JP5210236B2 - 導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 - Google Patents

導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 Download PDF

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本発明は、電極との接続界面において破壊等による断線が生じにくく、高い接続信頼性を実現することが可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体に関する。
従来、電子回路基板において、ICやLSIは、電極をプリント基板にハンダ付けすることによって接続されていた。しかし、ハンダ付けでは、プリント基板と、ICやLSIとを効率的に接続することはできなかった。また、ハンダ付けでは、ICやLSIの実装密度を向上させることが困難であった。
これを解決するためにハンダを球状にした、いわゆる「ハンダボール」でICやLSIを基板に接続するBGA(ボールグリッドアレイ)が開発された。この技術によれば、チップ又は基板上に実装されたハンダボールを高温で溶融し基板とチップとを接続することで高生産性、高接続信頼性を両立した電子回路を製造することができる。
しかし、近年、基板の多層化が進み、多層基板は使用環境の影響を受けやすいことから、基板に歪みや伸縮が発生し、基板間の接続部に断線が発生するという問題があった。
このような問題に対し、特許文献1には、樹脂微粒子の表面に、導電性の高い金属が含まれる金属層が形成され、さらに、金属層の表面に、錫等の金属からなる低融点金属層が形成された導電性微粒子が開示されている。このような導電性微粒子を用いれば、柔軟な樹脂微粒子が導電性微粒子に加わる応力を緩和することができ、かつ、最表面に低融点金属層が形成されているため、電極間を容易に導電接続することができる。
しかしながら、樹脂微粒子の表面に、低融点金属層が形成された導電性微粒子が携帯電話等の電子機器に用いられると、落下等の衝撃が加わることにより低融点金属層に亀裂ができたり、電極と導電性微粒子との接続界面が破壊されたりすることがあった。低融点金属層に亀裂ができたり、接続界面が破壊されたりすると、電極と導電性微粒子との接続が断線してしまうという問題があった。
これに対して、特許文献2には、応力の緩和を目的として、基材微粒子の表面にフラックス等を用いて樹脂微小粒子を付着させた導電性微粒子が記載されている。しかしながら、このような導電性微粒子を作製するためには樹脂微小粒子を付着させる工程を別途行う必要があり、製造工程の煩雑化を招いていた。また、フラックス等を用いて付着させても、樹脂微小粒が離脱してしまうことがあった。更に、実装工程においてボールマウンタを用いて吸引する際に、導電性微粒子を吸引できなくなるという不具合が発生していた。
特開2001−220691号公報 特開2004−253278号公報
本発明は、電極との接続界面において破壊等による断線が生じにくく、高い接続信頼性を実現することが可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することを目的とする。
本発明は、基材微粒子の表面に、低融点金属層が形成されている導電性微粒子であって、上記低融点金属層中に、上記基材微粒子の粒子径よりも小さい樹脂微小粒子を内包し、上記樹脂微小粒子は、平均粒子径が低融点金属層の厚さの15%〜75%、含有量が2〜15vol%である導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子の表面に、低融点金属層が形成されている導電性微粒子であって、上記低融点金属層中に、上記基材微粒子の粒子径よりも小さい樹脂微小粒子を内包する。
本発明の導電性微粒子は、樹脂微小粒子を内包することにより、導電接続を行った場合、基材微粒子と電極との間に樹脂微小粒子が介在する構成となる。これにより、従来の導電性微粒子を用いた場合に応力が掛かり易かった電極との接続界面においても、応力を効果的に緩和することが可能となる。
図1は、本発明の導電性微粒子の一例を示す断面図である。図1に示すように、本発明の導電性微粒子は、基材微粒子1と低融点金属層2と樹脂微小粒子3とから構成されており、樹脂微小粒子3が低融点金属層2に内包された構造となっている。
図2は、本発明の導電性微粒子を電極に実装した場合の状態を示す断面図である。図2に示すように、低融点金属層2を熱で溶融すると、樹脂微小粒子3が基材微粒子1と電極4との間に介在するような構成となる。このような構成となることで、電極との接続界面における応力を大幅に緩和することが可能となる。
上記基材微粒子は特に限定されず、例えば、樹脂微粒子、無機微粒子、有機無機ハイブリッド微粒子、金属微粒子等が挙げられる。上記基材微粒子としては、特に樹脂微粒子が好ましい。
上記樹脂微粒子は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等で構成される樹脂微粒子が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。上記アクリル樹脂は特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメチルアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂微粒子を作製する方法は特に限定されず、例えば、重合法による方法、高分子保護剤を用いる方法、界面活性剤を用いる方法等が挙げられる。
上記重合法は特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法が挙げられる。
上記無機微粒子は特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ等の金属酸化物で構成される微粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド微粒子は特に限定されず、例えば、オルガノシロキサン骨格の中にアクリルポリマーを含有するハイブリッド微粒子が挙げられる。
上記金属微粒子は特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、金、銀等の金属からなる微粒子が挙げられる。なかでも、銅微粒子が好ましい。上記銅微粒子は、実質的に銅金属のみで形成された銅微粒子であってもよく、銅金属を含有する銅微粒子であってもよい。なお、上記基材微粒子が銅微粒子である場合は、後述する導電層を形成しなくてもよい。
上記基材微粒子が樹脂微粒子である場合、上記樹脂微粒子の10%K値の好ましい下限は1000MPa、好ましい上限は15000MPaである。上記10%K値が1000MPa未満であると、樹脂微粒子を圧縮変形させると、樹脂微粒子が破壊されることがある。上記10%K値が15000MPaを超えると、導電性微粒子が電極を傷つけることがある。上記10%K値のより好ましい下限は2000MPa、より好ましい上限は10000MPaである。
なお、上記10%K値は、微小圧縮試験器(例えば、島津製作所社製「PCT−200」)を用い、樹脂微粒子を直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、最大試験荷重10gの条件下で圧縮した場合の圧縮変位(mm)を測定し、下記式により求めることができる。
K値(N/mm)=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:樹脂微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂微粒子の半径(mm)
上記基材微粒子の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は2000μmである。上記基材微粒子の平均粒子径が1μm未満であると、基材微粒子が凝集しやすく、凝集した基材微粒子の表面に低融点金属層を形成した導電性微粒子を用いると、隣接する電極間を短絡させることがある。上記基材微粒子の平均粒子径が2000μmを超えると、回路基板等の電極間の接続に適した範囲を超えることがある。上記基材微粒子の平均粒子径のより好ましい下限は3μm、より好ましい上限は1000μmである。
なお、上記基材微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の基材微粒子の粒子径を測定し、測定した粒子径を算術平均することにより求めることができる。
上記基材微粒子の平均粒子径の変動係数は特に限定されないが、10%以下であることが好ましい。上記変動係数が10%を超えると、導電性微粒子の接続信頼性が低下することがある。なお、上記変動係数とは、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除して得られる値を百分率(%)で示した数値である。
上記基材微粒子の形状は、対向する電極の間隔を維持できる形状であれば特に限定されないが、真球形状であることが好ましい。また、上記基材微粒子の表面は平滑であってもよいし、突起を有していてもよい。
上記樹脂微小粒子は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等で構成される樹脂微粒子が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。上記アクリル樹脂は特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメチルアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂微小粒子の平均粒子径は、上記基材微粒子よりも小さく、かつ、上記低融点金属層に内包可能な大きさである必要があり、下限は低融点金属層の厚さの15%、上限は低融点金属層の厚さの75%である。上記樹脂微小粒子の平均粒子径が低融点金属層の厚さの15%未満であると、応力緩和効果が不充分となる。上記樹脂微小粒子の平均粒子径が低融点金属層の厚さの75%を超えると、低融点金属層中に内包しきれず、導電性微粒子表面に突出する。上記樹脂微小粒子の平均粒子径の好ましい下限は低融点金属層の厚さの20%、好ましい上限は低融点金属層の厚さの60%である。
なお、上記樹脂微小粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の樹脂微小粒子の粒子径を測定し、測定した粒子径を算術平均することにより求めることができる。
上記樹脂微小粒子の平均粒子径の変動係数は特に限定されないが、10%以下であることが好ましい。上記変動係数が10%を超えると、導電性微粒子の接続信頼性が低下することがある。なお、上記変動係数とは、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除して得られる値を百分率(%)で示した数値である。
上記樹脂微小粒子の形状は、上記低融点金属層に内包可能な形状であれば特に限定されないが、真球形状であることが好ましい。また、上記樹脂微小粒子の表面は平滑であってもよいし、突起を有していてもよい。
上記樹脂微小粒子の表面には、金属層が形成されていてもよい。
上記金属層を形成する金属は特に限定されず、例えば、金、銀、銅、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム等が挙げられる。なかでも、導電性に優れることから、上記金属層を形成する金属は、金、銅又はニッケルであることが好ましい。
また、金属層の最外層は、錫又は錫と他の金属との合金からなる層であることが好ましい。
本発明の導電性微粒子に含有される樹脂微小粒子の含有量の下限は2vol%、上限は15vol%である。上記樹脂微小粒子の含有量が2vol%未満であると、上記樹脂微小粒子による応力緩和効果が充分に得られない。上記樹脂微小粒子の含有量が15vol%を超えると電極間において導電接続を確保するための低融点金属量が不足する。上記含有量の好ましい下限は2.5vol%、好ましい上限は10vol%である。なお、上記樹脂微小粒子の含有量は、低融点金属層に対する容積比である。
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子の表面に低融点金属層が形成されている。上記低融点金属層は、リフロー工程により溶融して電極に接合するため、接続信頼性を高めることができる。
上記低融点金属層は、錫又は錫と他の金属の合金からなる。上記合金は特に限定されず、例えば、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−ビスマス合金、錫−亜鉛合金、錫−インジウム合金等が挙げられる。なかでも、形成される低融点金属層の融点を低下させることができることから、錫−銀合金が好適である。
更に、上記低融点金属層と電極との接合強度を向上させるために、上記低融点金属層に、ニッケル、アンチモン、アルミニウム、鉄、金、チタン、リン、ゲルマニウム、テルル、ガリウム、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、パラジウム、インジウム等の金属を含有させてもよい。なかでも、上記低融点金属層と電極との接合強度を向上させる効果に優れていることから、上記低融点金属微粒子にニッケル、アンチモン、アルミニウムを含有させることが好適である。
上記低融点金属層に含有される金属の合計に占める上記金属の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.0001重量%、好ましい上限は2重量%である。上記金属の含有量が0.0001重量%未満であると、上記低融点金属層と電極との接合強度が充分に得られないことがある。上記金属の含有量が2重量%を超えると導電性微粒子の融点が変わることがある。
上記低融点金属層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は200μmである。上記低融点金属層の厚さが0.1μm未満であると、リフローして溶融させても充分に電極に接合できないことがあり、上記低融点金属層の厚さが200μmを超えると、上記低融点金属層を形成する際に凝集が生じやすく、凝集した導電性微粒子は隣接電極間の短絡を引き起こすことがある。上記低融点金属層の厚さのより好ましい下限は0.2μm、より好ましい上限は50μmである。
なお、上記低融点金属層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均した厚さである。
上記低融点金属層は、上記基材微粒子の表面に直接形成されていてもよい。また、上記低融点金属層は、上記低融点金属層と上記基材微粒子との間に、更に、導電層(下地金属層)が形成されていてもよい。
上記導電層を形成する金属は特に限定されず、例えば、金、銀、銅、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム等が挙げられる。なかでも、導電性に優れることから、上記導電層を形成する金属は、金、銅又はニッケルであることが好ましい。
上記基材微粒子の表面に、上記導電層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、無電解メッキ法、電解メッキ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンスパッタリング法等が挙げられる。
上記導電層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は100μmである。上記導電層の厚さが0.1μm未満であると、導電性が充分に得られないことがある。上記導電層の厚さが100μmを超えると、導電性微粒子の柔軟性が低下することがある。上記導電層の厚さのより好ましい下限は0.2μm、より好ましい上限は50μmである。
なお、上記導電層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、これらを算術平均した厚さである。
本発明の導電性微粒子の製造方法は、上述のように樹脂微小粒子が内包された低融点金属層が得られる方法であれば特に限定されないが、例えば、基材微粒子に、錫を含有する低融点金属微粒子と、樹脂微小粒子に低融点金属層を被覆した低融点金属被覆微小粒子を接触させ、せん断圧縮によって低融点金属を溶融させることにより、基材微粒子に低融点金属層を形成する工程を有する方法(乾式被覆法)、樹脂微小粒子に低融点金属層を被覆した低融点金属被覆微小粒子をめっき液に添加し、電気めっきによって基材微粒子に低融点金属層を形成する工程を有する方法(電気めっき法)等により製造することができる。
上記乾式被覆法では、例えば、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)を用いる方法等が挙げられる。上記シータコンポーザは、楕円形のキャビティを備えるベッセルと、キャビティ内でこのベッセルと同一軸上において別個に回転されるローターとを備えており、混合に際しては、ベッセルとローターとを逆回転させることにより、キャビティの短径とローターの長径とが一致する付近の間隙内で、せん断圧縮力を作用することができる。このせん断圧縮によって、低融点金属微粒子及び低融点金属被覆微小粒子の低融点金属を溶融軟化させ、低融点金属微粒子及び低融点金属被覆微小粒子を基材微粒子に付着させることを繰り返すことにより、基材微粒子の表面に、樹脂微小粒子が内包された低融点金属層が形成された導電性微粒子を製造することができる。
上記低融点金属層を形成するときに用いる低融点金属微粒子の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は100μmである。上記低融点金属微粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、低融点金属微粒子が凝集しやすくなるため、低融点金属層を形成することが困難となることがある。上記低融点金属微粒子の平均粒子径が100μmを超えると、せん断圧縮時に溶融しきらず、低融点金属層を形成することが困難となるときがある。なお、上記低融点金属微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の低融点金属微粒子の粒子径を測定し、測定した粒子径を算術平均することにより求めることができる。
また、上記低融点金属微粒子の平均粒子径は、上記基材微粒子の平均粒子径の1/10以下であることが好ましい。上記低融点金属微粒子の平均粒子径が、上記基材微粒子の平均粒子径の1/10を超えると、せん断圧縮時に上記低融点金属微粒子を上記基材微粒子に付着、皮膜化させることができないことがある。
このような製造方法で得られた低融点金属層は、樹脂微小粒子を内包するものとなる。従って、得られる導電性微粒子は、実装した場合に、電極との接続界面において破壊等による断線が生じにくく、高い接続信頼性を実現することが可能となる。
また、上記製造方法は、従来の方法のように樹脂微小粒子を付着させる工程等が必要なく、工程を簡略化することが可能となる。更に、樹脂微小粒子は内包されているため、樹脂微小粒子が脱離しにくく、ボールマウンタの吸着性も極めて良好なものとなる。
本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散させることにより異方性導電材料を製造することができる。このような異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
本発明の異方性導電材料として、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
上記バインダー樹脂は特に限定されないが、絶縁性の樹脂が用いられ、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体、エラストマー等が挙げられる。
上記ビニル樹脂は特に限定されないが、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
上記硬化性樹脂は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は硬化剤と併用してもよい。
上記熱可塑性ブロック共重合体は特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。
上記エラストマーは特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の異方性導電材料は、本発明の導電性微粒子、及び、上記バインダー樹脂の他に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で、例えば、増量剤、可塑剤、粘接着性向上剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等を含有してもよい。
本発明の異方性導電材料の製造方法は特に限定されず、例えば、上記バインダー樹脂に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電接着剤等を製造する方法が挙げられる。また、上記バインダー樹脂に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に分散させるか、又は、加熱溶解させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定のフィルム厚さとなるように塗工し、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電シート等を製造する方法も挙げられる。
また、上記バインダー樹脂と、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
本発明の導電性微粒子又は本発明の異方性導電材料を用いてなる接続構造体もまた、本発明の1つである。
本発明の接続構造体は、一対の回路基板間に、本発明の導電性微粒子又は本発明の異方性導電材料を充填することにより、一対の回路基板間を接続させた導電接続構造体である。
本発明によれば、電極との接続界面において破壊等による断線が生じにくく、高い接続信頼性を実現することが可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することができる。
本発明の導電性微粒子の一例を示す断面図である。 本発明の導電性微粒子を電極に実装した場合の状態を示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
テトラメチロールメタンテトラアクリレートとジビニルベンゼンとの共重合体からなる樹脂微小粒子(平均粒子径10μm)の表面に、電気めっきにより厚さ1μmの銅層を形成した後、得られた樹脂微小粒子と、錫96.5銀3.5合金微粒子(粒子径分布〜2μm)とをシータコンポーザ(徳寿工作所社製)に投入して、混合した。これにより、錫96.5銀3.5合金微粒子を樹脂微小微粒子の表面に付着、皮膜化させて、樹脂微小粒子の表面に厚さ2.5μmの錫96.5銀3.5合金層を形成し、導電性微小粒子を得た。
次いで、テトラメチロールメタンテトラアクリレートとジビニルベンゼンとの共重合体からなる樹脂微粒子(平均粒子径260μm)の表面に、電気めっきにより厚さ10μmの銅層を形成した後、得られた基材微粒子及び導電性微小粒子に加えて、錫96.5銀3.5合金微粒子(粒子径分布5〜15μm)をシータコンポーザに投入して、混合した。これにより、導電性微小粒子と錫96.5銀3.5合金微粒子を基材微粒子に付着、皮膜化させて、基材微粒子の表面に、樹脂微小粒子が内包された厚さ25μmの錫96.5銀3.5合金層を形成し、導電性微粒子を得た。なお、導電性微粒子全体に対する樹脂微小粒子の含有量は5vol%であった。
(実施例2〜9)
樹脂微小粒子の含有量、又は、樹脂微小粒子の平均粒子径を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。
(実施例10)
テトラメチロールメタンテトラアクリレートとジビニルベンゼンとの共重合体からなる樹脂微小粒子(平均粒子径10μm)の表面に、電気めっきにより厚さ1μmの銅層を形成し、更にその表面に電気共析めっきにより厚さ2.5μmの錫96.5銀3.5合金層を形成し、導電性微小粒子を得た。
次いで、テトラメチロールメタンテトラアクリレートとジビニルベンゼンとの共重合体からなる樹脂微粒子(平均粒子径260μm)の表面に、電気めっきにより厚さ10μmの銅層を形成した。更に、めっき液に導電性微小粒子を添加した後、電気共析めっきを行うことにより、基材微粒子の表面に、樹脂微小粒子が内包された厚さ25μmの錫96.5銀3.5合金層を形成し、導電性微粒子を得た。なお、導電性微粒子全体に対する樹脂微小粒子の含有量は5vol%であった。
(実施例11〜18)
樹脂微小粒子の含有量、又は、樹脂微小粒子の平均粒子径を表1に示すように変更した以外は実施例10と同様にして導電性微粒子を作製した。
(比較例1〜4)
樹脂微小粒子の含有量、又は、樹脂微小粒子の平均粒子径を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。
(比較例5〜8)
樹脂微小粒子の含有量、又は、樹脂微小粒子の平均粒子径を表1に示すように変更した以外は実施例10と同様にして導電性微粒子を作製した。
(比較例9)
導電性微小粒子を投入せず、基材微粒子及び錫96.5銀3.5合金微粒子(粒子径分布〜5μm)のみをシータコンポーザ(徳寿工作所社製)に投入した以外は実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。
(比較例10)
めっき液に導電性微小粒子を添加せず、電気共析めっきを行った以外は実施例10と同様にして導電性微粒子を作製した。
(比較例11)
錫、銀及び銅からなる、はんだボール(千住金属工業社製「M705」、平均粒子径300μm(錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%))を導電性微粒子とした。
<評価>
実施例及び比較例で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)断線までの回数
得られた導電性微粒子を、銅電極を有するシリコンチップ上に112個搭載し、270℃に設定したリフロー炉に投入し溶融させた。次いで、導電性微粒子を実装したシリコンチップを、銅電極を有する基板上に搭載し、270℃に設定したリフロー炉に投入し溶融させることで接続構造体を得た。
次に、得られた接続構造体の落下強度試験をJEDEC規格JESD22−B111に準拠した方法で行った。具体的には、接続構造体の断線が確認されるまで落下を行い、断線が起こるまでの落下回数を求めた。
Figure 0005210236
本発明によれば、電極との接続界面において破壊等による断線が生じにくく、高い接続信頼性を実現することが可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することができる。

Claims (9)

  1. 基材微粒子の表面に、低融点金属層が形成されている導電性微粒子であって、前記低融点金属層中に、前記基材微粒子の粒子径よりも小さい樹脂微小粒子を内包し、前記樹脂微小粒子は、平均粒子径が低融点金属層の厚さの15〜75%、かつ、含有量が2〜15vol%であることを特徴とする導電性微粒子。
  2. 樹脂微小粒子の表面に、1層以上の金属層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
  3. 金属層の最外層が錫又は錫と他の金属との合金からなる層であることを特徴とする請求項2記載の導電性微粒子。
  4. 低融点金属層は、錫又は錫と他の金属との合金からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の導電性微粒子。
  5. 基材微粒子は、樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電性微粒子。
  6. 基材微粒子は、銅微粒子であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電性微粒子。
  7. 基材微粒子は、更に、基材微粒子と低融点金属層との間に導電層を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の導電性微粒子。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6或いは7記載の導電性微粒子、又は、請求項8記載の異方性導電材料を用いてなることを特徴とする接続構造体。
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