JP5330282B2 - キッチンカウンター - Google Patents
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Description
本発明は、キッチンカウンターに関する。
近年、例えば、アイランドキッチンなどと呼ばれる対面式のキッチンカウンターが普及している。なかでも、キッチンカウンターの天板が全面に亘ってフラットに形成されたタイプは、シンプルな外観から洗練された印象を与えるため、人気を得ている。
そして、このようなキッチンカウンターでは、キッチン作業のための照明器具の取り付けに関する様々な検討がなされている。
例えば、図9の断面図に示したように、特許文献1のキッチンカウンターでは、天板21上面に、油跳ねガード又は水跳ねガードとしての衝立22が立設されている。この衝立22の内部を導光部とし、その下方に配置した光源23からの光を上方へ導いて、頂部から光放射している。そして、この光放射によってキッチン作業側の天板21上を照らすようにしている。
ただ、このキッチンカウンターでは、衝立22の下端部を、天板21上面に固定された支持体24によって支持している。この支持体24は、天板21上面にボルト25等で固定されるベース部24aと、ベース部24aおよび衝立22の下端部を覆うガード部24bとを凹凸嵌合させることで構成している。そして、このベース部24aの内部空間に光源23を設けている。
このため、特許文献1のキッチンカウンターは、各部材の構成が複雑であるため、製造コストを抑制するのが難しい。また、支持体24および衝立22の取り付けも容易ではないという問題がある。
さらに、天板21上面に支持体24が固定されていることから、支持体24に水や油等が付着しやすく、支持体24の清掃、メンテナンス等の作業負担が大きい。また、天板21上面に光源23が配置されているため、これを覆うためのガード部24bを大きく形成する必要がある。したがって、天板21上の支持体24が目立ちやすく、キッチンカウンターの外観意匠は一体感に乏しかった。
一方、図10の斜視図に示したように、特許文献2のキッチンカウンターでは、天板21上面に固定された筒状の支持体24によって導光照明板としての衝立22の両側端部を支持するとともに、この支持体24の内部に光源(図示していない)を収納している。
ただ、このキッチンカウンターにおいても、支持体24は、天板21上面に固定されるベース部24aと、衝立22の側端が挿嵌されるガード部24bとによって構成されている。そして、ガード部24bの内部に光源が収納されている。
したがって、特許文献1のキッチンカウンターと同様に、各部材の構成が複雑であるため、製造コストを抑制するのが難しく、支持体24、衝立22の取り付けも容易ではない。
さらに、天板21上面に支持体24が固定されていることから、支持体24の清掃、メンテナンス等の作業負担が大きい。また、ガード部24bの内部に光源が収納されていることから、支持体24は全体として大きく形成されており、意匠性も満足できるものではなかった。さらに、衝立22の側端部が支持されているため、衝立22の形状を設計することが難しく、デザインの選択幅が少ないという問題もあった。
本発明は、導光照明板としての衝立を天板に簡便に取り付けることができ、衝立を含めた天板上の清掃、メンテナンス等が容易で、製造コストも安価で、外観意匠に優れ、デザイン設計の幅も広いキッチンカウンターを提供することを課題としている。
本発明は、以下のことを特徴としている。
第1の発明は、導光衝立が天板に対して立設されているキッチンカウンターであって、 天板には、導光衝立の下端部が挿入される開孔部が設けられているとともに、導光衝立は、その下端部が開孔部内に挿入されて立設状態とされ、立設状態とされた導光衝立の下方には、その下端部より光を導入可能とする光源が配設され、導光衝立は、光源からの導入光を放射して調理スペースを照明可能とされている。
第2の発明は、天板の開孔部は、天板の表面部と裏面部とが貫通する貫通孔であり、裏面部には、貫通孔を下側から覆う支持部材が固定され、支持部材の上に光源が配置されている。
第3の発明は、支持部材には、貫通孔下方に位置する領域に凹部が設けられており、この凹部の底部に光源が配置されるとともに、導光衝立の下端部が前記凹部内に挿入されている。
第4の発明は、凹部内側には、凹部の底側が幅小となるように段部が設けられ、導光衝立の下端面は、前記段部の上面に当接している。
第5の発明は、導光衝立の背面には、光拡散処理が施され、導光衝立の表面側が面発光する。
第6の発明は、導光衝立の上端部には、光を前方に向って反射させる反射板を備えている。
第7の発明は、導光衝立の上端部には、キッチンカウンター前方に屈曲する屈曲部を有する。
第1の発明では、天板に導光衝立の下端部が挿入される開孔部が設けられ、導光衝立は、その下端部が開孔部内に挿入されて立設状態とされている。そして、立設状態とされた導光衝立の下方には、その下端部より光を導入可能とする光源が配設されている。このため、調理スペースを照明可能な導光衝立を簡便かつ確実に取り付けることができ、キッチンカウンターの加工、製造コストを安価に抑えることができる。また、天板上には、導光衝立のみを立設することができるため、天板上の清掃が容易であり、意匠性、設計性にも優れている。
第2の発明では、天板の開孔部は、天板の表面部と裏面部とが貫通する貫通孔である。このため、天板の加工が容易である。また、裏面部には、貫通孔を下側から覆う支持部材が固定され、支持部材の上に光源が配置されている。このため、導光衝立の下端部を貫通孔内へ挿入することができ、天板の端部および支持部材により、さらに安定に導光衝立を保持、立設することができる。
第3の発明では、支持部材には、貫通孔下方に位置する領域に凹部が設けられており、この凹部の底部に光源が配置されるとともに、導光衝立の下端部が前記凹部内に挿入されている。このため、導光衝立の下端部を貫通孔の下方へより深く挿入することができ、さらに安定に導光衝立を保持、立設することができる。
第4の発明では、凹部内側には、凹部の底側が幅小となるように段部が設けられ、導光衝立の下端面は、前記段部の上面に当接している。このため、導光衝立の重量を前記段部に負担させることができ、長期に亘って安定した照明が可能である。
第5の発明では、導光衝立の背面には、光拡散処理が施され、導光衝立の表面側が面発光する。第6の発明では、導光衝立の上端部に、光源からの光を前方に反射させる反射板を備えている。第7の発明では、導光衝立の上端部は、キッチンカウンター前方に屈曲する屈曲部が形成されている。したがって、第5、6および7の発明によれば、確実にキッチンカウンター手前の調理スペースを照射することができる。
図1は、本発明のキッチンカウンターの一実施形態を例示した全体斜視図である。
図1の形態においては、キッチンカウンター1には、前面に、適宜、開閉自在な引き出し2等が設けられ、その上方には、シンク3、コンロ4等が設けられた天板5を有している。
キッチンカウンター1では、コンロ4の後方の天板5に導光衝立6が立設されている。この導光衝立6は、水や油がキッチンカウンター1の周囲へ飛散するのを抑制する。また、導光衝立6は、導光性を有しているとともに、図中矢印で示すように、調理スペースを所定の幅、所定の領域等において照射するための光放射性を有している。ここで、調理スペースとは、天板5上のシンク3、コンロ4周辺、まな板やボール等を配置して調理作業するための場所となり得るスペースをいう。導光衝立6については、その導光性を得るための材料としては、例えば、透明性を有するガラス板、アクリル板などを例示することができる。
そして、この導光性は、所定の平面、あるいは立体パターンであってもいいし、光強度、色相の調整が可能とされていてもよい。また、光放射性についても同様であって、増幅手段、反射手段、集光手段等を使用し、また組み合わせてもよい。
もちろん導光衝立6の配設位置は特に限定されず、例えば図1に示すように、コンロ4の後方であってもよいし、シンク3の後方、あるいはコンロ4とシンク3の両方の後方にも設けることもできる。導光衝立6の全体形状は、横方向に亘る長尺な形状とすることもできるし、分割された導光衝立6を横方向に亘って複数並設することもできる。
図2は、本発明のキッチンカウンターにおける導光衝立の取付構造の一実施形態を例示した断面図である。
図2の形態においては、天板5には、導光衝立6の下端部が挿入される開孔部として、天板5の表面部と裏面部とを貫通する貫通孔5aが設けられている。貫通孔5aの形状は、導光衝立6の長さ、幅等に対応させることができる。
天板5の裏面には、貫通孔5aを下側から覆う支持部材7が固定されている。支持部材7の形状は、貫通孔5aと同様に、導光衝立6の形状と対応させることができる。支持部材7は、ネジ等の固定部材8を用いて、下側から天板5裏面に固定することができる。
そして、導光衝立6の下端部は、貫通孔5a内に挿入されて立設状態となる。このとき、導光衝立6は、天板5の貫通孔5aを形成する端部5bによって側方から狭持されるとともに、支持部材7によって下側から支持される。
立設状態とされた導光衝立6の下方には、導光衝立6の下端部より光を導入可能とする光源9が配置されている。具体的には、例えば、貫通孔5a下方の支持部材7上に光源9を配設した後、貫通孔5a内へ導光衝立6の下端部を挿入することができる。また、例えば、導光衝立6の下端部に光源9を配設した後、この導光衝立6の下端部を貫通孔5a内へ挿入することもできる。
光源9としては、従来公知のものを含め、種々のものを使用することができる。例えば、蛍光灯、発光ダイオード(LED)、電球等を例示することができる。光源9には、適宜、電力供給ケーブル等を接続することができる。
そして、キッチンカウンター1は、上記のとおり、光源9からの導入光を導光衝立6から放射させ、キッチンカウンター1手前の調理スペースを照明することができる。
このように、導光衝立6の下端部は、貫通孔5a内で安定に保持されるため、天板5上には、導光衝立6のみを立設することができる。したがって、キッチンカウンター1の天板5上はフラットであり、導光衝立6を含む天板5上の清掃等が容易である。さらに、外観意匠も洗練された印象を与える。また、天板5の貫通孔5aおよび支持部材7によって導光衝立6を簡便かつ確実に取り付けることができる。このため、キッチンカウンター1は、加工、製造コストも安価に抑えることができる。
図3、図4、図5は、本発明のキッチンカウンターにおける導光衝立の一実施形態を例示した概要図である。天板、支持部材などは省略する。
図3に示した実施形態では、導光衝立6の背面に光拡散処理6aが施されている。ここで、光拡散処理6aとは、例えば、光拡散剤印刷や、ブラスト処理、ドット状凹凸形成などの公知の粗面加工による処理等をいう。また、例えば、光拡散処理6aとして、木目調の柄やキャラクターの図柄を形成することで照明時に図柄を浮き上がらせ、デザイン性を向上させることもできる。
このように、導光衝立6の背面に光拡散処理6aを施すことによって、導光衝立6内部に導入された光源9からの照射光を、導光衝立6の前面の全体または一部から放射させることができる。このため、キッチンカウンター手前の調理スペースを照明することができ、調理作業をスムーズに行なうことができる。
図4に示した実施形態では、導光衝立6は、上端部に反射板6bを備えている。したがって、導光衝立6内部に導入された光源9からの照射光は、導光衝立6の上端から出光した後、反射板6bによって反射され前方へ放射される。このため、この反射光によってキッチンカウンター手前の調理スペースを照明することができる。
なお、反射板6bは、公知の材料を適宜選択することができる。また、反射板6bの形状や、角度は、照明領域に応じて適宜設計することができ、例えば、複数方向へ反射光を照射するように設計することもできる。
図5に示した実施形態では、導光衝立6の上端部に、前方に屈曲する屈曲部6cを有している。したがって、導光衝立6内部に導入された光源9からの照射光は、屈曲部6cを通じて導光衝立6の上端から放射され、キッチンカウンター手前の調理スペースを照明することができる。屈曲部6cの屈曲角度は、照明領域に応じて適宜設計することができる。
図6は、本発明のキッチンカウンターにおける導光衝立の取付構造の一実施形態を例示した断面図である。図6において、図2と共通する部分には同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
天板5の裏面に固定されている支持部材7は、貫通孔5aの下方に位置する領域に凹部10が設けられている。凹部10の長さ、幅は、導光衝立6の長さ、幅に対応させることができる。
そして、この凹部10の底部10aには、光源9が配置されている。さらに、貫通孔5a内に挿入された導光衝立6の下端部は、凹部10の両壁部10bの間に挿入、狭持されている。光源9は、導光衝立6の下方に配置されている。
したがって、導光衝立6の下端部を貫通孔5aの下方に深く挿入することができる。このため、より安定に導光衝立6を保持、立設することができる。
また、凹部10の深さは、適宜設計することができる。凹部10の深さを深くすると、より深く導光衝立6を挿入することができるため、導光衝立6の立設安定性は向上する。
図7は、本発明のキッチンカウンターにおける導光衝立の取付構造の一実施形態を例示した断面図である。図7において、図2と共通する部分には同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
天板5の裏面に固定されている支持部材7は、貫通孔5aの下方に位置する領域に凹部10が設けられている。凹部10の長さ、幅は、導光衝立6の長さ、幅に対応させることができる。
さらに、凹部10の内側には、凹部10の底部10a側が幅小となるように段部11が設けられている。この段部11の下方の凹部10の底部10aには、光源9が配置されている。
導光衝立6の下端部は、凹部10の両壁部10bの間に挿入、狭持されている。このため、導光衝立6の下端部を貫通孔5aの下方に深く挿入することができる。また、導光衝立6の下端面6dの一部は、凹部10内側の前記段部11の上面11aに当接している。このため、導光衝立6の重量を段部11に負担させることができる。
したがって、導光衝立6による光源9の傷付き、破損の恐れがなく、長期に亘って安定した照射が可能になる。
図8は、本発明のキッチンカウンターにおける導光衝立の一実施形態を例示した概要図である。
導光衝立6の形状は、図1に例示した長方形のみならず、例えば、図8に例示したように、扇形状とすることもできる。この場合、扇の外縁上に導光材12を配設することができ、光源9からの照射光は、前記導光材12の内部において、図中矢印X方向に導入される。そして、この導光材12から、前方の調理スペースへ光を放射することができる。このように、導光衝立6の形状を様々にデザイン設計することができる。
なお、本発明のキッチンカウンターは、上記の実施形態に限定されることはない。図2、図6、図7では、開口部として貫通孔5aが設けられている形態を例示したが、例えば、非貫通の開孔部として、天板上に凹部を形成することができる。この場合、凹部内に光源を配置し、導光衝立の下端部を挿入、収納することで、凹部の内壁に導光衝立の下端部を狭持して、導光衝立を立設状態とすることもできる。さらに、この場合、凹部内に凹部の形状と対応する容器を収納し、この容器の中に、光源及び導光衝立の下端部を収納することもできる。容器を利用することで、容器ごと導光衝立を取り代えることができるため、清掃、メンテナンスが容易である。
また、その他、例えば、開孔部に挿入された導光衝立と天板の間に、適宜、パッキン等を介在させることもできる。
1 キッチンカウンター
5 天板
6 導光衝立
7 支持部材
9 光源
10 凹部
11 段部
5 天板
6 導光衝立
7 支持部材
9 光源
10 凹部
11 段部
Claims (7)
- 導光衝立が天板に対して立設されているキッチンカウンターであって、天板には、導光衝立の下端部が挿入される開孔部が設けられているとともに、導光衝立は、その下端部が開孔部内に挿入されて立設状態とされ、立設状態とされた導光衝立の下方には、その下端部より光を導入可能とする光源が配設され、導光衝立は、光源からの導入光を放射して調理スペースを照明可能とされていることを特徴とするキッチンカウンター。
- 天板の開孔部は、天板の表面部と裏面部とが貫通する貫通孔であり、裏面部には、貫通孔を下側から覆う支持部材が固定され、支持部材の上に光源が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のキッチンカウンター。
- 支持部材には、貫通孔下方に位置する領域に凹部が設けられており、この凹部の底部に光源が配置されるとともに、導光衝立の下端部が前記凹部内に挿入されていることを特徴とする請求項2に記載のキッチンカウンター。
- 凹部内側には、凹部の底部側が幅小となるように段部が設けられ、導光衝立の下端面は、前記段部の上面に当接していることを特徴とする請求項3に記載のキッチンカウンター。
- 導光衝立の背面には、光拡散処理が施され、導光衝立の表面側が面発光することを特徴とする請求項1から4いずれか一項に記載のキッチンカウンター。
- 導光衝立の上端部には、光を前方に向って反射させる反射板を備えていることを特徴とする請求項1から4いずれか一項に記載のキッチンカウンター。
- 導光衝立の上端部には、キッチンカウンター前方に屈曲する屈曲部を有することを特徴とする請求項1から4いずれか一項に記載のキッチンカウンター。
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