JP2007253046A - 硫化物含有ガスの脱硫設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫化物を吸収した吸収液を循環利用する脱硫設備において、外部の空気や曝気用空気を混入させず、かつ、消化ガスの漏減なしに1台の循環ポンプで吸収液を循環させ、設備の高層化を回避すること。
【解決手段】気液接触塔2と吸収液槽としての気液接触塔3との間を、液供給路41および返送路42で接続し、硫化物を吸収したガス吸収液を送液ポンプ45で生物酸化槽3の曝気室33に還流させる。生物酸化槽3は、曝気室33から溢出した吸収液が導入される吸収液供給室31を備える。吸収液供給室31内の吸収液の液面31Fは、気液接触塔3内に設けられたスプレーノズル22の取り付け高さより高く、吸収液はそれ自身の位置エネルギーにより液供給路41を移動して気液接触塔3内に散水される。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機物をメタン発酵する際等に発生する消化ガス等の硫化物含有ガスの脱硫設備に関し、特に、硫化物含有ガスの吸収液を曝気処理して循環利用する生物脱硫設備に関する。
生物汚泥等の有機性廃棄物を処理方法の一つとして、メタンガスを含む消化ガスを生成させる嫌気性消化が行なわれている。有機物の嫌気性消化過程では、硫化水素等の硫化物、アンモニアおよび有機酸等の悪臭成分が生成される。例えば消化ガスには、エネルギーとして利用可能なメタンガス以外に、硫化水素、メチルメルカプタン、および硫化メチル等が含まれる。こうした硫化物は、ボイラー等を腐食させたり大気汚染を引き起こしたりするため、従来、消化ガス中の硫化物を除去する種々の脱硫処理が行われている。
消化ガスの脱硫処理としては、例えば水による洗浄、アルカリによる薬品洗浄等もあるが、これらの処理方法では洗浄廃液の処理が必要となる。一方、消化ガスを吸収させた吸収処理廃液(ガス吸収液)を曝気することにより、硫化物を生物的に分解させる生物脱硫法では、廃液処理の問題を回避できる。このため近年、生物脱硫法は急速に普及し、様々な改良がなされている。
例えば特許文献1には、有機性廃水が好気的に生物処理されて得られる処理液に消化ガス中の硫化物を吸収させる脱硫方法が開示されている。特許文献1に開示された方法では、吸収液としての生物処理液を満たした吸収塔の下部から消化ガスを吹き込み、消化ガスを吸収したガス吸収液を吸収塔の上部から抜き出して生物処理槽(曝気槽)に返送する。このため、特許文献1の脱硫設備では、1台の送液ポンプによって曝気槽と吸収塔との間で吸収液およびガス吸収液を循環させることができる。
また、曝気槽の上に気液接触塔を設置し、曝気槽と気液接触塔とを送液路で接続した脱硫設備も提案されている。かかる脱硫設備では、送液路の途中に設けたポンプで気液接触塔上部まで生物処理液を送って生物処理液を気液接触塔内に散水し、気液接触塔下部から供給する消化ガスと接触させる。この脱硫設備では、気液接触塔が曝気槽の上に配置されていることから、ガス吸収液を曝気槽へ移送するためのポンプは必要なく、1台の送液ポンプにより曝気槽と気液接触塔との間で液体を循環させることができる。
さらに、気液接触塔と曝気槽とを水平方向に並べて2系統の送液路で接続し、それぞれの送液路に送液ポンプを設けて気液接触塔と曝気槽との間で液体を循環させる構成とした脱硫設備も提案されている(特許文献2および特許文献3)。かかる設備では、気液接触塔と曝気槽とを垂直に積み上げないため、脱硫設備の高層化を回避できる。また、吸収液を気液接触塔上部から散水して消化ガスと接触させるため、消化ガスを昇圧して吹き込む必要もない。
特許第3413856号公報 特許第3235131号公報(※特開平5−68849の特許公報) 特開2003−62421号公報
特許文献1に開示された脱硫設備では、消化ガスを吸収液の中に供給するが、消化ガスの供給圧力が低いとガスを吸収液中に吹き込むことができなかったり、吹き込めた場合でも微細気泡化せずに気液接触効率が低くなったりする場合がある。このため、消化ガスの供給路に昇圧用のブロアを設置する必要がある。
一方、曝気槽の上に気液接触塔を設置すれば消化ガスの昇圧用ブロアは必要ないが、脱硫設備の高さが高くなる。脱硫設備の高層化を避けるために気液接触塔の高さを抑制すると気液接触塔での気液接触時間が短くなり、脱硫効果が低下する。また、曝気槽を低背化すると曝気水深が浅くなり酸素の溶解効率が悪くなるとともに、消化ガスが曝気槽側へ流出する懸念がある。
特許文献2および3に開示された脱硫設備では、設備の高層化を回避し、消化ガスの吹き込み用のブロアも必要としないが、少なくとも2台の送液ポンプを必要とする。
このように、従来の脱硫設備では、気液接触塔上部から吸収液を散水して消化ガスを脱硫する場合に、脱硫設備を高層化させることなく、送液ポンプの設置台数を1台とすることはできなかった。本発明はかかる課題を同時に解決することを目的とする。
本発明では、曝気槽から気液接触塔に吸収液を送るための吸収液供給室を曝気槽に設け、この吸収液供給室内の吸収液が有する位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)を利用することにより、上記課題を解決する。より具体的には、本発明は以下を提供する。
(1)硫化物含有ガスが導入される吸収室および該硫化物含有ガスを吸収する吸収液を該吸収室内に散水する散水手段を備える気液接触塔と、該吸収液を保持する吸収液槽と、該気液接触塔と該吸収液槽とをそれぞれ接続する液供給路および返送路を備える循環手段と、を含む硫化物含有ガスの脱硫設備であって、前記吸収液槽は、前記返送路の一端が接続され前記硫化物含有ガスを吸収したガス吸収液が導入される返送液室と、前記液供給路の一端が接続され該返送液室から溢流させた吸収液が導入される吸収液供給室と、該返送液室と該吸収液供給室とを区分する隔壁と、を備え、前記吸収液供給室内の吸収液が持つ位置エネルギーによって該吸収液が前記気液接触塔内へ導入される硫化物含有ガスの脱硫設備。
(2)前記吸収液槽は、前記返送液室として、散気手段を備え硫化物酸化菌を保持する曝気室を備える(1)に記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
(3)前記吸収液供給室内の吸収液を送り出す位置エネルギーが前記気液接触塔の背圧および前記液供給路の圧力損失を上回るように、前記吸収液供給室の外壁上端高さが、前記散水手段の取付位置より高くなるように設定されている(1)または(2)に記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
(4)前記吸収液供給室から前記吸収液を取り出す吸収液取出口は、前記散水手段より低い位置に配置されている(1)から(3)のいずれかに記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
(5)前記循環手段は、唯一の送液ポンプをさらに含み、前記送液ポンプは、前記返送路の途中に設けられる(1)から(4)のいずれかに記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
前記循環手段は、逆止弁をさらに含み、
(6)前記逆止弁は、前記返送路の途中であって前記送液ポンプの吐出側に設けられる(5)に記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
前記循環手段は、流量制御弁をさらに含み、
(7)前記流量制御弁は、前記液供給路の途中に設けられる(1)から(6)のいずれかに記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
本発明では、吸収液供給室内の吸収液が、それ自身の位置エネルギーで自然流下して気液接触塔内に散水されるように、吸収液供給室内の吸収液の液面を気液接触塔内の散水手段の取り付け高さより上に位置させる。具体的には、吸収液供給室から吸収液が散水手段の液出口に向かって移動する力が、気液接触塔の処理ガスによる背圧および吸収液供給室から散水手段出口までの配管の圧力損失より大きくなるように、吸収液供給室の外壁高さを設定する。
より具体的には、吸収液供給室の外壁高さを散水手段の液出口より300mm以上、特に500〜1000mm以上高くすることにより、吸収液供給室の液面高さを散水手段の液出口より300mm以上高くするとよい。一方で、吸収液供給室から吸収液を取り出すための吸収液取出口は、散水手段の液出口より下に位置させることが好ましい。
また、循環手段を介して循環される吸収液は、硫化物を吸収したガス吸収液が返送される吸収液槽(曝気槽)の返送液室から吸収液供給室へ溢流させるよう、返送液室と吸収液供給室とを画する隔壁高さは、吸収液供給室の外壁および返送液室外壁より低くするとよい。返送液室外壁と吸収液供給室の外壁とは、同一の高さでもよく返送液室外壁が吸収液供給室外壁より高くてもよい。
本発明によれば、吸収液槽に、気液接触塔内に散水する吸収液を収容する吸収液供給室を設け、この吸収液供給室内の吸収液液面高さを所定の高さにすることで、吸収液を気液接触塔内に自然流下させることができる。このため、気液接触塔と吸収液槽との間で吸収液を循環させるためのポンプの設置台数を削減できる。
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る硫化物含有ガスの脱硫設備1の模式図である。脱硫設備1は、気液接触塔2、吸収液槽としての生物酸化槽3、および気液接触塔2と生物酸化槽3との間で液を循環させる循環手段4を含む。図1において、気液接触塔2および生物酸化槽3は、内部構成を示すために垂直方向での断面模式図で表している。
気液接触塔2は、密閉可能な容器で構成され、内部に形成され垂直方向に長い吸収室21と、吸収室21上方に配置された散水手段としてのスプレーノズル22と、吸収室21に充填された充填材23と、吸収室21の下方に設けられた液受槽24と、を備える。気液接触塔2の壁面には、吸収室21下部に連通するガス入口25と、スプレーノズル22の上方に位置するガス出口26とが形成されている。
本実施形態において、気液接触塔2は散水手段としてのスプレーノズル22を備えるスプレー塔としているが、塔上部から散布される液体が塔下部から供給されるガスと接触できる装置であればこれに限定されない。例えば、気液接触塔2は、散水板、またはシャワーノズル等の他の散水手段を備えるスクラバー、または充填塔等であってよい。
充填材23は、気液接触効率を上げるために充填され、吸収室21の50〜100%の高さとなるように充填することが好ましいが、省略してもよい。充填材23の材質、形状、大きさは特に限定されず、多孔性焼結物、合成樹脂、コークス、およびスポンジ等の筒状または粒状物を使用できる。特に、目詰まりを防止する観点からは外寸10〜50mm程度の筒状体を好適に使用できる。図1は、プラスチック製の略円筒形の充填材23を充填している状態を示しているが、吸収室21内の充填材23は一部しか図示していない。
この例では、後述する送液ポンプ45の吸入側に生物酸化槽3内の吸収液を送る洗浄液路27が設けられている。具体的には、洗浄液路27は一端が後述する返送路42の送液ポンプ45の吸入側に、他端が送液ポンプ45の吐出側に接続されている。かかる構成により、充填材23が目詰まりした場合や定期点検を行う場合等、洗浄液路27の弁27Vを開いて吸収液を気液接触塔2に送り、気液接触塔2内に吸収液を充填して満水洗浄できる。また、液受槽24にはブロア(図示せず)が接続された散気手段24Sが設けられている。このため、気液接触塔2内を満水洗浄する際、充填材23を吸収液に浸漬させた状態で空気等を吹き込み、充填材23ごと気液接触塔2内を曝気攪拌して洗浄できる。また、生物酸化槽3内の吸収液を送液ポンプ45の吸入側に送る連絡配管(図示せず)を経て送液ポンプ45の吐出側と液受槽24とを接続する配管(図示せず)により気液接触塔2内を満水させて上記と同様に洗浄することもできる。
生物酸化槽3は、上面が開放された水槽で構成され、水槽の内部は底部に散気手段としての散気管35を備える曝気室33になっている。散気管35にはブロア35Bが接続されており、空気等の酸素含有気体が曝気室33内の液に供給される。水槽には、隔壁32を介して曝気室33と隔絶され外側に突出する吸収液供給室31が形成されている。
循環手段4は、液供給路41、返送路42、流量制御弁43、流量計44、送液ポンプ45、および逆止弁46を備える。液供給路41と返送路42はどちらも気液接触塔2と生物酸化槽3とを接続している。具体的には、液供給路41は一端(先端)がスプレーノズル22に接続され、他端(基端)は吸収液供給室31で開口して吸収液取出口37を形成している。返送路42は、一端(先端)が曝気室33に接続され、他端(基端)は気液接触塔2の液受槽24に接続されている。流量制御弁43および流量計44は液供給路41の途中に設けられ、送液ポンプ45と逆止弁46とは返送路42の途中に設けられている。
脱硫設備1では、吸収液供給室31内の吸収液が位置エネルギーにより吸収液供給室31から自然流出してスプレーノズル22から吸収室21内に散水されるよう、生物酸化槽3の側壁上端がスプレーノズル22の取付位置より高くなるように構成されている。具体的には、吸収液供給室31から流出する吸収液が持つ位置エネルギーが、処理ガスの背圧(気液接触塔2のガス出口26から図示しないガスホルダーまでの圧力)と液供給路41で生じる圧力損失より大きくなるように吸収液供給室31の外壁高さが設定されている。
すなわち、気液接触塔2には被処理ガスがガス入口25から供給され、脱硫された処理ガスがガス出口26から取り出される。このときの処理ガス背圧が吸収室21から液供給路41方向に働く。このため、吸収液を生物酸化槽3から気液接触塔2に送液ポンプを用いることなく移動させるためには、吸収液の位置エネルギーが処理ガスの背圧を上回る必要がある。また、吸収液が液供給路41を移動する際、配管の圧力損失により吸収液を生物酸化槽3から気液接触塔2方向へ移動させる圧力は低下するため、吸収液の位置エネルギーは処理ガスの背圧と配管の圧力損失を超える必要がある。
脱硫設備1では、吸収液供給室31の内の吸収液にかかる大きさの位置エネルギーを持たせるため、吸収液供給室31の液面31F高さと、スプレーノズル22の取付高さとの高低差H1は、処理ガス背圧と液供給路41の圧力損失とを上回る水圧が吸収液取出口37の吸収液にかかる距離に設定される。かかる距離は処理ガス背圧、および液供給路41の長さや配管径等により異なるが、概ね300mm以上、特に500〜1000mmである。そこで、吸収液供給室31の外壁31Wは、その上端からスプレーノズル22の液出口がある取付高さまでの距離H2が300mm以上、特に500〜1000mm程度となるように設定される。
吸収液取出口37は吸収液供給室31の液面31Fより低い位置に開口すればよいが、スプレーノズル22の取付高さより300mm以上、特に500〜1000mm程度低い位置に配置することが好ましい。吸収液取出口37をスプレーノズル22の取付高さより低い位置に設けることにより、送液ポンプ45や生物酸化槽3の曝気を停止した場合でも、気液接触塔2からの気体の逆流を防止できる。
次に、上記脱硫設備1を用いて有機性汚泥等の有機物を嫌気消化して生じる消化ガスを脱硫する場合を例として、脱硫設備1についてさらに詳しく説明する。まず、脱硫設備1の被処理ガスとして、メタン発酵槽(図示せず)等から取り出された消化ガスがガス入口25から気液接触塔2に導入される。ガス入口25は吸収室21の下部に形成されており、ガス入口25から導入された消化ガスは気液接触塔2の吸収室21内を上昇する。
気液接触塔2への消化ガスの通ガス条件は、通常空間速度(SV)100〜800hr−1、特に150〜400h−1とすることが好ましい。かかる範囲であれば、気液接触塔2を長大にすることなく十分な脱硫効果を得ることができ、吸収液を自然流入させるために生物酸化槽3の上端位置を過度に高くしなくてもよい。また、吸収液の通液条件は、通常滞留時間(HRT)1〜10分、特に1.5〜3分間とすることが好ましい。かかる範囲であれば硫化物を良好に吸収し、かつ、生物酸化槽3の上端位置を過度に高くすることなく吸収液を気液接触塔2内に散水できる。
消化ガスは、充填材23の間を通って吸収室21内を上昇する過程で、スプレーノズル22から散水された吸収液と対向接触することにより脱硫される。脱硫された消化ガスは、処理ガスとしてガス出口26から気液接触塔2外へ取り出され、ガスホルダ(図示せず)等に貯留され、発電用エネルギー等として使用される。
スプレーノズル22から散水された吸収液は、消化ガスの移動方向とは逆に気液接触塔2の上方から下方へ移動し、液受槽24に入る。硫化物を吸収して液受槽24に流下した吸収液は、ガス吸収液として返送路42から生物酸化槽3に返送する。
生物酸化槽3では、空気等の酸素含有気体を散気管35から吹き込むことにより、曝気室33に保持される汚泥に含まれる硫黄酸化菌等の働きによって硫化物を酸化する。かかる曝気処理により、ガス吸収液に含まれる硫化水素等の悪臭成分が除去され、ガス吸収液は再生される。
本実施形態では、返送路42に設けられた送液ポンプ45によりガス吸収液が生物酸化槽3の曝気室33に還流されることにより、吸収液は脱硫設備1系内を循環して利用される。ガス吸収液が吸収した硫化水素の濃度によっては、曝気室33での処理により液のpHが低下する場合があるため、この場合は水酸化ナトリウム等のアルカリを添加することにより、吸収液のpHを7〜9に維持してもよい。また、曝気室33での生物処理により増殖した汚泥は溢流により排出させたり、適宜、引き抜いてもよい。
本実施形態では、ガス吸収液が生物酸化槽3に戻されることにより曝気室33から溢流する液は、隔壁32上端縁を溢流して吸収液供給室31に流入する構成としている。すなわち、曝気室33の外壁高さは隔壁32上端より高く設定され、曝気室33内の液は隔壁32を溢流して吸収液供給室31に流入する。そして、吸収液供給室31および曝気室33内の液の液面高さは、隔壁32の上端高さとほぼ同一となっている。
なお本例では、吸収液は汚泥を含んだ状態で隔壁32を溢流している。しかし、吸収液として汚泥を含まない液を用いてもよい。隔壁32の上部をスクリーンのような固液分離面を持つ部材で構成すれば、曝気室33内の汚泥を含んだ液(混合液)を固液分離した清澄な液(処理液)を吸収液として吸収液供給室31に流入させることができる。処理液は目詰まりを起こしがたいという長所を有する一方、混合液は硫黄酸化菌を含み硫化物の吸収性がよいという長所を有する。
吸収液供給室31は、上述したとおり室内の吸収液の液面31F高さがスプレーノズル22より高くなるように設けられた外壁で囲われるとともに、スプレーノズル22より低い位置に開口する吸収液取出口37を有している。このため、吸収液の位置エネルギーにより吸収液取出口37近傍の吸収液が吸収液供給室31から液供給路41へと押し出される。本実施形態では、吸収液供給室31上端および吸収液取出口37の高さは、スプレーノズル22より300mm以上高く、吸収液供給室31から吸収液を押し出す力は処理ガスの背圧および液供給路41圧力損失に勝る。したがって、液供給路41に送液ポンプを設置することなく、吸収液供給室31の吸収液は液供給路41を気液接触塔2の方向へ移動してスプレーノズル22から吸収室21内に散水される。
本実施形態では液供給路41には流量計44と流量制御弁43とが設けられている。このため、流量制御弁43の開放度を調整することにより、吸収液の供給量を調整し、機液接触塔内での脱硫処理を安定化させることができる。なお、流量計44および流量制御弁43は液供給路41に設ける代わりに返送路42に設けてもよい。
このように、本実施形態では気液接触塔2と生物酸化槽3とを積み上げることなく水平に並べた上、1台の送液ポンプ45で気液接触塔2と生物酸化槽3との間で吸収液を循環させ、気液接触塔2から吸収液を散水して上昇する消化ガスと向流接触させることができる。このため、脱硫設備1の高層化を回避し、被処理ガスの昇圧用ブロアを不要とし、吸収液循環用の送液ポンプ設置台数を削減できる。
なお、上記脱硫設備1のより具体的な設計例は、以下に記載するとおりであるが、本発明はかかる実施形態に限定されない。以下の設計例において、気液接触塔2と生物酸化槽3とは同一高さの平面(地面G)にそれぞれの底面が接するようにして配置されるものとする。また、この設計例では、曝気室の外壁上端と吸収液供給室外壁上端とは同じ高さに設定され、地面Gから生物酸化槽3の曝気室33外壁上端までの高さはT4と同じであるため、以下では記載を省略する。
[設計例]
吸収室の垂直方向長さT1 :2m
地面から塔頂までの高さ(気液接触塔の垂直高さ)T2 :3.5m
地面からスプレーノズル取付位置までの高さT3 :3m
地面から生物酸化槽の吸収液供給室外壁上端までの高さT4:5m
地面から吸収液取出口までの高さT5 :3.5m
地面から生物酸化槽の隔壁上端までの高さT6 :4m
汚泥処理施設等で発生するメタンガス等の脱硫設備として用いることができる。
本発明の一実施形態に係る脱硫設備の模式図である。
符号の説明
1 脱硫設備
2 気液接触塔
3 生物酸化槽(吸収液槽)
4 循環手段
21 吸収室
22 スプレーノズル(散水手段)
31 吸収液供給室
32 隔壁
33 曝気室
41 液供給路
42 返送路
45 送液ポンプ

Claims (7)

  1. 硫化物含有ガスが導入される吸収室および該硫化物含有ガスを吸収する吸収液を該吸収室内に散水する散水手段を備える気液接触塔と、該吸収液を保持する吸収液槽と、該気液接触塔と該吸収液槽とをそれぞれ接続する液供給路および返送路を備える循環手段と、を含む硫化物含有ガスの脱硫設備であって、
    前記吸収液槽は、前記返送路の一端が接続され前記硫化物含有ガスを吸収したガス吸収液が導入される返送液室と、前記液供給路の一端が接続され該返送液室から溢流させた吸収液が導入される吸収液供給室と、該返送液室と該吸収液供給室とを区分する隔壁と、を備え、
    前記吸収液供給室内の吸収液が持つ位置エネルギーによって該吸収液が前記気液接触塔内へ導入される硫化物含有ガスの脱硫設備。
  2. 前記吸収液槽は、前記返送液室として、散気手段を備え硫化物酸化菌を保持する曝気室を備える請求項1に記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
  3. 前記吸収液供給室内の吸収液を送り出す位置エネルギーが前記気液接触塔の背圧および前記液供給路の圧力損失を上回るように、前記吸収液供給室の外壁上端高さが、前記散水手段の取付位置より高くなるように設定されている請求項1または2に記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
  4. 前記吸収液供給室から前記吸収液を取り出す吸収液取出口は、前記散水手段より低い位置に配置されている請求項1から3のいずれかに記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
  5. 前記循環手段は、唯一の送液ポンプをさらに含み、
    前記送液ポンプは、前記返送路の途中に設けられる請求項1から4のいずれかに記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
  6. 前記循環手段は、逆止弁をさらに含み、
    前記逆止弁は、前記返送路の途中であって前記送液ポンプの吐出側に設けられる請求項5に記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
  7. 前記循環手段は、流量制御弁をさらに含み、
    前記流量制御弁は、前記液供給路の途中に設けられる請求項1から6のいずれかに記載の硫化物含有ガスの脱硫設備。
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