JP5332164B2 - 電子機器からのノイズの抑制方法 - Google Patents
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Description
(1)ノイズ抑制シートの難燃性
UL難燃性試験(UL94)により難燃性を評価した。
ノイズ抑制シートをタテ・ヨコのそれぞれについて5枚ずつ、長さ125mm、幅13mmにカットして試験片を用意した。試験片の上端をクランプで挟んで垂直に垂らし、その試験片の下端から300mm下に標識用綿(50mm×50mm)を置いた。一方、バーナーを、高さ20mmの青い炎が出るように調節し、バーナーの先端が試験片の下端から10mm下にあるようにして10秒間保持した。このとき発炎物質が滴下する場合には、バーナーを傾け、バーナーの管内に発炎物質が滴下することを防止した。10秒間接炎後、直ちにバーナーを試験片から150mm以上離し、残炎時間t1を測定した。残炎が止むと、直ちに再度バーナーを試験片の残存部分の下端から10mm下に移動させて10秒間保持し、その後、バーナーを試験片から150mm以上離し、残炎時間t2及び残煙時間t3を測定した。
IEC規格62333−2「Noise suppression sheet for digital devices and equipment」中の4.3項「Transmission attenuationpower ratio:Rtp」に準じて評価した。この評価方法は、マイクロストリップライン(MSL)治具を用いて実施し、このMSL上にノイズ抑制シートを置いて、伝導ノイズ抑制度Rtp(dB)を測定するものである。ネットワークアナライザーとしては、アジレント・テクノロジー(株)製、ベクトルネットワークアナライザー8719ESを用いて、500MHz、1GHzおよび3GHzの周波数において測定を行った。また、ノイズ抑制シートサンプルの大きさは10cm×5cmで、相対的に導電性の低い導電性材料含有層(導電性材料含有層A)側がMSLサイドになるように置いて測定を実施した。
上記(2)の伝導ノイズ抑制効果の測定で使用したMSLを用いて評価した。MSLの一端とネットワークアナライザーのport1を接続し、他端には50Ωの終端抵抗を接続した。また、ネットワークアナライザーのport2には、アンリツ(株)製、EMIプローブMA2601B/Cを接続した。このプローブ測定部下端がMSLの長手方向の中央部上方5mmの位置となるよう固定し、MSLから漏れ出る放射ノイズをプローブにて検出した。また、ネットワークアナライザーとしては、上記(2)の伝導ノイズ抑制効果の測定と同じく、アジレント・テクノロジー(株)製、ベクトルネットワークアナライザー8719ESを用いて、500MHzおよび1GHzの周波数において測定を行った。
Ar(dB)=S21R−S21S
Arが大きいほど放射ノイズ抑制効果が高いことを示している。
図1におけるノイズ抑制シート1を以下の方法にて作成した。
炭素短繊維(東レ(株)製、“トレカカットファイバー” T010、繊維長6mm)、チョップドガラス繊維(繊維長6mm、繊維径7μm)、パラ系芳香族ポリアミド繊維パルプ(東レ・デュポン(株)製、“ケブラー”パルプ、繊維長2mm)を、それぞれ10質量%、70質量%、20質量%の割合で混合して湿式抄紙し、厚さ100μm、米坪量100g/m2の相対的に導電性の低い導電性材料含有層A用のシートを得た。
相対的に導電性の低い導電性材料含有層B用のシートとして、厚さ15μmのアルミニウム箔を用いた。
カルボキシル含有アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製“ニポール”1072、ニトリル含量27)300部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル(株)製“エピコート”1001、エポキシ当量470)320部、クレゾールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDCN−703P、エポキシ当量210)147部、フェノールノボラック樹脂(昭和高分子(株)製、水酸基価106)146部、フェノキシシクロホスファゼンオリゴマー(融点100℃)300部、劣化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(川口化学工業(株)製)1.5部、水酸化アルミニウム300部および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5部を混合し、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分40質量%の接着剤を調製した。
上記導電性材料含有層A用のシートに上記接着剤をロールコーターで乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布して乾燥し、その接着剤面と上記導電性材料含有層B用のシートを重ね合わせて120℃のラミネートロールで圧着した後、オーブンで100℃×3時間、160℃×3時間処理し、接着剤を硬化させて、導電性材料含有層A/Bの積層体を作成した。
グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂(油化シェル(株)製“エピコート”828、エポキシ当量180)100部、ジシアンジアミド(油化シェル(株)製“Dicy”、平均粒径7μm)4.0部、2−ヘプタデシルイミダゾール(四国化成工業(株)製 C17Z)4.0部を混合した樹脂組成物30質量%に対して、アルミナ粒子(昭和電工(株)製 AS−50、平均粒径10μm)70質量%を添加した無機粒子含有樹脂組成物を表面の電気絶縁層形成用に調整した。
上記導電性材料含有層A/Bの積層体の導電性材料含有層Aの面に対し、この樹脂組成物をロールコーターで乾燥後の厚さが12μmとなるように70℃にてコーティングした。これを150℃×1分処理することで表面の電気絶縁層を形成した。さらに、導電性材料含有層A/Bの積層体の導電性材料含有層Bの面に対しても、この樹脂組成物をロールコーターで乾燥後の厚さが12μmとなるように70℃にてコーティングした後、150℃×1分処理することで表面の電気絶縁層を形成し、ノイズ抑制シートを得た。
(導電性材料含有層A用のシート)
炭素短繊維(東レ(株)製、“トレカカットファイバー” T010、繊維長6mm)、チョップドガラス繊維(繊維長6mm、繊維径7μm)、パラ系芳香族ポリアミド繊維パルプ(東レ・デュポン(株)製、“ケブラー”パルプ、繊維長2mm)を、それぞれ3質量%、77質量%、20質量%の割合で混合して湿式抄紙し、厚さ100μm、米坪量100g/m2の相対的に導電性の低い導電性材料含有層A用のシートを得た。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記導電性材料含有層A用のシートを用いた以外は実施例1と同様にして、導電性材料含有層A/Bの積層体を作製した。
上記導電性材料含有層A/Bの積層体に対して、実施例1と同様にして、積層体の両面に表面の電気絶縁層を形成し、ノイズ抑制シートを得た。
図2のように、層間の電気絶縁層を有するノイズ抑制シートを以下の方法にて作成した。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
チョップドガラス繊維(繊維長6mm、繊維径7μm)、パラ系芳香族ポリアミド繊維パルプ(東レ・デュポン(株)製、“ケブラー”パルプ、繊維長2mm)を、それぞれ80質量%、20質量%の割合で混合して湿式抄紙し、厚さ50μm、米坪量50g/m2の層間の電気絶縁層用のシートを得た。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記導電性材料含有層A用のシートに上記接着剤をロールコーターで乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布して乾燥し、その接着剤面と上記層間の電気絶縁層を重ね合わせて120℃のラミネートロールで圧着した後、オーブンで100℃×3時間、160℃×3時間処理し、接着剤を硬化させた。
次いで、前記電気絶縁層の面に上記接着剤をロールコーターで乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布して乾燥し、その接着剤面と上記導電性材料含有層B用のシートを重ね合わせて120℃のラミネートロールで圧着した後、オーブンで100℃×3時間、160℃×3時間処理し、接着剤を硬化させて、導電性材料含有層A/層間の電気絶縁層/導電性材料含有層Bの積層体を作成した。
上記導電性材料含有層A/層間の電気絶縁層/導電性材料含有層Bの積層体に対して、実施例1と同様にして、積層体の両面に表面の電気絶縁層を形成し、ノイズ抑制シートを得た。
(導電性材料含有層A用のシート)
実施例2で用いたのと同様のものを用いた。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
実施例3で用いたのと同様のものを用いた。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記導電性材料含有層A用のシートを用いた以外は実施例3と同様にして、導電性材料含有層A/層間の電気絶縁層/導電性材料含有層Bの積層体を作製した。
上記導電性材料含有層A/層間の電気絶縁層/導電性材料含有層Bの積層体に対して、実施例1と同様にして、積層体の両面に表面の電気絶縁層を形成し、ノイズ抑制シートを得た。
(導電性材料含有層A用のシート)
炭素短繊維(東レ(株)製、“トレカカットファイバー” T010、繊維長3mm)、チョップドガラス繊維(繊維長6mm、繊維径7μm)、パラ系芳香族ポリアミド繊維パルプ(東レ・デュポン(株)製、“ケブラー”パルプ、繊維長2mm)を、それぞれ10質量%、70質量%、20質量%の割合で混合して湿式抄紙し、厚さ100μm、米坪量100g/m2の相対的に導電性の低い導電性材料含有層A用のシートを得た。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
実施例3で用いたのと同様のものを用いた。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記導電性材料含有層A用のシートを用いた以外は実施例3と同様にして、導電性材料含有層A/層間の電気絶縁層/導電性材料含有層Bの積層体を作製した。
上記導電性材料含有層A/層間の電気絶縁層/導電性材料含有層Bの積層体に対して、実施例1と同様にして、積層体の両面に表面の電気絶縁層を形成し、ノイズ抑制シートを得た。
(導電性材料含有層A用のシート)
炭素短繊維(東レ(株)製、“トレカカットファイバー” T010、繊維長3mm)、チョップドガラス繊維(繊維長6mm、繊維径7μm)、パラ系芳香族ポリアミド繊維パルプ(東レ・デュポン(株)製、“ケブラー”パルプ、繊維長2mm)を、それぞれ3質量%、77質量%、20質量%の割合で混合して湿式抄紙し、厚さ100μm、米坪量100g/m2の相対的に導電性の低い導電性材料含有層A用のシートを得た。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
実施例3で用いたのと同様のものを用いた。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記導電性材料含有層A用のシートを用いた以外は実施例3と同様にして、導電性材料含有層A/層間の電気絶縁層/導電性材料含有層Bの積層体を作製した。
上記導電性材料含有層A/層間の電気絶縁層/導電性材料含有層Bの積層体に対して、実施例1と同様にして、積層体の両面に表面の電気絶縁層を形成し、ノイズ抑制シートを得た。
(導電性材料含有層A)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
導電性材料含有層Bは用いなかった。
導電性材料含有層Bを積層せず導電性材料含有層Aのみを用いた以外は、実施例1と同様にして両面に表面の電気絶縁層を形成し、ノイズ抑制シートを得た。
(導電性材料含有層A)
導電性材料含有層Aは用いなかった。
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
表面の電気絶縁層は形成しなかった。
2・・・導電性材料含有層
2A・・導電性材料含有層A
2B・・導電性材料含有層B
3・・・導電性材料
4・・・表面の電気絶縁層
5・・・層間の電気絶縁層
Claims (6)
- 導電性材料を含む導電性材料含有層を複数積層してなり、導電性材料またはその含有量が異なる導電性材料含有層同士の組み合わせを有し、かつ、前記導電性材料含有層の1つ以上が不織布であり、積層した導電性材料含有層の表面の少なくとも一方に電気絶縁層を有してなり、前記積層した導電性材料含有層の層間に電気絶縁層を有してなり、前記層間の電気絶縁層が不織布であるノイズ抑制シートを電子機器に設けたことを特徴とする電子機器からのノイズの抑制方法。
- 前記ノイズ抑制シートがUL94の難燃性試験でV−0もしくはV−1に合格するレベルである、請求項1記載の電子機器からのノイズの抑制方法。
- 前記ノイズ抑制シートを構成する前記積層した導電性材料含有層の表面の少なくとも一方に有する電気絶縁層が非ハロゲンの難燃剤を含有する、請求項1または2記載の電子機器からのノイズの抑制方法。
- 前記ノイズ抑制シートを構成する前記導電性材料含有層の1つ以上における導電性材料が短繊維である、請求項1〜3のいずれか記載の電子機器からのノイズの抑制方法。
- 前記ノイズ抑制シートを構成する前記導電性材料含有層の1つ以上が金属からなる層である、請求項1または4記載の電子機器からのノイズの抑制方法。
- 前記ノイズ抑制シートを構成する前記層間の電気絶縁層の厚さが0.001〜0.2mmである、請求項1〜5のいずれか記載の電子機器からのノイズの抑制方法。
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