JP5327438B2 - 樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
また、分散重合法は有機溶剤中でのソープフリー乳化重合法といえる方法であり、サブミクロンから数ミクロンの粒径の、分布の狭い樹脂粒子を得るのに適している。例えば、この技術は非特許文献3に開示されている。
(1)光又は熱硬化型樹脂原料に、二酸化炭素を加圧状態で混合した溶液を噴霧し、
霧化した光又は熱硬化型樹脂原料のエアロゾルに光又は熱照射することを特徴とする樹脂微粒子の製造方法。
二酸化炭素を加圧導入して溶解させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂微粒子の製造方法。
本発明は、乾燥工程におけるエネルギー削減、有機溶剤に起因する環境負荷を抑制するため、高圧二酸化炭素による噴出法を用いつつ、光又は熱性樹脂原料と噴出・霧化後の光重合反応を組み合わせることで、架橋型樹脂微粒子を生産性よく製造する方法を提供するものである。
すなわち、本発明の樹脂微粒子の製造方法は、樹脂原料として光又は熱硬化型樹脂組成物を用い、該樹脂原料と二酸化炭素とを加圧状態で混合した溶液を噴霧し、霧化した光又は熱硬化型樹脂原料のエアロゾルに光又は熱照射することで、光又は熱硬化型樹脂原料の重合を行い、樹脂微粒子を製造するものである。
以下に、本発明の樹脂微粒子の製造方法について詳述する。
また、図2に示すように、高圧二酸化炭素と光又は熱硬化型樹脂原料とを2系統の導入路を用い、高圧容器に導く構成としてもよい。図1に示す装置では、光又は熱硬化型樹脂原料を予め高圧容器に導入した後、高圧二酸化炭素を導入したが、これに対し、図2に示す装置は、光又は熱硬化型樹脂原料が収容された原料液容器22から、接続配管を介して高圧容器16に導入するものであり、高圧容器16と原料液容器22との間の接続配管にはバルブ18及びポンプ20が設けられている。高圧容器16への光又は熱硬化型樹脂原料の導入はバルブ18及びポンプ20により機構的に行われる。つまり、図2に示す装置は、ポンプ12、20を用い、光又は熱硬化型樹脂原料と高圧二酸化炭素とをそれぞれインラインで高圧容器16に導入するものである。
上記温度は、光又は熱硬化型樹脂原料と高圧二酸化炭素を混合する際の高圧容器・配管及び噴出孔の温度を示している。均質な混合状態を保持するために、混合及び噴出時の温度差がない方が好ましい。
(光又は熱硬化型樹脂原料)
暗室内でメチルメタクリレート1.5gとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3.5gとの混合物に対し、硬化剤としてチバガイギー社製Irgacure−907(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)の40重量%アセトン溶液0.4gを混合し、光又は熱硬化型樹脂原料を得た。B型粘度計を用いて粘度を測定したところ、150mPa・sであった。その後暗室内で耐圧工業製20mL高圧容器内に上記光又は熱硬化型樹脂原料の導入を行った。
霧化装置の概略図を図7に示す。液化二酸化炭素ボンベ10と耐圧工業製20mL高圧容器16の間にポンプ12(日本分光製、超臨界二酸化炭素用ポンプPU−980B)及びバルブ14をSUS製の接続配管を介して接続した。高圧容器16のもう一方の出口にヒートブロックによる温度調整機能とバルブを備えた耐圧硝子社製ノズル(孔径0.15mm)32とをSUS製の接続配管を介して接続した。
アルミニウム箔で被覆された直径200mm、長さ1.5mのアクリル樹脂製筒36を水平に設置した。アクリル樹脂製筒36の長手方向において3箇所等間隔になるようアルミニウム箔の開口部を設け、アズワン社製UVランプHLR100T−2(H)を3基設置し、アクリル樹脂筒36内部に紫外光を導入可能にした。アクリル樹脂筒36の一方の開口部に上記霧化装置のノズル32を配し、もう一方にフィルター(直径47mm、孔径0.05μm)を備えたガラス製の捕集器38を設置した。捕集器38にダイアフラムポンプ40(排気能力30L/分)を2基並列に接続し、アクリル樹脂筒内のエアロゾルが吸引側に捕集できるようにした。
上記光又は熱硬化型樹脂原料を導入した高圧容器16を40℃に保ったウォーターバス内に設置し、高圧二酸化炭素の導入を行った。圧力が6MPaで平衡状態になるのを確認後、予め紫外光を照射し、ダイアフラムポンプ40を作動させた上記アルミニウム被覆アクリル樹脂筒内に光又は熱硬化型樹脂原料を噴霧した。噴霧時のノズルの温度を40℃に保った。噴霧後30分間紫外光照射及び吸引を行った。所定時間ごとにフィルターの交換を実施し、目詰まりを防止した。(株)日立ハイテクノロジーズ製走査電子顕微鏡走査電子顕微鏡(SEM)SU−70を用い、フィルター上に捕集された粒子の観察を行った。噴霧15分後のフィルター捕集物のSEM像を図8に示す。本発明の樹脂微粒子の製造方法によってサブミクロンから2ミクロン程度の樹脂微粒子の生成が確認された。
(光又は熱硬化型樹脂原料)
暗室内にて光又は熱硬化型樹脂原料としてメチルメタクリレート1.5gとペンタエリスリトールテトラアクリレート3.5gとの混合物に対し、硬化剤としてチバガイギー社製Irgacure−819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)の10重量%アセトン溶液2.5g及びIrgacure−651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)の40重量%アセトン溶液1.0gを混合し、光又は熱硬化型樹脂原料を得た。B型粘度計を用いて粘度を測定したところ、310mPa・sであった。その後暗室内で耐圧工業製20mL高圧容器内に上記光又は熱硬化型樹脂原料の導入を行った。
加圧圧力を8MPa、捕集器のフィルター孔径を0.2μmとした以外は実施例1と同様の方法で光又は熱硬化型樹脂原料の噴霧及び硬化を行った。噴霧後15分後のフィルター上の捕集物のSEM像を図9に示す。本発明の樹脂微粒子の製造方法によってサブミクロンから3ミクロン程度の樹脂微粒子の生成が確認された。
(光又は熱硬化型樹脂原料)
暗室内にて光又は熱硬化型樹脂原料としてメチルメタクリレート1.5gとポリメチルメタクリレート(分子量30,000)の3.5gの混合物を得た。
噴霧実験に先立ち光又は熱硬化型樹脂原料の高圧二酸化炭素への溶解性を調べるため、耐圧工業製サファイア窓付き30mL高圧容器内に上記光又は熱硬化型樹脂原料の導入を行い、相挙動を観察した。その結果加圧圧力を5MPaにおいて上記光又は熱硬化型樹脂原料は相分離してしまい、噴霧・エアロゾル化が困難であった。
(光又は熱硬化型樹脂原料)
暗室内にて光又は熱硬化型樹脂原料として日立化成工業(株)製FA−MECH(γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート)5gに対し、硬化剤としてチバガイギー社製Irgacure−907の40重量%アセトン溶液0.4gを混合し、光又は熱硬化型樹脂原料を得た。B型粘度計を用いて粘度を測定したところ、10,000mPa・sであった。その後暗室内で耐圧工業製20mL高圧容器内に上記光又は熱硬化型樹脂原料の導入を行った。
加圧圧力を8MPaとした以外は実施例1と同様の方法で光又は熱硬化型樹脂原料の噴霧及び硬化を行った。しかし比較例2の光又は熱硬化型樹脂原料は噴霧時に微細な霧状とならず、泡状の噴出物となってしまい、エアロゾル化及びその後の微粒子化が困難であった。
実施例1、2では、RESS法とは異なり(超臨界)二酸化炭素に対する樹脂微粒子の溶解性とは無関係に樹脂微粒子を製造することができる。さらに、分散媒を蒸発させる工程が不要であるため、エネルギー削減、環境負荷の抑制に寄与する。
12 ポンプ
14 バルブ
16 高圧容器
18 バルブ
20 ポンプ
22 原料液容器
24 スターラー
26 回転子
28 合流配管
30 大型容器
32 ノズル
34 光源
Claims (14)
- 光又は熱硬化型樹脂原料に、二酸化炭素を加圧状態で混合した溶液を噴霧し、
霧化した光又は熱硬化型樹脂原料のエアロゾルに光又は熱照射することを特徴とする樹脂微粒子の製造方法。 - 前記光又は熱硬化型樹脂原料が、モノマーと硬化剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記光又は熱硬化型樹脂原料が、モノマー、オリゴマー、及びポリマーのうちから選ばれる少なくとも1種と硬化剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記モノマー又はオリゴマーが、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、マレイン酸ジエステル基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビニルアミノ基、グリシジル基、及びアセチレン性不飽和基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記モノマーがアクリレート又はメタクリレートであることを特徴とする請求項2又は3に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記光又は熱硬化型樹脂原料の粘度が10,000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記光又は熱硬化型樹脂原料を高圧容器に導入し、二酸化炭素を加圧導入して溶解させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記光又は熱硬化型樹脂原料と二酸化炭素とを配管内で混合しつつ、熱硬化型樹脂原料を二酸化炭素に溶解させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記加圧状態における加圧圧力が3MPa以上30MPa以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記光又は熱硬化型樹脂原料の二酸化炭素への溶解時の温度が20℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記光又は熱硬化型樹脂原料に二酸化炭素を加圧状態で混合した溶液を大型容器内に噴霧しエアロゾルを形成した後、光又は熱照射によりエアロゾルを硬化させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記光又は熱硬化型樹脂原料に二酸化炭素を加圧状態で混合した溶液を流通式配管に噴霧しエアロゾルを形成した後、光又は熱照射によりエアロゾルを硬化させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記流通式配管の噴霧口に対して反対側に吸引部を設け、吸引を行いながら、光又は熱照射により流通式配管内で前記混合溶液のエアロゾルを硬化させることを特徴とする請求項12に記載の樹脂微粒子の製造方法。
- 前記吸引部の吸引方向上流側に樹脂微粒子の捕集を可能とするフィルターを設けることを特徴とする請求項13に記載の樹脂微粒子の製造方法。
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