JP4068980B2 - 導電性微粒子、導電性微粒子の製造方法及び導電接続構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップ又は電子部品の電極と実装基板の電極とを接続するのに使用され、その接続部にかかる力を緩和して高い接続信頼性を得ることができ、かつ、熱伝導性の高い導電性微粒子、導電性微粒子の製造方法及び導電接続構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子回路基板において、ICやLSIの接続は、それぞれの電極をプリント基板上にハンダ付けすることによって行っていたが、生産効率が悪く、また、高密度化には適さないものであった。
これを解決するためにハンダを球状にした、いわゆるハンダボールで基板と接続するBGA(ボールグリッドアレイ)等の技術が開発された。この技術によれば、チップ又は基板上に実装されたハンダボールを高温で溶融し基板とチップとを接続することで高生産性、高密度実装を両立した電子回路を構成することができる。
【0003】
しかし、近年、基板の多層化が進み、基板自体の外環境変化による歪みや伸縮が発生し、結果としてその力が基板間の接続部にかかることによる断線が発生することが問題となっていた。例えば、ハンダボールを用いて半導体等を基板に接続すると、温度変化による半導体と基板間の線膨張係数の違いにより、ハンダボール部に応力が発生し、ハンダボールに亀裂が入り導通不良を起こすことがあった。
【0004】
これに対して、特許文献1や特許文献2には、樹脂からなる基材微粒子の表面に無電解メッキや電解メッキにより金属層を設けた導電性微粒子が開示されている。このような導電性微粒子を用いれば、温度変化等により半導体と基板間に応力が発生しても、柔軟な樹脂からなる基材微粒子が応力を緩和することから、接続信頼性を向上させることができる。
【0005】
しかしながら、これらの樹脂からなる基材微粒子の表面に金属層を設けた導電性微粒子では、樹脂からなる基材微粒子部分の熱伝導性が低く、チップより発生する熱を充分に伝えることが出来ないために、チップからの放熱が進まずに、発熱によるチップの誤作動等の原因となるという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−036306号公報
【特許文献2】
特開平9−306231号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、半導体チップ又は電子部品の電極と実装基板の電極とを接続するのに使用され、その接続部にかかる力を緩和して高い接続信頼性を得ることができ、かつ、熱伝導性の高い導電性微粒子、導電性微粒子の製造方法及び導電接続構造体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明による導電性微粒子(以下、本発明2という)は、無機微粒子からなる基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成された多層構造体とからなる導電性微粒子であって、前記多層構造体は、樹脂層と金属層とからなる組み合わせを少なくとも2つ以上有し、かつ、最外層は金属層とされていることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明による導電性微粒子は、上記請求項1記載の導電性微粒子において、金属層は、1層又は2層以上の層からなることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明による導電性微粒子は、請求項1又は2に記載の導電性微粒子において、無機微粒子が金属又はセラミックスであることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明による導電性微粒子の製造方法は、無機微粒子からなる基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成された樹脂層と、前記樹脂層の表面に形成された金属層とからなる導電性微粒子の製造方法であって、少なくとも、無機微粒子からなる基材微粒子を重合性単量体液中に分散した分散液を調製する工程1と、前記分散液を媒体中に加え、剪断をかけながら攪拌して前記分散液が微粒化して前記媒体中に懸濁した懸濁液を調製する工程2と、前記懸濁液を加熱して前記重合性単量体を重合させる工程3とを有し、前記基材微粒子の表面に形成された樹脂層の表面に、金属層を形成する工程をさらに有することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明による導電性微粒子の製造方法は、金属層形成工程と、前記工程1〜3の樹脂層形成工程とを複数回繰り返すことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明による導電接続構造体は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性微粒子を用いて導電接続されてなることを特徴とする。
【0016】
本発明の導電性微粒子の製造方法は、無機微粒子からなる基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成された樹脂層と、前記樹脂層の表面に形成された金属層とからなる導電性微粒子の製造方法である。
以下に本発明の導電性微粒子の製造方法を詳述する。
【0017】
本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子は、無機微粒子からなる基材微粒子と、上記基材微粒子の表面に形成された樹脂層と、上記樹脂層の表面に形成された金属層とからなる。本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子の断面を示す模式図を図1に示した。図1に示すように、本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子は、基材微粒子1の表面に形成された樹脂層2と、上記樹脂層2の表面に形成された金属層3とからなる。
上記基材微粒子を構成する無機微粒子の材質としては、高い熱伝導性を示すものであれば特に限定されないが、高い熱伝導性を示す金属又はセラミックスが好ましく、例えば、アルミニウム、銅、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、ニッケル、鉄、金、銀等が挙げられる。
【0018】
上記樹脂層を構成する樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等の重合性単量体を重合したもの等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
また、上記樹脂層を構成する樹脂を重合する際には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等の架橋性単量体を加えてもよい。これら架橋性単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
上記樹脂層の厚みとしては、本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子の粒子径にもよるが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は200μmである。1μm未満であると、充分な応力緩和効果が得られないことがあり、200μmを超えると得られる導電性微粒子の熱伝導性が低くなることがある。
【0021】
上記金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム、珪素等、又は、ハンダ等のこれらの合金等が挙げられる。
【0022】
上記金属層は、1層からなるものであってもよく、2層以上からなるものであってもよい。上記金属層が2層以上の多層からなる場合には、層ごとに異なる金属からなるものであってもよい。例えば、上記樹脂層上に、ニッケル層を設け、更にその上に銅層やスズ層、ハンダ層を設けるといった構成が挙げられる。
【0023】
上記金属層の厚みは特に限定されないが、導電接合や基板接合という用途を考えた場合には、好ましい下限は0.01μm、上限は100μmである。0.01μm未満であると、充分な導電性が得られないことがあり、100μmを超えると、導電性微粒子同士の合着が起こったり、基板間の距離維持や基板等の回路にかかる力を緩和する機能が乏しくなったりすることがある。
【0024】
本発明2は、無機微粒子からなる基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成された多層構造体とからなる導電性微粒子であって、前記多層構造体は、樹脂層と金属層とからなる組み合わせを少なくとも2つ以上有し、かつ、最外層は金属層とされていることを特徴とする導電性微粒子である。
以下に本発明2を詳述する。
【0025】
本発明2の導電性微粒子の断面を示す模式図を図2に示した。図2は、基材微粒子1と、その表面に形成された多層構造体4とからなる本発明2の導電性微粒子において、前記多層構造体4が、樹脂層と金属層とからなる組み合わせ体を2つ有する場合が示されている。すなわち、前記多層構造体4は、樹脂層5と金属層6とからなる組み合わせ7と樹脂層8と金属層9とからなる組み合わせ10とを有しており、最外層は金属層9とされている。
【0026】
本発明2において、多層構造体4を構成するそれぞれの組み合わせの樹脂層と金属層の材質はそれぞれ異なっていても、同じであってもよい。
【0027】
上記基材微粒子、樹脂層を構成する樹脂、樹脂層の厚み、金属層を構成する金属、金属層の厚みなどは、本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子と同様である。
【0028】
本発明の導電性微粒子を製造する方法は、少なくとも、無機微粒子からなる基材微粒子を重合性単量体液中に分散した分散液を調製する工程1と、上記分散液を媒体中に加え、剪断をかけながら攪拌して上記分散液が微粒化して上記媒体中に懸濁した懸濁液を調製する工程2と、上記懸濁液を加熱して上記重合性単量体を重合させる工程3とを有し、上記基材微粒子の表面に形成された樹脂層の表面に、金属層を形成する工程をさらに有する。
【0029】
本発明の導電性微粒子の製造方法では工程1として、まず、上記無機微粒子からなる基材微粒子を樹脂層を構成する樹脂の原料となる重合性単量体液中に分散して分散液を調製する。上記分散液を調製する方法としては特に限定されず、攪拌機を用いて混合する等の通常の方法を用いることができる。
【0030】
次いで、工程1で得られた分散液を媒体中に加え、剪断をかけながら攪拌する工程2を行う。これにより、上記分散液が微粒化して媒体中に懸濁した懸濁液を調製することができる。
上記媒体としては、重合性単量体を溶解せず、かつ、重合開始温度にまで加熱できるものであれば特に限定されず、例えば、水、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0031】
上記媒体は、上記分散液中に含まれる基材微粒子が反応中に容器底へ沈降しない程度に粘度を調整することが好ましい。上記媒体の粘度を調整する方法としては特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン等の高分子を1〜10重量%程度分散添加する方法が好適である。
【0032】
上記媒体中に上記分散液を微粒化して懸濁させる方法としては特に限定されず、攪拌機を用いて混合する等の通常の方法を用いることができる。
【0033】
次いで、攪拌を続けながら媒体を加熱し、上記重合性単量体を重合させる工程3を行う。上記重合条件としては特に限定されないが、通常は70〜90℃、6〜12時間行うことが好ましい。
【0034】
上記工程1〜3により得られた粒子は、内部に無機粒子を含有したものと、していないものとが混在しているが、これらは比重差を利用して容易に分離することができる。例えば、樹脂単体の比重よりも少し大きい液体を用意し、それに得られた粒子を分散すれば、沈降するものと浮遊するものとで両者を分けることができる。また得られた粒子をふるい等によって粒子径を選別することにより、著しく樹脂層の厚いものや薄いものをふるい分けることも可能である。
【0035】
このようにして得られた無機微粒子からなる基材微粒子の表面に樹脂層が形成された粒子の表面に、更に金属層を形成することにより、導電性微粒子が得られる。
上記金属層の形成方法としては特に限定されないが、無電解メッキ、電気メッキ、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられる。
【0036】
本発明2の導電性微粒子を製造する方法としては特に限定されないが、金属層形成工程と、上記工程1〜3の樹脂層形成工程とを複数回繰り返す方法が好適である。
【0037】
本発明2の導電性微粒子の製造方法の一例を挙げると、まず、本発明の導電性微粒子の製造方法で述べた工程1〜3を実施することにより、無機微粒子からなる基材微粒子の表面に樹脂層が形成された粒子を形成し、得られた粒子の表面に、更に金属層を形成する。金属層の形成方法としては、本発明の導電性微粒子の製造方法で述べた方法と同様である。以上の工程により、基材微粒子の表面に、本発明2の導電性微粒子における多層構造体を構成する樹脂層と金属層とからなる第1の組み合わせが形成される。
【0038】
次に、上記のようにして、基材微粒子の表面に、第1の組み合わせが形成された粒子の表面に、多層構造体を構成する樹脂層と金属層とからなる第2の組み合わせを形成させる。第2の組み合わせを形成させるには、上記第1の組み合わせを形成させる際に用いた基材微粒子の代わりに、第1の組み合わせが形成された粒子を用いる他は、基材微粒子の表面に第1の組み合わせを形成させる方法と同様である。
【0039】
次いで、多層構造体を構成する樹脂層と金属層とからなる組み合わせの所望の数に応じて、上記と同様の操作を繰り返すことにより、本発明2の導電性微粒子を製造することができる。
【0040】
なお、上記の製造例では、基材微粒子の表面に、まず樹脂層を形成したが、まず金属層を形成した後、上記と同様にして樹脂層を形成してゆく方法でもよい。
【0041】
本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子及び本発明2の導電性微粒子に用いられ得る、その他の製造方法としては、無機微粒子からなる基材微粒子に前述の金属形成方法にて金属層を形成させた微粒子と樹脂微粉末とを混合し、強力な圧縮・剪断力を与えることによって、表面に樹脂層を形成させることができる。また、逆に、最外層が樹脂層で被覆された微粒子と金属粉末とを混合し、強力な圧縮・剪断力を与えることによって、表面に金属層を形成させることも可能である。これらの方法を適宜繰り返すことによって、本発明2における多層構造体を形成させることも可能である。
【0042】
本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子は、熱伝導性の高い無機微粒子を基材微粒子とし、応力緩和効果の高い樹脂層を有し、更に、最外層に導電性の金属層を有する。これにより、本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子を用いて半導体チップ又は電子部品の電極と実装基板の電極とを接続すれば、温度変化等によりその接続部に応力が発生しても、樹脂層が応力を緩和して高い接続信頼性を保つことができるとともに、導電性微粒子全体の熱伝導性が高いことから、チップから発生する熱を効率よく伝えて放熱することができる。
【0043】
本発明2の導電性微粒子は、熱伝導性の高い無機微粒子を基材微粒子とし、その表面に応力緩和効果の高い樹脂層と導電性の金属層とからなる組み合わせを少なくとも2つ以上有しており、かつ、最外層は導電性の金属層とされている。特に、応力緩和効果の高い樹脂層を少なくとも2つ以上有するので、本発明2の導電性微粒子を用いて半導体チップ又は電子部品の電極と実装基板の電極とを接続すれば、温度変化等によりその接続部に応力が発生しても、樹脂層が応力を緩和してより一層高い接続信頼性を保つことができるとともに、導電性微粒子全体の熱伝導性が高いことから、チップから発生する熱を効率よく伝えて放熱することができる。
【0044】
本発明の導電性微粒子の製造方法により得られた導電性微粒子又は本発明2の導電性微粒子を用いて導電接続されてなる導電接続構造体もまた、本発明の1つである。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
ジビニルベンゼンとテトラメチロールメタンテトラアクリレートとを各々50重量%になるように混合し、この溶液に重合開始剤を溶解させてモノマー溶液を調製した。このモノマー溶液に平均粒子径220μmの銅粒子を、モノマーに対して30重量%になるように加え、室温にて30分間攪拌させて、均一に分散させた。次いで、この懸濁液を、ポリビニルピロリドンを5重量%溶解させた水中に投入し、5時間攪拌を行った。その後、系を80℃に加熱し、8時間重合反応を行った。得られた粒子をクロロホルム中に分散させ、デカントにより液面に浮いたものと沈降したものとに分離し、沈降した粒子を回収した。得られた粒子を顕微鏡にて確認したところ、内部に銅粒子の存在が確認できた。更に、得られた粒子を250μmと270μmの篩いによって篩い分け、平均粒子径262μmの銅粒子の表面に樹脂層が形成された粒子を得た。
得られた銅粒子の表面に樹脂層が形成された粒子の表面に、0.5μmのニッケル層を無電解メッキにより形成し、さらに電気メッキにより銅層を5μm、ハンダ(錫/鉛=63/37)を15μm形成し、平均粒子径303μmの導電性微粒子を得た。
【0047】
(実施例2)
銅粒子の代わりにニッケル粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、導電性微粒子を得た。
【0048】
(実施例3)
銅粒子の代わりにアルミニウム粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、導電性微粒子を得た。
【0049】
(実施例4)
銅粒子の代わりにアルミナ粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、導電性微粒子を得た。
【0050】
(実施例5)
メッキ工程を除いたことの他は、実施例1と全く同様にして、平均粒子径200μmの銅粒子の表面に樹脂層を形成させた。この工程を樹脂層形成工程とする。得られた微粒子の平均粒径は220μmであり、形成された樹脂層の厚みは10μmであった。この粒子の表面に無電解メッキ法及び電気メッキ法によって銅層を10μm形成させた。さらに、樹脂層形成工程を行い表面層に樹脂層を形成させた。得られた微粒子の平均粒径は262μmであり、形成された樹脂層の厚みは11μmであった。
次に、無電解メッキ法及び電気メッキ法によって銅層を5μm形成させた後、電気メッキ法によってハンダ(錫/鉛=63/37)を15μm形成し、平均粒子径302μmの多層構造の導電性微粒子を得た。
上記導電性微粒子を形成する各層の厚みを、基材微粒子側から外側に向かって順に示すと、基材微粒子(銅)200μm、樹脂層10μm、銅層10μm、樹脂層11μm、銅層5μm、ハンダ層15μmであり、全体の粒径は302μmである。
【0051】
(比較例1)
ジビニルベンゼンとテトラメチロールメタンテトラアクリレートとを各々50重量%になるように混合し、この溶液に重合開始剤を溶解させてモノマー溶液を調製した。次いで、このモノマー溶液を、ポリビニルピロリドンを5重量%溶解させた水中に投入し、5時間攪拌を行った。その後、系を80℃に加熱し、8時間重合反応を行い、粒子を得た。得られた粒子を250μmと270μmの篩いによって篩い分け、平均粒子径262μmの樹脂微粒子を得た。
得られた樹脂微粒子の表面に、0.5μmのニッケル層を無電解メッキにより形成し、さらに電気メッキにより銅層を5μm、ハンダ(錫/鉛=63/37)を15μm形成し、平均粒子径303μmの導電性微粒子を得た。
【0052】
(比較例2)
市販の平均粒子径300μmのハンダボールを準備し、これを導電性微粒子とした。
【0053】
実施例1〜5及び比較例1、2で得られた導電性微粒子を用いて、下記の方法により熱伝導性及び接続信頼性を評価し、結果を表1に示した。
【0054】
(1)熱伝導性評価試験
図3に示したように、熱伝導特性評価用基板12,13の2枚で導電性微粒子11を1基板当たり16個になるように挟み込み、導電性微粒子11と熱伝導特性評価用基板12、13とをリフローにより融着させた供試体を作製した。
次いで、ヒーター14の先端にこの供試体を取り付け、150℃で30秒間加熱し、ヒーター側の基板12の温度上昇カーブと大気側の基板13の温度上昇カーブとを温度レコーダーにより記録し、加熱開始30秒後の両基板の温度差を求めた。
【0055】
(2)接続信頼性試験
直径250μmの電極を81ケ有する試験用半導体パッケージとこれを搭載する試験用プリント基板を用い、導電性微粒子、ハンダボールを実装し導電接続構造体を作製した。この導電接続構造体において、試験用半導体パッケージと試験用プリント基板との接続は、デージーチェーン構成となっている。
作製した導電接続構造体を用い、−25℃〜125℃、1000サイクル及び1500サイクルの温度サイクル試験を実施した後の導通不良発生の有無を調べた。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体チップ又は電子部品の電極と実装基板の電極とを接続するのに使用され、その接続部にかかる力を緩和して高い接続信頼性を得ることができ、かつ、熱伝導性の高い導電性微粒子、導電性微粒子の製造方法及び導電接続構造体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1の導電性微粒子の断面を示す模式図である。
【図2】本発明2の導電性微粒子の断面を示す模式図である。
【図3】実施例における熱伝導性評価試験方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 無機微粒子からなる基材微粒子
2 樹脂層
3 金属層
4 多層構造体
5 樹脂層
6 金属層
7 組み合わせ
8 樹脂層
9 金属層
10 組み合わせ
11 導電性微粒子
12 熱伝導特性評価用基板(ヒーター側)
13 熱伝導特性評価用基板(大気側)
14 ヒーター
Claims (6)
- 無機微粒子からなる基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成された多層構造体とからなる導電性微粒子であって、
前記多層構造体は、樹脂層と金属層とからなる組み合わせを少なくとも2つ以上有し、かつ、最外層は金属層とされていることを特徴とする導電性微粒子。 - 金属層は、1層又は2層以上の層からなることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
- 無機微粒子が金属又はセラミックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性微粒子。
- 無機微粒子からなる基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成された樹脂層と、前記樹脂層の表面に形成された金属層とからなる導電性微粒子の製造方法であって、
少なくとも、
無機微粒子からなる基材微粒子を重合性単量体液中に分散した分散液を調製する工程1と、
前記分散液を媒体中に加え、剪断をかけながら攪拌して前記分散液が微粒化して前記媒体中に懸濁した懸濁液を調製する工程2と、
前記懸濁液を加熱して前記重合性単量体を重合させる工程3とを有し、
前記基材微粒子の表面に形成された樹脂層の表面に、金属層を形成する工程をさらに有する
ことを特徴とする導電性微粒子の製造方法。 - 金属層形成工程と、前記工程1〜3の樹脂層形成工程とを複数回繰り返すことを特徴とする請求項4に記載の導電性微粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性微粒子を用いて導電接続されてなることを特徴とする導電接続構造体。
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