JP5330436B2 - バイオガスの生物脱硫装置及びその洗浄方法 - Google Patents

バイオガスの生物脱硫装置及びその洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は硫化水素などを含む消化ガスのようなバイオガスを脱硫処理するためのバイオガスの生物脱硫装置及びその洗浄方法に関する。
下水汚泥や生ごみといった有機性廃棄物や食品工場排水などの有機性排水の処理法としてメタン発酵処理が多く適用されてきている。メタン発酵処理では、有機性排水を生物反応槽に投入し、反応槽内に充填したメタン発酵細菌群により有機物を分解し、メタンガスを主成分とするバイオガスを生成すると共に、排水中の有機物を分解除去する処理方法である。
しかしながら、排水中にたんぱく質由来の硫黄成分が含まれている場合、硫酸還元菌の作用により硫黄成分が還元されて硫化水素ガスが発生し、バイオガス中に硫化水素ガスが含まれる。この硫化水素ガスは、バイオガスを利用する際に種々の問題を引き起こすため、バイオガスから除去する必要がある。例えばバイオガス中に含まれるメタンガスをボイラーなどの燃料として使用する場合には、バイオガスを燃焼させたときにバイオガス中の硫化水素ガスが酸化されて硫黄酸化物が生成され、さらに硫黄酸化物から硫酸が生成され、機器を腐食させるおそれがあるため、硫化水素をバイオガスから除去する必要がある。
バイオガス中に含まれる硫化水素ガスを除去する方法としては、酸化鉄などの吸着剤を用いて硫化水素を吸着除去する乾式脱硫方法や、アルカリなどを用いた水溶液に吸収除去する湿式脱硫方法が利用されている。しかし、これらの方法は、吸着のために吸着剤などの薬品が必要であることと、吸着後の吸着剤が廃棄物になることから、ランニングコストが高騰する。
そこで、低ランニングコストで脱硫を行うシステムとして例えば特許文献1が提案されている。しかし、この脱硫技術においては、充填材層下部や充填材層の支持部に増殖した生物膜や除去された硫化水素が酸化して生成する単体硫黄などの生成物により充填材層中の流路(間隙)が閉塞しやすいといった問題がある。それを解決する手段として例えば特許文献2や特許文献3が提案されている。
特開平2−26615号公報 特許第3750648号公報 特開2002−79037号公報
析出した硫黄や増殖した硫黄酸化細菌により充填材層が閉塞した際には、充填材層の洗浄が行われる。その手順としては、反応塔に流入するバイオガスラインと処理ガスが排出されるガスラインを閉め、反応塔上部に設置された排気弁を開けて充填材層の高さ以上まで水を張り、空気にて充填材層に曝気することで充填材を流動させて洗浄を行った後、内部の水の排出を行い、反応塔に流入するバイオガスラインを開けてバイオガスにて反応塔内のガス置換を行った後に排気弁を閉め、処理ガスが排出されるガスラインを開けることにより洗浄操作が終了する。この洗浄期間中はバイオガスの脱硫処理を行うことができないため、乾式脱硫などのバックアップ設備が必要となる。
また、反応塔内を置換するためには、脱硫されていない未処理のバイオガスを系外に排出することになり、周辺環境に臭気などの問題が発生するとともに、バイオガス中に含まれるメタンによる引火などの危険性がある。
また、反応塔内のバイオガスによる置換が不十分な場合には、後段に設置された乾式脱硫に酸素が混入するため、乾式脱硫において酸化鉄と硫化水素との反応により発熱を生じるという問題も生じる。
本発明は上記の課題を解決するものであり、生成した硫黄などにより充填材層が閉塞した際にも、バイオガスを通気しながら、かつ空気の混入が無い充填材層の洗浄を行なうバイオガスの生物脱硫装置及びその洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明に係るバイオガスの生物脱硫装置は、有機物のメタン発酵処理で発生するバイオガスを供給するバイオガス供給源5と、前記バイオガスに含まれる硫黄分を微生物反応により分解する微生物を保持する充填材層3を含む液相部22を有し、前記液相部の上方に気相部21を有する反応塔2と、少なくとも前記充填材層3の一部が浸漬状態となるように前記反応塔2内に水を供給する給水手段4,L4,6,11と、前記バイオガス供給源から前記反応塔の気相部までの間に設けられ、脱硫処理前のバイオガスを前記気相部に導入する上部バイオガス導入ラインL2と、前記バイオガス供給源から前記充填材層よりも下方の前記液相部までの間に設けられ、脱硫処理前のバイオガスを前記液相部の水中に吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動により前記充填材層の洗浄を行わせる下部バイオガス導入ラインL3と、を有することを特徴とする。
本発明に係る生物脱硫装置の洗浄方法は、有機物のメタン発酵処理で発生するバイオガスを反応塔内に導入し、前記反応塔内に設けられた充填材層にバイオガスを通過させ、該バイオガスに含まれる硫黄分を充填材に吸着させ、前記充填材に保持された微生物の微生物反応により硫黄分を分離した後に、脱硫処理前のバイオガスを前記反応塔内の液相部に導入し、バイオガスの曝気流動によって前記充填材層の洗浄を行うことを特徴とする。
本発明の第1の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置を示す構成ブロック図。 第2の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置を示す構成ブロック図。 第3の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置を示す構成ブロック図。
以下に本発明の種々の好ましい実施の形態を説明する。
(1)本実施形態のバイオガスの生物脱硫装置は、有機物のメタン発酵処理で発生するバイオガスを供給するバイオガス供給源と、前記バイオガスに含まれる硫化水素を微生物反応により分解する微生物を保持する充填材層を含む液相部を有し、前記液相部の上方に気相部を有する反応塔と、少なくとも前記充填材層の一部が浸漬状態となるように前記反応塔内に水を供給する給水手段と、前記バイオガス供給源から前記反応塔の気相部までの間に設けられ、脱硫処理前のバイオガスを前記気相部に導入する上部バイオガス導入ラインと、前記バイオガス供給源から前記充填材層よりも下方の前記液相部までの間に設けられ、脱硫処理前のバイオガスを前記液相部の水中に吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動により前記充填材層の洗浄を行わせる下部バイオガス導入ラインと、を有することを特徴とする。
バイオガスに含まれる硫黄分は、環境中において以下に示すようにその状態が様々に変遷して種々の形態をとる。これらのうち特に固体状態の硫黄(S)が系内で発生すると、種々の不都合を生じる。具体的には充填材の表面に固体の硫黄(S)が析出し、析出硫黄により充填材層に目詰まりを生じ、水の流動が阻害されて脱硫の処理効率が低下する。
H2S(気体)→ HS(液体)→ S2-(液体)→ S(固体)→ SO(液体)→ SO4(液体)
そこで、本実施形態の装置では、充填材層よりも下方の液相部に下部バイオガス導入ラインのガス噴出部を設置し、脱硫処理前の未処理のバイオガスを液相部の水中に吹き込み、その直上の充填材層に対して未処理バイオガスによるガスバブリングを行う。この吹き込みバイオガスの曝気流動により、充填材の表面に析出・付着した固体硫黄が充填材から離脱する。離脱した固体硫黄は、水中を浮遊する浮遊物質(SS)となり、水とともに系外に排出される。
一方、洗浄処理に用いたバイオガスは、気相部に存在するバイオガスと合流し、非定常的な洗浄プロセスから定常的な脱硫プロセスに運転を切り替えた後に、一括して脱硫処理される。
このようにして本実施形態によれば、気相部に元から存在するバイオガスをエア等の他のガス種に置換することなく、脱硫処理プロセス中において脱硫処理装置より後段側の操作を停止することなく、洗浄処理プロセスを脱硫処理プロセスと同時並行して進行させることができるため、脱硫処理の効率を大きく低下させることなく、充填材層の目詰まりを効率よく解消することができる。
(2)上記(1)の生物脱硫装置において、前記気相部から前記液相部までの間に設けられた洗浄ラインと、前記洗浄ラインに設けられたガス送給手段と、前記充填材層よりも下方の液相部に位置するように前記洗浄ラインの端部に取り付けられた多孔管と、をさらに有し、前記給水手段の給水により前記充填材層の最上部まで水中に浸漬した状態で、かつ、前記バイオガス供給源から前記上部バイオガス導入ラインを介して前記気相部にバイオガスを導入した状態で、前記ガス送給手段により前記気相部から前記洗浄ラインを通って前記多孔管から前記液相部の水中にバイオガスを吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動により前記充填材層を洗浄することができる(図1)。
本実施形態では、給水手段からの水の供給により充填材層の最上部まで水中に浸漬する液相部を形成する一方で、上部バイオガス導入ラインを介するバイオガス供給源からの無酸素状態のバイオガスの導入によりバイオガスで満たされた気相部を形成する。次いで、この状態でガス送給手段(ブロワ)を起動させ、気相部の未処理バイオガスを洗浄ラインを介して液相部の水中に吹き込む。この吹き込みバイオガスの曝気流動により、充填材の表面に析出・付着した固体硫黄が充填材から離脱し、離脱した固体硫黄が水中を浮遊する浮遊物質(SS)となり、水とともに系外に排出される。
本実施形態によれば、上記(1)の下部バイオガス導入ラインからのガス吹き込みに加えてさらに洗浄ラインの多孔管からガスを吹き込むため、2つのガスバブリングの相乗効果によって充填材層中の曝気流動がさらに活発化し、さらに短時間の洗浄処理操作で充填材層の目詰まりが解消される。
(3)上記(1)又は(2)の装置において、前記気相部に導入されたバイオガスに水を噴霧する散水機構と、前記散水機構に水を供給するポンプを有する散水ラインと、前記反応塔の底部から前記散水ラインまでの間に設けられ、前記液相部にある水を前記散水ラインに送り、前記散水ラインと前記反応塔との間で循環させる第1の循環ラインと、をさらに有することができる(図2)。
本実施形態によれば、水は散水ライン→散水機構→反応塔上部の気相部→充填材層→反応塔底部の液相部→第1の循環ライン→ポンプ→散水ラインからなるループ回路を通って循環する間に、水/バイオガス間の接触率が増大し、充填材への硫化水素の吸着率(捕捉率)が増加して最終的には脱硫効率が向上する。
(4)上記(3)の装置において、前記ポンプの下流側で前記散水ラインから分岐し、前記充填材層よりも下方の前記液相部に連通する第2の循環ラインと、前記第2の循環ラインに空気を導入して循環水に酸素を溶解させる給気装置と、をさらに有することができる(図2)。
本実施形態によれば、水は、上記(3)の第1のループ回路に加えてさらに散水ライン→第2の循環ライン→充填材層直下の液相部→第1の循環ライン→ポンプ→散水ライン→からなる第2のループ回路を通って循環する間に、水/バイオガス間の接触率がさらに大きくなり、充填材への硫化水素の吸着率(捕捉率)が増加する。
(5)上記(1)の装置において、前記充填材層として前記反応塔内に互いに離間して多段に配置された複数の充填材層と、前記複数の充填材層の相互間スペースに連通し、前記気相部の一部を成す前記相互間スペースにバイオガスを導入する中間バイオガス導入ラインと、前記相互間スペースを含む前記気相部と最下段の充填材層を含む前記液相部とにそれぞれ連通する洗浄ラインと、前記洗浄ラインに設けられたガス供給手段と、をさらに有し、前記給水手段の給水により前記充填材層の最上部まで水中に浸漬した状態で、かつ、前記バイオガス供給源から前記中間バイオガス導入ラインを介して前記相互間スペースにバイオガスを導入した状態で、前記ガス送給手段により前記気相部から前記洗浄ラインを通って前記相互間スペースの水中にバイオガスを吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動により前記充填材層を洗浄することができる(図3)。
本実施形態では、上記(1)の下部バイオガス導入ラインからのガス吹き込みと、上記(2)の洗浄ラインの多孔管からのガス吹き込みとに加えて、さらに中間バイオガス導入ラインを介して相互間スペースにもガスを吹き込むため、上段の充填材層中の曝気流動がさらに活発化し、最下段の充填材層と同様に短時間の洗浄処理操作で上段の充填材層の目詰まりを解消することができる。
(6)本実施形態の生物脱硫装置の洗浄方法は、(a)バイオガスに含まれる硫黄分を微生物反応により分解する微生物を保持した充填材層を反応塔の内部に設け、前記充填材層の少なくとも一部が水中に浸漬されるように前記反応塔の内部に水を供給し、水中に没する液相部と水中に没しない気相部とを前記反応塔内に形成した状態で、有機物のメタン発酵処理で発生するバイオガスを前記気相部に導入し、(b)前記充填材層にバイオガスを通過させ、該バイオガスに含まれる硫黄分を前記充填材層の充填材に吸着させ、前記充填材に保持された微生物の微生物反応により硫黄分を分離し、(c)脱硫処理前のバイオガスを前記液相部に導入し、バイオガスの曝気流動によって前記充填材層の洗浄を行うことを特徴とする。
本実施形態の方法では、脱硫処理前のバイオガス(未処理バイオガス)を充填材層よりも下方の液相部の水中に吹き込み、その直上の充填材層に対して未処理バイオガスによるガスバブリングを行う。この吹き込みバイオガスの曝気流動により、充填材の表面に析出・付着した固体硫黄が充填材から離脱する。離脱した固体硫黄は、水中を浮遊する浮遊物質(SS)となり、水とともに系外に排出される。
一方、洗浄処理に用いたバイオガスは、気相部に存在するバイオガスと合流し、非定常的な洗浄プロセスから定常的な脱硫プロセスに運転を切り替えた後に、一括して脱硫処理される。
このようにして本実施形態によれば、気相部に元から存在するバイオガスをエア等の他のガス種に置換することなく、脱硫処理プロセス中において脱硫処理装置より後段側の操作を停止することなく、洗浄処理プロセスを脱硫処理プロセスと同時並行して進行させることができるため、脱硫処理の効率を大きく低下させることなく、充填材層の目詰まりを効率よく解消することができる。
(7)上記(6)の方法において、前記工程(a)では、前記充填材層の下方に前記気相部に連通する多孔管を設置し、前記充填材層の最上部が水中に没するように前記反応塔内に給水し、前記充填材層が浸漬した状態とし、前記工程(c)では、前記気相部から前記液相部の水中にバイオガスを吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動により前記充填材層を洗浄することができる。
本実施形態によれば、上記(6)の下部バイオガス導入ラインからのガス吹き込みに加えてさらに洗浄ラインの多孔管からガスを吹き込むため、2つのガスバブリングの相乗効果によって充填材層中の曝気流動がさらに活発化し、さらに短時間の洗浄処理操作で充填材層の目詰まりを解消することができる。
(8)上記(6)の方法において、前記工程(c)では、前記気相部に導入されたバイオガスに対して散水機構により水を噴霧する一方で、前記液相部にある水を前記散水機構に送り、前記散水機構と前記反応塔との間で水を循環させることができる。
本実施形態によれば、水は散水ライン→散水機構→反応塔上部の気相部→充填材層→反応塔底部の液相部→第1の循環ライン→ポンプ→散水ラインからなるループ回路を通って循環する間に、水/バイオガス間の接触率が増大し、充填材への硫化水素の吸着率(捕捉率)が増加して最終的には脱硫効率が向上する。
(9)上記(6)の方法において、前記工程(a)では、前記散水機構の散水ラインから分岐する循環ラインを設けるとともに、前記循環ラインに空気を導入する空気供給装置を設け、前記工程(c)では、前記循環ラインを介して前記充填材層よりも下方の前記液相部に水を送り、該液相部と前記散水機構との間で水を循環させ、前記空気供給装置により前記循環ライン内に空気を導入して循環水に酸素を溶解させることができる。
本実施形態によれば、水は、上記(8)の第1のループ回路に加えてさらに散水ライン→第2の循環ライン→充填材層直下の液相部→第1の循環ライン→ポンプ→散水ライン→からなる第2のループ回路を通って循環する間に、水/バイオガス間の接触率がさらに大きくなり、充填材への硫化水素の吸着率(捕捉率)が増加する。
(10)上記(6)の方法において、前記工程(a)では、前記充填材層として前記反応塔内に互いに離間して多段に配置された複数の充填材層と、前記複数の充填材層の相互間スペースに連通し、前記気相部の一部を成す前記相互間スペースにバイオガスを導入する中間バイオガス導入ラインと、前記相互間スペースを含む前記気相部と最下段の充填材層を含む前記液相部とにそれぞれ連通する洗浄ラインと、前記洗浄ラインに設けられたガス供給手段と、前記充填材層の下方に前記気相部に連通する多孔管と、をそれぞれ設け、前記充填材層の最上部が水中に没するように前記反応塔内に給水し、前記充填材層が浸漬した状態とし、前記工程(c)では、前記ガス送給手段により前記気相部から前記洗浄ラインを通って前記相互間スペースの水中にバイオガスを吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動により前記充填材層を洗浄することができる。
本実施形態では、上記(6)のバイオガス吹き込みと、上記(7)の洗浄ラインの多孔管からのガス吹き込みとに加えて、さらに中間バイオガス導入ラインを介して相互間スペースにもガスを吹き込むため、上段の充填材層中の曝気流動がさらに活発化し、最下段の充填材層と同様に短時間の洗浄処理操作で上段の充填材層の目詰まりを解消することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の種々の実施の形態をそれぞれ説明する。
(第1の実施形態)
図1を参照して第1の実施形態の装置を説明する。
本実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置1は、円筒状または角筒状の反応塔2と、微生物を担持する充填材が充填された充填材層3と、この充填材層3の微生物に水分を供給するための散水機構4,6,11と、反応塔2内の適所にバイオガスを供給するための複数のガス導入ラインL2,L3に接続されたバイオガス供給源5と、充填材層3を洗浄処理するための洗浄機構8,9,L2,V1とを備えている。
充填材層3は、反応塔2内のほぼ中央位置に配置されている。反応塔2の内部には水が貯留され、上部の気相部21と下部の液相部22とに分かれている。水は、充填材層3の最上部が冠水するところまで、すなわち充填材層3の全部が浸漬するところまで貯留されている。
充填材層3には微生物を担持する担体となる充填材が層状に充填されている。充填材層3において、充填材は、水およびガスが容易に通流できる十分な間隙が形成されるように充填されている。また、充填材は、反応塔2から流出しないように、比重が1よりも大きく、サポート部材により支持・固定されている。サポート部材として多孔板、スクリーンあるいはネットを用いることができる。充填材は、表面に微生物が付着しやすく、微生物を担持するのに適した材質、形状、大きさに形成されている。充填材の材料として、ポリプロピレンやポリエチレンのようなプラスチック材料、あるいはセラミック材料や耐食性金属材料を用いることができる。また、充填材の形状は、球状、円筒状、ひも状、ハニカム状など種々の形状とすることができる。また、充填材の大きさは、反応塔から容易に流出しないような大きさ、例えば直径1cmから5cm程度とすることができる。
充填材に担持される微生物は、バイオガスに含まれる硫化水素との間で反応を生じて硫化水素を分解し、分解した硫黄分を吸着して捕捉する活性を有している。このような微生物として硫黄酸化菌を用いることができる。
反応塔2には、複数のガス導入ラインL2,L3と単一のガス排出ラインL5がそれぞれ接続されている。これら複数のガス導入ラインL2,L3は切替バルブV1を介してバイオガス供給源5のガス供給ラインL1にそれぞれ連通している。一方のガス導入ラインL2は、充填材層3の下方スペース(液相部22)にバイオガスが導入されるように反応塔2の下部に連通している。他方のガス導入ラインL3は、充填材層3の上方スペース(気相部21)にバイオガスが導入されるように反応塔2の上部に連通している。
散水機構は、ラインL11,L4,L41によって直列に接続された給水源11、三方切替弁V3、ポンプ6および散水管4を備えている。ラインL11とラインL4とが連通するように切替弁V3の流路を切り替えてポンプ6を起動すると、給水源11→給水ラインL11→切替弁V3→送水ラインL4→ポンプ6→散水ラインL41→散水管4の順に水が供給されるようになっている。散水管4は気相部21の上部に配置された多孔管からなり、多数の孔から水を散布して気相部21内のバイオガスと水とが気液接触し、バイオガス中に含まれる硫化水素が水滴とともに液相部22に移行し、充填材層3において充填材に担持された微生物に硫化水素が接触して脱硫反応を生じるようになっている。なお、給水源11は図示しないポンプを内蔵しており、この内蔵ポンプの駆動により反応塔2内への最初の水張りを行うことができるようになっている。
排出ラインL5が反応塔2の最上部に接続され、脱硫処理後のバイオガスが気相部21から排出ラインL5を通って処理ガス貯蔵装置7に排出されるようになっている。処理ガス貯蔵装置7は、図示しないガス供給ラインにより図示しないガスボイラに接続され、脱硫処理されたバイオガスを燃料としてガスボイラに送るようになっている。
洗浄機構は、洗浄ラインL6、昇圧ブロワ8およびガス吹込み管9を備えている。洗浄ラインL6は気相部21から液相部22までの間に設けられ、液相部側の端部がガス吹込み管9に接続されている。ガス吹込み管9は、多数の孔を有する多孔管からなり、充填材層3の直下にほぼ水平に配置されている。昇圧ブロワ8は、洗浄ラインL6の適所に取り付けられ、気相部21からのバイオガスを昇圧してガス吹込み管9に送り、ガス吹込み管9から液相部22の水中にバイオガスを吹き込ませるようになっている。
バイオガス供給源5は、有機性廃棄物や有機性排水をメタン発酵処理して得たバイオガスを無酸素状態で一時的に貯蔵しておく圧力容器を備え、バルブV1の開閉に応じて反応塔2にバイオガスを供給するための設備である。メタン発酵処理は嫌気性のクローズドプロセスであるため、バイオガス供給源5の圧力容器のなかは陽圧に保たれており、バルブV1を開くだけの操作でバイオガスが供給源5から反応塔2に向けて送り出されるようになっている。
バルブV1は3つのラインL1,L2,L3に接続された三方切替弁である。三方切替弁V1の上流側の流路はバイオガス供給ラインL1に接続されている。三方切替弁の下流側の流路は2つに分岐し、一方の分岐流路が上部バイオガス導入ラインL2に接続され、他方の分岐流路が下部バイオガス導入ラインL3に接続されている。定常運転時にはバイオガスの脱硫処理のために一方の分岐流路のほうを開けて上部バイオガス導入ラインL2を介して気相部21に無酸素状態のバイオガスが導入されるようになっている。一方、洗浄運転時には充填材層3の洗浄処理のために他方の分岐流路のほうを開けて下部バイオガス導入ラインL3を介して液相部22に無酸素状態のバイオガスが導入されるようになっている。
循環ラインL43が反応塔の液相部22の下部から三方切替弁V3までの間に設けられている。これにより反応塔2(液相部22)→ラインL43→切替弁V3→ラインL4→ポンプ6→ラインL41→散水管4→反応塔2(気相部21)→充填材層3→反応塔2(液相部22)からなる循環回路が形成されている。三方切替弁V3の流路を給水ラインL11から循環ラインL43に切り替えてポンプ6を起動すると、水が液相部22から上述の循環回路を経由して液相部22に返戻されるようになっている。
本実施形態の作用を説明する。
切替弁V3の流路を切り替えて給水ラインL11を循環ラインL43に連通させた後に、給水源11の内蔵ポンプを起動し、給水源11→給水ラインL11→切替弁V3→ラインL44の順に水を通流させて反応塔2の内部に水を供給し、充填材層3が完全に浸漬される水位まで給水し、所望の液相部22を形成する。
次いで、切替弁V1を切り替えてガス供給ラインL1を上部バイオガス導入ラインL2に連通させ、バイオガス供給源5から無酸素状態のバイオガスを気相部21に導入し、気相部21の内部雰囲気をバイオガスに置換し、所望の気相部21を形成する。
次いで、切替弁V3の流路を切り替えて循環ラインL43を送水ラインL4に連通させた後に、ポンプ6を起動し、液相部22→循環ラインL43→切替弁V3→送水ラインL4→ポンプ6→散水ラインL41→散水管4→気相部21→充填材層3→液相部22からなる循環回路に水を循環させる。これにより散水管4の多数の孔から水が散布され、気相部21内で散布された水とバイオガスとが気液接触し、バイオガス中に含まれる硫化水素が水滴中に溶解し、水滴とともに気相部21から液相部22に移行する。そして、充填材層3において、硫化水素を溶解した水が充填材に担持された微生物と接触し、微生物反応により硫化水素が酸化処理され、酸化処理されなかった一部の硫黄分が固体硫黄(S)となり、これが充填材の表面に付着する。これにより硫黄分が捕捉・除去される。脱硫処理されたバイオガスは、気相部21から排出ラインL5を通って処理ガス貯蔵装置7に送り出され、処理ガス貯蔵装置7で一時貯蔵された後にガスボイラの燃料に使用される。
ところで、酸化処理された硫化水素はすべてが硫酸にまで酸化されるのではなく、その一部が単体硫黄(固体)として充填材表面に析出する。析出した硫黄により充填材の隙間にある空間が閉塞し、硫化水素ガスの除去性能の低下と、反応塔の圧力損失が上昇する。すなわち、脱硫処理を繰り返し行うと、充填材に単体硫黄(固体)が付着し堆積することにより、充填材の相互間隙が狭くなり、充填材層3内において所謂目詰まりを生じるようになる。充填材層3に目詰まりを生じると、循環ポンプ6の負荷が増加するとともに、充填材層3における微生物/硫化水素間の接触効率が低下するので、脱硫処理の効率が大幅に低下する。このような充填材層3の目詰まりを解消することを目的として、以下に述べる洗浄処理を行い、充填材の表面に付着堆積した単体硫黄を除去する。
洗浄処理は次のようにして行う。
給水源11からの給水により充填材層3の最上部まで水中に浸漬した状態で、かつ、バイオガス供給源5から上部バイオガス導入ラインL2を介して気相部21にバイオガスを導入した状態で、ガス送給手段としてのブロワ8により気相部21から洗浄ラインL6を通ってガス吹込み管9から液相部22の水中にバイオガスを吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動(ガスバブリング)により充填材層3の充填材を洗浄する。
さらに、切替弁V1の流路を切り替えてガス供給ラインL1を下部バイオガス導入ラインL3に連通させ、ガス供給源5からのバイオガスを液相部22の下部(充填材層3よりも下方のスペース)に導入する。この下部バイオガス導入ラインL3から液相部22に導入されるバイオガス量は、洗浄機構のガス吹込み管9から液相部22に吹き込まれるバイオガス量よりも大きくすることができる。下部バイオガス導入ラインL3からの導入ガスとガス吹込み管9からの吹込みガスとの相乗効果により、充填材層3の洗浄効率が飛躍的に向上する。
本実施形態によれば、吹き込む気体にバイオガスを使用することにより、反応塔2内に過剰な空気や酸素を供給することを防止できるため、後段に設置された乾式脱硫への酸素の流入による発熱や、バイオガスの利用設備のメタンガス濃度の低下による不具合を防止することができる。
また、本実施形態によれば、上部バイオガス導入ラインL2を介して反応塔上部の気相部21にバイオガスを導入し、導入したバイオガスをガスブロワ8を有する洗浄ラインL6を介して反応塔下部の液相部22に吹き込み、反応塔内部のガスを循環使用して洗浄を行うことにより、バイオガス中の硫化水素の一部が反応塔内部に貯留された水に溶解・除去することが可能となる。この作用により、バイオガスに含まれる硫化水素の除去を行いながら、充填材の洗浄を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、バイオガスにて洗浄を行う際に、循環ポンプ6を介して散水管4から散水を同時に行うことにより、充填材層3内に下降流を生じさせることにより、生成物が剥離しやすくなり洗浄を効率的に行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、単体硫黄などの蓄積により充填材層が閉塞した際に、反応塔2に過剰な酸素を供給することなく、充填材の洗浄を効率的に行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、図2を参照して第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態が上述した実施形態と重複する部分の説明は省略する。
本実施形態の生物脱硫装置1Aは、給気装置10、第2の循環ラインL42および切替弁V4をさらに有している。給気装置10は、ポンプ6から切替弁V4までの間の送水ラインL4に設けられ、送水ラインL4を通流する循環水に空気を導入するものである。この給気装置10からの空気導入により循環水中に酸素が溶解され、硫化水素が硫黄酸化細菌の作用により酸化されて単体硫黄(固体)となり、バイオガスから除去されるようになっている。
第2の循環ラインL42は、ポンプ6の下流側の切替弁V4のところで散水ラインL41から分岐し、充填材層3よりも下方の液相部22(充填材層3の直下が好ましい)に連通している。この第2の循環ラインL42を通って循環水の一部を反応塔2の下部に導入することができるようになっている。
本実施形態の作用を説明する。
反応塔2内の貯留水をポンプ6の駆動により散水管4から散水させる際に、給気装置10により循環水に空気を導入し、循環水中に酸素を溶解させる。反応塔上部の気相部21に導入されたバイオガスは、洗浄ラインとしてのバイオガス循環ラインL6を通流する間に昇圧ブロア8により昇圧され、吹込み管9から反応塔下部の液相部22の水中に吹き込まれる。この吹込みガスにより充填材層3の充填材が曝気流動(ガスバブリング)される。その際、バイオガス中に含まれる硫化水素は、反応塔下部に貯留された洗浄水に吸収される。給気装置10により酸素を水に溶解させた状態で供給することにより、溶解した硫化水素が溶液内に存在する硫黄酸化細菌の作用により酸化されて単体硫黄(固体)となるためにバイオガスから除去することが可能となる。
本実施形態によれば、単体硫黄が析出して充填材層が閉塞した際にもバイオガスの脱硫処理を行いながら、充填材層の洗浄を行うことが可能となる。
本実施形態の給気装置10では、酸素を溶解させた状態で反応塔2に供給するため、処理されたバイオガスに酸素が混入することを防止でき、後段に設置した乾式脱硫装置などに悪影響を与えないで、充填材層の洗浄を効率よく行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図3を参照して第3の実施形態を説明する。なお、本実施形態が上述した実施形態と重複する部分の説明は省略する。
本実施形態の生物脱硫装置1Bは、反応塔内に複数の充填材層、すなわち上下2段の充填材層31,32を有している。上部充填材層31と下部充填材層32とは互いに離間して配置されている。上部充填材層31と下部充填材層32との間のスペースには中間バイオガス導入ラインL22が接続され、この中間バイオガス導入ラインL22を介して該中間スペースに脱硫処理前のバイオガス(無酸素状態のバイオガス)が導入されるようになっている。すなわち、中間バイオガス導入ラインL22は、切替弁V2のところで上部バイオガス導入ラインL2から分岐した2つの分岐ラインのうちの1つである。他方の分岐ラインは上部バイオガス導入ラインL21として気相部21の上部、すなわち上部充填材層31よりも上方の散水スペースに連通している。
洗浄機構は、バイオガス循環ラインとしての洗浄ラインL6、昇圧ブロワ8およびガス吹込み管9を備えている。洗浄ラインL6は、上部充填材層31よりも上方の気相部21から下部充填材層32よりも下方の液相部22までの間に設けられている。洗浄ラインL6の液相部側の端部はガス吹込み管9に接続されている。ガス吹込み管9は、多数の孔を有する多孔管からなり、下部充填材層32の直下にほぼ水平に配置されている。昇圧ブロワ8は、洗浄ラインL6の適所に取り付けられ、気相部21からのバイオガスを昇圧してガス吹込み管9に送り、ガス吹込み管9から液相部22の水中にバイオガスを吹き込ませるようになっている。
なお、本実施形態では、複数の充填材層として上下2段の充填材層の例を示したが、本発明はこれのみに限られるものではなく反応塔内での圧力損失が許す範囲内で充填材層をさらに3段、4段、5段、6段と増やすことが可能である。
本実施形態の作用を説明する。
切替弁V3の流路を切り替えて給水ラインL11を循環ラインL43に連通させた後に、給水源11の内蔵ポンプを起動し、給水源11→給水ラインL11→切替弁V3→ラインL44の順に水を通流させて反応塔2の内部に水を供給し、下部充填材層32が完全に浸漬される水位まで給水し、所望の液相部22を形成する。このとき上部充填材層31と下部充填材層32との間の中間スペースは、水中に没しないオープンスペース(気相部21の一部)とする。
次いで、切替弁V1を切り替えてガス供給ラインL1を上部バイオガス導入ラインL2に連通させ、バイオガス供給源5から無酸素状態のバイオガスを気相部21に導入し、気相部21の内部雰囲気をバイオガスに置換し、所望の気相部21を形成する。
次いで、切替弁V3の流路を切り替えて循環ラインL43を送水ラインL4に連通させた後に、ポンプ6を起動し、液相部22→循環ラインL43→切替弁V3→送水ラインL4→ポンプ6→散水ラインL41→散水管4→気相部21の散水スペース→上部充填材層31→中間スペース→下部充填材層32→液相部22からなる循環回路に水を循環させる。これにより散水管4の多数の孔から水が散布され、気相部21内で散布された水とバイオガスとが気液接触し、バイオガス中に含まれる硫化水素が水滴中に溶解し、水滴とともに気相部21から液相部22に移行する。そして、上下2段の充填材層31,32において、硫化水素を溶解した水が充填材に担持された微生物と接触し、微生物反応により硫化水素が酸化処理され、酸化処理されなかった一部の硫黄分が固体硫黄(S)となり、これが充填材の表面に付着する。これにより硫黄分が捕捉・除去される。
ところで、本実施形態の装置1Bは充填材層の下方からバイオガスを流入させる方式であるため、充填材の下部に蓄積する硫黄量が多くなる。ちなみに、本発明者らが行った上下2段の充填材層31,32の実証試験の結果では、単体硫黄(S)の約80%が下部充填材層32のほうに蓄積していた。これは流入する硫化水素が高濃度の状態で下段の充填材層に接触することと、上部充填材層表面に蓄積した単体硫黄が、散水により下部に落下することが原因であると考えられる。
洗浄処理は次のようにして行う。
下部充填材層32が閉塞した際に、下部充填材層32の上部まで水を張り、中間バイオガス導入ラインL32を介してバイオガスを反応塔1に流入させる。ポンプ6を介して散水管4から上部充填材層31に散水を行い、上部充填材層31にて脱硫処理を行う。一部脱硫が終わったガスをバイオガス循環ラインL6と昇圧ブロア8を介して反応塔2の下部に循環し、バブリングすることにより、下部充填材層32の洗浄を行う。
これら構成により、反応塔2に過剰な空気を投入することなく閉塞した充填材層を洗浄することが可能となり、かつ上部充填材層により脱硫処理を平行して行うことが可能となる。
本実施形態によれば、単体硫黄が析出して充填材層が閉塞した際にもバイオガスの脱硫処理を行いながら、充填材層の洗浄を行うことが可能となる。
1,1A,1B…生物脱硫装置、
2…反応塔、21…気相部、22…液相部、
3…充填材層、31…上段充填材層、32…下段充填材層、
4…散水管、5…バイオガス供給源、
6…ポンプ、7…処理ガス貯蔵装置、
8…昇圧ブロワ(ガス送給手段)、9…ガス吹込み管(多孔管)、
10…給気装置、11…給水源、
V1,V2,V3,V4…切替弁、
L1…バイオガス供給ライン、L11…給水ライン、
L2,L21…上部バイオガス導入ライン、L22…中間バイオガス導入ライン、
L3…下部バイオガス導入ライン、
L4,L41…散水ライン、L42…第2の循環ライン、L43…第1の循環ライン、
L5…排出ライン、L6…洗浄ライン(バイオガス循環ライン)。

Claims (3)

  1. 有機物のメタン発酵処理で発生するバイオガスを供給するバイオガス供給源と、
    前記バイオガスに含まれる硫黄分を微生物反応により分解する微生物を保持する充填材層を含む液相部を有し、前記液相部の上方に気相部を有する反応塔と、
    少なくとも前記充填材層の一部が浸漬状態となるように前記反応塔内に水を供給する給水手段と、
    前記バイオガス供給源から前記反応塔の気相部までの間に設けられ、脱硫処理前のバイオガスを前記気相部に導入する上部バイオガス導入ラインと、
    前記バイオガス供給源から前記充填材層よりも下方の前記液相部までの間に設けられ、脱硫処理前のバイオガスを前記液相部の水中に吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動により前記充填材層の洗浄を行わせる下部バイオガス導入ラインと、
    を有することを特徴とするバイオガスの生物脱硫装置。
  2. 前記気相部から前記液相部までの間に設けられた洗浄ラインと、前記洗浄ラインに設けられたガス送給手段と、前記充填材層よりも下方の液相部に位置するように前記洗浄ラインの端部に取り付けられた多孔管と、をさらに有し、
    前記給水手段の給水により前記充填材層の最上部まで水中に浸漬した状態で、かつ、前記バイオガス供給源から前記上部バイオガス導入ラインを介して前記気相部にバイオガスを導入した状態で、前記ガス送給手段により前記気相部から前記洗浄ラインを通って前記多孔管から前記液相部の水中にバイオガスを吹き込み、吹き込みバイオガスの曝気流動により前記充填材層を洗浄することを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記気相部に導入されたバイオガスに水を噴霧する散水機構と、
    前記散水機構に水を供給するポンプを有する散水ラインと、
    前記反応塔の底部から前記散水ラインまでの間に設けられ、前記液相部にある水を前記散水ラインに送り、前記散水ラインと前記反応塔との間で循環させる第1の循環ラインと、
    をさらに有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の装置。
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