以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、電子装置10は、要部として、回路基板11と、内部空間S1に回路基板11を収容し、回路基板11を電磁波シールドする基板梱包具12と、を備えており、回路基板11には、回路基板11のGND(グランド)パターン(図示略)と電子部品21などが設けられている。本実施形態では、樹脂からなり、回路基板11を含む基板梱包具12を内部空間S2に収容する筐体13をさらに備えている。
なお、本実施形態においては、筐体13を備える例を採用して説明するが、この筐体13は必ずしも必要ではない。本発明は、回路基板11と、内部空間S1に回路基板11を収容し、回路基板11を電磁波シールドする基板梱包具12とを要部として備えるものであればよい。つまり、回路基板11を収容する筐体として、基板梱包具12を用いてもよい。
本実施形態に係る電子装置10は、自動車の計器(メータ)表示部の制御回路が回路基板11に構成されたメータ制御装置となっている。なお、上記計器表示部は、本実施形態において、図示しないLCDパネルにて構成されている。なお、内部空間S1が特許請求の範囲に記載の内部空間に相当する。
図3に示すように、回路基板11は、樹脂やセラミックスを主原料とする絶縁基材に、銅などの導電材料からなる配線(図示略)を配置してなる平面矩形状の配線基板20を有している。本実施形態では、配線基板20として、ガラスエポキシ樹脂(ガラス繊維強化エポキシ樹脂)からなる絶縁基材に、銅箔をパターニングしてなる配線パターンが多層に配置された、平面矩形状の多層基板を採用している。
この配線基板20の表裏面、換言すれば回路基板11の表面11a及び裏面11bには、上記配線の一部としてのランド(後ほど説明する導電糸60に対応するグランド用ランド24以外については図示略)が複数設けられており、基板梱包具12との固定部位となる周縁部を除く中央部では、対応するランドに、マイコン、パワートランジスタ、抵抗、コンデンサなどの電子部品21がはんだ付け実装されている。本実施形態では、電子部品21のうち、アルミ電界コンデンサ(図示略)などの高背部品が表面11a側に実装され、高背部品よりも背の低い部品が裏面11b側に実装されている。そして、上記配線と電子部品21により、回路が構成されている。具体的には、回路基板11が、LCDパネルの制御回路として、LCDパネルの各画素を制御するLCDコントローラ及びCPU(Central Processing Unit)などを有している。それ以外にも、図示しないインターフェースやメモリなどを有している。なお、ここでは、表面11aが第1主面に相当し、裏面11bが第2主面に相当する。
回路基板11の表面11aには、上記した電子部品21以外にも、電源、GND(グランド)、信号を入出力する機能、換言すれば回路基板11に構成された回路と外部機器とを電気的に接続する中継機能を果たすコネクタ22が、対応するランド(図示略)にはんだ付け実装されている。本実施形態では、一例として、コネクタ22と外部機器のコネクタ(図示略)との嵌合方向が、回路基板11の厚さ方向と一致しており、コネクタ22の端子22aが、厚さ方向に沿って配線基板20を貫通する挿入実装構造(フローはんだ付け実装構造)となっている。なお、コネクタ22としては、表面実装構造(リフローはんだ付け実装構造)のものを採用しても良い。
また、本実施形態では、平面矩形状の回路基板11(配線基板20)における縁部に、回路基板11の厚み方向に貫通するものであり、基板梱包具12に回路基板11を固定するための螺子50,52に対応する螺子孔25(基板側螺子孔)が、互いに離間して複数箇所に設けられている。本実施形態では、螺子孔25として、基板梱包具12と回路基板11とを固定すると共に、基板梱包具12と回路基板11を筐体13の第2ケース41に固定する螺子50用の4つの孔と、回路基板11と基板梱包具12を固定する螺子52用の4つの孔を有している。なお、螺子50用の4つの螺子孔25は、縁部における平面矩形状の回路基板11の各辺の中央にそれぞれ設けられ、螺子52用の4つの螺子孔25は、縁部における平面矩形状の回路基板11の4隅にそれぞれ設けられている(図2参照)。なお、螺子孔25は、単に螺子50,52が挿入される貫通孔でよい。
さらに、図3に示すように、回路基板11の表面11aには、配線基板20の配線のうち、GND電位に固定されたGNDパターン(図示略)と電気的に接続されたグランド用ランド24(以下、単にランド24とも称する)が、複数の螺子孔25における少なくとも一つの周辺(例えば、螺子孔25の開口部から所定範囲内)に設けられている。
なお、本実施の形態においては、回路基板11の表面11aにランド24が設けられた構成を採用して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。ランド24を、裏面11b側に設けた構成、表裏面11a,11bにそれぞれ設けた構成としても良い。つまり、ランド24は、回路基板11の表面11a及び裏面11bのうち積層織布によって覆われる面において、複数の螺子孔25における少なくとも一つの周辺に形成されておれば、本発明の目的は達成できるものである。
このランド24は、回路基板11と基板梱包具12とを固定した状態において、後ほど説明する基板梱包具12の積層織布に設けられた接続部材を構成する導電糸60と電気的に接続するものである。これによって、基板梱包具12(導電性織布12a)及び導電糸60が、GNDとして一体的に機能する、すなわちGNDとして機能する領域が増すので、回路基板11に対してシールド性を高めることができる。
基板梱包具12は、上記したように、回路基板11を内部空間S1に収容し、回路基板11の電磁波シールドを行うものであり、本実施形態では、樹脂織布を成形してなる2つの成形体30,31により構成されている。また、本実施形態における成形体30,31は、樹脂織布を金属メッキした導電性織布12aと樹脂織布からなる非導電性織布12b(金属メッキなし)との積層織布からなものである。そして、この非導電性織布12bが、基板梱包具12の内面30d,31dをなす構成とする。ただし、2つの成形体30,31のうち、少なくとも一方が積層織布で構成されておれば、本発明の目的は達成できるものである。なお、金属メッキを施す樹脂織布の原料としては、例えばポリエステル、特に高強度のポリエチレンテレフタレート(PET)、若しくはポリイミドを採用することができる。
この2つの成形体30,31は、ともに圧空成形法を用いて成形されている。このような成形体30,31は、外力の印加がない限り所定形状を維持するが、外力が印加されると、多少なりとも変形する柔軟性を有している。また、この積層織布は、接着剤を介在させて、導電性織布と非導電性織布とを一体化しても良いし、成形時に非導電性織布を軟化させて、導電性織布と非導電性織布を密着により一体化しても良い。
成形体30,31は、外力の印加がない限り所定形状を維持するが、外力が印加されると、多少なりとも変形する柔軟性を有している。例えば成形体30,31の厚さが、0.1mm以上、5mm以下の範囲にあることが好ましい。成形体30,31の厚さが0.1mmより薄い場合には、所定形状を維持するための強度が不足し、成形体30,31の厚さが5mmより大きい場合には、基板梱包具12が従来の樹脂筐体と同程度の重量となってしまう。さらには、成形体30,31の厚さが、0.3mm以上、1.5mm以下の範囲にあることが好ましい。成形体30,31の厚さが0.3mmより薄い場合には、成形体30,31を組み付ける場合に曲げてしまうおそれがあり、成形体30,31の厚さが1.5mmより大きい場合には、加圧した時の厚さ方向の変形量も大きいため、例えば螺子50による固定作業がやりづらくなる。
2つの成形体30,31のうち、第1成形体30は、主として回路基板11の表面11a側を覆う部位であり、第2成形体31は、主として回路基板11の裏面11b側を覆う部位である。そして、2つの成形体30,31を回路基板11の厚さ方向に沿って組み付けることで、回路基板11を収容する内部空間S1を備えた基板梱包具12となっている。
本実施形態では、2つの成形体30,31の平面形状(厚さ方向に垂直な平面形状)が、回路基板11の平面形状(平面矩形状)に対応してともに矩形状とされている。そして、2つの成形体30,31における環状の縁部30a,31aを互いに重ね合わせた(内面30d,31d同士を接触させた)状態で、縁部30a,31a全周に亘り、図2及び図3に示すように、縁部30a,31a同士を導電糸70で縫い合わせることで、端部が閉じた袋状の基板梱包具12となっている。換言すれば、導電糸70により、縁部30a,31a全周に亘って、第1成形体30の外面をなす導電性織布12aと、第2成形体31の外面をなす導電性織布12aとが電気的に接続され、これにより、基板梱包具12が、内部空間S1に収容された回路基板11に対して略全方位の電磁波シールドを行うようになっている。なお、本実施形態では、縁部30a,31a全周に亘って、導電糸70が密に(隙間無く)縫われている。
なお、2つの成形体30,31は、導電糸70のかわりに、縁部30a,31a同士をリベットなどの金属材料でかしめ固定するようにしてもよい。つまり、縁部30a,31a全周に亘って、第1成形体30の外面をなす導電性織布12aと、第2成形体31の外面をなす導電性織布12aとを、リベットなどの金属材料で電気的に接続するようにしてもよい。また、リベットなどの金属材料でかしめ固定する場合、金属材料は、基板梱包具12が、電磁波シールド効果を発揮すべく、影響の大きい周波数のうちの最小周波数の1/4以下の間隔をもって複数個所に固定されるようにしてもよい。このような構成の電子装置10としても、上記実施形態に示した電子装置10と同様の効果を期待することができる。
第1成形体30は、環状の縁部30aと、縁部30aに囲まれた中央部を有しており、中央部が縁部30aに対して凹んでいる。そして、この凹部(中央部)として、縁部30aに連なっており、回路基板11を内部空間S1に収容した状態で、凹部底面(内面30d)の少なくとも一部が、回路基板11の表面11aと接触する第1凹部30bと、第1凹部30bよりも凹部底面(内面)と回路基板11の表面11aとの対向距離が長い第2凹部30cを有している。すなわち、凹部が、縁部30aを基準として深さの異なる2つの凹部30b,30cを有する2段構造となっている。
第1凹部30bは、回路基板11を内部空間S1に収容した状態で、回路基板11における表面11a側の周縁部と対向する部位であり、第2成形体31の対応する第1凹部31bとの間で、回路基板11を挟んで固定するようになっている。本実施形態では、第1凹部30bに、螺子50,52が挿入される複数の螺子孔32(梱包具側螺子孔)が、上記した螺子孔25に対応して設けられている。換言すると、螺子孔25に対応する位置に、基板梱包具12(積層織布)の厚み方向に貫通し、螺子50,52が挿入される複数の螺子孔32が設けられている。なお、螺子孔32は、単に螺子50,52が挿入される貫通孔でよい。
さらに、図3及び図4に示すように、第1凹部30bには、ランド24が周辺に形成された螺子孔25に対応して設けられた螺子孔32の少なくとも一つに対して設けられるものであり、導電性織布12aに電気的に接続されると共に、非導電性織布12bの表面にけるランド24に対応する位置に連続的に設けられる導電糸(接続部材)60を備える。この導電糸60は、導電性織布12aとランド24とを電気的に接続する接続部材である。
具体的には、対象となる螺子孔32の周囲において、導電性織布12aと非導電性織布12bとを縫い合わせることで、導電糸60からなる接続部材が形成される。本実施形態では、図4及び図5に示すように、対象となる螺子孔32を取り囲んで、導電糸60が密に(隙間無く)縫われている。つまり、導電糸60は、螺子孔32の周囲における導電性織布12aの表面と、螺子孔32の壁面と、螺子孔32の周囲における非導電性織布12bの表面と、積層織布の内部とをとおって、螺子孔32の全周に亘って連続的に配置されている。ただし、導電糸60は、必ずしも螺子孔32を通らせる必要はない。そして、導電糸60は、回路基板11と基板梱包具12とを固定した(組み付けた)状態で、非導電性織布12bの表面に配置されたランド24と接触する。
なお、導電糸60は、ランド24が周辺に形成された螺子孔25に対応して設けられた複数の螺子孔32全てに対して設けても良いし、一部の螺子孔32のみに対して設けても良い。螺子孔25の周辺には、回路基板11(配線基板)のGNDパターンと接続されたランド24が形成されており、導電糸60は、ランド24と導電性織布12aとを電気的に接続する。換言すれば、上記GNDパターンと導電性織布12aとを、回路基板11の配線(ランド24を含む)及び導電糸60を介して、電気的に接続する。これにより、導電糸60を設けた部位では、導電糸60と配線、例えばGNDパターンに対して垂直な部位、が電磁波を送受するアンテナとして機能することとなる。このように導電糸60を設けると、導電糸60の分、電気長が長くなり、導電糸60のない構成(配線のみをアンテナとする構成)に比べて、共振周波数が低域にシフトする。すなわち、導電糸60の有無により、アンテナの共振周波数を変えることができる。したがって、導電糸60のない状態で、例えば外部からの電磁波の影響を受ける場合、該電磁波の周波数で共振する配線のランド24に対応した螺子孔32の周辺に導電糸60を設けることで、上記電磁波の影響を抑制することができる。また、導電糸60のない状態で、例えば回路基板11からの電磁波が外部に影響を及ぼす場合、該電磁波を送信する配線のランド24に対応した螺子孔32の周辺に導電糸60を設けることで、外部に影響を及ぼすのを抑制することができる。
第2凹部30cは、回路基板11を内部空間S1に収容した状態で、回路基板11に構成された回路(電子部品21やランドを含む配線)のうちのGND電位に固定される部位を除く部位と接触しないように、所定の深さを有している。本実施形態では、コネクタ22を外部に露出させるための貫通孔33が、第2凹部30cに形成されている。
一方、第2成形体31も、環状の縁部31aと、縁部31aに囲まれた中央部を有しており、中央部が縁部31aに対して凹んでいる。そして、この凹部(中央部)として、縁部31aに連なっており、回路基板11を内部空間S1に収容した状態で、凹部底面(内面30d)の少なくとも一部が、回路基板11の裏面11bと接触する第1凹部31bと、第1凹部31bよりも凹部底面(内面)と回路基板11の裏面11bとの対向距離が長い第2凹部31cを有している。すなわち、凹部が、縁部31aを基準として深さの異なる2つの凹部31b,31cを有する2段構造となっている。
第1凹部31bは、上記した第1凹部30bに対応しており、回路基板11を内部空間S1に収容した状態で、回路基板11における裏面11b側の周縁部と対向し、第1凹部30bとの間に回路基板11を挟んで固定するようになっている。この第1凹部31bには、螺子50,52が挿入される螺子孔34(梱包具側螺子孔)が、上記した螺子孔25に対応して設けられている。換言すると、螺子孔25に対応する位置に、基板梱包具12(積層織布)の厚み方向に貫通し、螺子50,52が挿入される複数の螺子孔34が設けられている。なお、螺子52が挿入される螺子孔34は、螺子52が螺合される螺子孔となっている。つまり、螺子52が挿入される螺子孔34は、螺子52に設けられた螺子山に対応する螺子溝が形成されている。なお、螺子50が挿入される螺子孔32は、単に螺子50,52が挿入される貫通孔でよい。
第2凹部31cは、上記した第2凹部30cに対応しており、回路基板11を内部空間S1に収容した状態で、回路基板11の裏面11bに実装された電子部品21と接触しないように、所定の深さを有している。本実施形態では、上記したように、電子部品21のうちの高背部品を表面11aに実装しているため、第2凹部31cの深さが、第1成形体30側の第2凹部30cの深さよりも浅くなっている。
筐体13は、樹脂材料からなり、回路基板11に対して主として表面11a側に配置される第1ケース40と、主として裏面11b側に配置される第2ケース41とにより、厚さ方向に開閉可能に構成されている。そして、第1ケース40と第2ケース41を厚さ方向に沿って組み付けることで、回路基板11を含む基板梱包具12を収容する内部空間S2を備えた筐体13となっている。このように、筐体13は、回路基板11を含む基板梱包具12を保護するものである。なお、筐体13を構成する樹脂材料としては、エポキシ樹脂など周知の材料を採用することができる。
本実施形態では、第1ケース40及び第2ケース41が、分離可能に構成(別部材として構成)されている。また、2つのケース40,41の平面形状(厚さ方向に垂直な平面形状)が、平面矩形状の回路基板11及び基板梱包具12に対応して、ともに矩形状とされており、互いに対応する環状の縁部40a,41aには、螺子51が螺合される複数の螺子孔がそれぞれ設けられている。そして、環状の縁部40a,41aを互いに重ね合わせた状態で、一致する螺子孔に螺子51を螺合させることで、1つの筐体13が構成されるようになっている。なお、図1に示すように、本実施形態では、螺子51による固定部位が、ほぼ等間隔で10箇所設けられている。
第1ケース40の縁部40aは、図3に示すように、第2ケース41の縁部41aと対向している。また、環状の縁部40aに囲まれた中央部が凹部40bとなっている。凹部40bは、基板梱包具12における第1成形体30側を収容すべく、所定の深さを有している。本実施形態では、コネクタ22を外部に露出させるための貫通孔42が、凹部40bに形成されている。なお、第1ケース40の凹部40bが、第1成形体30の第2凹部30cと接触する構成としても良いが、本実施形態では、凹部40bと第2凹部30cとの間に隙間を有する構成となっている。
一方、第2ケース41でも、環状の縁部41aに囲まれた中央部が凹部となっている。凹部は、縁部41aに連なっており、第2成形体31の縁部31aと対向する第1凹部41bと、第1凹部41bよりも深く、第2成形体31の第1凹部31bと対向する第2凹部41cと、第2凹部41cよりも深く、第2成形体31の第2凹部31cと対向する第3凹部41dを有している。すなわち、凹部が、縁部41aを基準として深さの異なる3つの凹部41b,41c,41dを有する3段構造となっている。
第1凹部41bは、上記したように縁部40aの内周部位に対応しており、2つの成形体30,31及び回路基板11を内部空間S2に収容した状態で、2つの成形体30,31の導電糸70により縫い合わされた部位を含む縁部30a,31aを支持するようになっている。
第2凹部41cは、上記したように第2成形体31の第1凹部31bと対向しており、基板梱包具12における各成形体30,31の第1凹部30b,31b及び回路基板11の周縁部を支持するようになっている。また、本実施形態では、この第2凹部41cに、上記した螺子孔25,32,34のうちの螺子50用の螺子孔に対応して、螺子孔が設けられている。つまり、この螺子孔は、螺子50に設けられた螺子山に対応する螺子溝が形成されている。そして、第2凹部41c上に、第2成形体31、回路基板11、第1成形体30の順に積層配置した状態で、互いに重なり合う上記4つの螺子孔に螺子50を螺合させることで、回路基板11を2つの成形体30,31に固定するとともに、回路基板11を収容した基板梱包具12を第2ケース41(筐体13)に固定するようになっている。
第3凹部41dは、上記したように第2成形体31の第2凹部31cと対向、すなわち回路基板11の中央部と対向しており、基板梱包具12における第2成形体31側を収容すべく、所定の深さを有している。なお、第2ケース40の第3凹部41dが、第2成形体31の第2凹部31cと接触する構成としても良いが、本実施形態では、第3凹部41dと第2凹部31cとの間に隙間を有する構成となっている。
次に、上記した電子装置10の組み付け方法について、図3を用いて説明する。先ず、回路基板11、成形体30,31、ケース40,41をそれぞれ準備する。この時点で、回路基板11には、電子部品21、コネクタ22などが形成されている。
次いで、回路基板11を基板梱包具12に固定する。先ず、第2成形体31上に、回路基板11を位置決め載置する。このとき、第1凹部31b上に回路基板11の周縁部が位置し、第1凹部31bに設けられた螺子孔34に、対応する回路基板11の螺子孔25が一致するように載置する。次に、回路基板11の表面11aを覆うように、第2成形体31及び回路基板11上に第1成形体30を位置決め載置する。このとき、第2成形体31の縁部31a上に第1成形体30の縁部30aが位置し、回路基板11の周縁部上に第1凹部30bが位置し、回路基板11の螺子孔25に、対応する螺子孔32が一致し、コネクタ22が第2凹部30cの貫通孔33を挿通するように載置する。そして、この状態で、螺子孔25,32,34のうち、螺子52に対応する4隅部の螺子孔25,32,34に螺子52をそれぞれ挿入し、成形体30,31に回路基板11を固定する。この状態で、導電糸60はランド24に接触する。
次に、2つの成形体30,31の縁部30a,31aを互いに重ね合わせた状態で、縁部30a,31a同士を導電糸70で縫い合わせる。本実施形態では、環状の縁部30a,31a全周に亘って、密に(隙間無く)縫い合わせる。これにより、端部が閉じた袋状の基板梱包具12が得られる。なお、基板梱包具12を得た状態で、回路基板11は基板梱包具12に固定されるとともに、その内部空間S1に収容されている。
次に、基板梱包具12を第2ケース41に固定する。先ず、第2ケース41の第1凹部41b上に、成形体30,31の縁部30a,31aが位置し、第2凹部41c上に、成形体30,31の第1凹部30b,31b及び回路基板11の周縁部が位置し、第2ケース41の螺子孔が、対応する螺子50用の螺子孔25,32,34と一致するように、基板梱包具12を、第2成形体31側を搭載側として第2ケース41に位置決め載置する。そして、この状態で、螺子50に対応する螺子孔25,32,34及び第2ケース41の螺子孔に螺子50をそれぞれ挿入し、基板梱包具12を第2ケース41に固定する。
次に、第1ケース40を第2ケース41に組み付ける。先ず、第2ケースの縁部41a上に、第1ケース40の縁部40aが位置し、縁部40a,41aの対応する螺子孔が一致し、コネクタ22が凹部40bの貫通孔42を挿通するように、第2ケース41に第1ケース40を位置決め載置する。そして、この状態で、螺子51により、第1ケース40を第2ケース41に組み付ける。以上により、上記した電子装置10を得ることができる。
次に、本実施形態に係る電子装置10の特徴部分の効果について説明する。先ず本実施形態では、基板梱包具12が、樹脂織布を金属メッキした導電性織布12aと樹脂織布からなる非導電性織布12bとの積層織布を、少なくとも回路基板11の表面11aを覆う部位として含んでいる。積層織布の主材料は樹脂織布であるので、従来の金属筐体に比べて、電子装置10を軽量化することができる。
また、積層織布において、非導電性織布12bが基板梱包具12の内面をなしているので、積層織布を特に成形体としなくとも、回路基板11に構成された回路のうちのグランド電位に固定される部位を除く部位と、基板梱包具12とのショートを防ぐことができる。
また、非導電性織布12bが基板梱包具12の内面をなしているので、回路基板11を基板梱包具12の内部空間に収容する際に、回路基板11に実装された電子部品21が導電性織布12aに接触しがたく、金属メッキ層の剥がれを抑制することができる。なお、積層織布を構成している導電性織布12aは、樹脂織布を金属メッキしたもので、金属メッキされた樹脂繊維が立体的に絡み合った構造となっている。すなわち、導電性織布12aの金属メッキ層は、従来の樹脂筐体に設けられた導電性層のような筐体表面にだけあるものではない。したがって、基板梱包具の外面をなす導電性織布に擦れ等があっても、導電性織布の金属メッキ層のうち、その厚さ方向の一部(例えば表面のみ)が剥がれる程度であり、電磁波シールド効果も損なわれ難い。
また、導電性を有する接続部材である導電糸60は、螺子孔32に対して設けられるものであり、導電性織布12aに電気的に接続されると共に、非導電性織布12bの表面にけるグランド用ランド24に対応する位置に連続的に設けられる。したがって、非導電性織布12bが基板梱包具12の内面をなす構成でありながら、基板梱包具12を螺子50,52で回路基板に固定することによって、非導電性織布12bの表面に設けられた部位(導電糸60)が回路基板11のグランド用ランド24と電気的に接続することとなり、回路基板11のグランド用ランド24と基板梱包具12(導電性織布12a)との電気的接続状態を良好に確保することができる。すなわち、基板梱包具12を電磁波シールドとして効果的に機能させることができる。
以上から、本発明の電子装置10によれば、軽量で、回路基板11とのショートを防ぎつつ電磁波シールド効果を確保することができる。
また、本実施形態では、成形体30,31が、圧空成形により形成されている。このように圧空成形法を用いると、成形体30,31を、肉薄軽量で安価に製造することができる。しかしながら、圧空成形以外にも、真空成形や、熱プレスなどを採用することもできる。
また、本実施形態では、回路基板11の表裏面11a,11bに電子部品21などが形成される例を示した。しかしながら、いずれか一方のみに電子部品21などが形成された構成としても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態では、接続部材をなす導電糸60が、螺子孔32の全周に亘って形成される例を示した。しかしながら、この導電糸60は、基板梱包具12と回路基板11とを固定した状態において、導電性織布12aとランド24とを電気的に接続できればよい。
例えば、図6及び図7に示す変形例1のように、導電糸60aは、螺子孔32の周辺の一部にのみ設けるようにしてもよい。具体的には、対象となる螺子孔32の周辺の一部において、導電性織布12aと非導電性織布12bとを導電糸60aで密に(隙間無く)縫い合わせる。つまり、対象となる螺子孔32の周辺の一部において、導電糸60aを導電性織布12aに電気的に接続されると共に、非導電性織布12bの表面にけるランド24に対応する位置に連続的に設けることで、導電糸60aからなる接続部材が形成される。
このようにしても、基板梱包具12と回路基板11とを固定した状態において、導電性織布12aとランド24とを電気的に接続することができる。
また、上記実施形態、変形例1では、導電性織布12aとランド24とを電気的に接続する接続部材を導電糸60,60aによって構成する例を示した。しかしながら、接続部材は、導電糸60,60aに限定されるものではない。接続部材は、金属材料からなり、導電性織布12aと非導電性織布12bとに接触して積層織布にかしめ固定されているものであってもよい。
例えば、図8及び図9に示す変形例2のように、積層織布の厚さと同等の長さであり螺子50が挿入可能な貫通孔を有すると共に螺子孔32に挿入可能な筒状部61aと、筒状部61aの一方の先端から外側に回路基板11表面に対して平行方向に設けられた導電性織布12aと電気的に接続する頭部61bと、筒状部61aの他方の先端に設けられ螺子孔32に挿入後に筒状部61aの先端から外側に回路基板11表面に対して平行方向に広げられた固定部61cを有する環状の金属部材(例えば、ハトメなど)で接続部材を構成するようにしてもよい。換言すると、この接続部材は、積層織布の厚さと同等の長さであり螺子50が挿入可能な貫通孔を有すると共に螺子孔32に挿入可能な筒状部61aと、筒状部61aの一方の先端から導電性織布12aの表面に導電性織布12aと電気的に接続して設けられる環状の頭部61bと、筒状部61aの他方の先端から非導電性織布12bの表面のランド24に対応する位置に設けられる環状の固定部61cを備える。なお、接続部材は、螺子孔32の全周に亘って形成される。
つまり、変形例2に示す接続部材は、導電性織布12aと非導電性織布12bとに接触して積層織布にかしめ固定(固定部61cがつぶされて固定)されている。そして、金属材料の頭部61bが導電性織布12aに接触すると共に、固定部61cが非導電性織布12bの表面のランド24に対応する位置に形成される。このようにしても、基板梱包具12と回路基板11とを固定した状態において、導電性織布12aとランド24とを電気的に接続することができる。また、接続部材は、螺子孔32に対して設けるため、このような環状の金属材料を用いる場合であっても、積層織布に接続部材専用の孔を設ける必要が無いの。
また、かしめ固定される接続部材は、図10及び図11に示す変形例3のように、螺子孔32の周辺の一部にのみ設けるようにしてもよい。具体的には、対象となる螺子孔32の周辺の一部において、導電性織布12aの表面に設けられる頭部610bと、非導電性織布12bの表面のランド24に対応する位置に設けられる固定部610cと、積層織布の厚さと同等の長さであり頭部610bと固定部610cとを連結する連結部610aを有する断面コ字形状の金属材料(金属部材)で接続部材を構成するようにしてもよい。
つまり、変形例3に示す接続部材は、導電性織布12aと非導電性織布12bとに接触して積層織布にかしめ固定(固定部610c、もしくは、頭部610bと固定部610cとがつぶされて固定)されている。そして、金属材料の頭部610bが導電性織布12aに接触すると共に、固定部610cが非導電性織布12bの表面のランド24に対応する位置に形成される。このようにしても、基板梱包具12と回路基板11とを固定した状態において、基板梱包具12(導電性織布12a)とランド24とを電気的に接続することができる。
また、上記実施形態及び変形例1〜3では、基板梱包具12と回路基板11とを固定した状態において、導電性織布12aとランド24とを電気的に接続するために、導電性織布12aと非導電性織布12bとを導電糸60、60aで縫い合わせたり、金属部材をかしめ固定したりすることによって接続部材を構成する例を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図12に示す変形例4のように、積層織布を折り曲げて導電性織布12aとランド24とを電気的に接続するようにしてもよい。具体的には、積層織布は、ランド24の少なくとも一つに対応する部位に設けられるものであり、導電性織布12aがランド24に対応する位置に配置されるように折り曲げられる折り曲げ部12cを備える。また、積層織布における折り曲げ部12cと折り曲げ部12cに重なる重なり部12dは、螺子孔25に対応する位置に設けられ、基板梱包具12(積層織布)の厚み方向に貫通し、螺子50が挿入される複数の螺子孔34を備える。よって、基板梱包具12と回路基板11とを固定した状態において、導電性織布12aは、ランド24に接触する。
このように、積層織布の折り曲げ部12cは、導電性織布12aがランド24に対応する位置に配置されるように折り曲げられるため、非導電性織布12bが基板梱包具12の内面をなす構成でありながら、導電糸やかしめ固定される金属材料などからなる接続部材を用いることなく、回路基板11のランド24と導電性織布12aとの電気的接続状態を良好に確保することができる。すなわち、基板梱包具を電磁波シールドとして効果的に機能させることができる。
なお、変形例4においては、成形体30の第1成形体30の折り曲げ部12cと重なり部12dの間の部分(縁部)と、第2成形体31の同様の部分もしくは第2成形体31の縁部とを互いに重ね合わせた状態で、その重ね合わせた部分全周に亘り、導電糸70で縫い合わせることで、端部が閉じた袋状の基板梱包具12となっている。また、導電糸70のかわりにリベットなどの金属材料でかしめ固定してもよい。
また、変形例4においては、ランド24は、螺子孔25の周辺以外に設けられるようにしてもよい。さらに、回路基板11と基板梱包具12とは、螺子以外の固定部材で固定されるようにしてもよい。この場合、折り曲げ部12cと重なり部12dには、螺子孔を設ける必要がない。そして、例えば、積層織布の縁部以外のランド24に対応する部位に、コ字上の切り込みをいれて、その部分を折り曲げて折り曲げ部を構成するようにしてもよい。このようにしても、基板梱包具12と回路基板11とを固定した状態において、導電性織布12aとランド24とを電気的に接続することができる。
このように、変形例4においては、積層織布は、ランド24の少なくとも一つに対応する部位に設けられるものであり、導電性織布12aがランド24に対応する位置に配置されるように折り曲げられる折り曲げ部12cを備えるものであれば本発明の目的は達成できるものである。
また、上記実施形態では、基板梱包具12が、樹脂織布を金属メッキした導電性織布12aと樹脂織布からなる非導電性織布12b(金属メッキなし)との積層織布を成形してなる2つの成形体30,31により構成されており、非導電性織布12bが、基板梱包具12の内面30d,31dをなしている例を示した。しかしながら、基板梱包具12としては、回路基板11のランド24が形成された表面11a側を覆う部位として、上記積層織布を含み、積層織布における非導電性織布12bが基板梱包具12の内面30dをなせば良い。
例えば図13に示す変形例5のように、基板梱包具12が、回路基板11の表面11a側を覆う部位130(以下、単に表面部位130と示す)と、回路基板11の裏面11b側を覆う部位131(以下、単に裏面部位131と示す)とが一体的に成形(一体成形)された1つの成形体からなる構成としても良い。この基板梱包具12でも、成形体は、導電性織布12aと非導電性織布12bとの積層織布を成形してなり、非導電性織布12bが、基板梱包具12の内面130d,131dをなしている。なお、表面部位130は上記した第1成形体30、裏面部位131は上記した第2成形体31とほぼ同じ構造となっており、図13では、対応する箇所において、2つの成形体30,31の符号に100を加算した符号を付与している。表面部位130と裏面部位131とは、連結部位135を介して連結されている。詳しくは、平面矩形状の表面部位130及び裏面部位131のうち、矩形の1辺のみが連結部位135により連結されている。この連結部位135には、切り欠き135aが設けられており、これにより、内部空間S1を形成すべく折曲可能となっている。
すなわち、基板梱包具12は、所謂卵パック様の構造となっている。このような構成の電子装置10としても、上記実施形態に示した電子装置10と同様の効果を期待することができる。また、成形体が所謂卵パック様となっているので、成形体から基板梱包具12を形成する工程を簡素化することができる。
また、図14に示す変形例6ように、基板梱包具12が、回路基板11の表面11a側を覆う部位として、第1実施形態で示した第1成形体30とほぼ同じ構造の成形体230を有し、回路基板11の裏面11b側を覆う部位として金属材料からなる平板状の金属板231を有する構成としても良い。この基板梱包具12でも、成形体230は、導電性織布12aと非導電性織布12bとの積層織布を成形してなり、非導電性織布12bが、基板梱包具12の内面230dをなしている。なお、図14では、対応する箇所において、2つの成形体30,31、第2ケース41の符号に200を加算した符号を付与している。
図14に示す回路基板11は、表面11a側のみに電子部品21が実装されている。また、第2ケース241の第1凹部241bが、第2凹部241cとフラットな構成、すなわち、第2ケース241が縁部241aを基準として2段の凹構造となっている。さらには、成形体230の縁部230aと金属板231の縁部231aに、金属部材71がかしめ固定され、これにより、成形体230をなす導電性織布12aと金属板231とが、電気的に接続されている。この金属部材71は、基板梱包具12が、電磁波シールド効果を発揮すべく、影響の大きい周波数のうちの最小周波数の1/4以下の間隔をもって複数個所に固定されている。このような構成の電子装置10としても、上記実施形態に示した電子装置10と同様の効果を期待することができる。なお、導電性織布12aと非導電性織布12bとの積層織布を成形してなる成形体230と金属板231により、基板梱包具12が構成されており、基板梱包具12として、主材料が樹脂織布である成形体230を含むので、基板梱包具12全てが積層織布からなる電子装置10よりは重くなるものの、従来の金属筐体に比べて、電子装置10を軽量化することができる。
さらには、図示しないが、基板梱包具12の構成する積層織布として、未成形のものを採用することもできる。例えば、図3に示す2つの成形体30,31に代えて、未成形の積層織布を採用しても良いし、図14に示す成形体230に代えて、未成形の積層織布を採用しても良い。このように未成形の積層織布を用いた基板梱包具12を採用すると、成形工程を省略できるので、製造工程を簡素化し、製造コストを低減することができる。しかしながら、回路基板11が基板梱包具12と接触するので、電子部品21の接続信頼性の低下などが懸念される。
上記実施形態では、電子装置10が、回路基板11及び基板梱包具12を保護する筐体13を含む例を示した。しかしながら、電子装置10として筐体13を含まず、基板梱包具12が筐体を兼ねる構成としても良い。この場合、上記した2つの成形体30,31からなる基板梱包具12、表面部位130と裏面部位131を備えた1つの成形体からなる基板梱包具12、及び成形体230及び金属板231からなる基板梱包具12のいずれかを採用すると、回路基板11を外部から好適に保護することができる。
上記実施形態では、螺子50により、回路基板11を基板梱包具12に固定するとともに、回路基板11及び基板梱包具12を筐体13(第2ケース41)に固定する例を示した。しかしながら、回路基板11を基板梱包具12に固定する固定手段と、回路基板11及び基板梱包具12を筐体13(第2ケース41)に固定する固定手段とを別個のものとしても良い。例えば図15に示す変形例7では、螺子50による固定箇所も、上記した螺子52による回路基板11を基板梱包具12に固定する箇所に置き換えられている。すなわち、図15では、8箇所で、回路基板11が基板梱包具12に螺子52により固定されている。また、導電糸70により縁部30a,31aが縫い合わされ、縁部30a,31a全周に亘って、導電性織布12a同士が電気的に接続された基板梱包具12は、内部空間S1に回路基板11を収容した状態で、縁部30a,31aが、第1ケース40の縁部40aにおける内周部位と第2ケース41における第1凹部41bとの間で挟持されている。これにより、回路基板11及び基板梱包具12が筐体13に固定されている。なお、第1ケース40の縁部40aは、第2ケース41の縁部41aと対向する外周部位とともに、上記した内周部位を有している。
また、回路基板11と第1成形体30を固定する螺子と、回路基板11と第2成形体31を固定する螺子を分けても良い。さらには、第2成形体31を第2ケース41に固定する螺子、回路基板11を第2ケース41に固定する螺子、第1成形体30を第2ケース41に固定する螺子を分けても良い。
上記実施形態では、筐体13が、2つのケース40,41からなる例を示した。しかしながら、図13で示した基板梱包具12のように、回路基板11の表面11a側を覆う部位(表面部位)と、回路基板11の裏面11b側を覆う部位(裏面部位)とを有し、表面部位と裏面部位とが連結部位を介して連結された所謂卵パック様の構造としても良い。このように、卵パック様の構造としても、図15に例示した基板梱包具12の挟持をなすようにしてもよい。
また、上記実施形態では、筐体13が、厚さ方向に開閉可能に構成されている例を示した。しかしながら、筐体13により、基板梱包具12を挟持する構成でない場合、筐体13の構成は上記例に限定されるものではない。例えば、厚さ方向に垂直な方向に開閉可能に構成された筐体13を採用することもできる。
上記実施形態では、導電性織布12aと非導電性織布12bとの間に接着剤を介在させて積層織布が構成される例を示した。しかしながら、導電性織布12aと非導電性織布12bとを一体化される手法は上記例に限定されるものではない。例えば、非導電性織布12bを構成する樹脂として、導電性織布12aを構成する樹脂よりも融点の低い熱可塑性樹脂を採用し、圧空成形などの成形時に、熱を受けて軟化した非導電性織布12bを導電性織布12aに密着させて積層織布としたものでも良い。
また、回路基板11、基板梱包具12、筐体13の構造は、上記例に限定されるものではない。例えば、第1実施形態や第2実施形態において、第2ケース41の第1凹部41bが、第2凹部41cとフラットな構成、すなわち、縁部41aを基準として2段の凹構造としても良い。