及び減速機(図示略)を介して1段減速にて駆動される。また、転写搬送ベルト160は、上記Kドラムモータによる動力伝達系を介した転写駆動ローラの駆動により、回動移動する。従って、上記Kドラムモータは、K感光体ドラム11Kと転写搬送ベルト60を駆動し、上記カラードラムモータは、M,C,Y感光体ドラム11M,11C,11Yを駆動する。
また、K現像器120Kは、定着ユニット107を駆動している電気モータ(図示略)で、動力伝達系およびクラッチ(図示略)を介して駆動される。M,C,Y現像器120M,120C,120Yは、レジストローラ105を駆動する電気モータ(図示略)で、動力伝達系およびクラッチ(図示略)を介して駆動される。現像器120M,120C,120Y,120Kは絶えず駆動されている訳ではなく、所定タイミングを持って駆動出来る様、上記クラッチにより駆動伝達を受ける。
再度図1を参照する。フィニッシャ34は、スタッカトレイすなわち積載降下トレイ34hsおよびソートトレイ群34stを持ち、積載降下トレイ34hsに用紙(プリント済紙,転写済紙)を排出するスタッカ排紙モードと、ソートトレイ群34stに排紙するソータ排紙モードを持つ。
プリンタ100からフィニッシャ34に送り込まれた用紙は、左上方向に搬送されそして上下逆U字型の搬送路を経て、下向きに搬送方向を切換えてから、設定されているモードに応じて、スタッカ排紙モードのときには排出口から積載降下トレイ34hsに排出される。ソータ排紙モードのときには、ソータトレイ群34stの、そのとき排出中の用紙が割り当てられたソータトレイに排出される。
ソータ排紙モードが指定されるとフィニッシャ内排紙コントローラは、最下部の重ね待避位置に置いたソートトレイ群34stを、図1上で2点鎖線で示す使用位置に上駆動し、ソータトレイ間の間隔を広げる。ソータ排紙モードでは、1回(一人)の設定枚数の複写又はプリントは、部ソートにソータ排紙モードが設定されているときには、同一原稿(画像)をプリントした各転写紙をソートトレイ群34stの各トレイに仕分け収納する。頁ソートにソータ排紙モードが設定されているときには、各トレイを各頁(画像)に割り当てて、同一頁をプリントした各転写紙を1つのソートトレイに積載する。
次に、画像読取装置であるスキャナ10に係る構成について説明する。図3は、スキャナ10およびそれに装着されたADF30の、原稿画像読み取り機構を示す図である。このスキャナ10のコンタクトガラス231上に置かれた被写体である原稿は、スキャン時に、照明ランプ232により照明され、原稿から反射された反射光が第1ミラー233で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ232および第1ミラー233は、図示しない、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、図示しない第2キャリッジには第2および第3ミラー234,235が搭載されており、第1ミラー233が反射した反射光は第2ミラー234で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー235で副走査方向yに反射されて、レンズ236により集束され、CCD207に照射され、電気信号に変換される。このようにして、原稿に表される画像を表す画像信号が生成される。第1および第2キャリッジは、走行体モーター238を駆動源として、y方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。
スキャナ10には、自動原稿供給装置ADF30が装着されている。ADF30の原稿トレイ241に積載された原稿は、ピックアップローラ242およびレジストローラ対243で搬送ドラム244と押さえローラ245の間に送り込まれて、搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240の上を通過し、そして排紙ローラ246,247で、原稿トレイ241の下方の圧板兼用の排紙トレイ248上に排出される。原稿は、読み取りガラス240を通過する際に、その直下に移動している照明ランプ232により照射され、原稿の反射光は、第1ミラー233以下の光学系を介してCCD207に照射され光電変換される。
読み取りガラス240と原稿始端の位置決め用のスケール251との間には、白基準板239、ならびに、第1キャリッジを検出する基点センサ249がある。白基準板239は、照明ランプ232の個々の発光強度のばらつき,また主走査方向のばらつきや、CCD207の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。このシェーディング補正は、まず白基準板239を原稿のスキャン前に主走査方向1ライン分読み取り、この読み取った白基準データをメモリに記憶し、原稿を読み取るときは、原稿をスキャンした画素毎に、原稿に表される画像を表す画像信号を画像データとして前記メモリ上の対応する白基準データで割り算するものである。
図4は、図1に示す複合機の画像処理系統のシステム構成を示す図である。このシステムでは、読取ユニット11と画像データ出力I/F(Interface:インターフェイス)12でなるスキャナ10が、画像データ処理装置ACPの画像データインターフェース制御CDIC(以下単にCDICと表記)に接続されている。画像データ処理装置ACPにはまた、プリンタ100が接続されている。プリンタ100は、画像データ処理装置ACPの画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)から、書込みI/F134に記録画像データを受けて、作像ユニット135でプリントアウトする。作像ユニット135は、図2に示すものである。
画像データ処理装置ACP(以下では単にACPと記述)は、パラレルバスPb,画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述),画像メモリであるメモリモジュールMEM(以下では単にMEMと記述),システムコントローラ1,RAM4,不揮発メモリ5,フォントROM6,CDIC,IPP等、を備える。パラレルバスPbには、ファクシミリ制御ユニットFCU(以下単にFCUと記述)を接続している。操作ボード20はシステムコントローラ1に接続している。
スキャナ10の、原稿を光学的に読み取る読取ユニット11は、原稿に対するランプ照射の反射光をセンサボードユニットSBU上のCCDで光電変換して、原稿に表される画像をR,G,B形式で表現した画像信号を生成し、シェーディング補正して、これを画像データとして出力I/F12を介してCDICに送出する。
CDICは、画像データに関し、出力I/F12,パラレルバスPb,IPP間のデータ転送,プロセスコントローラ131とACPの全体制御を司るシステムコントローラ1との間の通信をおこなう。また、RAM132はプロセスコントローラ131のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ133はプロセスコントローラ131の動作プログラム等を記憶している。
画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述)は、MEMに対する画像データの書き込み/読み出しを制御する。システムコントローラ1は、パラレルバスPbに接続される各構成部の動作を制御する。また、RAM4はシステムコントローラ1のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ5はシステムコントローラ1の動作プログラム等を記憶している。
操作ボード20は、ACPがおこなうべき処理を入力する。たとえば、処理の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、プリント等)および処理の枚数等を入力する。これにより、画像データ制御情報の入力をおこなうことができる。
スキャナ10の読取ユニット11より読み取られた原稿の画像を表す画像信号は、スキャナ10のSBU(センサボードユニット)でシェーディング補正210で施され、R,G,B形式で表現される画像データとして、IPPで、スキャナガンマ補正,フィルタ処理などの、読取り歪を補正する画像処理が施されてから、MEMに蓄積される。MEMの画像データをプリントアウトするときには、IPPにおいてRGB信号をYMCK信号に色変換し、プリンタガンマ変換,階調変換,および、ディザ処理もしくは誤差拡散処理などの階調処理などの画質処理をおこなう。画質処理後の画像データはIPPから書込みI/F134に転送される。書込みI/F134は、階調処理された画像データに対し、パルス幅とパワー変調によりレーザー制御をおこなう。その後、画像データは作像ユニット135へ送られ、作像ユニット135が転写紙上に画像を形成する。
IMACは、システムコントローラ1の制御に基づいて、画像データとMEMのアクセス制御,LAN上に接続した図示しないパソコンPC(以下では単にPCと表記)のプリント用データの展開,MEMの有効活用のための画像データの圧縮/伸張をおこなう。
IMACへ送られた画像データは、データ圧縮後、MEMに蓄積され、蓄積された画像データは必要に応じて読み出される。読み出された画像データは、伸張され、本来の画像データに戻しIMACからパラレルバスPbを経由してCDICへ戻される。CDICからIPPへの転送後は画質処理をして書込みI/F134に出力し、作像ユニット135において転写紙上に画像を形成する。
画像データの流れにおいて、パラレルバスPbおよびCDICでのバス制御により、デジタル複写機の機能を実現する。ファクシミリ送信は、スキャナ10で読取られた原稿の画像を表す画像信号をIPPにて画像処理を実施し、CDICおよびパラレルバスPbを経由して画像データとしてFCUへ転送することにより行なわれる。FCUは、通信網へのデータ変換をおこない、それを公衆回線PNへファクシミリデータとして送信する。ファクシミリ受信は、公衆回線PNからの回線データをFCUにて画像データへ変換し、パラレルバスPbおよびCDICを経由してIPPへ転送することによりおこなわれる。この場合、特別な画質処理はおこなわず、書込みI/F134から出力し、作像ユニット135において転写紙上に画像を形成する。
複数ジョブ、たとえば、コピー機能,ファクシミリ機能,プリント機能が並行に動作する状況において、読取ユニット11,作像ユニット135およびパラレルバスPbの使用権のジョブへの割り振りは、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ131において制御する。プロセスコントローラ131は画像データの流れを制御し、システムコントローラ1はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。また、デジタル複写機の機能選択は、操作ボード20においておこなわれ、操作ボード20の選択入力によって、コピー機能,ファクシミリ機能等の処理内容を設定する。
システムコントローラ1とプロセスコントローラ131は、パラレルバスPb,CDICおよびシリアルバスSbを介して相互に通信をおこなう。具体的には、CDIC内においてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータ,インターフェースのためのデータフォーマット変換をおこなうことにより、システムコントローラ1とプロセスコントローラ131間の通信を行う。
各種バスインターフェース、たとえばパラレルバスI/F 7、シリアルバスI/F 9、ローカルバスI/F 3およびネットワークI/F 8は、IMACに接続されている。コントローラーユニット1は、ACP全体の中での独立性を保つために、複数種類のバス経由で関連ユニットと接続する。
システムコントローラ1は、パラレルバスPbを介して他の機能ユニットの制御をおこなう。また、パラレルバスPbは画像データの転送に供される。システムコントローラ1は、IMACに対して、画像データをMEMに蓄積させるための動作制御指令を発する。この動作制御指令は、IMAC,パラレルバスI/F7、パラレルバスPbを経由して送られる。この動作制御指令に応答して、画像データはCDICからパラレルバスPbおよびパラレルバスI/F 7を介してIMACに送られる。そして、画像データはIMACの制御によりMEMに格納されることになる。
一方、ACPのシステムコントローラ1は、PCからのプリンタ機能としての呼び出しの場合、プリンタコントローラとネットワーク制御およびシリアルバス制御として機能する。ネットワーク経由の場合、IMACはネットワークI/F8を介してプリント出力要求データを受け取る。
汎用的なシリアルバス接続の場合、IMACはシリアルバスI/F 9経由でプリント出力要求データを受け取る。汎用のシリアルバスI/F 9は複数種類の規格に対応しており、たとえばUSB(Universal Serial Bus)、1284または1394等の規格のインターフェースに対応する。
PCからのプリント出力要求データはシステムコントローラ1により画像データに展開される。その展開先はMEM内のエリアである。展開に必要なフォントデータは、ローカルバスI/F 3およびローカルバスRb経由でフォントROM6を参照することにより得られる。ローカルバスRbは、このコントローラ1を不揮発メモリ5およびRAM4と接続する。
シリアルバスSbに関しては、PCとの接続のための外部シリアルポート2以外に、ACPの操作部である操作ボード20との転送のためのインターフェースもある。これはプリント展開データではなく、IMAC経由でシステムコントローラ1と通信し、処理手順の受け付け、システム状態の表示等をおこなう。
システムコントローラ1とMEMおよび各種バスとのデータ送受信は、IMACを経由しておこなわれる。MEMを使用するジョブはACP全体の中で一元管理される。
次に、図4に示したスキャナ10のセンサ制御基板の構成について詳細に説明する。まず、従来のセンサ制御基板の構成について図5を用いて説明する。センサ制御基板300は、リセット信号生成部(RST)301、タイミング信号発生部(TG)302、駆動ドライバ(DRV)303、図3に示されるCCD207、CCD出力バッファ(エミッタフォロワ、EF)305及びAFE306を備える。電源がONされると、タイミング信号発生部(TG)302には3.3Vの電源から電圧が印加され、DRV303には5Vの電源から電圧が印加され、CCD207には10Vの電源から電圧が印加され、EF305には10Vの電源から電圧が印加され、AFE306には3.3Vの電源から電圧が印加されて、各々動作可能になる。
TG302は、CCD207を駆動させるためのCCD駆動信号(CCD_CLK)と、AFE306を駆動させるためのAFE駆動信号(SHD、MCLK)と、1ラインに1回アサートされる各種ゲート信号(GATE)とを発生させ、CCD駆動信号(CCD_CLK)をDRV303を介してCCD207に供給し、AFE駆動信号(SHD)をDRV303を介してAFE306に供給する。尚、AFE駆動信号(SHD)はAFE306に供給される電源の電圧に合わせ分圧しているが、同図では省略している。TG302は、後述するRST301から出力されたLowのリセット信号(XRST)が入力されるとリセットされ、CCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)を発生させない。また、TG302は、RST301から出力されたHighのリセット信号(XRST)が入力されるとリセットが解除され、CCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)を発生させる。そして、TG302は、自身のリセット状態に応じて、リセット信号(XAFERST)を出力する。具体的には、TG302は、TG302がリセットされている状態ではLowのリセット信号(XAFERST)を出力し、TG302がリセットされない状態のとき、即ち、リセットが解除されている状態のときHighのリセット信号(XAFERST)を出力する。また、TG302は、センサ制御基板300とCDIC及びIMACを介して接続されるシステムコントローラ1によってもリセット状態が制御される。具体的には、システムコントローラ1は、不揮発性メモリ5に記憶されたソフトウェアを実行して、シリアル通信信号(SCI)によってTG302のレジスタのリード/ライトを行って、TG302のリセット状態を変更する。
CCD207は、読取対象の原稿からの反射光を光電変換して画像信号(SIG)を生成してこれをEF305に出力するセンサ素子である。EF305は、CCD207から出力された画像信号(SIG)が入力されるとこれをバッファしてAC結合してこれをAFE306に出力するバッファ回路である。AFE306は、EF305から出力された画像信号(SIG)が入力されるとこれのサンプル・ホールドやA/D変換などの信号処理を行う信号処理回路である。また、AFE306は、TG302から出力されたリセット信号(XAFERST)が入力されると、リセットされる。尚、AFE306は、TG302と同様にして、システムコントローラ1によってもリセット状態が制御される。具体的には、システムコントローラ1は、TG302とAFE306との間のシリアル通信信号(AFESCI)を介してAFE306のレジスタのリード/ライトを行って、AFE306のリセット状態を変更する。
RST301は、電源がONした際にTG302をリセット(ハ゜ワーオンリセット:POR)するためのものである。このRST301は、通常はTG302の電源(3.3V)の電圧を入力(VDD)として検出し、検出結果に応じて、Highのリセット信号(XRST)をTG302に出力して、TG302のリセットを解除する。これは抵抗と容量のRC回路でも実現できるが、図6に示すように、リセットICと呼ばれる電源検出素子を用いるのが一般的である。
図7は、RST301が出力するリセット信号(XRST)、TG302が出力する信号及び電源のシーケンスを示す図である。同図においては、3.3V,5V,10V各電源の電圧の立ち上がり及び立ち下がりのシーケンス(電源シーケンス)として、3.3V,5V,10Vの順に立ち上がり、10V,5V,3.3Vの順に立ち下がるシーケンスを例示している。電源がONした時、RST301は、Lowのリセット信号(XRST)を出力し、このため、TG302はリセットされた状態となり、上述したCCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)の出力をOFFして、これらの信号を発生させない。そして、入力(VDD)が、TG302のリセットを解除するための閾値となる解除電圧(VDET+)まで立ち上がると任意の遅延時間(td)経過後に、RST301はHighのリセット信号(XRST)を出力し、このため、TG302は、リセットが解除された状態となり、CCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)の出力をONして、これらの信号を発生させる。電源がOFFした時は入力(VDD)が、TG302をリセットするための閾値となる検出電圧(VDET-)まで立ち下がると、RST301は、Lowのリセット信号(XRST)を出力し、このため、TG302はリセットされた状態となり、上述したCCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)の出力をOFFして、これらの信号を発生させない。上記の遅延時間tdはRST301のリセットIC内部の抵抗とCdで決まるため、Cdを適切な容量とすることで任意のtdを設定することができる。また、一般にリセットICはトーテムポール出力(CMOS出力)とオープンドレイン出力とがあるが、ここでは後者としている。尚、同図に示されているように、10Vや5Vの電源が立ち上がっていない状態でもTG302からの信号の出力がONされるため、それらを電源に用いているデバイスであるCCD207やDRV303には過電圧がかかってしまう恐れがある。
このため、本実施の形態においては、TG302、DRV303、CCD207及びAFE306(ここではTG302と同じ電源)を各々動作させるための電源の電圧を検出し、それら全ての電源の電圧が立ち上がった際にTG302のリセットを解除し、TG302、DRV303、CCD207及びAFE306の電源のうち少なくとも1つでもその電圧が立ち下がれば、TG302をリセットさせる。図8は、このような機能を実現させるためのセンサ制御基板310の構成を例示する図である。同図に示されるように、RST311は、3.3V,5V,10Vの各電源の電圧を検出し、検出結果に応じて、リセット信号(XRST)をTG302に出力する。次に、RST301の内部構成について説明する。図9は、RST311の内部構成を例示する図である。同図に示される構成では、図6に示したようなリセットICを複数個用いて各リセットICからの出力をワイヤードORで接続される。即ち、3.3Vの電源の電圧を入力(VDD)として検出するリセットIC、5Vの電源の電圧を入力(VDD)として検出するリセットIC及び10Vの電源の電圧を入力(VDD)として検出するリセットICからの各出力がワイヤードORで接続される構成である。また、このようにリセットICを複数用いるのではなく、リセットICとトランジスタと抵抗と用いてRST311を構成するようにしても良い。図10は、この場合のRST311の内部構成を例示する図である。同図に示される構成においては、トランジスタと抵抗と用いて3.3V,5V,10Vの各電源の電圧を検出し、この検出結果をリセットICに入力する。また、リセットICとダイオードと抵抗と用いてRST311を構成するようにしても良い。図11は、この場合のRST311の内部構成を例示する図である。同図に示される構成においては、ダイオードと抵抗と用いて3.3V,5V,10Vの各電源の電圧を検出し、この検出結果をリセットICに入力する。図10,11に示した構成によれば、図9に示した構成よりも、部品コストを抑制することができる。
図12は、RST311が出力するリセット信号(XRST)及びTG302が出力する信号のシーケンスを示す図である。同図においては、図7と同様の電源シーケンスを例示している。電源がONした時、RST301は、Lowのリセット信号(XRST)を出力し、このため、TG302はリセットされた状態となり、上述したCCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)の出力をOFFする。そして、入力(VDD)が解除電圧(VDET+)まで立ち上がると任意の遅延時間(td)経過後に、RST301はHighのリセット信号(XRST)を出力し、このため、TG302は、リセットが解除された状態となり、CCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)の出力をONする。この状態の時には、3.3V,5V,10Vの各電源の電圧が全て立ち上がっている状態である。従って、電源のON時に、CCD207やDRV303の各デバイスに対して電源の電圧が立ち上がっていない状態で、TG302から信号が入力されるという状態を回避することができる。
尚、電源がOFFした時は入力(VDD)が検出電圧(VDET-)まで立ち下がると、RST301は、Lowのリセット信号(XRST)を出力し、このため、TG302はリセットされた状態となり、上述したCCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)の出力をOFFする。従って、電源のOFF時にも、CCD207やDRV303の各デバイスに対して電源の電圧が立ち上がっていない状態で、TG302から信号が入力されるという状態を回避することができる。
以上のように、電源のON時に各々立ち上がる電源の電圧を検出して、最後に立ち上がる電源の電圧が立ち上がったときに、リセット信号(XRST)によりTG302のリセットを解除し、このリセットの解除に応じてTG302からの信号の出力をONする。また、電源のOFF時に各々立ち下がる電源の電圧を検出して、最初に立ち下がる電源の電圧が立ち下がったときに、リセット信号(XRST)によりTG302をリセットさせ、このリセットに応じて、TG302からの信号の出力をOFFする。このような構成によれば、どのような電源シーケンスであっても、TG302から出力される信号が入力される各デバイスの過電圧や過電流を回避して、安定的に動作させることができる。従って、電源シーケンスの制約をなくすことができ、電源シーケンスが異なる製品モデル(システム)間でのセンサ制御基板の共通化を図れることができる。このため、画像読取装置や画像形成装置のメーカーは、安定的に動作する画像読取装置や画像形成装置を提供することができると共に、コストの削減を図ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、センサ制御回路、画像読取装置及び画像形成装置の第2の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
(1)構成
上述したTG302から出力される信号が入力される各デバイスの過電圧を効果的に回避するには、電源の電圧の立ち上がり時にはリセットを遅く解除し、電源の電圧の立ち下がり時には早くリセットすることが望ましい。つまり、電源の電圧についてより高い電圧を検出してリセット状態を変更させることが望ましい。しかし、リセットICでは、高い電圧を検出できるものが少なく、また解除電圧と検出電圧とにヒステリシス特性をもっている。このため、リセットICを用いてRST311を構成した場合には、特に電源のOFF時に早くリセットすることができない場合がある。そこで本実施の形態においては、RST311の内部構成を、図9〜11に示したものより、早くリセットできるように構成する。
図13は、本実施の形態にかかるRST311の内部構成を例示する図である。同図に示される構成においては、図10に示した内部構成に加え、コンパレータとツェナーダイオードとを用いて、これらの出力をリセットICの出力とワイヤードORで接続している。このような構成では、入力される10Vの電源の電圧に対して10Vより高い電圧を検出可能である。具体的には、ツェナーダイオードがリファレンス電圧(Vref)を生成して、このリファレンス電圧(Vref)と電源の電圧(ここでは10Vを分圧した信号)とが入力され、コンパレータがこれらを比較して、その比較結果として、前者が後者よりも大きい場合にLowであり前者が後者より小さい場合にHighの比較信号(Vcp)を出力する。この比較信号(Vcp)をリセット信号(XRST)に用いる。このとき、リファレンス電圧(Vref)はヒステリシス特性がない一定値であるため、リセットICに比べて検出電圧を高く設定することができる。この比較信号(Vcp)(厳密にはその反転信号)とリセットICの出力とのORをとって、リセット信号(XRST)の出力を制御する。また、コンパレータを、トランジスタと抵抗との差動増幅器で構成するようにしても良い。図14は、この場合のRST311の内部構成を例示する図である。同図に示される構成における動作は、図13に示した構成の動作と略同様である。このような構成によれば、図13に示した構成よりも、部品コストを抑制することができる。
尚、リセットICとコンパレータとの両方で10Vの電源の電圧を検出しているのは、以下の理由からである。コンパレータは10Vの電源の電圧がある程度立ち上がっていないと動作しない。このため、コンパレータにおける検出結果のみを用いる構成であるとすると、コンパレータが動作していない期間は、highのリセット信号(XRST)を出力するため、この結果、10Vの電圧が立ち上がりきってなくてもTG302のリセットが解除されてしまうことになる。これを防ぐためにリセットICにおける検出結果とコンパレータの検出結果とのORをとる構成としているのである。
図15は、RST311が出力するリセット信号(XRST)、TG302が出力する信号及び電源のシーケンスを示す図である。同図においては、図7と同様の電源シーケンスを例示している。電源がONして、リセットICの入力(VDD)が解除電圧(VDET+)まで立ち上がると任意の遅延時間(td)経過後に、RST311はHighのリセット信号(XRST)を出力するのは上述の第1の実施の形態と同様である。ここでは、リセットICの入力(VDD)が解除電圧(VDET+)まで立ち上がり、コンパレータで10Vの分圧電圧がリファレンス電圧(Vref)まで立ち上がると、コンパレータからHighの比較信号(Vcp)が出力される。電源がOFFした時は、入力(VDD)が検出電圧(VDET-)まで立ち下がるタイミングより、コンパレータで10Vの分圧電圧がリファレンス電圧(Vref)まで立ち下がるタイミングの方が早い。このため、入力(VDD)が検出電圧(VDET-)まで立ち下がる前に、コンパレータで10Vの分圧電圧がリファレンス電圧(Vref)まで立ち下がると、コンパレータからLowの比較信号(Vcp)が出力される。このとき、Lowの比較信号(Vcp)の出力に応じて、RST301は、Lowのリセット信号(XRST)を出力する。従って、電源のOFF時には、Lowのリセット信号(XRST)が出力されるタイミングは、図12に示したシーケンスにおいてそれが出力されるタイミングよりΔt早くなる。この結果、TG302がリセットされた状態となり、上述したCCD駆動信号(CCD_CLK)、AFE駆動信号(SHD、MCLK)及び各種ゲート信号(GATE)の出力をOFFするタイミングも、図12に示したシーケンスにおいてそれらの信号の出力をOFFするタイミングよりもΔt早くなる。
従って、以上のような構成によれば、TG302から出力される信号が入力される各デバイスの過電圧を効果的に回避することができる。
[第3の実施の形態]
次に、画像形成装置の第3の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
(1)構成
上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、過電圧を発生させる要因が、センサ制御基板310の有する各デバイスの電源の電圧が立ち上がっていない状態でTG302から出力される信号が入力されることである場合に過電圧を回避する構成について説明した。本実施の形態においては、更に、他の要因によって発生する過電圧を回避する構成について説明する。図8に示したように、CCD207から出力される画像信号(SIG)はEF305でAC結合が行われてAFE306に入力される。このため、CCD207が出力する画像信号(SIG)の変化はそのままAFE306に伝わる。つまり、CCD207の電源の電圧が立ち上がったばかりの場合や、CCD207にCCD駆動信号(CCD_CLK)が入力された場合などの過渡状態で発生する、画像信号(SIG)(オフセットレベル)の変化がAFE306の過電圧や過電流を引き起こす恐れがある。このため、本実施の形態においては、このような過渡状態で発生する、画像信号(SIG)(オフセットレベル)の変化を要因としてAFE306で発生する過電圧を回避するための構成について説明する。本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明したリセット信号(XRST)を用いてAFE306への画像信号(SIG)の入力のON/OFFを制御する。AFE306への画像信号(SIG)の入力のON/OFFは、EFの出力を制御することで可能である。
図16は、本実施の形態にかかるセンサ制御基板320の構成を例示する図である。同図に示される構成では、RST311から出力されるリセット信号(XRST)が、EF321に入力される。EF321は、リセット信号(XRST)がHighであるとき、画像信号(SIG)をバッファしてAC結合してこれをAFE306に出力し、リセット信号(XRST)がLowであるとき、画像信号(SIG)を出力しない。
次に、EF321の内部構成について説明する。まず、従来のEF305の構成について説明する。図17は、EF305の内部構成を例示する図である。同図に示されるように、EF305は2段のエミッタフォロワ回路を用いて構成される。図18は、本実施の形態にかかるEF321の内部構成を例示する図である。同図に示されるEF321では、2段のエミッタフォロワ回路の電源及びGND側にトランジスタでスイッチQ1,Q2を構成し、リセット信号(XRST)がHighであるときスイッチQ1,Q2をONし、リセット信号(XRST)がLowであるとき、スイッチQ1,Q2をOFFする。スイッチQ1,Q2がONになると、画像信号(SIG)の出力がONとなり、スイッチQ1,Q2がOFFであれば、画像信号(SIG)の出力がOFFとなる。尚、同図に示される構成においては、スイッチQ1のベースにRC回路を構成しているが、これはEF321の出力をONする際に電圧の急激な変化がAFE306に伝わらないようにするためである。スイッチQ1をOFFするには、ベースに接続された容量に溜まった電荷をトランジスタQ3を介して放電する。トランジスタQ4はトランジスタQ3を制御するためのスイッチトランジスタである。
このような構成によれば、CCD207の電源の電圧が立ち上がったばかりの場合や、CCD207にCCD駆動信号(CCD_CLK)が入力された場合などの過渡状態では、2段目のエミッタフォロワ回路をOFFすることができる。このため、CCD駆動信号(CCD_CLK)の出力がON/OFFされる場合にAFE306の過電圧や過電流を回避することができる。また、AFE306にマイナスの過電圧がかかった場合、スイッチQ2をOFFしても、1段目エミッタフォロワ回路のエミッタ抵抗を介してAFE306からEF321に電流が流れるが、通常エミッタ抵抗は数百〜数kΩであるため過電流の問題はない。
[第4の実施の形態]
次に、画像形成装置の第4の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
(1)構成
上述したTG302をリセットすることは、シリアル通信(SCI)により行なうことも可能である。しかし、TG302がリセットされている間はTG302からの信号の出力もOFFするため、この場合もAFE306に過電圧が発生する恐れがある。そこで本実施の形態においては、更に、このような場合に発生する過電圧を回避する構成について説明する。本実施の形態においては、リセット信号(XRST)ではなく、リセット信号(XAFERST)を用いてAFE306への画像信号(SIG)の入力のON/OFFを制御する。上述したように、リセット信号(XAFERST)は、TG302がリセットされているときにLowであり、TG302のリセットが解除されているときHighであるため、TG302のリセット状態をモニタした信号ともいえる。上述したようにリセット信号(XAFERST)はAFE306のリセット状態を変更するために用いられるが、本実施の形態においては、この信号をAFE306への画像信号(SIG)の入力のON/OFFを制御するために用いる。
図19は、本実施の形態にかかるセンサ制御基板330の構成を例示する図である。同図に示される構成では、TG302から出力されるリセット信号(XAFERST)が、EF331に入力される。EF331は、リセット信号(XAFERST)がHighであるとき、画像信号(SIG)をバッファしてAC結合してこれをAFE306に出力し、リセット信号(XAFERST)がLowであるとき、画像信号(SIG)を出力しない。
図20は、本実施の形態にかかるEF331の内部構成を例示する図である。同図に示されるEF331の構成は、上述した第3の実施の形態にかかるEF321の構成と略同様であるが、EF321の構成と異なる点は、EF331に入力されるリセット信号が、リセット信号(XRST)ではなくリセット信号(XAFERST)である点である。
図21は、RST311が出力するリセット信号(XRST)及びTG302が出力する信号のシーケンスを示す図である。同図に示されるタイミングt1において、シリアル信号(SCI)によりTG302がリセットされると、TG302から出力されるリセット信号(XAFERST)がLowになる。このとき、EF331では、画像信号(SIG)の出力がOFFとなる。また、タイミングt2において、シリアル信号(SCI)によりTG302のリセットが解除されると、TG302から出力されるリセット信号(XAFERST)がHighになる。このとき、EF331では、画像信号(SIG)の出力がONとなる。
以上のような構成によれば、シリアル通信(SCI)によりTG302のリセット状態が変更される場合であっても、AFE306に発生する過電圧を回避することができる。従って、このため、CCD駆動信号(CCD_CLK)の出力がON/OFFされる全ての場合にAFE306の過電圧や過電流を回避することができる。
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
上述の各実施の形態では、画像読取装置を備える画像形成装置として複合機を取り扱ったが、これに限らず、コピー機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも1つの機能を有するものであっても良い。
また、画像形成装置ではなく、イメージスキャナなどの画像読取装置に、上述の各実施の形態にかかる構成を適用しても良い。