JP2006060013A - 電磁波吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘電損失型電磁波吸収体の電磁波吸収層と難燃層を積層することによって、難燃性を付与し、かつ高いノイズ抑制効果を有する近傍界用途の薄型の電磁波吸収体を提供すること。
【解決手段】有機結合剤と比表面積20〜110m2/gのカーボン粉末からなる電磁波吸収層に対して、有機結合剤と難燃剤からなる難燃層を前記電磁波吸収層の片面もしくは両面に積層してなることを特徴とする電磁波吸収体であり、カーボン粉末がJISK 1469による電気抵抗率が0.1Ωcm以下のホウ素固溶カーボンブラックであることが好ましく、難燃剤が水酸化物及び/又はリン化合物であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】有機結合剤と比表面積20〜110m2/gのカーボン粉末からなる電磁波吸収層に対して、有機結合剤と難燃剤からなる難燃層を前記電磁波吸収層の片面もしくは両面に積層してなることを特徴とする電磁波吸収体であり、カーボン粉末がJISK 1469による電気抵抗率が0.1Ωcm以下のホウ素固溶カーボンブラックであることが好ましく、難燃剤が水酸化物及び/又はリン化合物であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高周波領域において発生する不用電磁波の吸収、ノイズ抑制用に用いられる誘電損失型電磁波吸収体に関し、特にその難燃特性向上に関するものである。
近年の電子回路の高集積化および回路を伝送する電気信号の高周波数化に伴い、デジタルカメラなどの小型携帯機器の制御基板内の不要電磁波および筺体外部への電磁波漏洩の問題が深刻となっている。これを抑制するために、樹脂バインダー中に磁性粉を分散させた磁性損失型吸収体、あるいはカーボンなど導電材料を充填した誘電損失型の電磁波吸収体をノイズ発生源に添付する方法および筺体の内壁面に添付する手段が採用されている。当初は磁性損失型吸収体がほとんどを占めていたが、昨今の電子機器の軽量化の要求から、比重の小さいカーボンを用いる誘電損失型電磁波吸収体の開発が行われている(特許文献1参照)。
特開平11−8489
しかしながら、誘電損失型電磁波吸収体は、樹脂、カーボンなどの可燃性材料から作られていることから燃焼し易く、難燃性が要求される用途では問題があった。磁性損失型吸収体については、難燃剤であるハロゲン系化合物と酸化アンチモンなどを抑制体に添加することで難燃性を付与させている(特許文献2参照)。また、難燃剤として水酸化物や水和物を添加しているものがある(特許文献3参照)。
特開平11−112229
特開2001−85212
難燃性を付与するために電磁波吸収体に難燃剤を添加する場合、電磁波吸収効果が低下するため、電磁波吸収特性を確保するには電磁波吸収体を厚くしなければならないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、誘電損失型電磁波吸収体の電磁波吸収層と難燃層を積層することによって、難燃性を付与し、かつ高いノイズ抑制効果を有する近傍界用途の薄型の電磁波吸収体を提供することである。
すなわち、本発明は、有機結合剤と比表面積20〜110m2/gのカーボン粉末からなる電磁波吸収層に対して、有機結合剤と難燃剤からなる難燃層を前記電磁波吸収層の片面もしくは両面に積層してなることを特徴とする電磁波吸収体である。カーボン粉末がJISK 1469による電気抵抗率が0.1Ωcm以下のホウ素固溶カーボンブラックであることが好ましく、難燃剤が水酸化物及び/又はリン化合物であることが好ましい。
本発明の電磁波吸収体は、薄型(シート)形状で電波吸収特性に優れ、かつ難燃性に優れている。さらに、単に電磁波吸収層に難燃剤を配合する場合に比べ、電磁波吸収の要因となるカーボン粉末がトータルで少ない量の充填で良好な吸収特性を実現することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明における電磁波吸収体は、カーボン粉末を有機結合剤に充填してなる電磁波吸収層に対して、水酸化アルミニウムやリン化合物などの難燃剤を有機結合剤に充填してなる難燃層を積層することによって得られる。
電磁波吸収層に用いられるカーボン粉末としては、難燃層と積層する形態上、電磁波吸収層としては薄い方がトータル厚さを薄くできるために好ましく、その点では比表面積20m2/g以上のカーボン粉末を用いるのが好ましい。また、比表面積が大きすぎると有機結合剤中への混合、分散が難しくなり、薄層吸収体の作製が困難になることから、比表面積は110m2/g以下であることが好ましい。
カーボン粉末としては、特に限定されるものではないが、各種カーボンブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる(アセチレンブラックはカーボンブラックの一種である)。中でも、ホウ素を固溶してなりJIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のカーボンブラックが好ましく、中でもホウ素固溶アセチレンブラックが好ましい。
本発明で使用されるホウ素固溶アセチレンブラックは、特開2000−281933号公報に記載されているように、炭化水素の熱分解反応時及び/又は燃焼反応時にホウ素源を存在させることにより製造することができる。このホウ素固溶アセチレンブラックは、通常のアセチレンブラックや他の各種カーボン粉末に比べて他材料、樹脂本体やその水系、溶剤系スラリーへの分散性、特に水やアルコール(IPAなど)などの極性溶媒への分散性も優れているため、薄膜シート作製に適しており、製造工程における混合工程が著しく簡略化できるものである。また、得られる電磁波吸収体の吸収特性も比較的高い。
本発明においては、その原粉をそのままバインダー樹脂に配合しても良いが、樹脂への均一分散性の点から、それを0.1〜2mm程度に造粒してから配合してもよい。カーボンブラック原粉の造粒には、イオン交換水を湿潤剤として用いることが望ましく、その詳細は、特公平1−58227号公報に記載されている。
一方、本発明の難燃層に使用される難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤を含む任意のものが用いられるが、環境問題を考えると、無機水酸化物、リン化合物などがハロゲンを含まないことから好ましい。
本発明に使用する無機水酸化物としては、特に限定されるものではないが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。無機水酸化物は、加熱時に脱水反応による吸熱が生じ温度上昇が低減するために耐熱性が向上する。さらに、加熱脱水後、酸化物が残りこれによって強度が向上する点で好ましい。中でも水酸化アルミニウムは、安価であり、難燃性付与効果が大きく更に好ましい。
本発明に使用するリン化合物としては、特に限定されるものではないが、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェートなどの各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類などが挙げられる。中でも赤リンが好ましい。赤リンは少量の添加で難燃性が向上するが、耐湿性、安全性の点で赤リン粒子表面を樹脂でコーティングしたものが好ましい。
さらに、本発明では、無機水酸化物とリン化合物を併用することにより、少量の添加量で難燃性を向上させることができる。
本発明で使用される有機結合剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリベンズオキサゾール樹脂、ポリベンズチアゾール樹脂、ポリピラゾール樹脂、ポリキノキサリン樹脂、ポリキナゾリンジオン樹脂、ポリベンズオキサジエン樹脂、ポリインドロン樹脂、ポリキナゾロン樹脂、ポリインドキシル樹脂、シリコン樹脂、シリコンーエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フッ素樹脂、TPX樹脂(メチルペンテンポリマー「三井化学社製商品名」)、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、66−ナイロン及びMXD−ナイロン、アモルファスナイロン等のポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタラート及びポリエチレンテレフタラート等のポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴムースチレン樹脂などの他、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ポリエステルエラストマー、ポリブタジエン、クロロプレン、天然ゴム、ポリイソプレン等のエラストマー類及びこれらに必要に応じ、硬化剤、硬化促進剤、触媒、加硫剤、滑剤、離型剤、安定剤、光安定剤、着色剤、カップリング剤などを添加したものである。
また、電磁波吸収層と難燃層の有機結合剤は同じものでもよいし異なっていてもよい。
また、電磁波吸収層と難燃層の有機結合剤は同じものでもよいし異なっていてもよい。
これらの樹脂の中でも、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などは、耐熱性が高く、取り扱いが比較的容易であり、ドクターブレード法、ロール成形法、押出成形法、射出成形法、プレス成形法など、従来公知の成形方法や加工方法を、必要に応じて適宜組み合わせて適用することができるため、好ましい。
有機結合剤と、カーボン粉末、あるいは難燃剤の混合は、少量の場合手混合も可能であるが、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、ボールミル、ミキシングロールなどの一般的な混合機を使用することができる。
本発明における電磁波吸収体は、シート形状等の薄型成形体であり、その加工方法としては従来公知の方法、例えばドクターブレード法、押出成形法、ロール成形法、射出成形法、プレス成形法などの各種成形法を用いることができる。
本発明におけるシート形状の電磁波吸収層と難燃層の積層には、ラミネート法など任意の公知手法が用いられる。その際、必要に応じて粘着層を介しても良い。また、難燃層の上に電磁波吸収層を、あるいは電磁波吸収層の上に難燃層を直接塗工することによって作製することもできる。
電磁波吸収層と難燃層の積層形態は、電磁波吸収層の片面に難燃層を積層するだけでも効果があるが、電磁波吸収層の両側から難燃層を挟み込む形態にすればより大きな難燃効果が得られる。
さらに、電磁波吸収層に適量の無機水酸化物、リン化合物などの難燃剤を配合し、その上で難燃層を積層すれば、難燃性をさらに向上させることができる。
本発明品は、単層において十分な電磁波吸収性能を有し、適当なバインダー樹脂を用いることにより単層でも強度を得る事が可能であるが、シートの電子機器への実装時における作業性を改善するためポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミドなどの高耐靭性薄膜シートと複合化してもよい。複合化の方法としては、前記高耐靭性シート上に有機結合剤およびカーボン粉末を溶媒中に溶解させた塗料をドクターブレード等にて塗布し溶媒を揮発させることにより製膜することが可能である。また、予め作成したバインダー樹脂及びカーボン粉末からなるシート状の電磁波吸収体に粘着剤を介して前記の高耐靭性薄膜シートを積層することが可能である。
本発明におけるシート状の電磁波吸収体は、電子機器への実装を考慮しそのいずれか一方の面に粘着層を設けることも可能である。また、高耐靭性薄膜シートと複合化したものについても同様である。該粘着層は、粘着剤のみからなるもの、及び基材を有するものであっても同様に可能である。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。
(実施例1〜7)
表1に記載した量のトルエンにアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L)を溶解させアクリルゴム溶液を作製し、アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積20、50、110m2/g)又はJIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)を、有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるようにアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L、樹脂分100%)100部のトルエン溶液(アクリルゴムとトルエンの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合しスラリーを作製した。
なお、表中のカーボン粉末の含有量(vol%)は、有機結合剤に対する割合を示している。
表1に記載した量のトルエンにアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L)を溶解させアクリルゴム溶液を作製し、アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積20、50、110m2/g)又はJIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)を、有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるようにアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L、樹脂分100%)100部のトルエン溶液(アクリルゴムとトルエンの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合しスラリーを作製した。
なお、表中のカーボン粉末の含有量(vol%)は、有機結合剤に対する割合を示している。
ついで、このスラリーからドクターブレード法を用いて、厚さ10μmのPET基材上に厚さ20μmの誘電損失型シート状成形体(電磁波吸収層)を作製した。
なお、使用したホウ素固溶アセチレンブラックのホウ素固溶量については、以下に従って測定した全ホウ素量から可溶ホウ素量を差し引くことによって求めた。全ホウ素量は、カーボン粉末0.5gを白金皿に取り、1.5%の水酸化カルシウム水溶液20ml、アセトン5mlを加え、1時間超音波分散させた後、乾固し、酸素気流中800℃で3時間かけて灰化し、その後塩酸中に加熱溶出させ、ICP−AESでホウ素を定量することにより測定した。また、比表面積は窒素ガス吸着によるBET式1点法にて測定した。
得られたシート状成形体の表面状態を下記の基準で三段階に評価した。
○:シートの表面が平滑であり厚さ斑がない
△:シートに局所的な厚さ斑があるがシートに割れ等は無く実用上問題は無い
×:シートの厚さ斑が激しく割れがあり、使用上の問題があるもの
○:シートの表面が平滑であり厚さ斑がない
△:シートに局所的な厚さ斑があるがシートに割れ等は無く実用上問題は無い
×:シートの厚さ斑が激しく割れがあり、使用上の問題があるもの
水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒経8μm)及び/又は赤リン(日本化学工業社製ヒシガード)とを、有機結合剤の樹脂分に対して表1の割合になるようアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L)100部のトルエン溶液(アクリルゴムとトルエンの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。ついで、このスラリーからドクターブレード法を用いて、厚さ10μmのPET基材上に表1に示す厚さの難燃性シート状成形体(難燃層)を作製した。
得られた誘電損失型シート状成形体(電磁波吸収層)と難燃性シート状成形体(難燃層)をラミネーター装置を用いて、電磁波吸収層の片面又は両面に難燃層を積層させ電磁波吸収体を作製した。
得られた電磁波吸収体について電磁波ネットワークアナライザ(8517D、アジレントテクノロジー社製)を使用して、0.1〜3GHzの周波数に対し電磁波吸収特性を測定した。電磁波吸収特性は、マイクロストリップライン法を用いて、ライン上の電磁波の伝送損失測定結果(S21)より評価した。その結果を表1に示す。なお、伝送損失(S21)は低いほどよいとされる。
一方、得られた電磁波吸収体の難燃性を評価した。難燃性の評価はUL−94規格に従って行った。その結果を表1に示す。なお、難燃性はVTM−0>VTM−1>VTM−2の順に高い。
表1より、本発明の電磁波吸収体は、電磁波吸収特性と難燃性に優れていることが判る。
(実施例8)
JIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒経8μm)、樹脂分に対して表2に示す割合となるような組成でアクリルエマルジョン(高圧ガス化学社製FX851、樹脂分55%)100部、分散剤(サンノプコ社製SNディスパーサント2060)2部及び消泡剤(サンノプコ社製SNデフォーマー314)0.2部からなる液状マトリックスに添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。ついで、このスラリーからドクターブレード法を用いて、厚さ10μmのPET基材上に表2に示す厚さの誘電損失型シート状成形体を作製した。その後は実施例1と同様にシート表面状態を評価した後、難燃層を積層して電磁波吸収体を作製し、その電磁波吸収特性及び難燃性を評価した。その結果を表2に示す。
JIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒経8μm)、樹脂分に対して表2に示す割合となるような組成でアクリルエマルジョン(高圧ガス化学社製FX851、樹脂分55%)100部、分散剤(サンノプコ社製SNディスパーサント2060)2部及び消泡剤(サンノプコ社製SNデフォーマー314)0.2部からなる液状マトリックスに添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。ついで、このスラリーからドクターブレード法を用いて、厚さ10μmのPET基材上に表2に示す厚さの誘電損失型シート状成形体を作製した。その後は実施例1と同様にシート表面状態を評価した後、難燃層を積層して電磁波吸収体を作製し、その電磁波吸収特性及び難燃性を評価した。その結果を表2に示す。
表2より、本発明の電磁波吸収体は、電磁波吸収特性と難燃性に優れていることが判る。
(実施例9、10)
アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)、JIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒経8μm)を、樹脂分に対して表2に示す割合となるような組成でアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L)100部のトルエン/IPA混合溶液(アクリルゴムとトルエン/IPAの配合は表2の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。ついで、このスラリーからドクターブレード法を用いて、厚さ10μmのPET基材上に表2に示す厚さの誘電損失型シート状成形体を作製した。その後は実施例1と同様にシート表面状態を評価した後、難燃層積層を行って電磁波吸収体を作製し、その吸収特性及び難燃性を評価した。その結果を表2に示す。
アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)、JIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒経8μm)を、樹脂分に対して表2に示す割合となるような組成でアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L)100部のトルエン/IPA混合溶液(アクリルゴムとトルエン/IPAの配合は表2の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。ついで、このスラリーからドクターブレード法を用いて、厚さ10μmのPET基材上に表2に示す厚さの誘電損失型シート状成形体を作製した。その後は実施例1と同様にシート表面状態を評価した後、難燃層積層を行って電磁波吸収体を作製し、その吸収特性及び難燃性を評価した。その結果を表2に示す。
表2より、本発明の電磁波吸収体は、電磁波吸収特性と難燃性に優れていることが判る。
(比較例1、2)
JIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒経8μm)を、実施例1の吸収層/難燃層を積層させた電磁波吸収体と、カーボン粉末がトータルで同じ配合になるように、樹脂に対して表2に示す割合となる組成でアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L)100部のトルエン混合溶液(アクリルゴムとトルエンの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。あとは実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製した。
JIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒経8μm)を、実施例1の吸収層/難燃層を積層させた電磁波吸収体と、カーボン粉末がトータルで同じ配合になるように、樹脂に対して表2に示す割合となる組成でアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L)100部のトルエン混合溶液(アクリルゴムとトルエンの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。あとは実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製した。
得られた電磁波吸収体について実施例1と同様にシート状態を評価した後、電磁波吸収特性、難燃性を評価した。その結果を表2に示す。実施例と比較して、電磁波吸収特性は低い値を示した。また、難燃剤添加量を難燃性レベルVTM−1程度に減少させても、やはり電磁波吸収特性は積層型よりも低い値であった。
(比較例3)
実施例で用いたアセチレンブラック粉の代わりに、低比表面積のカーボン粉末である黒鉛粉末(エス・イー・シー社製、SGP100、比表面積2m2/g)を表2の配合比で用い、後は実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製したが、均一なシートを作製できなかった。
実施例で用いたアセチレンブラック粉の代わりに、低比表面積のカーボン粉末である黒鉛粉末(エス・イー・シー社製、SGP100、比表面積2m2/g)を表2の配合比で用い、後は実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製したが、均一なシートを作製できなかった。
(比較例4)
実施例で用いたアセチレンブラック粉の代わりに、高比表面積のカーボン粉末であるケッチェンブラック(三菱化学社製、ケッチェンブラックEC、比表面積720m2/g)を表2の配合比で用い、あとは実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製したが、スラリーへの均一混合が困難で、諸特性評価可能なシートを作製できなかった。
実施例で用いたアセチレンブラック粉の代わりに、高比表面積のカーボン粉末であるケッチェンブラック(三菱化学社製、ケッチェンブラックEC、比表面積720m2/g)を表2の配合比で用い、あとは実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製したが、スラリーへの均一混合が困難で、諸特性評価可能なシートを作製できなかった。
本発明の電磁波吸収体は、薄型形状で電波吸収特性に優れ、かつ難燃性に優れ、単に電磁波吸収層に難燃剤を配合する場合に比べ、電磁波吸収の要因となるカーボン粉末がトータルで少ない量の充填で良好な電磁波吸収特性を実現できるので、小型の携帯用電子機器などに適用でき、産業上非常に有用である。
Claims (3)
- 有機結合剤と比表面積20〜110m2/gのカーボン粉末からなる電磁波吸収層に対して、有機結合剤と難燃剤からなる難燃層を前記電磁波吸収層の片面もしくは両面に積層してなることを特徴とする電磁波吸収体。
- カーボン粉末がJISK 1469による電気抵抗率が0.1Ωcm以下のホウ素固溶カーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波吸収体。
- 難燃剤が水酸化物及び/又はリン化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波吸収体。
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JP2018530147A (ja) * | 2015-08-13 | 2018-10-11 | アーク・テクノロジーズ・インコーポレーテツド | Emr吸収サーバベント |
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