JP2006041344A - 電磁波吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁波吸収特性に優れ、かつ難燃性に優れた電磁波吸収体を提供すること。
【解決手段】有機結合剤と、比表面積20〜110m2/gのカーボン粉末と、難燃剤とからなり、前記難燃剤が水酸化物及び/又はリン化合物である電磁波吸収体。カーボン粉末がJIS K 1469による電気抵抗率が0.1Ωcm以下であるホウ素固溶カーボンブラックである前記電磁波吸収体。水酸化物が水酸化アルミニウム、リン化合物が赤リンである前記電磁波吸収体。
【選択図】 なし
【解決手段】有機結合剤と、比表面積20〜110m2/gのカーボン粉末と、難燃剤とからなり、前記難燃剤が水酸化物及び/又はリン化合物である電磁波吸収体。カーボン粉末がJIS K 1469による電気抵抗率が0.1Ωcm以下であるホウ素固溶カーボンブラックである前記電磁波吸収体。水酸化物が水酸化アルミニウム、リン化合物が赤リンである前記電磁波吸収体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高周波領域において発生する不用電磁波の誘電損失型吸収体に関し、特にその難燃特性向上に関するものである。
近年の電子回路の高集積化および回路を伝送する電気信号の高周波数化に伴いデジタルカメラ等の小型携帯機器の制御基盤内の不要電磁波および筺体外部への電磁波漏洩の問題が深刻となっており、これを抑制するため樹脂バインダー中に磁性粉を分散させた磁性損失型抑制体(特許文献1参照)、あるいはカーボン等の導電材料を充填した誘電損失型の電磁波抑制体(特許文献2参照)をノイズ発生源に添付する方法および筺体の内壁面に添付する手段が採用されている。
特開平7−212079号公報
特開平11−8489号公報
しかしながら、電磁波抑制体に樹脂を用いていることや、磁性粉として金属軟磁性粉を用いる場合や、誘電損失型でカーボンを用いる場合は、可燃性材料であることから燃焼し易く、難燃性が要求される用途では問題があった。
難燃性を付与する方法としては、樹脂として塩素化ポリエチレンなどのハロゲン系樹脂を用いる方法がある(特許文献3参照)が、昨今の環境意識の高揚からハロゲン系樹脂の使用は制限される傾向にあり、いわゆるノンハロゲン系での難燃性付与が求められている。
特開平11−112229号公報また、磁性損失型吸収体では、難燃剤としてハロゲン系化合物と酸化アンチモンなど(特許文献3参照)や無機水酸化物などを添加している(特許文献4参照)。
特開2001−85212号公報
難燃性を付与する方法としては、樹脂として塩素化ポリエチレンなどのハロゲン系樹脂を用いる方法がある(特許文献3参照)が、昨今の環境意識の高揚からハロゲン系樹脂の使用は制限される傾向にあり、いわゆるノンハロゲン系での難燃性付与が求められている。
磁性損失型吸収体に難燃剤を添加すると、吸収体の磁性粉の効果が小さくなり、得られる電磁波抑制効果が低下する。これは特に高い吸収特性が得にくい薄型電磁波吸収シートにおいては大きな問題となる。また、同時に機械的強度など他の物性も低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、特定のカーボン系粉末と特定の難燃剤を配合した誘電損失型電磁波吸収体とすることで、高吸収特性と難燃性を両立させ、高いノイズ抑制効果を有する近傍界用途の薄型難燃性電磁波吸収体を提供することである。
すなわち、本発明は、有機結合剤と、カーボン粉末と、難燃剤からなる電磁波吸収体において、前記カーボン粉末の比表面積が20〜110m2/g、前記難燃剤が無機水酸化物及び/又はリン化合物であることを特徴とする電磁波吸収体であり、前記カーボン粉末がJISK 1469による電気抵抗率が0.1Ωcm以下であるホウ素固溶カーボンブラックであることが好ましく、前記難燃剤の無機水酸化物が水酸化アルミニウム、リン化合物が赤リンであることが好ましい。
本発明の電磁波吸収体は、薄型形状で電磁波吸収特性に優れ、かつ難燃性に優れている。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明の電磁波吸収体は、有機結合剤と、カーボン系粉末と、無機水酸化物及び/又はリン化合物とを配合することにより得られる。
本発明において、電磁波吸収層として用いられるカーボン粉末は、特に限定されるものではないが、各種カーボンブラック、アセチレンブラックなどの導電性カーボンが挙げられる。なお、アセチレンブラックはカーボンブラックの1種である。
本発明において、難燃剤を配合するため、カーボン粉末が少量で電磁波吸収効果を発現するように、カーボン粉末の比表面積を20〜110m2/gとする必要がある。比表面積が20m2/gより小さいと粗粉を含むことから薄いシートの作製が困難になり、比表面積が110m2/gを超えると粉末の分散が難しくなるため電磁波吸収体の作製が困難になり好ましくない。
また、カーボン粉末としてホウ素を固溶したJIS K 1469に従って測定された電気抵抗率が0.10Ωcm以下のカーボンブラックを使用すると好ましく、ホウ素固溶アセチレンブラックを使用するとさらに好ましい。
本発明で使用されるホウ素固溶アセチレンブラックは、特開2000ー281933号公報に記載のように、炭化水素の熱分解反応時及び/又は燃焼反応時にホウ素源を存在させることにより製造することができる。このホウ素固溶アセチレンブラックは、通常のアセチレンブラックや他の各種カーボン粉末に比べて他材料、樹脂本体やその水系、溶剤系スラリーへの分散性が非常に優れているため、薄膜シート作製に適しており、製造工程における混合工程が著しく簡略化できる。
また、得られる吸収体の吸収特性も比較的高い。
また、得られる吸収体の吸収特性も比較的高い。
本発明においては、そのカーボン粉末の原粉をそのまま有機結合剤に配合しても良いが、樹脂への均一分散性の点から、それを0.1〜2mm程度に造粒してから配合してもよい。アセチレンブラック原粉の造粒には、イオン交換水を湿潤剤として用いることが望ましく、その詳細は特公平1−58227号公報に記載されている。
本発明の電磁波吸収体は、可燃性材料であるカーボン粉末を使用していることから、難燃性を付与する難燃剤の添加が望ましいが、環境問題からハロゲン系難燃剤の使用は好ましくなく、本発明に使用する難燃層として用いられる難燃剤は、無機水酸化物やリン化合物が好ましい。
本発明に使用する無機水酸化物としては、特に限定されるものではないが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。無機水酸化物は、加熱時に脱水反応による吸熱が生じ温度上昇が低減するため耐熱性が向上する。さらに、加熱脱水後、酸化物が残りこれによって強度が向上する点で好ましい。中でも水酸化アルミニウムは、安価であり、難燃性付与効果が大きくさらに好ましい。
無機水酸化物は、難燃性を付与するために一般にハロゲン系難燃剤などに比べて多くの添加量を必要とすることから、電磁波吸収特性や機械的物性などへの影響が懸念されているが、本発明の電磁波吸収体では、既存の磁性損失型吸収体と比較してその影響を小さく抑えることができる。
すなわち、水酸化アルミニウムは、一般に粒経が小さい方が大きな難燃効果を発揮するが、有機結合剤への均一な混合が困難になり、例えば、シート状成形体を作製した場合には表面の荒れや厚み斑などの問題が生じやすく、平均粒経1〜30μm程度のものが好ましい。
また、平均粒経0.1〜1μmの微粉と平均粒経5〜10μmの粗粉の水酸化アルミニウム粉を併用することにより、混合を容易にし、かつ少ない添加量で効果的に難燃性を付与することができる。
無機水酸化物は、難燃性を付与するために一般にハロゲン系難燃剤などに比べて多くの添加量を必要とすることから、電磁波吸収特性や機械的物性などへの影響が懸念されているが、本発明の電磁波吸収体では、既存の磁性損失型吸収体と比較してその影響を小さく抑えることができる。
すなわち、水酸化アルミニウムは、一般に粒経が小さい方が大きな難燃効果を発揮するが、有機結合剤への均一な混合が困難になり、例えば、シート状成形体を作製した場合には表面の荒れや厚み斑などの問題が生じやすく、平均粒経1〜30μm程度のものが好ましい。
また、平均粒経0.1〜1μmの微粉と平均粒経5〜10μmの粗粉の水酸化アルミニウム粉を併用することにより、混合を容易にし、かつ少ない添加量で効果的に難燃性を付与することができる。
本発明に使用するリン化合物としては、特に限定されるものではないが、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェートなどの各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類などが挙げられる。中でも赤リンが好ましい。赤リンは少量の添加で難燃性が向上するが、耐湿性、発火しない安全性の点で添加量は少なく、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたものが好ましい。
さらに、本発明では、無機水酸化物にリン化合物を併用することにより、少量の添加量で難燃性を向上させることができる。
本発明で使用される有機結合剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリベンズオキサゾール樹脂、ポリベンズチアゾール樹脂、ポリピラゾール樹脂、ポリキノキサリン樹脂、ポリキナゾリンジオン樹脂、ポリベンズオキサジエン樹脂、ポリインドロン樹脂、ポリキナゾロン樹脂、ポリインドキシル樹脂、シリコン樹脂、シリコンーエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フッ素樹脂、TPX樹脂(メチルペンテンポリマー「三井石油化学社製商品名」)、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、66−ナイロン及びMXD−ナイロン、アモルファスナイロン等のポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタラート及びポリエチレンテレフタラート等のポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴムースチレン樹脂などの他、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ポリエステルエラストマー、ポリブタジエン、クロロプレン、天然ゴム、ポリイソプレン等のエラストマー類、及びこれらに必要に応じ、硬化剤、硬化促進剤、触媒、加硫剤、滑剤、離型剤、安定剤、光安定剤、着色剤、カップリング剤などを添加したものである。
これらの樹脂の中でも、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などは、耐熱性が高く、しかも取り扱いが比較的容易であり、ドクターブレード法、ロール成形法、押出成形法、射出成形法、プレス成形法など、従来公知の成形方法や加工方法を適宜組み合わせて使用することができるため、好ましい。
有機結合剤と、カーボン粉末と、難燃剤との混合は、少量の場合は手混合も可能であるが、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、ボールミル、ミキシングロールなどの一般的な混合機を使用することができる。
本発明の電磁波吸収体の形状は、特に限定されるものではないが、シート形状などの薄型成形体が主であり、その加工方法としては従来公知の方法、例えばドクターブレード法、押出成形法、ロール成形法、射出成形法、プレス成形法などの各種成形法を使用することができる。
本発明の電磁波吸収体は、単層において十分な電磁波吸収性能を有し、また難燃剤添加による強度低下が比較的小さいため単層でも強度を得る事が可能であるが、シートの電子機器への実装時における作業性を改善するため、必要に応じてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド等の高耐靭性薄膜シートと複合化する。
複合化の方法としては、前記高耐靭性薄膜シート上に有機結合剤とカーボン粉末と難燃剤とを溶媒中に溶解させた塗料をドクターブレード等にて塗布し、溶媒を揮発させることにより製膜することが可能である。
また、予め作成した有機結合剤とカーボン粉末と難燃剤からなるシート状の電磁波吸収体に粘着剤を介して前記の高耐靭性薄膜シートを積層することが可能である。
また、予め作成した有機結合剤とカーボン粉末と難燃剤からなるシート状の電磁波吸収体に粘着剤を介して前記の高耐靭性薄膜シートを積層することが可能である。
シート状の電磁波吸収体は、電子機器への実装を考慮しそのいずれか一方の面に粘着層を設けてもよい。また、高耐靭性薄膜シートと複合化したものについても同様である。前記粘着層は粘着剤のみからなるもの、及び基材を有するものであってもよい。
本発明におけるシート形状の電磁波吸収層と高耐靭性薄膜シートや粘着層との積層には、ラミネート法など任意の公知手法が用いられる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。
(実施例1、2、3、4、5、6、7、8)
アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積20、50、110m2/g)又はホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)と、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒径8μm)及び/又は赤リン(日本化学工業社製ヒシガード)とを、有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるようにアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L、樹脂分100%)100部のトルエン溶液(アクリルゴムとトルエンの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合しスラリーを作製した。
なお、表中のカーボン粉末含有量(vol%)、磁性粉含有量(vol%)は、有機結合剤(樹脂分)に対する割合を表している。
アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積20、50、110m2/g)又はホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)と、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒径8μm)及び/又は赤リン(日本化学工業社製ヒシガード)とを、有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるようにアクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L、樹脂分100%)100部のトルエン溶液(アクリルゴムとトルエンの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合しスラリーを作製した。
なお、表中のカーボン粉末含有量(vol%)、磁性粉含有量(vol%)は、有機結合剤(樹脂分)に対する割合を表している。
ついで、このスラリーからドクターブレード法を用いて、厚さ10μmのPET基材上に厚さ50μmのシート状電磁波吸収体を作製した。
なお、使用したホウ素固溶アセチレンブラックのホウ素固溶量については、以下に従って測定した全ホウ素量から可溶ホウ素量を差し引くことによって求めた。全ホウ素量は、カーボン粉末0.5gを白金皿に取り、1.5%の水酸化カルシウム水溶液20mlとアセトン5mlを加え、1時間超音波分散させた後、乾固し、酸素気流中800℃で3時間かけて灰化し、その後塩酸中に加熱溶出させ、ICP−AESでホウ素を定量することにより測定した。
また、比表面積は窒素ガス吸着によるBET式1点法にて測定した。
また、比表面積は窒素ガス吸着によるBET式1点法にて測定した。
得られたシート状成形体の表面状態を下記の基準で三段階に評価した。
○:シートの表面が平滑であり厚さ斑がない
△:シートに局所的な厚さ斑があるがシートに割れ等は無く実用上問題は無い
×:シートの厚さ斑が激しく割れがあり、使用上の問題があるもの
○:シートの表面が平滑であり厚さ斑がない
△:シートに局所的な厚さ斑があるがシートに割れ等は無く実用上問題は無い
×:シートの厚さ斑が激しく割れがあり、使用上の問題があるもの
得られた電磁波吸収体について電磁波ネットワークアナライザ(8517D、アジレントテクノロジー社製)を使用して、0.1〜3GHzの周波数に対し電磁波吸収特性を測定した。電磁波吸収特性は、マイクロストリップライン法を用いて、ライン上の電磁波の吸収測定結果(S21)より評価した。その結果を表1に示す。
また、得られた電磁波吸収体の難燃性を評価した。難燃性の評価はUL−94規格に従って行った。その結果を表1に示す。
なお、難燃性はVTM−O>VTM−1>VTM−2の順に高い。
なお、難燃性はVTM−O>VTM−1>VTM−2の順に高い。
さらに、得られた電磁波吸収体の引張り強度をPET基材から剥がして測定した。その結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜8のシートの表面状態は良好であり、難燃性、引張り強度共に良好であることが判る。
また、伝送損失(S21)は低いほど良いとされるが、表1に示されているように実施例1〜8の電磁波吸収体は、磁性粉を使用した比較例1の電磁波吸収体と比べ良好であることが判る。
また、伝送損失(S21)は低いほど良いとされるが、表1に示されているように実施例1〜8の電磁波吸収体は、磁性粉を使用した比較例1の電磁波吸収体と比べ良好であることが判る。
(実施例9)
ホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)と、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒径8μm)とを有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるように、アクリルエマルジョン(高圧ガス化学社製FX851、樹脂分55%)100部、分散剤(サンノプコ製SNディスパーサント2060)2部及び消泡剤(サンノプコ社製SNデフォーマー314)0.2部からなる液状マトリックスに添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。
さらに、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製し、得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に電磁波吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果を表1に示す。
ホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)と、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒径8μm)とを有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるように、アクリルエマルジョン(高圧ガス化学社製FX851、樹脂分55%)100部、分散剤(サンノプコ製SNディスパーサント2060)2部及び消泡剤(サンノプコ社製SNデフォーマー314)0.2部からなる液状マトリックスに添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。
さらに、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製し、得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に電磁波吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果を表1に示す。
表1より、実施例9の電磁波吸収体は、電磁波吸収特性、難燃性、引張り強度共に良好であることが判る。
(実施例10、11)
アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)又はホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業製、比表面積50m2/g)と、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒径8μm)とを有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるように、アクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L、樹脂分100%)100部のトルエン/IPA混合溶液(アクリルゴムとトルエン/IPAの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。
さらに、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製し、得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に電磁波吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果を表1に示す。
アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)又はホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業製、比表面積50m2/g)と、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−32、平均粒径8μm)とを有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるように、アクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L、樹脂分100%)100部のトルエン/IPA混合溶液(アクリルゴムとトルエン/IPAの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。
さらに、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製し、得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に電磁波吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果を表1に示す。
表1より、実施例10、11の電磁波吸収体は、電磁波吸収特性、難燃性、引張り強度共に良好であることが判る。
(実施例12、13、14)
ホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)と、平均粒径の異なる各種水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−42;平均粒経1μm、ハイジライトH−21;平均粒経30μm、ハイジライトH−43;平均粒経0.6μm)とを、有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるように、アクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L、樹脂分100%)100部のトルエン/IPA混合溶液(アクリルゴムとトルエン/IPAの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。
さらに、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製し、得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果を表1に示す。
ホウ素固溶アセチレンブラック(電気化学工業社製、比表面積50m2/g)と、平均粒径の異なる各種水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−42;平均粒経1μm、ハイジライトH−21;平均粒経30μm、ハイジライトH−43;平均粒経0.6μm)とを、有機結合剤の樹脂分に対して表1に示す割合となるように、アクリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol AR53L、樹脂分100%)100部のトルエン/IPA混合溶液(アクリルゴムとトルエン/IPAの配合は表1の通り)に添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。
さらに、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製し、得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果を表1に示す。
表1より、実施例12、13、14の電磁波吸収体は、電磁波吸収特性、難燃性、引張り強度共に良好であることが判る。難燃剤として粒度の異なる水酸化アルミニウムを混合した実施例14は、諸物性が特に良好な値を示している。
(比較例1)
アセチレンブラック粉あるいはホウ素固溶アセチレンブラック粉の代わりに、金属軟磁性粉末(ジェムコ社製JEM−S)を表1に示す割合で配合し、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製した。
得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に電磁波吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果を表1に示す。
表1より、難燃剤の添加によりVTM−1相当の難燃性が得られているが、電磁波吸収特性及び引張り強度は低いものであった。
アセチレンブラック粉あるいはホウ素固溶アセチレンブラック粉の代わりに、金属軟磁性粉末(ジェムコ社製JEM−S)を表1に示す割合で配合し、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製した。
得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に電磁波吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果を表1に示す。
表1より、難燃剤の添加によりVTM−1相当の難燃性が得られているが、電磁波吸収特性及び引張り強度は低いものであった。
(比較例2)
アセチレンブラック粉あるいはホウ素固溶アセチレンブラック粉の代わりに、高比表面積のカーボン粉末である黒鉛粉末(エス・イー・シー社製、SGP100)を表1に示す割合で配合し、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製したが、諸特性を評価できる均一なシートを作製できなかった(表1)。
アセチレンブラック粉あるいはホウ素固溶アセチレンブラック粉の代わりに、高比表面積のカーボン粉末である黒鉛粉末(エス・イー・シー社製、SGP100)を表1に示す割合で配合し、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製したが、諸特性を評価できる均一なシートを作製できなかった(表1)。
(比較例3)
アセチレンブラック粉あるいはホウ素固溶アセチレンブラック粉の代わりに、高比表面積のカーボン粉末であるケッチェンブラック(三菱化学社製、ケッチェンブラックEC)を表1に示す割合で配合し、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製したが、スラリーへの均一混合が困難で、諸特性を評価できるシートを作製できなかった(表1)。
アセチレンブラック粉あるいはホウ素固溶アセチレンブラック粉の代わりに、高比表面積のカーボン粉末であるケッチェンブラック(三菱化学社製、ケッチェンブラックEC)を表1に示す割合で配合し、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製したが、スラリーへの均一混合が困難で、諸特性を評価できるシートを作製できなかった(表1)。
(比較例4)
実施例1の水酸化アルミニウムを除いた配合とした以外は、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製した。
得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に電磁波吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果、難燃性は得られなかった(表1)。
実施例1の水酸化アルミニウムを除いた配合とした以外は、実施例1と同様にシート状電磁波吸収体を作製した。
得られた電磁波吸収体について実施例1と同様に電磁波吸収特性、難燃性及び引張り強度を評価した。その結果、難燃性は得られなかった(表1)。
本発明の電磁波吸収体は、薄型形状で電磁波吸収特性に優れ、かつ難燃性に優れており、小型の携帯機器などに適用でき、産業上非常に有用である。
Claims (3)
- 有機結合剤と、比表面積が20〜110m2/gのカーボン粉末と、難燃剤とからなり、前記難燃剤が無機水酸化物及び/又はリン化合物であることを特徴とする電磁波吸収体。
- カーボン粉末がJIS K 1469による電気抵抗率が0.1Ωcm以下であるホウ素固溶カーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波吸収体。
- 難燃剤の無機水酸化物が水酸化アルミニウム、リン化合物が赤リンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波吸収体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004221639A JP2006041344A (ja) | 2004-07-29 | 2004-07-29 | 電磁波吸収体 |
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JP2008282862A (ja) * | 2007-05-08 | 2008-11-20 | Kokoku Intech Co Ltd | 電波吸収体用組成物、電波吸収体及び電波吸収体の製造方法 |
JP2018056316A (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 日本ジッパーチュービング株式会社 | 難燃性薄型電磁波シールドガスケット |
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