JP5328434B2 - 導電性微粒子、及び、導電接続構造体 - Google Patents
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Description
これを解決するためにハンダを球状にした、いわゆる「ハンダボール」でICやLSIを基板に接続するBGA(ボールグリッドアレイ)が開発された。BGAを用いれば、チップ又は基板に実装されたハンダボールを高温で溶融させ基板とチップとを接続することができる。したがって、電子回路基板の生産効率が改善され、チップの実装密度が向上した電子回路基板を製造することができる。
また、電子機器は使用されると、電子部品の発熱によって、電子機器内部の温度が上がり、電子機器の使用後は、電子機器内部の温度が室温に戻るという加熱−冷却の繰返し、いわゆる「ヒートサイクル」が進行している。このヒートサイクルが繰返されると、ハンダ層の熱疲労が起こり、電極と導電性微粒子との接続界面が破壊され、断線することがあった。
以下に本発明を詳述する。
上記樹脂微粒子は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等で構成される樹脂微粒子が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。上記アクリル樹脂は特に限定されず、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメチルアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
K値(N/mm2)=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:粒子の半径(mm)
なお、上記樹脂微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の樹脂微粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
上記重合法による方法は特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法による方法が挙げられる。
また、本発明では、上記ハンダ層は錫を必須金属として含有し、更に、銀、アンチモン、銅、ビスマス、インジウム、ゲルマニウム、アルミニウム、亜鉛、ニッケル等の金属を含有してもよい。上記ハンダ層を形成する金属は特に限定されないが、錫、錫−銀合金、錫−亜鉛合金、錫−銅合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金等が挙げられる。なお、上記ハンダ層に含有される金属として表面付着金属と同様の金属が含まれることがある。
特に、本発明では、ハンダ層の融点が低下し、ハンダ層の強度が向上することから、錫−銀合金を含有するハンダ層が好ましい。
なお、上記ハンダ層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均した厚さである。
上記表面付着金属が上記ハンダ層の表面を完全に被覆しない状態で存在している導電性微粒子を、基板等の電極の接続に用いると、リフロー後に導電性微粒子と電極との接続界面に、微細な結晶組織を有する金属間化合物が形成される。結晶組織が大きい金属間化合物は硬くて脆いが、結晶組織が微細化されると、硬くて脆い性質が緩和される。したがって、導電性微粒子と電極との接続界面の接合強度が改善されるため、落下等による衝撃でハンダ層の亀裂や、接続界面の破壊が生じにくくなる。さらに、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくい導電性微粒子が得られる。
また、結晶組織が微細化された金属間化合物がアンカー効果を発揮することも考えられるため、落下等による衝撃でハンダ層の亀裂や、接続界面の破壊が生じにくくなる。
なお、上記表面付着金属の割合は、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)、誘導結合プラズマ発光分析装置(セイコー電子工業社製「SPS4000」)等を用いて測定することができる。また、上記ハンダ層の表面を完全に被覆しない状態で表面付着金属が存在していることは、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)等で確認することができる。
モリブデンの原子半径(136pm)とバナジウムの原子半径(132pm)とは、銅の原子半径(128pm)より大きく、錫の原子半径(141pm)より小さいため、Cu6Sn5、(Cu,Ni)6Sn5等の金属間化合物の格子サイトの一部がモリブデン又はバナジウムに置換されることがある。格子サイトの一部がモリブデン又はバナジウムに置換されると、金属間化合物の結晶の歪が発生しにくくなる。その結果、導電性微粒子と電極との接続界面の接合強度が向上するため、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくくなると考えられる。
上記金属層を形成する金属は特に限定されず、例えば、ニッケル、銅、パラジウム、金、銀、コバルト、チタン、モリブデン等が挙げられる。
本発明の導電性微粒子は、上記樹脂微粒子の表面に、ニッケル層、銅層、ハンダ層が順次形成されていることが好ましい。また、本発明の導電性微粒子は、上記銅層と上記ハンダ層との間に、ニッケル層が形成されていてもよい。
なお、上記銅層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均した厚さである。
上記ハンダ層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解メッキ法、無電解メッキ法等による方法が挙げられる。
上記ハンダ層の表面に表面付着金属を付着させる方法は、上記ハンダ層が表面付着金属で完全に被覆されなければ特に限定されず、無電解メッキ法、電解メッキ法、スパッタリング法等により、ハンダ層の表面に部分的に表面付着金属を付着させる方法が挙げられる。
上記ハンダ層の表面に表面付着金属を付着させることにより、上記ハンダ層に表面付着金属の成分が含有されていなくとも、落下等による衝撃によっても電極と導電性微粒子との接続界面が破壊されることがなく、断線が生じない。
なお、上記ハンダ層の表面に付着した表面付着金属は、一部が上記ハンダ層中に拡散していてもよい。
(1)樹脂微粒子の作製
ジビニルベンゼン50重量部と、テトラメチロールメタンテトラアクリレート50重量部とを共重合させ、樹脂微粒子(平均粒子径240μm、CV値0.42%)を作製した。
得られた樹脂微粒子10gを無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケル層を形成させた。次いで、下地ニッケル層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ25μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄し、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、錫と銀とを含有するハンダ層が順次形成された導電性微粒子を作製した。
得られた導電性微粒子1.5gを、下記無電解パラジウムメッキ液(液温30℃)30mLに浸漬させ、攪拌した。導電性微粒子を無電解パラジウムメッキ液に浸漬させてから5分間(メッキ反応時間)経過した後、無電解パラジウムメッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面にパラジウムが付着した導電性微粒子を作製した。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.0%であった。
硫酸パラジウム :0.01mol/L
エチレンジアミン :0.05mol/L
クエン酸ナトリウム :0.05mol/L
なお、下地ニッケル層、銅層、及びハンダ層の厚さは無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均することにより算出した。また、上記ハンダ層の表面にパラジウムが付着していることは、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)で確認した。以下、同様である。
無電解パラジウムメッキ液の液温を40℃とし、メッキ反応時間を10分としたこと以外は実施例1と同様に、ハンダ層の表面にパラジウムが付着した導電性微粒子を作製した。
ハンダ層の表面にパラジウムが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したパラジウムとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、パラジウム0.5重量%であり、残部は錫であった。
無電解パラジウムメッキ液の液温を40℃とし、メッキ反応時間を15分としたこと以外は実施例1と同様に、ハンダ層の表面にパラジウムが付着した導電性微粒子を作製した。
ハンダ層の表面にパラジウムが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したパラジウムとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、パラジウム1.0重量%であり、残部は錫であった。
(1)樹脂微粒子の作製、(2)ハンダ層の作製
実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、錫と銀とを含有するハンダ層が順次形成された導電性微粒子を作製した。
得られた導電性微粒子1.5gを、下記無電解パラジウム−モリブデンメッキ液(液温35℃)30mLに浸漬させ、攪拌した。導電性微粒子を無電解パラジウム−モリブデンメッキ液に浸漬させてから10分間(メッキ反応時間)経過した後、無電解パラジウム−モリブデンメッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面にパラジウムとモリブデンとが付着した導電性微粒子を作製した。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.02%であった。
硫酸パラジウム :0.01mol/L
次亜リン酸ナトリウム :0.3mol/L
ジエチルアミン :0.06mol/L
クエン酸ナトリウム :0.03mol/L
モリブデン酸ナトリウム :0.005mol/L
無電解パラジウムメッキを行わずに、ハンダ層の表面にパラジウムを付着させなかったこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は0.81%であった。
錫、銀及び銅で構成されるハンダボール(千住金属工業社製「M705」平均粒子径300μm(錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%))を導電性微粒子として用いた。
無電解パラジウムメッキ液の液温を40℃とし、メッキ反応時間を60分としたこと以外は実施例1と同様に、ハンダ層の表面にパラジウムが付着した導電性微粒子を作製した。
ハンダ層の表面にパラジウムが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したパラジウムとの合計に占める各金属の割合は、銀3.45重量%、パラジウム5.0重量%であり、残部は錫であった。
なお、比較例3で得られた導電性微粒子は電極に実装することができなかったため、落下強度試験及び温度サイクル試験は行わなかった。
(1)樹脂微粒子の作製、(2)ハンダ層の作製
実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。
得られた導電性微粒子のハンダ層の表面にスパッタリング法によってゲルマニウムを付着させた。ハンダ層の表面にゲルマニウムが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したゲルマニウムとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、ゲルマニウム0.005重量%であり、残部は錫であった。
なお、下地ニッケル層、銅層、及びハンダ層の厚さは無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均することにより算出した。また、上記ハンダ層の表面にゲルマニウムが付着していることは、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)で確認した。以下、同様である。
スパッタリング法の条件を調整したこと以外は、実施例5と同様に導電性微粒子を作製した。ハンダ層に含有される金属と付着したゲルマニウムとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、ゲルマニウム0.1重量%であり、残部は錫であった。
スパッタリング法の条件を調整したこと以外は、実施例5と同様に導電性微粒子を作製した。ハンダ層に含有される金属と付着したゲルマニウムとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、ゲルマニウム1.0重量%であり、残部は錫であった。
スパッタリング法の条件を調整したこと以外は、実施例5と同様に導電性微粒子を作製した。ハンダ層に含有される金属と付着したゲルマニウムとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、ゲルマニウム5.0重量%であり、残部は錫であった。
なお、比較例4で得られた導電性微粒子は電極に実装することができなかったため、落下強度試験は行わなかった。
(1)樹脂微粒子の作製、(2)ハンダ層の作製
実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。
得られた導電性微粒子を、防錆処理された鉄粒子(体積平均粒子径3nm)が分散された分散液に浸漬させ、導電性微粒子の表面に、鉄粒子を付着させた。分散液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面に鉄が付着した導電性微粒子を作製した。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.0%であった。
なお、上記下地ニッケル層、銅層、及びハンダ層の厚さは無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均することにより算出した。また、上記ハンダ層の表面に鉄が付着していることは、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)で確認した。以下、同様である。
分散液の鉄粒子の濃度を調整したこと以外は、実施例8と同様に、ハンダ層の表面に鉄が付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面に鉄が付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着した鉄との合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、鉄0.1重量%であり、残部は錫であった。
分散液の鉄粒子の濃度を調整したこと以外は、実施例8と同様に、ハンダ層の表面に鉄が付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面に鉄が付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着した鉄との合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、鉄1.0重量%であり、残部は錫であった。
実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、錫と銀とを含有するハンダ層が順次形成された導電性微粒子を作製した。
得られた導電性微粒子を、鉄−白金合金粒子(体積平均粒子径3nm)が分散された分散液に浸漬させ、導電性微粒子の表面に、鉄−白金合金粒子を付着させた。分散液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面に鉄と白金とが付着した導電性微粒子を作製した。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.0%であった。
分散液の鉄粒子の濃度を調整したこと以外は、実施例8と同様に、ハンダ層の表面に鉄が付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面に鉄が付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着した鉄との合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、鉄5.0重量%であり、残部は錫であった。
なお、比較例5で得られた導電性微粒子は電極に実装することができなかったため、落下強度試験及び温度サイクル試験は行わなかった。
(1)樹脂微粒子の作製、(2)ハンダ層の作製
実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。
得られた導電性微粒子を無電解コバルトメッキし、ハンダ層の表面に、コバルトを付着させた。無電解コバルトメッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面にコバルトが付着した導電性微粒子を作製した。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.0%であった。
なお、下地ニッケル層、銅層、及び、ハンダ層の厚さは無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均することにより算出した。また、上記ハンダ層の表面にコバルトが付着していることは、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)で確認した。以下、同様である。
無電解コバルトメッキのメッキ反応時間を調整したこと以外は、実施例12と同様に、ハンダ層の表面にコバルトが付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面にコバルトが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したコバルトとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、コバルト0.5重量%であり、残部は錫であった。
無電解コバルトメッキのメッキ反応時間を調整したこと以外は、実施例12と同様に、ハンダ層の表面にコバルトが付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面にコバルトが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したコバルトとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、コバルト2.0重量%であり、残部は錫であった。
実施例1で得られた樹脂微粒子を無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケル層を形成させた。次いで、下地ニッケル層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ25μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄し、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、錫と銀とを含有するハンダ層が順次形成された導電性微粒子を作製した。
無電解コバルトメッキのメッキ反応時間を調整したこと以外は、実施例12と同様に、ハンダ層の表面にコバルトが付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面にコバルトが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したコバルトとの合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、コバルト5.0重量%であり、残部は錫であった。
なお、比較例6で得られた導電性微粒子は電極に実装することができなかったため、落下強度試験は行わなかった。
(1)樹脂微粒子の作製、(2)ハンダ層の作製
実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。
得られた導電性微粒子を無電解銅メッキし、ハンダ層の表面に、銅を付着させた。無電解銅メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面に銅が付着した導電性微粒子を作製した。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.0%であった。
なお、上記下地ニッケル層、銅層、及びハンダ層の厚さは無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均することにより算出した。また、上記ハンダ層の表面に銅が付着していることは、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)で確認した。以下、同様である。
無電解銅メッキのメッキ反応時間を調整したこと以外は、実施例16と同様に、ハンダ層の表面に銅が付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面に銅が付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着した銅との合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、銅0.1重量%であり、残部は錫であった。
無電解銅メッキのメッキ反応時間を調整したこと以外は、実施例16と同様に、ハンダ層の表面に銅が付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面に銅が付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着した銅との合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、銅2.0重量%であり、残部は錫であった。
実施例1で得られた樹脂微粒子を無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケル層を形成させた。次いで、下地ニッケル層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ25μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄し、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、錫と銀とを含有するハンダ層が順次形成された導電性微粒子を作製した。
実施例1で得られた樹脂微粒子を無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケル層を形成させた。次いで、下地ニッケル層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ25μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄し、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、下地ニッケル層、銅層、錫と銀とを含有するハンダ層が順次形成された導電性微粒子を作製した。
無電解銅メッキのメッキ反応時間を調整したこと以外は、実施例16と同様に、ハンダ層の表面に銅が付着した導電性微粒子を作製した。ハンダ層の表面に銅が付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着した銅との合計に占める各金属の割合は、銀3.5重量%、銅5.0重量%であり、残部は錫であった。
実施例及び比較例で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
シリコンチップ(縦6mm×横6mm)上に0.5mmピッチで112個設けられた電極ランド(直径280μm)にフラックス(クックソンエレクトロニクス社製「WS−9160−M7」)を塗布した。すべての電極ランドに、得られた導電性微粒子を配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、導電性微粒子を電極ランドに実装した。
次いで、銅電極(直径305μm)が形成されたプリント基板にハンダペースト(千住金属工業社製「M705−GRN360−K2−V」)を塗布した。導電性微粒子が実装されたシリコンチップ15個を、プリント基板に配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、シリコンチップ15個をプリント基板に実装し、導電接続構造体を得た。
JEDEC規格JESD22−B111に従い、得られた導電接続構造体の落下強度試験を行った。
得られた導電接続構造体は、デイジーチェーン回路が形成されているため、1箇所の電極ランドの断線でも検出することができる。
15個のシリコンチップのすべてが断線する落下回数を測定した。
なお、電極ランドは、電極ランドの最表面に向かって、銅層、ニッケル−リン層、金層が順次形成されていた。以下、同様である。
落下強度試験は以下の基準で評価した。
○:15個のシリコンチップのすべてが断線する落下回数が100回以上であった。
×:15個のシリコンチップのすべてが断線する落下回数が100回未満であった。
シリコンチップ(縦6mm×横6mm)上に0.5mmピッチで112個設けられた電極ランド(直径280μm)にフラックス(クックソンエレクトロニクス社製「WS−9160−M7」)を塗布した。すべての電極ランドに、得られた導電性微粒子を配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、導電性微粒子を電極ランドに実装した。
次いで、銅電極(直径305μm)が形成されたプリント基板にハンダペースト(千住金属工業社製「M705−GRN360−K2−V」)を塗布した。導電性微粒子が実装されたシリコンチップ1個を、プリント基板に配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、シリコンチップ1個をプリント基板に実装し、導電接続構造体を得た。
得られた導電接続構造体は、デイジーチェーン回路が形成されているため、1箇所の電極ランドの断線でも検出することができる。
得られた導電接続構造体を用いて、−40℃〜125℃を1サイクルとする温度サイクル試験を行った。なお、温度サイクル試験のヒートプロファイルは、−40℃で10分間保持し、−40℃から125℃まで2分間で昇温させ、125℃で10分間保持し、125℃から−40℃まで2分間で降温させるヒートプロファイルであった。
温度サイクル試験は以下の基準で評価した。
○:導電接続構造体の断線が確認されるサイクル数が2000サイクル以上であった。
×:導電接続構造体の断線が確認されるサイクル数が2000サイクル未満であった。
Claims (4)
- 樹脂微粒子の表面に、ハンダ層が形成された導電性微粒子であって、
パラジウム、ゲルマニウム、鉄、コバルト及び銅からなる群より選択される少なくとも1種の表面付着金属が、前記ハンダ層の表面を完全に被覆しない状態で存在しており、
前記ハンダ層に含有される金属と、前記ハンダ層の表面を完全に被覆しない状態で存在している表面付着金属との合計に占める表面付着金属の割合が0.001〜2重量%である
ことを特徴とする導電性微粒子。 - ハンダ層に含有される金属と、前記ハンダ層の表面を完全に被覆しない状態で存在している表面付着金属との合計に占める表面付着金属の割合が0.001〜1重量%であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
- 樹脂微粒子とハンダ層との間に、更に金属層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性微粒子。
- 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子を用いてなることを特徴とする導電接続構造体。
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