JP2014096362A - 導電性微粒子、異方性導電材料、及び、導電接続構造体 - Google Patents

導電性微粒子、異方性導電材料、及び、導電接続構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続することができる導電性微粒子、及び、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、導電接続構造体を提供する。
【解決手段】基材微粒子1と、前記基材微粒子の表面に形成されたハンダ層4とを有する導電性微粒子であって、前記導電性微粒子の粒子径が50〜400μmであり、かつ、前記ハンダ層の体積比が0.55〜0.70である導電性微粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続することができる導電性微粒子、及び、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、導電接続構造体に関する。
電子回路基板の電極間を導電接続する方法として、基材微粒子の表面に導電性の高い金属からなる金属層を設け、該金属層上に更にハンダ層が形成された導電性微粒子を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような導電性微粒子を用いてパッケージ基板の電極間を導電接続する方法では、まず、一方のパッケージ基板に形成された電極上に導電性微粒子を配置し、リフローすることでハンダ層を溶融させて、導電性微粒子を電極上に固定する導電性微粒子配置工程を行い、次いで、他方のパッケージ基板に形成された電極と、上記導電性微粒子が配置されたパッケージ基板の電極とが対向するように配置し、リフローすることで基板の電極間を導電接続する導電接続工程を行う。
ここで、特許文献1に開示されている導電性微粒子を用いてパッケージ基板の電極間を導電接続しようとすると、導電性微粒子配置工程においてハンダ層が溶融され、図1に示すように導電性微粒子の金属層の表面に、他方の基板に形成された電極を導電接続するハンダ層が充分に存在しなくなることがあり、導電接続ができないことがあるという問題があった。そこで、従来のパッケージ基板の電極間の導電接続方法では、他方のパッケージ基板の電極上に、予めソルダーペーストを印刷しておくことが行われている。ソルダーペーストは、ハンダ粉末とフラックスとを混練してペースト状にしたものであり、これを予め他方のパッケージ基板の電極上に印刷しておくことにより、導電性微粒子による導電接続の接続信頼性を向上させることができる。
しかしながら、近年、実装面積の省スペース化に伴い、高密度でパッケージ基板の実装が要求されるようになってきており、ソルダーペーストを電極上に印刷することが困難となってきている。そこで、ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続できる方法が求められていた。
特開2001−220691号公報
本発明は、上記現状に鑑み、ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続することができる導電性微粒子、及び、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、導電接続構造体を提供することを目的とする。
本発明は、基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成されたハンダ層とを有する導電性微粒子であって、前記導電性微粒子の平均粒子径が50〜400μmであり、かつ、前記ハンダ層の体積比が0.55〜0.70である導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、基材微粒子と、該基材微粒子の表面に形成されたハンダ層とを有する導電性微粒子において、特定の粒子径範囲の導電性微粒子において上記ハンダ層の体積比を特定の範囲に調整することにより、ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明の導電性微粒子は、導電性微粒子の平均粒子径が50〜400μmの範囲にある。一般に粒子径50〜150μmの導電性微粒子はフリップチップ実装に用いられ、粒子径150〜400μmの導電性微粒子は、ウエハレベルCSP実装に用いられる。本発明においては、導電性微粒子におけるハンダ層の体積比を規定するが、該体積比の数値範囲は、上記平均粒子径を有する導電性微粒子において特に意義を有するものである。
なお、上記樹脂微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の樹脂微粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
また、導電性微粒子によるパッケージ基板の実装性の評価には、導電性微粒子の平均粒子径に応じた評価用素子(TEG)を用いる必要がある。
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子と、該基材微粒子の表面に形成されたハンダ層とを有する。
上記基材微粒子は、樹脂からなる樹脂微粒子であってもよく、導電性の高い金属からなる金属微粒子であってもよい。なかでも、上記基材微粒子は、樹脂からなる樹脂微粒子であることが好ましい。樹脂微粒子は、金属に比べて柔軟性があり、その柔軟性がパッケージ基板の接続において発生する種々の応力を緩和する効果に優れる。
上記基材微粒子が金属微粒子である場合には、金、銀、銅、白金、パラジウム、コバルト、ニッケル等が挙げられる。これらの金属は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なかでも、特に導電性に優れることから銅が好適である。
上記基材微粒子が樹脂微粒子である場合には、本発明の導電性微粒子を用いて導電接続させたパッケージ基板に、外環境変化による歪みや伸縮が発生しても、柔軟な樹脂微粒子が導電性微粒子に加わる応力を緩和することから、高い接続信頼性を発揮することができる。
上記樹脂微粒子は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等で構成される樹脂微粒子が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。
上記アクリル樹脂は特に限定されず、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメチルアクリレート樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂微粒子の10%K値の好ましい下限は1000MPa、好ましい上限は15000MPaである。上記10%K値が1000MPa未満であると、本発明の導電性微粒子を圧縮変形させたときに、樹脂微粒子が破壊されることがある。上記10%K値が15000MPaを超えると、導電性微粒子が電極を傷つけることがある。上記10%K値のより好ましい下限は2000MPa、より好ましい上限は10000MPaである。
なお、上記10%K値は、微小圧縮試験器(例えば、島津製作所社製「PCT−200」)を用い、樹脂微粒子を直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、最大試験荷重10gの条件下で圧縮した場合の圧縮変位(mm)を測定し、下記式により求めることができる。
K値(N/mm)=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:樹脂微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂微粒子の半径(mm)
上記樹脂微粒子を作製する方法は特に限定されず、例えば、重合法による方法、高分子保護剤を用いる方法、界面活性剤を用いる方法等が挙げられる。
上記重合法による方法は特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法による方法が挙げられる。
上記基材微粒子は、平均粒子径の好ましい下限が25μm、好ましい上限が380μmである。平均粒子径が25μm未満であると、基材微粒子が凝集しやすく、凝集した基材微粒子を用いて得られた導電性微粒子は隣接する電極間を短絡させることがある。平均粒子径が380μmを超えると、導電性微粒子に適した粒子径を超えてしまうことがある。
上記平均粒子径のより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は300μmである。上記平均粒子径の更に好ましい下限は40μm、更に好ましい上限は290μmである。
なお、上記基材微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の基材微粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
上記基材微粒子は、粒子径のCV値の好ましい上限が15%である。CV値が15%を超えると、導電性微粒子の接続信頼性が低下することがある。CV値のより好ましい上限は10%である。なお、CV値は、標準偏差を平均粒子径で割った値の百分率(%)で示される数値である。
上記基材微粒子が樹脂微粒子である場合には、本発明の導電性微粒子とパッケージ基板の電極との接続信頼性をより高める目的で、上記樹脂微粒子とハンダ層との間に、更に金属層を有することが好ましい。
上記金属層を形成する金属は、金、銀、銅、白金、パラジウム、コバルト、ニッケル等が挙げられる。なかでも、接続信頼性を高める効果に優れることから、上記金属層は、銅を含有することが好ましい。
なお、上記金属層は、上記樹脂微粒子に直接形成されていてもよく、上記金属層と上記樹脂微粒子との間に、ニッケル層等の下地金属層が形成されていてもよい。
上記金属層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は70μmである。上記金属層の厚さが1μm未満であると、充分な接続信頼性の向上効果が得られないことがある。上記金属層の厚さが70μmを超えると、導電性微粒子の柔軟性が損なわれることがある。上記金属層の厚さのより好ましい下限は3μm、より好ましい上限は50μmである。
なお、上記金属層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均した厚さである。
上記基材微粒子が樹脂微粒子であって、上記樹脂微粒子とハンダ層との間に金属層を有する場合には、上記金属層とハンダ層との間に、更にバリア層を有することが好ましい。
上記ハンダ層と金属層とが直接接する場合、上記ハンダ層に含有される錫と上記金属層に含有される銅等の金属とが合金を形成し、ハンダ層と金属層との界面に硬くて脆い合金層(例えば、錫−銅合金)が形成されることがある。このような硬くて脆い合金層が形成された導電性微粒子を回路基板等の接続に用いると、落下等の衝撃が加わることにより、合金層が壊れるため、断線の原因となることがある。また、ハンダ層の濡れ性が低下するため、導電性微粒子と電極との接続界面の強度が低くなり、接続界面で断線が発生することがある。上記金属層とハンダ層との間にバリア層を設けることにより、このような硬くて脆い合金層が形成されるのを防止することができる。
上記バリア層を形成する材料は特に限定されないが、ニッケル、チタン、タンタル、窒化チタン、ジルコニア、窒化ジルコニア等が挙げられる。なかでも、上記バリア層の形成が容易であることから、上記バリア層はニッケルを含有することが好ましい。また、上記バリア層は、アモルファス構造であることが好ましく、具体的には、ニッケル−リン層、ニッケル−ホウ素層等が挙げられる。上記バリア層がアモルファス構造であると、結晶粒界が少なくなるため、銅はハンダ層に拡散しにくくなる。
上記バリア層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.2μm、好ましい上限は2μmである。上記バリア層の厚さが0.2μm未満であると、銅等の金属がハンダ層に拡散することが防止できなかったり、ハンダ層と銅を含有する金属層との界面に、硬くて脆い合金層(錫−銅)が形成されることが防止できなかったりすることがある。上記バリア層の厚さが2μmを超えると、導電性微粒子の柔軟性が損なわれることがある。上記バリア層の厚さのより好ましい下限は0.5μm、より好ましい上限は1μmである。
なお、上記バリア層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均した厚さである。
上記ハンダ層は、本発明の導電性微粒子を用いてパッケージ基板の電極間を接続する際に、リフローすることにより溶融してパッケージ基板の電極に密着する役割を有するものである。導電性微粒子が上記粒子径を有する場合に、ハンダ層の体積比を特定の範囲に調整することにより、ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続することができる。
上記ハンダ層は、本発明の導電性微粒子全体に対する体積比の下限が0.55、上限が0.70である。上記ハンダ層の体積比が0.55未満であると、ソルダーペーストを用いずにパッケージ基板の電極間を導電接続して実装しようとしたときに、実装できない不良品が発生する。上記ハンダ層の体積比が0.70を超えると、パッケージ基板の電極間を導電接続したときに、接続信頼性が劣る。上記ハンダ層の体積比の好ましい下限は0.56、好ましい上限は0.66であり、より好ましい下限は0.58、より好ましい上限は0.64である。
上記ハンダ層の導電性微粒子全体に対する体積比の好ましい範囲は、導電性微粒子の粒子径にも依存する。導電性微粒子の粒子径が50〜150μmである場合には、上記ハンダ層の体積比の好ましい下限は0.60、好ましい上限は0.65である。また、導電性微粒子の粒子径が150〜400μmである場合には、上記ハンダ層の体積比の好ましい下限は0.64、好ましい上限は0.67である。この範囲内であると、特に高い接続信頼性が得られる。
なお、上記ハンダ層の体積比は、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均した厚さから算出した値である。
上記ハンダ層は、錫を含有することが好ましい。錫を含有することにより、ハンダ層の強度等を向上させることができる。
上記ハンダ層は、錫以外に、例えば、銀、アンチモン、銅、ビスマス、インジウム、ゲルマニウム、アルミニウム、亜鉛、ニッケル等の金属を含有してもよい。具体的には、例えば、錫、錫/銀、錫/亜鉛、錫/銀/銅、錫/ビスマス等を含有するハンダ層が挙げられる。なかでも、ハンダ層の融点が低下し、ハンダ層の強度が向上することから、錫と銀とを含有するハンダ層、又は、錫と銀と銅とを含有するハンダ層を用いることが好ましい。
本発明の導電性微粒子は、上記ハンダ層の表面に、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、チタン、リン又はビスマスが付着していることが好ましい。なかでも、ニッケル又はコバルトが好適である。
これらの金属が付着した導電性微粒子を、パッケージ基板の電極の接続に用いると、リフロー後に導電性微粒子と電極との接続界面に形成される金属間化合物の結晶組織が微細化される。金属間化合物が微細な結晶組織であると、結晶組織が壊れにくくなる。金属間化合物の結晶組織が微細化されると、落下等による衝撃が加わってもハンダ層の亀裂や、電極と該導電性微粒子との接続界面の破壊による断線が生じにくくなる。更に、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくい導電性微粒子が得られる。また、接続界面に分布する微細な金属間化合物の結晶組織が、アンカー効果を発揮することも考えられるため、落下等による衝撃が加わっても導電性微粒子と電極との接続界面が破壊されにくくなる。
また、上記金属は、上記ハンダ層の表面に付着されているので、リフローのときにハンダ層に含有される錫等と表面に付着した金属とが、優先的に微細な金属間化合物の結晶組織を形成すると考えられる。特に、本発明の導電性微粒子を、最表面に向かってニッケル−リンメッキ層、置換金メッキ層が順次形成された電極に実装すると、リフロー時に、錫とニッケルとが微細な金属間化合物の結晶組織を形成するため、ニッケル−リンメッキ層由来のニッケルが、ハンダ層へ拡散することを防止できる。ニッケル−リンメッキ層由来のニッケルの拡散が防止されることで、ハンダ層と電極との接続界面の強度を低下させるリン濃縮層の形成が抑制できる。
なお、上記金属がハンダ層の表面に付着しているとは、上記ハンダ層の表面にニッケル等の金属が存在しており、かつ、上記ハンダ層の表面を完全に被覆するニッケル等の金属層が形成されていない状態を意味する。
上記ハンダ層の表面に付着させる上記金属の付着量は、上記ハンダ層に含有される金属と上記ハンダ層の表面に付着している金属との合計に占める上記ハンダ層の表面に付着している金属の含有量で定義され、上記ハンダ層の表面に付着している金属の含有量の下限が0.0001重量%、上限が5.0重量%である。上記ハンダ層の表面に付着している金属の含有量が0.0001重量%未満であると、アンカー効果が充分に発揮されず、落下等の衝撃が加わると、電極と導電性微粒子との接続界面が破壊されやすく、断線が生じることがある。上記ハンダ層の表面に付着している金属の含有量が5.0重量%を超えると、導電性微粒子の柔軟性が損なわれたり、リフロー時に電極に実装することができなかったりする。上記ハンダ層の表面に付着している金属の含有量の好ましい下限は0.002重量%、好ましい上限は3.0重量%である。
なお、上記ハンダ層の表面に付着している金属の含有量は、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定することができる。また、上記ハンダ層の表面にニッケル等の金属が付着していることは、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)等で確認することができる。
本発明の導電性微粒子の製造方法は特に限定されないが、上記基材微粒子として樹脂微粒子を用いる場合の例を以下に説明する。
まず、上記樹脂微粒子の表面に金属層を形成させる場合には、樹脂微粒子の表面に無電解メッキ法により下地メッキ層としてニッケル層(以下、下地ニッケルメッキ層ともいう)を形成させる。
次に、下地ニッケルメッキ層の表面に金属層を形成させる。
上記金属層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解メッキ法、無電解メッキ法等による方法が挙げられる。
次に、上記金属層の表面にバリア層を形成させる場合、上記バリア層として例えばニッケル層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解メッキ法、無電解メッキ法等による方法が挙げられる。
次に、上記バリア層の表面にハンダ層を形成させる。
上記ハンダ層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解メッキ法による方法が挙げられる。この際、ハンダ層の体積比が所期の範囲となるように、ハンダ層の厚さを調整する。
次に、上記ハンダ層の表面に金属を付着させる場合、ハンダ層に含有される金属とハンダ層の表面に付着している金属との合計に占めるハンダ層の表面に付着している金属の含有量が0.0001〜5.0重量%となるように、ハンダ層の表面に金属を付着させる。
上記ハンダ層の表面に金属を付着させる方法は、上記ハンダ層が金属層で完全に被覆されなければ特に限定されず、無電解メッキ法、電解メッキ法、スパッタリング法等が挙げられる。上記ハンダ層を形成させ、無電解メッキ法、スパッタリング法等によりハンダ層の表面に金属を付着させることによりハンダ層の表面に部分的に金属を付着させてもよい。なかでも、メッキ液の濃度、pH、反応温度、メッキ反応時間等を適宜設定することで金属の付着量を制御できることから、無電解メッキ法が好適である。
なお、上記ハンダ層の表面に付着した金属は、一部が上記ハンダ層中に拡散していてもよい。
本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散させることにより異方性導電材料を製造することができる。このような異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
本発明の異方性導電材料は、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
上記バインダー樹脂は特に限定されないが、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体、エラストマー等が挙げられる。
上記ビニル樹脂は特に限定されないが、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂は特に限定されないが、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性ブロック共重合体は特に限定されないが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂のいずれの硬化型樹脂であってもよい。
本発明の異方性導電材料は、必要に応じて、例えば、増量剤、可塑剤、粘接着性向上剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤を含有してもよい。
本発明の異方性導電材料の製造方法は特に限定されず、例えば、上記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘着剤等を製造する方法が挙げられる。また、本発明の異方性導電材料の製造方法として、上記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に分散させるか、又は、加熱溶解させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定の厚さとなるように塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等を行って、異方性導電フィルム、異方性導電シート等を製造する方法も挙げられる。なお、異方性導電材料の種類に対応して、適宜の製造方法を選択することができる。
また、上記バインダー樹脂と、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
本発明の導電性微粒子又は異方性導電材料を用いることにより、ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続することができる。
本発明の導電性微粒子又は異方性導電材料を用いてパッケージ基板の電極間を導電接続する方法としては、例えば、まず、一方のパッケージ基板に形成された電極上に導電性微粒子又は異方性導電材料を配置し、リフローすることでハンダ層を溶融させて、導電性微粒子を電極上に固定する導電性微粒子配置工程を行い、次いで、他方のパッケージ基板に形成された電極と、上記導電性微粒子が配置されたパッケージ基板の電極とが対向するように配置し、リフローすることで基板の電極間を導電接続する導電接続工程を行う方法が挙げられる。ここで、従来の導電性微粒子や異方性導電材料を用いる場合には上記他方のパッケージ基板に形成された電極上にソルダーペーストが塗工されていることが必須であったが、本発明の導電性微粒子又は異方性導電材料を用いることにより、ソルダーペーストが塗工されていなくとも安定して導電接続を行うことができる。
本発明の導電性微粒子又は異方性導電材料を用いてパッケージ基板の電極間を導電接続する導電接続構造体の製造方法であって、一方のパッケージ基板に形成された電極上に上記導電性微粒子又は異方性導電材料を配置し、リフローすることでハンダ層を溶融させて、上記導電性微粒子を電極上に固定する導電性微粒子配置工程と、他方のパッケージ基板に形成された電極と、上記導電性微粒子又は異方性導電材料が配置されたパッケージ基板の電極とが対向するように配置し、リフローすることで基板の電極間を導電接続する導電接続工程とを有し、上記他方のパッケージ基板に形成された電極は、ソルダーペーストが塗工されていないものである導電接続構造体の製造方法もまた、本発明の1つである。
なお、本発明の導電接続構造体の製造方法においては、更に安定した導電接続を行う目的で、上記他方のパッケージ基板に形成された電極は、フラックスが塗工されていてもよい。
本発明の導電接続構造体の製造方法により製造されたものである導電接続構造体もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続することができる導電性微粒子、及び、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、導電接続構造体を提供することができる。
従来の導電性微粒子をパッケージ基板の電極上に配置したときの断面を模式的に表した一例である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)樹脂微粒子の作製
ジビニルベンゼン50重量部と、テトラメチロールメタンテトラアクリレート50重量部とを共重合させ、樹脂微粒子(平均粒子径35μm、CV値4.06%)を作製した。
(2)導電性微粒子の作製
得られた樹脂微粒子に無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ1μmの銅層を形成させた。更に、電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ0.5μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ6μmの錫、及び、銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ニッケル層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。
樹脂微粒子の表面に、銅層、ニッケル層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子の表面積が0.6dmになる重量(本実施例では0.278g)を、下記無電解ニッケルメッキ液(液温37℃、pH10.5)30mLに添加し、メッキ液を37℃に保ちながら攪拌し、無電解ニッケルメッキ反応を開始させた。導電性微粒子を添加してから15分後に、攪拌を停止し、無電解ニッケルメッキ液を濾過した。得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、銅層、ニッケル層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は50μm、CV値は4.24%であった。
無電解ニッケルメッキ液組成
酢酸ニッケル :35g/L
ヒドラジン一水和物 :50g/L
エチレンジアミン四酢酸 :20g/L
乳酸 :75g/L
ホウ酸 :25g/L
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀3.5重量%、ニッケル0.2重量%であり、残部は錫であった。
なお、上記下地ニッケルメッキ層、銅層、ニッケル層、及び、ハンダ層の厚さは無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均することにより算出した。以下、同様である。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層の体積比を算出したところ、0.56であった。
(実施例2〜4、比較例1〜4)
実施例1と同様の方法により、表2に記載された平均粒子径の樹脂微粒子を基材微粒子として用い、該樹脂微粒子の表面に、表2に記載された厚さの銅層、ニッケル層、ハンダ層を形成し、更にハンダ層の表面にニッケルを付着させて導電性微粒子を得た。
(実施例5)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径35μm、CV値4.14%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ1μmの銅層を形成させた。更に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ0.5μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ6μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は50μm、CV値は4.38%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.5重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.56であった。
(比較例5)
錫、銀及び銅を含有するハンダからなる平均粒子径が50μmのハンダボール(千住金属工業社製「M705」、錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%)を導電性微粒子として用いた。
(実施例6〜9、比較例6〜8)
実施例1と同様の方法により、表3に記載された平均粒子径の樹脂微粒子を基材微粒子として用い、該樹脂微粒子の表面に、表3に記載された厚さの銅層、ニッケル層、ハンダ層を形成し、更にハンダ層の表面にニッケルを付着させて導電性微粒子を得た。
(実施例10)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径66μm、CV値2.48%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ5μmの銅層を形成させた。更に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ0.5μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ12μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は101μm、CV値は2.82%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.5重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.56であった。
(比較例9)
錫、銀及び銅を含有するハンダからなる平均粒子径が100μmのハンダボール(千住金属工業社製「M705」、錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%)を導電性微粒子として用いた。
(実施例11〜14、比較例10〜12)
実施例1と同様の方法により、表4に記載された平均粒子径の樹脂微粒子を基材微粒子として用い、該樹脂微粒子の表面に、表4に記載された厚さの銅層、ニッケル層、ハンダ層を形成し、更にハンダ層の表面にニッケルを付着させて導電性微粒子を得た。
(実施例15)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径150μm、CV値0.64%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ40μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は250μm、CV値は1.18%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.6重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.69であった。
(実施例16)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径170μm、CV値0.68%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ0.5μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ30μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は251μm、CV値は1.08%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.5重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.56であった。
(実施例17)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径170μm、CV値0.68%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ0.5μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ30μmの錫と銀と銅を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は251μm、CV値は1.14%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.1重量%、銅0.5重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.56であった。
(実施例18)
平均粒子径170μmの銅微粒子に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ1μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ40μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、銅微粒子の表面に、ニッケル層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は251μm、CV値は1.88%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.4重量%であり、残部は錫であった。得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.68であった。
(比較例13)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径142μm、CV値0.83%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ44μmの錫、及び、銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は250μm、CV値は0.92%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.5重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.73であった。
(比較例14)
錫、銀及び銅を含有するハンダからなる平均粒子径が250μmのハンダボール(千住金属工業社製「M705」、錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%)を導電性微粒子として用いた。
(実施例19〜23、比較例15〜18)
実施例1と同様の方法により、表5に記載された平均粒子径の樹脂微粒子を基材微粒子として用い、該樹脂微粒子の表面に、表5に記載された厚さの銅層、ニッケル層、ハンダ層を形成し、更にハンダ層の表面にニッケルを付着させて導電性微粒子を得た。
(実施例24)
平均粒子径230μmの銅微粒子に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ1μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ40μmの錫と銀とを含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、銅微粒子の表面に、ニッケル層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は312μm、CV値は2.53%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.6重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.59であった。
(実施例25)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径240μm、CV値0.42%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ0.5μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ40μmの錫と銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は341μm、CV値は1.48%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.5重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.55であった。
(実施例26)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径210μm、CV値0.47%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ40μmの錫と銀と銅を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.74%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.0重量%、銅0.5重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.59であった。
(比較例19)
平均粒子径260μmの銅微粒子に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ1μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ25μmの錫、及び、銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、銅微粒子の表面に、ニッケル層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は312μm、CV値は2.38%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.6重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.41であった。
(比較例20)
錫、銀及び銅を含有するハンダからなる平均粒子径が300μmのハンダボール(千住金属工業社製「M705」、錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%)を導電性微粒子として用いた。
(実施例27〜29、比較例21〜23)
実施例1と同様の方法により、表6に記載された平均粒子径の樹脂微粒子を基材微粒子として用い、該樹脂微粒子の表面に、表6に記載された厚さの銅層、ニッケル層、ハンダ層を形成し、更にハンダ層の表面にニッケルを付着させて導電性微粒子を得た。
(実施例30)
実施例1と同様の方法により得られた樹脂微粒子(平均粒子径280μm、CV値0.41%)に無電界ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に電解ニッケルメッキをすることにより、厚さ1μmのニッケル層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ49μmの錫と銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50度の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は400μm、CV値は1.53%であった。
得られた導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」で分析したところ、ハンダ層に含有される金属の含有量は、銀3.4重量%であり、残部は錫であった。
得られた測定結果より、導電性微粒子全体の体積に占めるハンダ層体積比を算出したところ、0.57であった。
(比較例24)
錫、銀及び銅を含有するハンダからなる平均粒子径が400μmのハンダボール(千住金属工業社製「M705」、錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%)を導電性微粒子として用いた。
(評価)
実施例及び比較例で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表2〜6に示した。
なお、各評価については、導電性微粒子の粒子径に応じて、実施例1〜5、比較例1〜5(平均粒子径50μm程度)についてはカテゴリーIに、実施例6〜10、比較例6〜9(平均粒子径100μm程度)についてはカテゴリーIIに、実施例11〜18、比較例10〜14(平均粒子径250μm程度)についてはカテゴリーIIIに、実施例19〜26、比較例15〜20(平均粒子径300μm程度)についてはカテゴリーIVに、実施例27〜30、比較例21〜24(平均粒子径400μm程度)についてはカテゴリーVに分類して評価を行った。各カテゴリーにおける評価で使用した評価用素子(TEG)を表1に示した。
Figure 2014096362
(1)実装性試験
各カテゴリーの評価用素子(TEG)のチップ上の電極ランドにフラックス(クックソンエレクトロニクス社製「WS−9160−M7」)を塗布した。チップ上の全ての電極ランドに導電性微粒子を配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)して、導電性微粒子を電極ランドに実装した。
次いで、各カテゴリーの評価用素子(TEG)のプリント基板に、導電性微粒子が実装されたチップを搭載し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)して、チップをプリント基板に実装し、導電接続構造体を得た。得られた導電接続構造体は、デイジーチェーン回路が形成されており、1カ所の電極ランドの未接続でも検出することができる。
なお、プリント基板は、電極にソルダーペースト(千住金属工業社製「M705−GRN360−K2−V」)を塗布したものと、フラックス(クックソンエレクトロニクス社製「WS−9160−M7」)を塗布したものとを各々10個準備した。
得られた導電接続構造体ついて、導通性を確認して、以下の基準により実装性を評価した。
○:10個の導電接続構造体のすべてで導通が取れた
×:10個の導電接続構造体のうち1個でも導通が取れないものがあった
(2)落下試験
実装性試験の際と同様の方法により、各々10個の導電接続構造体を得た。
JEDEC規格JESD22−B111に従い、得られた導電接続構造体の落下試験を行った。各々10個の導電接続構造体について断線するまでの落下回数を測定し、その算術平均を算出した。
評価にあたっては、それぞれのカテゴリーで比較例5、9、14、20及び24のハンダボールを用い、ソルダーペーストを使用して実装を行った場合を基準として、以下の基準により落下強度を評価した。ただし、実装性試験で導通のとれなかった比較例については、評価は実施しなかった。
5:断線するまでの落下回数が基準の2.5倍以上であった
4:断線するまでの落下回数が基準の2倍以上、2.5倍未満であった
3:断線するまでの落下回数が基準の1.5倍以上、2倍未満であった
2:断線するまでの落下回数が基準の1倍以上、1.5倍未満であった
1:断線するまでの落下回数が基準の1倍未満であった
(3)温度サイクル試験
実装性試験の際と同様の方法により、各々10個の導電接続構造体を得た。
得られた導電接続構造体を用いて、−40℃〜125℃を1サイクルとする温度サイクル試験を行った。なお、温度サイクル試験のヒートプロファイルは、−40℃で10分間保持し、−40℃から125℃まで2分間で昇温させ、125℃で10分間保持し、125℃から−40℃まで2分間で降温させるヒートプロファイルであった。
各々10個の導電接続構造体について断線するまでのサイクル数を測定し、その算術平均を算出した。
評価にあたっては、それぞれのカテゴリーで比較例5、9、14、20及び24のハンダボールを用い、ソルダーペーストを使用して実装を行った場合を基準として、以下の基準により評価した。ただし、実装性試験で導通のとれなかった比較例については、評価は実施しなかった。
5:断線するまでのサイクル数が基準の2.5倍以上であった
4:断線するまでのサイクル数が基準の2倍以上、2.5倍未満であった
3:断線するまでのサイクル数が基準の1.5倍以上、2倍未満であった
2:断線するまでのサイクル数が基準の1倍以上、1.5倍未満であった
1:断線するまでのサイクル数が基準の1倍未満であった
Figure 2014096362
Figure 2014096362
Figure 2014096362
Figure 2014096362
Figure 2014096362
本発明によれば、ソルダーペーストを用いることなく、高い接続信頼性でパッケージ基板の電極間を導電接続することができる導電性微粒子、及び、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、導電接続構造体を提供することができる。
1 樹脂微粒子
2 金属層
4 ハンダ層
5 電極
6 基板

Claims (11)

  1. 基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成されたハンダ層とを有する導電性微粒子であって、前記導電性微粒子の平均粒子径が50〜400μmであり、かつ、前記ハンダ層の体積比が0.55〜0.70であることを特徴とする導電性微粒子。
  2. 基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成されたハンダ層とを有する導電性微粒子であって、前記導電性微粒子の平均粒子径が50〜150μmであり、かつ、前記ハンダ層の体積比が0.60〜0.65であることを特徴とする導電性微粒子。
  3. 基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成されたハンダ層とを有する導電性微粒子であって、前記導電性微粒子の平均粒子径が150〜400μmであり、かつ、前記ハンダ層の体積比が0.64〜0.67であることを特徴とする導電性微粒子。
  4. 基材微粒子は、樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の導電性微粒子。
  5. 樹脂微粒子とハンダ層との間に、更に金属層を有することを特徴とする請求項4記載の導電性微粒子。
  6. ハンダ層と金属層との間に、更にバリア層を有することを特徴とする請求項5記載の導電性微粒子。
  7. ハンダ層の表面に、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、チタン、リン又はビスマスが付着していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の導電性微粒子。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の導電性微粒子が、バインダー樹脂に分散されていることを特徴とする異方性導電材料。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6若しくは7記載の導電性微粒子又は請求項8記載の異方性導電材料を用いてパッケージ基板の電極間を導電接続する導電接続構造体の製造方法であって、
    一方のパッケージ基板に形成された電極上に前記導電性微粒子又は異方性導電材料を配置し、リフローすることでハンダ層を溶融させて、導電性微粒子を電極上に固定する導電性微粒子配置工程と、
    他方のパッケージ基板に形成された電極と、前記導電性微粒子が配置されたパッケージ基板の電極とが対向するように配置し、リフローすることで基板の電極間を導電接続する導電接続工程とを有し、
    前記他方のパッケージ基板に形成された電極は、ソルダーペーストが塗工されていないものである
    ことを特徴とする導電接続構造体の製造方法。
  10. 他方のパッケージ基板に形成された電極は、フラックスが塗工されているものであることを特徴とする請求項9記載の導電接続構造体の製造方法。
  11. 請求項9又は10記載の導電接続構造体の製造方法により製造されたものであることを特徴とする導電接続構造体。
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